*水にかたどる清き心 [#lad439fb] 著者――――[[くらふたー]] ※苦手要素のある方へ この作品は、&color(ffffff,fff){人×ポケモン};が、含まれます。 なお、他の場所で公開しているくらふたーの作品の一部を使用しておりますが、そちらを読んでいなくてもわかる内容であるように努めていくつもりです。 ---- 何一つ照らすものが無い漆黒の闇。 血のように赤みがかった、毒々しい色のもや。 そんな中で、俺の体だけがまるで別世界のもののごとく浮かんでいる。 またか、また、この夢か……。 何度も見たこの夢、この後に何が出てくるかを思うと、はらわたが煮えあがるような感覚に包まれる。 どうしてこのような夢を見るのだろう? どうして俺はこんな世界に縛り付けられているのだろう? 答えが無いままに、今日も俺の脳にあの声が響きわたってくる。 「コウ、あんたはどうして言われたこともできないの?」 俺の母親の声だ。 この声を聞くだけで、俺は身を裂かれるような思いになる。 そうだ、俺は言われたことも満足にできない、不出来な愚息だ。 そのせいで、親をどれほど苦しめただろう、嘆かせただろう? 昔は生まれ持った頭の良さに、やたらちやほやされていたのだが、今はごく普通のレベルの大学にも落ち、滑り止めも滑り止めにしかなれないどうしようもないレベルの私立大学でも、勉強についていくことができない。 自棄を起こしかけていた、いっそ起こしたかった。 そんな中で、俺はよくわからないままに、住んでいたアパートから出発していた。 行く当ては無い。 なぜか俺を捕まえた占い師の言葉に乗せられ、大金と二匹のポケモン、そして彼らの言葉を翻訳したりする機械を渡されて、このままここにいてはいけないからと旅立たされた。 そのせいだろうか、この夢は? 親は俺の将来のために大金を出して大学に通わせようとしたのに、まともについていくことができないまま、半年で逃げ出すような形で、今はここにいる。 さっきの母親の声も、心なしかいつもより厳しかったような気がする。 「お前と同い年の子の中には、もう立派に仕事をしてお金を稼いでいるのも大勢いるってのに、お前のこのざまは何だ!」 今度は父親の声だ。 いつまでもしつこく頭に響く怒号。 でも、悪いのは俺の方なんだ、それを振り払うことはできない。 悪いのは俺の方なんだ、ちゃんと親の言うとおりにすればいいんだ……。 なのに、どうしてだろう、俺の体はそれとは反対の方向に進み続ける。 あれは、あるいは自棄だったのかもしれない。 俺の父親は、ポケモンを「悪」とし、「撲滅」しなければならない対象として見る、「撲滅派」の有力者だ。 今日もたまたま通りかかったところで、「ポケモン狩り」と呼ばれる一方的な虐殺を行っていた。 いつもいつもご苦労なことだと思う。 俺は気にせず素通りしようと思った。 だが、それは占い師から預かり受けた二匹が許さなかった。 翻訳機は文字媒体で訳してくれるのだが、その文字を通して、彼らを助けることを懇願してきた。 俺はうまいこと戦い、ポケモン狩りを止めることに成功した。 親の仕事仲間、あるいは部下に攻撃してしまったことへの罪悪感は、今もって全く感じられない。 それは、ある種の俺の自棄なのではないかと、考えられなくもない。 だから、俺はその自棄を、連れてきていた二匹にもぶつけた。 俺の先祖はポケモンに殺されたから、お前らもそれに倣って、俺の首掻っ切ってはどうだと。 その一言に、逆上したエアームドのアーガイルを、ジュプトルのジョルジュがなだめすかして廊下に連れ出した、そこまではわかっている。 それ以上、俺はものを考える気にはなれなかった。 とりあえず寝ようと思い、自慰で残っていた体力を全て消耗させ、気絶するように眠りに落ちた。 回想で逃避できれば良かったのだが、夢も同じ俺の脳内での出来事。 だとしたら、こんなことで簡単に逃げられるものではない。 いつものことだが、母親、父親ときて、その後も次々と俺を責める声が響いてきている。 教師、弟、友人……。 