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水も滴るワンウィーク! の変更点


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writter is [[双牙連刃]]

水も滴るワンウィーク!
#contents

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*PROLOGUE ~Victini~ [#qgFECHT]

 モテるとはどういう事か? 思春期真っ最中の俺に答えを無言で、その様子を見せただけで叩き付けてきた奴が居る。インテレオンのジェームズ、俺の幼馴染な癖に俺より一足先に最終進化までしたあんちくしょう。ジメレオンの時は一緒に牝に興味を持たれないってボヤいてた癖に進化した途端に「ジェームズ君って進化してから凄くカッコ良くて、なんだか目で追い掛けちゃうんだよねー」なんて牝のポケモンに言われる奴になりやがった……! しかもそんな自分に奴は気付いている。ジメレオンの時は牝に声を掛けるなんて出来もしなかった筈なのに自分から声を掛け、あまつさえ黄色い声に囲まれている!
 更に気に入らない事に、そんな自分と対象的な俺を鼻で笑って付き合いを断ち切りやがったのだ! 幼馴染でそれまでずっと一緒につるんでた俺をモテるようになったというそれだけで、だ!
 ……そんな幼馴染の裏切りもあり、現在凹みに凹んでいる俺の名はソウシ。バトルのセンスもホタチの扱いもパッとしない、何処にでも居るような普通なフタチマルである。はぁ……自分で思っておいてあまりの普通さに余計に惨めになってきた。止めよ止めよ。
 そんなこんなで俺は現在一匹、牡やもめを拗らせながら木の実を齧りつつブラブラしていたりする。やろうと思えば色々やれる事も無くは無いけど、やる気が湧いて来ないんだよなぁ。
 そんな感じでダラダラっとしてたら、草木の色しかない視界の端に妙に明るい色をした物を捉えた。なんだあれ? と思って近付いてみたら……うわっ、ポケモンが行き倒れてるし。し、死んでる? 一応手頃な木の枝で軽く突いて確認してみるべき?
 とか何とか思ってたら、行き倒れから空腹を告げる腹の虫が鳴いた。あー、うん、とりあえず生きてるっぽいな。自己主張の激しい行き倒れだなぁ。とりあえず食べ掛けのキーの実を咥えて、もう一つの実を渡すか考える。だってこれオボンの実よ? 結構レアなんだもん渡すのを渋る気持ちも分かってほしい。
 はぁ……キーの実じゃなくこっちに口を付けてれば良かったなぁ。けどここで見捨てたら寝覚めも悪そうだし、しょうがないから食べさせるか。

「おーい……もしもーし?」
「……ア」
「あ?」
「アイム……ソォハングリィ……」

 あ、反応した。のかな、これ? 言ってる事はよく分からんけど腹減ってるのは盛大にまた腹が自己主張してるから分かったっての。

「とりあえず、これ食べれるかー?」
「……フルーツ!」
「うぉぉ!?」

 飛び起きたと思ったら俺の手からオボンの実を奪って凄い勢いで食べ始めた……どんだけ腹減ってたんだか? まぁいいや、俺も食べ掛けのキーの実食べちゃってと。

「ふぅー……サァンキュゥー!」
「ほわっ!?」
「ベリマァッチ!」

 食べさせたのがオボンの実だからか、めっちゃ元気になったな。てかテンション高いなおい。

「ハーハッハッハー! 俺とした事がミステイク! 食事のチャージを怠ってしまうとは、な!」
「お、おぉう、とりあえず元気になったんなら何よりだ」
「あぁ! 改めてサンクス! 君が食糧をギブしてくれたんだな!? 良ければネームを教えてくれないか!?」
「ね、ねーむ?」
「オゥソーリィ、ネームとは名前の事さ!」
「あ、あぁ、名前ね」

 喋り方は独特だけど、とりあえず悪いポケモンでは無さそう、かな? 名を名乗るくらいはいいか。

「俺は、フタチマルのソウシだ」
「ソウシ! ナイスネームだ!」

 俺の名を多分褒めてくれてるのはいいんだが、自分は名乗らないのかと思ったら一つ溜めを作った後に腰に片手を当てて、逆の手の指を立てて自分に向けた。

「マーイネームイズヴィクター! ヨロシクゥ!」
「お、おぅ……」

 とりあえず、ヴィクターって名前だってのは分かった。種族は何か分からないけど、オレンジ色っぽい見た目もあって若干暑苦しい感は否めない。

「さぁて、名乗ったところでギブへのテイクを考えないとならないな! ソウシ! 君は今何か勝利したい事はあるかい!?」
「へ? 勝利? なんていきなり聞かれてもなぁ」

 大体勝利って言われても何か勝負をしてる訳でもなし。ただ単にブラついてただけだしなぁ。

「誰かに勝ちたいというだけじゃないぞぅ! 何かを達成したい、誰かとのラブを育みたいというのもオーケーだ! 勝利とは、己の力で掴み達成するものだからな!」
「何かを達成? ラブを育む?」

 首を傾げてると、好きな相手は居るかって事らしい。そんなの居れば今こんな風に腐ってないっての……。

「ふぅむ? 説明をプリーズしていいかね?」
「説明? ……まぁ暇だし、いいけど」

 ジェームズの事、牝に見向きもされない事、そして現状に至るとざっくりと説明する。ヴィクターはふむふむって言いながら聞いてるけど……俺は今日会って行き倒れてるのを助けた程度の相手に何話してんだかなぁ。

「なぁるほど? オールコピーだ! ようは君は、まだ勝利すべきステージに辿り着いていないのだな!? 友よー! 安心しろぉ! 俺が万事ヴィクトリーに導いてあげよう!」
「は、はい?」
「燃えろ勝利よ! 我が友のヴィクトリーロードを照らし出せ! ブイッ! ジェェェェェネレェェェェェイッ!」
「おぉ!? おわぁぁぁ!?」

 ヴィクターの額から炎が燃え上がったと思ったら、それが俺目掛けて飛んできた!? ちょっ、何すんのー!?
 ……って、あ、あれ? 熱く、ない? 俺の体は炎じゃなく温かい光に包まれてた。

「な、なんだこれ?」
「ふふん、それは俺の力! 受けた相手に何かしらの勝利をもたらすスーパーパワーだ! と言っても、効果は一週間くらいしか保たないが、な!」
「勝利をもたらす、パワー?」
「このパワーによって君がどんな勝利を収めるかはー、君次第だ! ぞ! さぁ、勝利に向かってゴーアヘッド!」
「は、はぁ……?」
「む!? 何処かで敗北に悲しみ咽び泣く気配! ではソウシ、友よ! グッドラック!」

 そう言ってヴィクターはまた炎を燃え上がらせて飛び立っていった……なんだったんだ一体? と、俺の体を包んでた光も消えた? みたいだな。
 勝利に向かってゴーアヘッドの意味は分からないが……まぁここに留まっても仕方ないし、また適当にブラブラするかな。

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*First Day ~Feraligatr~ [#Lpamtcs]

 俺が暮らしてるのは主に水タイプのポケモンが寄り集まって出来た集落。基本的には皆のんびりと暮らしてるだけだが、ざっくりとは集落内で自分が何をする役目なのかって言うのは決まってる。俺は一応集落を脅かす輩が現れたりしたら、そいつを足止めしつつ暮らすポケモンを逃がすって言う防衛班に割り振られてる。ま、そんな危険は俺が生まれてからこの方起きた事無いけどな。
 とは言え、防衛班を無くせない理由がある。守らなきゃいけない対象って奴がある、と言うか居るんだよ。俺達水タイプのポケモンに欠かせない綺麗な水って奴を守ってくれてるポケモンが守り神って呼ばれながら暮らしてるもんでね。
 とまぁそんな感じで、有事の際には戦う事を選ぶ班なんだが、はっきり言って俺は強くない! なら鍛えろって言われたらそこまでなんだが、正直俺なんかが鍛えなくても十分強いポケモンが揃ってたりするんでその状況に甘んじて大して努力はしてきていない。
 ……この事無かれ主義もモテない要因の一つなんだよなぁ。まずはこういう根暗な性根を見直さないといけないのかもしれない。
 そんな事を思ってる時だった。聞き覚えのある他の防衛班のポケモン達の悲鳴が聞こえてきたのは。

「こらぁぁぁ! 逃げるんじゃない軟弱者共ぉ!」

 ついでに、聞き覚えのあるドスの聞いた声も聞こえてきた。いつもなら聞こえただけで青褪めて身を隠してきた相手が、逃げてきた防衛班の先に見えてきた。防衛班訓練係のトップを務めるオーダイル、カレシナさんだ。

「逃げ足だけは日に日に速くなっていくんだから、全く」
「あーっと……今日も元気そうですねカレシナさん」
「ん? なんだソウシじゃないか。珍しいね、あたしの声を聞いて隠れもせずに居るなんて」

 おーう、俺が毎回隠れてたのもバレてる感じだぞーこれ。とりあえず愛想笑いをしてみると、呆れたように鼻で笑われました。まぁ、これは日頃の行いの結果だわな。

「それで? あたしから逃げないって事は訓練を受ける気になったって事で構わないのかい?」

 いつもなら適当を言って煙に巻くんだけども……ふとさっき会ったヴィクターの言葉が頭を掠めていった。勝利は俺次第、か。今まで通りの俺じゃ、きっと何も変わらない日陰暮らしのダメフタチマルで終わるんだろうなぁ。

「そうですね……カレシナさん、お願い出来ますか?」
「えっ!? あぁうん、構わないよ。というか、それがあたしの役目だしね」

 自分でも自分の言葉に少し驚いた。今まで通りじゃいけないと思ったとは言え、あんなにすんなりと自分から訓練を頼むなんて。なんだろ? さっきのヴィクターの勝利をもたらすパワー? って言うのの影響なのかな? いや、訓練するのは勝利とあんまり関係無いか。
 とにかく自分から言い出した以上、しっかりとカレシナさんの訓練をこなすとしよう。けど、結構スパルタだからきついんだよなぁ。
 案の定、結局一対一での訓練になった為にカレシナさんからのお題を一匹で必死にこなしてる。走り込み、ホタチ素振り、覚えてる技の的撃ち、そしてカレシナさんとの模擬戦三本セットと、ひったすら普段ダラダラしてる体を苛めてる。あぁ、これ明日体キツイ奴だわぁ。
 終わる頃にはくったくたの息も切れ切れ、普段からサボってるからこうなるって分かっててもきついもんはきつい。

「はぁっ、はぁっ、はひー……」
「うんうん、よくついて来たよソウシ! これだけがっつりと訓練するのが久しぶりだったから、少しやり過ぎたかなと思っていたところだよ!」

 あっはっはと朗らかに笑いながら、カレシナさんは何処か満足そうだ。俺と一緒に体は動かしてたけど、やっぱりまだまだ余裕そうだ。俺もちょっとは体力鍛えた方がいいなこりゃ。
 
「よっし、一休みしたら再開するとしようか。って、思ったよりバテバテねソウシ?」
「今までどれだけサボってたかを痛感しとります……」
「全く、やる気を出せば真面目で教え甲斐もあって良いフタチマルなのに。まっ、少しは心を入れ替えたようだけど」
「ちょっとだけでも、自分から変わってみようかと思ったって感じ、ですかね」

 少し息を整え終えて、体を伏せってる状態から起こした。すると飛び込んできたのは、ふっと優しく笑ってみせてくれたカレシナさんの笑顔だった。お、おぉ、オーダイルだから基本強面なんだけど、こうして笑った顔は綺麗というか優しいというか、いつもと違ってちょっとドキッとしてしまった。

「ふふ……そんな頑張ってるポケモンには、折角一対一で訓練してる事だし、少しサービスしてあげるとしようか」
「へっ? さ、サービス?」

 疑問に思ってる間にカレシナさんは手招きをしてる。何かと思ったら横になれと言われた。えっ、どういう事?

「休んだとは言えまだ体は動いてからそう経ってないからね。硬くなる前にほぐしてやろう。……勘違いするなよ? マッサージをしてやるってだけだ」
「あ、あぁ、マッサージ。なるほど」

 ……あの爪で? と思ったけど、カレシナさんのマッサージは思った以上に的確に疲れた所をほぐしてくれる。おぉう、極楽極楽。

「どうだ? 悪くないだろ?」
「うぃー……凄く効きます」
「訓練はただ鍛えるだけじゃなく、きちんと休むのも重要だからな。まぁ、こうして披露するのは初めてだが」
「それまたどうして?」
「ここまで訓練に真面目に参加する奴が居なかった、よっと。ほい、終わりだ」

 横になってた状態から体を起こすと、驚くくらいに体が楽になってる。効果バツグンだな。

「それなら続きの訓練もイケるだろ?」
「おっふぅ……頑張りまーす……」
「ははは、良い返事だ」

 見事な飴と鞭だよ……けどまぁ、嬉しそうなカレシナさんの様子を見ちゃうと、もう少し真面目に頑張ってみるかと思っちゃうよ。さて、気合いを入れ直すとしますかね。
 それからまたみっちりと訓練を行い、気付けば空は茜色。そして俺は、ぼろ雑巾。

「ぜぇーはぁー……ぜぇーはぁー……」
「いやぁ、よくついて来たもんだ。前から素質はありそうだとは思ってたけど、やれば出来るじゃないかソウシ」
「か、カレシナさん……崖登り降りからのランニング、からの浜辺で水泳の3セットって、何に向けての体力作りですか……」
「いやぁ、実はそのどれについて来れて、どれがダメそうかを見ようと思ったんだけど、ヒィヒィ言いながらもソウシがついて来るからやり過ぎたよ。ごめんごめん」

 そういう事はもっと早めに言ってほしい……とりあえず崖登りは水ポケモンの身でやるには出来る出来ないがはっきりしちゃうから止めた方がいいと思うって進言しておいた。一応俺達が暮らしてる集落の地形はそのどっちもあるから出来はするけどさ? あ、崖と言っても滑落して命を落とす程の高さじゃないぞ? もしそうだったら流石にやる気出してる俺でもやらないよ。
 とにかく、防衛班の今後の訓練を左右するテスト訓練も終わりみたいだ。うへぇ、辺りが暗くなってきちゃったなぁ。おまけに休憩の時もマッサージ受けた以外は何も食べずにずっと訓練してたから空腹も限界だなぁ。と思ったら腹が鳴った。けど今から木の実探すのも薄暗いし厳しいかなぁ。

「あぁ、すっかり訓練に夢中になっちゃってこんな時間か。後半は付き合わせたようなものだし……ソウシ、これから塒に戻るつもりかい?」
「え? あぁまぁそうですね。とは言え聞かれた通りに腹は減ってますし、木の実探して腹ごしらえしてから休むつもりですけど」

 集落には決まった縄張りみたいのは無いけど、大体皆いつも自分が使ってる塒や場所はある。俺の塒は集落の端の方だから、これから帰ったら辺りは真っ暗だろうな。塒と言っても、寝易いように整えただけの何も無い草むらだけどさ。

「だったら丁度良い。ここからそう遠くない所にあたしの塒があるから、今日は休んでいかないか? 木の実の貯蓄もあるから、探す手間も省けるぞ」
「それは助かりますけど、いいんですか?」
「1日しっかりあたしの訓練について来てくれ……いやついて来たのはお前さんが初めてだからね。労いだと思いな」

 ついて来てくれたって言わないのは、カレシナさんの意地っ張りな所って感じなのかな。カレシナさんの訓練、受けた通りかなりきついから1日丸っと受けたって奴の話は聞いた事無かったっけなぁ。言おうとした時、少し寂しそうにも見えたし……お言葉に甘えさせてもらおうかな。いやでも流石に訓練係とは言え牝のポケモンの塒に牡が行くって言うのは色々いいのか? とも思ったけど、行くって言った後の嬉しそうなカレシナさんの顔を見たら、やっぱり止めたとは言えないよな。
 そのままカレシナさんについて行って、カレシナさんの塒だと言う場所に到着。ふむふむ、寝るのは木の間みたいだけど、一本の木の根元に木の実が貯められてるみたいだ。

「しげしげと眺めたって、あるのは木と木の実くらいだよ?」
「あ、これは失礼。けど牝の塒なんて来たの初めてなもんで」
「そうなのかい? あんた、あのジェームズと仲が良いから一緒に牝に声掛けてるもんだと思ったよ」
「奴がモテ始めてからはつるんでませんよ……俺が居たら牝の子が気まずくなるんだってはっきり言われましたしね」
「それはまた酷い話だな? 進化して確かに見た目は変わったようだけど相変わらずあたしからは逃げ回ってるし、真面目に訓練を受ける気になったソウシの方が牡としての伸びしろはあると思うんだけどね」

 そう言ってもらえると少し救われた気がするよ……。伸びしろであって、伸びるかは今後次第だけどねって返しが刺さってきたけどね。
 折角来たんだし寛ぎなさいなってカレシナさんに促されたから、そのまま休む事にする。分けてもらった木の実に辛い木の実が多い気もするけど、多分カレシナさんの好みなんだろうって事で気にせず食べていく。俺ってば好き嫌い無くどんな味の木の実でもそこそこ美味しく頂けるから、こういう時って便利なんだよな。

「それにしても……」
「ん? どうかしました?」
「いや、ちょっと気になったんだけど、今日はどうしたんだい? 自分からあたしの訓練を受けさせてくれなんて言ってきたけど。心変わりにしても急じゃないかい?」
「あー、まぁちょっと変わった知り合いが出来たって言うか、思う事を言われたと言いますか」

 聞かれたし、今日あった事やちょっと知り合ったヴィクターの事をカレシナさんにも話してみた。ひょっとしたら知ってるポケモンじゃないかなと思ったけど、どうやらカレシナさんにも思い当たるポケモンは居ないみたいだ。色合い的にブイゼルやフローゼルじゃないのかって聞かれたけど、どっちも俺も知ってるポケモンだ。けどヴィクターはどっちにも当て嵌まらないから、やっぱり未知のポケモンのままだな。

「とりあえず、この集落に何かしようとかって事は無さそうでしたけどね」
「ふぅん……とりあえず明日辺りトリアにも一応気を付けるように言っておこうかね? 集落に暮らしてるポケモン以外が居たって事に変わりは無いし」

 カレシナさんが言ったトリアって言うのは、防衛班でも普段から集落の見廻りなんかをしてる哨戒係ってところのリーダー。哨戒係はカレシナさんからの訓練を受けなくても自主的に鍛えてる、言わば防衛班のエース達であり更にその中のトップの実力者だ。いやまぁ訓練係なんかしてるから、当然カレシナさんも防衛班の重役だから知り合いでもおかしくないんだけどさ。俺なんかじゃ接点無くて話し掛けた事も無いなぁ。

「ま、それで少しは前向きになったんなら、良い出会いだったんじゃないかい?」
「そうかもですね。こうして、カレシナさんと少し親しくもなれましたし」
「あっ、あー……ま、まぁ、ね」

 んん? 薄暗くなってきてはっきりとは見えなくなってきたけど、なんだかカレシナさん妙に照れたような反応をしたような? 俺今別に悪い事は言ってないよな? うーん?
 まぁそう気にしなくてもいいかと思いつつ、木の実を齧りながらカレシナさんと他愛の無い話をしたり、訓練からすぐに逃げ出そうとする防衛班への愚痴なんかを聞いたりしていた。辺りはすっかり暗くなって、俺達を照らすのは月明りに変わったよ。夕暮れより返って周囲は見易くなったかもしれないなぁ。

「はぁ……こんな愚痴まで話すのは、訓練係になってから初めてかもしれないよ」
「まぁ、皆カレシナさんが有事の際に俺達に不幸が無いようにって訓練してくれようとしてるって言うのは分かってると思いますよ。……た、多分」
「そうだと、いいんだけどねぇ……」

 月に照らし出されたカレシナさんの顔はいつもの訓練係のものじゃなく、寂し気で……悲しそうに見える。

「……なぁソウシ、ここだけの話をしたいんだけど、聞いてくれるかい?」
「え? あ、はい。いいですよ」
「今日一日やってみて、あたしの訓練は……必要無い物だって思ったりはしなかったかい?」

 あー……これはしっかり聞いてちゃんと受け答えしないと不味い事になる奴だな。姿勢を正して聞くとしよう。

「あたしはこの集落が好きだし、何かあったら守りたい。そして、その時防衛班になってるポケモン達にも何かあって欲しくない。そう思って訓練係になったけど、結果はあの通りさ。皆、訓練を嫌って逃げていく。私は……間違ってるのかなってね。そう、思ってるのさ」

 ……そうだよな、いつもは厳しい訓練係としか見て来なかったけど、カレシナさんも訓練係である前にこの集落で暮らすポケモン。俺達と同じく嫌だったり悩んだりして当たり前なんだよな。
 こうして改めて訓練係じゃないカレシナさんに触れるまでそんな事も思わなかったなんて、俺も馬鹿だなぁ……。誰だって逃げられたり姿を見ただけで隠れられたりして良い気がする訳なんて無いじゃないか。本当、それにも気付かずにモテないだのなんだのってうじうじ悩んでたなんて、とんだお笑いだ。相手の気持ちも考えてないんじゃ当たり前じゃないか。
 項垂れるカレシナさんの隣に行って、そっと寄り添うように座った。カレシナさんを傷付けていたのは他の防衛班だけじゃない、今までの俺も原因の一つだ。知っちゃった以上、放ってなんていられない。

