執筆者[[文書き初心者]] &color(Red){獣姦描写がありますのでご注意下さい。また、ポケモンに胸の描写がありますので苦手な方はご注意ください。}; ---- 旦那さまに拾われたのは私がポチエナの頃であった。 私は鈍臭くて、集団での狩りがまともに出来ないから群れのリーダーに捨てられた。食べるものがろくに得られず、衰弱していたところを旦那さまに拾われた。 出逢った当初の私は警戒心が強くて、旦那さまに噛み付いてしまった事がある。その時の傷痕は完全に消えることは無くて、未だに旦那さまの指に残っている。時々、その傷痕が目に入り、私は自責の念に駆られる。旦那さまは気にしなくていいと言ってくれたが、傷付けてしまった私としてはそうもいかなかった。折角私を拾ってくださってグラエナになるまで面倒を見て頂いたのに、あんな態度を取ってしまった過去の私に説教したい。 今でも反省してる、いやこれからずっと反省するであろう。旦那さまの傍から離れずに、旦那さまに従う事で少しでも罪滅ぼしになると思って。 「お手」 そう言って旦那さまが目の前に手を差し出してくるから、私はぽんと前脚を乗せてあげる。すると旦那さまはもう片方の手で私の前脚を挟み込んですりすりと撫でると、良い仔だ、と言ってくれる。その後で旦那さまは私の手を下ろした。 「お座り」 今度はそう言ってきたので、私は四つの脚を揃えてはお尻を床へと着けていく。うんうん、と旦那さまが頷いては、今度は私の頭を優しく撫でてくれる。それに私は目を細めながら喜ぶ。旦那さまの温かな手が心地良くて、尻尾もついつい振ってしまう。 しかし、いつまでも撫でてはくれない。撫で終わるなり、旦那さまが私の頭から手を離しては更なる命令をしてくる。 「ちんちん」 旦那さまがズボンのチャックを下ろすなり牡の性器をぼろんっと私の目の前に出してくる。先ほどまでは普通の命令であったのに、突拍子もない旦那さまの行為に、黙って従っていた私も流石にものを言う。 「旦那さまったら何してるんですか……」 私が困った風に言っても、旦那さまはしらばっくれた顔をする。それどころか、旦那さまは私が困惑しているのを面白がっているのかにやりと不敵な笑みを浮かべる。やがて、私の顔に性器を更に近付けてくるのである。 「何って、ちんちんだよ、ほら、グラエナ」 私は嗅覚が優れているから顔の前に出されただけで強烈な異臭を感じ取ってしまう。鼻の奥まで突き刺してくるような臭いに思わず顔を引っ込めてしまうが、そうしたら旦那さまが性器を私の顔に寄せてくる。出来ればさっさと仕舞って欲しいのだが、旦那さまときたらなかなか仕舞おうとはしてくれない。 牡の性器の臭いを嗅いでいると私の身体は段々と疼いてくる。私の身体が熱でもあるかのように火照り始め、秘部に何でもいいから擦り付けたくなってしまう。そんなはしたない事をする前に私は旦那さまから逃れようとしたいのだが、旦那さまの命令を無視は出来ないという本能が咎めてくる。 「旦那さまったらほんと物好きなのですね」 ポケモンにこんな事をするだなんて、私は旦那さまらぐらいしか知らない。そもそも私が知っている人間なんて旦那さまと旦那さまの両親ぐらいしか知らないのだが。 私がそんな風に言うと、旦那さまは何を言ってるんだ、と返してくる。そして次の言葉を返してくるのである。 「グラエナの事を性的な目で見てしまうくらいに、僕は君を愛しているんだよ」 口にするのも憚れるような恥ずかしい言葉をさらっと言う旦那さま。聞いているこっちが恥ずかしさで顔を隠してしまいたくなってしまう。でも大好きな旦那さまにそう言われて悪い気がしないあたり、私も結構な重症である。 「あの、旦那さま、お言葉は嬉しいですけどこういうのは夜になってから……」 私は旦那さまの性器を凝視しないように目を背けながらそう答えた。部屋にはまだ日差しが差し込んでいるし、流石に今の時間帯からするのは常識的にまずいであろう。そう思って私は旦那さまを止めようとするのだが、旦那さまはもうその気ならしくズボンまでも下ろしてくる。旦那さまはもう私の言葉を聞く耳を持っていなかった。 「我慢はいけないんだよ、グラエナ」 そう言って、旦那さまはいきなり私の尻尾を掴んできた。尻尾を掴まれて私はぴくんと身体を跳ねさせてしまう。尻尾は私の敏感なところだ、そんなところをいきなり触ってくるだなんて旦那さまは意地が悪い。 「何するんですか、旦那さま!」 「グラエナの方こそ、尻尾を揺らすくらいなら我慢しなくていいだろう?」 旦那さまにそう言われて、私は慌てて尻尾へと視線を移した。するとご主人に尻尾を触られているとはいえ、ぷるぷると動く自分の尻尾があった。自分が知らないうちに尻尾を揺らしていたとは説得力がないどころか恥ずかしい。私はかあっと頬が熱くなっていくのを感じて俯いてしまった。 自分の気持ちに反して身体は求めている。その事実を受け止めるしかない。それに、旦那さまの命令に逆らうのは私が自分を赦せなくなる。だが、残る良心からは今するのは良くないと咎めてくる。ふたつの気持ちがせめぎ合って私はどうすれば良いのか分からなくなる。 「あの、ほんとにするのですか、旦那さま……?」 私は救いを求めるように、旦那さまを見ながら訊いた。すると旦那さまは、ぽんぽんと私の頭を撫でると別に強制する訳でも無いのかこう答える。 「グラエナが我慢するって言うなら無理にとは言わないよ」 結局は私の意思によって決めるらしい。どちらに決めたら良いのか分からない私は黙って旦那さまを見つめる。しかし旦那さまは私が断ると思ってか、下ろしたズボンに手を掛けては再び履こうとする。その最中、私は夢中で旦那さまの手に前脚を乗せて上げるのを止めてしまった。最初はする気なんてなかったというのに、いざとなったら旦那さまを止めに入るだなんて自分でも愚かだとは思っている。 「だ、旦那さま、ひとつだけお願いしていいですか?」 「なんだい、グラエナ。君の頼みだったら何でも聞いてあげるよ」 なんでも、と言われて私はごくりと口の中に溜まる唾液を飲み込む。私の方から旦那さまのお願いを聞いて貰えるだなんて滅多に無いので色んな欲が渦巻く。なんでもと言われたが、結局は高望みはせずに最初に思った事をお願いする。 「口でする前に口づけしてもいいですか? した後ですと汚れてしまいますので……」 いいよ、と旦那さまが快く承諾してくれる。そうして旦那さまが私の前脚を掴んでは、抱き合う格好へともっていく。後ろ脚のふたつで立つのはなかなか辛いけれど、旦那さまが支えてくれているから倒れることはなかった。 「私、変でしょうか。ポケモンなのに口づけをせがんで」 人間染みているというか、ただでさえポケモンなのに旦那さまに恋愛感情を抱いているのが可笑しいと言うのに。それでも旦那さまは首を直ぐ横に振ってくれた。 「ポケモンだとか関係無しに、好きな人としたいと思うのは至って普通だよ。僕だってグラエナとしたい」 そう言うと、旦那さまは私の口を奪ってくる。旦那さまの口に比べて私の口は大きい。不釣り合いなのが、口を重ねているだけでも分かる。 旦那さまは私の口の中に舌を入れてくる。私はそれを受け入れて、旦那さまのに自分の舌を絡めていく。旦那さまのは私と比べると大きくはなくて、絡まれば直ぐ私のに覆い尽くされそうであった。だが、旦那さまは負けじと私のに絡み付いてきて、気付けば力関係では有利な筈の私が蹂躙されていた。 