俺を期待するものから、俺を疎ましく思うものまで、いろいろだ。 だが、共通しているのは、誰の言葉も一理あるところである。 何食わぬ顔でふざけているだけの俺の姿は、誰が見ても迷惑至極なのだろう。 それでも俺に声を掛けてくれる人たちには、例え疎ましく思われたうえのことであっても、感謝しなければならないのに……。 こんな、回想に逃げ込もうなんて、不届き千万だ。 俺はいっそ、自らを引き裂いてしまいたいような思いに駆られたことが、もはや幾度とない、数えられない。 一筋の水流が、俺の周りを駆け巡る。 俺の周りの混沌の霧は、その水流に裂かれる。 これは……これは? こんなこと、今まで一度も無かったはずなのに。 だが、清き水流は一筋ではおさまらず、次から次へと流れ込んでくる。 気付いたときには猛烈な奔流となり、俺にまとわり付いていた混沌を押し流していた。 奔流は、しかしその激しさとは裏腹に、俺の体は優しく包み込む。 温かい、優しい……。 そんな存在が、その流れの源流に存在しているのに、俺は気がついた。 何故だろう、それは非常に懐かしい感覚があった。 俺の胸のうちには、今まで意識したことのない猛烈に乾いた場所があり、そこを猛烈に潤していっているような、そんな感覚があった。 俺はその存在をどうにかつかんでみよう、触ってみようと、手を伸ばそうとした。 体はなぜか動かなかったが、その存在は逃げようとはせず、俺のそばにずっといてやろうという雰囲気が伝わってきた。 その瞬間、俺の胸の奥で何かが崩壊するのが感じられた。 ---- あなたはどうしてこんなに苦しんでいるの? あなたはどうしてこの苦しみを耐えているの? 人間はそういうことは無いって聞いたことはあるんだけど、本当なのかな? 相対的に敏感なポケモンは、相手の体に耳を当てれば、その内臓の動きで相手が苦しんでいるかくらいはわかる。 それは、エスパーとかそういう能力が無くても、相手が無防備でいてくれるんならゆっくりその音を聴けるから。 でも、耳を当てた瞬間にわかるほど、この人は苦しんでいた。 それなのに私を助けてくれるなんて……。 今日はいろいろあったから、もう寝よう。 こうして隣に寝ていれば、この人も話しかけてくれるはず。 何があったかはわからない。 でも、私のことが嫌じゃないなら、ずっと、ずっと私はあなたを守るから。 だから、もうこれ以上苦しまないで。 ---- 胸の奥に、まがまがしいものが渦を巻いている。 今まで意識しなかった、その俺を責める存在。 そんな痛みのような感覚に、俺は目を覚ました。 胸の痛みとは別に、俺は夢の中で感じた感覚を思い出す。 何なのだろう、あの優しげな存在は? 隣から聞こえてきた、寝息のような音。 俺の夢の中から、この存在は飛び出してきたのだろうか? それなら、つかまなければいけない。 苦手なはずの朝起きだが、今はそれ以上に突き動かされるものがあった。 「ポケモン?」 俺は思わず口走ってしまう。 そういえば今まで「存在」としか思ってなかったのだが、それがポケモンの姿をしているとは、まさかとばかり、まったく思わなかった。 連れてきていた二匹が戻ってきていないのは気になったが、それよりもまずはこのシャワーズが何なのかだ。 胸も腹も秘所も無防備に晒し、まるで全てを俺に投げ出したような姿だ。 ひとまず、俺は自称占い師から貰った、ポケモンの言葉の翻訳機を手に取り起動する。 「おい?」 そして、シャワーズの口元にマイクを近づけて、揺すり起こす。 マイクはある程度離れていても集音や翻訳は可能だ。 だが、声の主として認識させるために、一旦マイクを近づけてこのシャワーズの声を登録する必要がある。 「う……」 かすかなうめき声だが、シャワーズの声は機械に登録された。 次は名前を登録する。 後から変更が利くので、とりあえず「シャワーズ」と登録しておくことにした。 登録が終わった頃には、シャワーズは目を開けて座りなおして、優しげな目でこちらを見ていた。 ---- 「昨日は、ありがとうございました」 嗚呼、顔が熱い。 この人の目には、本来水のように青い私の肌が、真っ赤になっているのが見えているんだろうな。 