ポケモン小説wiki
愛する貴方に感謝と愛を込めて の変更点


*はじめに [#HFQzpUA]
後半に生々しい強い鬱要素を含むのでご注意ください……
初投稿で文章にも粗があるかもしれませんがごゆっくりとどうぞ……


**本編 [#YJePQho]
今日が特別寒い日という訳では無い、ただ誰かに甘えたかった。
それだけ
ただ……それだけ


〜☆〜

空は無限の厚ぼったい海のような夜の底、時刻は既に10時を過ぎている頃だった。
少し人里を離れた家の一室に2人の姿はあった。一室と言っても2人は一緒にベッドに入っている訳だし、何より1人はポケモンのキュウコンなので1人というよりは1匹の方が正しいのかもしれないが、

少し人里を離れた家の一室に2人の姿はあった。一室と言っても2人は一緒にベッドに入っている訳だし、何より1人はポケモンのキュウコンなのだが

「ねぇー、副隊長?」

キュウコンの彼女が相方に呼びかける、名前は篝、今は寝る前なのでトレードマークの頭飾りも指輪のネックレスもしていない。
副隊長と呼ばれた"人"は返事をしない
いつもならすぐに返事をくれるのだが寝たフリをしていても私にはすぐに分かる


「起きてるでしょ?分かってるよ」

何度も呼びかけているとやっと諦めたのか何?と眠たそうに返事を返してくる
いつも寝る時は一緒……までは良いのだが彼の両足は九本の尻尾にいくつかに絡まり、右手は腰周り、左手は首周り……ともはや抱き枕状態になっているが、尻尾については別に私は彼を祟るつもりなんてこれっぽっちも無いので全然問題ない。
この事にももう慣れてしまってひとつも問題ないのだが、

「今日はやけにくっついてくるね」

今日はいつも以上に強く抱いてくるのだ。
苦しい……とまではいかないが、いくらまだ夜は冷えるとはいえ、こんなに抱きつかれると暑くないのだろうか?
普段からこんなことをしていても、なぜか今日はいつも以上に強く抱いてくるのだ。
苦しい……とまではいかないが、いくらまだ夜は冷えるとはいえ、こんなに抱きつかれると暑くないのかな?
心配していると別に大丈夫だしと言っているのだが……

「何かあったの?私に相談出来ること?」

こういう時に限って何か悩みがあるのも長い付き合いで良くわかる。決まって寂しいからと返ってくるのだが、案の定寂しいからという答えが返ってきた。
寂しいと答えるのも1人でいる時間が長くなるとそれに比例してどうしてもそんな感情が強くなってしまうらしい。

「じゃあ今日も明日も一緒にいようね」

そう答えると嬉しそうに笑ってくれた。
心配事もなくなって私は嬉しい。もっとも身体は相変わらず密着したままだし、遂に鼻まで少し触れてしまった
その瞬間から高鳴る心臓の音がはっきり自分で聞き取れる。

「ち、近いって……!」

嫌ならサイコキネシスなり、催眠術なりで無力化してしまえばいい……なんてのは口だけで実際のところは傷付けてしまう事が怖くて結局そんな意味では全く使ってない(もっともそんなこと言いながら遠慮なく燃やしたり、相手が問題無いって言ったなら催眠術したりはするけど)
催眠術を彼に使うタイミングは決まって夜のスキンシップというやつである。ポケモンと人間の体力は差があり過ぎるのである程度埋める(というか無視する)らしいが実際のところは消耗することに変わりないので昼になっても爆睡しているなんてことがよくある。
催眠術を彼に使うタイミングは決まって"夜のスキンシップ"というやつである。ポケモンと人間の体力は差があり過ぎるのである程度埋める(というか無視する)らしいが実際のところは消耗することに変わりないので昼になっても爆睡しているなんてことがよくある。
彼も私も激しいのはあまり好きではない。
少しずつ、ゆっくりと、優しく、お互いに、愛を込めて……

「って私何言ってんだか……」
って私も何言ってんだか……

心の声がつい口から出てしまった。多分これ全部聞かれてるよねぇ……
心の声がつい口から出てしまった。多分これ全部聞かれてるよね……
そういえば最近そんなことも無くて少し寂しいとは思う。別にえっちなことをするのを夫婦仲とは言う訳でもないが、やはり冬は寒いからと言ってたけど普通に抱いてれば暖まるのに控えめながらも誘ってくれてたのは嬉しかったのは否定出来ない。
そう考えているとなんかこう……身体の奥の方でなにかもぞもぞと波立つような感じがしてきて。
もしかしたらさっき寂しいと言っていたばかりなので上手く行けばチャンスはあるかもしれない。

