「あーどうしよう。ポケモン撃退しようにも子供たちのせいでまともに攻撃できないし、いろんな人が仕事放棄するし…… ポケモンが急に現れてから平和だった日々がめちゃくちゃだよ。書類山積み。何で僕の時にポケモン来ちゃったの? 給料と休憩が全然たりないよ。ポケモンが喋れたのが不幸中の幸いだったけど。法律作ったはいいけどどうしよう……」 「あーどうしよう。自衛隊駆使してポケモン撃退しようにも子供たちのせいでまともに攻撃できないし、攻撃した国は例外なく逆襲くらってポケモン統治になってるからよかったっちゃよかったんだけどさ…… ポケモンが急に現れてから平和だった日々がめちゃくちゃだよ。書類山積み。何で僕の時にポケモン来ちゃったの? 給料と休息が全然たりないよ。ポケモンが喋れたのが不幸中の幸いだったけど。いや、言葉を話せると情けがかかるのが人間の性だから実質人口が増えるってことでしょ? ただでさえ食糧難なのに飢え死ぬ人みるのとかやだよポケモン図鑑読んでがむしゃらに法律作ったはいいけどどうしよう……」 西暦22XX年、ポケモンがこの星に現れた。 これは、この嘆き苦しんでいる男の物語、ではない。 ---- 僕はロトム。友達と一緒にロボットの部品を買いに行った。その帰り、道の真ん中で何かを探してそうなタブンネを見つけた。この道路は人も車もあまり通らない。でもごくたまに、車が通る。そして今、車が走ってきた。 「ねぇ、なんか嫌な予感がする」 「車は確かに減速してないけど、まあ気付かないってことは無いっしょ」 「ちょっと行ってくる」 「おい、待てって! それに、勝手に操作したら捕まるんだろ!」 友達がなんか言ってた気がしたけど今は急がなきゃ。僕は車に憑りついて、ブレーキをかける。僕の予感が見事に的中したみたい。運転手寝てるよ。タブンネはようやく気が付いたみたい。何かに絶望したかのような顔で、こっちを見て動かない。動かない!?僕はタブンネにぶつかった。タブンネが転がる。この運転手、結構揺れたにもかかわらず、まだ夢の中にいる。 「おい!大丈夫か?」 「僕はいいけど、タブンネが…」 運転手が悪いとはいえ、タブンネを跳ね飛ばしてしまった。 「見たところ人は見当たんないけど……なんか嫌な予感がする」 「とりあえずタブンネを運ぼう。家まであとちょっとだ。急ごう」 僕らは家にタブンネを運ぶ。僕は何でもすり抜けるから、友達任せになっちゃったけど。 #hr 無事家についた。僕の減速の甲斐あって見た限りではケガは少なかった。あとは意識さえ戻れば…… 「ううっ」 「起きたんだ、大丈夫?どこか痛くない?」 交通事故に遭ったんだ。ケガが少ないからと言って、何もないとは限らない。 「大丈夫だけど…… それより、ここはどこ?私はだれ?私に何があったの?」 「えっ、何も覚えてないの?」 「うん……」 記憶喪失みたい。 「とりあえず、ご飯食べる?おなかすいたんじゃない?」 「うん」 4時間も眠ってたんだ。そりゃおなかすくでしょ。 「とってくるね」 そういって僕は来客時用の……ない。ちょうど切れたみたい。 「ごめん。買ってくるよ。ちょっと待ってて」 と言って近くのコンビニまで買い物に行く。友達にも来てもらってってこれじゃまるで介護されてるみたい。 買い物する間に法律について話しとこう。『ポケモン法479条、ロトムは勝手に機械に憑依するべからず』つい最近決まった、新しい法律。ポケモン図鑑でも見て決めたんでしょ。ちなみに図鑑説明文には『電気のような 体は 一部の 機械に 入り込むことが できる。 そして その体で いたずらする。』って書いてあるらしい。ひどい話だ。僕らロトムはどの機械にでも入れる。でもみんながみんないたずら好きとは限らないじゃないか。 「ただいま。