今、俺は暇を持て余している。ったく、これならバイトを手伝っていれば…ってもう遅い か。さて、今日はどうするか…、おっそうだ、今日は4月1日。どんなに嘘をついても怒 られない日だ。よし、1つ時間をつぶすためにゲームをしようじゃないか。内容は…よし。 話をこれからする。なに、短い簡単な話だ。その中には嘘が混じっている。ん、下手な嘘? する訳ないだろ、難しすぎて分からないかもしれないな。面白くなってきた。では、ある 事件について語ろう。その中に、嘘を交えるからお前らはその嘘を見破ってくれ。その嘘 はいくつあるかは答えられない。心配するなよ、内容をよく読めばすぐ分かるから。まあ 全部読めば最低でも1つ位は…え?早く始めろって?そう言うなよ、考える時間与えろっ て、俺によ。まだ考えていない?うるせー、俺が暇をつぶすためなんだから。さてどんな 嘘にするか…くくく…。 できた。これならよく見ないと分からないハイレベルな嘘話だ!お前らが一体どんな顔を するか楽しみだ…。 ---- #contents *ボーマンダとレシラムの話 [#y0017a23] 俺はボーマンダ。そう、巨大な翼で空を悠々と飛び回るドラゴンだ。ちなみに俺は普通のボーマンダじゃない。世間でいう色違いってやつだ。俺の体は通常青色のところ、なんとトマトのように真っ赤なんだぜ! って誰だ今シャア専用って言った奴は!! まあいいや。俺の技? くくく、それはそれは強力で恐ろしい技の数々だ。まず威力が高く時に相手を怯ませる大技、ドラゴンダイブ! これが俺の主力技だ! ……逆鱗? えっなんだよそれ? 次に、口から大量の水を噴射するハイドロポンプ! 水タイプ最強の技と謳われるほどだ! どうだ、こんな俺を欲しくなっただろ? まあ色違いを手に入れる時点でかなり厳しいからな。 俺のオフクロはシンオウとかいう地方の道路で捕獲されたらしいぜ。道路の番号は……210だったな。どうだ、お前らもそこに行ってみれば会えるかもな。色違いも目撃されたらしいから。 俺の主人は最初はアホみたいに喜んでいたぜ。「色違いのボーマンダだ! ヨッシャー! コイツは大事にしてバトルで活躍させてあげないとな!」って周りに言いふらすように喋ってそれから色んなとこに電話して……。だがこれほどまでに喜んでくれれば俺はこいつの元で丁重に困ることなくだろうとあの時は思っていた。だが俺はすぐにある場所に連れていかれたんだ。サバイバルエリアのバトルタワーだったな。そこのある男に俺は隅々まで観察された。おまけにスカウターっぽい機械まで取り出して、一体何のつもりだよ……。 で、特に痛い思いは一切しないでモンスターボールに戻されたんだ。それからは俺は全く予想できなかった。主人は「ちぇっ、すごいのは色だけか、バトルに使えればいいんだがこんな能力値じゃな。そうだ、確か色違いを欲しがっているコレクターがいたな。コイツでマスターボールにでも交換させてもらうか」って生まれてから2時間もたたないうちに交換に出されたんだぜ!? あの異常な喜びは何だったんだよ主人! いや、元主人! これは後に聞いた話なんだが、俺の能力は並のボーマンダよりも低いらしい。おまけに特殊防御が上昇しやすく攻撃が下がる性格だってよ。おいおい、俺自身穏やかとは遠く離れてると思うぜ? おっと話が脱線しちまったようだな。とにかく能力が低い、ただそれだけで俺は交換に出された。これでたどり着いた先は今の主人なんだよ。 色違いを欲しがっているコレクター。つまり普通のポケモンは既に飽きたって事だ。当然図鑑完成にバトルは愚かコンテストまで極めてる。トレーナーカードの色も最上級のゴールドだった気がうるぜ。 色違いを欲しがっているコレクター。つまり普通のポケモンは既に飽きたって事だ。当然図鑑完成にバトルは愚かコンテストまで極めてる。トレーナーカードの色も最上級のゴールドだった気がするぜ。 主人はもう強さにこだわる事はもうしないらしい。だからまだタツベイだった俺をたっぷり可愛がってくれた。勿論バトルもしたが精々そこらにいる野生のポケモン。