「……すいません。俺、カレシナさんがそんな風に悩んでるなんて、今まで思った事もありませんでした」
「それでもこうして聞いてくれてるんだ。……ありがとう」

 暫くは何も言わずにカレシナさんの隣に居た。カレシナさんの悩みに俺はどう答えるべきか、正解は多分無いんだろうけど、俺が納得出来る答えを頭の中で探しながら。
 
「なんて言うか……きっと皆、俺みたいにこのままじゃいけないーとか、訓練は受けなきゃなーとは心のどっかでは思ってると思うんですよ。ただ、この集落の平和さに甘えちゃってるとこもあって、厳しいのはきついなーとか嫌だなーって思ってるんだと思うんですよ。だからこう、カレシナさんが悪いとか嫌われてるってもんじゃないと思うんですよね」

 心の弱ってるポケモンを励ますなんてした事無いから、纏め切れてない考えをとにかく話してみる事にした。俺はこういう時にカッコよくカレシナさんを支えるなんて事は出来ないしな。

「だから基本的に何が悪いとかを定めるなら訓練を受ける方の俺達が悪いんですけど、ちょっとだけ、ほんのちょっとだけそういう俺達の弱いところを加味した上で訓練の内容とか決めてくれたら嬉しいなーとか思っちゃう訳なんですよね」
「……ふっ、あはは。そんなしどろもどろにならなくたっていいわよ。けど、ソウシが言った通りだわ。あたし、自分の気持ちばかりを皆に押し付けようとしてた。今日ソウシが訓練に付き合ってくれたお陰で、それが少し見えたわ」
「と、言いますと」
「ソウシがヒーヒー言いながら訓練について来てるの見てて、受ける側からすればこんなにきつい事をやらせようとしてたんだって思った。そりゃあ気持ちの前に体がついて来ないんだもん、皆逃げ出したくなる訳だわ」

 これは全部自分だけで考えてた自分の落ち度だって、溜め息を吐きながらカレシナさんは呟く。そういう気付きの切っ掛けになれたなら、俺の今日の苦労も捨てたもんじゃないでしょ。

「ありがとう。それから……ごめん。大変な事を押し付けちゃって」

 ふっと入り過ぎていた力が抜けたように、カレシナさんの顔が穏やかになる。これが訓練係じゃない、素のカレシナさんなんだな。他のポケモン思いで優しくて、けどそれを伝えるのが少し苦手で、迷ったり悩んだりする事もある繊細さも持ってて……。

「はぁ……なんだか今日は不思議な気持ちだわ。あたし、他のポケモンと二匹っきりになってもこんなに腹を割るような話した事無かったのに、どうしちゃったのかしらねぇ」
「ははっ、誰も見た事の無いカレシナさんに触れられたのなら、なんだかちょっと嬉しいですね」
「そこはちょっとなんて言わず、普通に嬉しいって言ってほしいものね?」
「おっと、それは失礼」

 そんな風に言葉を交わして、お互いに笑い合った。なんだか今まで避けてたのが馬鹿らしくなるくらい、こうしてカレシナさんと話すのが楽しいって思い始めてる。これだけでも訓練に対しての心構えを改めて良かったと思うよ。
 それから暫く、夜風が心地良く吹く中でこれから訓練をどのくらいのペースでやったらいいかを話し合った。カレシナさんも俺の意見をきちんと受け止めてくれるし、俺もカレシナさんの想いなんかも踏まえて案を出していく。夜が更けて来た辺りで、とりあえずまずはこんな感じで行ってみようって訓練内容は決まったよ。

「うん、一気に何でも詰め込まず、まずはほどほどに出来るものを継続的に行う。少し時間は掛かるかもしれないけど、これなら皆ついて来れそうね」
「俺も皆に話したり促したりして協力しますよ」
「えぇ、ありがとう。……ふふっ」
「ん? どうかしました?」
「こんなにすんなりお礼が言えるのに、自分でも不思議だなと思ったの。あたし、これでも自他共に認める意地っ張りなのよ? けど、なんだかソウシの前だとちょっとだけ素直で居られそうだわ」
「そう言われると、カレシナさんにとって特別な相手になれたみたいで、なんだかドキッとしちゃいますね」

 今のは笑い話3割、本音7割って感じかな。地味系日陰者を長年続けてる俺がそんな事言われた事がある訳が無し、それも牝に言われたとあっちゃあこういう展開に慣れてない俺の胸は高鳴っちゃう訳ですよ。もうカレシナさんの事を怖い訓練係とだけ見てる訳でもないしな。
 っと……あれ? 俺が言ってから何だかカレシナさんがモジモジしてるような? どうしたんだろ?

「……本当にそう思うか? ソウシ」
「思わなかったら口にしませんよ。どうしました?」

 不意に俺の体が横に倒されて、そのまま仰向けに寝かされる。そして目の前に広がるのは夜空と……静かに息を荒げるカレシナさんが居た。え、これ、どうなってんの?

「だったら、本当にあたしの特別な相手になってくれないか?」
「それってどういう……んっ!?」

 カレシナさんの口先が俺の口に触れたと思ったら、舌が俺に口を開けと催促するように撫で上げていく。それに驚いて開いた口の中に、そのままカレシナさんの舌が滑り込んでくる。

「んっ、んぅぅ」

 慌てて口を閉じようにもカレシナさんの肉厚な舌を押し返す事なんか俺の舌で出来る訳も無く、返ってカレシナさんの舌に俺が舌を絡ませているような形になった。うぅっ、口の中で暴れるカレシナさんの舌、確かに肉厚で力強い感じなんだけどねっとりとした柔らかさも兼ね備えてて、こうしてるだけで鼓動が速まっていくのが分かる。
 そうして暫く抵抗も碌に出来ぬままに口の中いっぱいにカレシナさんの舌を味わわされて、舌がずるりと引き抜かれる頃には息苦しさと今まで感じた事の無い感覚への興奮で息も絶え絶えになってた。こ、これって所謂、口付け、接吻、キスって呼ばれる奴、だよな。それも口を重ねるだけの普通のじゃない、口でお互いが繋がるようなディープキスって奴。

「はぁ……他の奴の口の中なんて味わった事無かったけど、こんなにドキドキするものなんだねぇ」
「はぁっ、はぁっ、か、カレシナさん、いきなりどうして」
「いきなりだったのは謝るよ。けど、今日一日過ごしてる内に胸の辺りが疼いちまってね……ソウシ、あんたをもっと知りたい、もっとあんたにあたしを知って貰いたいって思っちまったんだよ」

 そ、それってつまり……いや俺も知らなかったカレシナさんの事を知れて嬉しいと思ったし、もっと知りたいなとは思いはしたけども、そ、そういう関係になっちゃいたいとは思ってなかったしなれるとも思ってなかったよ正直!?
 俺が頭の中でごちゃごちゃと考えてる間にもカレシナさんは次の行動に移ってる。昼間のマッサージのように俺の体を触ってるんだけど、よりじっくりと、俺の姿や形をなぞるように触れてくる。擽ったいような恥ずかしいような感じに何とも言い難い気持ちになってるんだけど、俺のとある一点だけは鼓動に合わせるように徐々にその姿を露わにしようとしてる。俺だって牡だもの、牝にこんなにねっとりと触れられる事なんて初めてだし、興奮しちゃうじゃないか。

「ん? ふふっ、触れられるのがあたしでもちゃんと反応はしてくれるんだね?」
「うっ……こ、こんな風に牝のポケモンと接するのなんて初めてなんだから仕方ないじゃないですか」
「別に悪いなんて言うつもりは無いさ。あたしの事をちゃーんと牝だって思ってくれてるんだから、寧ろ嬉しいよ」

 なんて事を耳元で囁きながら、カレシナさんの手は俺の息子にゆっくりと触れる。マッサージの時も思ったけど、オーダイルの手ってあんな爪があるのにこんなにも器用というか、丁寧なタッチが出来るもんなのかと思う。まだ半勃ちくらいの息子を優しくゆっくりと擦り上げられると、刺激にピクリと反応してしまう。

「手の中で脈打ってるのを感じるよ。どうだい? 気持ち良いかい?」
「うんん……気持ち良くなかったら、こんなにならないですよ……」

 俺だって牡の端くれとして自分での性欲発散はした事がある。けど、その時よりも数段気持ち良い。まだ達してないのはギリギリの所でカレシナさんとこんな事をしちゃっていいのか? と思ってる自分が居るからだろう。が、正直受け入れてしまった方が楽なんだろうなとはちょっと思ってる。

「んー……こうすると牡はすぐに射精するって聞いたんだけど、なかなかしないもんだね?」
「だ、誰から聞いたんですかそんなの」
「まぁ、経験ありそうな奴から色々と、ね。あたしは性根のガサツさの所為でこういう事しようと思う奴とも出会って来なかったもんだから、実際の勝手って奴がなかなか分からなくてね」
「そ、それってつまり……」

 カレシナさん、処女!? だとしたらこのまま続けたら俺が初めての牡って事になっちゃうよ!? いいのそれで!?

「なんだい? あたしの初めての牡になるのは不服かい?」
「そ、そういうつもりはありませんけど、いいんですか? だって俺、訓練だって今日から真面目に受けるかって思う程度の実力しかないこの集落でも底辺の方の普通の奴ですよ?」
「実力なんて二の次さ。あたしは『あたし』をしっかりと見て傍に居てくれた奴に初めてをあげたい。それに、普通の奴だって言うならあんたは明日からあたしの初めての牡だって名乗れるよ。……まぁ、言い触らされるのは流石に恥ずかしいから勘弁だけどね」

 これは、カレシナさん本気なんだな。だったら拒み続けたらそれこそ失礼だよな。よし、俺も覚悟を決めよう。というか、童貞日陰者の俺にとってはまたとない機会なんだよな。ならもう我慢する事も無い。堪える力を抜くと、一気にぞわりとした熱が息子に流れていく。が、やっぱり最終確認だけはさせてもらおう。

「ぐぅぅっ、いいん、ですよね? これ以上は、俺も、我慢、出来ませんよ?」
「あぁ、いいよ。寧ろ、あたしから誘ったんだから我慢なんかしなくていいったらさ」

 最終確認へのカレシナさんからの返答を聞いて、俺の中でギリギリ堰を作っていた理性はその堰を外した。途端に、俺の息子からは白くどろっとした液体が吐き出される。我ながらよくこの快感をギリギリまで封じ込めておけたと思う。

「おぉっ、これはまた勢い良く出るものじゃないか」
「んっ、はぁぁ……」

 出した精液の殆どをカレシナさんに浴びせ掛けてるのに反応する事も出来ずに、俺は射精後のふわふわとした解放感に酔ってる。これは、自分でしたんじゃ無い感覚だぁ。
 って……カレシナさん、舐めてる? 手や顔に付いた俺の精液をまるで味わうみたいに?

「少し苦いし粘着くけど、癖になりそうだねぇ」
「そ、それは流石にあまり綺麗とは言えない物だと思いますけど? 舐めるのは如何なものかと……あと俺がなんか恥ずかしいです」

 なんだか自分が出した物を誰かが舐めてるって言うのは恥ずかしい反面地味に興奮する。だってカレシナさんもやけに美味しそうに舐め取るもんだからさぁ……。

「自分が誘った相手のだと思えば嫌じゃないもんさ。どうだい? まだあたしとこういう事するのに抵抗はあるかい?」
「いやあの……さっきまでウジウジしてたのが嘘みたいに、もっとカレシナさんと、その……」
「その?」
「し、したい、です。し、カレシナさんの事、もっと……知りたい、です」
「……もぉ、そんな事言われちゃったら、嬉しくなっちゃうじゃないさ」

 正直このふやけた思考で出した答えだから、行き当たりばったりの発言かもしれない。けど、今の気持ちは確かにもっとカレシナさんの事を知りたい。触れたい。感じたい。
 お互いに少しだけ見つめ合って、今度は優しくキスを交わした。この先の行為をするって言う誓い、みたいなものかな。

「あんたのを舐めてから、もう我慢出来なくてね。力、抜いてなよ?」
「は、はい……」

 仰向けに寝転がる俺の上にカレシナさんが跨る。俺の息子の上に宛がわれた割れ目から溢れる液がカレシナさんも興奮、というか発情してるのを物語ってるみたいだ。先端が触れるだけで一回達しそうになったのは、流石に情けないから内緒にしとこう。
 触れていた割れ目に、カレシナさんが腰を下ろすのに合わせてゆっくりと俺の息子が分け入っていく。ゆっくりと柔らかくて温かいカレシナさんの中に入っていく感覚は想像以上に気持ち良い。気を抜いたらいつでも射精出来ちゃいそうだよ。

「んっ、はぁぁ……こうして入れてみると、なかなか大きいじゃないかソウシ。手で持った時は程々だと思ったんだけど」
「それは、カレシナさんの手が大きいのも一つの理由では?」
「かもね。んんっ」

 喋りながらも俺の息子の進行は進んでたんだけど、カレシナさんがくぐもった声を出したところで中断。何かに当たってる感じはあるけど、まだ俺の息子はカレシナさんの中に半分程しか入ってない。そう言えば聞いた事あったっけ、牝って確か牡とのこういう経験が初めての場合中に膜があるって。つまりこれが、カレシナさんが本当に処女だって証明か。

「……あたしの初めての牡になる覚悟はいいかい?」
「それを言うと、カレシナさんも俺の初めての牝って事になるんですけど」
「それは、嬉しいと思ってるから問題無いよ」

 一つ深呼吸をして、カレシナさんは意を決したように腰を更に下ろした。途端に俺の息子がカレシナさんの中の処女の膜を破ったのを感じた。
 不意にカレシナさんに抱き締められて驚いたぞ。って、震えてる? あ、膜破りが痛かったのか! それは考えてなかった……いやでも当たり前だよな。何処であれ体の一部が破られて痛くない筈が無い。カレシナさんが落ち着くまでは腕の中に収まってよう。
 しかしこうして体いっぱいにカレシナさんと触れ合うと、お腹や所謂体の内側の方はつるつるしながらぷにぷにとした柔らかさも感じて心地良い。背中や体の外側になる部分の鱗の硬さからは想像出来ない包まれるような柔らかさだ。今現在実際に包まれてるんだけどさ。
 胸の辺りに頭が包まれてるからか、カレシナさんの鼓動が聞こえてくる。速まってたけど、落ち着いてきたみたいかな?

「つっ、はぁっ! お腹裂かれたのかと思ったよ……あぁソウシ済まないね。大丈夫かい?」
「あ、はい。カレシナさんのお腹、柔らかくて気持ち良いです」
「こ、こら。あまりそういう事は言うんじゃない。鍛えても鍛えきれないところなんだからな」

 あ、恥ずかしがるカレシナさん可愛い。こんなの訓練係として接したんじゃ絶対見せてくれないんだろうなぁ。
 そんな穏やかな一時の間にも俺の息子が完全にカレシナさんの中に収まったという事実があり、根本までねっとりと絡みつくような、包まれるような感覚に気が気じゃない。本当に俺、カレシナさんと一線超えちゃったって事だよなぁ。

「……繋がってるな」
「はい……」

 何と言うか、気持ち良さと同時に言葉に出来ない気持ちで胸がいっぱいになる。カレシナさんも何も言わずに、またキスを交わす。最初のように俺の口の中に舌を入れる、濃厚なキス。今度は俺も慌てる事無く受け入れられる。
 ゆっくりとカレシナさんが腰を動かし始めると、ぬるりとカレシナさんの愛液に塗れた俺の息子が露わになる。い、一応俺だって知識はあるんだぞ? ……他の牡に聞いただけのだったけど。
 その邂逅もあっと言う間に、カレシナさんが再度腰を下ろして俺の息子を飲み込む。ただそれだけなのに、俺には堪らない快感が体中に奔り抜ける。

「はぁっ、んんん! これ、凄いな!」
「はぁっ、はぁっ!」

 何度かカレシナさんが動いた後はもう俺も夢中で下からカレシナさんに腰を突き上げてた。ただ気持ち良くて、もっと深く、奥までカレシナさんを感じたくて。

「んぁっ、あんっ! そう、し、激、し!」

 カレシナさんの声は耳に入ってきてるけど、それに応える余裕も無しに俺は必死に腰を振ってる。今こうして考えてる思考だって、そうなってる片隅にぎりっぎりで残ってる理性の賜物だ。カレシナさんをもっと感じたい。けど、カレシナさんを傷付けたい訳じゃない。今の思考する理性である俺は、そんな気持ちの形なのかもな。
 まぁ体の主導権は情動的な本能に支配されちゃってるんで、本当にカレシナさんを襲う獣にならないようにって最後のリミッター程度の存在なんだけども。感じる快感の迸りからして、そろそろ精液を吐き出しそうだ。

「すご、い! 出して、中に! ソウシぃ!」
「はっ、うぅっ!」

 昂った快感を一気に吐き出すように、繋がったまま俺はカレシナさんの中へと精液を吐き出した。我ながら一回出した後にでもこんなに出せるものなんだなって感心するくらい精液が出る。

「はぁっ、はぁっ、はぁぁ……」
「あっ……お腹、いっぱい……温かい……」

 それからお互い息を整えてるんだけど、俺の息子は徐々に勢いを緩めながらだけどまだ精液を吐き出し続けてる。うわっ、カレシナさんのお腹膨らんじゃってるよ。いや流石に出し過ぎでしょ。

「そろそろ……収まったか?」
「は、はい……大丈夫そうです」

 ようやく射精の収まった息子をずるっとカレシナさんの中から抜き出すと、ようやく出口が出来たと言わんばかりにカレシナさんの中から俺の精液が溢れて来た。けど大分粘度が高いのか、まだカレシナさんのお腹は膨らんだままだ。

「んっ、驚いたな。殆ど流れ出て来ないぞ」
「えっと、自分でもびっくりです。お腹、大丈夫ですか?」
「正直苦しいよ。けど、嫌な苦しさじゃないのが不思議なところだな」

 膨らんだ自分のお腹を撫でながら、何処かカレシナさんは満足げで幸せそうに見える。それを見てると、なんだか俺も幸せだなって思えたよ。

「なぁソウシ、お願いがあるんだが、いいか?」
「はい。俺が出来る事ならですけど」
「キス、してくれないか? ほら、さっきまではあたしからしに行っていたし」

 そんな事ならって事で、そっとカレシナさんの口に俺の口を重ねた。それを離すと、お互いに笑い合う。

「うん、ありがとう」
「俺も、ありがとうですね」
「ん? 何についてだい?」
「俺の初めてのポケモンになってくれて、ですかね」
「ふふっ、なるほどな。けどそれなら、あたしももう一度ありがとうだな」

 そんな会話を交わした後に、お互い心地良い眠気が来たのでそのまま眠る事にした。寄り添うように、お互いの温かさを感じながら、ね。

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*Second Day ~Empoleon~ [#lGtdncZ]

 快晴の空の下、俺は現在上の空でブラブラとしている。思い出されるのは昨日の夜の事。俺、本当にカレシナさんと一線超えちゃったんだなぁ。
 あぁ、その後は日の出くらいまで寝て起きた後、お互いに頬染めながら体洗いに行ったりしましたよ。俺なんか色々な汁で毛がゴワゴワになっちゃってたから洗うのも一苦労だったぞ。
 そんで俺は晴れてカレシナさんの番いに……なるのは現在保留中なんだなぁこれがさ。あ、別に一晩の気の迷いだった、これからはまた防衛班の内の一匹と訓練係に戻りましょうって訳じゃあないぞ? 特別な関係になろうって事にはなったんだけど、まだカレシナさんも訓練係を続けたいし俺だけを依怙贔屓するような噂なんかが立つのもお互いに良くないって事で、普段は今まで通りの付き合いで居ようって事になったんだ。秘密の関係はたまに夜にって事でな。まぁ、流石に毎日カレシナさんの相手するのは俺の身が持ちません。
 それでも今回の事で俺とのタマゴが出来たら絶対に産んで育てるって息巻いてたから、その時はきちんと番いになろうって事にしたんだ。だから保留中って訳ね。

「保留、保留かぁ……なる可能性もあるって事なんだよなぁ。カレシナさんが俺の嫁ねぇ」

 無論嫌な事は全く無い。けど、正直現実か? と思ってもいる。本当、昨日訓練を真面目に受けようって思っただけでこんな事になるとはねぇ……ひょっとしてこれがヴィクターから渡された勝利のパワーとか言うのの影響? いやでもこれって勝利って言えるのかねぇ? 

