「『ありがとうございましたぁ!!』」 午後6時…。陸上部が終わった。もうすぐ大きな大会があるから、いつも以上に皆の活気があった。 僕の名前は、ピクシーのピク。北川高校に通っているごく普通の高校生…。本当はもう一匹、ここにくるはずだったんだけど、遠い高校に推薦され引っ越してしまった。…本当に楽しい奴だった。 「ピク。お疲れさん!」 顧問のジュカイン先生だ。僕はこの高校で勇逸長距離を走るほどのスタミナを持っている選手だ。もちろん選抜で大会に出ることになっている。 「今日もいい走りだったよ」 「ありがとうございます」 僕はジュカインに先生に、軽く会釈をしてユニフォームを着替えるために、部室に入った。そこには先に着替えていたブースターがいた。 「ブースター、お疲れ様」 「おつかれ~」 ブースターは、短距離の選手でこの高校で、相当早い選手だ。 「どう?調子出てる?」 僕はユニフォームを脱ぎながら聞いた。 「まぁまぁだよ…ただ、まだ目標タイムにはたどり着いてないけどな…」 「まぁ…ドンマイ」 「そう言うピクはどうなんだよ?」 「僕?僕は普通だよ…」 「あっそう…」 「じゃお先に。また明日」 「おう。また明日!」 僕はバックを持って、部室を飛び出した。 帰り道、大空に燃える夕日は、とてもきれいだった。…ふと、中学3年のころのことを、思い出した。 「……」 その場で立ち止まった…少し切ない気分になった。 「あいつは…今頃…」 僕は、昔を思い出しながら、走り出した。そしてまっすぐ家に帰った。 「ただいま~」 家に帰ると、とても暗く、しんと静まり返っている。 「母さん…?」 靴を脱いでリビングに向かうが、やはり暗い。電気をつけるがそこには母の姿はない。あったのは、1500ポケと簡単な書置きだけだった。その内容は… 「『ピクへ 今日も、帰りは夜中になりそうだから、そのポケで買って食べてね。今度、父さんも連れて、ドライブでもいこうね 母より』」 「またか…」 今週に入って、3回目…うちの母は、一流会社の秘書をしている、だから夜遅くまで仕事が終わらず、いつも夜遅くの帰宅になる。父は、単身赴任でいつも週末にしか、帰ってこれない。僕は、テーブルの1500ポケを、ポケットに突っ込み、気分転換もかねて、遠いコンビニへかけて行った。 「まったくもう…料理ぐらい作っておいてもいいのに…」 小声で文句を言いながら、弁当やお茶やらをかごへ放り込んでいく。ふと僕は遠くから、成人雑誌のコーナーを見た。 「……」 学校などでもよくトイレでたむろしている不良ポケモンが、見ているのを何度か目撃しているが… ―男の人はなぜ女の体を好むのだろうか?― 僕も一応男だけどこんなもの読みたくもない…いや、ただ変な奴と思われたくない。それだけなのかも…。そんなことを思いつつ僕はレジへ向かった。 「いらっしゃいませ」 雄の店員が元気よく挨拶してきた。がごをレジのカウンターに置く、すると店員はすぐ商品のバーコードを打ち始める。店員を見ると、胸に「研修中」と書かれたバッチをつけている。新入りだと一目でわかった。 ピッピッと機械音がしていたが、急に止まった。そして… 「…もしかして、ピクか?」 僕の名前だ…しかし、この店員とは初対面のはず…。その店員を見た。プクリンだ…一瞬ではわからなかった。しかしその店員の目をじっと見つめた。 十秒…二十秒…。 そして、僕は目をかっと開き、口を開いた 「プ…プク!?プクなの!?」 目の前にいたのは、中三で離ればなれになった大の親友、プクリンのプクだ。 「懐かしいな!!元気にしてたか!?」 「もちろんだよ!!プクも変わりないなぁ!」 つい大声になってしまったが、幸い店内には、誰もいなかった。 「でもプク…お前別の学校に行ったんじゃなかったの?何でここにいるの?」 「待て待て…話したいこといろいろあるだろうけど俺、仕事中だから…時間ある?」 「うん…」 「じゃ、ちょっと待っててよ。もうすぐバイト終わるからさ」 「わかったよ」 その30分後、仕事を終えたプクが出てきた。 「お待たせ!ついてきて」 ぶっきらぼうに話しかけ、先頭を切って歩き出す。僕は後を追うようにしてついていく。 