傷ついた時もすぐに回復してくれてそれはもう最高だった。ボーマンダになった今もだけどな。 ただ主人は最近金に困っているらしい。どうやら俺が来る前から主人は「戦うと絶対負けるうえ負けると必ず所持金を奪い取られる」とシンオウ中に広まって誰もバトルをしたがらなかった。だから俺がまだトレーナーとのバトルしかしていないんだよな……。暫くはその奪い取った莫大な金で生活していたらしいがとうとう底をつき、しかたなく主人はバイト生活を始めている。俺もたまにバイトを手伝うんだぜ。荷物の運搬や新聞配達……まったく、主人もここまで強くならなければよかったのにな。 前置きが長くなったな。さて、俺が遭遇した事件について話すとするか。 あれはもう1ヶ月位前になるな。その日俺は主人から一日好きなだけ遊んで来いって言われたから朝から何もない空を飛んでいたのさ。下手に地上に降りると面倒なんだよな、色違いの体だから俺を狙う雑魚トレーナーがうじゃうじゃ湧いてくるから。おっと、別に俺は弱い訳じゃないぜ。一応レベルは高いから、ベテランにも負けることは無い。 とはいっても飛んでばかりじゃ疲れる。実際あの時は何も考えずに飛んでいたら太陽が真上まで来ていたぜ。だが下を見るとそこは一面が青くそまり、まるでじゅうたんを敷き詰めたような海。綺麗な事には違いねぇが休む場所がなくて困ってたんだ。俺はどこか島でもないかって見渡していたんだが、ふいに何かが飛んでくる音が聞こえた。しかもそれは俺めがけて向かっているような。おまけに下からじゃなく、この広い空から音がする。何だと思って向いてみると、俺の目前に白いポケモンが突っ込んできたのが確認できた。……で、分かると思うが見事にヒットしたぜ。白いポケモンは何事もなく飛び続けて行ったが俺はバランスを失い海に落下していった。幸いにも海面すれすれでバランスを取り戻したがな。しかし何だったのか……? 気になった俺は白いポケモンの後を急いで追いかけた。 おっ、いたいた。白いポケモンはあまり早くなかったから俺でも十分追い付いた。しかし様子がおかしい。白いポケモンの後を黒いポケモンがしっかりとついてきている。 「なあいいだろ、そろそろ返事くれよ! イッシュの神同士、最高のカップルじゃないか!」 「嫌ですっ! 私はあなたみたいな強引すぎるストーカーな神とは結婚したくありませんっ!」 イッシュの神……そういえばその地方にはレシラムとゼクロムとかいう神のドラゴンがいるって主人から聞いたな。昔話だとレシラムが理想を求める者に、ゼクロムが真実を求める者に姿を見せるって誰かから聞いたんだが、何でその2匹が俺の目の前にいるんだよ……。え、主人は図鑑全部埋めたんじゃないのかって? まあ確かにそうだが、シンオウ出身の主人はまだ全152匹のシンオウ図鑑しか埋めていないんだよ。で、あいつらはレシラムとゼクロムか。今の会話を聞く限り性別やレシラムが追われているわけが簡単に理解できるが。 「とにかく結婚を認めるまで僕は君を追い続ける! さあ、諦めて僕と交わるんだ!」 「嫌よ! こうなったら、これでも喰らいなさい!」 飛び続けていたレシラムは急停止したと思ったら蒼く神秘的な激しい炎をゼクロムめがけ放つ。あれは喰らったら俺でもまずいかもな。ゼクロムも相当なダメージが予想される……俺はそう思っていた。だが。 「君の技なんてもう通用しないのさ、あの時みたいには! だって修行したんだ、君より強くなって力を使ってでも夫婦になろうと努力したからね!」 ゼクロムは激しい炎を華麗に避けながらレシラムとの距離をせばめていく。これはもう完全にレシラムよりも強いな……。 「はぁっ! 届け、僕の力と愛を込めたドラゴンクロー!!」 完全にただのドラゴンクローなんだが、とにかく強烈な一撃がレシラムの体に当たった。 「がっ……」 「やった、これでレシラムは僕のものに……」 正直ゼクロムの発言と行為、本当に神なのかよ……と疑問を抱いていると大変な事に気付いた。なんとドラゴンクローを受けたレシラムは気を失って海へと一直線。これはまずい! 早く助けねーと! 