舌と舌とが絡み合えば、舌にねっとりと纏わりついた唾液が混ざり合う事となる。旦那さまのと私のと、どちらの唾液なのか区別が付かぬほどに。このまま身体も溶け合ってしまえば良かった気がした。 口づけをしていけばお互いに鼻息が荒くなっていく。私が鼻息を掛けられる分には問題ないのだが、私の鼻息が旦那さまに掛かり、迷惑でないかなと心配してしまう。しかし、旦那さまは嫌な顔をひとつ浮かべない。それどころか、私との口づけに夢中で気にしていないといった様子であった。 旦那さまに求められる感じがして、私の心が満たされていく。ポケモンごときが口づけなんかに嵌るなんて言われたらおしまいだが、私はそれでもこれが好きだった。 そうして暫く濃厚な口づけをした後で、旦那さまが口を離す。すると唾液が卑猥にも私と旦那さまとの間で糸を引く。唾液の糸は私と旦那さまを結び付けていたが、時間が経つにつれて弛んでいく。終いにはぷつりと切れて垂れてしまった。 口づけを終えると、旦那さまも私もすっかり出来上がったようで熱い吐息を口から漏らす。私は旦那さまに自分の息を吹きかけないように気遣って少し顔を逸らした。本当は、旦那さまの顔をじっと眺めていたいのだが。 「グラエナ」 折角、顔を逸らしたのにすぐに呼ばれてしまい、私は向かざるを得なくなる。なんでしょう、と私は口にしながら旦那さまの方へと顔を向ける。 「もう少しするかい?」 そんなに私が物足りなさそうな顔をしていたのだろうか、旦那さまは優しいから私に訊いてくる。でも先ほどの口づけで満足した私は首を横に振った。 「いえ、もう大丈夫です。それより旦那さまの方を……」 旦那さまのが身体に当たっているから私にはよく分かる。我慢していると。私はもう満足したから、今度は旦那さまを満足させてあげなくては。 「グラエナったら律儀だなあ。折角だし、ベッドの方へと行こうか」 旦那さまがそう言って、私を抱えながらベッドへと歩いていく。お天道様が出ている時間帯からベッドに行くだなんて不摂生にも程がある。だが、そんな事を思っていても私は旦那さまの胸元から抜け出す事は出来ずに身体を委ねていた。 そしてベッドへと赴くと旦那さまが私の事を降ろす。次に旦那さまが身に纏っていた残りの衣服を放り捨てて、裸になったところでベッドの上へと乗っていく。ぎし、ぎしり、と鈍い音を響かせながら。 ベッドの空いている場所に旦那さまは座り込んでは向き合う。そうして、私に旦那さまの大事な部分を見せびらかすように股を開いていく。見慣れている筈とはいえ私は恥ずかしさのあまり目を背けたかったが、約束してしまった以上は見ざるを得ない。 「グラエナ」 旦那さまが私を呼ぶ。甘えたように、いやらしそうに。旦那さまの声を聞くなり耳はぴくりと動いては、私はごくりと喉を鳴らしながら唾液を飲む。そして次に言われるであろう言葉を待った。 「ほら、ちんちん」 旦那さまがそう言って自身の逸物を腰を使って揺する。命令された私は、厭わずに身体を旦那さまの方へと寄せていき、旦那さまの逸物へと近付いていく。 旦那さまの股に自分の顔を沈める。そうして旦那さまの逸物を両方の前脚で捉える。すると、旦那さまの逸物が見られて興奮したのかぴくりと脈を打つ。また旦那さまの逸物は、はちきれんばかりに肥大化しており、前脚からでも血管が浮き出ているのを感じられた。旦那さまの立派な逸物に、私は改めて息を飲む。しかし、いつまでも眺めている訳にはいかないので、遂に覚悟を決める。 「では、旦那さま……精一杯、努めさせて頂きますね」 私は旦那さまの逸物を前脚で挟み込んでは上下に動かしていく。旦那さまの逸物に触れるのは初めてではなくてこれまでに何回もあるが、旦那さまの逸物を扱くのはどうも慣れない。人間の手みたいに前脚で自由に物を掴めたり出来たら、きっと旦那さまの逸物にうまく触れられるであろう。しかし、現実は私の前脚ではそんな事は出来ない。 それでも旦那さまは文句は言わないし、そもそも前脚で扱いてくれだなんて言った試しはない。しかし、旦那さまのベッドの下で如何わしい本を見つけたときは人間の牝が手で扱いていたのを見てこうした方がいいのかなと思ってしている。 「旦那さま、下手でしたら遠慮なく言ってくださいね?」 きもちよくないのなら私を貶して貰っても構わない、そう思って私は旦那さまに言う。旦那さまの方は一応首を縦に振るのだが、私に文句を言う気配はなかった。でも、これと言ってきもちよさそうな反応が帰ってこないので私は不安になる。 手、じゃなくて前脚は休めずに動かし続けていく。前脚で旦那さまの逸物を離さぬようにしっかりと挟みながら前後に振っていく。ただ、振るだけでは単調になってしまうので逸物の先端を前脚の裏にある肉球を使って擦り付けてあげる。 「あうっ……」 先端部分は敏感なのもあって、前脚で触るなり旦那さまが喘ぐ。しかし、敏感なところを何回も触るのは芸がないと思われそうなので、適度に触ったところで再び前脚で挟んで扱く。そうしていくうちに、旦那さまの逸物からは透明でぬるぬるした液体が出始める。少なくとも、旦那さまがきもちよくないという事ではなさそうだった。 私が逸物を扱いていると、旦那さまが私の頭をよしよしと撫でてくれる。そして旦那さまはきもちよさげに私へこう言うのだ。 「グラエナ、きもちいいよ」 そう言われるとやっぱり嬉しくて、私はにっこりと旦那さまの方へと微笑むとともに尻尾を振ってしまう。尻尾を振るだなんてはしたない牝だと思われるかもしれないが、褒められるとやはり嬉しくて仕方がなかった。 「旦那さま、ありがとうございます」 ますます旦那さまをきもちよくしてあげたい。そう思って私は逸物を挟んでいた前脚をずらしていく。そして、旦那さまの逸物の根元を固定するように前脚で挟んでやる。 ぴくぴくと脈を打ちながら、透明液を漏らし続ける旦那さまの逸物。今にも欲求を吐き出したくて堪らないのか、旦那さまの先端部分がはち切れんばかりに膨らんでいる。 透明液が旦那さまの逸物へ垂れてきたという事もあり、私の前脚にはぬめぬめとした感触が伝わる。滑りもあってか、私の前脚で旦那さまの逸物を挟み込むのが困難となっていく。それでも旦那さまの逸物は、今か今かとぴくぴくとさせながら私からの刺激を待っていた。 一刻も早く、旦那さまを楽にしてあげなくては。私はそう思って、自分の口を大きく開けるとともに旦那さまの逸物を口の中へと含んでいった。私の歯は旦那さまのと比べると鋭いから傷つけないように細心の注意を払いながら。 「んぅ……」 逸物が私の口に入り込むなり、旦那さまが唸る。私は旦那さまの逸物に危害を加えてしまったのか心配で顔を上げると、旦那さまは大丈夫だよと呟いた。本当に大丈夫なのだろうか、と私は不安になりながらも旦那さまの逸物をぺろぺろと舐めていく。 旦那さまの逸物を舐めるのに抵抗感はないが、舐めたところで美味しいとは思えない味が口に広がる。それでも私は旦那さまの逸物を根元から先端に掛けてぺろりと舐めまわしていく。また、逸物に浮き出た血管ですら舌でなぞる。そうして時々、旦那さまの逸物から溢れてくる透明液をじゅるりと吸っては、先端部分から透明液を舐め取る。しかし、どれだけ吸ったり舐めても旦那さまの逸物から透明液は溢れてくるのだが。 「うん……いいよ……グラエナ」 旦那さまがきもちよさそうに私にぼそりと呟く。そして私の頭や背中を撫でてくれる。