「ま、考えても分からんか」

 因みに今日は訓練を受けないのかと聞かれると、カレシナさんから昨日の様子からして毎日みっちり訓練する事も無さそうだから、鈍らない程度に体を動かせば毎日訓練を受けに来なくてもいいってお墨付きを頂きました。その後にこそっと、あたしに逢いに来るのはいつでも歓迎するけどって添えられてね。
 てな訳でまたプラプラしてる訳だ。昨日と違うのは、根暗オーラを発しなくなった事かな。カレシナさん一匹にではあるけど、もうモテない日陰者でも無くなったしね。うん、今ならジェームズに彼女自慢されても微笑ましく流してやれそうだ。奴はまだそういう経験は無い筈だし、そういう相手になったって牝の話も聞いた事無いからな。

「うーん! 世界が輝いて見えるな! はっはっはー!」

 ……って、流石に一匹で馬鹿笑いしてるのはアホっぽいから止めとこ。幾ら初体験したからって内面が急激に変化する訳じゃないからな。元の根暗日陰者に逆戻りしないように精進は続けないとな。
 なーんて思いながら歩いてる時だった、珍しいポケモンが一本の木を見上げながら困り顔をしてるのを見つけたのは。

「ん? あれ、トリアさん?」

 エンペルトのトリアさん。昨日もカレシナさんと話してる時に出てきた哨戒係のリーダーを務めてるポケモンだ。普段は見回りをしてるか、守り神様の所で警備をしてる姿しか見た事無かったんだけど、こんな所で何してるんだろ?
 見ててみると、木に向かって水鉄砲を撃ってる。え、どういう事? とか思いながらその射線を目で追ってみると、その先に生った木の実があるのが見える。外して顔をしかめてる辺り、あれが欲しくて挑戦してるってところかな? あーまぁあの腕、てかヒレじゃ木登りなんか出来ないだろうから撃ち落とそうとしてるって訳か。なるほどね。
 暫く様子を見てたんだけど、木の実が木の結構高い所にあるしちょっと風で揺れてるのもあって思うように狙えてないみたいかな? うわ、露骨にしょんぼりした顔してる。これは黙って立ち去ったら今晩気持ち良く眠れなくなりそうだ。あんまり接点の無いポケモンではあるけど、一肌脱ぎ脱ぎしてみようか。

「あ、あのー……」
「!?」

 うわ、めっちゃ驚かれた。そんな目を見開かなくても。い、いや落ち着け、別に睨まれてる訳でもないんだからさっさと用件を話して採って渡してお暇しよう。

「あの木の実、欲しいんですよね。ちょっと待ってて下さいね」

 これダイケンキに進化したら無理そうだけど、このフタチマルの身なら木登りなんかも出来ちゃうんだなーこれが。割と得意でね、木の実探しで困った事ってあんまり無いんだよね。
 ひょいひょいっと登りまして、木の実のある枝に到着。おっ、これチイラの実じゃないか。木の実の生る木でもあまり生らない珍しい木の実なんだよなーこれ。そっか、だからトリアさんも頑張って採ろうとしてた訳だ。そりゃあ珍しい実なら誰だって食べてみたくなるわな。よし、ゲットなり。って、やば、枝がみしみし音してるしてる!? あ、よく見たら枝の数か所に抉れたような跡がある! ってさっきトリアさんが水鉄砲してたんだから掠めててもおかしくないか! 
 案の定枝は折れた。とは言え、木の実を採ろうとすればこういう事は少なくない。俺も落ちるのがこれが初めてって訳じゃないからこれでそうそう体がダメになる事も無い。とりあえず折角採ったチイラの実を潰さないように、上手い事落ちる!

「おいしょ、っとぉ!」

 綺麗に着地、とは行かずに背中から落ちたけどとりあえずは俺もチイラの実も無事に地面には降り立った。あいたたた……。

「だ、大丈夫か!?」
「ふぅ。こんくらいなら平気へっちゃらですよ」

 おぉ、俺が落ちた事にトリアさんはえらく驚いてオロオロしてる。基本的に警備や見回り中のキリッとした所しか見た事無いからなんか新鮮。って、あんまりオロオロさせ続けるのも申し訳無くなってくるから立つか。体に付いた木屑や土なんかは払ってと。

「あはは、カッコ良く着地とは行きませんでしたけど、これは無事でした。どうぞ」
「いい、のか? それを採る為に今君は……」
「構いませんよ。先に見つけたのはトリアさんですし、横取りする為に声を掛けた訳でもないですから」

 笑いながら手渡すと、トリアさんの表情がぱぁっと明るくなった。おぉ、これはなんか良い事した気分も三割増しだわ。

「感謝する。君は?」
「え? あぁ俺の名前ですか。フタチマルのソウシです」

 基本的に遠巻きに見てこっちが勝手に知ってるだけだから、そりゃ俺の事なんか知らなくても不思議は無いか。ちょっと寂しくは思うけどさ?

「ソウシか。私は……と、知っていたようだな」
「はい。俺も一応防衛班のポケモンなんで。まぁ、哨戒係になれるような実力は無いですけどね」
「そ、そうだったのか。済まない、同じ集落に共に暮らしながら知らないとは」
「まー話した事も無い相手にだったらそれでおかしくないと思いますよ」

 何と言うか、真実真面目な性格なんだろうなートリアさん。俺の事知らなかったのを本当に申し訳無く思ってるって伝わってくるもん。

「実を採って貰ってこの体たらくでは申し訳ないな……ソウシ、と呼ばせて貰って構わないか?」
「あ、はい。俺の事なら全然構いませんよ」
「そうか。ではソウシ、君は今忙しいだろうか? 時間があるようならばこの木の実、共に食べないだろうか」
「え、いいんですか?」
「あぁ、無論だ」

 これは有難い申し出だ。俺、珍しい実は知ってても食べた事無いし、チイラってどんな味するか興味はあるもんねー。

「じゃあお裾分け、頂かせてもらいます」
「そうか。よし、この場で食べてしまうのも味気無い事だし、見晴らしの良い所へ行こう。ついて来てくれ」

 なんか思ったよりフランクだなトリアさん。上機嫌そうだし、待たせないようについて行くとしようかな。
 案内されて暫く歩く。ん、なんか結構登っていくな? 何処に出るんだろ? まぁ昨日の訓練を思えば余裕だけど、結構良いハイキングだなこりゃ。

「うん、ここだ。どうだ? 良い眺めだろう」
「おぉ! この辺りが見通せますね!」

 着いた先は見晴らしの良い丘だった。へー集落からは出てるみたいだけど、こんなとこあったのか。下から見たんじゃ気付かないもんだなー。

「少し広く見回りをした時に見つけてな、時折寛ぎに来る場所なんだ」
「確かに良い所ですね。風が気持ち良いなぁ」

 昼寝なんかするのにももってこいだな。とは思ったけど、集落外となると哨戒係も基本的に見回りに来ない所って事になるし、呑気にしてて他所のポケモンに襲われたーなんて事も考えられるから一匹で来るのは不味そうかな。ま、集落自体大体この辺までーって内外の区切りなんだけどね。
 まぁそれは置いといて、ここに来たのはただ風景を楽しみに来た訳でもなし、チイラの実を美味しく頂くとしましょかね。

「つい風景に見惚れちゃいましたけど、ここまで来た目的を果たしましょうか」
「そうだったな。しばし待ってくれ」

 そう言ってトリアさんは持っていた実を軽く上へ放った。何するんだ? と思ったら縦斬り一閃、鋭いヒレの一撃でチイラの実は真っ二つになって落ちてきて、そのままトリアさんがキャッチ。さ、流石哨戒係トップ、切れ味エグイわぁ。

「そら、君の分だ」
「あ、ありがとうございます」

 うわー切られた断面めっちゃ綺麗。これくっ付けたら切られたとこ分かんない奴だわ。すげーすげー。って、断面に感動してないで座って食べ始めたトリアさんの隣で俺も食べるとするか。
 おぉ、甘辛い! へぇー面白い味だなぁ。うんうん、嫌いじゃないぞこれ。

「これは……! 甘くて辛いとは、不思議な実だな」
「はい! けど不味くないから面白いですね」
「あぁ。見た事の無い実だと思って調べてみるつもりだったが、これは儲けものだ」

 あれ? この反応……ひょっとしてトリアさん、チイラの実の事知らないで採ろうとしたり食べてるのかこれ?

「あのートリアさん、この実の事知らないで食べてます?」
「あぁ、そうだが? ふむ、新種の木の実だろうか。食べた感じ、毒等は無さそうだな」

 意外にチャレンジャーだなトリアさん!? 流石に俺だってまるで見た事無い木の実に噛り付くのは勇気が要るし躊躇するよ!?
 と、とにかく俺が知る限りだけどチイラの実について教えとこう……未知の木の実を食べたって周りに話してトリアさんが恥掻くとこはあんまり見たくないし。

「な、なんと、珍しいが新種の木の実という訳ではなかったのか」
「はい……というかトリアさん? 今回は単なる珍しい木の実だったから問題無かったですけど、知らない木の実をいきなり口にするのって危険だと思いますよ」
「うっ、い、いやそのだな? 哨戒係として未知なる危険が無いかと調べるのも職務であって、それの一環として試したのであって……」

 明らかに挙動がおかしくなってるし。これはあれだな? 俺以外にも咎められた事ある奴だな?

「ひょっとして……他のポケモンにも同じ事言われた事あります?」
「あ、あー……」

 目がスイッスイ泳いでる。なんかイメージ変わるなぁ……けど、厳しそうな見た目や真面目そうな性格からのこのギャップはなんだか面白いかもな。

「ははは、トリアさんもなかなか無茶な事するんですね」
「わ、笑わないでくれ。その、興味を持つとそれに少しだけ従順になってしまうだけなんだ」
「まぁ、それで何ともないならいいのかもしれませんけどね」

 カレシナさんもそうだけど、トリアさんもこうして話してみるとイメージや普段とは違うところがあるんだなぁって感じるよ。これも昨日カレシナさんとあぁなった副産物みたいなものかもね。
 それからチイラの実を摘まみながらトリアさんとの談笑を続けてます。哨戒係の仲間の話とか、俺の普段の生活なんかの話に華が咲いて、次第にトリアさんも砕けたような話し方になってきてくれたかな。

「ははっ、こんなに話を楽しんだのは初めてだ。悪くないものだね」
「哨戒係の仲間とかとこんな感じで話す事ーとか無かったんですか?」
「残念ながらな。牝の身空で哨戒係のトップ等と呼ばれているのをあまり面白く思っていない者が一定数居るようで、な」

 寂しそうに笑うトリアさんの表情に、軽々しく聞いたのがなんだか申し訳無くなっちゃったよ。基本的に集落のポケモンって仲良いと思ってたんだけど、そんな連中居たんだなぁ。

「そんな顔をしないでくれ。何も全てのポケモンがそうと言う訳じゃないさ。君以外にも話くらいならするポケモンも居るさ」

 例えばと言って挙がったのはカレシナさんの名前だった。そうだった、カレシナさんとトリアさんは友達なんだからそりゃあ談笑もしてるわな。

「けれど、異性でこのように私を妬んだり恐れたりせずに接してくれたのは君が初めてだよ。……そんなに普段の私は怖そうだろうか?」
「怖そうって言うか、凛々しくてカッコいいって感じですかね。俺だってこうして話すまでは俺とは違う何処か遠くのポケモンだなーなんて思ってましたし」
「寂しい事を言ってくれるね? 私はそんなポケモンではないよ。こうして話す事も出来るし、こうして……触れ合う事も出来る者だよ」

 あの鋭かったヒレがふにゃりと動き、ヒレの内側にあるトリアさんの手が俺の手に触れた。え、それそんな動き出来るの!? って驚いて、慌てて手を引っ込めちゃったよ。

「……私に触れられるのは、嫌か?」
「あ、いやそうじゃなくて! そのヒレがこう、そんな風に柔らかく動いた事に驚いちゃって!」
「あぁ、これかい? 力を抜いて普通に動かそうとすると皆驚くのだよね。進化前のポッチャマやポッタイシの時は普通に動かせるのだから、エンペルトになってからも動かせて然りだと思うのだがね?」

 いやだってバリバリ金属の光沢宿しちゃってるじゃない。それがいきなりくにゃっと動いたら誰でも驚くと思う。いや、それを言ったら鋼タイプなんて皆そうなんだけどもね。
 不満そうなトリアさんの様子を見て、しまったなと思う。ただでさえ普段から寂しい思いをしてるトリアさんに取るべき態度じゃなかった。償いになるかは分からないけど、今度は俺からトリアさんの手に触れる事で訂正としよう。

「確かに、考えてみたらそうですよね。進化前に出来た事が進化後も出来ても、何も不思議な事は無い」
「あ……」
「そして、こうして触れ合う事も出来る。驚いちゃってすいません」

 トリアさんの指に触れると、少し硬さはあるとは言え繋ぐような形には出来た。ヒレのエッジに少し触れちゃうけど、力を抜いてると柔らかくなるのはどうやら本当らしい。触れて切れる事は無さそうだ。
 繋いでみせた手をトリアさんは凝視してる。そ、そんなに見られると手を繋いだだけとは言え、気恥ずかしくはあるんだけどな。

「ま、まぁ試すのはこんなもんで……」
「も、もう少し! もう少し……このままで、いさせてくれないか?」

 そう言われたら、逆らう訳にもいかないよね。暫くは何も言わずにそのまま繋いでいたよ。

「ソウシの手……温かいな」
「そう、ですか? 冷たい方ではないと思いますけど」
「……ソウシ、一つ頼みがあるんだが、聞いてくれるか?」

 あ、なんかこの空気感に覚えがある。というか昨日の夜なったばかりな気がする。

「えっと、俺に出来る事ならって事になりますけど」
「そう難しい事じゃない。この手でもう少し……もっと、私に触れてはくれないか?」

 うん、なんかそう言われるんじゃないかと思いました。え、ど、どうしよう。いいのかこれ? 相手は哨戒係のトップだぞ? いやそれを言ったら訓練係のトップであるカレシナさんとシちゃってる時点で今更だけども。

「ダメ、か?」

 そんな潤んだ目で見ながら言われたらダメですとは言えないじゃないですか! だって俺も牡だもの!
 引き寄せるようにトリアさんが俺の手を引くと、そのまま俺はトリアさんの胸の中に誘われた。これは、カレシナさんとはまた違うふんわりとした柔らかさに包まれた。

「俺が、触れても……いいんですか?」
「あぁ、いいんだ。いや、私に触れてくれたソウシだからこそ、もっと触れて欲しいんだ」

 トリアさんを抱き返すと、やけに速くなっている鼓動を感じる。トリアさんもこの状況にドキドキしてるって事、だよな。
 そのまま抱き心地を堪能しててもいいんだけど、トリアさんの求める触れ合いはそういう事じゃないようだ。俺の前に無造作に仰向けになる時点でそう物語ってるようなものだよな。
 ここで顔や脚やヒレに触ったら幻滅されるのは目に見えてる。とは言え、昨日初体験を済ませたとは言え牝の割れ目を目の前にするのはこれが初めて。これはなかなか、どう扱えばいいか戸惑うな。

「君の好きにしていい。信じているよ」
「と言っても、俺達って話すようになったのでさえ半日前くらいですよ?」
「だったら、これからもっと親しくなる為の行為だと思っておくれ」

 親しくなる階段何段飛ばしですかそれ。えぇいままよ! 牝にここまでさせておいて尻込みしてちゃ情けなさ過ぎるぞ俺! 覚悟を決めろ!
 焦らずそっと、まずはトリアさんの割れ目の輪郭をなぞるように触れる。うわっ、柔らか……牝のここの柔らかさは昨日体験した筈だけど、息子で感じるのと手で感じるのはまた違うものなんだなぁ。

「あっ、んん……」
「ここには俺達しか居ないんですし、我慢しなくてもいいんじゃないですか?」
「で、でも、こんな事は初めてで、その……恥ずかしいんだ」
「恥ずかしがる事なんて無いですよ。今のトリアさん、優しそうだし、綺麗ですよ」

 ……自分で自分の口から出た言葉に驚いた。どうした俺、こんな事言える奴だったのか俺!? けどまごう事無き俺が今のトリアさんを見て感じた感想だからお世辞を言ってる訳じゃないぞ!
 とか何とか思いながらもゆっくりとトリアさんの割れ目に触れていく。って言うかいいのかなーこれ、昨日カレシナさんと特別な関係になったばかりだよ? いやまぁ集落には番いになったらその相手以外を愛しちゃいけませんって決まりは無いし、実際複数の牡と関係持ってる牝が居たりもするけどさぁ。
 なんて考えながらもトリアさんの大事な所をまさぐる手は止められない。だって触ってるだけでもなんだか気持ち良いし、俺以上にトリアさんが気持ち良さそうにしてるから止めるに止められないないんだもん。

「ぅんん、あぁっ! こんな、の、感じた事、無いっ!」
「うわぁ、汁が凄い……」
「やっ、やぁ……言わないで」

 トリアさんの呂律に怪しさが滲んできたところで、外は大分触れて堪能し、俺の好奇心はトリアさんの中へと向かい始めていた。昨日は見る事の無かった中……あの絡みつく温かさは一体どうなっているんだろう。
 そっと両手を割れ目に宛がって、力を入れ過ぎないように左右に広げる。するとトリアさんはピクリと反応した。

「ひ、広げて見ちゃダメだ。うぅ、恥ずかしい……」
「わぁ……こうなってるんだ。綺麗……」
「し、しみじみと言わないで……」

 あっ、しまった。つい見惚れてしまった。触ってって言われてるがっつり見てるだけって言うのは趣旨が違ってきてしまうな。どの道恥ずかしい事だろって考えはとりあえず置いておこう。
 ここは当然トリアさんのとても大事なところなんだから絶対に雑に扱ったり傷付けたりはしてはいけない。そう決意を新たに、ゆっくりと割れ目に指を滑り込ませた。

「んあぁ! は、入って、くるぅ!」
「ふぉぉ、指にも吸い付いてくる。すごっ……」

 弄るように指で中を何度もなぞると、その度にトリアさんの体はびくりと跳ね、口からは甘い喘ぎ声が溢れる。ヤバい、俺もこの声や匂いに中てられて興奮してきた。落ち着け、これは触れるだけ。トリアさんを満足させるだけに留めるんだ。

「もっと、入ってきて! 私の奥まで!」
「も、もっと? 手じゃこれ以上は……」

 手段はある。準備も出来てる。けど、いいのか? その、息子を入れてしまえば間違い無く俺の理性はまた頭の片隅に追いやられて最後までしちゃうぞ。我慢出来ない自信あるし。
 そんな迷ってる俺にトリアさんのヒレが触れて、自分に寄せるようにする。あ、これは……。

「君が良いのなら、もっと私の深くまで……君を、感じさせて」
「いいん、ですね?」

 トリアさんは頷いた。そして思考する俺は再び頭の隅に追いやられた。後はもう本能の赴くままに、だ。
 息子をトリアさんの割れ目に宛がい、ゆっくりと挿入していく。実はさっきの観察で気付いたんだ。恐らく膜であろう物がトリアさんにある事を。昨日に続いて集落のトップの一匹の初めてを貰っちゃう事になるとは……いいのかなぁ。もう止まれないんだけどさ。
 挿入を続けて、膜の前まで来たので一旦停止。痛いのは昨日カレシナさんが言ってたんだから把握出来てる。こればっかりは本能に成り代わって理性的にやらせてもらうよ。

「トリアさん、この先はかなりの痛みがトリアさんに掛かります。止めるんだったら、俺はそれに従いますよ」
「……破瓜、だな。正直、少し怖い。でも、君になら……」

 見つめるトリアさんの意思は受け取った。ならせめて痛みが長引かないように、躊躇せずに行こう。

「トリアさん、深呼吸して……行きますよ」
「くっ、うあぁぁぁ!」

 ぐっと力を入れて押し込み、息子はトリアさんの中に収まった。同時に、少しの血が割れ目から出ているのに気付く。し、出血ぅ!? 俺何か間違った!?

