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ラーニング の変更点


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この作品は&color(red){同性愛表現};を含みます。
丑の日の定番食、丑の日の定番食おかわりの続き物になりますので未読の方はそちらから読まれると没入感が増すと思います。
* ラーニング[#E5000B]

 どうしてこうなったのか状況を整理したいと思う。
 その前に今起きている事を話そう。
 舞台は浴室。
 広さは大人が2人分入れる程度で、一般家庭の何処にでもある平凡な造り。
 浴槽の上には風呂蓋が敷かれ、そこに腰掛ける男と股座の前で灰色の兎が一羽。
 男は極度の緊張からか全身を強張らせ、息もやや不規則気味で過呼吸になるかならないかといった様子。
 男と兎の付き合いはもう短いとも言えず、一線も越えた仲でありながら何故こうも雰囲気が張り詰めているのか。
 それは兎の手に持つ獲物が原因であった。
 現在、兎は剃刀を手に持っている。
 T字型のそれは初心者にも扱いやすく馴染み深さで溢れているとは言え、角度を間違えれば肌を切る刃物なのは変わらない。
 余程雑に扱わなければそんな事故は滅多に起こるものではないが、それは自分で扱ってみての話であり、相手に扱わせるとなれば話は変わってくる。
 そして刃物を扱った経験もない度の付く初心者となれば尚更であり、極めつけは人の手ですらないのだから緊張しない方が土台無理な話である。
 一方兎の表情は真剣そのもので、刃を持たない方の手で男の股間を上下左右に撫で繰り回しては粘性の高い液体を塗り広げていく。
 ここまでくれば兎がこれから何をするのかもうお分かり頂けるだろう。
 事の発端は三週間程前に遡る。
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「派手に犯りましたねー」
「言い方がおかしいです」
「犯られました?」
「だから言い方がおかしいです。否定はしませんけれども」
 一夜が明け、全身に走る倦怠感と空腹感と腰痛に堪えつつ男が掛けた相手はいつも世話になっている例の女職員だ。
 報告を聞くや直ぐに駆け付けると言い残してから数十分後に彼女はやってきた。
「こうなる事は前以て予測済みでしたからね。そういう相談でもありましたし。それでもちょっとこれは想像以上と言いますか、お隣さんから異臭がする等の苦情を入れられてもおかしくないレベルですよ」
 苦言を呈しながら彼女は事前に渡されていた合鍵をビニール袋と共に返す。
 袋の中身には経口補水液入りの容器が二本と、市場では見掛けないパウチゼリーが三点入っている。
「面目無いです。もう鼻が慣れきってしまってか、異臭を悪臭とも認識できないみたいで」
 謝りつつゼリーを体内に流し込む。あっという間に一本を飲みきり、二本目を開ける間に会話が続く。
「いえいえ、その為のヘルパーですから。御体は大丈夫ですか? 特に腰の辺りは?」
「ええ、ちょっとふらつきはしますが立てない歩けないという程でもないです」
 壁に手を添えてベッドからの立ち座りを繰り返して健康状態を計っていると、軋みに目を覚ましたのか件の兎がもぞりと身動く。
「ふふっ、若いって良いですわね」
「休憩ありとはいえ流石に一日中は体に堪える物がありますが、とりあえず飲食を済ませれば動ける程度には回復しました。凄いですねこのポケザーinゼリー」
 成分表を確かめると人やポケモンを問わず召し上がれるらしい表記が目に入る。
 三本目を開封して寝ぼけ眼の兎の鼻に近づけてみると鼻先を引くつかせ、伸びた手先が僕の指ごと手繰り寄せては食いついた。
 その様子は授乳をしている様にも見え、どことなく心が和らぐ一風景を覚える。互いの精液で全身はおろかベッドシーツの端からも零れている残滓を除けば実に朗らかな朝ではあったのだけども。
 彼女はそんな事はおくびにも出さす、始終笑顔を向けて対応してくれている。
「いえいえ、こちらこそ試作品のデータ収集に付き合って貰っていますからね。Win-Winの関係でいきましょう」
