#include(第九回帰ってきた変態選手権情報窓,notitle) 空は青く澄み渡り、芝生の上に寝そべって眠れそうなほど気持ちの良い晴天。しかし、外に人影はほとんどない。いつもはトリミアンやニャオニクスを連れたマダムが談笑している公園も、陽気な青年が自転車で軽やかに走り去っていく石畳の通りも、赤い翼をはためかせながら飛んでいくファイアローに乗るトレーナーの姿も見えない。 街のシンボルとなっているミアレジムも、現在はジムリーダーは引きこもっており、ロボットを遠隔操作して指導やチャレンジャーの相手をしている始末であった。 窓から見える風景は美しい街並みが見渡せる理想的な状況と言えるかと言えば、街のいたるところには警察やポケモンレンジャーが不要な外出を行うものがいないかを厳しく見張っており、街はまるで敵国に占拠でもされたかのようだ。 「暇だ……」 セルジュはため息をついてソファーベッドの上で寝返りを打つ。現在、世界中に強力な感染力と致死性を持つ新型のウイルスが猛威を振るい、外出は厳しく制限をされている。食料や医療品を買ったり、ポケモンの散歩のための外出は認められているが、人間同士の接触は原則家族を除く二人以上で一緒に出歩くことは禁じられ、集会などはもってのほか。人と会話するときでさえ距離を取らなければいけないなど、生活は不便かつ物理的にも精神的にも距離を感じる毎日だ。 また、人同士の接触を避け、ウイルスがこもらないよう、多くの人が訪れる密閉空間に長時間いることを避けるため、生活必需品や公共交通機関、病院や金融機関といった生活に必須の施設以外はすべて閉鎖され、学校すらも閉鎖されている。ポケモンバトルも街中では禁止されているため、いつもは活気にあふれている広場や公園も、今は閑散としている。 当然のことながら、ポケモントレーナー達ですら街への出入りの際は病原体を蔓延させないよう、移動を制限されており、ポケモントレーナーはポケモンセンターで足止めを食っているか、開き直って郊外でキャンプをしているかのどちらかであった。 そして一般市民は、家でテレビを見たりゲームをしたり、ネットサーフィンをしたり。とにかく外に出ることが出来ないので、家でできる暇つぶしを行うことしか出来ないのである。ポケモンが家に一匹いるので、散歩のために出かけることは出来るのだが、やはり自分は友達と一緒に集まって盛り上がったり、ライブハウスに行って大声を出しながら体を動かしたりなど、とにかく人の多い場所で騒ぐような遊びがしたいのだ。 彼のポケモン、マフォクシーのイアナの方はと言えば気楽なもので、休みが多くなっているおかげか、セルジュがいつもよりも長い時間構ってくれるし、わざわざ遠くのスーパーまで買い物のために自転車を走らせてくれるので、それに付き合って走るのが楽しくて仕方がないようだ。それでも、バトルをしなくなった分体を動かしたりないと言う意味では欲求不満なようで、すべての欲求を解消するのはなかなか難しい。 セルジュが部屋でごろ寝していると、イアナは隙あればすり寄ってきて体を寄せてくるので、スマートフォンの操作中は疎ましく思う時もあるが、可愛らしいのでついつい甘やかしてしまう。ウイルスが蔓延し始めたのはまだ寒い季節であったため、石油を買いに行くのも戸惑われるこの状況だが、家に居るだけで温かく感じられる炎タイプのポケモンがいてくれるのはありがたかった。もうすぐ春になれば暖房も不要になるだろうが、まだまだ夜は肌寒い日が続きそうなので、しばらくは暖を取る意味でも役立ってくれるだろう。 「あぁ、イアナ……また撫でて欲しいのか?」 イアナは甘えん坊な性格だった。パソコンを弄っていれば隣にしゃがんで机に顎を乗せてくる。料理をしていると後ろから抱きしめてくる。スマートフォンを弄りながらベッドでごろごろしていると、胸の上に飛び乗ってくる……のは、フォッコだったころの話。 テールナーの時までは許していたが、流石にマフォクシーまで進化してしまうと重くて仕方なく、流石に息苦しいので隣に寝かせることにしたのが進化したその日の夜の事。