最初は旦那さまの逸物を傷付けてしまったのかと思ったが、悦んで頂けているようで何よりだった。 ぺろぺろと舐め回していくうちに私の身体も段々と熱くなる。特に下腹部の方が疼いてきてしまう。口じゃなくてこっちの方で旦那さまのを頂けたらな、と思ってしまう程に。 しかし、先ずは旦那さまに命令された事を達成しなければおねだりなんて出来ない。それに、旦那さまに満足して頂けなければ、私としても心苦しい。 逸物をぺろぺろと舐め回すだけであったが、今度は慎重に旦那さまの逸物を咥えていく。私の歯は鋭いので力加減に気を配りながら。そして、旦那さまのをしっかりと咥え込んだら口をゆっくりと前後に動かしていく。 「んぅっ!」 その刹那、旦那さまの身体が仰け反るが、痛がる様子はない。それを上目遣いで確認したら、私は段々と口を動かす速度を上げていく。決して旦那さまが痛がらず、きもちいいと思うくらいの速度で。旦那さまのを奉仕した事は多々あるので、それは感覚で覚え込んでいる。 その際に、口を使って空いた前脚で旦那さまの逸物の袋を触る。ふにゃふにゃと何とも言えないような感触の袋を触っては、袋に入っている玉を潰さない程度に前脚で転がしてやる。そうする事で更に旦那さまがきもちよくなって頂けるように努める。 時々、旦那さまの方を上目遣いで見る。以前に、旦那さまから上目遣いで見てもらえると興奮するとかよく分からない事を仕込まれたのもあるが、旦那さまの様子を窺う意味合いも込めてだ。痛がっていたら少しゆっくりにしないといけないし、逆に気持ちよさそうにしてなかったら多少力を入れなければならない。見れば、旦那さまはすっかり私の口淫に虜のようで、開いた口が塞がらなくなっていた。 溢れ出てくる透明液もすっかり逸物全体へと染み渡り、私の唾液も相まって逸物は根元から先までぬるぬるとしていた。そうして、旦那さまの逸物は、精液を今にも出したいと言わんばかりに主張し始めるのである。 私自身としては、旦那さまにこのまま出して貰っても構わなかった。しかし、私の事を想ってなのか、旦那さまはこう言ってくるのである。 「グラエナ……そろそろでるから、嫌だった吐き出して……」 嫌な訳がない。口の中が汚れるのは嫌ではあるが、旦那さまので満たされるのならば寧ろ歓迎であった。折角の旦那さまの気配りに申し訳ないと思いつつも、相も変わらず続行する。しかし、口を動かす速度は勿論上げていく。旦那さまの鬱憤が少しでも早く晴れるようにと。 私が口を動かす速度を上げたのもあって、旦那さまは今にも我慢の限界という表情をする。私の方はと言えば、我慢しなくていいんですよと言わんばかりに口を動かし続ける。旦那さまは私が吐き出さないと分かってか、覚悟を決めて逸物の緊張を解いた。 「う、くぅ、もう、でるっ!」 旦那さまがそう言うと、咥えていた逸物がぴくぴくと大きく脈を打った。そうして直ぐ様に、逸物からどろっとした精液が勢いよく放たれた。熱くてぷりぷりしているような舌触りをしている精液を、厭わずにごくごくと喉を鳴らして飲んでいく。 今日はいつにも増して出ているような気がする。それだけ旦那さまが我慢していたのだろうか、それとも私が旦那さまに満足して頂ける程にうまく行えたのだろうか。後者であったら嬉しいのだが、恐らくは前者であろう。 旦那さまの逸物はありったけの精液を私の口の中へと注ぐと、精液の流れがぴたりと収まる。そうして脈を打つ度に、旦那さまの逸物が段々と萎縮し始める。私は一旦、旦那さまの逸物を口の中から出しては、自分の歯や舌に纏わりついた精液を舐め取っていく。そしてある程度綺麗になったところで、旦那さまの逸物に舌を這わせていく。 旦那さまの体力を考えて、流石に連戦でする訳ではない。あくまでも逸物にしつこく纏わり付いた精液を舐め取るためである。汚れたら綺麗にしてあげるのが私の務めなのだから。 私は、根元から先端にかけてと隅々まで舌を動かしていく。絶頂を迎えたばかりで旦那さまにとってはくすぐったいのか、私が舐めてる間は逸物をぴくぴくとさせては喘ぎ声を出していた。旦那さまに申し訳ないと思いつつも、私は逸物にこびり付いた精液を余す事なく舐め取っていく。遂に、隅々まで舐めて綺麗になった頃には旦那さまの逸物は微かに固くなっていた。 「ん、ふぅ……旦那さま、終わりましたよ」 私は顔を上げて旦那さまの方を見る。旦那さまときたら、余韻に浸っているのかそれとも辛かったのか、身体を仰け反らせながら天井を仰いでいた。私の声で反応してか一息吐くと、私の方へと顔を向けては微笑む。 「グラエナ、ありがとう。とても良かったよ」 そうして旦那さまが私の頭だけでなく頬まで撫でてくれる。終いには私のお腹も撫でてくれた。こんなに撫でてくれるとなると、逆に旦那さまに申し訳ない気がしてくる 「い、いえ。旦那さまの命に従ったまでです」 一時はちんちんなんて言う命令が飛んできてどうなる事やらと思ったが、満足して頂けたのなら私も嬉しい。ましてや、沢山撫でてくれるなら尚更である。 しかし、旦那さまには申し訳ないが撫でてくれるだけでは物足りない感じしかしない。普段なら別に撫でて貰うだけで満足出来るのだが、淫行を終えた後なら話は別である。今だって、お腹を撫でて貰っている手がもう少しだけ下の方へと動いてくれればいいのにと思ってしまう。 しかし、旦那さまにそれを頼むのは憚れる。私は旦那さまの忠実な僕であるから、旦那さまに頼むだなんて身分違いも甚だしい。もっとも、旦那さまは私の事を生涯の伴侶だと仰ってくれているのだが、私がポケモンである以上は人間である旦那さまの伴侶にはなれない。 十分に撫でると旦那さまの手がぴたりと止まっては、私の身体から離れていく。私は名残惜しいと思いつつも旦那さまの手を横目で見ていた。 「グラエナ」 旦那さまに呼ばれたので、はい、と受け答えする。私の目が旦那さまの目と合わせると、旦那さまが口を開いてはこう言う。 「まんまん」 旦那さまが真顔でそんな事を言うものだから、私は聞き間違えたのかなと思ってしまう。私は耳が良いから聞き間違いなんて普通はしない筈なのだが。 「あの、失礼ですけど今なんと仰ったのですか?」 「まんまん」 どうやら聞き間違えでは無かったらしい。しかし、まんまんなんて命令は初めてで何をしたらいいのか分からなくなる。もしかして、ちんちんみたいに旦那さまから無茶振りをされているのだろうか。 私は冷や汗が背中から流れていくのを感じた。旦那さまに対して何か言った方が良いのか、それとも何か行動した方が良いのか分からなかったからだ。苦笑いするも、旦那さまは今にも待っているかのように、私をじっと見つめたままだった。だから尚更困ってしまう。 私は止むを得ず、旦那さまが考えそうな事をした。ちんちんがあれだったから今度はきっとこっちなんじゃないかと思いながら、私は先ずは旦那さまにお尻を向けた。このままお尻を向けるのは旦那さまに失礼なので、ごろんっと横になる。そして仰向けで無防備な姿を旦那さまに曝け出すとともに、後ろ脚をなるべく拡げては股を見せるようにしていく。 「あ、あの、これで宜しいでしょうか、旦那さま……?」 自主的にやったとはいえ、私は頬に熱がどんどん溜まっていくのを感じた。これで外れていたら恥ずかしいのにも程があるし、合っていたとしても旦那さまに恥部を見せつけているのもあって結局は羞恥心から逃れられない。 