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きのみの活用法 後編 の変更点


[[レキ]]

注意事項
&color(red){○この作品は、異物挿入シーンをメインにしています。また放尿シーン(お漏らし)があります。苦手な方は回覧をお控えください。};
○相変わらずご都合主義全開です。
○相変わらずウインディが空気。
○横に長いため、掲示板に投稿した方は一部改行してあります。

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 すっかり日の昇った森は明るかった。

 ふあぁ、と気の抜けそうな大欠伸をかましているのは俺……ではなくブースターだ。
 はあぁ、と気の滅入りそうな溜め息を吐いているのはブースター……ではなく俺だ。
 ……なんだかなぁ。
 俺は大きく息を吐くと、伸びをするブースターを残して巣を出て日の当たるところへ寝転がり、目を閉じた。


 
 昨夜、行為を終えた俺が自分の分を含めて二匹分の水を汲んできたとき、すでに意識を取り戻していたブースターは、生気のない顔で涙だけを静かに流していた。
 無理もない。自分の意思とは関係なくいやらしい行動をし、好きな相手に捧げるつもりであっただろう処女を、きのみという『物』であっけなく散らしてしまったのだから。しかも残酷なことに、マゴの実の混乱作用はブースターの記憶を曖昧にさせてはくれなかったようだ。死んだような顔をしているのがその証拠だ。
 ん、と無言で差し出した水も飲まず、嗚咽さえも漏らさず、ぐちゃぐちゃの姿で転がるブースター。自分が言えるようなことではないが……酷いものだった。
 とりあえずそんなブースターを近場の川に連れて行き体液や泥を洗い流し、巣の中で比較的ましなところに横たえて、寝息を立てたのを確認する。そして就寝。
 すっかり疲れきっていた俺は泥のように眠った。

 そして今朝、眠い目を擦る起きたばかりの俺に「おはようございます」と言ってきたブースターの声は、予想に反して明るかった。

 怒りと憎悪と悲しみと諦めとそれ以外の感情とを全部ひっくるめて話しかけてくるか、もしくは……と軽く身構えていた俺は拍子抜けした。精神的ダメージは大きいと思っていたからだ。
 だがブースターはそれを――必死に押し殺したからか、きのみの作用かなんかで寝る事により全て忘れたかからか、変な方向にイったからかは定かではないが――おくびにも出さずに陽だまりのような笑みを浮かべた。
 壊れてはいなかったのだ。
 だがこれ以上無理をさせれば壊れるかもしれないし、逆にどんなに酷い仕打ちをしても壊れないかもしれない。
 自分でも何が言いたいかよくわからないが……要するに、ブースターがこの先どうなるかは俺にかかっているのだ。俺の行動ひとつでこいつを生かすか殺すか変わるのだ。
 俺はどう思う? どうしたいと思う? 殺すか? 生かすか?
 じっくりと自分の心に問うてみた。
 答えはすぐに出た。

