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お姫様だっこ の変更点


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作者……[[リング]]



 ドシーン!! 山奥の集落にて、何かデカくて重い物が地面に落ちた音。
「……無理っ!!」
 進化祝いのその日、ピンの父親との挨拶や酒宴を終え、空気を読んだ父親がピュアとピンを二人きりにさせてくれた。雰囲気もよくなってきたところでいつものあれを……と頼まれ、一も二もなくピュアは恋人をお姫様抱っこをしようとして……床とピンの間に手を挟ませながらギブアップした。
「無理ってなによ……今までピュア君、私を支えてくれたじゃない?」
 挟まれた腕が痛くて涙が出そうなのに、その言葉で僕はまた涙がでそうになる。
「そんな事言ったって……僕の1.5倍も重くなると、とてもじゃないが無茶じゃないか……昨日までは出来たのに……」
 ピンの顔が近い。今まで口が何処にあるかも見えないような彼女の顔は見事に鋭い牙が見え隠れする、トラバサミのようにワイルドで魅力的な口に。さなぎの中で閉じこもっていた四肢も生えて、体つきもすっかり女性らしい下半身に重きを置いた体型に。
 あぁ、地面を抉り取る鋭い爪も、大木をなぎ倒すたくましい尻尾も、岩を噛み砕く牙も、不意打ちしてきた敵を刺し潰す背中の棘も美しすぎる。あのたくましさならば子供が土砂崩れに見舞われてもピンが守ってくれるだろう。青々とした草にまぎれる黄緑とブルーのカラーリングも綺麗だ。
 進化の朗報を聞いて跳び上がって喜んだ今日、今はそんな風に見とれている場合じゃないのに僕の脳は現実逃避をしたがっている。
「はぁ……恐れていたことが……」
 流線形の額に岩塊のような手を当てて、ピンは落ち込む。恋人補正を含む必要があるが、不覚にもこの可愛らしい動作にピュアは萌えてしまった。ヨーギラス時代以来、再度の二足歩行になれたお陰でこんな動作も可能になったのはとても嬉しいことなのだが、いかんせんその副作用で今のピンは……重い。

「ホントに……ごめん」
 申し訳なさそうに言ったピュアは肩を落とし、冷気交じりのため息を吐く。今日はめでたい日だと言うのに、お祝いも佳境に入ったというのに――この気まずい雰囲気。いやはや、どうすればいいのやら?
 しかし、自身(の体重)が原因で肩を落とす男の子を見ていれば、女の子は誰だって申し訳ない気持ちになるもので。
「ごめん、私のほうこそ……無茶言ってごめんね。今度ダイエットでもするわ」
 それでも、まだピンはお姫様抱っこをしてもらうつもりらしい。ちょっと待ってよ、僕の立場は?
「いや、無理しなくてもいいよ……」
 苦笑を浮かべる僕が無理をしないで欲しい対象はピンではない。むしろ自分が苦労をしたくない。サナギラスの彼女を持ち上げるだけでもいっぱいいっぱいなんだ、彼女がダイエットなんぞ始めてしまえば、僕もそれに応えるべく過酷なトレーニングに身をやつす必要が出てくる。
 今のままで十分美しいのだから、ダイエットなどしないで欲しいと切実に思っていた。しかし、彼女の次の言葉が何となく予想出来てしまう。

「うぅん」
 ピンは首を振って笑った。その笑顔の美しさ、花が咲くことを『&ruby(わらう){咲う};』と記述する理由を納得させるに相応しい、百花繚乱に勝るとも劣らない華やかさである。無論のこと恋人補正も含まれているのだろうが、恋は盲目なので触れてはいけないのだ。
「ピュア君のためだから」
 目的という名の大義名分を相手に押し付けて、ピンは誘惑の上目遣いという手段。願わくば、断らせてほしいのだけれど……
 進化する前はあどけなさの残る相対的に大きな眼と、普段は隠れて見えないくらい小さな口をしていた。だが、成長した今は口の形も目付きもすっかりと大人になって落ち着いた雰囲気がある。その上、岩で出来た顔には進化した手特有の歪み一つない整った顔立ちだ。
 そんな美しい顔にはめ込まれた潤んだ目でこの&ruby(上目遣い){必殺技};。土くれや砂嵐から目を保護するための瞬膜((多くの脊椎動物の眼球の前面をおおって、角膜を保護する透明の薄い膜。無尾両生類や魚類の一部・鳥類・爬虫類では発達しているが、哺乳類では退化して痕跡をとどめるに過ぎない。))も取り払うことで無警戒をアピールして、最大限の眼力を発揮されれば、男なら誰しも心臓がドッキューンとならずにはいられない。
 僕達男にはそう言う武器が少なくて、ちょっと不公平……ではあるまいか?