「いや……別に……」 でも、この当惑した様子……そこまで悪いとは思ってないのかな? なんだか、どこか可愛らしい。 私は、昨日この人と、彼が連れてきた二匹のポケモンに助けられた。 それは、ポケモンの存在を良しとしない人間が、私たちが暮らしていた水辺に襲ってきた時だった。 私の家族や友達は、次々と殺傷されていって、私自身も傷を負った。 その後はどういう風に戦っていたかは見れなかったけど、気を失う前に、この人の腕に抱かれたことだけは覚えている。 私がこの人の胸の中に、苦しみが渦巻いていることに気付いたのはその時だった。 助けてくれたこの人。 今度は私が助けなきゃならない。 傷を治された後、私たちは野生に帰されたけど、そこで私はみんなに別れを告げて、あの人のにおいを探してきた。 ---- 「お礼に、どんなこともします。たとえ命を奪われることでも、それ以上の苦しみに落とされても、それであなたが幸せを感じるなら、何でもします」 こいつ、何を考えているんだ? この世は所詮騙し合い、こんな甘い言葉ほど、必ず裏がある。 そんなのはわかっている、わかっているはずなのに……。 シャワーズは水のごとく溶け込む力を持っているとまでは聞いているが、こいつは俺の心のどこかにまで入り込んでいるっていうのか? 「お……お前、正気か?」 慎重に言葉を選んだ末に出てきたのが、この言葉だった。 まあ、確かに無難といえば無難ではあるが……。 俺は翻訳機を握り締め、すぐに出てくるであろう次の言葉を待った。 「はい。遊ぶだけ遊んで捨てられたとしても、あなたなら文句は言いません」 嗚呼、こいつは、俺にどこまでもしがみついてくる感じだ。 お前の目的は、一体どこにあるっていうんだ? 「私があなたを愛したことさえ揺らがなければ、それ以外は望みません」 俺がそんなことを思っている間に、翻訳機に映し出された文字。 そんな馬鹿なことを言うのか……? 翻訳機を握り締めていた俺の手は震えだし、止まらなくなっていた。 「ふざけたことを言うなよ」 「え?」 「愛なんてそんなもの、ありえるとでも思っているのか?」 この世は所詮騙し合いだ。 こんな愛なんてものに騙されるから、裏切られて自らを見失っていくんだ、そのはずだ! なのになんで、こいつは俺にそこまで許すことができるんだ? いくらなんでも、折角助かった命をここで無為に散らす意味はあるのか? 「あなたは、そうやって独りで生きてきたんだ。誰も信じず、全てを物に換算して……」 「俺が独りだって? 俺は親も弟もいるんだぞ?」 「いくら家族がいたって、心が許せなきゃ意味は無いよ」 心を許すとか、そんなことをしてなんになるっていうんだ? 親にしてみれば、子供である俺らは、年老いて体が利かなくなったときのための、体のいい道具でしかないんだ。 育ててもらった分の恩は返さなきゃならない……その立場がある以上、俺たち子供は親から逃れられないはず。 そうだ、親だって俺らことは道具としか思っていないはずなんだ。 「あなたは、かわいそうな人。泣く姿を見せられるような相手もいないなんて……」 「馬鹿を言うなよ。いい年した、まして男が、そんなことできるわけがないだろう?」 泣くとは弱みを晒すこと。 弱みを晒した者から潰えていくこの世界で、そんなことをできるってでも言うのか? そうだ、そんなことをするからつけ入られるんだ、それが当たり前のはずなんだ……。 なのに、どうしてだ? 俺の胸中では、なにかがそんな俺の城壁を、激しく攻撃してきていた。 「そう……」 シャワーズは軽くつぶやいて、俺から一歩下がる。 目線が離れる瞬間、なにか彼女から悲しげなものを感じた。 何か俺はまずいことを言ったのかと、思わず彼女を顔を覗き込んだ。 その瞬間……。 「ぶ!」 「あはは、泣いちゃったね。こんなひどい泣き方、見たことないよ」 シャワーズは俺の顔面に水を吹きかけやがった。 ポケモンの力を持ってすれば、人間の命を奪うことだってたやすいと聞くから、この水流は相等加減したものであろう。 