「プ…プク」 「ん~?何?」 「さっきの話の続き…」 「あぁ…何だっけ?」 「何で遠い学校に行っちゃったのに、ここにいるかって話!」 「そのことね…」 プクは淡々と歩きながら話した。 「俺の学校の制度でさ高1から高3のどこかで半年、別の学校へ研修にいかなちゃならなくて、俺は南川高校にしたってこと。だから今はアパート暮らしさ」 「そう言うこと…」 「そ!…でさピク」 「なに?」 「学校生活は充実してるか?」 僕の方を向きながら、話しかけてきた。 「うん!高校では長距離の選手に抜擢されるし、勉強も何とかついていけるし」 「そうか、そりゃよかった…ここが俺の借家だ、入って」 「うん」 見る限り、ぼろアパート…プクのことだ。家賃が少ないアパートを選んだに違いないだろう。しかし部屋は大して汚くはない。 「お茶、入れるから待ってて」 「あっ!いいよ。お茶なら買ったから」 腰掛けながら、プクに言う。僕はコンビニで買った弁当やお茶を出した。狭い台所からピクが出てきた。 「こんなボロいアパートで、悪いな」 「いいよ、僕はプクと会えただけで、嬉しいしね」 「そうか…」 僕は買った弁当を食べながら、プクと高校生活について語った。プクの推薦で行った学校はとてもレベルが高く少し遅れ気味らしい。得意のテニスもハードすぎて、やめてしまったらしい。 「勉強だけしか武器がなくてな…それでも周りの目は、差別のような目でさ…」 「でも、どうせ持ち前の明るさや元気で、切り抜けたんでしょ?」 「まぁ…そんなとこかな」 プクが壁にかけてある時計を見た。長々と話し込んだせいで時刻は9時半を回っていた。 「もうこんな時間か…悪いな」 「いやいいよ…僕も一人だったし」 「お前ケータイ持ってる?」 「えっ?うん、持ってるよ」 「じゃ…」 プクは、テーブルにおいてあるペンと紙を取って、そこに何かを書き記した。 「これ、俺のメアドと番号書いたからさ、いつでも連絡、頂戴」 「ありがと、僕の渡しといたほうがいい?」 「そうしてくれると、助かるよ」 僕は、紙とペンを借りると、プクと同じようにメアドと番号を書き記した。 「はい」 「サンキュー」 僕たちは、外に出た。 「それじゃ、また連絡するよ」 「おう!じゃあな」 僕は、プクのアパートを後にした。…正直、ずっと話していたかった。プクにあえるなんて夢にも思っていなかっからだ。しかし、これからはいつでもプクと話せるし、プクの声が聞ける。そう思うとこれからの生活が楽しくなりそうだ。 夜、10時半…お風呂に入り、リビングでテレビを見ていた、ニュースには興味がないが、気になる事件もあった。そして僕が今、見ている事件がまさに気になる事件だ。 「『今日、5時半過ぎコインランドリーで女性の下着を盗もうとしたポケモンが逮捕されました。』」 「……」 事件を起こした容疑者の動機は、臭いを嗅ぎたかった、といっていた。信じられない…僕には頭がおかしいとしか考えられない。 ―そんなに女性のにおいがいいの?― そんなことを思いながら、ニュースを見ているとケータイが鳴った。しかしいつもの音とは違う。少し驚いたがそのメールの差出人を見たらほっとした。 「『よぉ!ピク!今日はお前と会えて、嬉しかったぜ!また話そうなv(^-^)v』」 早速メールが来た。プクからのメールをすぐに打ち返した。 「『もちろん!またはなそうね』」 次の日…今日は部活が無かった。久々にゲームでもやろうかと思い、早足で家に帰った。不意にバックのケータイが鳴る。 「『ピク!学校02!今日また俺んちでいろいろ話さない?』」 「『いいよ!ちょっとしたらいくよ』」 僕の頭からゲームは消え、プクと家に行くことにした。 メアドを交換した日からプクとのやり取りが耐えることは無かった。僕はこのままずっとプクといたい…。そう思ったこともあった。しかし時や時間は絶対に止まらない。これは皆、共通のことだ。 「なぁ…ピク」 「何?」 今夜もプクので語り合っていた。 「大事な話があるんだ」 「…どうしたの?」 「…実は、俺…」 「?」 「…帰ることになったんだ」 「……えっ?」 「次の月曜日…朝早い電車で、遠い学校に帰るんだ」 僕はここにきて大事なことを思い出した。 