「だって、ピュア君私をお姫様抱っこするの好きでしょう?」
 美人で性格も良く、それでいて頭が極端に悪いというわけでは無い。
 女性として理想形に近いピンであったが、いかんせんおとボケたところがある。
 確かに、僕はお姫様抱っこをするのが好きだけれど。
 第一の理由に、自分の腕の中で仰向けになって笑うピンの姿を誰よりも近くで見られる。
 第二の理由に、仰向けというのは四足のポケモンにとって無防備な体勢。今は二足歩行になったが、バンギラスは肩についた棘や体重の重さ故に仰向けが無防備である事に変わりは無い。自分の前でならば無防備になってもよいという彼女の自分へ対する想いは、ピュアにとってそれだけで宝物だ。
 進化したんだから……寝具の上でも無防備になってくれるだろうか? などという煩悩も最近では増してきている。
 第三の理由に、昔から物語の主人公たる王子様に憧れていた僕にとっては、レックウザに捕らわれたミミロップを助け、ミミロップを抱いて風の如く走るルカリオに対して、大層憧れを抱いていた思い出がある。
 だから、ピュアはお姫様抱っこをすることを嫌いなわけがなく、暇さえあればやってやりたいくらいだ。しかし、今のピンは大層重い。ピンがサナギラスの頃は軽々と持ち上げられても、バンギラスに進化したピンをお姫様抱っこするのは、彼の言葉を借りるならば……無理っ!

「だから、私がんばって痩せる」
 でも、彼女が痩せるのを断るのはもっと無理っっ!!
「俺も体鍛えるよ」
 そして……『無理っっ!!』なのに、ピュアはお姫様抱っこをする事を実質誓ってしまう。男って馬鹿だな――ピュアは他人事のように心の中で呟いて、現実逃避を始める。
「やったぁ!! 二人で頑張ろうね」
 抱きつかれた。もちろん嬉しいので振りほどきたくないし、そもそも相手が怪力すぎてとても振りほどけない。
「ふふ、今までずっとこうやってピュア君を抱きしめてみたかったんだぁ」
 進化するまでピンが抱きつくことなんて出来なかったから、幼少時代を卒業して以後のピュアが、母親を除いた異性に抱かれるのはこれが初めてである。熱を持たない草と氷で構成された体へ急速に熱が生じ、考えてはいけないエッチな考えばかりが浮かんできた。
 ともかく、その邪淫的な煩悩を少しでも追い出すために、ため息交じりのピュアは考えた。
 さて、どうやって体鍛えようかな?

 *

 体を鍛えるったって、一朝一夕で身につくものではない。それにあまり急速にやり過ぎて体を壊してしまっては、元も子もない。やはり、地道な肉体労働が一番現実的な手段であるように思える。
――のだが、その肉体労働に重い物を持ち上げる機会があるかと言えば結構微妙な所である。
 頭上に実るは枝に生えたばかりの未熟な青く小さい果実。甘酸っぱい果汁を滴らせる赤い果実となるには程遠い。運動と言えば、せいぜい脚立を持ってそれに上り未熟な果実をねじ切る摘果((よい果実を得たり、枝を保護するために、余分な果実をつみ取ること。))くらいの動作しかない。むしろ上り下りに四苦八苦する脚力の方が付いてしまうのではないか?
 もちろん、彼女を支えるには脚力を鍛える必要もあるのだろうけれど……このままで僕の1.5倍近い体重の彼女を支えるなんて……僕の腕力では無理っっ!!
 少しでも、筋力が上がるように――と、僕は張り切って仕事をしてみたけれど、これはキツイ。なんというかあれだ、休み時間が本当に恋しくなるようになった。

 ピンの父親にしてこの果樹園の持ち主もその変化を感じ取っているようである。
「俺の娘が進化してから、ピュア君てば仕事に精を出すようになったなぁ……そりゃ、嬉しいことだけれどなぁ。あんまり頑張り過ぎると体に毒だぜ? 適度に休みなさんな……お前に体を壊されて困るのはお前さんだけじゃねぇんだ」
 だから、こんな事を言われてしまう。今のピンは、父親のボスゴドラ――チャガと二人暮らしで、このまま関係を進めていけば僕が婿養子になるのだろう。チャガの言う困るという事は『家族だから困る』と『仕事が遅れるから困る』の両方の意味が込められている分、最近体にガタがきている僕は耳が痛い。でも、反対に心は暖かくって、実家とは大違いだ。
 僕が大根栽培をやっていた実家では、兄弟の中では一番の末っ子の僕が労働力として宛てにされる事も特に無く、収穫や植え付けなどの最盛期のおまけみたいな扱いでしか必要とされていなかったというのに。
 収穫祭で一緒に踊って知り合ったこの家の主人に人手不足だと誘われ、このリンゴ園に来てみたら今までの生活が嘘のように必要とされてしまった。とりわけ、サナギラスの状態では日常生活が不便な一人娘のピンに必要とされているのが嬉しかった。街へ下りた時のためにお金稼ぐだけのつもりでチャガさんに世話になったが、今となってはもう泊まり込みもザラで、家にいる時間よりもこっちにいる時間の方が長い始末だ。