「うん、やっぱりお利口だね、グラエナは」 旦那さまからお褒めのお言葉を頂いて、一旦私はありがとうございますと返す。だが、褒められても嬉しいどころかより一層恥ずかしくなるのが本音であった。 仰向けになった事もあり、この体勢だと見られたくないところまで見られている気しかしない。現に旦那さまが私の身体を舐めるように見てくる。私の胸元やお腹、そして秘部のあたりを入念に眺めるのである。ポケモンである私は、人間と違って普段から裸であるから身体を見られる事に抵抗感なんて無い。だが、状況が状況であるし、加えて恥部をまじまじと見られると話は変わってくる。 ただでさえ頬が熱かったのに、今度は身体まで熱が集まっていく。特に下腹部の付近がじんわりと熱くなっていくのを感じる。これ以上見られると恥ずかしさでどうにかなってしまいそうだから今にも股を閉じてしまいたい。だが、旦那さまの命に背くと思うとなかなか閉じるに閉じられない。 「グラエナの身体、美しいよ」 「……私には勿体無いお言葉を、ありがとうございます」 旦那さまにそう言われてお礼を言う。嬉しいのだが、私の身体なんて飽きるくらいに見ているというのに旦那さまはよくもそんな言葉を口に出せるなと思ってしまう。それに私は野生の仔たちと比べると、運動量は少ないのもあって、太ってはいないがある程度は肉が付いていて華奢だなんて到底呼べない。そんな私を美しいと言ってくれる旦那さまは私に盲目なのにも程がある。 私の身体を眺めた後に旦那さまは私のお腹に手を置く。そして私の体毛をわさわさと掻き分けていく。くすぐったいと思った私は声を上げてしまう。しかし、それが却って旦那さまを煽ったのか、今度は私のお腹の揉んでくるのである。 「だ、だんなさま……んぁ」 撫でられるのは慣れているが、揉まれるのは慣れていない。それもあってか、きもちいいのかこそばゆいのかよく分からない気持ちが満たされていく。お腹を揉まれるくらいに贅肉が付いているとなると痩せなきゃいけないと思うが、そんな矢先に旦那さまが言ってくる。 「ふふ、適度に柔らかくてちょうどいい肉付き加減だよ」 旦那さまの口元が綻びている。もっと私の身体を弄り倒してしまいたいとでも言いたげに。旦那さまに逆らえない私は何も言えない。ただ、口からは喘ぎ声が漏れるだけ。 お腹を一通り揉んだ後、今度は私の胸元へと伸びてくる旦那さまの手。そこで、私の胸元を手のひら全体を使って撫でてくる。単に撫でられるのはいつも褒めて貰ったときにして貰っているから慣れている。でも今の旦那さまの手つきは、単に撫でるのを目的としたものではない。何か、目当てのものを探るような手付きだった。 旦那さまが探そうとするものだなんて予想は付く。だが私は場所を言わないで黙っておく。旦那さまに見られるのには慣れているが、自分ではあまり自信がない部位で恥ずかしいので出来れば目に触れてほしくない。 でも私が黙り込んでいても体毛をわさわさと掻き分けていけば見つかってしまう。旦那さまは見つけるなり、指先で軽く触れて弄っていく。 「ぁ……や、やぁ……」 下腹部を弄られるより敏感に反応してしまうかもしれない。私のそこは人間みたいに弄りがいがあるものではなくて、単に器官でしかないのに旦那さまは触れてくる。おまけに自分で弄ることなんてちっとも無く、旦那さま以外にはろくに触られたこともないのもあって刺激にはとても弱い。 「グラエナのおっぱい、小さくて可愛い」 旦那さまはそう言って私の乳房を揉んでくる。しかし、ニドクインやミルタンクのと比べると私のは膨らみなんてものはない。あるとしたら豆みたいな乳首が胸からお腹にかけて複数あるだけである。なのにも拘らず、旦那さまは私のをわざわざ手のひら全体を使って揉んでくるのである。揉んでいるというよりは擦っている、そう表現した方が良いであろう。 「旦那さま、私の弄っても楽しくな――」 楽しくないですよ、と言おうとした矢先に旦那さまが私の乳首を摘んできて言葉が出せなくなる。ぴりっと電気でも走ったかのような刺激によって、私は身体をびくっと震わせてしまう。そんな私の姿を見て、旦那さまはにやりと笑っていた。 「ぁあっ!」 つい口をあんぐりと開けて喘いでしまう。そんな私の反応を見て愉しんでいる旦那さまは意地悪だ、と思わざるを得なかった。旦那さまは私が乳首を弄られるのに弱いというのを知りながら、わざわざ弄ってくるのである。 旦那さまは私の乳首を指先で弾く。そんなことをされて反応してしまったのか、私の乳首は段々と固くなっていく。それ故、余計に旦那さまの遊び道具になってしまう。これ以上弄られたら私はどうにかなってしまいそうだった。 だが現に私の下腹部はもうどうにかなっている。旦那さまに乳首を弄られて、肝心な部分は全く手を付けて貰ってないというのに。下腹部がじんわりと熱くて、そして疼く。今頃はきっと、下品にも愛液を垂らしてしまっているであろう。 乳首だけじゃなくてこっちも弄って欲しい、そう思ってしまった私はきっともう旦那さまの思惑通りに違いない。挙げ句の果て、私は辛抱ならずに尻尾の先で擦ってしまおうと考えてしまう。旦那さまの前で自慰をするだなんて本意ではないが、このままだと火照る身体を放置していたら余計に可笑しくなってしまう。 私は旦那さまに知られずに尻尾の先を自分の下腹部へと近付けていく。そうして毛先で秘部を擦ろうと思った。その矢先に、乳首を弄っていた筈の旦那さまの手がいきなり伸びてきて尻尾を掴んでくる。あまりにも唐突であったから、私は思わずびくっと心臓が止まるくらいに反応してしまった。 「ひゃっ!」 自分でも可笑しいと思うくらいに素っ頓狂の声を出してしまう。尻尾が視界に入っていないと思っていたのに、旦那さまに気付かれるとは思いもしなかった。旦那さまはこちらの顔を見下ろしては言ってくるのである。 「……グラエナ、何か言うことは?」 怖い。旦那さまは怒ってるような様子ではないのだが、今にも私の事を怒鳴ってきそうな雰囲気がひしひしと伝わってくる。そんな気迫に負けて私はつい謝ってしまう。 「……ごめんなさい」 「違う、僕が聞きたいのは謝罪の言葉なんかじゃないんだよ」 私が謝っても旦那さまは、不服そうな顔を浮かべて顔を横に振る。私が勝手に自慰をしようとした事に対して謝って欲しい訳じゃないならばどうすれば良いのだろうか。私は逆に困った顔をして、終いには涙がこぼれ落ちそうになる。 「グラエナ、何かして欲しいんじゃないの?」 すると、旦那さまが私に訊いてくる。そう言われて、旦那さまは私が独りで愉しもうとしていたのに対して怒っているのだと分かった。しかし、局部を弄ってくださいだなんて面と向かって言える訳がない。だから私は、 「い……弄ってください」 「どこをだい?」 と旦那さまに言う。しかし旦那さまは意地が悪いのか、分かっているのに知らない風を装って訊いてくるのである。私の口からはっきりと言うのを待っているだなんて、旦那さまも人が悪い。 「うう……旦那さまは意地悪です……。私のここを弄って下さい」 私は前脚で秘部を指し示しながら言った。すると流石の旦那さまもしらばっくれるなんて事はせず、分かったと私に言った。きっと旦那さまは私を苛めるのを愉しんでいるに違いない。でもそんな私も旦那さまに苛められて興奮している立場だから何も言えないのだが。 旦那さまの指が漸く私の秘部へと伸びていく。仰向けになってから折角、後ろ脚を広げて待っていたというのに、触って貰うまで大分遠回りしたと思う。 