だが、昨日の昼間からずっと着のままだった服は、胸の辺りまで濡れてしまった。 シャワーズのほうは、嘲笑に近い笑みを浮かべていた。 「お前ふざけるな! これはお前がやった……!」 俺はその瞬間には、シャワーズののど元を突き上げていた。 威力を調整したかなんて知らない。 凶行は凶行で返されてしかるべきである。 だが、言いながらも俺の口は、徐々にろれつが回らなくなっていっていた。 「お前が……お前が……!」 そうしていくうちに、シャワーズを締め上げる俺の手からも、力が抜けていっていた。 そして、気付いたときには、逆に俺はシャワーズを抱きしめ、まぶたから熱いものを流し始めていた。 ---- この人は、どれだけの間、独りで苦しんでいたんだろう? どれだけの間、自分独りの城に閉じこもり、周りの全てを遮断していたんだろう? でも、私が首から吸い上げる液体は、私がさっき吹きかけたものより、ずっと熱い。 彼の何年分の涙が、一気に決壊して流れてきたんだろうね。 「くっ……畜生め……」 いつの間にか抱きしめていた彼の体は、昨日一日分の汗をまだ流していないんだろうか、どっかにおう感じがある。 それでよかった。 私はもう、この人を愛しちゃったんだ。 この人には、私に対しては自分を偽らないで欲しかった。 「私は畜生なんかじゃない。ちゃんと、シャニーって名前があるんだから」 遅ればせ、この人の持っている機械が、どうやって彼に私の言葉を伝えているかはわからない。 でも、今は答えなんて期待していない。 こうして彼のぬくもりの中でいるだけで、私は幸せなんだから。 ---- どれくらいの時間が経っただろうか? 俺の決壊は、いつの間にか落ち着いていた。 服は胸まで濡れて、少々気持ちが悪いことに気がついた。 部屋にシャワーもついていることだし、なによりこれから行動開始なんだ。 人前に出るのに、よりきれいでいた方がいいと思うのは、先ほども今も変わらない考えだ。 俺がシャワーは朝にしたほうがいいと思うのは、やっぱり変わらない。 とりあえず上着を脱ぐ。 シャワーズの目線が俺の体に釘付けになっているのが、妙に恥ずかしかった。 「あんまり、見るなよ? 贅肉が熱いだけの体だ」 とりあえず上半身裸になり、機械の画面を確認する。 機械には、シャワーズが自らをシャニーと名乗る自己紹介が残っていた。 「シャニーか。今となっちゃ、お礼を言うべきは俺の方だよな」 「え……? うん、じゃあ……」 その瞬間、シャニーの目は、どこか厭らしげに歪んだ。 こいつ、今何か考えたのかと思った瞬間だった。 「うわ!」 気がついたときには、俺の股間はシャニーが吐きかけた水流でずぶぬれになっていた。 お漏らしをしたようで気持ちが悪いなんてもんじゃない。 だが、シャニーはやたら期待に満ちた声を上げる。 「人間は着ているものが濡れたら脱ぐんだよね? 早く脱いで?」 機械のモニターに映し出された文字列に、俺は固まるより他に無かった。 このまま俺が裸になれば、種族は違うとはいえ、行き着く先は一つだろう。 俺の大事なところが次第に熱くいきり立ち始めていることに気付いたときには、シャニーは既に俺のズボンを下ろそうと必死になっていた。 「お前……俺でいいのか?」 「あなたじゃなきゃ嫌だ。ねえ、早く」 ベルトをするのを忘れていたため、すぐに俺のズボンとパンツは引き摺り下ろされる。 その瞬間、俺の肉棒を隠していたもう一枚のモノがあらわになる。 「なに、これ?」 「いや、靴下だ……?」 俺の肉棒は、はき古されてもう靴下としては機能しない「それ」に突っ込まれていた。 俺は自慰のときは、肉棒を靴下にねじ込んで、それで抜いた精液を受けさせる。 そうやってベッドに性器を押し付けてやる自慰は、おそらく相等刺激が強いのだろう。 俺はいつの間にか、手の刺激だけでは抜くことが出来ない体になっていた。 そして、それとあわせて、何枚かローテーションで使っていた靴下だが、どれも精液まみれになっていた。 今のそれは昨日の夜に出したものの強烈な匂いを放っている。 「まあ、いいや」 シャニーは靴下を口にくわえ、俺の性器を引きずり出す。 