 それで、今現在だ。問題のお姫様だっこは、ガスを噴射してしか移動できないサナギラスからバンギラスに進化した今となっては、ピンには必要のないものだ。そして、必要ないとわかっていても、互いになんとなく求め合ってしまうものなのだ。必要とされるのが嬉しい僕と、尽くしてもらえるのが嬉しいピン。うん、我ながらお似合いだと思う。
 だからそう、
「体を壊したくないのは山々なんですけれどね~……なんというか、腕を鍛えたくって」
――なんて思ってしまうのだ。
「おいおい、果樹園は腕力で支えていくものじゃないぜ? リンゴへの愛が支えていくんだよなぁ……これが」
 言いながら、木の幹に頬ずり。ボスゴドラは見た目によらず木や庭の世話をしたりするのが好きと聞くが、本当にこの土地を誇りに思っている事が伝わってくる。
「あはは……木と間違えて間違えて僕に頬ずりなんてしないでくださいよ?」
「しないしない。触れたとたんに冷た過ぎてすぐに分からぁ!! あ、もしかしたら冷た過ぎて頬擦りした瞬間にくっついちまって離れたくっても離れられないなんてのもあるかもなぁ。
 その時は俺と結婚するかい?」
 チャガは縁起でもない事を言ってガッハッハと豪快に笑う。その時は――
「あはは、その時は結婚しましょうか? 男と結婚とかそんなの嫌ですから、そうならないように気をつけます」
 その時は――という言葉がなんだか嬉しい。『その時』ではない時は、ピンと結婚しろと言われているようだし、『くっつく』という言葉にも僕の邪な(ある意味ピュアな)考えを蜂起させるに事足りる。願わくば結婚してピンとあっち系の意味でくっつきたいなんて、男として当然の感情だけれど……まだ結婚もしていないから考えちゃダメ。
 でも、転機というのは唐突だ。

「いや、気をつけるよりも、もっと確実な手段があるぞ? 先手をうって俺と結婚できなくすればいいんだ」
 まぁ、ここまでで僕はチャガの言いたい事を半分以上理解した。
「先手を打つって……先に結婚しておけってことですか?」
「おう、察しがいい。お前は働き者だし、娘もお気に入りだ。まだ、娘には話していないけれど、ハレの舞台への豪華な食事に綺麗な服を買う為の蓄えはあるんだ。後は、相手と娘さえよければってこと。この進化を期にな……出来るならば早めに済ませてしまいたいんだ」
「若いうちに……ですか」
 ピンの母親キキはピンを産み落とした後、ピンが孵化する前に死んでしまった。原因は、高齢出産による衰弱。チャガとキキは年の差のある結婚だった。
「あぁ。子供産んで死んじまうのだけは何としてでも避けてほしいからなぁ……若いうちに済ませといて欲しいんだわ。うん、でもまぁ、お前らはまだまだ若い。再来年だろうが十年後だろうが、カカアのおっちんだ年齢には及ばんわなぁ。でも、不安なんだわ」
「ピンと結婚ですかぁ……考えるまでもないんだけれど。僕にとってはするか否かではなく、いつするかって問題だなぁ……」
 どうしよう。恥ずかしい。
「んまぁ、ホント急ぐなよ? 何も、進化だけが切っ掛けってわけじゃねぇさ。ピンにも同じ事言って来るからよぉ、その時は……まぁ、その時もピンとお前次第だわなぁ。
 とりあえず言いたいことはだな……その、お前はいつでも俺の家にいてもいいってこった。な、ピュア? 思い立ったが吉日とも言うからよ……天国のキキの奴にも早いとこ嫁入り見せてやりたいんだ」
 妻の顔を懐かしむようにチャガははにかむ。本当に、この家族は僕の求めているものを持っていてくれる。僕を必要としてくれる事がこんなにも嬉しいなんて知らなかった。

「そんなこと言われると……本当に体壊せなくなっちゃいますね」
「おう、体は大事よ。特に腰には気をつけろよな? 女を喘がせるに腰が砕けちまったら、夫婦の夜はなりたたねぇわなぁ」
 あまり女性のいるところでは話せない、下品な会話を挟みつつ会話が弾んでいる後ろで、ドシンッという可愛らしい(怪獣グループの考えは理解できないとよく言われます)足音が響いて、二人は振り向いた。
「仲いいわね、二人とも。お昼ごはんの採掘出来たから、会話も切り上げちゃってご飯にしちゃおうよ」
「おう、お前の鉄鉱石はいつも美味いんだよなぁ」
 正直、同じ場所で採掘される鉄鉱石の何がどう違うのかは分からないけれど、気にしたら負けかな。

