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健全と不健全の狭間 の変更点


#include(第十二回短編小説大会情報窓,notitle)
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writter is [[双牙連刃]]

 健全とは何か。健康的で正常な状態を指すならば、今のこの状態はどうだろうか?
 いつもの時間に散歩に出掛けるのは俺の健康を支える健全な一因とも言える。その道すがらで懇意にしつつも友達以上恋仲未満、かつどうせなら番になってしまいたいなーとも思っているエーフィの子に出くわして会話に華を咲かすのもまた一興。これは別に不健全ではなく寧ろ健全とも言えるだろう。見目麗しい相手と話すのは精神的にとても充足感を与えてくれる。
 が、つい時間を忘れて話をしている内に天気がぐずり雨が降ってきてしまった。本来ならここで別れて各々の家に帰るならば特に問題は無い。が、ここで彼女から「私の塒が近くにあるから雨宿りしない?」なんて誘われてほいほいついて行ってしまうのは少々不健全かもしれない。下心が湧いて来たのも言い訳はしない。口にはしないが。

「よかったぁ。じゃあ、行きましょ? ブラッキー」

 なんて満面の笑みで言われれば、牡として心拍数がアップするのを隠すのは難しい、非常に難しい。が、この紅潮は健全な牡としては当然の反応なのでこれは健全だろう。
 そして彼女の案内のまま彼女の塒へ辿り着く。そこが周囲からの視線から完全に切り離された木の洞の中とあっては流石に少し躊躇いが生まれる。雨宿りかつ彼女の塒であるとはいえ、周囲の目が届かない所に異性と共に居ると言うのは健全だろうか? いや、居るだけならば特に不健全でもないな、うん。
 しかし、そこに入った途端に体が掬い上げられ洞の天井を見ているような状態にされれば、それまでに高まった高揚感が困惑に塗り替わっていく。どういう事か、種明かしは仰向けになった俺の体に覆い被さってきた彼女の口からされる。

「ふふっ、驚いた? けど……幾ら雨宿りって言っても、牝の子の塒について来るなんて、脈が無ければしないよね?」

 妖しく微笑む彼女、それを見て俺の脳は一つの結論を弾き出す。あれ、これ彼女も脈ありなんじゃね? と。
 しかしそうだとしてだ、急に押し倒されてどうなるかは火を見るより明らか。幾ら意中の相手だとしてもそういう事をしてもいいのだろうか。いや、性的欲求とは三大欲求に数えられるからして、それを満たそうと思うのは健全と言えなくもない。という所で俺は冒頭の疑問に差し掛かるのだ。
 そんな事を悩みながらも彼女の顔が俺に迫ってくる。その後、俺達の口が繋がるのに時間は掛からなかった。口付けとは婚姻の儀式にもされるように特別な意味を持つ行為である。乱りに行うのはふしだらだと言われかねないが、両想いの相手同士でするならばそれには該当しないだろう。とかなんとか思ってる間にも彼女の舌が俺の口の中で貪るように暴れ回る。その彼女の積極性に驚かせられてる俺は、無抵抗にその行為を受け入れている。ちょっと情けないかなーとも思いつつ、その口付けの心地良さに頭の中が蕩けてきてるのはある意味で正常、またある意味では異常かもしれない。……別にブラッキーだからと言って攻められて喜んでる訳ではない。多分。
 