 ――俺は、まだブースターを『殺す』つもりはないのだろうな。



「ウインディさん!」
 思考はそこで中断された。
 巣から出てきたのだろうか、ブースターがニコニコと屈託の無い笑みを浮かべていた。昨夜の乱れっぷりが微塵も感じられない。まあ昨日のはきのみの混乱作用のおかげだからあんなだった、と言えるのだがな。俺はそこらに生えたきのみをひとつもいだ。それがカゴの実であることを確認してから一気に頬張る。少々渋いそれは眠気を吹き飛ばした。
 ブースターはそれを見てふと気付いたように、なぜ巣できのみを育てているのか、と訊いてきた。
 この辺りにはきのみが豊富だが、毒のあるきのみも多いのだ。一々コレは食える食えないと確認するのが面倒なので巣できのみを育てている。ついでに言うと、しだいに自分一匹ならまかなえるほどのきのみを育てるようになった、といった事を伝えるとブースターは興味無さげにふんふんと頷いた。
 こいつめ……。
 俺のジト目をものともせず、話を聴き終わったブースターはその場に横になった。
「ふぁぁ、眠くなりますねぇ……」
「寝るなよ?」
 さもすれば船を漕ぎ出しかねないブースターにそう言って、巣に戻った。今日使うためのきのみ――昨夜使わなかったナモの実とウタンの実をひとつずつ咥え、すっかりお昼寝モードとなったブースターへ手加減した一蹴りを喰らわしてから近場の川に向かう。背後から恨みがましそうな視線が突き刺さったが気にしないことにした。
 川はそれほど遠くないので、すぐ到着した。
 誰も居ない静かな川に前足を突っ込み、じゃばじゃば水音を立てて入念にきのみを洗う。俺は炎ポケモンだが、いくら水が嫌いといってもこのくらいなら平気だ。というか、いくら炎タイプだからって、水に手も足も出ないならば水分不足で死んでしまうだろう。
 あ、場合によってはブースターも平気だろう。戦闘直前で本気のブースターなら体温が九百度近くまで上昇するらしいから、水のほうが蒸発しちまうな。そういう問題じゃないか。
 ……なんて考えてたら、俺がまだガーディだった頃、友人に川へ突き落とされた苦い思い出が浮上してきた。なんとか生還したあと爆笑するそいつを同じように川へ突き落としてやったのは言うまでもないが、俺に間抜けな悲鳴を上げさせたあの屈辱感は忘れない。
 ムクムクと苛立ちが湧き上がってきたのでそれを振り払うつもりで頭を振り、さっきよりも乱暴に、投げやり気味にきのみを洗う。
「ちょっともったいねぇかなぁ……」
 少々大きめなナモの実とまだ旬の時期には遠く小さめのウタンの実とを見比べ、呟く。ブースターに罪悪感は沸かなかったのに、このきのみには罪悪感(らしきもの)が沸くだなんて、酷いポケモンだな、俺。
 少しネガティブな方向へなりつつ綺麗になったきのみを咥えて、もと来た道を辿る。
 日光が目に突き刺さった。
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 ……巣の前で朱色の毛玉が転がっていた。すー、と寝息を立てる珍しい毛玉だ。風に揺れる額と首周りの毛は光を反射して黄金色に輝き、同じ色をした尻尾は心地良さげにパタパタと地を打った。
 いやあ、これはこれは幸せそうな寝顔で。ヨダレ垂れてるぞ。
 こんなことされた日には……
「痛い痛い痛い痛いですいたいですあいたたたたたた」
 その頬を思う存分前足でプニプニしたくなるではないか。
 自分の身体で潰さないように気を使いつつたっぷり三分間はいじめた後解放し、頬を撫でて自らを慰めているブースターの前に咥えていたきのみを落とす。
「ふぇ?」
「昨日見せたきのみだ。どうだ?」
「どうだ? と言われましても。毒々しいショッキングピンクですねとしか」
「酷いことをほざきやがる。今日はこれにお世話になるんだぞ?」
「は?」
 本気で訳がわからない、といったブースター。ナモの実を昨日同様無理やり掴んで、ぽかんと開いた口に押し込んでやった。四センチほどのきのみはブースターの口内に易々と収まる。
「んんんん!?」
「食うなよ」
「プハッ、へ、はあぁ?」
 さすがにいきなりは悪かったか、と実を引き抜いてやると、ブースターは目を白黒させて息を吐き、もう何なんだ、と言った目を向けてきた。