「ちょっと、父さん。私は料理だってうまいんだから。鉱石の採掘の腕だけじゃないのよ?」
「そうそう、僕もピンの料理好きだよ」
 結婚すれば、こんなやり取りが途切れることなく続くようになる。それはとっても魅力的なことだ。

 *

 時は過ぎて収穫期。冬も近い――僕はユキノオーという種族がらむしろ元気になるくらいだけれど、やっぱりピンやチャガには辛いみたい。あれから腕力は少し上がったのだけれど、やっぱりまだまだピンは持ち上がるそぶりすら見せない。ピンもまた、冬を迎えようという今痩せているのは自殺行為に他ならないから、と……太って精をつけなきゃいけないわけで、程良く脂肪をため込んだ彼女は痩せた時よりも遥かに魅力的だ。
 あの一撃で大木をなぎ倒してしまいそうな太い尻尾もドンメルのコブのように栄養を抱え込んでいるのかさらにたくましくなった。あれ、もしかして僕にお姫様抱っこさせる気ないんじゃない?

 と、ともかく……収穫が終わったら結婚しようとも思ったけれど、どうしよう?
 今の一番魅力的な彼女をハレの舞台に立たせるというのならば申し分ない。けれど、恥ずかしい……僕は名前の通り無垢なんだから、ここはピンが切りだしてくれると嬉しいなぁ。
 なんて、弱気ではいけないのだろうけれど。この季節は、街まで果実を売りに行くので筋力が上がる上がる……と良いな。しかし、筋力を上げるべきだと言うのに、彼女の方がよっぽど大きい荷物を持っている気がするのは気にしちゃいけない見ちゃいけない。
 どーせ、生まれついての種族差は埋められませんよ。

 とにかく、こんな惰性を続けてはいけない。切っ掛けだ、切っ掛けを掴まなくっては。きっかけさえあれば、僕たちはいつでもくっつく事が出来るはず。でも、切っ掛けなんて空から降ってくるわけでもないのだから、自分で見つけるしかないんだよなぁ。
 ホント、切っ掛けが何処かに落ちていないだろうか。
 そう思いながら、収穫四日目の深夜。切っ掛けは落ちてた――というか、切っ掛けが飛び降りた。『な~んか、収穫していないはずのリンゴの木から木の実がなくなっているような気がする』とチャガさんが言う。他の畑でも農作物が奪い取られる被害は多数に上っているから念のため――と、見張りに来てみたら案の定。
「お前か、このドロボー!!」
 叫んでみた。とりあえず叫んでみた。でもこれ、僕にどうしろと? いや、その……相手バシャーモだし。
 ここは地面が固いから足跡が特に残らないみたいだけれど、他の現場に残された足跡や匂いからそうなんじゃないか……とささやかれていた犯人はバシャーモ説……僕が見つけてしまうのは運がいいのか悪いのか。
「俺をつかまえる気か? ギロリッ」
 ダメだ。睨む時でさえ擬音が幻聴として聞こえるほど怖い。なんというか、この家の家族構成を把握して狙ったかのように酷いタイプ構成。バシャーモの蹴りなんて喰らってしまえば、僕もピンもチャガさんも一撃だ。
 そして、二人はまだしも僕にあいつへ有効なダメージを与えられる技なんてない。あるとすれば……絶対零度くらいか
 顔や種族を知られた以上、もうこの家には来ないかもだけれど……ハッサムの一家のドロボー被害といい、ザングースのところといい、皆弱点の家族経営ばかりが狙われている。
 こんなことなら、水タイプやエスパータイプでも警備に雇う――金なんてないからどうせ無駄か。そんなことは地主でもない限り不可能だ。

「まぁ、なんにせよ。顔を見るなんてのは頂けねぇなぁ。ちょっとばかし、記憶すっ飛ばしてもらおうか?」
 まぁ、なんにせよ。捕まえる見逃すではなくてやられるかやらないかという問題になってしまった。見れば見るほど良い脚は赤々と燃えていて如何にも熱そうだ。あんな脚で蹴られたら死ねる、僕、殺される。
 逃げようにも、僕の脚はきっとバシャーモなんかより遅い。後ずさりしたって無駄。徐々に追い詰められるだけで、むしろ後ろがみえていない分僕の方がはるかに不利に追い込まれるのは目に見えている。
 僕が勝っている事なんて体重と身長くらいしか。適当に後ずさっていたら、木の周りに引き抜かれた雑草が積まれていて、その後ろには大事なリンゴの木。いよいよ追い詰められたわけだ。このまま振り向いて逃げようとすれば、その瞬間に後頭部に蹴りが飛ぶ。そうなれば、勝率はほぼ0%。ならば、少しでも勝てる手段を考えろ……そうだ。バシャーモなんて、サナギラスの頃のピンよりもずっと軽い。
 一撃。一撃耐えたら組み伏せて脚掴んで持ち上げて、絶対零度してジャイアントスイング((仰向けの相手の両足首(または両膝)を脇の下に挟み込んでから抱え上げ、回転しながら相手を振り回し、平衡感覚を失わせることでダメージを与えるプロレス技))で叩きのめしてやる。絶対零度なら一撃必殺だし、掴んでいれば絶対零度だって当たる。
 冷静になれ……相手をよく見ろ。目線は上へ固定しつつも視界の端で脚を見るんだ。左脚が大きく前に出た、右脚が後ろ。つまり、蹴りは十中八九右足から来る。
 蹴りが来た。当たった、痛い。けれど、右脚が来るのが分かったから防御も出来たし、僕の首は太いんだ。この程度で脳震盪を起こしてやるほど柔じゃない。
 防御した左腕はしばらく使いものになりそうにない。けれど、それで構わない、バシャーモは見た目よりも軽い。だから片手でだけでも……