「ぷはっ、はぁ……ごめんね? でも、私……ブラッキーの事が、好き。ずっと一緒に居たいの」

 なんて言われながら体を預けられたりしたら、正直なところこれが健全な状況か不健全な状況かなんて事は些細な問題に早変わりし、頭はエーフィへの返答を考えるのにフルスロットル回転を始める。とは言え俺も彼女の事を好きなのだから返答は至ってシンプルなのだが。
 そもそも牡と牝が告白しそれ相応の付き合いを始めるのは恋愛の第一歩として至極当然なのだから、これは健全な付き合いと言っても過言ではない。まずはお友達からの関係も経ているのだし、いきなりこうなっている訳でもないので間違い無くセーフ、セーフだ。
 体の構造上難しいながら、エーフィの背に前足を回して抱いた姿勢になり、俺も君の事が好きだ。なんて台詞を言えば嬉しさで涙目になった彼女と再び濃密なキスをする。彼女の尾が俺の尾と絡んで離れたくないというのをアピールしてくるのもまたナイス。
 一頻りお互いの口内を貪り合うようなキスを交わせば心も体も互いにそれ相応に仕上がってしまうのが雌雄の仲と言うものか、俺の方はすっかり興奮が高まっている。俺というか、俺の息子がだが。しかしこれは牡ならば仕方ない反応だろう。寧ろ据え膳食わねば牡の恥と言う言葉があるくらいなのだからこうなって然りなのだ。
 エーフィも俺のがどうなってるか理解しているらしく、気になるようにチラチラと視線を送っている。我慢出来なくなったなったのか、見てもいい? なんて聞かれたら答えは当然一択で、頷くとエーフィは体を反転させる。そうすると俺の前にも彼女の大事な部分が来るのだがこれには気付いているんだろうか? いやまぁ気付いていなくても結果として拝む事になるのでいいんだが。
 目の前の彼女の局所は湿り気を帯びている。牡で言えば怒張している状況に近いんだろうか? ともかく彼女も興奮しているのは十分に理解出来る。これに対して何かしらのアクションを起こしたい気持ちはあるんだが、それには彼女の心の準備が出来ているのかとはたと疑問に思う。が、それが杞憂に終わるのは息子から伝わる感触で分かった。ぬるりと湿った何かが息子を撫でる。状況から考えて、撫でている物は一つ。彼女の舌だろう。
 それがゆっくりと唾液を塗すように息子を何度も撫でていく。これだけで凄まじい快感が体中を駆け巡って行くんだが、それだけで達してしまっては少々情けないと思う自尊心でなんとか凌いでいる。が、このままではさっくりと一回目の絶頂を迎えてしまうのは目に見えているので、ならばとこちらも行動を開始する事にした。彼女からけしかけて来たんだ、そういう心構えもあると解釈させてもらおう。
 息子からの刺激に身を震わせつつ、まずは前脚でそっと彼女の秘裂を撫でる。急な衝撃にピクンと彼女の体が跳ねるのが可愛くて、そのまま二度三度と撫でる。秘裂から溢れる蜜の量が増えてるので分かる通り、彼女も感じてくれているんだろう。やはり事をするのならば、愛しい彼女にも満足してもらいたい。ならば次やる事は一つ。
 濡れる秘裂にそっと舌を這わせる。さっきまでとは違う感触からか、また彼女の体が大きく揺れる。そのままじっくりと弄ると、少し我慢しているような彼女の甘い声が漏れるようになってきた。ただ、その我慢しているような声が俺の悪戯心を刺激してくる。どうせならもっと盛大に声を上げている彼女を見たい。そんな思考に至った俺の舌は、迷う事無く彼女の中へと進む事を選んだ。