 うん、仮に俺がこんなことされても訳がわからない。が、それをわからせないまま苛めるのも楽しいものだ。正直思考回路がぶっ飛んでいる気もしなくは無いが。
「痛いのが好きなら別にいいぞ? 裂けたら痛いだろうな」
「だから何がですか!」
「教えない」
「何ですか一体。わからないことに無駄な労力を……わわっ!」
 ブースターの背に覆いかぶさり、ふさふさの毛を掻き分けて襟首に噛み付いた。……ふさふさしすぎで噛みづらい。そんなふさふさを揺らして、ビク、とブースターの身体が震える。
 その姿が少しかわいそうに見え、せめてもの情けに、纏わり付いた唾液の雫が落ちぬように素早く手探り……もとい、前足探りでブースターの肛門にそれをあてがった。
「え、ちょっと待、待ってくださ、いや洒落にならないですから! ストップストップ! いや、あ、ちょ、待あああぁっ――ッッ!!」 
 脚の間に引っ込もうとした尻尾を強引に押しのけ、硬く締まったそこへぎゅうと一思いに押し込む。ブースターは四肢を硬直させたかと思うと、これほどの力があったのかと驚くぐらいに暴れ始めた。襟首を噛んでいてこれほどならば、もし噛んでいなかったら大惨事だなとか思いつつ押さえつける。
 しばらくすると、徐々に力も弱まってきた。が、代わりに押し殺した嗚咽が耳に入る。俺はそっと口を離した。ブースターは暴れなかった。
 さすがにまずかった、と反省しつつ股間を見る。肛門から少し血の雫が零れ落ちていた。舐め取ると、当然の如く鉄のかおりが鼻に抜けた。
 ナモの実を飲みこんだそこは時折ビクっと締まり、その度薄く開いた口から苦しそうな声が漏れた。
「……痛いよっ……きもち……ひっ……わるい、よおぉ……えぐっ……」
「痛くなりたくないなら、念入りに舐めろよ。ほれ」
 こんどは鼻先に "まだ" 十センチほどのウタンの実を押し付け、口に含むよう促す。
 少し躊躇ったブースターだったが、ぎゅっと目を閉じるとそれを口に含んだ。
「んぅっ……、はっ……」
 ピンク色のウタンの実はブースターの口内に消え、現れるたび唾液が纏わりついて、ぬらぬらと妖しく艶めく。さもすれば性器に見えなくもないそれを押し付けると、んん、と鼻にかかったような声が漏れた。
 前足に、舌による実の動きが伝わる。
 ぐちゅっと音を立てるのを最後に、ブースターは口を離した。いいのか? と目で問うと、ブースターは頷いた。
 唾液の垂れ落ちるウタンの実を膣口にあてがい、押し込む。
「……っ」
「力抜け」
 挿入する時の、前足越しに伝わる圧迫感は昨夜に勝るとも劣らない。だが昨夜挿れたマゴの実に比べてウタンの実は少し軟らかいため、昨日とはまた違った感触が味わえた。
 少しずつ押し込んでいくうちに、前足が秘所に当たった。勿論そこは濡れている……はずなどない。
「いたぁっ!」
 ブースターは苦悶の表情を浮かべた。気持ちよさなど微塵も無いのだろう。この後の楽しい反応を見るには、もう一手間必要なようだ。
 しょうがない。
 俺は中途半に入ったウタンの実を抜いてその場に置き、適当にその辺のきのみをもいだ。それが体力を回復する効果のあるオレンの実であることを確認すると、口に含んで噛み砕く。苦くもないが甘いわけでもない、形容できる言葉が見当たらない味の果汁が口いっぱいに広がった。それを飲み込みはせず口に含んだまま、うつ伏せゆえ状況がわからず困惑するブースターを手早く仰向けにし、割れ目に顔を寄せた。
「えあ、な、ちょっ……!」
 そう、俺はそこに口を付け、オレンの果汁を流し込んだのだ。前述したようにオレンの実には回復効果がある。膣の粘膜からそれは吸収されて痛みも和らぎ、ついでに果汁が潤滑剤の役目を果たすだろう……とか考えたわけだ。
 案の定ブースターにとっては効果抜群だったようで、痛いだとか気持ち悪いだとかの言葉の代わりに控えめの嬌声が飛び出した。肛門の傷も――もともとそんなに酷くなかったからなのだが――消えたようだ。
 全ての果汁を流し込み口を離す。……と、頭を叩かれた。まったく痛くはなかったがあえて『痛ぇな』と呟きつつ見上げると、ただでさえ赤いのにさらに茹でられたような顔のブースターが俺を射殺さんばかりの勢いで睨みつけていた。