「うおぉぉぉぉぉ!!」
 片手で逆さづりだ!! お姫様抱っこのために鍛えていた僕の腕力なら、軽いバシャーモくらい楽勝だ。手首をひねりながら掴みあげたから、炎を吐く口は上手い具合に反対方向を向いている。目の前がくらくらして足元がおぼつかないけれど、手のちからがおとろえているわけじゃない。
 あとは、ちからをこめてこおりのなかにとじこめる……

 *

 そして気が付けば僕は、ピンの腕の中に抱かれて運ばれていた。体型の都合上、多くの人型のポケモンと違って怪獣の僕たちは背中に手が回らないから背負うことはできず、どうやらピンに抱えられているようだ。瞼を開けると斜め上にピンの顔が見える。
「よかった、気が付いた……」
 命に別条のない傷だったのか、ピンは僕が生きていたことには驚かない様子。しかし、自分自身の胸に乗っけられている左腕がすごく痛い。
「ドロボーが……僕、やっぱり負けちゃったのか」
 とにかく、真っ先にそれが気になった。
「負けたわよ……喧嘩なら」
 ピンは肯定しているのに何故か笑った。何故?

「でも、勝負には勝った。貴方の声が聞こえたから駆けつけてみれば……酷い凍傷のバシャーモが這って逃げようとしていたから、これ幸いと父さんと私でストーンエッジでぶっ飛ばしちゃった。今は家で応急処置済ませて、病院に連れて行くところ。
 父さんはとりあえず犯人連れてお役所ね……」
「そっか……」
 自業自得とは言え、怪力に定評のある二人がタイプ一致で放つ岩タイプの攻撃を二回分喰らった不憫なバシャーモの惨状を僕が想像して、僕は憐れむと同時にいい気味だとほくそ笑んだ。
 ピンは僕の胴体のせいで"かろうじて"しか前が見えない視界に四苦八苦しながら、気分よさげに僕の顔の方に視線を下げる。

「かっこよかったわよ」
 まるで棒読みのような彼女の言葉。
「え、」
 と、僕は顔を上げる。
「いや、実際には貴方の雄姿は見ていないわよ? もちろん。でも、バシャーモに立ち向かったなんて事実そのものがかっこいいのよ。ユキノオーのくせに、あんな不利な相手に向かって行くなんて馬鹿みたい」
「馬鹿みたい……確かに否定できないね。けれど、リンゴはこの家の大切な財源だし食料だし……僕達には必要だから」
 この時ピンから漏れたのは、呆れと愛おしさの混じる溜め息――だったのだろうか。
「リンゴも大事だけれどピュア君の命ほどじゃないんだから……馬鹿」
 『馬鹿みたい』から『馬鹿』に昇格されて、なんだか僕は笑ってしまった。まだ傷が痛くって上手く笑えやしないけれど、すごく安心したほのぼのとした空気。今なら、言える。

「馬鹿でもいいから、僕と結婚してくれないかな?」
 今度は、ピンが笑った。クスクス――から、どんどん盛大な笑い方になってしまうので、すごく恥ずかしい。
「笑わないでよ」
「だってぇ、お姫様だっこをしてもらえたら結婚しようって思っていたのに……」
 ごめん。それ半分あきらめてた。っていうか、軽石か何かでも使わないと無理だと思う。
「自分がピュア君をお姫様だっこをした時に告白されるなんて……ちょっと意外だったから」
 そう言えば、今の恰好は正しくお姫様だっこ。気づいてしまうと、なんだか恥ずかしい。
「これじゃ、王子様だっこだね」
「うん、でもそれで良いと思う。私が求めてばかりじゃなく、たまにはピュア君の求める事をしてあげたい。だから、ピュア君が求めるものが私と結ばれることならば……私も、結婚したい」
 なんだか、当初の計画とは違うけれど……ま、いっか。
「ありがとう」
 お姫様だっこは最後まで出来なかったけれど、これからもよろしく。