プクは研修生だった そのことを忘れていた。 「…嘘でしょ?プクは嘘が下手だな…あはは…」 「嘘じゃないよ」 即答されてしまった。でも僕は認めたくなかった。 「今度は…いつ、来るの?」 「…わからない、もう、来ないかも知れない」 「……」 僕もプクも、黙り込んだ。…そのまましばし時間が流れたが、プクが口を開いた。 「ピク、ひとつ頼んでもいいか?」 「何?」 「…お前の家に、泊まらせてくれ」 「えっ?」 「ここに戻ってくることが無いかもしれない…最後かもしれないだろ?だから最後は親友の家ですごしたいんだ」 「プク…」 「だめか?」 いきなりの事でとても驚いたが、僕はすぐにケータイを取り出し母に電話をかけた。そしてすぐに電話を切る。 「いいよ、金曜日から日曜日まで母もいないから」 「ほっ…本当か?」 「うん」 少し涙ぐんでいたプクは、はじめてみた。そして僕も、プクと同じように涙ぐんでいた。プクはうれし涙だと思うが僕は悲しんでいた。 プクとお別れなんて… 約束の金曜日…朝早く、母は仕事へ出かけた。万が一のことがあってもいいように1万ポケをもらっといた。しばらくすると、プクが大きなかばんを持ってやって来た。 「おはよう!プク」 「おう!お前の家懐かしいなぁ!」 「とりあえず、あがってよ」 「じゃ…お邪魔しますよ」 2人で二階に上がり僕の部屋へ入る。入るなりプクはバック四隅に置いた。 「これから2日頼むぜ!」 「あのアパートはどうするの?」 「もう解約したから大丈夫だよ」 「そう…ならいいや」 僕たちは早速、町に買い物に繰り出した。男2人で買い物も変かと思ったが、まんざらでもない。服を見たり、時計を見たり、ゲームショップを覗いたり…。 「なぁ、ピク。お前彼女といるの?」 「いないよ」 いきなりの質問だったが、そっけなく即答した。 「えぇ!?いないの!?」 「別に驚かなくてもいいじゃん」 「だって少なくとも中3のときは、いつも女子が周りにいなかったか?」 「?…いいや、大して変わらないけど?」 「そうなの?」 「うん」 なぜか唖然としていた…。不思議なやつだと思った。 「そうか…なら、彼女とかできたときの付き合い方とかも、知らないだろ?」 「うん…」 「じゃ、俺が教えてやるよ」 「えっ?」 「お前の母さんも今日いないんだろ?だからさ…「大人の夜」にしない?」 「「大人の夜」…ねぇ」 「そう!どうだ?」 「…そうだね!なんか楽しそうだし!」 「よし!じゃ決定だな!!」 このとき…この言葉がどんなに、深い意味を持っているか、知るはずがなかった…。 昼頃…近くのファーストフードショップで食べることにした。プクは店内をきょろきょろと見回しいていた。 「ピク…お前いつも昼とかこんなところで済ましてんのか?」 「うん、大抵は外で済ましちゃうよ」 「体に悪いぞ?」 「そうは言っても…料理はできないしな」 「そうか…よし!今日の晩飯、俺が作ってやるよ!」 「えっ?プク、できるの?」 「アパートだとなんでも一人でやらなくちゃいけなかったから結構身についたよ」 「へぇ…」 「といっても…インスタントラーメンに野菜とか入れるだけだけどな」 「それでも十分だよ…よろしくっ!」 「任せとけ!」 会話が終わると、注文したものが出てきた。あまり外食しないプクの口に合うか心配だったけど結構がつがつと食べていた。昼食後、2人でまた町を散策した。時は過ぎるのは、早く気づけばもう5時半近い。僕たちは近くのスーパーで買い物をした。今日の晩御飯の買出しだ。インスタントラーメンに加え、野菜や卵なども買った。 夜7時…ピクがキッチンに立ち、調理を始めた。さすがアパート暮らしをしてきただけの事はある。すばやく野菜などを切り、なべに入れていく。その姿を僕はただ見つめるしかなかった。 「出来たぜ!!ピク特製、野菜たっぷりの味噌ラーメンだ!!」 「うわぁ…」 普通のインスタントラーメンとは思えないほどの、豪勢のボリュームだ。勿論、まずいわけがない。 「すっごくおいしいよ!ピク、すごいね!!」 「ありがとよ!」 とてもおいしいラーメンを食べた後、僕たちは、ゲームで遊んだ。 