フォッコの時から変わらない、顔を舐めてくる癖はそのままなので、朝起きたら顔はドロドロだ。そのおかげで朝の洗顔は念入りに行うのが日課であったが、最近は昼寝をすることも増えてしまったので、昼も洗顔が欠かせなくなってしまった。 イアナと一緒に居られる時間が増えるのは嬉しいのだけれど、何か違うことがしたい。もうネットサーフィンもテレビを見るのも飽き飽きした毎日だ。働けないから貯蓄を切り崩して生活しているため先行きも不安で、ネット上で漫画や映画を見ていても、あまり頭に入ってこなくなる。 こういう時こそ頭を空っぽにして楽しめる何かが欲しいというのに。 退屈で麻痺しきった脳を惰性のままに動かして、SNSを漁って何か面白いニュースでもないかと眺めていても、有名人が感染したとか、この国の感染者がどれだけ増えたとか、入ってくる情報はネガティブなものばかり。せめて、何か予防に役立つ情報でもと思ってSNSを死んだ魚のような目であさっていると、思わぬ情報が目に飛び込んできた。 「セックスは免疫力を高める……?」 これまで、眉唾物のウイルス対策はいくつもあって、やれ神に祈ればいいと言って集まることで感染を広げる結果になってしまったり、やれこれを飲めば大丈夫などと謳ってメタノールを飲まされ死んでしまった例もある。このセックスで免疫力が上がるだなんてのも、例外なくまた胡散臭い。 そのセックスすることでストレスが減って免疫細胞が活性化するだの、ホルモンの分泌が促され抵抗力が上がるだのもっともらしいことは書かれているが、高い効果が見込めるかどうかといえば、気休め程度の効果はあるかもしれない。病は気からともいうし、確かにセックスでこの退屈な生活のストレスが取り除かれれば、少しは意味があるかもしれない。 しかし、生憎そんなことが出来る相手はいないし、知り合いの女性に『セックスして免疫力上げようぜ!』なんて口走ったらビンタでは済まないだろう。グーパンチで済めばいい方だ。 もっといえば、外に出ていない今なら確率は低いとはいえ、むやみにそんな接触をしてしまえば感染の危険性もある。結局のところセックスが免疫力の向上に本当に効果があったとしても、無理なことなのである。 その書き込みの詳しくを追っていくと、外出規制に合わせて恋人と同棲したカップルののろけ話がならんでいる。やれ、『もうやってる』だの『明日からそう言って誘うわ。あ、相手がいなかった』だの。 思った通りだとため息をついたが、中には人間同士では感染の心配があるからとポケモンと行為に及んでしまう者もいて、ご丁寧に主人に抱かれるのを色っぽい視線で待っているようなゲッコウガの写真まで添えられていた。 残念ながらゲッコウガは自分の趣味ではなかったが、人間よりも積極的にオスの体を求めるなまめかしい姿は、それはそれで魅力的だ。もしもいま隣にいるイアナの場合はどんなふうに求めるのだろうかと興味もわいた。 そんなよこしまなことを考えているとはつゆ知らず、イアナは構ってくれとばかりにスマホを弄るセルジュの頬を舐めている。 「えーい、お返しだ!」 うっとうしいけれど可愛くて仕方のない行為へのお返しとして、セルジュはイアナの頬をつまんで左右に引っ張った。当然口の形が変形して変な顔になってしまうのだが、イアナは怯むどころか負けるものかとばかりに顔を前に突き出して、よりムキになって顔を舐めようとしてくる。 あきらめて顔を舐めることを許し、抱きしめてやると、それはもう幸せそうに顔を舐め続け、飽きるまでは相当時間がかかる。こっちが眠ろうとすると起こさないように寝かせてくれるのだが、目を閉じてすぐに顔を舐めることを飽きてくれたためしはない。何がそんなに楽しいのかは分からないが、イアナはひたすら舐めてくる。幼い頃からずっとそうだ。 彼女の体をくすぐってみても、くすぐったいという感覚は人間と違ってあまりないのだろうか。それともくすぐったさが気にならないほどに舐めることに夢中になっているのかは分からないが、イアナは無反応でペロペロペロペロ。