「と、トリアさんすぐ抜いて……!」
「ま、待った! まだ動かないでくれ!」

 下がって息子を抜こうとした俺はトリアさんに捕まり、抜くどころか寧ろもっと深くトリアさんと繋がる事になる。いやそうだよな、痛いって言ってるんだから急に動くのは悪手だわ。お、落ち着こう俺も。

「はぁっ、はぁ……痛みはあったが、もう落ち着いてきたよ」
「そ、そうですか? すいません、血が出てると思ったら俺、焦っちゃって」
「ふふ……君は本当に優しいんだな。けど大丈夫、破瓜とは元々そういう物なんだそうだ。私が君に望んだ以上、君に非は無いよ」

 そ、そうだったのか……だとすると昨日のカレシナさんも血を出してたって事だよな。初めてを貰うとかあげるって、牝からすればこんなに覚悟の要るものなんだな。そんな相手にカレシナさんもトリアさんも俺を選んでくれた。だったら俺は、それに応えなきゃ不公平ってもんだよな。

「トリアさん、俺、頑張りますから。信じてくれますか?」
「最初に言ったろ? 君を信じると。さぁ、もっと私に君を感じさせてくれ」

 了解の返事の代わりに、俺は腰を振り始めた。昨日はカレシナさんが俺の上に跨って腰を振ってくれたけど、今はその逆なんだ。俺の出来る限りをもってしてトリアさんには満足してもらうとしよう。
 とは言え、だ。快感を感じるのは俺も同じなので、達したい衝動にも既に苛まれている。完全に本能に任せちゃったら先に満足しちゃいそうだし、今回は理性側の俺がしっかりと我慢させねばだな。
 腰を打ち付ける度にトリアさんの愛液が弾けて音を立てる。この水に分け入り混ぜるような音、これだけでも興奮が増していく。俺、昨日まで童貞だったんだよなぁ。これを知っちゃったら、もう知らなかった頃には戻れないよなぁ。

「腹が、突き上げられて、き、気持ち良い! あぁ! もっとぉ!」
「はっ、はっ、はっ、はっ……」

 無心になって腰を振ってないと、余計な事考えた途端に精液が決壊しそうだ。頑張れ俺ー、まだだぞ俺ー。
 突き上げる度に俺の息子を締め上げる感触は強まっていく。確実にトリアさんも感じてくれてるんだ。牡としての頑張りどころでしょここが。

「何か、く、来る! イクぅ! んあぁぁぁぁ!」

 トリアさんが叫ぶと共に、割れ目からは愛液が噴き出して一際強く俺の息子を締め上げた。はいこれもう耐えられません。抜いてる暇も無さそうだ。

「俺も、イっ、んんん!」
「ふあぁ……奥に、流れ込んでくる……」

 ……連日だと言う事もものともせずに俺の息子はトリアさんの中にドクドクと精液を注ぎ込む。この解放感、癖になりそうだ。いや、あまり牝を抱く快感に溺れちゃ不味いよな。ダメな牡街道一直線だぞ。
 収まり抜き出すと、トリアさんの割れ目からも精液が溢れ出て来た。……今回は出してる途中に抜く事も出来たんじゃなかろうか? いやそれだとトリアさんに精液を盛大にぶっ掛ける事になってたろうからそれはそれで後始末が大変な事になってたか。

「これが、性交……不味いな、暫くこの気持ち良さを忘れられそうに無い」
「俺も、気持ち良かったです……」
「……私は君が初めてだったが、ソウシ。君はこれが初めてという訳でもなかったのかい?」

 !? い、痛い所を突かれて余韻でふわふわしていた意識が速攻で戻ってきた。と同時に情動的な本能はそそくさとなりを潜める。お、おのれ裏切者め。

「い、いやえっとその……はい、その通りです」
「あぁ済まない、別に非難しようという訳ではないんだ。ただ、君の初めてとなった牝の事が少し羨ましくなってしまってね」

 こんなにも幸福感と満足感を与えてくれた君の特別な存在になら、私もなってみたかったとトリアさんは言ってくれた。あははは……すいませんそれ、あなたの友達なんです。

「だが、その牝に申し訳ない事をしてしまったな……君は咎められたりしないだろうか?」
「あーえっとその……多分大丈夫かな? と思います」
「そう、なのか? いやだがこういった事で他の牝と関係を持ってしまう事を嫌う牝は少なくないと思うんだが」

 ……話しておいた方がいいよなーこれ。何より俺もカレシナさんにもトリアさんにも誠実で居たい。カレシナさんにも会った時に隠さないで話そう。
 昨日あった事と相手が誰なのかを話すと、トリアさんはまさかって顔をした後複雑そうに苦笑いを浮かべた。

「それは、その……同じ相手を見初めると言うのは仲が良いと言うか何と言うか、という所だろうか」
「いや、分かってながら拒まない俺が一番悪いとも言えますけどね」
「拒まれてしまったら、それこそ私もカレシナも悲しんだと思うぞ? 少なくとも私は、拒まれていたら暫く引き摺っていたと思う」

 だから、君が受け入れてくれて嬉しかったよとトリアさんは言ってくれた。カレシナに話す時は私にも声を掛けてくれ、私も謝罪と口添えをしたいからって有難い提案もしてくれた。うん、是非お願いしよう……。というか早めに話した方が傷口は広がらないかもしれない。
 とにかく、まずは汚れた体を洗いに行かないとだな。そう言えば長い事一緒に居たけど、トリアさんは見回りとか大丈夫だったのか? って聞いてみたら、今日は非番だったそうです。こんな休日になるとは思ってなかったがな! って笑ってる辺り、やっぱりトリアさんって強いポケモンだと俺は思ったよ……。

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*Third Day ~Floatzel~ [#Xp4ZrbX]

 朝日を感じて目を開けて、まだ眠気の残る頭を振って体を起こす。いやぁ、精神的にへとへとになってから寝たからまだ若干疲れを感じる。だって結局その足で集落に戻ったらカレシナさんに遭遇するとは思わないじゃないさ。
 で、なんで俺とトリアさんが一緒に居るかをカレシナさんが不思議に思うのは当然の流れ。そこでずばーっとトリアさんが俺と関係を持ってしまった! 済まない! って言ったのには心の準備が出来てない俺には心臓止まるかと思った出来事だったよ。
 そっから土下座して説明しての開始ですよ。正直カレシナさんは終始ファッ!? って言いたそうな顔してました。
 で、全ての説明が終わった後、俺はカレシナさんに血祭りにされ……ませんでした。いや今こうして生きてるんだから当然だわな。
 自分も俺を誘って関係を持ったし、トリアがソウシに惹かれたのも自分がそうだから納得出来るとめっちゃ寛容な姿勢で接してくれました。俺はあたしを抱いた次の日にトリアを抱くのはちょっと節操無いんじゃない? ってちょっと釘は刺されました。マジでですよねの一言しか出ねぇ。
 それで、落とし前って訳でもないけど……どっちも好きにさせちゃったんだから、ソウシは責任持ってあたしもトリアの事も幸せにする事! って約束させられました。思わず良いのそれで!? って言っちゃったよ。けどカレシナさんもトリアさんもそれで納得しちゃったから俺が折れるしかなかったんだよね。うーん、大丈夫かな俺? 俺って言うか、俺の体力。
 まぁそんなこんなで、望んだ訳じゃないけど俺には二匹目の嫁が出来ました。あ、でもトリアさんとの関係もカレシナさんと一緒で昼間は今まで通りでって事になったよ。トリアさん普通に哨戒係で忙しいだろうしな。ま、見回り中に会ったら話くらいしようって事にはなったから、完全に今まで通りって訳じゃないけどさ。

「にしても、濃厚過ぎんだろ二日連続で」

 思わずぼやいたけど、他の牡からしたら有り得ないくらいの幸運なんだよなーこれ。まさか防衛班の両トップと関係持って付き合えるなんて普通じゃまず起きないだろ。これ絶対ヴィクター効果だよなぁ。
 けど流石に濃厚な二日間を過ごして俺も俺の息子もお疲れって訳ですよ。そもそもに一昨日まで童貞やってた奴がいきなり連日牝のお相手なんて無茶なんだよ。今日はもうゆっくり過ごすって決めてんだー。

「あ、居た。おーいソウシー」
「ん? 誰だ……って、なんだマリンか」
「なんだとは何よ。一匹で暇してそうだから来てあげたのに」

 なんて言ってるのは、ジェームズとは別の幼馴染であるマリルリのマリン。ルリリの頃からジェームズ共々一緒に遊んでる仲だな。
 で、なんで俺がそんなマリンに素っ気無い対応をしたかと言うとだ、こいつが俺の塒まで朝から来る時は大体何かしら仕事やら頼み事を持ってきた時なのだ。今日も恐らくそうなんだろうな。

「で? 本題は?」
「あら察しが良いこと。ちょっと給仕班の備蓄木の実の交換あるんだけどさ、ソウシって木の実探すのも採るのも上手でしょ? 手伝ってよ」
「あーそんな時期か。ま、今日は何もする気無かったし、そんくらいならいいぞー」
「今日はって言うか、今日もでしょ?」
「お前ね、これから手伝ってやるって言ってる相手にそう言う事言う普通?」

 ま、こんなやり取りで喧嘩にならないのも昔馴染みの関係故にってところかな。あ、でも今ジェームズにこのノリやられたらバッチバチにシェルブレード叩き込んでやるな多分。
 さて、行くわよーなんてマリンが呼んでるし、休むつもりだったけどついて行くとするかね。
 給仕班とは、この集落で暮らしてるポケモンの為に木の実を集めたり木の実の木を育てたりしてる集まりの事である。木の実を採ったり探すのが苦手だったり、何かしらの仕事をしてて食べ物を探しに行く暇が無いーなんてポケモンでも給仕班があるお陰で飢えずに済んでるって訳だな。
 因みにマリンはその給仕班でも木の実の採取の方を行ってる採取係に所属してる。で、今日はその採取係が集めて備蓄してる木の実を新しいのに換える日って訳だ。木の実はそこそこ日持ちするとは言え傷んだり腐ったりもするからな。たまに交換が必要な訳だ。
 なら別に貯める必要無いだろって思うだろ? これがまたそうでもない訳なんだよ。木の実は一度採ると次実るまでは当然収穫出来ない。集落内に生えてる木の実の木は概ねが給仕班のもう一つの係である栽培係が様子を見たり手入れをしたりしてて実ってるんだけど、たまに鳥ポケモンの集団が来てありったけの木の実食べ尽くして去ってくって事をやってくもんだから備蓄も作るようになったってのが採取係の起こりなんだってさ。なんかこの集落、渡りをする鳥ポケモンの羽休めの場所にもされてるらしいんだと。

「なーに上の空で歩いてるのよ。木にぶつかっても知らないからね?」
「俺はこんなでも色々考えながら歩いてんの。木にぶつかるようなヘマしませーん」
「本当にそうだからなんか腹立つわねー」
「いやこんくらいでイライラされたら俺が戸惑うわ」
「冗談に決まってんでしょ。真に受けないでよー」

 なんて、俺が真に受けてない事なんかマリンは気付いてんだけどな。幼馴染同士の挨拶みたいなもんだよ。
 そんな感じで駄弁りながら、給仕班採取係の集まりに到着。俺は防衛班ではあるけど、こうやってマリンが連れて来るもんだから準採取係みたいな扱いになってんだよね。我ながら便利な奴だと思うよ。

「あらマリンちゃん。ソウシ君連れて来てくれたのね、助かるわぁ」
「こんにちはシーネさん。暇してるみたいだから引っ張ってきちゃいました」
「って事で引っ張られてきましたよっと。よろしくー」

 集まってた採取係に挨拶すると、口々に助かるよーなんて声を掛けてくれる。これねー、周りから言われて俺も防衛班から給仕班、というか採取係に鞍替えしないかって言われた事あんんのよ。けど俺が鞍替えしようかって時にこぞって他の防衛班の同じ穴の貉達がじゃあ俺達も! なんて声を挙げやがって話が流れちゃったーなんて事もあったんだよな。まぁもしあの時鞍替えしてたら一昨日からのあれこれも無かっただろうし、悪い事ばかりじゃなかったって事にしとくかね。

「それじゃあ皆揃ったし、何匹かに分かれて集めてしまいましょー」

 なんて声を掛けてるのはフローゼルのシーネさん。さっきマリンも挨拶してたっけな。採取係のリーダー、って訳じゃないんだけど暫定リーダーってところかな。本当のリーダーはどうしたって? 二週間くらい前に集落から追い出されました。皆が集めた備蓄用の木の実を勝手に全部食べたり栽培係が育てた木の実の木を木の実欲しさに折ったりしてたからなぁ。堪忍袋の緒が切れた集落トップ陣にボッコボコにされて追放です。そもそもなんで採取係のリーダーになれたんだかな、あのビーダル。まぁ居ない者の事を言う事も無いか。

「じゃあマリンちゃんとソウシ君は私と一緒に来てくれるかしら」
「分かりました。……せいっ!」
「ほごぉ!? な、何を……」
「ぼけーっとして話聞いてないのが悪いのよ。はい、あんたはあたしとシーネさんと一緒に木の実集めだからね」
「分かったけどお前のボディブローは洒落にならんから、致死ダメージ叩き出すからマジで……」

 マリンの特性は力持ち……前にならず者のリングマがこの集落に来た事があんだけど、そのリングマを防衛班が対応する前に襲われて返り討ちにしたって事があったのだ。駆け付けた時に見たあの光景はまだ鮮明に思い出せるぞ。体がくの字に曲がったリングマと、その腹に腕、てか拳を食い込ませてたマリンの鮮烈なシーンはな。……今更だけど、俺とマリンって所属する班逆だった方が良かったんじゃないかなぁ。って、ぼーっとしてたら俺もくの字に折られかねん。真面目に木の実集めよ。
 恙無く木の実は集まり、三匹で抱えて運んでるところだ。シーネさんとマリンが届く範囲の木の実を集め、俺が木に登って採り難い木の実や取りこぼしが無いかを探すって布陣で作業してました。取りこぼしは放っておいてもいいんだけど、採った方が早く集まるからしっかり回収させてもらったぞ。

「やっぱりソウシ君は頼りになるわねぇ。私は木登りなんて出来ないから助かったわぁ」
「ソウシってミジュマルの頃から器用だしやる気になれば何でも出来ちゃうのよね。やる気になれば」
「含みのある言い方やめい。常に何にでもやる気出してたら疲れてガス欠しちまうっての」
「うんうん、休むのってとっても大事よぉ。さぁ、私達も運んじゃって、一休みしましょうか」

 おっとりしててのんびり屋なところはあるけど、俺は嫌いじゃないぞシーネさんの事。けど実はシーネさん、ちょっと訳有りで集落の中に嫌ってる奴も居るのだ。
 ずばり言っちゃうと、シーネさんは元々この集落で生まれ育ったポケモンじゃない、所謂流れ者だったのだ。ここに来る時は流れ者仲間が居たんだけど、そいつ等がどうやら食うに困ってこの集落を襲う計画を立てたんだと。で、それをいざ実行するって時にシーネさんは反対して仲間達を止めようとした。
 結果、シーネさんは仲間達から半殺しって言う位痛めつけられた。けどその騒ぎを聞きつけた防衛班が流れ者からならず者になろうとしてたそいつ等を成敗。ぼろぼろだったシーネさんはこの集落で治療を受けて回復し、そのまま集落の一員になりましたとさって経緯があったりするのだ。
 その時に仲間だったポケモンに手酷く痛め付けられた所為で、暫くはポケモン不信に掛かっちゃっててなぁ……今でこそ表面的には落ち着いてるように見えるけど、牡のポケモンが触れようものなら体が震えて止まらなくなるって言う後遺症に今も苦しんでるんだ。

「ん? どうしたのソウシ君? 私の顔に何か付いてる?」
「あ、いえ。何も付いてないですよ」

 俺はシーネさんが集落に来た頃はまだ進化前だった事もあり、この集落でシーネさんが普通に接する事が出来る牡の一匹だったりする。塞ぎ込んでたシーネさんの所にジェームズとマリンと遊びに行ってたってのも実績としてあるしな。
 そんな事を思い出しながら歩いていると、集合場所に戻ってきてた。うん、どうやら他の採取係も戻ってきてるみたいだな。それなら抱えてきてた木の実を備蓄してるところに降ろして、と。よし、お仕事完了。

「皆お疲れ様。古い方の木の実はいつも通り食べられそうなら集落の皆に配って、傷んでしまっている物は植えて次の木になってくれるようにしましょうねー」

 シーネさんの指示に返答して、採取係は次の行動に移る。俺が手伝うのは基本採取だけだからな、こっから先は皆に任せる。あまり俺が出しゃばったらまーた班の動員大移動問題に発展する可能性も出て来るしな。

「そんじゃ、俺はこの辺で。駄賃代わりに少し木の実は分けてもらうぞ」
「はいはい、お疲れ様」
「本当にありがとうね、ソウシ君。ゆっくり休んでね」

 あぁ、シーネさんの優しい笑顔に癒される。カレシナさんやトリアさんの笑顔も無論嫌いじゃないけど、あの二匹の笑顔はキリッとしたカッコいい系の笑顔になっちゃってるからなぁ。こんな感じのふんわりした雰囲気の笑顔も良い物だ。なんて馬鹿な事考えてないで、今度こそ塒に帰って休むとしますかねーっと。
 何事も無く塒に帰ってきて、する事も無いし昼寝でもするかと思い目を閉じる。なんだかんだヴィクターに会ってから色々あったからなぁ。ダラダラ過ごすのに戻りたい訳じゃないけど、やっぱりこういう時間は気持ちが良い。ゆっくり過ごすとしようかな。
 そうして暫くの時間が過ぎた頃だった。今朝みたいに誰かがこっちに近付いて来る足音が聞こえる。またマリンが来たか? まぁ、有り得ない話でもないかな。

「誰だい? 俺に用があるなら今日はゆっくり休むって決めてるから明日にしとくれー」
「あっ、ごめん。休んでる時にお邪魔だったかなぁ?」
「へ? その声って……シーネさん?」

 体を起こして声のした方に向き直すと、そこには笑顔でひらひらーっと手を振るシーネさんが居た。これは、予期せぬお客さんだわ。

「驚いた……どうしたんですか? って言うか、シーネさんって俺の塒知ってましたっけ」
「うぅん。知らなかったから、マリンちゃんに教えて貰っちゃった。ねぇ、隣行ってもいいかなぁ?」
「構いませんよ。手伝って貰った木の実くらいしか無い塒ですけど、どうぞ」
「ありがとぉ」

 招くとシーネさんの笑顔はよりパッと明るくなり、嬉しそうに俺の隣に来てぺたんと座り込んだ。って普通に招いちゃったけどなんか用あって来たんじゃないのかシーネさん? 聞いてみるか。

「で? 俺に何かご用ですか? あ、何か手伝って欲しいとかなら、俺が出来る範囲でなら手伝いますよ」
「あ、ううん。そういうのじゃないの。ただ今日採取係のお仕事を手伝いに来てくれた時に会って、久しぶりにお話したいなーと思ってねぇ」

 お話、お話かぁ。そういやシーネさんが塞ぎ込んでた時はよく話をしたっけな。最初の頃なんかは俯いてるシーネさんに俺が一方的に話を聞かせるだけだったけどな。

「いいですよ。と言っても、あまり面白い類の話って最近はあんまり無いんですけどね」
「んーん、いいの。あ、何でもいいから最近のソウシ君のお話聞きたいな。この前は確か訓練係のカレシナさんと一緒に訓練してたんだよねぇ」

 ありゃ、なんでシーネさんが知ってるんだ? と思ったらあの日の事は結構集落内で噂になってるそうなのだ。あのフタチマルのソウシが真面目になった、集落の長を目指してるんじゃないかーだとさ。そんなの目指しちゃいないっての。

「でも失礼な話だよねぇ。ソウシ君はミジュマルの頃からずっと真面目なのに」
「そうでもないですよ? 現に訓練を真面目に受けてなかったのは確かですし」
「けど、真面目に受けようって思い直したんでしょ。やっぱりソウシ君は真面目だよぉ」

 そんなに面と向かって褒められると、なんだかこそばゆいな。まぁ、牝にモテないって悩んでウジウジして根暗になって更に牝から見向きされなくなるって負の連鎖を最近までしてた奴が真面目だって褒められていいんだろうかと思っちゃうけど。
 不意にシーネさんは大きく溜め息を吐いた。どうしたのかと思って覗いてみた顔は、いつかの塞ぎ込んでいた頃のシーネさんに重なって見えた。

「ソウシ君もマリンちゃんも、それからジェームズ君も、進化したりして変わって行くんだよねぇ……」
「そうですけど、どうかしましたか?」
「……話しても、笑わない?」
「笑い話じゃない限り、聞いたって笑いませんよ」

 目を閉じて少し考えた後、弱々しくというか儚げとでも言えるような視線を俺に送りながら、ぽつりぽつりって感じでシーネさんの口から言葉が吐かれる。

「今日ソウシ君が採取係の仕事を手伝いに来てくれたでしょ。それで一緒にお仕事して、君の頑張ってる姿を見てね? おっきくなったなぁ、頼もしくなったなぁって思ったの。でも……そう思った途端にね、怖くなっちゃった」
「怖く……? 俺がですか?」
「うん。君の背中が昔一緒に旅して、笑い合ったポケモン達と重なって見えて、それが恐ろしいものに変わった時と同じ事が起こるんじゃ、また私は一緒に居て幸せだって……大切だって思えるポケモンを無くしちゃうんじゃないかって、思っちゃったんだ」

 トラウマ、って奴なんだよな。シーネさんの中に残って、今も塞がらないままずっとシーネさんを苦しめる心の傷。それが少し、開いちゃったって事なのかな。

「それが嫌で、苦しくて……ここに来たの。君の中に変わらない事を見つけられれば、ちょっとだけでも安心出来るんじゃないかなって、思ってね」
「そうだったんですね……」
「うん。でも来て良かった。ソウシ君すっかりカッコ良くなっちゃったけど、そうやって私の話を真剣に聞いて、一緒に悲しんだり悩んだりしてくれるのは昔と一緒だった。私が大好きな、優しくて仲間思いなソウシ君はちゃーんとここに居てくれてるんだねぇ」

 俺の顔を見てにっこり笑うシーネさんの顔についドキッとしてしまった。けどそっか、この笑顔の力になってあげられてるんだな、俺って。それは凄く嬉しい事だよなぁ。

「まぁ、ちょっと前までは違う意味でソウシ君もジェームズ君も変わっちゃったんだなって思ってたんだけどね?」
「へ? それってどういう事ですか?」
「だってマリンちゃんったらソウシ君もジェームズ君も根暗でじめじめした奴に変わっちゃいましたよーなんて言うんだもん。たまにマリンちゃんが連れて来てくれるソウシ君も、なんだかマリンちゃんが言う通りの雰囲気がしちゃってたし」
「……最近まで実際に俺自身がそう思ってたから何にも言えないですねぇ」

 マリンの奴そんな事他のポケモンに言ってたのかよ! 事実だけども、事実だけどもさ!