「レシラムー、僕を正式な夫として認めてくれるよねー?」 って何あのゼクロムこの事態に変な事言ってるんだよ!? アイツも分かってるだろ、レシラムが気を失ったこと! 当然レシラムからの反応は無い。 「よし、婚約成立だ! レシラムはたった今僕の妻となった!」 いや本当にアイツは神なのか!? 紙の間違いだろ! 何ガッツポーズしてるんだ! 誰かあのバカ海に落としてくれ、落ちそうな」コイツの代わりに! 「うおおおおおっ!!!」 俺はジェット機に匹敵する速さでレシラムを背中で受け止めようと落下ポイントにたどり着いた。さあ、後は受けるだけ……。 約100㎏の俺が345㎏のレシラムを背中で受け止められるか? 無理に決まってるだろ……。 そして広い海に大きくこだまする、むなしい音……。 だんだんと沈んでいく俺。意識を手放す直前に聞こえてきたのは見下したような口調のゼクロムの声だった……。 「いつからいたのかは分からないけど、レシラムは僕の嫁だからね。悪いけどこれから結婚式に必要な物を取りにいかなきゃならないんだよ。レシラムの面倒、頼んだよ!」 あの時の俺は運が良かった。気がついたらそこはとある島の砂浜。さらに傷も全くない。少し休めば十分飛ぶことができる。 「主人も心配してるかもしれない、早く戻らねーと……」 辺りは既に闇の世界。上空には星がまたたいている。誰かいないのか砂浜を見渡してみると、暗闇でよく見えないが大きな物体が打ち上げられている。 あの時の俺は海に流されたおかげで頭が回らなかったのかもしれない。今までに起きたの事を思い出すのに少し時間がかかってしまった。そして思い出してみると大きな物体の正体はもう1つしか頭に浮かばない。 「レシラム! おい、しっかりしろ!」 俺はそう大声をだし慌ててレシラムの元に寄ったがレシラムは目を覚ます気配はない。 「レシラム、おい、レシラムっ!!」 流石に伝説のポケモンだから流された位で死ぬことは無い。心臓に耳を近づけるとまだ動いていた。だがこのままではまずい……。 ただこの暗さ、おまけに見知らぬ島、近くに人の住む気配もなく俺はどうすることもできなかった。どうすればいいか……、俺が途方に暮れていると、草を踏む音がした。何かが俺とレシラムに近づいてくる。さらに音の方向が少し明るい。 「だ……誰だっ!」 レシラムはこんな状態だ。トレーナーにでも発見されたら即刻捕まえられてしまうだろう。神がやすやすと捕まえられるのを見ていられない俺はレシラムを守る事にした。とりあえず威嚇体制をとる。これなら普通のトレーナーはすぐに逃げ出すはずだ。そう思い威嚇していると、姿を見せたのは松明を持ったいかいもひ弱そうな老人だった。 「ほう、珍しい客じゃのう、どうしたのかね?」 俺は威嚇しながら唖然とした。どうしてこの老人は俺を全く怖がらないのか。しかもずんずん向かってくる。まさか、俺が攻撃する気はないと見抜いているのか……? 「ふむ、そのレシラム、ずいぶんと酷い傷のようじゃな」 老人はこの暗さの中、レシラムが重傷な事まで言い当ててしまった。な、何者なんだ……? 「どれ、手当てしてあげよう。ボーマンダ、安心しなさい。儂は神を捕らえようなどという邪悪な考えは持っておらん。さあ、出ておいで、フシギバナ。レシラムを運んであげなさい」 老人はどこからかモンスターボールを取り出し投げ、フシギバナを出した。どうやらレシラムを捕まえる気は本当にないみたいだ。フシギバナはレシラムを運ぼうと……。 ……しているのだが1匹であの巨体が動かせるはずがない。そこで俺も運ぶのを手伝う事にした。 とにかく、レシラム頑張ってくれ! 絶対に助けてやるから! 「よし、これでもう大丈夫じゃ」 老人の対応はとても適切だった。あっという間に傷を受けた部分に傷薬を噴射し包帯を巻く。その手練れな治療はさっきの俺の威嚇が効かなかった事なども含め、普通の老人ではない。 「ほう……お主、儂が普通の老人ではないと感づいたかの」 なっ……この老人はポケモンの考えまで分かるのか!? もしかして仙人なのか!? しかし仙人などこの世界にいるはずはない。