とりあえずおにぎり買ってきたよ」 「ありがと。ねぇ、食べていい?」 「どうぞ」 タブンネは、おにぎりをあっという間に食べちゃった。 「おにぎりまだあるけど、食べる?」 「うん」 そのあと3つほど食べたところで、おなかいっぱいになったみたい。 「そういえばロボットさんは、なんで話せるの?」 「ロボットだからね」 「意味不明」 そう、僕はロボットに憑依している。法に引っかかるんじゃないかって? プライベートにまで干渉されたくない。 「何かあったら言ってね」 「ねぇ」 さっそくだね。 「何か手伝えない?」 「何もない。君はケガ人なんだし、ゆっくり休んでよ」 「ケガって?」 ああ記憶喪失だったね。 「君はケガしたからここにいる、としか言えないかな」 今事故のことを話したらパニックするのは目に見えてる。 「だから今はゆっくり休んで、何かあったら言ってね」 「わかったよ」 不服そうだけどそうしてもらわないと困る。 このタブンネは見たところいたって普通かな。声は高かったから、多分♀だね。僕は今ロボットの姿だけど外に出る時はロトムの姿。ロボットショーにたまに出たりする。友達と知り合ったのもそこ。実は人気もそれなりにあったり。でもみんな科学力の発達だと思ってる、はず。 寝息が聞こえてきた。タブンネは寝ちゃったみたい。そういえば友達にお礼言わないと。 「今日はありがとう。本当に助かったよ」 「どういたしまして。また今度動いてるロボットの姿見せてくれよ」 「わかった。またね」 友達って本当にありがたい。 じゃあ、僕も寝ようかな。いろいろあって疲れちゃったし。 #hr 「ねぇ、ねぇ!」 「うー、おはよう」 どうやら結構寝たみたい。でもまだ眠いや。えっ、ちょっと待って。 「これどういうこと?」 部屋がひどく散らかってる。何があったんだ一体。家の中そんなに物がある訳じゃないのに。 「先に起きたから朝ごはんでも作ろうかと思って」 笑いながら言ってきた。笑い事じゃないって。それに、ロボットは朝ごはん食べないでしょ。 「とりあえず部屋掃除するから、ちょっと待ってて。あと、何もしないでよ」 落ち込んじゃったよ。ちょっときつかったかな。ごはん食べればなおるでしょ。それに、さっきいったとおり家の中物少ないから、すぐ終わるでしょ。 「終わった終わった。じゃあごはん食べようか」 よっぽどおなかがすいてたみたい。食べるスピードが速い。たくさんあった気がするけど、もうなくなってる。 「ロボットさんは食べないの?」 「ロボットだからね」 「意味不明」 いや意味わかるでしょ。ロボットってごはん食べないでしょふつう。青い狸の事を知ってるとは思えないし。タブンネそんなに年取ってないだろうし。 「ああああっ」 「どうした?」 「頭がぁ痛いぃ」 とりあえず頭痛薬もってこよう。あと水も。 「頭痛薬と水、飲める?」 「うう」 かなり苦しそうだけど、なんとか薬は飲んでくれた。 「大丈夫? な訳ないよね。どう痛いの?」 「頭がぁギューッとぉ」 頭がギューッとか。しめつけられるってことかな。 「何かできることある?」 「お水……ちょうだい……」 「わかった」 水水っと。 「はい水。ここにいるから、何か欲しかったら言ってね」 あぁ辛そう。早く回復してほしい。 #hr 2時間ぐらい経ったかな。タブンネ寝ちゃった。痛みも落ち着いたのかな。記憶が戻るのかな。そしたらお別れだな。 「おはよう。もう大丈夫」 「本当に?」 「うん」 「無理しないでよ?」 とりあえずよかった。 「ねぇ」 「何?」 「事故に遭ったってどういうこと?」 「記憶が戻ったの!?」 「ううん、聞こえたんだ。私、耳がいいから」 本当に? 直前まで車に気付かなかったのに。 「正直に話してほしい?」 頷いた。