「大丈夫、今日のソウシ君は頼りがいがあったし、根暗なんて感じ全然しなかったよ! お姉さんが保証します!」
「あはは、ありがとうございます」
「けど、なんでそんなに心変わり出来たの? それってそんなに簡単な事じゃないと思うんだけどなぁ」
「あーまぁその、最近変わったポケモンと知り合って、そいつに言われた事が切っ掛けって感じですかね」

 勝利のパワーって奴の効能はイマイチ実感出来てないけど、確かにこの二日三日で俺は自分でも認識出来るくらい変わったと思う。主な原因はカレシナさんとトリアさんと特別な関係になった事かもしれないけど。
 軽くヴィクターとのやり取りの話をすると、シーネさんは随分興味があるように聞いてる。そんなに面白いって類の話でもないと思うんだけどな?

「……ひょっとしてなんだけど、ソウシ君が会ったのってメロゥ様と同じ伝説のポケモン、うぅん、出会える事なんて一生にあったら奇蹟って言われる幻のポケモンの一匹、ビクティニ様……なんじゃないかなぁ?」
「へっ? 幻のポケモン、ですか?」
「うん。私も旅の途中でチラーっと聞いただけだからそうだってはっきりとは言えないけど、出会った相手を認めたり気に入ったりすると何かしらの勝利って結果を導くっていうポケモンにソウシ君の言った見た目が似てる気がするんだよね。私が見た訳じゃないから何となくでしかないけど」

 おっとぉ、ヴィクターとんでもないポケモンだった説が浮上したぞぉ? いやまぁ確かに普通のポケモンって感じじゃなかったけど、幻のポケモンと来ましたか。あの腹ペコで行き倒れかけてた変なのが、ねぇ?

「けどいいなぁ。私もそんなポケモンに出会えたら、弱い自分に勝てるようにならないかなぁ」
「弱い自分に勝つ、ですか?」
「そう。だって私、そろそろ良い歳になるのに今でも牡のポケモンに触れられないし、近付いちゃうだけで震えちゃうんだもん。けど夜にふと目を覚ました時とかにね? 自分が独りぼっちなんだって感じがして、怖くて、寂しくて……隣に誰かが居て欲しいって、凄く感じるんだぁ」

 傍に居たポケモン達に裏切られた事のあるシーネさんが……いやシーネさんだからこそ、より強くそう感じるのかもな。もう裏切られず、本当に傍に居て安心出来るポケモンに出会いたい、傍に居て欲しい。そんなところなんだろうな。
 それなら、俺が力になれるんじゃないか? 現に今俺はシーネさんの隣に居てシーネさんは怯えた素振りも無い。俺で牡との距離感や恐怖心を克服出来れば他の牡とも接する事が出来るようになるんじゃないかな?

「あの、シーネさん?」
「ん? どうかしたソウシ君?」
「俺が牡だって事は知ってますよね?」
「うん。私が幾らちょっとのんびり屋でも流石にソウシ君を牝だって勘違いしたりしないよぉ」
「ですよね。で、今俺はシーネさんの隣に居る訳ですよ。手を伸ばせば届くくらい近いですよね?」
「そうだね。もぉ、そんな当たり前の事、確認しなくても私にだって分かるよぉ」
「その前提で聞きますけど、今って嫌な感じとか怖い感じってしてないんですよね?」
「うん、してないよ? あ、さっき私が言った事気にしちゃったかな? 大丈夫、さっき言った通り、私はソウシ君の事大好きだよぉ」

 ニッコニコで今シーネさんは俺の手を取ってます。……触れとるやないかーい! なんだこれ、さっきの俺の名案みたいな思考無駄じゃん!?

「えーっと……嬉しいんですけど、今シーネさん、牡に触れられてるって分かってます?」
「え? ……あ! 本当だ! 震えも全然しない!」
「無自覚! 天然さんかな!?」

 俺もシーネさんのトラウマの深さは知ってるからこっちから接触するのは避けてたんだよ!? それを自分からあっさり破っちゃう!? いや良い事なんだけどさ!?

「わぁー! 触れた! ソウシ君に触れたよ!」
「ちょっ、シーネさん!? わぷっ!?」

 押し倒されるようにシーネさんに抱き着かれて、そのままぎゅっと抱き締められてます。うわ、シーネさん柔らか……お腹も浮袋も、全身もれなく柔らかい。防衛班としてバッチリ鍛えてるあの二匹とはそりゃあそもそもの筋肉量も違って当たり前だから、柔らかくて当然か。

「あったかい……誰かに触れるってこんなにあったかかったんだ。ずっと、ずっと忘れちゃってたよぉ……」

 涙声になったシーネさんの声に、俺はなんだか胸がいっぱいになった。本当はずっと辛さを隠してたんだな、シーネさん。何も言わずに俺からも抱き締め返して、そのまま暫くはお互いに動かなかった。触れ合った温かさを確かめ合いたかった、って言うのかな? とにかくこのまま触れていたかったんだ。
 けど至近距離で触れ合ってれば当然相手の息遣いとか鼓動、それから匂いなんかも感じるものでして、シーネさんから感じる牝の優しくてふんわり甘いような匂いに中てられてたら、最近連日主張が激しい本能君がマッハで顔を出す訳ですよ。今日は出て来る予定無かった筈なんだけどなぁ……。

「……ふふっ、ソウシ君……やっぱり牡の子なんだねぇ」
「あっ、いやその」
「隠さなくったっていいよぉ。寧ろ私にドキドキしてくれて、嬉しいな」

 カレシナさんにもやられて自覚したけど、俺耳元で囁かれるのにめっちゃ弱いわ。なんかこうゾクゾクっとして、明らかに鼓動早くなっちゃうもん!
 抱き合ってるところからシーネさんが体を起こして俺を見る。仰向けに寝てる俺を見つめるシーネさんは、普段のふわっと優しいお姉さんの顔から愛しい者を見つめる牝の顔になってた。はいこれもうシーネさんも完全にスイッチ入っちゃってる奴だね。そしてまた思考する理性である俺が片隅に追いやられる奴だね。分かってきました。消されないように頑張りまーす。

「ねぇ……シちゃおっか」
「いいん、ですか?」
「言ったでしょ? 私はソウシ君の事が大好きって。あれは、嘘なんかじゃないよ」

 そこからは何も言わずにお互いキスを重ねた。はっはっは……慣れたもんだな、俺よ。連日やってりゃ誰だって経験値は増してくわな。
 シーネさんはゆっくりと腰を上げて、俺の息子に割れ目を宛が……わなかった。あ、あららん? これはまた新しい展開だわ。

「すぐに入れちゃって終わりじゃソウシ君の事、あまり感じられないもんねぇ。まずはゆっくりと、ね?」
「し、シーネさん、なんだか凄く余裕ありますね?」
「まぁ、昔旅をしてる間にちょっと、ねぇ。けど今私が見てるのは、ソウシ君だけだよ」

 そう言いながら、俺の息子をシーネさんの割れ目が摺り上げた。な、なんだこれ、割れ目の柔らかさが摺り上げられる事によって押し付けられて、入れるのとはまた違う快感が押し寄せてくる。
 何度も、何度も。摺り上げられる度に俺の口からは声が漏れて、シーネさんが心地良さそうにしてるのも見れる。カレシナさんやトリアさんとは体格差があってここまではっきりとは見れなかったけど、快感を感じてる牝の顔ってなんだか綺麗で、見てるだけで鼓動がどんどん速くなっていくのを感じる。

「ソウシ君の、凄くおっきい……私の中に入りきるかなぁ」
「あ、あの、シーネさん。そろそろ俺、もう」
「出したくなっちゃった? いいよぉ、そのまま出しちゃお」

 そう言ってシーネさんは手で俺の息子を更に割れ目に押し付けて、さっきよりも速く擦り上げていく。そんな快感に抗うことなんか出来る訳も無く、俺は一回目の吐性を迎えた。
 シーネさんと自分のお腹に吐き出された精液が染みていく。……洗う時に取れ難いんだよなーこれ。まぁ本能で動く俺には知ったこっちゃないんだろうけど、終わった後の俺は大層苦労してるって事だけは知って欲しいもんだ。
 そんな精液をシーネさんは指で掬って、舐め取る。シーネさん、その表情は煽情的過ぎると思います。

「わぁ……ソウシ君の、濃いねぇ。こんなのお腹の中に出されたら、タマゴ出来ちゃうだろうなぁ」
「はぁっ、はぁっ……それならここで、止めときます?」

 今の発言は一度射精して少しの間だけコントロールが戻った俺の言葉である。望まない牝に子作りまでするなんて俺は望まない。こんな事してる時点であれだけども、あれだけども!

「ソウシ君は、止めたい?」
「そ、それは」
「私はね……止めるのは、ヤダ。ソウシ君だって、まだ頑張れるよねぇ?」

 頑張れますと主張するように俺の息子は再起動してます。現金過ぎんだろ。もう本能はやる気満々で俺をまた片隅に追いやってるし、俺も腹を括ろう。こんな魅力的なシーネさんを目の前にお預けなんてされたら、本能が暴れかねないぞ。

「ソウシ君もやりたいって思ってくれてるんだね。えへへ、嬉しいなぁ」
「止められないですよ。今のシーネさん、可愛いし綺麗なんですもん」
「! も、もぉ、そんな風に褒められちゃったら、お姉さんもっとドキドキしちゃうんだからね?」

 そう言ったと思ったら、シーネさんはもう一度キスを交わして来た。そして……ついにシーネさんの割れ目が俺の息子に宛がわれる。シーネさんが雰囲気を盛り上げるのが上手いお陰で、天を衝くと言わんが如く俺の息子はそそり立ってる。まぁ今から衝くのはシーネさんの中なんだが。
 くちゅりと音を立てて、息子の先端がシーネさんに飲み込まれた。これから徐々に……。

「……えいっ」
「ふぅあっ!?」

 ではなく、一気に俺の息子はシーネさんに飲み込まれた。そ、そうか、初めてじゃないからこんな事も出来るのか。俺は予期してない衝撃にちょっぴりだけ達してしまった。
 うわぁ、シーネさんのお腹、柔らかいとは思ったけど俺の息子が中に収まってるのが表面を押してる事で見える。はっきり形分かるくらいだよ。

「はぁぁ……凄いよぉ。私の中、ソウシ君のでいっぱい。ほら、見える?」
「は、はいぃ……」

 シーネさんが俺の息子が収まってるところを愛おしそうに撫でると、触れてるのが息子を通してはっきりと分かる。シーネさんと繋がったのをこれ以上無いってくらい感じる。

「じゃあ、動くね。ソウシ君はいつでも出していいからねぇ。ぜーんぶ、受け止めるから」

 そう言ってシーネさんは腰を動かしだす。柔らかく纏わり包み込むように動くシーネさんの中に一回腰を打ち付けられただけで達しそうになったけど、そのレベルの心地良さがずっと続いてる。いつでも出していいとは言われたけど、今すぐ吐き出しちゃいそうだ。
 シーネさんも舌を仕舞う事も忘れて、一心不乱に腰を振ってる。うわ、気持ち良さそう……。俺のであれだけ感じてくれてるって事だよな。なんか、嬉しいかも。

「はっ、んんっ! ソウシ君の、凄いよぉ。私の気持ちの良いとこ、ぐりぐり当たってるよぉ」
「もう俺、我慢出来なさそ、う! で、出るっ!」
「いいよ、全部、ぜーんぶ出してぇ。私もイっ、くぅ!」

 一際強い締め付けと共に、俺は精液を開放した。シーネさんの中で脈打つ度に、どくり、どくりと中を俺の精液で満たしていく。……いやこれ、明らかにシーネさんのお腹膨らんできてるぞ!? 流石に抜かないとシーネさん辛いだろ!
 そう思って身を引こうとした俺に、シーネさんは体を押し付けるようにキスをしてくる。まるで、放さないと言うように。

「んっ……抜いちゃヤダ。私は大丈夫だから、まだ、もっと、繋がらせていてね」
「……はい」

 結局、俺の息子の脈打ちが完全に収まってもまだ俺達は抱き合い繋がってる。シーネさんが放してくれないんだから放れようもないんだけどさ。

「……そろそろいいかな。うん、ありがとうソウシ君」
「えっと、抜きますよシーネさん」
「あんっ。……わぁ、こんなに長く牡のを入れてた事って無かったけど、ソウシ君のおっきかったから拡がっちゃった。暫くこのままになっちゃうかなぁ」

 いやそれは問題だろと思うけど、何処かシーネさんは嬉しそうだった。なんと言うか、経験で圧倒的に敵わないなって思わされたよ。
 で、シーネさんの広げてる股の割れ目につい目が行ってしまうと、言った通りぽっかりと拡がってしまってた。だ、大丈夫なのか、これ?

「そんなに奥まで見られたら流石に恥ずかしいよぉ。もう、ソウシ君のエッチ」
「あっ、いや、ごめんなさい」
「ふふっ、ウソウソ。ソウシ君にだったら、私の奥だって見せちゃうよぉ。……恥ずかしいのは本当だけどね」

 照れたようにそう言うシーネさんが可愛らしくて、愛おしくて。俺は自然と抱き締めてた。もうこれは、俺の嫁がまた一匹増えちゃったとタカを括るしか無いなこりゃ。
 さて、一通りを終えて落ち着いて来たところで、一つの疑問が俺の頭の中に浮かんだ。シーネさんの割れ目はぱっくりと拡がってるのに、カレシナさんやトリアさんの時より溢れ出て来る精液の量が少ないのだ。依然としてシーネさんのお腹が膨らんでるって事は大部分が出てきてないって事か? なんでこんな違いが出来たんだ?

「あの、シーネさん。一つ質問いいですか?」
「ん? なぁにソウシ君?」
「出した量に対してシーネさんのお腹から溢れて来る量が明らかに少ないと思うんですけど、どういう事ですか?」
「あぁ、それはね? ソウシ君の精液って凄く濃かったから、出してから時間を置けば中でプルプルになって溢れ難くなるだろうなーと思って抜かないでいてもらったからだよ。ほら、お陰でタマゴがもう出来ちゃったみたいでしょ? ちょっと苦しいけど、今私すっごく幸せだよぉ」

 あの待ち時間それかー! そ、そこまで計算してシーネさんは行動してたのか……うん、改めて勝てないと思ったわ。
 流石に疲れたから少し休んでから体を洗いに行こうって事になって、一休みだ。シーネさんは俺の精液で満ち満ちてるお腹を擦って満足そうだ。あ、この状態は暫くすれば落ち着いてくるから安心してって補足は入れられました。じゃなきゃそりゃあ流石に動くのにも支障が出るわな。

「あ、そうだ。私からも一つ聞いていいかなぁ?」
「あぁはい、どうぞ」
「ソウシ君、多分だけど……初めてじゃないよね? 合ってる?」

 ぬぉ!? そ、そこまで見抜かれてるのか!? ……隠してもバレるだろうし、正直に話しちゃった方が身の為だよなぁ。
 正解だって言うのと同時に、相手が誰で今どういう関係なのかを説明した。シーネさんはやっぱりねって感じだな。

「ソウシ君の事を誰も今まで見向きもしなかった事の方が不思議なくらいだもんねぇ……けど、カレシナさんにトリアさんかぁ。凄い相手とシちゃってるね?」
「二日前までは童貞だったもので、魅力的なお誘いは断れませんでしたっ」
「それは断れないよねぇ。というか、私も自分から誘っちゃったから二匹の事言えないかなぁ」

 とにかくそう言う事なら、私も二匹とは事情を説明したり話したりしないとなってシーネさんは言ってる。……シーネさんも怒ったりはしないんだな。

「あの、シーネさん」
「ん? なぁに?」
「俺の事怒ったり幻滅したりしない……んですか?」
「えー? しないよぉ。それに、カレシナさんもトリアさんもしないと思うよぉ」
「それまたどうして?」

 シーネさんは続けた。だって、そんな風に優しく受け入れて、受け止めてくれるソウシ君の事を皆好きになったんだから、と。

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*Fourth Day ~Suicune~ [#76KgZXA]

 シーネさんとの情事の翌日、俺は今日こそゆったりと過ごそうと心に決め、なるべくポケモンに遭遇しないで過ごそうとあまり集落のポケモンが通らないルートで散歩をしていた。
 読みは概ね当たり、俺は一匹でゆったりとした時間を過ごしながら、改めてこの超常現象状態の始まりについて考える。
 まずヴィクターに掛けられた勝利のパワー……昨日までの三日間を鑑みて結論を出せば、あれは本当に本物の力だったって事だ。じゃなきゃ連日あんな経験、それまでの俺に降りて来る訳が無い。脈有りだったと昨日告げてくれたシーネさんとだって、そもそもに昨日の流れのような事にウジウジしてた頃の俺ではなりようが無い。明らかに外部要因が影響しているし、それの心当たりはあれしかないからな。
 そしてそんなパワーを俺に授けたヴィクターの正体だ。あの後思い出せるだけでいいからと無理を言ってシーネさんに教えて貰ったビクティニというポケモンの特徴や技、その中に一つ、おやっと思った物があった。Vジェネレート……ビクティニだけが使えるとされるその技の名前の響きには心当たりがある。そう、ずばりヴィクターが勝利のパワーとやらを授けた時に叫んでいた技の名前だ。はっきりとは言ってなかったけど、かなり近い事をヴィクターは叫んでいた。
 更に奴はよく勝利や敗北、勝敗の事を口にしていた。以上の情報から、ほぼ間違い無くヴィクターの正体は、幻のポケモンビクティニだ。はぁ……まさかあの行き倒れが幻のポケモンだったなんて、一体誰が分かるんだっての。知らん内にそんなポケモンと知り合ってたなんて、なんか勿体無い事した気分だなぁ。

「ま、ヴィクターの正体なんて分かっても別にどうってこた無いんだけどな」

 ぼやきと共に纏めた考察を記憶の引き出しに仕舞い、一つ伸びをする。思えば多少の疲れはあるとは言え、連日盛大に牝を抱いてるのに動ける辺り、俺もスタミナあるもんだよなぁ。いや、意外とこれも勝利のパワーの影響だったり……? いや流石に関係無いか。
 ま、いいや。とにかく今日こそ俺は完全に休みの日だ。何も無い日を贅沢に満喫してやるぞー。
 ……なんて思ってる時だった。ちょっと背の高い草の生えてる辺りを歩いてたんだが、その草の一部ががさりと音を立てた。おいおい、この辺は本当に集落のポケモンが滅多に来ない集落の端の端だぞ? こんな所をうろついてるポケモンなんて俺みたいな変わり者か一匹になりたい理由がある奴か……集落外のポケモンくらいだぞ。
 警戒してホタチを構える。もし集落のポケモンや単なる流れ者なら別に構わないが、ならず者だったら大変だ。俺も防衛班の端くれ、何とか出来なかったとしても、盛大に騒ぎながら移動してここにならず者が入り込んだって知らせにゃならん。
 なんて一匹で緊張感を募らせていたんだが……草を分け現れたポケモンの姿に俺はポカンとしてしまった。いや、驚くには驚くポケモンだったよ? なんせ……この集落の守り神様だったからな。

「ふぅ……あら?」
「へっ? え……め、メロゥ様!?」
「わー! ちょっと待って!」

 驚いた声を上げた俺は、メロゥ様の腰から伸びる……尻尾? 尻尾なんだよなあれ。とにかくヒラヒラしたのに捕らえられた。う、動けぬ。

「驚いちゃうのは分かるけど、まずは叫んだり慌てたりしないでほしいの。約束してくれるなら、このまま拘束は解くわ」

 口元まで縛られてるから頷く事しか出来ないが、とにかく頷いてみせるとメロゥ様はホッとしたような顔をして拘束を解いてくれた。

「ぷはぁっ! あーびっくりした」
「ごめんごめん、苦しかった?」
「苦しいより心底驚きましたよ。って言うかスイクンのメロゥ様ですよね? なんでこんな集落の端っこに居るんですか?」

 そう、今俺の目の前に居るのはスイクン、名前はメロゥ。この水タイプのポケモンが集う集落において生命線とも言える水を浄化して綺麗にしてくれる力を持つ正に守り神と言えるポケモンだ。普段は集落の中央にある大きな樹の辺りに居る筈なんだけど、なんでこんな所に居るんだ。

「あーその……ちょっと……」
「ちょっと?」
「抜け出してきちゃった。祭られてる所から」
「……それはちょっとで済ませてはいけない奴では?」

 これは大変だぞー。恐らく今トリアさんやら哨戒係、カレシナさんなんかにも声掛けされて大捜索されてるんじゃないか? うわー厄介事に巻き込まれた予感がひっしひしするぞー。

「一応言っておきますけど、俺も防衛班なんで見逃してって言われてもはいどうぞとは言えませんよ?」
「うっ、お、お願い! 一日、いや半日でいいの! あたしを自由にさせて!」