靴下が肉棒に擦れる感覚に、既に俺の下腹部には燃え上がるものがうずき始めていた。 これは始まりでしかないことは、いくら未経験の俺でもわかっている話だった。 ---- 昨日の夜出したものだろうから、この暖かい部屋の中じゃ、この靴下にこびりついた精液は、もう腐り始めているんだろうね。 それがわかる臭いが、靴下から漂ってくる。 でも、腐っていても彼のものであることは事実だから、くわえることは嫌じゃなかった。 ただ、少々もったいないかなとだけ思っただけ。 それにしても、彼、すごく弱いんだね。 私が靴下を引っ張った、この慣れているはずの感覚だけでも、全身でピクリと反応して、肉棒も一瞬で膨れ上がっちゃった。 腐った臭いも彼のものだから嫌じゃなかったけど、その中でも私の鼻に届く先走りの独特のにおい……。 嗚呼、鼓動がどんどん早くなってくる……。 彼もまた、反り返ってお腹の上に寝ている肉棒を、鼓動にあわせてびくびくと震わせている。 じゃあ、彼に私のものになってもらおう。 私はゆっくり彼の肉棒に顔を近づけて、根元から先端までを一気に舐め上げた。 ---- 「うあぁっ!」 俺に悲鳴を上げさせるには、この一撃でも十二分だった。 俺は全身をびくりと弓なりに反らせて、それにはシャニーも思わずしりぞく。 「だ、大丈夫……?」 なんて言っているかはわからないが、この口調からするに、おそらく心配してくれているのだろう。 全身に走る痺れのような感覚を抑えながら、俺はシャニーの頭をなでる。 「大丈夫だ」 滑らかで柔らかい、弾力のある肌。 しっかりとしたぬくもりがある、毛並みよりも人間の肌に近い感覚。 この方が、俺を高ぶらせる興奮剤になるようであった。 「俺をどうするかはお前の自由だ。続けたいなら遠慮なく続けてくれ」 「そう……じゃあ……」 俺はそうは言ったが、肉棒から全身、足の先まで、今の感覚が早く来ることを待ち望んでいた。 だが、お礼をする側は俺なんだ、主導権は彼女に譲らなくちゃならない。 その辺は俺も分別はつけているつもりだ。 だが……俺の待ち望む次の一撃はこなかった。 脇で悪戯な笑みを浮かべるシャニーの口から、一言が発されただけであった。 「やめようかな?」 怪訝に思って翻訳機に手を伸ばした俺が、愕然とした瞬間だった。 ---- 彼の愕然とした表情に、思わず吹き出しちゃった。 もちろん、私だって早く彼の体が入ってきて欲しい。 でも、彼にはまだ、弱いところが残っているはず。 「続きは、あなたの責任でやって」 言いながら、私は秘所を晒す。 彼の弱い一面が、ここまで自分自身を苦しめるに至った。 だから、私が彼の弱い一面を突き崩さないといけない。 「私のこれからも、子供ができたときも、責任を持って」 「そ、それは……」 全ての責任を彼に擦り付けてじらす、最低な手段だってのはわかっている。 でも、彼には強くなってもらわないといけない。 その責任に動じないで、自分の欲望を叶えることも、覚えてもらわないといけない。 「そんな保障、できるわけがないだろ」 やっぱり、まずはそうだよね。 でも、それを言う彼の表情を見ればわかる。 彼が落ちるまで、全てをかなぐり捨ててくるまで、もう間はほとんど無いこと。 私は後ろ足で、彼の肉棒を軽くなで上げる。 彼はもう一度びくりと反応する。 表情からはそれだけでも、元から無かった余裕の大半がさらにそぎ落とされた様子だった。 彼の理性は風前の灯。 絶頂を迎えさせないように注意しながら、私は彼の肉棒を、さらにさらになで続ける。 「最後までいきたいなら、あなたの責任でやって」 彼を押さえつけている言葉に、彼をぶつかり合わせながら。 ---- 生殺しだ。 「俺は……」 俺の中の何かは、それでも何の意地でか抵抗を続けていた。 それでも、それがいつまでも持たないこと、その「何か」も理解していた。 「う、うあああぁぁぁっ!」 気がついたときには、俺は両手でシャニーの両前足の付け根をつかんでいた。 この凶行、シャニーも少々動じた様子ではある。 