どこからこの執念がやってくるのかわからないが、本当にご苦労なことである。 ふと、好奇心がうずいた。 「なぁ、イアナ」 話しかけると、少しだけ首をかしげたイアナだったが、まあいいやとばかりに顔を舐めるのを継続する。 「お前って、つがいが欲しいとかって思わないの?」 などと言ってみたが、聞いているのかいないのか、イアナは意に介していない。耳をつまんだりうなじを撫でたりすると気持ちよさそうに目を細めているが、基本的に彼女にとって最高のコミュニケーションは舐めることのようだ。つがいが欲しいかどうかなんて今のところ眼中にもないようである。 しかし、それは彼女がつがいというものがどんなものか知らないからだろう。あの写真に写っていたゲッコウガも、もともとは人間に対して恋心を抱くような奴ではなかったかもしれないが、一度セックスの味を知ってしまえば自分から誘うようにもなるらしい。 もしもイアナが新しいコミュニケーションを覚えたら、あのゲッコウガのように求めてきたり誘ったりしてくるのだろうか? 持て余した暇と、湧き上がる好奇心、そしてついさっきに見たゲッコウガの扇情的な姿に突き動かされるように、セルジュはイアナの体に手を伸ばす。イアナは胸を触られてもなんとも思わないのは以前確認したことがある。人間だったら胸を揉まれたりなんかしたら嫌悪感の一つでも感じるのかもしれないが、ポケモンにはそんな貞操観念はないらしい。それどころか、どこを撫でてもらっても気持ちよいのか、目を細めて喜ぶ始末である。 彼女は脇腹も特に何も感じないようだ。しかし、尻まで触られたときは流石に尻尾がピクリと反応した。とは言っても、このくらいならば、バトルで汚れた時などに体を洗う拍子に触れたのと同程度、いつもの事である。 イアナに嫌がられないのを良いことに、彼女の尻をもっと撫でてやると、イアナはスイッチが入ったように顔を舐める速度が上がった。それだけじゃなく、しがみつくようにセルジュの肩をがっちり掴み、容易には逃げられそうにない状況に陥ってしまう。 今まで、シャワーを浴びた際に尻を触ることがなかったわけではないが、今まで行ったそれよりもずっとねちっこく触ったおかげなのだろう、本能的に興奮を覚えているようだ。その態度からは嫌がるどころか、これはもっとやってほしいと言われているような気がした。 拒絶されるどころか求められているのだから、トレーナーとしてはそれに応えてあげたいと思うのが人情だ。セルジュは一度イアナの手を振りほどくと、仰向けから横向けになり、ベッドの上でイアナと向かい合う。イアナは相変わらずこれでもかと顔を撫でてくるが、こちらはお返しとして彼女のスカート状の体毛に手を突っ込んで、股間に指を突っ込んで撫でる。ここまで大胆なことはいまだかつてしたことがなく、イアナも異変を感じてきたのだろう徐々に内股をもじもじとさせ始めた。性器に近い部分をずっと触れられることで眠っていた本能が呼び起こされようとしているのだろう。 しかし、イアナは何か未知の感覚に目覚めつつあるのだが、それがどういう感覚なのかはまだ分かっていないのだ。 「なぁ、イアナ。もっとやってほしいか?」 セルジュも12歳になるころには自慰を覚えたが、イアナはもうマフォクシーに進化したというのに性の喜びを何一つ知らない。そろそろ性的なことの一つでも経験させてあげたいと思いつつも、ポケモンにそんなことを教えてしまうのは倫理的にどうなのかと思っていたが、それを躊躇うには外出を規制されて暇な時間が長すぎた。 長期間の缶詰生活でたまったフラストレーションに後押しされて、セルジュは箍を外したようにイアナの体をまさぐっていく。内股に触れるだけではなく揉んでみると、ふさふさの体毛に覆われた尻はよく運動しているためか弾力が強い。感情に合わせて時折揺れる尻尾を握ったりなどしていると、刺激が強くなったおかげか、イアナは体ごと捩るようにして未知の感覚に戸惑っている。 このままどうすればいいのかわからないというのもあるのだろうが、主人を傷つけてもいけないからと加減しているのだろう。