 はぁ……やれやれ、なんでこう俺がのんびりしようとすると厄介事が足生やして全力疾走で追い掛けてくるかねぇ。涙目で必死にお願いなんてされて、頭ごなしにダメですなんて言える牡じゃないんだよ俺ってばさ。どうすっぺなぁ……。

「はぁぁぁぁ……分かりました。ただし一つ、条件付けさせて下さい」
「じ、条件?」
「何かあってもいいように、俺をお供に付かせて下さい。最悪、盾くらいにはなれると思いますから」
「それって……君が付いて来てくれるの?」
「出くわしちゃった以上見なかった事に流石に出来ませんからね。あ、俺はソウシです。短い間でしょうけど、よろしくお願いしますよ」
「ソウシね! うん、よろしく! あ、ソウシってここに居るし防衛班って事はこの集落で暮らしてるポケモンなんだよね、だったら面白い所とか見晴らしが良い所とかあったら案内してよ! あたし祭られてるのはいいんだけどさ、自分がどんな所に暮らしてるかも知らないんだよね。よろしく!」

 フランクでテンション高い上に捲し立ててくるなぁ。面白いか見晴らしの良い所ぉ? んーまぁ、心当たりを何か所か巡ってみるかぁ。

「あ、それとあたしの事を呼ぶなら守り神様とかスイクン様とかじゃなくて、メロゥって呼び捨てとかでいいから!」
「えー……それは普段から守り神として祭ってる方からすると難易度高いですって」
「えー? じゃあ様付け以外の名前呼びで!」
「まぁそんくらいならなんとか……そんじゃ行きますか。メロゥ、さん」
「あ、さん付けなんだ」
「俺は幼馴染ってくらい親しい相手とか年下以外は全部さん付けです」

 分かったって言って、機嫌の良くなったメロゥ様、じゃなくメロゥさんを連れたトンデモ散歩の幕開けだ。一体どうしてこうなった。
 とりあえず当初の予定で散歩してた集落ポケモンが通らないルートでの散歩はまだ有効そうだな。メロゥさんを連れてるとこなんて見られたらどんなあらぬ疑いを掛けられるか分かったもんじゃない。なるべく慎重に行動するようにしないとな。

「ふっふーん、お散歩気持ち良いなぁ。お堅い守り神様を演じなくてもいいしぃ、自由ってサイコー!」
「あんまりはしゃがんで下さいよ? バレたら強制送還、一緒に居る俺はどんなお咎め受けるか分かったもんじゃないんですから」
「えー? ソウシはあたしに付き合ってくれてるだけなんだから、何も咎められる事なんか無いでしょー?」
「見つけたのに他の防衛班に知らせずに勝手に連れ歩いてるって時点でアウトですよ……守り神様を唆して集落から出そうとしたーなんてでっち上げをされる可能性もありますし」
「そんな酷い事言う奴が居たらあたしがやっつけてあげるからダイジョーブダイジョーブ! と言っても、巻き込んじゃったのには違いないよね。ごめーん、ちょっとは大人しくするよ」

 テンションは高いけど聞き分けが良くて助かるよ。なんか前に集落の寄り合いで遠巻きに見た時と雰囲気全然違うなーと思ったら演技だったのね。お上手な事で。
 それからは他愛の無い事を駄弁りながら、集落の中にある小さい滝ーとか栽培係が手塩に掛けて育てた木の実の生る木林とかを見て回ってる。勿論周囲に俺達以外のポケモンが居ないかは最大限注意してな。

「おー凄い凄い。なるほどねー、あたしが貰ってる木の実はこういうとこで育ててたんだー」
「ま、全部が全部って訳でもないと思いますけどね。……周囲確認よーし。二つくらい拝借してもバレないよな、と」

 さっと木に登って、良い感じに熟してそうな実を二つ程入手。一個は守り神様の口に入るんだ、名誉な事だって許してくれよ、ってな。

「わぁー! 今のって木登りって奴!? ソウシ凄いじゃない!」
「よっと、それほどでも。さ、これ摘まみながら次の所へ行きますかいね」

 あげた木の実はラムの実だけど、まぁ無難に大丈夫だろう。他のポケモンが来る前にお暇しますかね。
 その後も特に見つかる事も無く、俺達はブラブラと散歩を続けてる。行ける場所に制限がある以上散歩以上の事は出来ないけど、それでもメロゥさんは散歩そのものや俺との話を楽しんでくれてるようだ。そこそこ満足させたら帰ってくれるだろうし、思ったよりメロゥさんが心労にならない性格だからか俺もちょっと楽しくなってきてるから、まぁ悪くないかな。

「んふふー、こうやって二匹だけで居ると、なんだかデートしてるみたいだね」
「デートと来ましたか。ついさっきまで名前も知らなかった相手としても、そんなに面白いもんでもないでしょう」
「そんな事無いよー。ソウシってあたしが抜け出してきたって知ってもこうやって付き合ってくれてるしぃ、一緒に居て楽しいし。集落でもモテるんじゃなーい?」
「……つい三日前くらいからは、ちょこっとモテるようにもなったかもしれませんねぇ」

 モテるって言うか、嫁に該当するポケモンが三匹出来ました。とは流石に言えんし言う必要も無いわな。
 さてっと、俺が知ってた方の集落が一望出来る崖に到着ですよっと。トリアさんに教えて貰った方の丘に行っても良かったんだが、あそこにはトリアさんとその、シた思い出があるしな。そういうとこに別の牝を連れて行くって言うのはあまりよろしい気分にならないので止めた。ただこっちは崖だから、落ちたらちょっと痛いじゃ済まないのが玉に瑕だけどな。

「わぁー……この集落ってこんな感じだったんだ。林があって、川があって、ちょっと歩くけど砂浜や海にまで続いてる。良いところじゃない」
「そ、だから水タイプのポケモンには暮らし易い土地だって事で、ここに集落がある訳ですよ。けど、正直メロゥさんの方が俺より集落に居る時間は長いでしょうし、詳しいんでは?」
「あ、ソウシは知らないかな? あたし、実は守り神二代目なの。先代は私のお母さんで、私が生まれた時に集落を出てねー。それからはずーっと守り神様やってるって訳。だから本当に、あんまり集落の中歩き回った事無いんだよねー」

 行くのなんてガッチガチに護衛されながら川の上流の水が湧いてる所を浄化しに行くくらいだよーなんて、笑いながらメロゥさんは言ってる。隠せてない寂しさを滲ませながらな。
 ……この四日間で思ったよ。皆同じところで暮らしてる筈なのに、何処か寂しさみたいなものを抱えてるんだなって。カレシナさんやトリアさんはその役職や強さから、シーネさんは過去の心の傷から。そしてメロゥさんは、その生まれと祭られる程の力から、か。

「本当はね、今までもこうやって抜け出そうとした事は何回もあったんだー。でも駄目、あたしって基本鈍くさいのか、すーぐ誰かに見つかっちゃうの。それで、お社に戻されちゃってハイ残念ってね」
「ま、今回も見つかったのが俺じゃなかったら、早々にそうなってたでしょうね」
「多分ね。だから嬉しいんだ。こうやってちょっとだけでも普通のポケモンみたいにお散歩したり木の実を食べたり、誰かとお喋り出来たりして。今回はソウシのお陰だね」
「そりゃどういたしまして、ってところかな」

 気が付いたら俺も硬い喋り方を止めてたよ。メロゥさんが望んでるのは特別な何かじゃなく、普通の、一匹のポケモンとして接される事なんだって分かったからな。
 暫くその場に座って、吹き抜ける風に身を預けながら風景を楽しむ時間が過ぎていく。……下の方でチラッと防衛班のポケモンがメロゥさんを探してるっぽい様子が見えたが、メロゥさんは風景を楽しむのに夢中になってるみたいだからスルーする事にした。許せ、仲間達よ。今の俺は、全面的にメロゥさんの味方だ。

「ねぇソウシ……このままどっか、遠い所まで逃げちゃおっか」
「また大胆な事言い出しますねぇ……お忍び散歩なら付き合えますけど、流石に逃避行まで付き合うのは俺には荷が重過ぎますよ」
「ありゃ、頭ごなしにダメだとは言わないんだ」
「そんな寂しさに押し潰されそーなんて顔してる相手に、厳しく接せるようなポケモンじゃないんですわ、俺ってば」
「あはは、ソウシやっさしい。はぁ、だからかなぁ。こうして一緒に居ると、なんだか甘えたくなっちゃうよ」

 すっと立ち上がって、メロゥさんが俺の傍に来て座った。そして俺は、若干何かを悟りつつある。まさかとは思うが、流石に言って来ないよなぁ? いやでもこの空気感は不味いと俺思うなぁ。

「ねぇ、ソウシ。これが最後のお願いで、叶えてくれたら大人しくお社に戻りますって言ったら、お願い聞いてくれる?」
「内容次第、ですかね。俺は俺が無理だーって思う事は失敗したら頼んだ相手にも迷惑掛けちゃうし、受けない事にしてるんで」
「おーなんかカッコいい。プロフェッショナルって奴だね」

 違うと思う。けどまぁカッコいいって言われたら、悪い気はしないかな。

「でも大丈夫、そんなに難しくない……筈だから」
「な、なんか曖昧ですね」
「いや、正直頼もうとしてるあたしも詳しくは知らないし、ひょっとしたらソウシやソウシの仲良いポケモンに迷惑掛けちゃうかもなお願いなんだよね」
「やけに抽象的ですね? どんなお願いなんです?」
「それはね……」

 メロゥさんの方を向いて話を聞いていた俺に、言い掛けたメロゥさんの口が触れた。……予感が確定に変わった瞬間である。

「今だけ……この時だけでいいから。あたしを……ソウシの番う牝にして」

 キ タ コ レ 。勝利パワーさんお仕事し過ぎじゃないっすかね? 俺こんなに多数の牝と関係持つ勝利望んだ覚え無いよ? まぁヴィクターと会った当初まで戻った場合モテたいとは願ってたけども。

「今を逃したら、もう二度とこんな風に思える事もこんなに自由を感じる事も出来ないかもしれないの。だからお願い、ソウシ……」

 ……本当は牝間でなんか俺が潤んだ目で押されたら拒めないって連絡網があるんじゃないかと疑っちゃうんですけど? だからそんな顔されたら俺は拒めないんだったらさ! あーもう、どうにでもなれだ!

「……後悔する事になるかもしれませんよ」
「後悔なんかしないよ。……た、ただ、本当に何にも知らないからその、優しくしてね?」

 寧ろ乱暴にする方法が俺には分かりません。その心配は多分要らないと思うよ。
 さて、始まっちゃった以上理性な俺はまた片隅で成り行きを見守りますよ。けど今回メロゥさんは何も知らないって言ってる以上、俺がリードする事になるんだよね。この三日間でかなり経験はさせてもらったけど、上手く行くもんかなぁ? でも最初で最後かもしれないなんて事に、成り行きとは言え選ばれたんだ。メロゥさんに悔いの残らないように出来る全力を持ってして事に当たるとしよう。

「んー……確認ですけど、メロゥさんあんまり体は汚したくないです?」
「うーん、出来ればあんまり汚れたくはないかなぁ? それに汚れるんだとしたら、後で洗う時に洗い残しとかあったら色々大変な事になりそうだし」

 ご尤も。そういう事なら仰向けにはならないで、このままメロゥさんに満足してもらうように頑張ろう。後背位って言うんだっけこういうのって。とにかくやってみるか。

「それじゃあ……始めるから、出来るだけ力を抜いてて下さいよ?」
「ふ、不束者ですが、よろしくお願いします」

 うん、ガチガチですね。とりあえず濡らさないと入れたりなんだりは出来ないし、まずはメロゥさんのスイッチを入れるのが先決かな。
 メロゥさんの割れ目を確認すると、汚れなんか一つも無いって言う位に綺麗だった。そりゃあ守り神様だもんなぁ。俗っぽい事からはほぼ隔離されてたと言っても過言じゃないんだろうし、汚れなんかとは無縁か。
 そんなメロゥさんの事を汚していいのか? って考えが首をもたげたけど、悩んでる間に他のポケモンに見つかりでもしたら目も当てられない。事を起こすのを躊躇ってる時間は無いな。
 そっと輪郭をなぞると、メロゥさんは明確にピクリと反応した。何も言わないのは、俺を信じてくれてるって事かな。その信頼、裏切らないように頑張るとしよう。
 ゆっくりと指で解す様に割れ目をなぞり、傷付けないように丁寧に擦り上げる。んー、そんなにすぐに濡れて来るものでもないんだな。とすると、三匹ともすぐにスムーズに入ったって事はそれだけ発情して準備万端だったって事か……っといけない。今はメロゥさんの事を想わないと失礼だな。

「んぁっ、な、なに、これ……ぞわぞわしてふわふわして、変な感じぃ……」
「力が抜けたら座り込んじゃってもいいんで、無理はしないで下さいね」

 段々とメロゥさんの牝としてのスイッチも入ってきたのか、声に甘さが増して来た感じだ。ならもう少し弄っても大丈夫かな?
 確かめるように慎重に、指の一本をメロゥさんの中へと差し入れた。おぅ、表面はつるっとしつつぷにぷにしてたけど、中はしっかりとした弾力がありつつ柔らかい。うーん、本当に皆違うものだなぁ。メロゥさんは知識もほぼゼロの初めてだからか、まだ力が入っちゃってる感じもするかな。

「ひゃっ! は、入ってきた。こ、これ、何?」
「俺の指ですよ。大丈夫、絶対に痛くはしませんから」

 まぁ最後までするって言うなら、どう足掻いても破瓜の痛みは押し付ける事になっちゃうんだけどな。せめてそれまでは、心地良さだけを感じて貰えるように頑張ろう。
 ゆっくり落ち着けるように、優しく指を動かしていく。メロゥさんの息遣いも荒くなってきたし力が抜けてきたのか、前脚を下ろして腰を突き上げてるような姿勢になってきた。間違い無く感じてくれてるんだろうな。

「あっ、そこっ! んっ、やんっ!」
「大分用意出来てきたみたいですね。メロゥさん、大丈夫ですか?」
「そ、ソウシぃ……体がなんか変だよぉ。頭と腰がふわふわした感じがするし、お腹の奥の方がうずうずするよぉ……」

 おっと、こりゃお預けしてたらメロゥさんの色々が危うそうだ。と思いつつ、俺は指に付いたメロゥさんの愛液を見てる。……そう言えばカレシナさんもシーネさんも俺のを舐めてたっけなぁ。……精液ではないけど、どんな味がするものなんだろ。
 興味を抑えられるに、俺はメロゥさんの愛液を……舐め取った。味は正直よく分からないけど、口の中にメロゥさんの、牝の匂いが広がる。あ、これヤバい。あんまり味わうと抜け出せなくなる奴だ。まず間違い無く理性も飛ぶな。
 けどそれは今は絶対やっちゃいけない悪手だ。正直もうメロゥさんを感じたいと暴れ出そうとしてる本能を、今回ばかりは見守りつつも全力ブレーキでお送りしてるぞ。思考する理性、全力で本能のお相手をするとしよう。
 メロゥさんの割れ目を確認すると、始める前とは比べ物にならないくらい愛液で濡れている。うん、これならもう挿入しても大丈夫そうかな。っと、その前にメロゥさんの状態確認だけはしないとね。

「メロゥさん、そろそろ……行きますよ」
「ソウシぃ……もう、お腹の奥が切ないよぉ……は、早くぅ……」

 メロゥさんの理性のタガの方がすっかり外れちゃってた。このまま焦らしたら俺が襲われかねないし、ご要望に応えるとしよう。……俺の息子の方は理性でセーブしてる分、八割勃ちくらいなんだけどね。入れる分には問題無い、筈。
 期待するような眼差しを送って来るメロゥさんの腰に手を当てて、息子をメロゥさんの割れ目に定める。まずはメロゥさんの初めての証まで、だな。そう頭の中で確認してる時だった。出会った時に俺を縛り上げた尻尾が、俺をまた巻き取ったのは。

「来て……ソウシぃ……」
「ちょっ、メロゥさん待……」

 言う前にメロゥさんの尻尾がまるで巻き取るかのように俺とメロゥさんの腰を近付け、一気に奥までの挿入を行ってしまった。そんな事をすれば、当然……。

「いっ、たぁぁぁぁぁい!」
「言わんこっちゃない……」

 破瓜の痛みが心構えをする前にメロゥさんを貫く事になる。あぁ、痙攣しちゃってる。とりあえず落ち着くように腰の辺りを撫でておいてあげよう。

「うぅぅ、痛くしないって言ったのにぃ……」
「これから説明しようと思ってたんですよ……今のは破瓜って言って、初めての牝は誰だって経験する痛みなんです。だから心構えを促してからしようと思ってたのに、無茶するんですもん」
「あぅぅ……だって、お腹の奥がジンジンって言うかキュンキュンしちゃって、我慢出来なかったんだもん……」
「まぁ、この先は痛みが引けば大丈夫だと思いますけど、無茶は厳禁ですよ?」
「はぁい……」

 諭しながら俺こと理性と本能は頭の中で壮絶な戦いを繰り返していた。メロゥさんの中、凄い気持ち良い。ぴったり吸い付いて、どんどん締め上げてくる。けど今腰を振っちゃダメだ、まだメロゥさんは痛みに震えてる。堪えろ俺、本能の暴走を抑え込むんだ。

「すーっ……はぁぁぁ……うん、落ち着いてきたかも」
「大丈夫ですか?」
「大丈夫。……うわぁ凄い。お腹の奥のじんじんしてた所までソウシのおちんちん、入っちゃってる」
「お、おちんちんって……もうちょっと上手い事隠した言い方しましょうよ」
「だってそんなの知らないもん。……ねぇソウシ、痛みが引いてまたお腹の奥がうずうずしてきちゃったし、お願いしていい?」
「ふぅ……分かりました。動きますから、力抜いてて下さいね」

 待ってましたと言わんばかりに情動を加速させようとする本能を妨げつつ、ゆっくりと腰を動かしていく。んぉぉ、この体勢は初めてだけど、向かい合ってするのとはまた力の掛かる場所が違うからか、メロゥさんのお腹の中を分け進む感じが強い。受け入れてる中に進むって言うより、押し広げながら入っていく感覚だ。

「はぅっ、あん! お腹の奥を突かれるの、気持ち良いよぉ」
「俺も、はぁっ、凄い、気持ち良いです」

 音が立つのも気にせずに、一心不乱に、それでもメロゥさんの体を気遣いつつ腰を振る。我ながら器用な事してると思うよ? 誓って言うけど、メロゥさんとの行為が気持ち良くなくてこうなってる訳じゃあない。俺も本気で感じさせてもらってます。

「く、くるぅ、なんか、よく、分かんなっちゃう! 来て、ソウシ! 来てぇ!」
「ぐぅぅ、行きます、よ!」

 メロゥさんの腰をグッと抱え込むようにして、俺は精液を吐き出す。ぴったりと腰がくっ付いた中での射精は途中で漏らす事も無くメロゥさんの中へと注がれていく。

「流れて、来る! もう、お腹、いっぱい……!」
「んっ、く!」

 シーネさんとの時はここでシーネさんに抑え込まれて抜く事は出来なかったけど、今回はそんな事も無い。折角メロゥさんの中に精液を注ぎ込んでたのに、と文句でも言ってるかのようにまだ俺の射精は続いてるけど、それは申し訳無いけど地面に出させてもらおう。ごめんな、俺の精子達よ。

「はぁっ、はぁっ、目の前、チカチカするよぉ……」
「だ、大丈夫ですかメロゥさん?」
「うん……気持ち良過ぎてなってるだけだから大丈夫……うわぁ、お股から白いのがいっぱい溢れてくるよ」
「えっと、洗えば落ちるから大丈夫ですよ」
「……洗っちゃうのか。なんか勿体無いな。折角ソウシがいっぱい出してくれたのに」

 いや洗わないと色々不味いからね!? 守り神様がエッチしましたって言うのも相手が俺だって言うのも!
 まだちょっと体に力入らないって言うメロゥさんに付き合って、俺も休憩だ。……実はまだ動くだけの余力は残ってたりする。かなりセーブして色々やったからなぁ、それがそのまま余力って形になったみたいだ。
 情事の熱を冷ますように、崖を走る風が体を撫でていく。日は……昼から夕方にちょっとだけ変わり始めた程度だから、体を洗っても暗くなる前には帰れそうだな。

「あーぁ、終わっちゃったなぁ。これであたしは守り神に戻って、こうやってソウシと会う事も出来なくなっちゃうのかぁ……」
「仕方ないですよ。あ、これからやっぱりやーめたは勘弁して下さいよ? 俺、まだまだこの集落に居たいですし」
「言わない言わない。ソウシと二匹での逃避行って言うのも良いなって思っちゃうけど、あたしが居なくなったらこの集落にどれだけ迷惑掛けちゃうか分からないもんね。それは、あたしも嫌だもん」

 集落を見通すメロゥさんの顔からは寂しさが抜けて、何処か愛おしそうに見つめてる印象を受ける。そっか、メロゥさん……この集落の事は好きなんだな。ただ欲しかったのは、守り神じゃなく一匹のポケモンとして居られる時間。そんな時間のお供が出来たって言うなら、結局休もうとした一日が潰れちゃったのも悪い気はしないよ。

「んー……よし、決めた!」
「ふぉっ!? ど、どうしたんですか急に?」
「あたし、皆に話してみる! たまにでいいから守り神じゃなくて、一匹の、この集落の仲間として過ごせる日を頂戴って!」
「……いいんじゃないですか。って言うか、勝手に抜け出す前に話した方が良かったと思いますよ?」
「ホントにね。でも今日は抜け出して正解かな。だってそうじゃなかったらきっと、今こうしてソウシと並んでる事なんて無かったもん」

 それは、その通りなんだろうなぁ。ははっ、守り神様からこんなに慕われるなんて、俺ってば果報者だな。
 少し力も戻ったし、体を洗いに行こうかと立ち上がったメロゥさんは、歩み出す前にそっと耳打ちでこう言ってきた。

「必ずまた逢いに行くから、また……あたしをソウシの隣に居させてね」

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*Fifth Day ~Azumarill~ [#j9sNLQO]
 
「あのー……マリン? マリンさん? 今日はどう言ったご用向きで俺の塒にいらっしゃっいましたの?」

 昨日何とか誰にも気付かれずにメロゥさんを送って行って、気疲れから塒に着いた途端に引っ繰り返って寝ちゃったんだけど、朝起きたら俺の頭の先辺りにマリンがずーっと俯いたまま立っておりました。怖くて飛び起きたわ!
 で、それからはずーっと俯いたままに俺の塒に座り込んでます。何も言わないからよく分からんけど、なんかショックな事があったって事は分かる、かな?
 正直マリンがこんな状態になってるのを、少なくとも俺は見た事が無い。話せもしない状態なんて、どうすりゃいいんだろうな?