「なぁ、ピク」 「何?」 ゲームの画面から顔をそらさずに会話を進めた。 「お前ってどんな女がタイプ?」 「ん~…綺麗で、家事が出来て…自分を大切にしてくれる人…かな?」 「ふ~ん」 その質問から、数分後… 「じゃ、もし俺が女だったら…どうする?」 「えっ?…ん~」 考えたこともない…しかし今日1日のことを思い出した僕は… 「彼女にしたい…気もある」 そう答えた…だが実際、プクが女の子だったら彼女にしたい、そんな気持ちもどこかあった。 そう思った瞬間だ。 「…ちゅ」 「えっ!?」 ほほに暖かい感覚が走る、僕はすぐに何をされたかわかった…キスだ。 「ちょ…プク!?何してるの!?」 「あ…ごめん」 ピクのいきなりの行動に驚いた。プクがこんなことするとは思いもしなかったからだ。 …だけど、少し嬉しかった。 「ピク…そろそろ、上行くか」 「うん、わかった」 ゲームの電源を切り、僕を先頭に、2階へ上がっていく。そして自分の部屋に入るなり、鍵を閉める。これは僕の癖だ。昔から、プライベートを守るために鍵を閉めることにしている…別に卑しいことはない。 ちなみに、この鍵は絶対外から空けることは出来ない。 「ピク…」 窓のほうを向きながら話しかけてくる 「なに?どうしたの?」 「俺のこと…好き?」 「えっ?う…うん、好きだよ…親友とも思ってるし」 あくまで親友として僕は、プクのことが好きだ。 「そう…」 くるりと回り、僕と向き合う。 「少し懐かしい遊びしないか?」 「懐かしい遊びって?」 「『シャドーゲーム』覚えてるか?」 その言葉を聴いたとたん昔の記憶がよみがえる。 「『シャドーゲーム』!!覚えてるよ…懐かしいなぁ…」 『シャドーゲーム』僕たちが考えた遊びで、直訳で『影の遊び』だ。影は主人と同じ動きをする。そのことに興味を持って、「僕たちも影になろうよ」と僕の発言が始まりだった。じゃんけんなどで、主人と影を決めて、主人と同じように影が動く、という簡単に言う「まねっこ」だ。 「今からやるの?『シャドーゲーム』」 「ああ…やりたくないか?」 「いや、久々に「影」なりたいよ!」 「そういや、そうだったな」 決まって、「シャドーゲーム」のときは、プクが主人で、僕が影だった。 「それじゃ早速やるか」 「やろう!」 プクは、いきなり頭の上で手を軽く振る。僕も同じように手を振った。今度は足を振る。すかさず僕も足を振る。 「よし!じゃレベルを上げようか」 「オッケー!」 ピクが僕に近付いてくる。僕もプクに近付く。お互いの間が、30cmぐらいになる。プクの顔がとても赤い。 「プク…?」 「しゃべるな…俺はしゃべってないぞ」 何がしたいのかよくわからない…すると、いきなり僕の口が塞がれた。景色が周り、僕はすぐに床に倒れる。僕の耳には、ピチャピチャと言う音しか聞こえない。 しかし…この感覚は…なんだろう。 不思議と、心が安らぐ…いや、心地いい。 いきなり息が出来るようになった。プクと僕の間に銀色の、糸が掛かっていた。しかし儚い糸は、重力とともに、僕の口元に落ちてきた。 「プク?」 「俺…お前の事好きだ…本気で好きだ!!」 目を大きく開けて驚くしかなかった…男が男に告白している。プクはまさに言う「ホモ」だったのだ。 「遠い学校に行く前も…遠い学校へ行ってからも…ずっと、ずっと…お前の事考えていた」 「……」 「学校が始まって、もう2度と会えないかと思った…お前がいない間、寂しかった」 「…プク」 「研修が決まって…お前に会うために、南側高校にしたんだ」 プクの目から、雫が落ちてくる。 「2週間たってもあえない日は、もう本当に会えないかと思った…」 どうしようもなかった…プクのこんな姿、見たこともない。 「お前は親友かもしれないけど…俺は…俺は…!」 初めて知ったプクの気持ち…でも僕もきっと。 「プク…ごめんね」 僕はプクを強く抱きしめて、耳元で 「僕も、プクの…こと、好きだよ」 そっと囁いた。それを聞くなりプクは僕から離れた。 「ピク!『シャドーゲーム』続きやろうぜ」 「うん!」 プクは、胡坐をかいて床に座る、僕も同じようにする。 