「涙目でやられても痛くも痒くも防御力が下がりもしねぇぞ」
「知りませんよそんな事」
 むくれるブースターを軽く宥め、そばに転がるウタンの実を咥えた。眼前に突き出してやるとまた頭を叩かれた。ちくしょう。
 そっぽを向いた顔に負けじと一発お見舞いしたくなったが、あいにく俺の身体はブースターの約二倍の大きさだ。体ならともかく、下手に頭部に手を出すと大きなダメージを与えかねない、とぐっと堪えた。
 ただ、相手にこれを許すのはいただけない。
 代わりにここまで生きてきて繰り出してきた中でもとびきりの『にらみつける』を喰らわしてやった。相当怖かったのだろうか、毛を逆立てて怯んでしまう。その隙に素早く顔を秘所に押し付けた。
 結果、ウタンの実は挿入される事となる。
「みぎゃあっ!?」
 太く硬い茎を軽く噛んで実を押し込む。次に何をされるか予想したのだろう、ブースターは体中の毛を逆立てて身を硬くした。
 ……しかし。
「おし、じゃあたまにはニンゲン共の居る町近くまで行くか。少し遠いがな」
 俺はあっさりと口を離して何事も無かったかのようにそう言い、鼻先を巣の入り口に向けた。あっけにとられた様子のブースターがピクリとも動かないので、俺はブースターの首筋を咥えて背中に放り投げた。
「わわっ!?」
「タテガミ咬んでもいいからつかまっとけ」
「もふもふすぎて咬めません」
「うるさい! 落とされたいか! 嫌なら咬むなり脚でつかまったりしてろ!」
 鋭く叫んでから、勢いよく走り出す。ブースターが慌てた様子でしがみつき、タテガミを咬んできた。それでも振り落とされないのが精一杯だ。もう少しスピードを上げたいのだが、このままでは落ちてしまうだろう。
 少し悩んだ後、結局俺はグンと速さを増した。……尻尾でさりげなくブースターを支えたのは秘密だぞ、絶対。
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 さて、そんなこんなで町近くの森まで来た。
 この森には果樹園があり、俺もガーディだった頃にはしょっちゅう盗みに来ていたものだ。ニンゲンに見つかってしまい危うく捕まりそうになってからは来ていなかったが、当時と変わらない様子になんとなくホッとする。
 たしかガーディの頃は来るのに一時間くらいかかっていたはずなのだが、今回は四十分程度で着き、拍子抜けした。進化して体の大きさが二、三倍になって歩幅が大きくなり、スタミナも増えて休憩時間が短くなり、走りも速くなったからだろう。
 とりあえずその辺にたわわに実るオレンの実を食べる。ブースターに流し込むために口に入れたとき同様、形容しがたい味が口の中に広がった。それでもあの時よりずっと美味いと思えるのは、ニンゲンが試行錯誤を重ねて育てたからだろうか。
「勝手に食べちゃっていいんですか?」
「本当はよくない」
 光の速さで返された答えに呆れた顔をするブースター。まあよくないのは本当だ。
 そんな事を思いながら適当に二つ、三つのオレンの実を頂戴した。腹の足しどころか『おいしい水』の代わりにもならなかった。当然か。
 そんなことより。
 ゴクンと飲み込んでかららこっそり横目でブースターを見ると、しきりに股を気にしていた。無意識に股の違和感を取り除こうとしているのか、時折後ろ足が宙を掻く。俺を気にしてか、前足を使うことは無いのだけれど。
 そう、俺はきのみを盗むためにここに来たわけではない。
 無言で見続けると、やっと気付いたブースターがぶわっと毛を逆立てて顔を赤くした。尻尾を股の間に入れもどかしげに後ろ足を擦り合わせ目線を落とし、それでも俺が何も声をかけないので意を決したように顔を上げた。
「あのっ……」
「なんだ」
 無愛想に言うと瞬間的に毛の逆立ちが一層酷くなる。
「そ、その……」
「なんだ、トイレか? その辺ですりゃいいだろ」
「ちがっ……!」
「じゃあ何だ?」
「ううぅっ……!」
 わからないフリをしつつ問いかけると哀れな赤毛玉はそれきり言葉を詰まらせる。うるうると瞳を潤ませて、再び後ろ足を擦り合わせた。
 ニヤニヤしながら眺めていたのだが、唐突に最高の邪魔者であり、同時に最高の協力者である者のにおいが漂ってきた。こちらに近づいてくる。