あの時はレシラムが不安だったから変な想像でもしていたのだろう。 「なに、お主の考えていることは目を見れば分かる。ついでに仙人ではない。儂はウコンという者じゃ」 ウコン……聞いた事がある。バトルアリーナのボスだったが数年前引退しホウエン地方の無人島に隠居し、自然の生活を楽しんでいるって。という事はここ……ホウエン地方う!? や、やばい、相当流されたぜ俺達……。 ウコン……聞いた事がある。バトルアリーナのボスだったが数年前引退しホウエン地方の無人島に隠居し、自然の生活を楽しんでいるって。という事はここ……ホウエン地方!? や、やばい、相当流されたぜ俺達……。 「お主、トレーナーのポケモンじゃろう? じゃがこのレシラムは未だ人により汚されていない……。お主らに何があったのか、聞きたいところじゃの。ポケモンと言葉が話せたらの話じゃが」 レシラム……別に俺は全く関係は無い。ただ飛行中ぶつかって後を追ったらこんな事になった……それだけの関係だ。まだ会話もしていない。レシラムの怪我が治ったらすぐにまた他人同士になるだけだろう。 「さて、儂は寝る事にしようかの。レシラムはお主に任せるぞ」 そう静かに言うとウコン老人は闇夜で見えなくなった。俺とレシラム、2人っきりか……。俺が守らねーとな。 2人っきり……。レシラムは会話と声の高さから確実に雌。そして俺は若く発情真っ盛りの雄。………………。 何想像してんだ俺は!! 落ち着け! いいか俺、このレシラムがとんでもないババアだったら!? そう自分に言い聞かせ眠っているレシラムを見る。レシラムの体はしなやかで顔もよく見ると美しい。これはババアには見えねーな……。 シコシコシコシコ……………… はっ!!? ちょっと待て、何やってんだよ俺、何で自慰なんかしちゃってんだ!? ってやばい、もう出そう……いや、ここで出したらウコン老人に…………。ほら、改めて考えるんだ俺! レシラムが実はああ見えて雄だったら! ……よし、少し落ち着いた。いいか、あのレシラムは雄。そう自分に言い聞かせ眠っているレシラムを…… 「雄に見える訳ねーだろおおおお!!!」 し、しまった! うっかり出しちまった……。ってお前ら、液体じゃなくて大声だよ。おそるおそるレシラムの方を見ると……。 完全に起きて俺を冷たい目で見てる。これは……終わったな、俺。 「ねえ、私が雄に見える訳ないってどういう事?」 「あ、いやー、そのー……」 レシラムが俺をどう見ているのかは分からない。とりあえずここは俺達がこの島にいる事を説明する話に変えてこの場をやり過ごす…… 「ところで、あなたの足元にあるその白い液体。それは?」 「最後に言い残すことは?」 「思えば波乱に満ちていたな、俺の人生……」 はっきり言おう。俺は確実に死ぬ。だって神のポケモンで自慰をしていたんだぜ。これはもう確定だろ。嗚呼儚き俺の命もここまで……。やっぱ焼き尽くされて死ぬのか……。 ……とまあこんな感じで俺は死を覚悟した。だがそこから数分経っても俺の身は何一つ無事だった。 「普通なら消すところだけど……まだ私の傷が治っていないわ。それにあなたがここにいるのは、私を助けてくれたのかしら?」 ああその通りだって。前言撤回、どうやら俺は助かりそうだ。 「今回は許してあげようかしら。だけど、1つだけいいかしら……?」 そう言いながらレシラムは俺に歩み寄ってくる。近づく毎に地響きが聞こえる。な、なんだ……? 「あなたの体は、今夜だけ私の物になる。それが罰よ」 ---- えー、ここで作者から残念なお知らせです。 時間がないのと作者が官能表現の描写を非常に苦手とし、残念な物となってしまうのでここから先の官能シーンは省略します。ご了承ください。 誠に申し訳ありませんがご想像で楽しんでくださ「オイ何言ってるんだよコイツ」 では、続きをどうぞ。 ---- 「何やら昨日は2匹の大きな喘ぎ声のような音がしたのじゃが……気のせいかのぅ?」 次の朝、朝食の木の実を持ってきたウコン老人が俺達に尋ねる。あえて視線をそらす俺とレシラム。 