「えーっと、その、あれだ! うん! 気が済むまでそうしとけ! こうなったら気が済むまで俺も付き合ってやる! な!」

 半ば自棄になってそう言うと、マリンの体がピクリと揺れた。と思ったらふるふると震え出した涙を零し始めました。え、ちょ、何?! どったのマリンさん!?

「ジェームズ……」
「ん? ジェームズ? ジェームズがどうした?」
「ジェームズに……告白された」

 ……は、はいぃ!? え、何? ジェームズってマリン狙いだったの!? いやでも幼馴染なんだし、そういう仲になりたいと思っててもおかしくないか。

「いやでもちょっと待て、それがなんで俺の塒に来て泣いてんだ? まさか、ジェームズになんかされたのか?」

 そうだった俺のホタチ二刀の本気抜刀も辞さないが……あ、なんかどうやら違うらしい。ふるふると首を横に振ってるよ。

「じゃあどうしたんだよ……そもそも告白はなんて答えたんだ?」
「……真剣そうだから、少し悩んだけど……うんって言った」
「なんだよ……じゃあもう俺の所なんか来る必要ないだろ?」

 って、なんか更にマリンの顔は荒れ模様になってきたんだけど? 本当に何がどうなってんだ?

「ふっ、ぐすっ、うぅぅ……」
「待て待て待て。全然要領を得ないんだが? ジェームズに告白されて、マリンは受けたんだろ? だったら泣く必要なんか無いだろ?」
「違うのぉ……その後ジェームズの塒に行ったら……」
「行ったら?」
「違う牝十匹くらいともう一緒に暮らしてたのぉー! うわぁぁぁぁん!」

 あ、あぁ、あのアホー! マリンが昔から一途な事お前も知ってるだろー! んなのをんなとこに連れてったらどうなるかなんて分かり切ってんだろーが! あの馬鹿モテて天狗になってやらかしやがったな!?

「それで君もおいでよとか言うんだよ! もうサイッテー! 馬鹿! アホ! ケダモノー!」
「ほごぉ!? げふっ、ぐはぁ!? ば、ちょ、俺に八つ当たりすんな! し、死ぬ!」

 泣きながら暴れ始めたマリンは青き猛獣。本気で受け流し続けなければ、俺が仕留められる! が、頑張れ俺! 後マリンの一撃をいなす度にピキピキ言ってる俺のホタチ達!
 ……散々泣き喚きながら暴れるマリンが静まったのは、それから結構日が昇ってからだった。俺の塒と俺自身はまるで荒らしに襲われたかのようにボロボロにされております……あ、うん、これ自体は昔からたまーにあったから慣れてるっちゃあ慣れてます。慣れたくなかったけどな。

「くすん……はぁっ。落ち着いてきたかも」
「ぜーはぁー……ぜぇーはぁー……こ、殺す気かこの野郎!」
「ごめん……でも他に何処行けばいいか分かんなかったんだもん」

 まだちょっと落ち込んでるみたいだけど、大爆発の峠は本当に過ぎたみたいだな。よく耐えきった、俺とホタチよ。
 とりあえず落ち着いたマリンに取っておいたモモンの実を一つ渡す。好物でも食えばより落ち着くだろ。俺は、オレンの実だ。

「ありがと」
「どういたしまして。それで? ジェームズはどうなったのよ?」
「知らない……ただ、本気パンチを全力で当てたのは覚えてる。その後は走ってここまで来ちゃった」

 うーん、死んだんじゃないかなぁジェームズ。まぁでも仮に死んでたら防衛班が誰がやったかとか調べてるだろうし、それが無いって事は多分生きてるんだろうな。調子に乗ってタブーに触れた罰だ、暫くは大人しくなるだろう。ってか五体満足で動けないだろうな。
 泣きながらモモンの実を食べ始めたマリンの頭を、そっと撫でてやる。昔からこれをやってやるとどれだけ暴れてても大人しくなるんだ。多分今回もこれで落ち着くだろうよ。

「も、もぉ、もう子供じゃないんだから」
「んなもん関係無いだろ? もう完全に落ち着いたみたいだな」
「うん、大丈夫。……うわぁ、凄い事になっちゃってる」
「やったのお前だからね? 後で片付け手伝えよ」
「はぁい……」

 うん、受け答えもちゃんとするし、もう安心だな。はぁー、ハードな目覚めだよ全く。
 とりあえずぐっちゃぐちゃになった塒を整えて、ぼさぼさになった毛並みを整えた。表面的にはこれで元通りだな。ダメージはがっつり残ってるがな!

「さてっと、おいマリン、今日暇か」
「え? うん、特にする事は無いけど」
「よっし、そんなら出掛けて憂さ晴らしするか。ジェームズの事なんかパーッと遊んで忘れちまおうぜ」
「! あはは、それもそうね。よーし、行きましょソウシ!」

 揃って俺の塒から歩き出して、特に何をするか、したいかなんて決めてないから歩きながら話して決める。この感じは昔っから変わらない俺達の遊び方って奴だな。
 会ったポケモンとお喋りしたり、見つけた木の実を採って食べたり、海まで行って泳ぎの競争してみたり。それぞれに班に分かれたり進化してからはやらなくなった事を思いつく片端からやっていく。特別な物なんか無いけど、俺達は昔からこうやって遊んできた。この集落中が俺達の遊び場で遊び方は何時だって俺達が勝手に決めて勝手に楽しむ。ただそれだけで、三匹で走り回ってるだけで楽しかった。それが俺達三匹、幼馴染の繋がり。……まぁ、現在一匹大馬鹿野郎になっちまってるみたいだけどな。

「はぁー、ひっさびさよこんなに走り回ったの。ルリリとかマリルだった頃に戻ったみたい」
「だなぁ。……これであの馬鹿もここに居りゃ、元通りだったんだけどな」
「ジェームズ……なんであんな牝好きになっちゃったんだろ。モテるって、そんなに良い事なの?」
「知らねぇよ。俺はジェームズみたいなモテ方なんてした事ねーもん」

 砂浜に仰向けに寝転がって、波の音を聞きながら青空を眺める。これも俺達のいつも通り。このまま昼寝しちゃって、暗くなるまで帰らなくて親に叱られるまでがセットだったっけなぁ。
 俺の親は、もうこの集落には居ない。あ、別に死んだって訳じゃない。ただ、唐突に世界を見たいだかなんだか言って旅に出ちまってそれっきりだ。まぁその頃にゃ俺も物事の分別くらいは分かるようになってたし、基本的に集落の皆は俺を見捨てたししなかったから何とか今までやれてきたって訳だ。
 ま、俺の昔話は置いておこう。思い出してもあんまり面白くないしな。

「ねぇ、ソウシ」
「ん? なした?」
「ソウシはさ、誰か気になる牝の子とか居ないの?」

 おや、マリンってあんまり他の奴の色恋沙汰に興味無い奴なんだけど、珍しい質問が飛んできたな。
 気になる牝って言われて簡単に思い出せるくらいには、四匹の顔が頭にはっきりと浮かぶ。けどマリンはジェームズの裏切りに遇ったばかりだからなぁ……あんまり刺激するような事は言わんでおくかね。

「残念ながら、気になる奴も気になってくれる奴もまだ居ないよ。ちょっと前向きにゃなったけど、まだまだ根暗は抜けきってないしな」
「……ホント? ホントに、ホント?」
「ホントホント。ま、俺もまだまだそういう相手居ないんだしマリンも焦らずに……ぐえっ!?」

 な、何かと思ったら、マリンがちょっとだけムッとしたような顔をして俺に覆い被さるようにして乗ってきてた。ど、どうした急に?

「ソウシの噓吐き。本当はもうお嫁さんにするって決めてる相手、三匹も居るんでしょ」
「んな!? そ、そそ、そんな事ねぇよ!?」
「もぉ、隠さなくていいよ。それとも、シーネさんから聞いたって言ったら、観念する?」

 あー……それはもう一撃必殺のワードだわ。ぐぅの音も出やしない。……四匹って言われなかった点を除けばな。

「……降参だ。でもなんで気付いた?」
「そりゃあねぇ……明らかにお腹が膨らんでて、幸せそうなシーネさんの様子見てたら誰だって気になるし、あたしがお相手聞いたら妙に焦ったような素振り見せれば気付くわよ」

 シーネさん隠し事は出来ないタイプだったかー。いやそうだよな、基本的にシーネのんびり屋の優しいフローゼルだもんなぁ。隠し事出来るタイプじゃないわな。
 そんでもって、シーネさんから聞き出す事で俺がカレシナさんとトリアさんとも特別な関係になってるのを知ったんだと。……あれでもおかしいな? マリン、それを知ってても暴走しないんだな?

「……本当はね、ジェームズの告白に答えたのもそれがあったからなの。ソウシが一匹でウジウジしてるの止めたんなら、あたしもいい加減幼馴染だーなんて言ってソウシにあれこれ頼むのを止めて、良いポケモンと一緒になるべきかなってね。結果はまぁ、こんな感じになっちゃったけど」
「そうだったのか……」
「ジェームズの所から出た時だって、ソウシの所に行っちゃいけない、ソウシの迷惑になるって凄い悩んだからね。まぁ……結局、甘えちゃったけど」

 申し訳無さそうにしてるマリンを少し降ろして、砂の上に向かい合うように座り直す。勘違いしてるようだから、ちゃんと言っといてやらないとな。

「マリン、俺はさ。勿論カレシナさんもトリアさんも、そしてシーネさんの事も好きだ。我が儘かもしれないけど、皆が許してくれるなら俺は、皆の事を目いっぱい好きでいたい」
「うん……」
「でもな? そうだとしても、俺とお前が幼馴染で、今までずっと遊んできた事も一緒に居た事も無くなったりしない。辛い事があったら相談に来ていいし、ちょっとくらい甘えに来たっていいんだよ」
「ソウシ……」
「ただし、大暴れするのは勘弁してくれよ? 命が幾つあっても足りゃしない」
「……ぷっ、あはははは! もう、真面目にするなら最後までちゃんとやってよ。折角カッコいいじゃないって思ってたのにさ」
「こんくらい締まらないくらいの方が、俺らしいだろ?」

 かもね。なんて言いながら笑ってみせたマリンの表情に陰りは無かった。良かった、もう大丈夫そうだな。
 さて、憂さ晴らしも終わった事だし、叩き起こされた所為で寝足りない事だし、帰って寝るかと思い歩き出す。が、何故か俺の進行方向にマリンが付いて来る。いや何故に。

「どうしたんだよマリン、もう憂さ晴らしは十分だろ? まぁまだ付き合えってんなら付き合ってやらんでもないけど」
「あ、その……気分は晴れたんだけどさ、折角こうして久々に遊べたんだし、もうちょっとその……」
「その?」
「い、一緒に居ちゃダメかなって、思って」

 なんだ、そういう事なら早く言えっての。どうせもう他に何もする気は無いんだ、一日付き合ったって変わりはあるまいよ。

「しゃーねぇな。で? 次は何処行く?」
「じゃ、じゃあ……そうだ、あんたが見つけた見晴らしの良い崖ってとこ連れてってよ。集落が一望出来るんでしょ? 見てみたい」

 お、おぅ……なるべく昨日の事は思い浮かべずにいいぞって言って、マリンを連れて歩き出した。あれの痕跡はなるたけ消そうと思って削ったりしたから多分気付かれない、よな?
 そんなこんなで、結局今日は暗くなるまで二匹で遊び倒す事にしたぞ。これはこれで良い骨休めになるし、悪くないな。
 さていい加減帰るかーと思って、どうせならマリンを塒まで送ってこうと思い連れだって歩いてる。帰るかって声を掛けた時に少し寂しそうだったけど、それだけ今日一日楽しめたって事だろう。ま、幼馴染でそれぞれの好き嫌いまでぜーんぶ知ってる仲なんだ。たまにまたこうして遊びに誘ってやるのも悪くないだろうさ。
 マリンの塒は砂浜の近くの草場。波の音を聞きながら寝起きが出来るのが好きで、海の傍にしたんだとさ。悪くないよな、そういうのも。砂浜で別れようとしたのも、マリンの塒が近いから丁度いいなーって思ったのもあるんだけどな。

「ほい、到着だな。今日はなんだかんだ俺も楽しめたよ。ありがとな」
「どういたしまして。……あのさ、ソウシ。もう今日って、帰って寝るだけ?」
「あん? まぁそうだけど? 暗くなってからあれこれするってのは結構無茶だしなぁ」
「なら、さ。このままあたしのとこ……泊まっていかない?」
「はい? ここに?」

 んー……いやまぁそれでもいいけど、どういう風の吹き回しなんだマリンの奴? 

「邪魔にならんならそれでもいいけど、いいのか?」
「う、うん! そ、そう言えばあんたの塒めちゃめちゃにした事のお詫びもしてなかったしね!」
「んなの片付け手伝ってくれてんだからとっくにチャラだっての。まぁいいや、お邪魔しますよーってな」

 通されたマリンの塒は俺のとことは違って花や砂浜で拾ったであろう貝殻なんかで飾られてて、結構華やかな感じになってた。これなら目印にもなるし、悪くないなこういうの。

「へぇー場所は知ってたけど、そういや入った事は無かったっけな。綺麗なもんじゃないか」
「結構良いでしょ。感謝しなさいよ? あたし以外にここに入ったの、あんただけなんだから」

 基本的に壁なんか無いんだから誰でも入り放題だろって? 実はそうでもないんだよな。塒を決めて基本的にそこで寝起きするようになると、そこには暮らしてる奴の匂いなんかが移っていく。集落のポケモンはそれを嗅ぎ取って、誰のかまでは分からなくとも誰かの塒なんだって事に気付いて立ち去るようにしてるんだ。お互いそういうトラブルは嫌なもんだしな。
 現に今居るこのマリンの塒もマリンの匂いがする。……意識して嗅いだ事なんか無かったけど、幼馴染として知ってる筈のマリンの匂いにも、少し牝の香りが増したような気がするな。ま、最終進化までしてんだから当然っちゃあ当然か。

「立ち尽くしてどうしたのよ? 座ったら?」
「お、おぉ、そうだな」

 なんか匂いに気付くと、いつもは意識しないんだけどマリンも牝なんだよなーってつい思ってしまった。いかんいかん、連日で牝の相手してた所為で牝の匂いに反応しそうになったぞ。幼馴染に手を出すなんて、後から絶対気まずくなる。それなら幼馴染は幼馴染のままで居た方がいいよな。うん。

「広さは大丈夫だと思うけど、大丈夫? 横になれる?」
「平気平気。星空に波の音……良いなぁここ」
「でしょ? まぁ海が荒れると波音がちょっと煩いんだけどね」

 あ、そういう問題もあるのか。いやまぁそうだよな、時化って時の波の音、あれ結構煩いもんなぁ。
 とは言え、今日はそんな心配も無い。ゆっくり眠れそうだわ……。

「あ、えっと、もう、寝ちゃう?」
「んぇっ? そのつもりだったけど……どうした?」
「ほ、ほら。折角呼んだんだし、もうちょっと話すとかなんとか、無い?」
「無いって聞かれてもなぁ? 話したい事とか、大体昼間話しちゃったし」
「そ、それもそうね。あとじゃあえっと……」

 んー? なんかあの手この手でマリンは俺を寝かせたくないみたいだな。付き合ってもいいけど、正直眠いんだよなぁ。

「悪ぃ、なんかあるのかもしれんけど、朝無理矢理起きたからちっと眠いわ。なんかあったら明日の朝にしてくれー」
「……あぁんもぉ! なんで他の牝の時は察したみたいなのに、あたしの時は察してくれないの、よ!」
「おふっ!? ちょ、乗るなって……!?」

 腹に乗られたと思ったら、俺は今マリンからキスされてます。いやいきなりだなおい!?

「ん……分かった? 牝から牡を塒に誘うなんて、意味なんて一つしかじゃないでしょ」
「お、あ、いや……マジで?」
「マジよ。おふざけも無し」

 すっと息を吸って、何かを覚悟したようにマリンは俺に向き直った。

「好きよ、ソウシ。あんたに……うぅん、あなたにもう好きな相手が居るのも分かってる。それでも、あたしはあなたが好き。あたしも……あなたを愛していたい」
「うぇっ、だ、だってお前、そんな素振り全然無かったじゃないか」
「い、言えなかったのよ。言って拒まれたら、もう幼馴染の関係にも戻れないのよ? そんなの……辛いじゃない」

 俺の胸の辺りに体を預けるマリンを俺は、受け止めた。マリン、震えてるのか?