旦那さまの指が私の秘部へと触れる。先ずは傷を付ないように優しく触っていく。そうして、旦那さまが指先で私の秘部の入り口を拡げていく。私の灰色の体毛とは対照的な淡い桃色を目にするなり、旦那さまはこう言う。 「グラエナのここはいつ見ても綺麗だね」 そうしてにっこりと笑う旦那さま。私の方はと言えば恥ずかしいのあまり、顔を前脚で覆い隠してしまいたくなる。その上、旦那さまは私の秘部から溢れてくる露を掬い取っては指先で舐める。 「グラエナったら、胸を弄っただけでこんなになってたんだね」 そんな風に言われると、あたかも私が淫乱なんじゃないかと言いたげに受け取れる。しかし、実際にそうなっているのだから私は反論出来ずにいた。 「ごめんね、グラエナ。随分と我慢させちゃって」 しかし、今度は旦那さまが謝ってくる。お気になさらずに、と私が返そうとした矢先にびりっと身体に電流でも流れたかのような感覚がほとばしった。 旦那さまが指を私の蜜壷へと入れたのである。そうして、指をゆっくりと前後に動かして私をきもちよくさせてくる。身体が欲っしてやまなかった快感に私は従順となり、私は前脚と後脚をぺたんと寝かせてしまう。それで、私は旦那さまに敵意が無いというのを示してしまうのである。旦那さまの好きにして下さいと。 旦那さまは私がこんなに身を任せるとは思っていなかったのか、私の姿を見てくすっと声に出して笑った。そして、旦那さまはこう言ってくる。 「今、楽にしてあげるからね」 その刹那、旦那さまの指が私の蜜壷の中で蠢く。私を満たそうと忙しく動くのである。身体の中から触られてるような感覚は慣れないものの、私は気持ちよくさせるのには十分であった。 旦那さまの指が動く度に私の蜜壷からは愛液が溢れてくる。くちゅ、にちゅ、ぬちゅり、と下品な音を奏でながら。そんな音が出る程であるから、きっと旦那さまのベットの綺麗なシーツを汚してしまっているに違いない。行為が終わったら旦那さまに謝らなくては。 旦那さまの指先には、すっかり私の愛液が纏わりついている。纏わりついた愛液が潤滑油の役割を果たし、旦那さまの指が私の蜜壷に出入りするのは容易となっていた。 「んっ、ぁ……」 旦那さまに顔をじっと見られながら弄ばれている。私は恥ずかしくなって前脚で自分の顔を覆い尽くしてしまおうと思った。しかし、旦那さまがそうはさせまいと言わんばかりに私の前脚を片方の手で押し付けてくる。もう片方の前脚は空いているから隠そうと思えば出来るが、旦那さまにするなと言われているようでする気になれなかった。 旦那さまは優越感に浸っているのかどうかは知らないけど、にやけた顔をしている。私は旦那さまと比べて力があるから、いざという時に蹂躙してしまえばいい。だが、主従関係を考えればそうするのはなかなか憚れるし、身体中に巡る快感にそんな気にはなれなかった。 旦那さまに蜜壷を掻き回されて私の身体はすっかり熱くなっている。全身からは汗が滲むとともに、喘ぎ声に紛れて漏れる吐息にも熱がこもる。湯気にはならないものの、今の自分ならば火の粉程度なら繰り出せそうだった。 私の蜜壷は愛液を垂らし続けたのもあって、ぐちゅ、にちゅり、と水っぽい音がうるさくなっていく。それに伴い、私の鼻にはいかがわしい匂いが刺激してくる。旦那さまのならば別に気にしないのだが、自分のだとなると不快でしかなかった。 「グラエナったらもうこんなにぐしょぐしょだよ」 旦那さまが一旦、蜜壷から指先を引き抜くなり私に自身の手を見せびらかしてくる。私の愛液をべったりと付けてすっかりふやけた手を。旦那さまの手をこんなに汚してしまったと思うと申し訳なくなる。 「……ごめんなさい」 そして私は謝る。謝るのだが、旦那さまはそれに対して反応してか、機嫌が悪そうな顔を浮かべる。 「グラエナ、謝るんじゃなくてどうするんだっけ?」 旦那さまに言われて、先ほどは謝る場面ではなかったと認識させられる。そして私は言い改める。 「だ、旦那さま、私のここをもっと慰めてください……」 旦那さまにお願いするだなんて気が引ける。だが、旦那さまのご好意を無下にするだなんて出来ずに私は後ろ脚を拡げてはこう言う。 私がお願いした事により、旦那さまはにこっと笑う。そうして私にこう言ってくるのだ。 「グラエナはもっと素直にならないと。僕のお願いばかり聞くんじゃなくて、僕にお願いしたってもいいんだよ」 「……は、はい。旦那さま」 肯定したとはいえ、私の性格と旦那さまとの関係を考えると難しいものがある。旦那さまがそう言ってくれるだけで私は嬉しいし、旦那さまのお願いを聞いて喜んで頂けるだけで幸せである。それ以上は別に望まないのに。 旦那さまの顔が私の秘部へと近付いてくる。決して綺麗ではない筈の部位にわざわざ顔を寄せてくるだなんて、私は後ろ脚を閉じてしまいたくなる。きっと匂いも強烈だと思うのだから。だが時は既に遅し、旦那さまの顔が私の股へと沈んでいた。 旦那さまに秘部の匂いを嗅がれて、秘部の輪郭をまじまじと見られていると思うと恥ずかしさのあまり気が気じゃなくなりそうだった。ポケモンである私は秘部を見られるのに他愛もない筈なのに、こんなにも直視されるとなると顔が熱くて堪らない。 恥ずかしさのあまり蒸発でもしそうな私に対して、旦那さまは秘部を見てすっかり夢中と言った様子であった。旦那さまがどんな表情をしているのかはこちらでは見えないが、少なくとも嫌悪感を示してはいなかった。その証拠に、 「んあっ!」 旦那さまにぺろりと秘部を舐められる。一舐めするだけならまだしも、どんどん舌を使っては秘部を隈なく舐めてくるのである。流石の私も耐えきれずに前脚でシーツを引っ掻いては皺を寄せてしまう。 旦那さまに一刻も早く口を離して欲しかった。しかし、自分の口からは旦那さまを止める台詞は出てくる事は無く、甲高い喘ぎ声ばかりが出てきてしまう。旦那さまに五月蝿い、と言われてしまうかもしれないが私は出さざるを得なかった。また、後ろ脚はもう自分の言う事を聞く気がないらしく、開きっぱなしであった。 じゅる、じゅるりと旦那さまが、秘部から溢れてくる私の愛液を音を立てながら飲んでいく。ただでさえ私の汚い所を舐めて貰っているのに、更に汚れて淀んだ液体を飲ませていると思うと申し訳なくなる。申し訳ないと思っていても、身体は従順なようで快感に委ねてしまう。 旦那さまにぺろぺろと秘部を舐められてどうにかなりそうだった。目の前の光景がぐらぐらとしているし、嗅覚に至っては愛液やら汗やらが混じった異臭によってまともに機能している気がしない。確かなのはこの身体中に駆け巡る快感だけだ。 「ぁ、あっ! だんな、さまぁっ!」 自分でも信じられないくらいに甘えた声色が出てくる。そんな私の嬌声を聞いてか、旦那さまが私の蜜壷に舌先を入れてくる。だから余計に私は、喘ぐ事になってしまう。 旦那さまに舐められるのは嫌だった筈なのに、今はもっとして欲しいと思ってしまう。尻尾は自分の気持ちを露呈するかのようにゆさゆさと揺れ、後ろ脚に至っては無意識で旦那さまを逃さぬように挟み込んでいた。心よりも身体はずっと正直であった。 旦那さまは私の蜜壷に入れた舌を使って肉壁を舐めていく。愛液だけでなく恥垢まで舐められているとなるとあらかじめ綺麗にしとけば良かったと自責の念に駆られる。わざわざ汚いのを舐めさせるだなんて。 旦那さまの舌が私の蜜壷に出入りしてくる。