「でも本当に頼んで宜しかったんです? ただの後処理を任せてしまうだけの掃除係なんて」
「良いんですよ。これも仕事の一つとして含まれますから。後は個人的に各々の関係性を確かめたかったというのもあります」
 それが狙いである事を隠しもしない彼女の性癖に嘆息しつつ兎の哺乳を維持する。
 先の男と同じ様にあっという間に飲みきり、空になった容器に蓋をして袋の中に戻す。
 何故か部屋の中に居る彼女に疑問も持たず、一鳴きを交わす兎へ彼女も挨拶を返した。
「おかげ様で上々です。流石に全部は悪いので僕も何か手伝いたいのですが」
「でしたら朝風呂に入られては如何でしょう? 御二人とも全身を清めて貰わないと掃除の手間が増えてしまいますし」
 言われてみればと気づいた男は兎の被毛にこびりついた蛋白質の塊を爪弾く。当然剥がれるはずもなく、これは洗い流そうにもちょっとやそっとでは落ちないかもしれない。
「御尤です。この子のケアも兼ねるのでもしかしたら長風呂になるかもしれませんが」
「構いませんよ。ごゆっくり疲れをほぐしてお浸かりになって下さいませ」
「では、お願いします」
 ベッドシーツを兎に巻き、抱き抱えて男が浴室へ向かい寝室を後にするのを見届けると、それまで維持していた笑みを崩してぐふりと邪悪さが笑み零れた。
 そんな様子を男は知るよしもなく、大人しく運ばれる兎の聴覚だけが観ていた。
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 こうされると気持ち良い。
 ここを弄られると気持ち好い。
 その繰り返しは同じ雄である男にも通ずると本能が告げ、更なる快楽欲求を満たすべく兎はステージを上げる。
 何のことはない。学習し、自分が体験した感動を男に返してやるだけの行為を連ねるだけである。
 そうして兎は続々と男の手練手管を吸収し、不得手な己の特性とも言える不器用さを克服しつつあった。
 ステージが上がり、男が肉体の開発に勤しむ様を覗き見、盗み聞くや代替品を用意しては人間の真似事を反芻し、互いの準備が万端になった折で手始めに自らの肉体で快楽欲求が極まる急所を探りだす。
 その快楽は想像以上で我を忘れて自分の性別を手離しかけるものであった。
 一度の果てでは治まらず、二度三度と間を置かず連続する快楽の暴発を男が誘発させていく。
 男が腸内を掻き回す度に意識は混濁し、視界が明滅を繰り返しても体は繋がりを求め続けて蠕動する。
 淫れてぶれる視界の揺れは男が体位を変える毎に激しくなり、快楽の極まりもそれぞれ異なる牙を急所に突き立てた。
 体力の限界も近くなる頃で意地が残っていたのか、一周して兎が再び上に乗り、男を見下しながら自分はまだ余裕だと男を締め付け、呻く男の乳首をつねり爪弾いて辱しめる。
 男が相手でなければ一生知らずにいた技術であったろう。
 砕けて震える腰を左右に振り、円を描き、自分の中にある急所との距離を狭めていく。
 何度か繰る内に脳髄がごじゅり、と雷を浴びた時の快楽的苦痛と耳奥を轟音が姦しく主張した。
 麻痺して動けぬ兎を男が突く。男もまた快楽を欲したが故の牙突であった。
 腹部で暴れる蛇が無数に噛み傷を残し、牙が突き刺さる度に兎の雄から子種が押し出されて溢れ出す。溢れ出す。溢れ出す。
 止めどなく溢れる洪水は兎の股座の奥まで濡らし、地肌に貼り付いて陰嚢の陰影を詳らかにさせていく。
 男が最後のうねりを皮切りに洪水も鎮まり、力なく崩れる兎を男が胸で受ける。
 荒ぶる鼓動を子守唄に一夜が明け、夕刻に目を覚まし、そして学習した経験を実践に移す時がきた。
 腹ごしらえに軽く木の実を齧り、未だ眠る男の口へと食み移す。
 兎を解した例の木の実に毒性がある等は露知らず、一人と一羽は快楽の中毒へと再び溺れていく。
 兎の牙が男の内部を抉り立て、自らが感じた急所の一撃を男にも味わわせ、哭き喚く囀りに背筋を震わせる兎の表情の邪悪さを女職員が観測できたらば愉悦の極みに達したであろう。
 混濁した意識であれども受けた技は体が覚えていた。
 男の制止も聞かず流れる体躯の交わりに兎は幾度も涯を越え、男の腹中を白濁の海で満たしていく。