「チーゴの実の応急処置は適切だったようですね……家庭的なお嬢さんだ」
 医者に言われて、ピンは少しはにかんだ。
「傷も悪化する様子はないようですし、二・三日安静にして日光に当たっていれば治るでしょう。お大事に」
 医者にそう言われたその日から暫くは、僕を祝福するような快晴の空。光合成もはかどり、加えて地面に根を張りのそ~んとゆっくりリンゴを食べていれば傷なんてたちまち治ってしまう。徐々に痛みが引く感覚は、何処か快感すら覚える程であった。
 そうやって僕が傷を治して行く光景を見て、チャガさんは俺の育てたリンゴ((回復アイテム『食べ残し』に使われるリンゴである))なんだからその回復の早さも当たり前だ、と笑っていた。
 そうして、瞬く間に傷が治ってからは、きちんと残りのリンゴの収穫に参加した。今年も臨時の作業員を雇っていたけれど、背が高かったり一応図体ゆえの力の強さも相まって僕のほうがよっぽど頼りにされているのがやっぱり嬉しい。バンギラスはもちあがらないけれど、一応腕力は結構強いのだ。
 収穫の季節が終わればいよいよ結婚式だ――といきたいところだけれどそういう訳にもいかず、冬に備えて保存食の&ruby(ジャム){砂糖漬け};を作る作業。僕の家の畑で採れた砂糖((サトウダイコン(テンサイ、ビートとも)の砂糖なので、オリゴ糖の多いあっさりとした味わいである))を使ってのジャム製作は、僕たちの結婚生活の明るさを暗示するように、なんとも言えないくらいに幸せな気分になる芳香のジャムが出来る。
 チャガやピン曰くここ数年で最高の出来となったジャムは、口に含むだけで幸福な気分になれるほど美味しかった。

 さて、それが終われば今度こそ結婚。である……
 両家の家族が見守る中、ピンとともに&ruby(さかずき){杯};を酌み交わし、山の神様にも酒と塩を神棚に奉納する。いつもは食べることさえ叶わない高級食品である、白銀に輝く白米をさらに赤飯として炊き出し、同じ鍋で料理された芋や根菜が添えられた大きな煮魚は湯気が誇らしげに立ちのぼり、下駄((履くための下駄ではなく、料理を乗せるための足付きの板))には紅白餅が凛として座りこんでいる。
 傍らにおかれた鉄は、山で採れる鉄鉱石では無く最高級の砂鉄を溶かして板状にした物であり、本人いわく混ざり気のない至高の味。僕の大好物リン鉱石もまばゆく輝いて見えるではないか。
 本当に結婚式の食卓は目が眩みそうだ。この贅沢品を食べることで、いつものケガレから解放されハレの自分となり身を清められ、僕達は綺麗な体で性交に望む。&ruby(グラードンノミコト){強龍呑乃命};が性交から大地を生み出したように、神のような綺麗な体で子作りに励め――というわけだ。
 その証拠に、煮魚には精力剤の生姜がたっぷり刻み込まれ、花を咲かせるのに必要な力((クエン酸である))を多く宿した柑橘を味付けに使用されている上に、食後の口直しにもミカンが大量だ。
 口直しまで終えたら、最後に奉納して神の清めの力を宿した塩を、自身の体に振りかけ、清めは完了。
 そうしてこの日、改めてケガレを振り払ったまっさらな体となった僕たちは晴れて夫婦となったのだ。

 相変わらず僕は、ピンに対してお姫様だっこをしてあげる事ができないが、今でも愛が冷めている様子はない。簡単に言ってしまえばピンがやる気満々になっている――ということだ。
 昔から、ハレの日は性行為も盛んだったわけで。この山ではないけれど、祭りと性行為を結び付けている伝統文化があるとこともあるって言うのだ。体の内側からも外側からも穢れを取り払い、念入りに清めた僕らがそういう行為に走らないでどうする? というのがピンの弁。
 大事なことなのでもう一度言うけれど、ピンはやる気満々だ。貴方を受け入れるために女の子の部分を慣らした――とか不穏な事も言っているくらいやる気満々だ。一体、何をどうやって慣らしたのかは聞かなかった。
 相手が言ったら聞く事にして、僕のほうからの深い詮索はやめておこう。

 ともかく、今夜はそのやる気に答えてあげなくてはならない。やり方は、兄弟からそれとなく。チャガさんから詳しく聞いている。とはいえ、聞いただけの僕は全然イメージが湧かないのだけれど……太古の昔からそうしてきたのだし、本能を信じれば何とかなるさ。
 それをやって起こる結果が何をもたらすかも知っている。不安も多いけれど問題ないさ。一人で娘を育てた父親だっているんだ――と思えば、勇気だって湧いてくる。
 さぁ、今まではチャガと同じ部屋で眠っていたけれど、今日から僕とピンが同じ寝室だ。冷たい体が、驚くほど暑くなっているように感じる。きっと、ピンはそれでも冷たいというだろうけれど、それすらも感じられないくらいに熱く出来るだろうか。