「ほっほっほ、2匹の距離は縮まったようじゃな」 しかしこの後俺達どうすればいいんだよ……。もう関係持っちまった……。そういえばあれだけ結婚したいとか言ってたゼクロムはどうなったんだ? 「むう、何やら風の動きがおかしいのぅ……」 俺達が食事を済ませ、これからどうしようか話し合おうとした時、ウコン老人が空を見上げる。確かに空はどんよりと曇ってはいるが別に嵐程度なら……。と思っていた瞬間、強烈な閃光が俺の目に映る。 「ぐあああっ!!」 「ボ、ボーマンダ!」 雷を喰らったがダメージはそれほどもない。しかし麻痺状態になってしまったのか体が思うように動かない。くそっ……! 「やあ、僕の永遠なる花嫁よ! 準備はすべて整ったんだ!」 雷雲からゆっくりと姿を見せたのはあの時のゼクロム。くそっ、不意打ちなんて卑怯すぎだ! 「花嫁!? 私がいつ花嫁になるって言ったのよ!」 「だって君、僕が正式な夫になるよねって訊いたら反対しなかったじゃないか」 いや待て、それはお前が気絶させたから……。ゼクロムはレシラムの目の前に降り立った。くそっ、体が麻痺していう事が聞かねえぜ……! このままだとレシラムは……。 「さて、僕の妻になるんだ。いいね?」 「だからならないって……」 レシラムが話している最中にゼクロムは電磁波を放ちレシラムを麻痺させた。 「くっ……動きが……ひ、卑怯よ!」 「さあ、僕と行こう。式場の準備は全てできている。あとはきみと永遠の誓いを行うだけだ。おっとボーマンダ。麻痺してるから動けないよね? ついでにそこの人間。僕は神だからね、下手に手出ししたらどうなるか分かってるよね? この緑だらけの島を一瞬で焼け野原に変える事だってできるんだよ?」 く、くそっ! レシラムが……連れて行かれちまう! くっそおっ……! 「ゼクロム、聞きなさい! あなたはもう遅いの! いい!!? 私の夫は……そこにいるボーマンダよ!」 「えっ……? どういう事だい、それ……?」 衝撃の告白に呆然とするゼクロム……いや、俺も呆然としているぜ。な、何でおれを勝手に夫にしてるんだよ! 「昨日私と彼は交わりました! そして約束したの! 一緒に幸せになろうって! だから私の事はもう諦めて!」 ま、まさかアイツこのために俺と……? いや、そんなことは無い。それよりゼクロムの顔を見ると……青筋が立って鬼の形相で俺を睨んでいる。こ、怖いんだが……。 「……おい、貴様、我が妻と交えたというのか? 神でも伝説でもないお前が?」 凄味のある声で俺に問いただす。俺はちらっとレシラムを見ると……こ、怖いって。さて、ここでどうすればいいのか……。 この質問に「交わりました」と答えるとゼクロムに確実に殺される。「交わっていません」と答えるとレシラムにほぼ確実に殺される……。つまり、 俺の人生はここでThe Endな訳だ。 …………俺は自分に聞いてみた。確実に死ぬとしたらどっちを選択するか。 出た答え。それは……。 「ああ……コイツのピー-------は最高だったぜ!!」 「ハガネール、こやつらを守るのじゃ!」 ウコン老人が出したハガネールが盾になり、ゼクロムが怒りのままに放った電撃を防いでくれた。 「ほう……人間が神に刃向うなど無駄な行為と知った上での事か」 「はて? 儂はそちに対し何の攻撃もしておらんがのう?」 なんというか……ゼクロムが神じゃなくて魔王に見えてきたのは俺だけか? と、とりあえず麻痺を何とかしねー事には……。そう思っていると口に何かが放り込まれた。これは……チーゴの実! よし! 「これで麻痺を回復するのじゃ! ほれ、レシラムも!」 「あ、ありがとうおじいさん!」 麻痺が解け体が自由に動かせるようになった俺達はゼクロムの前に立ちはだかる。 「この自分勝手野郎が! 2度とレシラムの前に現れないようにしてやるぜ!」 「私はあなたを神とは認めない! 今あなたを処罰します!」 ゼクロム……レシラムが俺と交わったショックで殺気立って、すごい威圧感だ。こんな奴に勝てるのか? 「ほれボーマンダ、この木の実を使うのじゃ!」 ウコン老人が再び武器の実を俺に投げる。