しかし、せっかくここまで来たのだ、不完全燃焼のままではかわいそうだと、セルジュも焦らしをやめて直接的な攻撃に出ることにした。 尻を揉む手を離したセルジュは、マフォクシーの最大の特徴であるスカート上の体毛をめくりあげ、その中に隠されていたすらりと長い脚の鼠径部に指を這わせてさらに敏感な所へ触れていく。イアナのサイコパワーが思わず漏れ出してしまったのか、体中にフリーフォールのアトラクションに乗ったときのような不快な浮遊感が流れる。指を小刻みに往復しながら徐々に彼女の性器そのものへと指を持って行くと、ついに耐え切れなくなったのか顔を舐めていたイアナの舌の動きが止まってしまう。 どうやら、今のイアナにとってセルジュが与える刺激は舐めるよりも重要なものらしい。これは面白い反応だと、セルジュは調子に乗って、ついに彼女の粘膜にまで手を伸ばす。手は洗っていないがそのまま粘膜に触れて大丈夫だろうかと思い、今はとりあえず入り口の部分をちょいちょいと触れるだけ。それでもよっぽどすごい衝撃を受けたのか、イアナは顔を舐めることすら忘れてセルジュの事をぎゅっと抱きしめた。甘えることが好きなので、抱きしめてくるようなことはこれまでも何度もあったが、こんなに強い力で抱きしめられたのは初めてだ。まるで恐怖に怯えているかのようである。 運動しているわけでも無いのに少し呼吸も荒くなっているし、体は熱くなっている。精神状態が不安定になってサイコパワーも制御しづらくなっているのか、ティッシュやカーテンが風もないのに揺られている。メスの匂いも漂い始めており、ポケモン同士であればこのまま本能に任せて、相手に覆いかぶさるとともに、性器同士を結合させてしまうのかもしれない。しかし、ポケモンのような行為をそのまま行ったのでは少々味気ないからと、セルジュはちょっとだけ人間らしい行為に付き合ってもらうことにした。 セルジュはイアナの性器周辺を指でなぞりながら、開きっぱなしの彼女の口に大胆な口づけをする。唾液を譲り渡すような強烈な口づけをされると、イアナはそれに喜んで応じる。もともと顔を舐めるのが大好きな奴である、激しく情熱的な口づけを嫌いなはずもなくセルジュの唾液をおいしそうにすすっている。 大量に流し込まれたセルジュの唾液を、むしろ愛おしそうに飲みこんで、イアナはようやく忘れていた舌遣いを再開させた。 イアナはぎゅっとセルジュを抱きしめる。まだ自分の疼きを解消する方法が分からないらしく、主人であるセルジュに縋りつくしかないのだろう。雄に交尾を求めることは出来ても、無理やり雄を襲うという選択肢は思い浮かばないようだ。すでに彼女は発情しきっているのに、セルジュの服をはぎとって裸にしようという試みすらしないようだ。 その気になればイアナも騎乗位のような体位に持ち込むことで強引にオスと交尾するくらいはできるのかもしれないが、そういう発想は今の彼女にはないらしい。 セルジュはキュンキュンとかわいらしく鳴いて続きを求めるイアナにちょっとだけ我慢をしてもらうことにする。我慢させるのは心苦しいが、今の可愛い彼女をもっと長いこと見ていたいし、それに我慢をしたほうがより気持ちよくなってくれるはずだ。 セルジュは一度イアナの頭を撫でてから、彼女を振りほどく。イアナは寂しそうに、欲求不満そうに、じっとこちらを睨みつけるが、そんな目をされても困るというものだ。セルジュは、買ったはいいが使う予定が全くなかったコンドームを手にし、また行為の前に最低限体をきれいにするべきと、アルコールが含まれたティッシュで体を拭いた。セルジュは他者の粘膜に指を突っ込むなんて初めてだし、イアナは言うまでもなく処女である。 万一胎内を傷つけてしまった際に、妙な病原菌が入らないよう爪も切って、ようやく準備は万端だ。しかし、放っておかれたイアナはすっかり体も冷えてしまった上に、一番構って欲しいときに主人に構ってもらえなかったせいか、少しだけ拗ねているように見えた。 埋め合わせをするようにイアナを押し倒して口づけを交わし、今度はいきなり彼女の膣に指を滑らせる。