 失神と失禁を繰り返し、現と幻を行き来する男の気付けに頚筋を噛む。
 その数は数えきれず、夥しい咬み痕を残して最後の涯を吐き出し、深い眠りに誘われて夜が明ける。
 目覚めれば男は先に起き、後処理の為に兎を掻き抱いて浴室へと連れていく。
 全身をくまなく洗われ、泡まみれになっても兎は平然とされるがままに男の寵愛を受けていた。
 通常、炎タイプのポケモンはこういった水浴びでさえ怖がる個体が多いと聞くのだが様子を見る限り兎はそうでもないらしい。
 水の恐怖で全身を強張らせるという風もなく、完全にリラックスした状態でこの時間を満喫している。なんともまぁ変わり者である。
 手間がかからなくて男としては助かる以外に何もないのだが。
 泡が洗い流され、被毛が地肌に貼り付く。
 こうして見ると元々華奢な体型だがより細くなった線は少年の細さを醸し出し、一部の好き者にはたまらない形をしている。
 そんな趣味は無い男からすれば綺麗だとしか、ありきたりで至極正しい健全な感情のみが兎と対峙しているのだが、逆に兎にはそういう部分が残念そうな様子でもあった。
 わざと体をくねらせては煽り立てたり、壁に手を置いて腰を突き出してみたり、風呂蓋に腰掛けて股座を開いてみたりとあらゆる挑発を試みても男は動じないのである。
 この辺が男と兎の大きな差異にして絶対に覆らず、交わりきれない要素の一つでもあった。
 一線を越えても男の魂が染まるという事は無かった。
 雄だけが好きな兎と雌雄問わず愛情を注ぐ男は端から見ると相性が良好そうには見えていても、その根底では微妙な擦れ違いが生じている。
 独占欲の強い兎にとって男の無償の愛は最高ではあるが完全では無かった。
 何処までも獣で、獣らしく生きたい兎は人間社会の中に在る野生児とも言える。
 やろうと思えば兎はあらゆる柵を抜け出し、都会の外に広がる大自然の中で生きていく事も容易かろう。
 そうしないのは兎が男を気に入っていたのもあるが、単に大自然の中では好みの相手を探す手間が掛かりすぎるからだ。
 そして兎の知る限りにおいて万年発情期にあやかれる種族は同族と人間だけである。
 兎が彼に拘るのもただただ自分の欲求を満たす為だけの手段に過ぎず、利用するからにはとことん長く永く精魂尽き果てるまで搾り尽くす腹積もりであった。
 そんな魂胆も露知らず男は使命に突き動かされる様に兎の世話をする。
 最初の頃から全く変わらない男の一貫性には呆れを通り越して感心すら覚え、兎も男も徐々に互いが互いに依存し合う執着心を育んでいるのは確定的であるのに、何故か各々は無自覚なまま体を重ね続けている。
 或いは見えていない振りを続けているのかもしれず、恐らくその歪な関係性を正しく見れるのは第三者からの視点が望ましく、この場に居ない女職員だけが彼等を良く知っているのだろう。
 無自覚な侵食は何時しか相手を求め、受け入れる心を腰に据え、悦ぶ術を模索し、自らを変えていく。
 男が兎に奉仕する度に与えられる快楽欲求は毒と成り、じわりと蝕む心の変容を兎に与えた。
 それは性欲から切り離される事で判別するただひとつの形であるが、兎がそれに気づくにはまだ時を要した。
 それまでは直向きな男の奉仕活動が欠かせず、兎は男を模倣する。

 人が獣に堕ちる話。
 獣が人に成る話。
 これはそういう危うさを秘めた物語。
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 全身の泡が濯がれ、男が兎の股間の内腿を手繰るや渋い表情を浮かべて独り言つ。
 どうも兎の被毛にこびりついた残滓が取りきれず、元の毛並みに戻したいが故の拘り様であるらしい。
 別に兎はそんな汚れ等は気にならないのだが、悲しいかなそういう意図も伝わらずすれ違うばかりである。
 昔の兎ならばここらで蹴り上げて中断を強要するのだが、大人しくされるがままに男の触診を受けている。
 信頼からくる辛抱か、はたまたは好奇心からの観測か。
 地肌に達する汚れを看過した男は決断を決めた表情で一時的に浴室を退室する。
 遠くに行くでもなく、磨りガラス越しに姿を確認できるので兎も野暮なことはせず、手先に滴る水滴を振り払いながら男の帰りを待った。