ゼクロムはそれを阻止しようと電撃を撃ったがレシラムも見越していたのか蒼い炎で対抗し、2つの力は相殺された。そしてその隙に俺は木の実を食べる事ができたぜ! これは……カムラの実! つまり素早さが高まった! これならいけるかもだぜ! ウコン老人が再び木の実を俺に投げる。ゼクロムはそれを阻止しようと電撃を撃ったがレシラムも見越していたのか蒼い炎で対抗し、2つの力は相殺された。そしてその隙に俺は木の実を食べる事ができたぜ! これは……カムラの実! つまり素早さが高まった! これならいけるかもだぜ! 「よっしゃああ、素早く攻撃だっ!」 俺は足で地面を強く踏み衝撃波を生み出す、まあいわゆる地震攻撃だ。俺の動作の速さでゼクロムは躱せずに喰らって少し怯んだ。よし、今のうちだ! 俺はまだ続いている素早さで上空に舞い上がる! そこから……竜の力をまとって急降下! そう、俺の必殺技ドラゴンダイブ! 「おのれ、愚ポケモンめぇ!」 ゼクロムは体を電気で包み落下する俺に対抗しようとぶつかってきた! クロスサンダーだな! 「うおおおおおっ!!」 だが……力はゼクロムに劣っても落下することでエネルギーは増しているって聞いた事がある! つまり……今は俺の攻撃の方が……。 「強いって事だあああ!!」 俺はゼクロムをだんだん押していき、ついにゼクロムを包み込む電気が消滅した! ここで俺は攻めるぜっ! 一気に持てるだけのエネルギーを放出する! 「終わりだっ! ゼクロム!」 その一声と共にゼクロムを地面にたたきつける! 「うむ、決まりじゃ! さて……」 俺が地面に足をつけるとゼクロムは気を失って倒れていた。か、勝ったぜ……。俺が……伝説に……。 「うむ、ごくろう! 総仕上げじゃ! いけぃ、マスターボール!」 予め用意していたのかウコン老人はマスターボールをゼクロムに投げつける。そしてゼクロムはウコン老人にゲットされ…………。 ん? いや、待て。ちょっと待て。レシラムもこちらを見ている。よし、2匹で行くぞ。 「おいいいいジジイ!! なんで最初から使わねーんだよそのマスターボールをよ!!」 「ボーマンダの苦労が台無しじゃないのよ! ここはモンスターボールでしょ、普通!」 俺の努力はどこに行ったんだ……これは怒るしかねーな。2匹の怒りの抗議にやっとウコン老人は口を開いた。まさか老人だから忘れたとは言わせねーぞ! 「すまん、年じゃからのう、1個だけ持っていたのを忘れとった、ボーマンダよ、すまんのう」 「なあ、コイツに手を出したらどうなる?」 「しない方がいいわよ、おじいさんのポケモンには勝てないわ、私にはわかる」 「モンスターボールもあるのじゃが……、失敗すると怖いからのう」 まあそれもあるな。ゼクロムは伝説のポケモン。ディアルガと捕まえにくさは同じだから、弱らせても簡単には捕まらないよな。しょうがないか……。 その日の夕方。俺は出し尽くした力を何とか取り戻した。レシラムも完全に回復したようだ。早く家に帰らないと主人が心配する。俺達は最初に打ち上げられた砂浜へと来ていた。ここなら見晴らしもよく障害物もない。風も吹いていなく、今飛行するのには最高の様態だ。 「これで私もストーカーに悩まされずに済むわ」 レシラムがほっと胸をなでおろす。しかしストーカーしてるとか、ゼクロムってこんなに堕ちた存在だったのか……。 「あ、ボーマンダ、私が助かったのはあなたのおかげよ。ありがとう!」 レシラムが俺にとびきりの笑顔を見せる。しかしコイツも神の割にはあれだよな……だって……(省略してるのですがまああれですよ、ええ)。 「さて、お別れじゃな。ここから北に飛べばシンオウ地方、東に飛べばイッシュ地方じゃ。2匹とも、帰り道には気を付けるんじゃぞ」 「ありがとなじーさん、俺達を色々と助けてくれて。長生きしろよ」 俺は感謝の気持ちを伝えるように言った。分かる訳ないが恐らく伝わっただろう。その証拠にウコン老人は俺に笑顔を返した。 「じゃあ、さようなら! お元気で!」 「何かあったらすぐに駆けつけるぜ! 借りはいつか返さないとな!」 俺達は同時に橙色に染まり、夜の足音が近づいている夕暮れの空へ飛び立った。