「ね〜え、副隊ちょ〜?」

普段よりも優しめに柔らかく、声を掛けてみる。彼の流石にびっくりしたのか少し飛び起きてからまた毛布を被ったあと、こっちに目を合わせてきて、右手が逃げれるようにと自分の身体から少し離れている。

「べ、別にそんなに驚く必要ないじゃん……」

程なくして悪いことをしないとわかったのか元の体勢に戻ってくれた。
こうして見ると改めて自分となにもかもが違うということを知らされる。
私達キュウコンの種族からしたら人間の寿命なんてこれっぽっちのものだ。彼からしたら一生でも私からしたらひとつの出来事に過ぎないのかもしれない。
力も無ければ、変わった能力も無い、力にものを言わせてねじ伏せる事だって、殺すことだって……それでも愛してると言ってくれた。永遠の愛も誓った。友達の神社で式も挙げた。その時のウェディングドレスを見て喜んでくれた。私も彼に対して全力で応えると誓った。
今思い返すとこの2年から3年の間に人生一生分の体験をした気がする。
力も無ければ、変わった能力も無い、人間のいう高い知能も今となってはそこそこ、力にものを言わせてねじ伏せる事だって、殺すことだって……それでも愛してると言ってくれた。永遠の愛も誓った。友達の神社で式も挙げた。その時のウェディングドレスを見て喜んでくれた。私も彼に対して全力で応えると誓った。彼と出会う前からとある神社の友達に色々と鍛えられて、わずか18というこの歳で進化した私だけど、この2年から3年の間に人生一生分の体験をした気がする。
彼は私をどう思っているのだろうか

〜☆〜

変な呼び掛けをされてつい驚いてしまったけど悪く思われたかな……
彼女から誘ってくることは少なくはない。でも今の彼女はじっとこちらを見て何か考え事をしているのかそれから何も言ってこない。これはこちらから言うべきだろうか?
篝と呼ぶと何?とすぐに返してくれた。
何を考えてたのと聞いたらなんでもないよと返されてしまった。素っ気ない態度に少し怖さも感じる……

自分が人間をよく思えず、また信頼している誰かに嫌われるのが怖かったのは自分の周りの人間関係にあった。
地獄のような毎日だった。信頼していた友人も遠く離れて、1人で地元の学校に入ってもクラスの疎外感や教師からの嫌がらせにもなんとか耐えたけど結果は留年。教師にも嫌味を言われ、身内からも恥だから死ねと言われた。苦し紛れに病院に行ったら重度のうつ病だった。それがわかった途端に家族の態度も急変した。自分の事を都合良く理解しているのだと分かってもう最低限しか関わらないようにした。
そう……昔からいいようにされて、いじめも受けて、教師からも嫌がらせをされて、身内からも嫌がらせされて、唯一と言っても良いゲームも友達に追い越されて慰めの言葉も嫌味としか受け取れなくなってしまっていた。
自分が人間をよく思えず、また信頼している誰かに嫌われるのが怖かったのは元々の自分の周りの人間関係にあった。
それは地獄のような毎日だった。信頼していた友人も遠く離れて、学校では疎外感や嫌がらせや嫌味、身内からも死ねと言われた。苦し紛れに病院に行ったら重度のうつ病だった。それがわかった途端に教師も家族も態度が急変した。自分の事を都合良く理解しているのだと分かってもう最低限しか関わらないようにした。
そう……昔からいいようにされて、いじめも受けて、外からも嫌がらせをされて、身内からも嫌がらせされて、唯一と言っても良いゲームも友達に追い越されて慰めの言葉も嫌味としか受け取れなくなってしまっていた。
嫌いな相手を殺して自分も死のうとも何度も思った。でも自分の心が弱くて自殺すら叶わなかった。

どうか悪口を言わないでください。
どうか優しくしてください。
どうか道具として扱わないでください。
どうか優しくしてください。
どうか人じゃないようなものを見る目で見ないでください。
どうか優しくしてください。
どうか自分に話しかけないでください。
どうか自分の事を言わないでください。
どうか自分の存在を消してください。
そしてそのまま自分に二度と関わらないでください。


そんなある日に出会ったのが篝だった。





今思えば「殺されるぐらいならみんな殺してしまった方がマシ」というドス黒い感情が浮いてこなかっただけ、まだまともな思考回路は残っていたのかもしれない。
そしてある日、自分は本当にその世界から消えていた。こんな言い方をしているが、決して死んだ訳では無い。正確には気がつけば違う世界にいたというのが正しいだろうか。そう……この世界に。これから何があるかわからない恐怖や不安より、嫌な"ヒト"から離れられたという嬉しさの方が勝っていた。
そしてそんなある日に出会ったのが篝と名乗るキュウコンだった。
彼女は自分の事を否定しなかった。
彼女は自分の存在を赦してくれた。
そんな彼女にいつの間にか惹かれていた。