旦那さまの逸物と比べると小さいが、私をきもちよくさせるには十分であった。旦那さまの舌が蜜壷の中で蠢く度にびく、びくっと身体には電気でも走るかのように刺激が流れる。 募っていく快感に、私の身体はもう我慢出来なくなっていく。このままだと、旦那さまに向けて盛大にかけてしまう羽目となる。 「だんなさま、もうくちをはなしてくださ――」 私の言葉を遮るように、旦那さまが私の蜜壷の奥深くまで舌を入れてくる。そのせいで、私は最後まで言葉を紡ぐことが出来なくなる。それだけでなく、喘ぎ声を出さざるを得なくなる。 終いには、旦那さまは蜜壷から舌を出して、突起を責めてくる。丁寧に舐めた後に、舌先をぐりぐりと押し付けてくるのである。敏感な部分を舐められるとなると耐えられる筈が無く、私は我慢出来ずに絶頂を迎えた。 「ぁあああっ!」 部屋中に響き渡る程の甲高い声で叫んだ後に、蜜壷からはぷしゃあっと噴水でも湧き出るかのように愛液が飛び散る。下腹部から全身には伝ってきもちいい感覚に満ち溢れる事になる。 旦那さまは口で愛液を受け止めていたのだが、幾らかは旦那さまの顔にかかることとなってしまった。じゅるると溢れてくる愛液を吸ってはごくりと喉を鳴らしながら厭わずに、ましてやおいしそうに飲んでいく。 私は絶頂を迎えたのもあって、ぐったりと四肢をシーツの上へと投げ出していく。加えて、息苦しさで息を切らしながら口で呼吸をしていた。 絶頂を迎えてから時間が経つにつれて身体からは快感が薄れていく。それに伴い、蜜壷から溢れる愛液の流れが止まっていく。旦那さまは自分の顔を手で拭うと、愛液にまみれた私の秘部を舌でぺろぺろと舐めて綺麗にする。旦那さまに綺麗にして頂くだなんて気が引けるし、この後の事を考えるとしなくても良いと思ったが、荒げた吐息が出るばかりで声が出なかった。 絶頂を迎えたばかりに舐められるとくすぐったいようなこそばゆい感じがする。私がまだ落ち着いてないのを気にしてか、旦那さまは優しく舐めてくれる。愛液を一通り舐め終わると、旦那さまは顔を離す。 「きもちよかったかい?」 旦那さまは先程まで私の汚れを拭っていたというのに、不快感なんて一切顔に出さずに爽やかな笑顔で私に訊いてくる。 「……はい、とっても」 こくんっ、と頷いた後で落ち着いたのかやっと自分の口から声が出てきた。しかし、身体の方はと言えばまだ気怠さが残っていた。この調子だと起き上がるのもちょっと一苦労そうだった。旦那さまよりは体力がある筈なのだが、この時ばかりは動けそうになかった。 「それは良かった。でも満足はしてないんだよね?」 穏やかな笑みを浮かべたまま、旦那さまがそう訊ねてくる。私は首を縦に振るか振るまいか悩んだが、結局は辛抱ならず振ってしまった。 「ですけど、旦那さま、私、ちょっと身体の自由が効かなくて……」 「それは大丈夫だよ、グラエナ。グラエナの代わりに僕が動いてあげるから」 旦那さまがそう言うと寝そべった私に自分の身体を寄せてくる。そうして身体をくっ付けると、私の秘部へ旦那さまの逸物を当ててくる。旦那さまは逸物の先端部をすりすりと擦り付けては、秘部に透明液を塗りたくっていくのである。 私はごくりと唾を飲んで、旦那さまの逸物が私の中へと入り込むのを待っていた。しかし、旦那さまはなかなか入れようとはせずに私の秘部に逸物を擦り付けるだけであった。 「あの、旦那さま?」 私は変だと思って旦那さまに言う。すると旦那さまは待っていましたと言わんばかりにこう返してくるのである。それもにやりと笑みを浮かべながら。 「グラエナ、何か言うことは?」 あくまでも旦那さまは私の口からある一言が聞きたいらしい。そこまでしないと、私に旦那さまの逸物は下さらないようであった。私は少し頬を膨らませながらこう言う。 「旦那さまったら、ほんとに意地悪です」 「好きな仔には意地悪をしたくなるものだから、仕方ないね」 好きな仔と言われて悪くはない。悪くはないのだが、やっぱり旦那さまは好き者だと思ってしまう。それはまあお互いさまなのだが。 私は一旦深呼吸しては旦那さまの顔を見据える。そして前脚で自分の秘部を示してはこう言った。 「……私のここに、旦那さまのをください」 「いいよ、グラエナの望み通りにしてあげる」 旦那さまはにっこりと笑うと、私の蜜壷へ自身の逸物をゆっくりと入れていった。旦那さまの指と比べると遥かに大きい旦那さまの逸物。それが私の中に入り込んできて苦しいようなきもちいいようなどちらともつかない感覚に満たされていく。でも、無意識に尻尾の先をぱたぱたと揺らしてしまうのを考えれば、恐らくは前者であろう。 そして旦那さまの逸物が私の奥まで入り込む。私は自分の下腹部を見てみると、旦那さまの逸物をしっかりと飲み込んでいた。旦那さまと繋がっているだけで私は満たされた気分になる。だが、身体の方はと言えば次に来るであろうものを求めている。 旦那さまは私を心配して大丈夫かい、と訊いてきた。それに対して私はこくりと頷いた。そうして旦那さまの腰を動かすのを待っていた。だが、旦那さまはなかなか動こうとはしない。旦那さまの方が大丈夫じゃないのかなと思った私は旦那さまの顔を見上げる。 「グラエナ、次に言うことは?」 目と目とが合った瞬間に旦那さまがそう言ってくる。そういうことか、と思った私は恥ずかしながらもこう言った。 「あの、その……私の中、旦那さまのでいっぱい掻き乱してください」 その台詞を聞いた旦那さまはにこっと笑った。そして、私に向かって何度も腰を打ち付け始めた。その刹那、私の身体には快感が巡っていく。下腹部から脚の先、頭の先まで隅々まで行き渡るのである。あまりのきもちよさに私は声を上げる。 「んぁっ、だんなさまっ!」 旦那さまが腰を動かす度にずぶ、ずちゅ、と卑猥な音が結合部から聞こえてくる。ベッドが鈍く軋む音でさえもだ。それらの音を聞いているだけでも私が旦那さまと身体を重ねているのだと実感できる。 何度も突かれていく私の中。旦那さまので激しく突かれて私の身体は悦んでしまっている。顔の力もすっかり抜け切ってだらしない表情をしているあたり、きっと旦那さまにはしたない牝だと思われてしまっているかもしれない。 「グラエナの中、僕のを締め付けてきてきもちいいよ」 腰を動かしている合間に旦那さまがそう言ってくる。現にそうであった。私の中に入り込んできた旦那さまのを逃さないように肉壁が締め付けているのである。その締め付けを掻い潜って、旦那さまのは私の奥まで突き刺すのである。突かれる度にお腹が抉られるような感覚が走るのだが、痛みよりかは快感の方が身体へと流れている。 「いっ、あっ、んぅっ!」 旦那さまの逸物が沈められる度に、自分でも何を言っているのか分からない言葉を発する。あまりのきもちよさに声を出さずにはいられないのだ。ぐちゅ、ぐちゅ、と私の中を掻き混ぜられて、愛液をシーツに垂らすだけでなく、口からは下品にも涎が垂れて汚していく。 旦那さまの方はと言えば、すっかり夢中になっている様子であった。私の蜜壷に幾度となく逸物を入れては、吐息を漏らす。逸物で突く度に乱れる私の姿を眺めてるのもある所為か、旦那さまは口元を釣り上げている。そうして時々、旦那さまはこう呟くのである。 「グラエナ、かわいいよ……」 あちこちに愛液を飛び散らして、涎は垂らすわでこんなはしたない姿の何処が良いんだろうか、だなんて旦那さまに訊きたくなる。