すぐにスイッチが入ったイアナの体に執拗に刺激を与え、彼女の体に準備を促した。仰向けに押し倒されたイアナは、押しつぶされても苦しむ様子の一つすら見せずにセルジュを抱きしめる。 やがて、イアナの体は徐々に準備が整ってきたように粘液を分泌し、膣の内部は鼻水にも似た粘性を帯びる体液で満ちていく。ポケモン相手に興奮するだなんてありえないと思っていたが、こうやって求められてしまうとセルジュの体も素直に反応してしまい、下半身に意識を集中すればすでにはち切れんばかりの欲望がペニスの大きさという形で目に見える。 セルジュはポケモンを抱くだなんて、そんなことは発想すらせずに今まで生きてきたが、きっかけさえつかめばポケモンへ性欲を抱くことなんてあまりにも簡単なことだった。興奮して徐々に性への欲求を湧きあがらせているイアナを見ていると、ペニスがいきり立って今すぐにでも本番へと行きたくなってくる。 しかし、いきなりこれを突っ込んでしまうには、イアナの体は準備不足だ。野生のポケモンは雄がきちんと押さえつけていないと雌に反撃されるだなんて話もあるが、ポケモン同士ならばまだしも、人間とポケモンとでは下手したら大怪我につながりかねないし、主人への信頼も失われてしまうだろう。 相手に拒絶されないよう、まずは指を一本挿入して様子を見る。流石にこの程度ならばほとんど抵抗なく入っていくが、初めて異物を受け入れた驚きのせいか、イアナはあれほど大好きな顔を舐めることをやめてしまった。嫌がったり痛がったりされないのを言いことに、セルジュは冷えてしまったイアナの体を指一本でかき回す。 激しく出し入れするのではなく、その指一本で歯を磨くようなイメージで、あくまで優しくゆっくり、しかしねちっこく揉み解していく。 すると、膣内を保護するためか次第に胎内に粘液が満ちてきて、膣肉も解れてきて、指は二本まで入るようになった。指の数を増やすのはあくまで慎重に。イアナには痛かったり苦しかったりといった思いはなるべくさせないよう心掛けて、本番行為を受け入れてもらう準備をしていかなければならない。彼女とは言葉が通じない分、より慎重にだ。 イアナは指で胎内を押し広げられながら揉まれ、擦られ、圧迫され、こねくり回される未知の感覚に、わずかなくすぐったさと、じわじわとにじみ出るような快感を感じているようだ。今のところ、理性を失うような快感はないようだが、彼女の意識は確実に下半身の感覚に支配されつつある。 無意識のうちに快感を受け入れるような体勢をとっているのはきっと気のせいではないのだろう。彼女の脚は開きっぱなしになり、尻尾も力尽きたように寝そべっている。彼女の体温はどんどん上がっており、胎内はまるで熱々のお湯にでも浸かっているようだ。 気づけば指は二本でもほとんど抵抗がなくなり、熱を帯びるにしたがってウォーミングアップを済ませたとでも言わんばかりに胎内は柔軟に、そして活発になっていく。イアナは意識しなくとも体がうずいてしまうのだろう、時折ピクンと指を締め付けるように胎内が脈動し、指三本を突っ込んでも痛がる様子は全く見せない。 ここまでほぐれてきたのならば、後はペニスを突っ込めるのも時間の問題だろう。ゆっくりゆっくり焦らすようにイアナの胎内を往復させて彼女の熱を引きずり出すと、少しずつ脈動のペースも早くなってくる。 交尾というのは、それをしている間無防備になるせいもあって、ポケモンには短時間で終わる種族も多く、おそらく人間のやり方に合わせてこうして長い間責め続けられるのはイアナにとってはじれったいのか、それとも野生では味わえない満足なのかはわからないが、確実に野生では体験することのない感覚だろう。 そのせいか、普段はめったに聞かない彼女の鳴き声は今はうるさいくらいで、キュウキュウとかわいらしい声を上げながら、拙いおねだりを続けている。今の彼女ならば、ペニスほどの太さと大きさでも受け入れることは容易なはずだ。 セルジュの顔を舐め続けるイアナの顔に手を添えて口づけをすると、イアナは遅れて反応してこちらの顔を舐める。