そして振り向くとウコン老人は小さく見えても手を振り続けていた……。 「さて、この辺で俺達も別れようぜ」 レシラムがついていけるのもここまでか。レシラムはイッシュの神。ゼクロムがゲットされた今、レシラムは帰らないといけねぇ。もう俺の故郷、シンオウ地方が見えてきた所だ。しかしもっと早く別れていればレシラムもイッシュに早く帰れるんじゃ……。 「ねえ、あなたの家で暮らしていい?」 ……いきなり破廉恥ドラゴンが変な事言いやがった。 「それは絶対に無理だ!! お前がいないとイッシュはどうなるんだよ!? つーか俺の主人が黙ってねーぞ! すぐにゲットされ……」 俺がイッシュ地方と自身の安全を考え全力で反対するが次の一言で俺は了承せざるを得なくなった。 「あら、私と一晩交わっただけで罰が終わったと思ってるわけ? 一晩だけじゃないわ、永久に私に体をささげるのよ。だって神と交わったんですもの、ええ?」 「…………」 「まあイッシュ地方は私がいなくても大丈夫。前にゼクロムがある少年にゲットされてそれが2年位続いたの。その時何も起こらなかったから神なんていなくても平気よ。しかしあの少年がいけないのよ……。彼がゼクロムに何をしたのか……」 「そ……そうなのか……。だが、俺の主人にゲットされて……」 「あら、あなたが満足している主人なら悪い人じゃないんでしょ? なら大丈夫。私の力を悪用する人には捕まりたくないけどね」 「それは……大丈夫だ……」 「はい決定! それじゃあ今夜はお楽しみね……」 「う……」 これからどうなるんだ俺……。地獄の生活が待っている事を覚悟した……。 あれから1ヶ月。まあ問題は何一つ起きていない。唯一困っているのは食費だな。主人の財布が常時悲鳴を上げているぜ。なんせあのでかい体だからよく食べる事……。太らないのか心配だぜ。 最初共に生活する不安とかいつ人生が終わるか怯えていたがもう大丈夫だ。レシラムは思ったよりいいポケモンだぜ。まあ良妻と言えばそうだな。とにかく、レシラムが家に住んでからは楽しい生活になったと実感しているんだ。……夜以外は。 「ねーボーマンダ、もう我慢できないの、早く来てちょうだい!」 ……頼む、たまにはゆっくり寝させてくれ。毎晩させられて朝から疲れが全く抜けない……。だが俺に拒否権なんてない。そして今夜も俺は……。 ―end ---- さて、時間も来たことだし俺はもう行く事にするぜ。ここで確認だ。 この作品の嘘は分かったか?ちなみに嘘って言うのはポケモン世界では間違っている描写だ。例えばピカチュウが進化するとカエンチュになるとかだな。誤字脱字以外はわざと間違えたから指摘はしないでくれ。ポケモンをやりこんでいるお前らなら分かるよな?ならいい。 だが…、これが本当の正解なのかな?くっくっく… ※一つ忘れていた。ゲームと同じ設定で嘘を判断してくれ。 *コメント欄(嘘を探したい方は先に見ないこと) [#r521cf63] #pcomment(嘘はどこにある?コメントログ,10,below); *あとがき&答え合わせ [#u45686f5] クロード「くっくっく…ってなんだよこのセリフ!俺に読ませやがって!ついでに忙しいから避難所の書き込みは任せただと!?人使いが荒いんだよ!」 どうも、あとがきと所々にある嘘の回答をさせていただきます。まずはこの作品を書いた作者の正体を。作者は[[私>フィッチ]]でした。だからこんな話が支離滅裂になるのです(泣)。 クロード「いやちょっと待て、何で無視するんだ!」 ごめん、今からあとがきやるから少し黙って。クロード「……」 あとがきです。まずこの話を書いたきっかけは、エイプリルフールだから何か嘘をつきたい…と思ったからです。単純すぎる理由ですね。ただ書く事を決めたのは4月1日になったばかり。嘘をつくためには日付が変わるまでに書かなければいけないので24時間以内に書き上げなければいけなかったのです。まだ嘘の内容もストーリーも全く考えていないのに…。 そんな私情はおいといて、どんな嘘をつくか。