「おら、においが近づいてきた。隠れるぞ」
 近くの茂みに入って前足でブースターを招く。渋々といった様子でブースターが俺の隣に来たと同時に、先ほどのにおいの持ち主――ニンゲンが果樹園へと入ってきた。
 やっと来た。
 そっとほくそ笑んで、ニンゲンの行動を伺う。
「あ、オレンの実が……!」
 苛立たしげに舌打ちをして、ニンゲンは眉をしかめた。しかしすぐ『まあいいか』と言い、早足で果樹園を回り始めた。
 俺達のいる場所と反対側を回るニンゲンに早くしろという心の声を何度も強打させつつこちらに来るのを待つ。俺の隣でブースターは荒い息をついた。
 ニンゲンがやっと近づいてきた。
 タイミングを計って、ニンゲンが俺達の隠れている茂みから五メートルほど先まで来たところで、俺はさっと自らの大きな尻尾でブースターの口を塞いだ。
「もがぁっ……っ!」
 その瞬間、ブースターは四肢を突っ張らせ、目を見開いた。ブースターの足元に液体が広がる。ぐっと尻尾で押さえ込み、ニンゲンが果樹園から居なくなったと同時に尻尾から開放した。
「ぷはあっ! はぁ、ああぁ! な、なに……ぃっ!?」
 舌を出したブースターは再び身体を強張らせ、脱力してその場に倒れる。惚けた顔をして弱々しく身体を上下させる。その下でまた液体――愛液が広がった。
 俺はうつ伏せのブースターの後ろに立ち、ピンと立った耳に顔を寄せる。
「驚いただろうな、いきなりウタンの実が大きくなるなんてな」
「ひゃんっ! な、んで……うあっ!」
 耳にかかる息に驚いたブースターは身体をよじり、その刺激に身体を跳ねさせた。それがまた刺激となり、悪循環が続く。
「ウタンの実はニンゲンが近づくと膨らむ性質があるんだ。これでも小さめのきのみを使うなりして気を使ったんだ、感謝してほしいくらいだ」
「だ、だから、ぁ……って、この刺激はウタンの実、だけじゃ……ぁっ……!」
「それはナモの実だな。中で大きくなったウタンの実に圧迫されたナモの実の突起のせいだろう」
「冷静に説明しないでくださっ……!!」
 しゃっ、と短い音。同時に顔面蒼白となったブースターは泣きそうな顔をしたが、非情にも一旦止まった水音はそれを再開した。
「あ、あああああぁぁ……」
 ブースターはヒクヒクと脚を震えさせ、細く息を漏らして放尿した。下半身の隙間から黄色っぽい液体が溢れ出るのが見える。ブースターはその痴態にそっぽを向いているが、身体を動かす体力も無いようで、成す術も無く。そっぽを向くだけだった。
 ほどほどの勢いで尿道口から流れ出ていた尿はやがてその勢いを無くし、流れを細くして、ついに止まる。だが、ブースターが必死の表情をして震えているので、無理やり流れを止めたのは明白だ。
 潮と尿でぐしょぐしょになったブースターを仰向けになるようひっくり返し、濡れ鼠となった金色の尻尾を咥える。辺りに漂っていた尿独特のにおいが鼻に強く通ってきた。ブースターはそれに身じろぎしたが、きのみが腸壁越しに擦れたようですぐ大人しくなった。
 俺は満足げに口端を持ち上げ尻尾を咥えなおすと、毛先を尿道口へと向ける。ひっ、と短い息が漏れた。
「やだっ……」
 拒否の声も、今では俺を余計に盛り上がらせる興奮剤でしかない。
 特に焦らしもせず毛先を尿道口に這わせる。かすれた声とともにあっけなく尿が漏れた。量と勢いこそ弱まっていたものの、羞恥の程はさっきに負けず劣らずのようで――それがまた次のネタになるということを知ってか知らずか――ブースターは顔を背ける。流れ出た尿が仰向けのブースターの腹を濡らす。その隙に濡れそぼった尻尾の先で尿を軽く拭い、その後毛先で内腿を撫で上げた。
「ひゃあっ! ちょ……何して……っくぅ!」
 全力で顔の向きを戻し抗議の声を上げ脚を閉じたブースターだが、すぐに高い嬌声を上げて脱力した。すでに秘所は愛液で溢れている。その姿に満足感を得ながらずり落ちて来た尻尾を咥えなおすが、今度は持ち上げ気味になるよう咥える。軽く浮いたブースターの下半身の下、要するに腰と地面の間に片一方の前足を滑り込ませてから尻尾攻めを再開する。