だが、旦那さまの巧みな腰使いによって、私の口からは嬌声しか出なくてそんな余裕なんて無かった。 旦那さまの手が私のお腹へと置かれて、わさわさと弄られる。乳首やらお腹やらを触ってくるのである。ただでさえ、私には余裕が無いと言うのにそんな風にされると余計に無くなっていく。 お腹を撫でていたと思ったら、豆粒のような乳首を摘んできたりと旦那さまは意地悪をしてくる。意地悪をされているのに悦んでしまう私。もっとして欲しいと思ってしまうのだ。そんな私の思いを旦那さまは汲み取ったのか、両手を使って弄り始めていく。硬くなった乳首を摘んだり、指先でぴんと弾いてくるのである。 「んあっ、ぃいっ」 変態だ、と思う。旦那さまがじゃなくて私が。私はポケモンなのに、人間がするように乳首を弄られて悦んでしまっているのだから。こんな事をされていたらもう相手が旦那さまじゃないと満足できない気がするどころか、旦那さま無しじゃいられなくなる。もっと旦那さまに弄ばれたいと身も心も感じてしまうのだ。 「ぁはっ……、だん、なさまぁっ……」 私の瞳に映る旦那さまを呼びながら、全身に駆け巡る快感に身を委ねる。旦那さまの方はと言えば、片方の手を使って私の頬を撫でてくる。そうして旦那さまは上体を倒していき、やがて旦那さまの顔が私の顔と目と鼻の先の距離となる。 何をするんだろう、と思った矢先に旦那さまは私の口を奪ってくる。乱暴に舌を捩じ込んできて、私の口内を乱していくのである。下の口だけでなく上の口も旦那さまと繋がってはめちゃくちゃにされていく。それなのに私は不快だなんて一切思わなくて、しあわせだと思ってしまう辺りが重症だった。 私はろくに力が入らなくて旦那さまに委ねるばかりだった。本当だったら負担を掛けないためにも旦那さまに私がしてあげる事なのに任せっきりになってしまっている。舌で蹂躙されるのも逸物で思いっきり突かれるのも何もかもがきもちよくて動く気になれない。そうして愛しい旦那さまの顔が目の前にあって、私はもうこのまま溺れてしまっていいやと感じてしまう。 現に旦那さまにきもちよくされて私の身体は段々と限界へと近付いてくる。このままだと私は独りで果ててしまうから、私は旦那さまに目で訴えかける。すると旦那さまは一旦、私の口から自分の口を離してこう訊いてくる。 「いきそうなのかい?」 言葉を出せそうにない私はこくんっ、と首を振る。すると旦那さまは分かった、と言うなり私の中へ逸物を激しく沈み込めせてくる。ただでさえきもちいいのにますますきもちよくなっていくので、私はもう口から嬌声を上げているつもりなのに声が出なかった。 旦那さまと私の身体とがぶつかる音が煩くなるとともに、ベッドの軋む音さえもけたたましいものとなっていく。下手すればベッドが壊れてしまうかもしれないくらいに。いや、ベッドよりも私の方が先に壊れてしまうだろうか。 何度も旦那さまは私の膣奥を激しく打ち付ける。そして、私の身体は旦那さまの逸物から出てくるであろうものを今か今かと待ち望んでいる。旦那さまとの間に子を授かる事は可能かどうか知らないが、私の身体は受け入れる体勢が万全であった。 「ぐら、えなっ!」 そうして、旦那さまが私を呼んで最後に私の奥深くまで逸物で突いた。その瞬間に、私は心身ともに突き抜けるような衝撃に襲われて身体をぴくぴくと震わせた。まるで麻痺したかのように。 旦那さまの逸物から精液が溢れ出てきて、私の膣内にどくどくと注がれていく。びゅくびゅくとでも言ってそうに旦那さまの逸物は私の中で大きく脈を打っていた。それで旦那さまも絶頂を迎えたのだなと分かった。 私の中は旦那さまの熱い精液で内側から火傷をしているような感じだった。だが火傷をするほどまでには至らないし、何よりも温かった。旦那さまので身体が満たされていると思うと嬉しくなる。 旦那さまは疲れ切ったのか前のめりになって倒れていく。私はすかさず旦那さまを前脚で受け止めた。旦那さまの体重で潰されはしないのだが、旦那さまは慌てて私の横へと倒れこんだ。その際に、栓となっていた逸物が猥褻な音を立てては抜ける。 逸物が抜けた事で私の中に注がれた精液が外へと溢れ出していくのを感じた。どれくらいの量を旦那さまに注がれたのかは分からないが、漏れるという事は結構あったと思う。私は旦那さまの精液を出してしまうのが心苦しかったが止める術はなかった。 「ふぅ……はぁ……」 旦那さまの顔が横に来た事で旦那さまの吐息が私にふりかかる。結構、無茶をなさったのか旦那さまの息遣いは荒かった。私の方も、息は乱れているものの旦那さま程ではない。私は少しでも旦那さまが楽になればいいなと思って、前脚で身体を摩る。すると、旦那さまからはありがとう、とお礼の言葉が出てきた。 正直、ありがとうと言わなければならないのは私の方である。本来ならばポケモンである私の方が体力あるのだから私が動かなくてはならなかったし、そして何よりもきもちよかった。絶頂を迎えたときの快感は段々と薄れてきたが、その時の余韻はまだある。 「旦那さまのお陰でとってもよかったです。だけど、旦那さまに負担を掛けてしまって申し訳ないです……」 「グラエナ、僕が好き好んでやった訳なんだから謝る必要はないんだよ」 私がそう謝ると、旦那さまは不機嫌な顔を浮かべてはこう言ってきた。またやってしまった、と思わざるを得なかった。私の性格上、どうしても謝ってしまう。さっき散々旦那さまに言われたというのに。旦那さまに呆れられるだろうか、そう思った矢先に、 「まあ、グラエナが良かったって言ってくれたならいいや」 その後で旦那さまはにっこりと笑う。その笑顔に私は胸の奥が熱くなるとともに、申し訳ない気持ちで一杯になっていく。旦那さまが私に精一杯尽くしてくれた事、そして何より――。 「……あの、旦那さま、どうして私なんですか。私、旦那さまの番いとして相応しくないです。なのに、旦那さまとこんな事をしてしまって……」 自分なんかが旦那さまの番いであること。こんな私を旦那さまが選んでくれただなんて間違いにも程がある。旦那さまにはもっと相応しい方が居ると思うし、何なら私は番いじゃなくて旦那さまの奴隷の方が相応しいだろう。 「グラエナは僕の事が好きかい?」 「好きです……いえ、好き以上に私は旦那さまを愛してます」 旦那さまは私の質問に答えようとはせず、代わりに私に質問を投げ掛けてきた。それに対して私は直ぐに返事をした。 だが、あまりにも出過ぎた事を言ってしまったと、私は口に出した後で自分を叱りたくなった。でも旦那さまは私の口に軽く唇を重ねた後にこう仰ってくれる。 「ならいいじゃないか。僕もグラエナの事をとっても愛してる。お互いに愛しているのだからそれ以上の理由が必要かい?」 いらないです。そう答えようと思ったのに、私の言葉は喉でつっかえて出ようとしなかった。代わりに出てきたのは受け身の言葉であった。 「でも私はポケモンで、旦那さまは人間なんですよ……?」 私がそう言うと、隣で寝そべっていた旦那さまは上体を起こしては立ち上がる。何をするのだろうと思って、私も身体を起こしてベッドの上から旦那さまを見る。旦那さまは棚へと向かうと、引き出しからある箱を取り出した。そうして私の元へ戻ってくる。 「ほら、これでどうだい?」 「あのなんですか、これ?」 いかにも高そうな物が入っていそうな箱であった。私が何なのか訊くと、それを旦那さまは開けては中身をみせてきた。