考えた結果ポケモンに関する嘘をついてみることにしました。ポケモンのサイトですからね。作中にあえてポケモン世界で間違ったことを入れて、読者達にどの部分が意図的に間違っているか、すなわち嘘をついていのか見破ってもらう。そんな形式にしました。「探すのが面倒すぎる」と意見を持っている方、すみません。 作品のストーリーは…、反省だらけです。この作品は嘘を探し出すことを目的として書いたのですが、やはり下手な話ですとつまらないですよね。短時間で話の流れを考えたというのも原因ですが…。もっと上手く作品を作っていけるよう頑張っていきたいと思います。 「じゃあ、そろそろ嘘を発表しようぜ。まあコメント欄で分かるかもしれないがな」 はい、嘘の部分を多くの方がコメントしてくださりました。しかし一応すべての嘘をまとめていきたいと思います。 ・俺の体は通常青いところ、なんとトマトのように真っ赤なんだぜ!⇒色違いのボーマンダの体は緑色です。 ・それはそれは協力で恐ろしい技の数々だ…。(略)ドラゴンダイブ!(略)ハイドロポンプ! ⇒ドラゴンダイブとハイドロポンプは遺伝技ですが両方の技を同時に遺伝させることは不可能です。 ・サバイバルエリアのバトルタワーだったな。⇒シンオウ地方のバトルタワーはファイトエリアにあります。 ・トレーナーカードも最上級のゴールドだったきがするぜ。⇒DPのトレーナーカードの最上級の色はブラックです。 ・レシラムが理想を求めるものに、ゼクロムが理想を求めるものに…⇒理想と真実が逆です。 ・シンオウ出身の主人はまだ全152匹のシンオウ図鑑しか…⇒シンオウ図鑑(DP)は全151匹です。 ・俺はジェット機に匹敵する速さで…⇒ボーマンダでは出せません。ジェット機に匹敵する速さを出せるのはガブリアスです(パールの図鑑説明より) ・約100㎏の俺が345㎏のレシラムを…⇒レシラムの体重は330㎏です。345㎏はゼクロムの体重です。 ・バトルアリーナのボスだったが数年前引退し…⇒ウコンはバトルパレスのボス。そもそも引退していない。 ・「ハガネール! こやつらを…」⇒ウコンはハガネールは使いません。 ・これは……チーゴの実!⇒チーゴの実はやけど状態を治す気の実です。正しくはクラボの実です。 ・これは……カムラの実! つまり素早さが…⇒ボーマンダはその前に「ダメージはそれほどでもないが」と発言していました。つまりまだピンチではなくカムラの実は発動しません。 ・ディアルガと捕まえにくさは同じだから。⇒ゼクロムはディアルガより捕まえやすいです(ゼクロムの捕獲率は45、ディアルガの捕獲率は3) 以上が作中にあった嘘の描写です。付き合ってくれた皆様、本当にありがとうございました。 クロード「おい、まだ言うことがあるだろうが。最大の嘘をよ」 おっと、そうだったね。実はこの話には最大の嘘が隠されています。コメントから分かるとは思いますが…。 PC以外の機器では分かりにくいかもしれませんがよく読んでいれば分かるはずです。 クロード「…で、そろそろ長編の続き書いたらどうなんだ?結構ほったらかしてるじゃねーか」 や、やばい!…ということで長編の続きに取り掛かります。では。 IP:111.191.13.190 TIME:"2013-04-03 (水) 00:26:43" REFERER:"http://pokestory.rejec.net/main/index.php?cmd=edit&page=%E5%98%98%E3%81%AF%E3%81%A9%E3%81%93%E3%81%AB%E3%81%82%E3%82%8B%EF%BC%9F%E3%80%80%E3%83%9C%E3%83%BC%E3%83%9E%E3%83%B3%E3%83%80%E3%81%A8%E3%83%AC%E3%82%B7%E3%83%A9%E3%83%A0%E3%81%AE%E8%A9%B1" USER_AGENT:"Mozilla/5.0 (compatible; MSIE 9.0; Windows NT 6.1; WOW64; Trident/5.0)"