だが、俺は自分の肉棒の先端を、シャニーのずぶぬれになった秘所に押しつけていた。 「責任、取れるんだね?」 シャニーが何を言ったか、機械まで目線を送る余裕は無いから、既にわからない。 だが、俺の中で抵抗を続ける存在を刺激する言葉であることは、大体想像がつく。 やめろ、今ならまだ間に合う! 俺の理性は必死で俺自身を止めているが、それでももう、勢いづいた俺を止めることはできない。 俺は肉棒で、彼女の中の最奥部に当たるまで、貫く。 そうやって、俺の肉棒は半ばまでうずまった。 「意外に……浅いな」 そういう問題じゃない! まだ、吐き出してないから間に合う! 必死にそう叫ぶ理性の声を、シャニーはおぼろげな目でこっちを見ながら、さえぎる。 「知らないんだ? それを突き破って、ようやく行為は成立するんだ」 俺はやっとやっとながら機会に目線を送り、シャニーが言ったことを把握する。 ならば、今ならまだ間に合うんだ! なおも必死に叫ぶ理性。 しかし、すでに俺にそれに耳を傾けたりはしなかった。 俺は猛烈に腰を突き上げ、彼女の処女を打ち破る。 その瞬間、俺を止めていた何かは、音を立てて崩れ去った。 ---- 結局、俺は全てを恐れすぎていたんだろうな。 誰かを信じられないなら、それはそれで仕方ない。 でも、本当に誰一人として信じられないなら、いろんな者たちが暮らす世界にいる意味は無い。 それなら独り孤立し、山奥にでもこもっていればいいのである。 俺は完全に、彼女無しでは生きていけない体になった。 でも、それでいいと思う。 俺が彼女無しでいなければならない理由なんて、何一つ無いんだから。 そうやって、みんな生きているんだ。 彼女の他にも俺のそばにいる二匹だって、きっと俺が心を開くことを望んでいるはずだ。 暗黒の扉を打ち砕いてくれた彼女には、流石に敵わないだろうが、俺は奴らだって大切にしてやりたい。 俺の生き方は、この日を境に全てを変わりはじめていった。 To be contenued ---- 4・25 本日はとりあえずページ作製のみで。 えrはまだ結構先になると思います。 ここは定期更新は難しそう>< ---- 5・8 だいたいここの話以前の部分はまとめられたかな? このペースだと、えrは次かその次かな? 俺は野郎ゆえ、♀一人称はなかなか難しくてまいるのです。 ちなみにシャワーズは俺の嫁なのです( ---- 5・14 更新時刻、25時( 一応日付変更線は越えてないことに((( 靴下を精液受けに自慰をしているのって、俺だけなのかな?( ---- 6・4 ようやっと更新、何週間ぶりでしょう>< 最近不調が続いた上、忙しかった……両方が起因しあっている気がします>< とりあえず、この話は今回で終わりです。 ここまで読んでくださった皆様、まことにありがとうございますなのです。 ---- またよろしくお願いしますなのです。 #pcomment(清き心へのコメント,10,) IP:122.26.137.168 TIME:"2012-06-15 (金) 19:40:41" REFERER:"http://pokestory.rejec.net/main/index.php?cmd=edit&page=%E6%B0%B4%E3%81%AB%E3%81%8B%E3%81%9F%E3%81%A9%E3%82%8B%E6%B8%85%E3%81%8D%E5%BF%83" USER_AGENT:"Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 8.0; Windows NT 5.1; Trident/4.0; GTB6; YTB730; BTRS98794; .NET CLR 1.0.3705; .NET CLR 1.1.4322; InfoPath.1; .NET CLR 2.0.50727; OfficeLiveConnector.1.3; OfficeLivePatch.0.0; .NET CLR 3.0.4506.2152; .NET CLR 3.5.30729)"