 身体の下に敷いていない方の前足を使いブースターの足を引き寄せ、一番大きな肉球を毛先でくすぐる。そしてその肉球と、指の近くにある小さな肉球との間を往復させる。それだけではブースターは押し殺した鳴き声を上げるのみだったが、指の先から踵までをゆっくりなぞるように毛先で撫で、踵にたどり着いてから毛全体で一気につま先に向かって撫で上げると身をよじった。
 しばらく足を弄んだ後は、再び内腿へと移った。しかし今度は内腿だけでなく、別のところも範囲に入れる。右の腿から左の腿へとしばらく撫で上げ不意に尾の付け根に移ったり、クリトリス周辺のみを毛先で掠ったり。
 勿論こんな事を続けていればブースターも徐々に絶頂に登りつめていくのだが――
「っく……あっ……ひ、あああぁっ……もう、やだあぁ……」
 ――しかし、基本的に達することは許さない。泣き言を華麗に無視して、達しそうになると毛先を離す。ほとぼりが冷めると再開する。膣の中いっぱいに広がったウタンの実と肛門に収まるナモの実がある故に調節が難しく、攻め初めにイかせてしまったが、たかだか一回の絶頂でこの熱が冷めるわけもない。むしろ絶頂を味わわせたことで、その後に溜まる熱に耐えられなくなったことだろう。実際、ブースターはもう涙目になり口の端からヨダレを垂らしていた。
 尻尾攻めに飽きた頃には、俺自身のモノが興奮に耐えられなくなっていた。思えばずいぶん長いこと放置していた気がする。それに、さすがにブースターも限界だろう。
 俺はブースターの下に敷いていた足を勢いがつかない程度に引いた。ブースターが訝しげに覗いてくる。
「イきたいならうつ伏せになって腰を持ち上げろ」
 要するに交尾するときの姿勢になれ、と言っているのだ。それに気づいた様子のブースターは頬を赤らめたが、素直にそれに従う。が、股に尻尾が引きこもっているのはわざとか。呆れたように指摘すると渋々といった風に尾を持ち上げた。さっき散々見たはずなのだが、ブースター自らに晒されたそこに、興奮の色を隠せない。
 息も絶え絶えなブースターの上に潰さないようのしかかり、モノを秘所に押し当てる。俗に言う『スマタ』だ。
「はあっ……はぁ……」
 もはや獣。だが俺も人の――もとい、ポケモンのこと言えない。タガが外れたように、我を失ったかのように、そして獣のように。本能のままに腰を振りたてた。
 が、ただ擬似性交の悦を感じるためにこれをしているわけではない。
「っあぁ! だ、だめ! おなか、がああぁっ!」
 体格の差から腹にもモノが当たるのだ。はち切れんばかりに膨らんだウタンの実に自らが当たるたび、実が少しだがずれてしまう。おそらく、ナモの実と擦れ合っていることだろう。
「あああああああっ!」
 膣内と腸内からのあまりの快感と、焦らされて敏感になっていたからか、ブースターはすぐに達した。
 そこで気を使うような俺じゃない。
「やめ、さっきイったばっかり、だからああぁ!」
 遠慮なしに腰を打ち付ける。溢れ出た愛液が潤滑液となり、動きがスムーズになり、自然と速くなる。それに連れて、周囲に響いていた湿った音も激しさを増した。
「だめぇっ! おなか、実が、こすれっ、や、っあああぁっ!!」
 連続で達し、糸が切れたように倒れ付すブースター。一足遅れて俺も低い鳴き声を漏らし、ブースターの腹に白濁した液体を叩きつけた。
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 あの後、意識を失ったブースターを乗せて適当に見つけた川で汚れを落とし実を取り出し――ウタンの実は時間の経過ですでに縮んでいたので茎を咬んで引き出せたが、ナモの実は回収のことを考えていなかったので取り出せず、結局ブースターが意識を取り戻してから排泄の要領で回収――巣に帰った。もったいない気がしたがきのみは捨てた。きのみを食べてブースターが恥ずかしがる様を見るのも乙なものだが、さすがに食えないだろう。というかこれ以上の体力が無い。
 行きは走ったが帰りはゆっくり歩いたので時間がかかり、もう夕方だ。傾いた日が茜色の光を放ち、夜行性のポケモンの鳴き声がちらほらと聞こえてきた。
 俺の寝床でぐっすりと眠っている毛玉の半開きの口から垂れているヨダレを舐め取り、腰を下ろす。
「……なんだかなぁ」
 今朝胸の内で呟いた台詞を漏らした。