「お待たせ……」
 心臓がドキドキしていると、勃たなくなるって聞いた。だから、精神を落ち着けようと深呼吸してみるのだが、余計に息苦しい。
「こんばんは」
 そんな僕を、彼女はにこやかに、嬉しそうに出迎えてくれた。彼女は落ち着いていて、破裂しそうな心臓を抱えている僕は情けないくらいだ。でも、それっきり二人とも無言だ。隣に座ってみたはいいものの、そこから先なんといって話をそっち方向に持っていけばいいのか分からない。互いに分からないし分かるわけもない。
 本能を信じれば何とかいくなんて思ったけれど、普段押さえつけていた本能を、いざ解放して身を任せるのがこんなにも難しいことだったなんてしらなかった。でも、このままじっとしていていい事は無い。切っ掛けを探して探して、やっと掴んだ告白と結婚。僕はまた切っ掛けを他人に頼らなくてはいけないのだろうか?いや、そんなんじゃ……話しかければいいんだ。いつものように。
「さっきのハレ姿……綺麗だったよ」
 こうやって、話しを発展させていけばいいんだ。
「そうね、私も自分が自分じゃないと思ったくらい……ピュア君もね」
 えっと……次は何を言えばいいのかな。難しい……むず痒い気分だ。うわぁ、ピンの手が僕の膝の上に。それで、何を話しかければ良いんだっけ? いや、ピンの手が僕の手に触れて……えっとえっと……握られた。
 とりあえず、その……ピンの手が暖かくって、それでなんだっけ? 腕を下に引っ張られて、また思考が中断された。寝台に横たわらせられる事に、僕は何の抵抗も出来なかった。

「寝台のヘリに二人で座っていたら壊れちゃうよ」
 だから、寝台には全体的に体重をかけようだなんて……こじつけのような理由だけれど、情けない僕を納得させるには相応しいこじつけだ。ピンはと言えば、大きな尻尾が仰向けになるのを邪魔するし、そもそも仰向けになんてなったら寝台がズタズタになるので、否が応にも横を向くかうつ伏せになるかしないと寝転べない。そうして横向きを選んだわけだけれどというのは、もちろん僕の方を向くわけで……顔が近い。
 そのまま思考が停止した僕をリードしたのはやっぱりピン。
「このまま……寝る? 一応私、酔っているからそういう選択肢もありだと思うけれどな~」
 雪のこびりつく冷たい僕の腕を抱き寄せ、ゴロリと顔を寄せる。思わず肩をすくめた。自分のほうがよっぽど低い体温だというのに、まるで自分が氷塊にでも触れたかのような反応をしてしまった。
「どうするの?」
 もう、我慢しちゃいけないのかな。寝台の上で体を起こし、うつ伏せに近い体勢で首辺りを抱きしめる。ごつごつした岩肌の感触は、今まで手で触れ合ったときよりも柔らかく感じる。
「えっと……それじゃやだ」
「何が嫌なの?」
 何がだっけ? すでにして頭が真っ白になってしまって、何もかも忘れてしまう。
「その、え~と……。そうだ、このまま寝るのが嫌」
 笑った?
「じゃ、何する?」
 僕はピンにぐいっと顔を寄せられ、いつでもキスできる位置。嫌いならこんなことしないだろうし、ここで積極的になって嫌われるなんてありえないし、あってはいけないことだ。いっちゃえ。
「ぅ……」
 キスを出来る位置に寄せられたんだから、キスをする。大丈夫、直感を信じろ。驚いたように声を上げたけれど、それは決して深いから来るものではなかった。顎同士が当たる時に、鋭い牙で互いに口を切らないようあくまでゆっくりと触れあった。
 最初は触れ合うだけ、こじ開けるでもすんなり開くでもなく、互いに申し合わせるようにゆっくりと舌を侵入させ合うキス。首に触れたピンの手の力が強くなる。ずいぶんと温かい指だ。