昔の事を思い出していると篝の前足が自分の右目、そして左目に当ててきた。
無意識の内に昔の事を思い出していると篝の前足が自分の右目、そして左目に当ててきた。
気づくと自分の頬に水滴が流れたような感覚に気づいた……いつの間にか泣いていたらしい

「副隊長……大丈夫?落ち着いた?」

自分は大丈夫と答えたが全然大丈夫じゃない。気分が沈むと底なし沼のように自分でも引き返せないぐらいに沈んでしまうのも悪い所だった。
自分は大丈夫と答えたが全然大丈夫じゃない。気分が沈むと底なし沼のように自分でも引き返せないぐらいに沈んでしまうのも悪い所だった。思い出したくもないほど真っ黒に塗り潰された過去だが、不意に頭の中に鮮明に浮かんでくる。

「副隊長には篝ちゃんがついてるからね」

この慰めに何度も救われたか、彼女に応えたいと言っているのに思えば助けられてばかりだ。ますます自分が惨めに見える。
ならばまず今彼女が求めているものに応えるのも大切ではないのか。
彼女が……篝が今どうしたいのか分かっている
準備してと言うと首を傾げていて分かっていなさそうだったので篝の下腹部をちょんちょんと押してあげる……どうやら分かってくれたみたいだ。
泣いていたので顔は酷い状況で話せば酷い声が出るのが間違い無いし、分かっていたので夜でお互いの顔が少ししか分からないのがありがたい。

「明かり……要る?」

自分は必要無いよと答えた。自分のことぐらい自分で出来るし、泣き顔を見られたら篝も少し不安になってしまうだろう……そんな顔も可愛いのだが。
さっき下腹部を押した時に少し蒸れているような感じがしたので、相手はもう既に臨戦態勢に入っていた訳だ。少し気分を害してしまったのが悪く出てないと良いのだが。
自分は必要無いよと答えた。自分のことぐらい自分で出来るし、泣き顔を見られたら篝も少し不安になってしまうだろう……少し不安そうな顔も可愛いのだが、今口に出せば怒られるだろうか?
さっき下腹部を押した時、手には少し蒸れているような感じがしたので、相手はもう既に臨戦態勢に入っていた訳だ。少し気分を害してしまったのが悪く出てないと良いのだが。
それよりも自分の事だ。相手に言っておくだけでこっちが何もしていなければ意味が無い。でも寸前まで気分が落ち込んでいたのでそう簡単になるのか、困っていると何故か篝が少し喉を鳴らしてこちらを見ている。どうしたのかと聞く前の自分の唇は相手の口に封じられてしまった。
口の大きさも違うというのに篝は器用なものだ。やさしくて穏やかで、そして何処に行くあてもない口づけだった。
温かい篝の舌が柔らかく絡みついてきて、唇から身体全体に安心が広がる……そんな気がした。互いに食べ合うみたいに口を動かしている間にいつの間にか彼女の尻尾が器用にすっと優しく、寝巻きを、下着ごとするりと落としていた。次にその尻尾が上も脱げと言わんばかりに脇をくすぐってくる。もう少し……もう少しだけこのままでいさせて欲しい。
と思ったが自分に否定権は無く、すっと口を離れると一時的なサイコキネシスで動けなくしてそのまますんと取られてしまった。少し不機嫌そうにするとごめんごめんと笑いながら謝ってくる……可愛いから許す。
最近は催眠術なり自分の意識が無いうちに色々とやらされ、記憶だけ丁寧に残されていたが今回はそうとはいかないがやはり主導権は篝にあって欲しい。上に乗るような体勢に立たせて、目線を合うようにしてから篝が副隊長の"もの"をちょんちょんと確認に触ってくる……別にもう問題無いのだけども篝がやりたいのならそうさせよう。
と思ったが案の定自分に否定権は無く、すっと口を離れると一時的なサイコキネシスで動けなくしてそのまますんと取られてしまった。少し不機嫌そうにするとごめんごめんと笑いながら謝ってくる……可愛いから許す。
最近は催眠術なり自分の意識が無いうちに色々とやらされ、記憶だけ丁寧に残されていたが今回はそうとはいかないがやはり主導権は篝にあって欲しい。上に乗るような体勢に立たせて、目線を合うようにしてから篝が下腹部をちょんちょんと確認に触ってくる……別にもう問題無いのだけども篝がやりたいのならそうさせよう。
お互いに心の準備が整ってから、いいよと頷いてから、篝に向かってこう囁いた。

優しくしてください……と。





#pcomment

トップページ   編集 差分 バックアップ ファイル添付 複製 名前変更 再読み込み   新規作成 ページ一覧 ページ検索 最近更新されたページ   ヘルプ   最終更新のRSS
This site is protected by reCAPTCHA and the Google Privacy Policy and Terms of Service apply.