こんな状況になっても顔を舐めるのは好きらしい。まったく、顔を舐めて何が楽しいのやらとセルジュは苦笑しながら彼女なりの愛情表現を受け入れ続けた。 セルジュはイアナの膣から指を引き抜いて彼女を抱き起す。この外出規制の最中に飽きるほどポルノを見て、そのほとんどが正常位。つまるところは向き合うようにしてのセックスであったが、やはりポケモン同士ならば後背位で行うのが一番だろう。 セルジュはイアナを四つん這いにさせる。最初は密着している状態から離れるのは嫌そうだったが、交尾の姿勢となると本能的にこの姿勢を取るのが一番落ち着くのだろうか、イアナはこれからやるべきことを理解しているかのように四つん這いになった。 膝立ちにはならず、クラウチングスタートよりも尻を上げたような状態になり、イアナは自分で尻尾を持ちあげる。セルジュはさらに彼女のスカート状の体毛をめくりあげて、彼女の秘所をあらわにする。丹念にこねくり回され、すっかり出来上がり準備万端の彼女の膣は熱い粘液で満たされていて、しかもひくひくと小さく痙攣している。 セルジュはその光景を観察しながら、下半身の衣服を脱ぎ捨て、自身のペニスにコンドームを装着した。妊娠する心配はないだろうが、病気の予防と汚れの予防のためだ。それを終えると、彼女の体に左腕で抱き着きつつ、残った右手で自身のペニスを彼女の膣内に導いた。 自分の体温よりも幾分か高い彼女の体の中にペニスを突っ込むと、その熱と圧迫感だけですでに気持ちいい。イアナも今までで一番大きな刺激と、慣れ親しんだ交尾の姿勢で興奮しているらしく、セルジュがペニスを突っ込んだその瞬間、自分がやるべきことを理解したように自ら腰を振り始めた。 セルジュはといえば、さんざん見たポルノ男優のようにうまく腰を振れるかどうか心配だったが、その心配よりも先にイアナに動かれ、その積極的な行為に戸惑う暇もない。 イアナの動きに振り回されないように必死になりながら腰の動きを合わせていると、イアナは先に絶頂に達してしまったらしい、動きを止めて膣内をびくびくと痙攣させている。 その際、サイコパワーも漏れ続けてしまっているのだろう、内臓が浮かぶような浮遊感だったり、カーテンや彼女の体毛が風もないのにざわざわしていたりと、見えない力が働いていて、妙な心地である。 セルジュはといえば、彼女が絶頂してるにもかかわらず、いまだに腰を振り続けている。遅漏ではないつもりだったが人間の基準とポケモンの基準は違う。彼女は緩やかに絶頂から下りながらも、今だ刺激を与えられ続けるおかげで長い時間快感に浸っている。 絶頂に至ったおかげで彼女の膣はぴくぴくと高速で痙攣しており、それがうまい具合に圧迫したり力を緩めたりと緩急がついて、よりセルジュのペニスを効率的に刺激した。その刺激のおかげで、一足遅れる形でセルジュが射精する。彼女の体に思いっきり体を打ち付け、膣の奥の方での射精を行う。 いまだ勢いよく脈打っている彼女の膣の中で、精液を放つ感触は自分の手で慰めるだけでは決して味わえない至福の快感だ。イアナに体重を預けて絞り出すように射精を終えると、セルジュはゆっくりとペニスを引き抜いて、後ろから彼女を抱きしめる。 交尾を終えた彼女は、体をぐにゃりとまげて先ほどまで酷使した膣を舐めてケアしている。やがてそれが終わると絶頂で消費した体力を取り戻そうとするようにベッドに横になった。イアナはベッドで横になりつつもこちらに体を寄せて甘えてきており、もっと撫でろ、もっと抱きしめろ、と要求が激しい。 当然、顔を舐めるのは継続だ。その舌はついさっき自分の股間を舐めていたはずなのだが、気にしたら負けだろうか。いつまでもいつまでも舐めてくるイアナを相手にしているとらちが明かないので、無理やりマズルを握りしめて口を閉じさせ、体を洗うためにシャワールームへと向かうのであった。 シャワーの水は硬水のため、浴びると少し毛並みがごわついてしまうが、汗などがこびりついた状態でベッドに寝転がるのもなんだし、膣から愛液が漏れだしてベッドを汚されたら目も当てられない。 