「ふぁっ、あ、ひぁぁ!?」

 内からの刺激は予想外だったのか、今までより大きな声が彼女の口から漏れた。俺が舌を動かす度に彼女の艶声を漏らすのが堪らなく快感で、溢れる蜜を啜りながら心行くまで彼女を味わう。……これは健全か? と一瞬疑問に思いつつも、今この一瞬にその思考は野暮だろうと浮かんだ疑問をそっと頭の隅に押し込んだ。
 と、俺が楽しんでいたら不意に息子が柔らかく温かい物に包まれた。これは間違い無く、彼女の口の中だ。今まで舌で弄んでいた彼女の膣の中よろしく、いやそれ以上に息子から伝わる肉壁の感触は激しく俺の忍耐の壁を打ち付ける。更に彼女の舌が絶え間無く俺の息子を撫で上げ絡みついて来るので正直限界は近い。ならばと俺も彼女を絶頂に向かわせるべく口を彼女の膣に押し付け、吸い上げるようにしつつ舌でなぞり上げていく。……どうやら俺の方が少しばかり我慢が出来たようで、ビクリと彼女の体が震えたと思ったら蜜の洪水が俺の口腔内を満たした。喉を鳴らしながら飲み込むほどの量には正直に驚かされた。
 なんて余裕の思考をしてはいるが、彼女が達するとほぼ変わらず俺の息子も子種を吐き出していたりする。もちろん彼女の口の中に。自分がやられてから思うのもどうかと思うが、自分のそう言った物を相手に飲まれるというのはなかなかに気恥ずかしい。まぁ、お互いにやってしまえばどうのと言う事も無いんだろうが。

「ぷぁっ……ブラッキーの、何と言うか……濃い」

 ……感想まで言われるとは思ってはいなかったが。エーフィだって凄い量だったと言ったら、顔を赤くした彼女が私の目の前に現れた。どうやら前戯はもういいだろうと言う合図なんだろう。
 ならば、ここからが本番だ。いいんだね? と同意を促すと、恥ずかしそうにしながらも彼女は頷いた。さて、それならばするだけなのだが、姿勢はどうすべきか。今の彼女が上の姿勢のままでは彼女に頑張ってもらう割合が多いか? 等と考えている内に彼女はもうその気だったのか、位置を合わせて秘裂と俺の息子の鈴口が触れ合った。

「あっ、は……」

 意を決したように彼女が腰を沈めると、ぬるりと愚息が彼女の膣へと分け入っていく。ゆっくりなのは彼女としても初めての事だろうから、やはり恐怖心から来るものなのだろう。ならば俺は彼女のペースに合わせて待っているのが得策だろう。もどかしいと思わなくもないではあるが。
 柔らかく熱い彼女の中へ息子が飲み込まれていく。そんな情景を見せられている所為か、彼女から段々大きくなっていくという報告を受ける。まだまだ俺の中の昂ぶりは高まっている途中らしい。ここまで興奮するような事は今まで無かったのだから、未知なのも当然だろう。
 と、彼女の中で何かに閊えた。聞いた事があるのは、初めてを迎えていない牝には証のように膣に膜があると言う事。これは恐らくそれだろう。牡を受け入れれば破れるらしいが、鋭い痛みがあるとも聞いた事がある。強姦等されれば、特に意識をしていない相手にその痛み、破瓜を迎えさせられるのだから牝からしてみれば堪った物ではないだろうなと思いつつ、エーフィの改めて意を決した表情から俺は彼女が純潔を捧げても構わない相手になれているというのに改めて喜びを感じる。当然俺も彼女が初めての相手であり生涯最後の相手にするつもりだ。牝遊びなんて、不健全の極みのような行為だろうし。
 ぐっと力が掛かったと思うが早いか、閊えを突破し俺の愚息は全て彼女の中に納まる事と相成った。やはり痛みは相当だったのか、彼女の目からは大粒の涙が溢れていた。それをそっと舐めとると、痛みを堪えながらも彼女は笑って見せてくれた。その様子が愛おしくて、抱き寄せるようにして彼女に口付けを交わした。俺の息子が彼女の中にあって、お互いの鼓動が混ざり合うような不思議な感覚に俺も彼女も酔っているような錯覚を覚える。一つになるとはこういう感覚を言うのだろうか?