 何をすればいいのかわからない。というか、どうすればいいのかわからない。勿論、ブースターのことだ。
 昨日今日といろいろやったが、もう逃がしても良い気がする。
 きのみなんぞまた育てればいいし、『炎の石』はそもそもメスへのアピールに買ったものだ。しかし石を持っていてもメスに恵まれず、結局は宝の持ち腐れ。本来の使われ方をした方が良かったのだ。
 盗まれた当初こそ腹が立ったものの、もう落ち着いた。これ以上束縛する意味は無いだろう。必要以上にこき使うほど俺は鬼畜じゃない。いや、この二日のことを考えると、もう色々とやらせすぎた。
 逃がそう。その方が幸せだ。

 俺は鼻先でブースターをつつく。俺のただならぬ様子に、寝ぼけ眼だったブースターもすぐ真剣な表情になった。
 いざ言うとなると、緊張して言えない。
 黙ってしまった俺だが、ブースターは茶化すことなく待ってくれた。申し訳ない気がして目を逸らしたくなるがぐっと堪えて、言葉を搾り出した。
「……逃げていいぞ」
 ブースターは視線を落とし、尻尾を一振りした。他のポケモンの声のみが巣の中を支配する。
 身動きひとつしない俺とブースター。沈黙を破ったのはブースターだ。
「ウインディさんはそれで良いんですか?」
 黙らざるをえない。
 口でも心でもブースターを逃がす逃がすと考えてはいるが、その奥に『逃がしたくない』という奇妙な思いがあるのも事実だ。しかもなぜそう思うかはわからない。とても厄介な気持ちだった。
 隠していたつもりの気持ちだが、ブースターはお見通しだった……というわけか。
 いや、深い意味などない可能性もある。
 後者に賭けることにし、無言で頷く。
「ふーん……」
 尻尾をまたパタリと振って少しの間を空けた後、ブースターは口を開いた。

「他人の処女奪っといて何言ってんですか」
 危うく噴出するところだった。
「前も後ろも処女取っといてそりゃないでしょう? しかも初めてがきのみ。きのみですよ? 物ですよ? どんだけ辛かったと思ってるんですか。そしてどんだけ辛くなると思ってるんですか。
 今日なんかはさらにアレことになってますし。こんな体験したのって私ぐらいなモンじゃありません? フツー無いですよ?
 それに私にどうしろと言うんですか? もう夕方ですよ? いくら旅してる身とはいえ今からはきついですよ、ふざけないでください」
 早口でまくしたてられ、その剣幕に思わず後ずさりする。というか、性格変わってるだろブースター。
「責任は取ってもらいますからね! もうちょっとお手柔らかにお願いしますよ!」
 言うなり、ブースターは『電光石火』並みの速さで巣から飛び出してしまった。
 あまりの豹変振りにあっけにとられていたが、最後の言葉の意味に気がつくと、俺は柄にもなく赤面するばかりだった。

END

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