 然程時間は掛からず、男は手に何かを持って再び兎の股間の前に位置取り、兎に確認の意思を問い始める。
 良く分からぬままに兎はとりあえず肯定を込めて一鳴きしながら首を縦に振る。
 何をされようがそれは自分の快楽に繋がる行為であると信じて疑わぬその様は盲信めいており、恋する盲目に似たる倒錯を露呈している。
 被毛越しに伝わる粘り気を帯びた微かな冷えが股間の上下左右に塗りたくられ、ややも不快感を覚えて少し後悔の念が湧く兎だが、じっと耐えて男の手練を観察する。
 一頻り馴染ませた部位へ男は右手に持つ剃刀をそっと宛がい、指先を滑らせる様に刃を下ろした。
 ぞわりと背筋を逆撫でる不快感と未知の感覚、見る目を疑う情景が網膜に焼き付き、脳内で繰り広げられる混乱を治すべく声が奪われる。
 男は淡々と処理を進めていく。
 赤く広がる大地が耕作され、露になる白磁の地肌をともすれば初めて観測したかもしれぬ衝撃があった。
 そんな兎の機微も疎かに男は指先を食い込ませてはなぞらせる。
 しょり。処理。しょり。処理。
 喪失感とは異なる虚無感があった。
 単純に荒れ狂う感情の細波に心が麻痺しているだけかもしれなかった。
 次第に慣れ始め、次に襲ってきたのは恥辱心であった。
 だが止めろとは言えず、それ以上に知的好奇心が勝り、学習意欲が兎の目を爛々と輝かせた。
 股間、内腿の赤毛が剃られ、剥き出しになる自分の陰嚢と筒上の性器を男も兎も初めて観る形に感嘆し、数瞬の間を置いて作業を再開した。
 どうやら汚れは前のみならず後ろにも及んでいるらしく、尻を突き出させる体位に運ばれ、またもあの粘り気を帯びた冷や汁を臀部に塗りたくる。
 兎からは男の顔が見えぬというのに、男からは兎の全容が丸見えのこの状況は酷く耐え難く、兎の自尊心を煽り立てる辱しめであった。
 同時にその体位は昨夜の出来事を思い出すに足り、それまで冷静にあった兎の性欲は三度の燻りが下腹部に陰りとなって伸び始めていた。
 剃り残しの確認による執拗な愛撫。
 尻窄まりの間近を指先が掠める度に疼き、無意識に閉じる入り口。
 期待に塗れた尻尾の機微は男の目線を誘惑し、触れさせたくなる餌の動きを振り撒いて誘う。
 誘惑に負けず作業に徹する男の鉄の意思には感嘆の声をあげる所だが、尻尾は後ろだけでなく、前にも付いている。
 筒から伸びた兎の欲情は先走る糸を垂らして男の食い付きを待っていた。
 一通りの作業を終え、男が器具を置いたのを合図に兎は風呂蓋の上を寝転ぶ様に、ねっとりとした緩慢な動きで脚を開いて前を向く。
 こんなはずではなかったと男は語るかもしれない。
 だが現に盛る兎を前にして放っておく等の選択肢は皆無である。
 気がつけば男自身のそれも臨戦態勢を構え、無自覚の内に体が反応している事を隠せずにいた。
 兎の片手が尻窄まりを広げ、先に広がる深淵に生唾を飲み込む音が短く響く。
 唐突に男は浴室の戸を開け放ち、備え付けのバスタオルを兎に巻き抱いて寝室へと直行する。
 部屋の中に居るはずであろう女職員の姿は無く、身綺麗になった寝室は換気済みの清涼感も相まって活力が湧いてくる。
 エアコンから吹く冷風が塗れた肌に当たりやや肌寒いが、新しく敷かれたベッドシーツを被れば丁度良い案配の調整だった。
 乱暴な性の導入がベッドの軋みを弾ませ、その弾みで舞い落ちる一片の書き置きに彼らが気づくのは次の眠りから覚めた頃合いになるのだろう。
 書き置きには短く文章が綴られ、その内の一文にはお気に召した差し入れの追加を置いておく等の旨が記されている。
 サイドテーブルの上に置かれた複数の差し入れが汗をかいていた。
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 後書
 いつも単品で終わるのにまさかの続き物の続き物。
 レベルアップですぜ。あんたもせいちょうしたもんだ。

 感想貰えたから続き物を書きたくなったので感想くれた人に感謝。
 いつも読んでくれる読者様もありがとうございます。
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