「いいか、同じことをしろよ」 「う…うん」 するといきなり、プクは自分の股へ、手を持っていく。僕も戸惑いながら手を股へ持っていくが、この先の行動は出来なかった。 「えっ!?プ…プク!?」 自分の大きくなった肉棒を擦り始めたのだ。 「はぁ…はぁ…」 プクの息が荒くなっていく。その姿を見ていると僕も顔が赤くなり、息も荒くなる。 「ピク…なに見てんだよ」 「えっ?」 「お前もやれ」 「ええっ!?」 確かに今は、「シャドーゲーム」を実行しているから、主人のプクの行動はすべてまねしなければならない。 「でっでも…やり方知らないし」 女の子との付き合いもなく、それほど性欲もなかった。自慰という言葉だけは知っているが、やったことはない。 「何だ…しょうがねぇな」 プクは行動をやめて、僕に近付いてくる。そしてプクが四つん這いになり、僕の恥ずかしい部分に顔を近づけている状態になった。 「へぇ…ピク、結構大きいな」 「へ…変なこと言わないでよ」 プクはいきなり僕のものを握りだした。 「『シャドーゲーム』のルール追加、主人のしたこともまねすること」 「…はい」 「よろしい」 なすがままに返事をした。するといきなりプクは僕のものを擦り始めた。 「うわぁ!…プク…やっ…やめ…て」 「嫌がるなよ…それに気持ちいいだろ?」 「そんな…こと…ああぁ!!」 その叫びとは逆に、体にはプクの言う通り僕のものに電気のような感じのものが流れていた…今までにない感覚だ。さらにその感覚に身をゆだねていると、尿が出てしまう感覚が襲ってきた。 「プク!とっ止めて!!お…オシ…」 「んっ?どうした?」 「オシ…コ…でっ出ちゃうよ」 高校生になって初めて「オシッコ」という単語を使った。たぶん一生にあるか…ないか。 「ははっ…かわいい表現だな…出しちまえよ!!」 プクは、やめる様子はまったくなくさらしこする速度を速めた。 「やめっ!!出ちゃ…うあああぁぁ!」 我慢したくても次から次へと来る快感に耐えれなく、ついには果てる。勿論僕のものから出たのは、尿ではなく白くにごった液体…精液だ。 「はぁ…はぁ…はぁ…」 「大丈夫か?」 「う…うん、なんとか」 「そりゃよかったが…あ~あ、精液まみれだ」 プクの手などに精液が、かかっていた。 「ごっごめん!今、拭くもの…」 「いや、拭くものはいい…その代わり」 「?」 「これ、舐めろ」 「えええっ!!?」 「お前から出たものなんだぞ汚くともないじゃないか」 「……」 部屋を見渡すがティッシュが切れてなかった。仕方なく、舐めとることにした。 ペロッ… 白くにごった液体を少しずつなめとる。まずい…とにかくまずい。生臭い感じもあり自分の体液とは思えなかった。ある程度舐めとると…。 「よし!もういいよ」 「はぁ…はぁ…」 「じゃ今やったことを、俺にしてくれ」 プクはまた胡坐をかいて座った。今度は僕が四つん這いになってプクの恥ずかしい部分に顔を近づけている状態になる。僕はゆっくりプクのものを握り、こすり始める。 「んっ…」 少しずつスピードを上げて、時々強さやなども変えて扱き上げた。 「うぅ…あぁ…」 プクの喘ぎ声も次第に大きくなっていく…ふと僕の頭にこんな考えが浮かんだ。 「『…咥えたらどうなるのかな?』」 自分でもわからないが、こんな考えが浮かんだ。しかも考えただけではなく、すでに実行をしていたのだ。 「えっ!?ピッピク!?よせ!!やめろ!!あああぁぁ!!!」 プクの太いものを咥え、吸い上げる。数秒するとプクが震える。 「出る!!でるぅ!!ああああぁぁぁ!!」 大きく脈打ち、熱いものが流れてくる。僕は知らない間にそれを胃に流し込んでいた。 「はぁ…はぁ…ピク、やりすぎ…」 「ごめ…ん」 「いいよ、気持ちよかったし」 僕たちはもう理性なんかなくなっていた。「シャドーゲーム」という偽りを使い、お互いの体を求めていた。僕らはお互いのものをくっつける。お互いのものの距離が縮まるたびに少しずつ息が荒くなる。そして先端がくっつく。そこからお互いのものをこすり合わせたりする。そうしているうちに、またあの感覚が蘇って果てそうになるが、プクが先に果てた。 「出るぅ…ああぁ…」 小さくつぶやくと、僕のおなかにプクの体液がかかる。