じゃあ教えるしかないか。 「わかった。僕が居眠り運転、つまり寝たまま運転してる車に入って、ブレーキをかけたけどぶつかった。ここまでいい?」 「ロボットさんはどうやって車に入ったの?」 「ロボットだからね」 「意味不明」 「だよね。僕はロボットじゃなくてロトム。機械に入ってそれを自由に操れるんだ」 僕はロボットから出た。相当びっくりしたみたいで、僕の事をまじまじと見てくる。ちょっと恥ずかしい。 「続けるよ。僕は勝手に機械に入ると、法律違反で捕まっちゃうから、君をここまで運んで、このことを内緒にしてもらって帰ってもらおうと思った。ここまでいい?」 「何でこっそり帰って欲しかったの?」 「捕まっちゃうから」 「なんで、何も悪いことしてないんでしょ?」 「それは僕にもわからないよ」 「ロボットなのに?」 「ロトムだって。続けるね。でも、君も僕も君の家がわからないから、今こうしてここにいてもらってるってこと」 「そーなんだ」 興味なかったの、質問しといて。 「本当は私の記憶、ほとんど戻ってたんだ」 「何で言わなかったの?」 「短い間だったけど、なんか別れたくなくて」 そう思ってたんだ。でも、帰ってもらわなきゃ。 「そう思ってくれてたんだ。でも、君は帰ったほうがいい。いや、帰るべきだと思う。帰る場所があるんでしょ」 「そうだよね。短い間だったけど。お世話になりました」 あぁ、お別れか… 「ねぇ、誰か来るよ。しかも大人数で」 とりあえず外を確認しよう。人間と、レントラー? レントラーってもしかして、 「警官隊よりロトムに告ぐ。君は完全に包囲されている。今すぐタブンネの少女を解放し、速やかに降伏するように」 なにこれ。僕がなんかすごいことしちゃったみたいな言い方。何もしてないよ、僕。 「レントラーたちのところに行ってきて」 「悪いことしてないんでしょ、いいの?」 「もとはといえば法律に違反した僕が悪いんだ。仕方ないよ」 「うん……わかった。いってくるよ」 僕の平穏な生活ももう終わりみたい。意外とあっけなかったな。タブンネはもういったね。じゃあ僕もいくか。 「ロトム、拉致監禁容疑により逮捕する」 #hr タブンネの証言によりロトムは釈放されました。 このことをきっかけに藻と会った法律の定着が進められることとなったのです。 このことをきっかけにもともと存在した法律の定着が進められることとなったのです。 ---- 「あーあ。もう何でポケモンなんて来ちゃったわけ? 早くモンスターボール開発してほしいよ。でもポケモン拒むか。もうどーしよ」 「あーあ。もう何でポケモンなんて来ちゃったわけ? 早くモンスターボール開発してほしいよ。でもポケモン拒むな。もうどーしよ。辞めよっかな。疲れたし」 男の苦悩の日々は続くのであった。 [[作者>No Name]] ---- 何かありましたらお気軽にどうぞ。 感想、アドバイス等いただけると嬉しいです。 #pcomment(タブンネとロボットとコメント) Ver.3 IP:183.76.84.144 TIME:"2014-08-13 (水) 18:30:42" REFERER:"http://pokestory.dip.jp/main/index.php?cmd=edit&page=%E3%82%BF%E3%83%96%E3%83%B3%E3%83%8D%E3%81%A8%E3%83%AD%E3%83%9C%E3%83%83%E3%83%88%E3%81%A8" USER_AGENT:"Mozilla/5.0 (Windows NT 6.1; WOW64) AppleWebKit/537.36 (KHTML, like Gecko) Chrome/36.0.1985.125 Safari/537.36"