「不思議……ブラッキーと溶けて一つになっちゃってるみたい……」

 お互いの特性の所為か、彼女と気持ちの面でも同じような感覚になっている。無論物理的にそんな事になれるのはシャワーズにでも進化しなければ出来ないが、気持ちが一つになっているというのが存外心地良い。まぁ、相手が愛してるエーフィだからこそでもあるんだろうが。
 穏やかな愛の時間は終わって、彼女も落ち着いたのを見計らって少しだけ腰を動かす。下から突き上げるような動きなんて普段はする事は無いが、やろうと思えば出来るもの。少しだけ彼女の中から姿を見せた愚息を、勢い良く彼女の中へ押し戻す。擦れ合うだけで頭の先から尻尾の先まで電気が奔るような快感が抜けていく。これは、病み付きになってしまうポケモンが居てもおかしくはない。

「ひぁ、あ、んぁぁぁ!」

 もう言葉にならないと言わんばかりに、彼女は隠す事無く喘ぎ声を上げる。その声に興奮は最高潮に高まり、俺も腰の動きを出来うる限り速める。こういう単調な動きならここまで速くも出来るものなんだなと、薄れている理性で少しだけ思う。
 夢中で彼女の中を突き上げている内に、俺の内の熱もそろそろ出口を求め始めた。とは言え、振り乱れる彼女を引き剥がす事など出来る訳も無く、また俺も愚息を引き抜くという考えに至らない。このまま彼女と繋がったまま果てて、子種を彼女の中に注ぎ込む。それをするという事だけが俺の中に残っている思考だ。

「あぁぁ! あ……出てる……ブラッキーの、濃いの……」

 抱き寄せて、奥まで満たすように深く繋がって、溜まり切った熱を解き放った。どくりどくりと脈打ちながら、彼女が自ら濃いと言った白濁で彼女の中を満たしていく。彼女もその時に達したのか、納まっている膣が俺の愚息を締め上げて、満たされてなお自分の中に俺の子種を受け入れようと動いている。
 しばらくの脈動の後、俺の射精は治まった。……まぁ、まだ怒張したままなんだが。

「ふぁ……こんなにいっぱいになっちゃったら、子供……孕んじゃうかな」

 寧ろそれを行う行為をしたんだから、そうなるのも必然だろう。これだけやったんだ、もう俺も彼女を番いにするので異論無い。俺を愛おしそうに見つめ返してくれてる彼女も同じ結論なんだろう。
 ならば、このまま連戦に臨んでも構わないだろう。寧ろ確実に子供を彼女に孕んで欲しいと思っているのだから、疲れ果てるまで睦み合うのもまた一興。翌日する事があるでもなし、彼女を抱いて眠るのも悪くないだろう。

 ……結局、その日を境に俺と彼女は番いとなり、共に暮らしている。昼間は仲良く出掛け、夜は体を重ね合い愛を確かめ合う。そんな生活に俺も彼女も心身共に満たされている。
 後に聞かされたんだが、あの日の事は全て彼女が計画した事だったらしい。俺の散歩コースで待ち伏せし、雨が降るまで時間を潰して自分の塒に誘い込む。俺はそれも知らずにまんまと計画通りに動かされていたのだ。
 元々俺に抱かれて俺の番いになる事を画策した彼女の考えは、見え方としては不健全とも取れるかもしれない。牡に抱かれる事を見越していたんだからな。
 だが、今の俺達はこの上なく健全な番いとしての生活を送れている。……結局のところ、健全さも不健全さも見た者の解釈から来るもの。毎晩彼女の体を求める俺は不健全かもしれないし、子供が欲しい牡としては健全とも言える。
 ならばどちらかで悩むよりも、自分は健全であり不健全でもあると定義してしまった方が何事も楽しめるというものかもしれない。

「どうしたのブラッキー? 考え事?」

 俺の顔を覗き込んだ彼女に何でもないよと答え、そのまま彼女を押し倒す。まだ彼女に子供が出来た兆候も無いので、今晩も彼女を抱いて愛し合う事に勤しむとしよう。……子供が出来てからあまり彼女を求め過ぎるのは、流石に健全とは言えないかな? なんて事を薄っすらと考えながら。

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