しかもその気持ちよさそうな顔がかわいく思ってしまう。そして僕も。 「でっ…出る…ああぁぁ…」 プクと同じように、小さくつぶやき果てる。お互い息を整えると。お互いのお腹にかかった精液を指ですくい、舐めとった。さらに行為はエスカレートしていく。こんどは69の形でお互いのものを愛撫した。 「はぁ…はぁ…さすがに疲れたな」 幾度か果ててプクはつぶやく。僕は床に転がっていた。 「よし、休憩しようか?」 「…ふぇ?」 疲れてまともに返事も出来ない。 「10分位休憩したら、再開な」 「……」 僕は無言でうなずく。 「よし!じゃ、俺シャワー浴びてくる」 そういってプクは、鍵を開けてお風呂場に向かっていった。 プクのいないこの空間で、僕はコンビニ行った時のことやニュースのことを思い出していた ―男の人は女の体を好むのだろうか?― きっと女の子の体に魅力感じるから、そんな感じがあった。でも僕の場合は違う。女の体を求めているのではなく、プクの体を求めていた。 ―そんなに女性のにおいがいいの?― きっとその臭いもとても癖になる臭いだと感じた…でも僕は今この空間に漂っている臭いのほうが心地よいものだと感じた。薄れていく意識の中、僕は考えをまとめていた。 「あ~さっぱりした!」 ピクが戻ってきたが、僕は軽く寝息を立てていた。 「ピク、寝るのは早いぜ」 「…んんっ?」 視界がぼやけるが、少しするとはっきりしてきた。 「この先やらないで寝るか?それともやるか?」 頭にはそんな言葉届いてはいない…しかし僕は頷いた。 「じゃ四つん這いになれ」 ここまできたら、「シャドーゲーム」関係なしで、やっている。僕は言われた通り四つん這いになったプクはその上から覆いかぶさってくる。 「な…何するの?」 不安と期待が入り混じった声を出す。 「体の力を抜け…言うことを聞くんだ」 その声に僕は安心して身をゆだねることにした。プクの手が僕の腰に置かれた。そして… ズッ… 「ひぃ!?」 ズ…ズズッ… 「あああぁぁ!!」 突然の感覚に驚いた。肛門に何かを突きつけられた感じ…いやプクのものが突きつけられていた。何がおきているのかもわからなかった。 「ぐっ…すげぇ…締め付け」 「あっ…ああっ…ああぁぁ!!」 変な感覚が体中を駆け巡っているが、不思議と痛みも泣く。少し気持ちよさがあった。部屋には乾いた音、そして容赦ない攻めが続いている。今、頭では何も考えられない…快感の波に完全にさらわれていた。 「はぁ…はぁ…ピク…最高…だよぉ」 自分が女の子になった気持ちにもなった。腰からお腹にかけてずんずんと響く…この感じはたまらないものだった。…そして 「うああああああああぁぁぁぁぁぁ!!!」 いきなり大きな津波に飲み込まれた。自分のものから盛大な量の精液が出た。さらに果てたことにより全身の筋肉がぎゅっと締まる。 「ピク…俺…もう…あああぁぁ!!」 ピクも果てた。僕のお腹が満たされていく…その感覚にさらに射精をした。 「はぁ…はぁ…」 「…ピク」 「何?」 「疲れた?」 「うん…かなり」 「動けるか?」 「わかんない…」 「…同じことしてみろ」 「……」 お互いに体力の限界…しかし自分にとって未知の体感をしたいと言う感情に負けてしまい、体が動く。プクもいつの間にか受ける体制をとっていた。 「いくよ…」 少しつづ…ゆっくりとプクの肛門に自分のモノを突き立てていく…。 「ぐぅ…」 「あぁ…」 お互いに小さな声を漏らす。プクの肛門はモノが食いちぎられそうに、締め付けてきた。僕はその感覚に狂ってしまいそうなほど興奮して、一気に行為を始めた。 「あっ…ああっ…ピ…ク…はげし…すぎ!」 「はぁ…はぁ…」 プクの小さく訴える声も耳には届かず、休むことなく行為を行った。…しかし、あまりにも激しすぎたのか…。 「ぐぅああああぁぁぁぁ!!!」 今まで以上の声を上げて、これ以上でないほどの精液を出した。その影響は、僕にも出た。果てることによって肛門が閉まり…僕も。 「うあああぁぁ!!」 プクの中で出した。しかも量が結構あったのでプクは白目をむき、精液を絞りだして動かなくなった。 僕は一回大きく息を吐き、プクの穴からものを引き抜いた。