「でも、もたもたしてる内にあなたは他の牝の事を愛してた。……なんでそんなに急に変わっちゃうのよ。モテないーなんて先週まではぼやいてたのに」
「まぁそれは……色々あったんだよ。本当に、色々な」

 マリンに話してなかった昨日までの四日間を話していく。俺自身、変わろうと思った切っ掛けは突然降りてきた……というか落ちてたんだ、ってな。

「ま、幻のポケモン!? それって、本当なの?」
「幻のポケモンの件はあくまで俺の予想になっちゃうけどな」
「そっか……あーぁ、そんな凄い事があったんなら、もっと早く聞かせてくれれば良かったのに」
「ヴィクターと遇ったその日にカレシナさんと関係持っちゃったんだから、仕方ないだろ?」
「まぁ……それもそうね。過ぎちゃった事はもうどうしようもないし、これ以上言わないでおいてあげるわ」

 胸の上で体を起こしたマリンは、真っ直ぐに俺を見つめてる。答えを聞かせろって事、だよな。

「マリン……いいのか? 俺で。お前が言った通り、先週までモテないなんてボヤいてた情けない奴だぞ?」
「馬鹿ね、何時からあたしが幼馴染やってると思ってんの? そんな情けないところも纏めて愛するつもり無かったら、他の牡の所にとっくに行っちゃってるわよ」

 つまり、マリンはもっと前から……はっ、それに気付かないなんて、俺ってば本当に馬鹿だなぁ。
 マリンの体を起こして、俺からキスを返す。言葉なんか要らない、これが俺の答えだ。

「はぁ……こんなに特別なポケモンを増やしちゃって、苦労したって……もう離してなんかあげないからね」
「出来る限り頑張ってみるさ。……やるか」

 こくりと頷いて、マリンは俺に身を預ける。下手な小細工とか前戯は要らないだろう。マリンを愛する。その思いを、俺の息子に託すよ。
 割れ目に息子を宛がって、押し込む。驚く程すんなりと入った息子は、他の皆とは違い苦も無く膜を破ってみせた。一瞬ピクリとマリンも反応したけど、その後は首を傾げてるくらいだ。

「痛かったか?」
「なんか変な感じだけど、あんまり?」

 そういう事もあるのか? と疑問に思ったけど、本当にマリンは大丈夫そうだ。ちゃんと入ってるよな? と確認してみても、きちんと俺の息子は収まるべきところに収まってる。こんな事ってあるもんなんだなぁ。
 それならすぐに動けそうだって事で、下から突き上げるように腰を振っていく。マリンは小さく息を吐きながら発情してるって言うよりももっと、一つになってる事に集中しようとしてるように見える。
 かく思う俺も似たようなものかな。興奮して発情するって言うよりも、これまで一番傍に居た、居てくれたマリンの存在をはっきりと感じたい。ただこうして、マリンの事だけを思っていたい。
 ゆっくり、探るように、知らなかったお互いを確かめ合うように、お互いの腰を重ねる。幼馴染だっていう繋がりを、愛してる相手だって繋ぎ直すように。
 穏やかで、激しくもなくて、でも他の誰よりもお互いを見つめ合うような性交は、そのまま流れるように俺に射精を促した。とくり、とくりと、鼓動に合わせたような射精は負担を感じる事は無い。本当に穏やかな……まるでゆっくりと波に揺られているような感覚。触れ合ってるマリンの鼓動すらも混ざり合って、一つになって、同じ時を同じ速さで刻んでいるような、不思議な感覚。

「ソウシ、すっかり大きくなってたんだね」
「マリンも、俺とジェームズと走り回ってばかりだったと思ってたら、こんなに落ち着いた立派な牝になってたんだな」
「ふふっ、何それ? ま、誉め言葉だって受け取っておくわ」

 今までは幼馴染。そしてこれからは……愛する相手として傍に居る事への誓いのような性交は、静かに幕を下ろす。あぁ、お互いを知り尽くしてる俺達の初めてはこれでいい。激しくする事なんてない。ただ、お互いを確かめ合えれば、な。

「でも……やっぱりちょっと物足りないし、満足したとも言えないからね。ソウシ、まだまだ頑張ってくれるんでしょ?」
「ま、俺も若干不完全燃焼な感じもあるからな。明日に響かない程度に、やるとしますか」

 ふふっと笑い合って、今度は俺がマリンに被さるような体勢になる。どうやら今日の夜は、長くなりそうだ。

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*Sixth Day ~Proof~ [#33cM6vF]

「あー……今日はもう何もしない。絶対にしないぞぉ……」

 結局あの後、マリンと深く繋がるようにお互いを貪り求めあうような正に交尾は明け方近くまで続いた。お陰で体力も気力もスッカスカ、這うようにして俺は自分の塒に戻ってきたところだ。うー、もう動けん。
 今頃マリンもぐっすり寝てる頃だろう。こりゃどっちも、今日はもう寝て終わりだろうなぁ。まぁいいさ、三日目からこっち、休もう休もうと思ってたのにずーっと皆の相手してたから。今日こそ本当の静養日だ。
 あぁ、瞼を閉じたらそのまま意識が眠りに落ちていくー……けど腹減った感じもあるなぁ。起きたら飯になる木の実探そーっと……。

 ……意識が眠りから浮上してくる。あー、体の疲れは大分取れたなぁ。寝るだけでこんなに回復するとは、やっぱり俺の体力増えてるよなぁ。
 よし、意識は完全に起きた。目を開けると、どんな色の空が出迎えてくれるかね、と。

「あ、起きた」
「うむ、随分とぐっすりと眠っていたようだね」
「ふふっ、おはよぉソウシ君」
「もー、ソウシもねぼすけだね。ま、皆とお話出来たから退屈はしなかったけど」

 ……あ、これ夢か。うん、そうだよな。じゃなきゃこの一週間で関係を持った四匹が目の前に大集合! なんてしてる訳無いもんな。よし、もっかい目を閉じて覚醒の準備から始め直すとしようそうしよう。

「こらこら、二度寝しようとするんじゃない! 偶然とは言え、折角皆時間を作ってソウシに逢いに来たんだからね!」
「はっ? おわぁ!?」

 あ、慌てて飛び起きた。マジかこれ夢じゃない! カレシナさんもトリアさんもシーネさんもメロゥさんもマジで居る!

「ちょ、ちょちょぉ!? なんで皆俺の塒に大集合してんですか!」
「だから集まったのは偶然だって言っただろ? あたしは毎日がつがつ訓練させてもついて来れなくなる奴が出る頃合いかなーと思って今日訓練を休みにしただけだし」
「私は取り決めで決まった守り神様……いやメロゥさんの神休みの日を利用して君に逢いに来たんだ。まさかメロゥさんの目的地もここだったとは思わなかったがね」
「私はぁ、今日は木の実集めも無いしちょっとソウシ君のお顔が見たいなーと思ってここを目指してたら皆と逢って、皆はソウシ君の塒を知らなそうだったから、案内するついでに一緒に来たのぉ」
「で、私は約束通り神休みの日を作れたから一番にソウシに教えたくってここを目指してる間にシーネさんに出会ったって訳。まさかこんなにソウシの事が好きなポケモンが居ると思ってなかったし、みーんなソウシとエッチしちゃってるなんて驚かされちゃった。へへー、ソウシのスケベー」

 否定出来ねー! そして昨日もう一匹増えたとか言い辛ぇー! にしても、錚々たる顔ぶれだなマジで。実質防衛班のトップと給仕班のトップ、更に守り神様までここに集まってるってことだもんな。とんでもねー……。

「ふふっ、ソウシ君の寝顔、可愛かったわぁ」
「しかし昼過ぎまで眠っているなんて、何かあったのかい? 見た限り、どうやらまだ疲れは抜けきってないようだけど」
「そうなのかい? 何ならマッサージしてあげようか?」
「あ、マッサージは助かります。何があったかって言うと、その……」
「その反応……ひょっとしてソウシ、あたし達以外にまーたお嫁さんにするポケモン増やしたんじゃないよね?」

 はい、すいません、もう一匹追加です。なんて俺が言う前にその追加される一匹が顔を出した。まぁ、寝かしつけて俺はこっちに戻ってきたから、起きてこっち来てもおかしくないわな。

「……えっ、ちょ、これどうなって……って、ま、守り神様!?」
「ん? 誰この子?」
「えっと、俺の幼馴染で、マリルリのマリンです」
「あー……そういう事ね? マリンちゃーん、ちょっとこっち来てー」

 あ、シーネさん察してくれたっぽい。どうやらマリンにはシーネさんが説明してくれてるから大丈夫そうかな。俺は現在残った三匹に、やったのか? と視線で訴えかけられてるので一つ頷いてるところです。
 どうやらマリンへの説明も終わったようで、集まった全員で座ってとりあえず寛いてます。この中で牡が俺だけってのもまた凄い状況だよな。

「まーとりあえず、ここに居る皆、ソウシの事が好きだって事でいいんだよね?」
「少し恥ずかしいですが、そうなりますね」
「全く……どうして一週間くらいでこんな事になるのやら?」
「それは俺が一番知りたいってばよ……」

 幸いな事に皆の仲は良好だ。これでギスギスした空気になんてなられたら、原因の俺は居たたまれなさで潰れる。
 和気あいあいと話す皆の顔を見てると、なんだか胸が温かくなる。皆が、俺の事を好きだと言ってくれた。わざわざ時間を作って俺に逢いに来てくれた。それだけで俺には十分過ぎる幸せだぞ。

「なーに一匹で満ち足りたような顔してるんだ?」
「い、いや、何と言うか……モテないって悩んでた俺には勿体無いくらい幸せだなって思ったんですよ。皆がこうして俺に逢いに来てくれるなんて」
「……ちょっとあたし疑問だったんだけどさ? ソウシって前は誰かに好かれてるーとか、そんなのあんまり気にしなかったじゃない? 何時からそんなに気にするようになったの?」
「え? ……言われてみると、確かに」
「そうよねぇ、私も思ってたの。ソウシ君ってそんなに誰かに好かれたいって思う子だったかなーって」

 俺を以前から知ってる訳じゃないカレシナさん達はそうなの? って聞いてる。それにシーネさんもマリンも頷いてるよ。

「そういうの気にしてたのって、ジェームズなら分かるのよね。あっちはメッソンの頃からちやほやされるの好きだったし」
「へぇー……って言われてもあたしには分かんないんだけどね。ねぇマリンちゃん、ジェームズってだぁれ?」

 社交性高いなメロゥさん。もうマリンと打ち解け始めてるよ。ジェームズ、ジェームズねぇ? そういや俺が牝からの見られ方気にし始めたのも、マリンが給仕班になってなかなか一緒につるんでられなくなってジェームズと一緒に行動するようになってからだっけ。……まさか、な?

「あ、ジェームズと言えば」
「ん? なんかありましたカレシナさん?」
「いや、聞いたところに寄るとなんだけど、なんだか大怪我して寝込んでるらしいんだよね。あんたとマリンは幼馴染なんだろ? 何か知らないかい?」
「私も哨戒係としても、何か知っていたら教えて欲しい。危険の元になる可能性があるならば、警戒しておきたい」
「あーまぁその……言っとくか? マリン」
「そ、そうねぇ……一言で言えば痴情の縺れ、かなぁ?」

 昨日俺がマリンから聞いた話を皆にも共有しといた。全員が苦笑いを浮かべて大変だったねってマリンに同情してるから、咎められる心配は無さそうだな。ジェームズもこれに懲りたら少しは慎ましく牝と付き合うようになるといいんだがな。……現状の俺が言えた義理は無いかもしれんけど。

「けどそれだと、ソウシの事は大丈夫なの? その、今この状態だけど」
「それはまぁそうなんですけど、ソウシの場合は皆の事を一匹一匹本気で好きだって宣言しちゃうくらいなんで、寧ろあたしもその内の一匹になりたいなーと思った感じでして」
「ちょっ、マリン言うなってそういう事!」

 うわぁ、ばっちり聞いた皆が頬を染めてこっち見てる。これは、あれか? 改めて皆の前であれを言えと。っていうかそもそもあれはマリンに俺が誰を好きになってもマリンと幼馴染だって言うのを明言する為に言ったんであってだな。

「ソウシ?」
「ん、んん」
「ソウシ君……」
「ソーウシ」
「……だーもう分かったよ! 俺は、カレシナさんの事も、トリアさんの事も、シーネさんの事も、メロゥさんの事も。そして……マリンの事も、好きだ。皆が許してくれるなら、俺は皆を愛したい。精一杯、俺が出来る限りで」

 言い切ったところで、俺は皆にもみくちゃにされるように捕まった。

「宣言しちゃったんだ。ちゃーんと責任取ってもらうからね?」
「君に無理をさせるつもりは無いが……私も末永く、付き合わせてもらいたいな」
「ふふっ、言ったでしょ? 皆、君の事が好きだって。許さないなんて言う子はこの中には居ないよぉ。もちろん、私もねぇ」
「あたしを本気にさせたんだから、後で止めたなんて言わせないからね?」
「囃し立てたけど、まさか本当に言うとはね。それじゃ、しっかり愛してもらいましょっか。そろそろ良い時間だしねー」

 へっ? そういやもう大分日も落ちたけど……おいまさか五匹全員発情スイッチ入れちゃったのか!?
 うわぁ、なんかもう目にハートマーク浮かんでるように見えてきたよ。俺言ったよね? 俺が出来る限りって。一度に五匹の相手とか無茶言わんでくれるかな!?

「あ、俺ちょっと用事思い出したから出掛けて……のわぁ!?」

 逃げられる訳も無く、俺は皆から撫で回されてます。ははははは……明日の朝日、見れるかなぁ。

----

*Seventh Day ~Weekend~ [#8yHUCmk]

 モテるとはどういう事か? ……少なくとも俺は五匹の嫁に該当するポケモンから朝まで精液を搾り取られる事では無いと信じたい。我ながら皆が燃え尽きて眠るまでよく一匹で頑張ってたと思うよ、本当。

「疲れって、溜まり過ぎると逆に眠れんくなるもんなのね……とりあえず水は飲んだけど、なんか食わんと干乾びちまうぞ……」

 満足そうに眠る五匹が居る自分の塒から出て、体を洗って水を飲んで、最低限の体力を回復させて現在に至る。もう誰に誘惑されようが一滴も精液なんか出ないし、息子も反応しないぞ。
 カレシナさん達は揃って今日は休みになるだろうなぁ。今起きたって俺の精液と誰のか分からんくなった愛液塗れになってそのまま寝ちまってるから体を洗うのも苦労するだろうし、何より疲れで真面に頭も回らんだろ。やりながら明日大丈夫なのかって聞いたんだけど、皆大丈夫って言ってたからまぁ、大丈夫な筈だ。発情してフワフワした思考での返答じゃなかった事を祈るしかないな。
 さて、栄養補給の木の実探しをしてるんだが……木の実の前に見覚えのあるオレンジ色がまた落ちてるのを見つけた。ヴィクター、行き倒れが趣味なのかあんたは?

「おい、おいヴィクター。生きてるかー?」
「うぅ……そ、その声は、マイフレンドソウシ! あ、勢い良くスタンドアップしたらスタミナが……ぎ、ギブミーフーズ……」

 二回目ながら、自己主張の激しい腹の虫様だこと。けど俺も今は木の実を探す身だ。悪いが、ちっとは動いてもらうか。

「悪いヴィクター、俺も腹減って木の実探してるとこなんよ。とりあえず木の実の生る木のとこまでは我慢してくれよ」
「り、了解だ友よ……なるべくスピーディーにフルーツを見つけるとしよう」

 集落内の木の実の生る木の位置はざっくりとは覚えてるから、近間の木まで向かうとしよう。あ、担いだヴィクターめっちゃ軽い。これなら負担にゃならなそうだ。
 木に着いて早々に、手頃な所に生ってるクラボの実を見つけた。まずは空きっ腹を埋める事を優先するとしよう。

「ほれ、採れたぞ。種類なんか選んじゃいないが、我慢してくれよ」
「この香りは……クラボフルーツ! 問題無い、好物だ!」

 受け取ったクラボの実にパクつくヴィクターの様子を見て、俺の腹も静かに鳴った。悪い悪い、今食いもん入れるからちょっと待っててくれよ。

「ふぅー、サァンキュゥーソウシ! レスキューしてもらうのは二回目だな!」
「全く、おたくは俺の前に現れる時は行き倒れてなくちゃならない決まりでもあんのかい? 幻のポケモン、ビクティニさんよ」
「おっと? 俺の正体を知ったのかい!? オフコース! 俺はザ・グローリースター、勝利を導く者、ビクティニのヴィクター! 改めて、ヨロシクゥ!」

 あら、最初に隠したからはぐらかすもんだと思ったけどあっさり名乗ったな? って聞いてみたら、知らないようだったから隠させてもらった! ソーリィ! って言われました。まぁ、勝利をもたらすパワーって言うのは本物だったから、それ絡みで厄介事もあるんだろう。それ以上詮索しない方がいいんだろうな。

「ま、いいさ。で? なんでまたこの集落に居るんだいあんた? 確か、敗北の気配がなんちゃらーって言ってどっか飛んでったよな」
「うむ! あの時は敗北エネルギーを感じたので、その敗北を拭う為に奮闘しに行ったのさ!」
「へぇー、勝利を導く者なんて言ってるけど、そんな事も出来るんだな?」

 敗北の影に勝利有り、だからな! なんてヴィクターは笑いながら言う。そんな特殊技能がある辺り、本当に幻のポケモンなんだな。

「なるほどねぇ……という事は、ここでそれを感じたから戻ってきたって事か」
「いや、そうじゃない。ここで感じたのはヴィクトリーパワー。強い勝利のエネルギーを感じて様子を見に来たのさ! 心当たりもすぐに分かったしな!」

 ウィンクなんてして見せる辺り、心当たりって言うのは俺の事みたいだな。勝利のエネルギーねぇ? そんなの俺出せないぞ?

「ソウシ! どうやら君は、何かの勝利を収める事が出来たようだな! コォングラッチュレーションズぅ!」
「んー勝利ねぇ? 思い当たる事はあるけど、あれを勝利って呼ぶのかね?」

 木の実の木の傍に表出してた岩に腰掛けて喋ってるんだけど、ヴィクターは喋るのに身振り手振りを合わせるから、見てて飽きないもんだな。

「はっはっは、隠さなくてもいいぞぉ。六日前に出会った時より随分とエネルギッシュになっている! ハッピーな事があった証拠だ!」
「えーっと、ハッピーっていうのは?」
「うむ! 幸せという事さ!」
「あぁ……ははっ、それなら間違ってないわ」

 なんせ、一週間の内に嫁が5匹も出来ちゃったんだからな。なんて言ってみると、ふぅむ? なんてヴィクターは首を傾げてる。何か疑問でもあったかな?

「5匹のポケモンとカップルになるしかもそれまで見知ってもいないポケモンと……んー? 一匹だけならグローリースターの力の可能性も大きいが、流石にそこまでの強力な加護はナッシングな筈なんだがな?」
「ぐ、ぐろーりーすたぁ?」
「おっとソーリィ、俺が持つ特性、『勝利の星』という力の事さ。与えたポケモンの可能性を増幅し、不可能を可能にし勝利をもたらすスーパーパワーだ!」

 なるほど、それが俺に掛けられた勝利のパワーって奴の正体なんだそうだ。で、可能性の増幅であって、新たな可能性を開拓する部類のパワーじゃないから新しい繋がりが出来るのは規格外の力って事みたいだな。

「何故そんな事になったのか……ふぅむ? ソウシの内に残るパワーは正常に機能してるようだから、別な要因だな!」
「別な要因?」
「例えばだが……ソウシ! 君は面識の無いポケモンともすぐにフレンドリーに接する事は得意かい!?」
「え? まぁ、苦手な方ではないかな」

 それからも困ってるポケモンをよく助けるかーとか、誰かの望みを聞いてそれを叶えたいとよく思う方かなんて聞かれた。まぁ、よく思う程じゃないけど、結構思う方かな。

「なるほど! そうか、それならば合点が行く!」
「と、言いますと?」
「ソウシ、君はナイスガイだな! 『シェイクハンダー』の素質がある!」
「シェ……え、何?」
「シェイクハンダー! 手を繋ぐ者、転じて『手を差し伸べる者』! 悩み苦しむ者に手を差し伸べアンサーへと導く事を得意とする者の事を言うのさ!」

 手を差し伸べる者、か……なんか改めて言われると、照れ臭くなる事だな。まぁ、心当たりは無くもないけど。

「現に俺も君に手を差し伸べられた者の一匹! ともすれば、グローリースターは君のその資質を増幅したと見るべきだろう!」

 差し伸べられた者のそうあって欲しいという願いすら汲み取れる程に! なんて言われたが……よく分からん! そういうの出来てたんかね俺?

「しかしだ。シェイクハンダーはその特性上、差し伸べた相手の心理状態を共有し引き摺られてしまう傾向も、ある! 増幅なんてしてしまえばより如実にその効果はピックアップされてしまう可能性があるが、大丈夫だっただろうか!?」
「んー……まぁ大丈夫だったんでないかな? そんなおかしくなった感じはしなかったけど」

 そうか……一安心だ! なんて言ってるのが心からなんだなって分かるのも、そのシェイクハンダーって奴の影響なんかね? ま、ちょっと便利な力くらいに思っとこうかね。

「しかし君は、荒唐無稽とも言える俺の話を随分すんなりと受け入れてくれるのだね?」
「嘘を言ってるようには思えないからな。本当に俺にそんな力があるかは分からないけど、あったらいいなと思うよ」
「……ふっ、ははは! あぁ、君には間違い無くシェイクハンダーの素質があるさ。ソウシ、友よ。君と言うナイスガイに知り合えた記念に、一つシェイクハンドを交わそうじゃないか!」
「記念になるんかねぇそれ? ま、減るもんじゃないし、それくらいならいっか」

 ヴィクターが差し伸べた手を、俺は握り返す。……改めて思うとこれ、幻のポケモンと友達になったって事だよな? アリなのか? いや、もうなっちゃった後に言っても仕方ないけどさ。

「よぉし友よ! この良き日に空腹で居るのはナンセンスだ! もう少し腹ごしらえをしようじゃないか!」
「それ、単に腹減ってるだけなんじゃねぇの?」
「硬い事はノーセンキューだぞソウシ? 腹が減ってはノットバトル! さぁ、木の実探しにゴーアヘッドだ!」
「はいはい。付き合ってやるとするかね」

 って、言われた通りこうやって付き合ってるんだから、本当にシェイクハンダーって奴なのかもな、俺ってば。ま、それならそれでいいさ。それがヴィクターだけじゃなく、皆と俺を繋いでくれたってなら悪くない。
 今はとりあえず、ゴーゴー! って言いながら催促してくるヴィクターに付き合って、親睦でも深めてみるとしようかね。

----
~後書き~
 という訳で、こっそりと参加させて頂いておりました! お読み頂いた皆様、投票頂いた皆様もありがとうございます!
 長々と語るのもあれなので、投票コメントへのお返事です!

・色んな性格、種族の水タイプを味わえる良い作品でした。

 タイプは統一して色々な性格や体格とのシチュエーションを書いてみよう! と思い書き始めた今作だったので良い作品と言って頂けまして有難い限りです。ありがとうございます!

・王道をいくハーレムもので、ラブコメとしても面白かったです。
個人的にはカレシナさんの姉御感がよくて、
シーネさんが大変エッッッチなところが良かったです。

 キャラを褒めて頂けるのはとても嬉しいです! カレシナさんはソウシの初めての相手、シーネさんはメンバー内唯一の経験者として頑張ってもらったので、気に入って貰えたのなら何よりです。ありがとうございます!

・ソウシ君のお相手がみんなどストライクです。ごちそうさまでした!

 ポケモンと性格のチョイスはかなり悩みましたので、ストライクゾーンに入っていたのなら一安心です。ありがとうございます!

 お返事はこんな所ですね。投稿期間に遅刻してしまった今作ですが、お楽しみ頂けたのなら何より! ではでは、次回作もお楽しみ頂けますよう頑張っていきますので、これからもどうぞよろしくお願いいたします!

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