そうなる前にシャワーを浴びて、体をきれいにしたほうがいいだろう。あまり濡れるのは好きではないイアナだが、何よりセックスの後は風呂に入ることをきちんと学習させておかねばなるまい。シャワールームに手を引いていこうとするとイアナは嫌がったが、躾というのは最初が肝心なので、強引に引っ張ってやると観念したようだ。 「あれをやった後には水浴びしないとだめだぞ? それが無理なら、もうあれをやってあげないよ?」 彼女の目を見てそう説得すると、イアナは嫌そうな顔をしながらも従った。ちゃんと意味は通じたようでありがたい。シャワーを浴びる際、イアナは目を瞑って早く終わるようにと祈っているかのようだ。耳に水が入らないよう気を付けながら丁寧に体を湿らせ、特に下半身は入念に洗ってあげる。 膣の付近を執拗に表れた時は少し恥ずかしそうに怯んでいたものの、主人にやられるのならば仕方ないかと、抵抗らしい抵抗はなかった。そうして全身を洗い終えて綺麗にした後は、全身を軽く流して体を拭いてあげた。 イアナは炎タイプのポケモンなので、ドライヤーを掛ける必要もなく、自ら体温を上げて乾かしてくれるだろう。その代わり、触ると火傷しそうなくらいに体温を上げてくるためしばらくは触れない。本人もフォッコの頃にセルジュを大やけどさせて以来そのことは理解しているためか、自分から近寄るような真似はせず、一人で体温を上げて体を乾かしている。きっと、自力で体を乾かし終えたイアナは、疲れてベッドで横になっていたセルジュの隣に寄り添うと、顔を一舐めした後そのまま眠ってしまった。 そんな、セルジュとイアナの初体験。暇を持てあましたその果てに、倫理観が脆くも崩れ去った結果の行為だが、一度倫理観がなくなってしまえばあとは簡単なものだった。昼寝から覚めたら二回戦に突入……などということはないが、昼寝から覚めた後、ネットで配信された映画を見て、料理をして。一歩も外から出ることない生活をしていると、いつイアナが構って欲しくて甘えてくるか分かったものじゃない。 イアナを撫でてあげていると、次第にどちらかが積極的に相手に密着しようとして、それが悪化していくと服を脱ぐか脱がされるかして、あの時と同じように交わることとなってしまう。 セックスは免疫力を上げるとか、ウイルスに怯えているこのご時世には有用な情報を見て始めてしまった行為だが、もう途中からそんなものは関係なしに夢中になってしまった気がする。とはいえ、元からその効果に関しては眉唾物なので大して信じてもいないし、言い訳にすらなっていない言い訳のようなものだったが。 こうして家にいることが多くなったおかげで、イアナも体を動かしたくてたまらないようで、今までは毎日のようにもっと外で遊びたい、新しい木の枝を作りたい、走りたい、バトルしたいとせがんできたが、その日を境にイアナは暇を持て余すと、交尾に誘うようになってしまい、そういう時は服の中に手を突っ込んだり、サイコパワーで器用にズボンのベルトを外すようになったりと、だんだん大胆になっていく。しかし、外で似たような行為をされたらたまらないので、おねだりの仕方はもう少しマイルドに。そしておねだりに応じるときも、きちんと合図を決めておかねばならないだろう。 そうでなければ、イアナはきっと外でも同じように交尾をおねだりすると思うので、外出規制が解かれた際に警察に逮捕されないようにも、躾は急務であった。 一度セックスを覚えてしまった一人と一匹は、晴れた空の下に出ることを許されない日々を、ひたすら交尾によって気を紛らわす日々を過ごすのであった。ポケモンと交わるなど禁忌とは分かっていても、セックスは免疫力を上げるからとか、心と体の健康のためとか、そんな言葉を免罪符にしながら、イアナとセルジュの仲は深まっていった。 いずれ外出規制が終わったとしても、これまでの二人には決して戻ることは出来ないだろうが、後悔はしないだろう。おかげで、イアナの可愛らしい仕草を拝めることが出来るようになったのだから。