すると中の精液が逆流してきた。僕はその光景を見ていたが…まもなくプクの隣へ倒れこんだ。そしてこのむさ苦しい部屋の中で息もしないほど深い眠りについていった。 「おい、ブースター」 「あ、ジュカイン先生どうしんすか?」 「ピク見てないか?」 「あ~あいつ、今日休みましたよ」 「ピクが?休み?」 「はい」 「珍しいこともあるもんだな」 ブースターからこんな会話があったことを聞いた…。 「そう…ごめんね心配かけて…うん、またね」 ブースターとの電話を終えた。小さくため息をつくするとポケットのケータイが鳴る。差出人は… 「『ピク!また今度、お前の家に遊びに行くな』」 僕の一番大好きな人からだ。 「うん!待ってるよ!!」 プクとな再開から、僕はプクのことが大好きとわかった…人にどんな風に思われてもかまわない…。 -大好きなプクがいるなら…それでいい- ーENDー -------------------------------------------------------------------------------- だいぶ時間掛かりました…新作です 気長に読んでくれてありがとうございました。 ノベルチェッカー審査 TABLE BORDER WIDTH=90% BGCOLOR=#FFD080> <TD WIDTH=30%>【作品名】</TD> <TD WIDTH=70%><B>シャドーゲーム</B></TD> </TABLE> <TABLE BORDER WIDTH=90% BGCOLOR=#FFF9F9> <TD WIDTH=30%>【原稿用紙(20x20行)】</TD> <TD WIDTH=70%>37.6(枚)</TD><TR> <TD>【総文字数】</TD> <TD>10522(字)</TD><TR> <TD>【行数】</TD> <TD>446(行)</TD><TR> <TD>【台詞:地の文】</TD> <TD>38:61(%)</TD><TR> <TD>【ひら:カタ:漢字:他】</TD> <TD>56:6:27:9(%)</TD> </TABLE><TABLE BORDER WIDTH=90% BGCOLOR=#F6FFF6> <TD WIDTH=30%>【平均台詞例】</TD> <TD WIDTH=70%>「あああああああああああ」<BR>一台詞:13(字)読点:46(字毎)句点:446(字毎)</TD><TR> <TD>【平均地の文例】</TD> <TD> ああああああああああ。ああああああ、あああああああああああああああああああああああ。<BR>一行:43(字)読点:36(字毎)句点:23(字毎)</TD> </TABLE> <TABLE BORDER WIDTH=90% BGCOLOR=#FFFFF6> <TD>【甘々自動感想】<BR>暗めの雰囲気が良い作品ですね!<BR>短編だったんで、すっきりと読めました。<BR>男性一人称の現代ものって好きなんですよ。<BR>一文が長すぎず短すぎず、気持ちよく読めました。<BR>それに、台詞が多くてテンポよく読めました。<BR>「お前から出たものなんだぞ汚くともないじゃないか」って言葉が印象的でした!<BR>あと、文章作法を守ってない箇所がちょくちょくあったように思います。<BR>これからもがんばってください! 応援してます!<BR></TD> </TABLE> ---- コメあったら よろです - 素晴らしい!僕もこんな小説が書けるようになりたいです。 -- なめいし@両刀使い (2008-03-26 21:46:26) - この二匹とは珍しい -- [[zarame]] &new{2009-01-31 (土) 09:01:21}; - お月見コンビのBL…。 是非、「アッー!」のひとことを言ってもらってみたいw。 -- [[メタリック]] &new{2009-07-02 (木) 18:34:04}; - プクがピクに「俺のケツの中で小便しろよ」といってほしかった ――[[MilDog]] &new{2010-04-05 (月) 15:23:27}; #comment