入っていたのは指輪にチェーンを通したネックレスであった。そんなものを私に見せてくるだなんて一体なんであろう。 「結婚指輪ならぬ結婚ネックレスだよ。ほんとはもう少しで記念日だからその日に渡したかったんだけど」 私が人間のように指輪を付けられないからってわざわざネックレスにするだなんて、旦那さまは人が良いの程がある。 「そ、そんなのを頂くだなんて……。それに、記念日って何のですか?」 記念日と言われても何の事だか分からない。私は自分自身の誕生日は知らないし、旦那さまの誕生日もまだ数ヶ月は先だから思い当たる節がない。 「それはね、僕と君が初めて出逢った日だよ」 「あ……」 言われてから気付く。そういえば、そろそろその日であったと。そんな大事な日を忘れているだなんて私はなんて薄情なんだろうか。私は自分を責めたくなるのだが、旦那さまが間髪入れずに話を続ける。 「僕は君と一生居たいんだ。人間だとかポケモンだとか関係なしに」 そう言ったときの旦那さまの頬は真っ赤となっていた。普段はふざけてくる旦那さまでも、本気であると雰囲気がひしひしと伝わってくる。 私なんかで本当に良いのだろうか、と思ってしまう。だけども、私が旦那さまを想う気持ちはきっと誰よりも勝るだろうし、旦那さまも私を受け入れてくれるならもう遠慮する必要なんて無い。だから私は緊張で震えながらも頑張って声に出すのだ。 「わ、私もです。旦那さま」 「本当かい? じゃあ、これを受け取ってくれるね?」 私の気持ちを伝えると、旦那さまは満面の笑みを浮かべては次にそう訊ねる。指輪を受け取るのに特別な意味がある事を、ポケモンである私でも知っている。ポケモンの私なんかが本来なら受け取ってはいけないが、旦那さまと添い遂げたい自分の気持ちは偽る事は出来ない。だから、私は口を開く。 「はい、旦那さま」 そう言うと旦那さまは私に軽く口づけをしてくれる。それで思わず、私は恥ずかしさと嬉しさで尻尾はぱたぱたと振ってしまった。 口を離すと旦那さまは私にネックレスを付けようとしてくれる。だから私は旦那さまが、ネックレスを付けてくれるのをじっと待っていた。しかしその際に、旦那さまの指にある傷痕が目に入ってしまった。旦那さまに拾ってもらったときに、私が噛んでできてしまった傷痕が。 「よく似合うよ、グラエナ」 ネックレスを付けて貰って、旦那さまからはお褒めの言葉を頂いたのは良いが、幸せな気分にはなれなかった。それよりも罪悪感が私の心を蝕んでいく。元はと言えば、私は旦那さまを傷付けてしまったのが全ての始まりだと。 「……旦那さま、指の傷痕は今でも痛みますか?」 私は思わず、旦那さまに訊いてしまった。旦那さまはああ言ってくれたものの、本当は私の事を恨んでいるのではないかと。傷痕を付けた事に対して赦したくはなくて、私を一生縛り付けたいのだと。 「全然。寧ろ嬉しくなるかな」 指に残った傷に目をやりながら、旦那さまは嬉々として私の質問を返した。旦那さまの反応に、私は思わず目を丸くしてしまった。傷痕が痛まないのなら良いとして、どうして嬉しくなるのかと。消えない傷が残ったら普通なら嫌になるのではないだろうか。 「どうしてですか。私、酷いことをしてしまったのに……」 本当だったら旦那さまに再び捨てられても可笑しくないくらいに酷いことをした。あるいは私がしてしまったように旦那さまに傷を付けられても構わないくらいだった。私がそう言うと、旦那さまは私の頭を撫で、そうして頬を撫でながらこう答えていく。 「傷痕を見るたびに君と出会った事を思い出すしさ。この傷はグラエナとのかけがえのない思い出みたいなもんだと思ってるよ」 そう言われて、私は先程までの考えが馬鹿だったと思った。私の勝手な思い込みであったと。旦那さまに私を恨む気なんてさらさら無いのだと。 「それでも、あの時はごめんなさい……。旦那さまが望むのならあの時の償いはなんでもしますので……」 しかし、私の心は自分を赦していなかった。旦那さまを傷付けた、その事実は何があっても変わらないのだから。旦那さまにだって私をどうこうする権利がある。 「グラエナったら律儀だなあ。それじゃあ僕からはひとつだけ。これからもずっと僕のパートナーとして傍にいること、いいかい?」 「勿論です、旦那さま。折角、旦那さまからこんなものまで頂いて……。ですが、それだけで宜しいのですか?」 旦那さまからの命令は私からしてみればなんて他愛もないものであった。それにさっき、旦那さまからネックレスを頂いたから尚更寄り添うつもりであった。 それだけ、と私に言われたから旦那さまは少し考えた後にこう言ってくる。 「うーんと、じゃあ、さっきの続きをお願いできるかな。今度はグラエナが上になるって事で」 こんな真面目な雰囲気の中で交尾の続きをお願いするだなんて流石の旦那さまであった。私は思わず、くすっと笑ってしまう。 「もうっ、こちらが真面目に訊いていますのに、旦那さまったらえっちです……。でも、いいですよ。私も、その、まだし足りなかったですし……」 旦那さまからネックレスを頂いたのもあって、私はまだ旦那さまを感じていたかった。あんなに旦那さまに注いで貰ったのに、身体の火照りもまだ収まっていないのだから。 「ふふっ、そういうグラエナもえっちじゃないか」 「こうなったのも旦那さまのせいですからね」 旦那さま無しじゃいられなくなってしまっただけでなく、もう私の心と身体は完全に旦那さまのものになってしまったのだから。その証が首にかけられたネックレスである。 「旦那さま、先にその、くちづけをしてくれますか?」 厚かましいと思われそうが、情事をする前に私は改めて旦那さまにせがむ。いいよ、と旦那さまが首を縦に振って快諾してくれた後に、私は瞼を閉じてじっと待つ。 確かに伝わる旦那さまの温もり。これからもずっとその温もりを感じていられると思うと、自分の心はとても満たされていた。 ---- 原稿用紙(20×20) 68.3 枚 総文字数 23962 文字 行数 339 行 台詞:地の文 2764文字:21198文字 ---- あとがき ここまで読んで頂き、本当にありがとうございました。 番外編やwiki本に寄稿した作品など書いていましたが、 ポケモンですと久々の作品となって2016年内の最初で最後であろう作品になって申し訳ないです。 「おて、おすわり、ちんちん」のちんちんってあのちんちんだと思った方はいませんか?( 自分は思ったことがあるので、今回の作品が生まれることになりました。 正直、今作は「おて、おすわり、ちんちん(ボロンッ」のネタの勢いだけで書いただけです。変態ですね、ええ(白目 変態といえば、投稿時期が変態選手権と被りそうでしたので今作を出しても良かったのですが、 某所でこのネタに関して書いてるのと、グラエナで書いてることを呟いていたので見送る形となりました。 グラエナといえば、以前に書いた[[作品>欲望の下で]]でグラエナに酷いことをしてしまったので、 今度こそ君だけは幸せにしてみせるよ精神で今作を書いてました。ですけど、結局苛めてましたね( 個人的にグラエナは無性に苛めたくなるんですよね。好きな仔には悪戯したいですよねやっぱり。 追伸:グラエナはよく犬扱いされますけど、モチーフとなったハイエナは犬じゃないです。 ---- 作品に対する感想やコメントがありましたらお気軽にどうぞ #pcomment