「ん、ふぁ……んむ……」
「う……」
 口はゆるゆると開きあい、舌同士が触れ合う。岩をもすり潰してしまうザラザラとした舌の質感はサメハダーの肌のよう。それによる舌同士の愛撫は手荒い歓迎というか、一歩間違えばヤスリで舌を傷つけるような拷問になってしまいそうだ。
 ピンの舌遣いは、そうならないように気遣った撫でるような舌の動きではなく揉むような――抱きしめるような舌の動き。それが嬉しい。
 情けない事に僕の舌は縮こまってしまって、彼女の攻めに戸惑いあえいでいる。舌の動きがそのまま声の量に反比例しているようだ。
「ぷはっ……」
 二人で同時に顔を離した僕の方ももう少し積極的に動かしたかったのだけれど、傷つけないように注意を払いながらというのはすごくもどかしいし、すでにしてちょっと舌が痛い。ホント……僕情けない。とりあえず、ここで情けない行動をした分は後で取り返そう……後で。
「あまり積極的じゃないの? それじゃ駄目よ」
「積極的になっても……良いのなら」
 なんて、うそぶいて見せたけれど、実際のところどこまで積極的になってよいのだろうか? 流石のチャガさんと言えどそこまでは教えてくれないし……
「じゃあ、やって見て?」
 ピンの意地悪。そして、僕の馬鹿。強がるから、僕はこんな目にあう。でも、処女と童貞という初めて同士ならば、やっぱり男としてリードしたいのが本音。もういい、自分のやってやりたい事をやればきっと上手くいくはず。だめならだめで、きっとピンはそれを拒否して笑って許してくれるさ。
 ならばと、僕が注目するのは、まずお腹。青く色づき蛇腹模様の付いた腹。きっと誰にも触らせてはいないだろうそこは、光沢がみえるほど綺麗だ。
 触って見たかった。まだ腹が赤いヨーギラス頃は親も触った事があるのだろうけれど、青いバンギラスになってからは自分以外で僕に初めて触らせるんだ。
 指先で軽く触れただけでぴくんと体を震わせたのは、それこそ経験が少なく触られ慣れていない証拠。当然の反応、なのかもしれないけれどその当然を味わえるのは僕だけなんだと思うと胸が高鳴る。
「ピン、緊張してる?」
「ちょっとね……」
 僕がうそぶいた分、今度はピンがやせ我慢。というよりは、さっきまでもやせ我慢だったのかもしれない。ちょっとなら、あそこまで体が震えるなんてありえないだろう。彼女もやせ我慢しているとわかると、ちょっと楽しくなってきた。相手も不安なんだ、自分の不安を恥ずかしがる事は無いと思えば気も楽だ。
 撫でるのを続行だ。腹から脇腹の方へと手をスライドさせ、子供をいたわるようにゆっくりと。ゴツゴツしつつもスベスベなピンの肌は、河原の石を撫でているような優しい感触がある。
「や……」
 その感触を楽しんでいるうちに、聞き慣れない声。あの巨体から出されたとは思えない、雲のように柔らかい感触の声。触っている時だからこそ出した声で間違いないのだろうけれど、まさか風呂で体を洗う時にこんな声を出すわけでもないよね?
 良くわからないけれど、チャガさんの言う通り本当に女性は全身どこでも感じてしまうのか……少し羨ましいような。というか、僕の愛撫についに感じてくれたのか……なんだか達成感。
 で、この先もっと激しくするべきなのか、それとも同じようにするべきなのか? 分からなくって、素人はつらいよと切実に思う。いや、ともかく……ここは相手を気遣おう!!
 あいかわらず臆病で消極的な考えしか浮かばない僕が恨めしい……
「大丈夫? このまま続けても」
「ん……むしろ続けて」
 パックリと裂けた口から鋭い牙を覗かせて言い、ピンは恥ずかしげにうつ伏せになり顔を寝台に埋める。恥ずかしい台詞なら言わなきゃいいのに、なんて思いながら、僕はもっと恥ずかしがらせるために大胆な行動に出る。
「顔を隠すなんてだめだよ、ピン……」
 僕を前にして顔を隠すなんて、絶対にダメ。恋人同士なんだから、お互いに隠しちゃだめだよね。掘り起こすように顔を持ち上げ再度のキス。
「うひゅ!?」
 かなりの不意打ちだったようで、ピンは間の抜けた声と一緒に目を見開いた。でも、舌はさっきよりさらに積極的。体が感じ始めてきたことで、舌も積極的になったのかな?
「うへぇ……」
 それを受け入れる僕は変な声出しちゃった。ピンの舌がちょっと痛いから、その痛みが嫌で。それを補って余りある期待が、そんな声を出させたのか……つくづく、僕自身がマゾなんだかそうでないんだかわからない。
「んはぁ……」
 口を離したピンは、ハァハァと激しく呼吸している。運動をしているわけでもないのに、いつの間にやら興奮してしまったのだろう。でも気が付けば僕も少し呼吸が結構苦しい。この苦しさはキスの最中に気を止めていたから……だけでは説明が付かない。
 僕自身、もう収まりがつかないところまで興奮しているんだ。きっちりと愚息がいきり立っちゃっている。まだ殆ど未使用のそれはピンクに僅かに黒を混ぜたような色。性交の時には尻尾が邪魔になる事が多い怪獣のタマゴグループに合わせて、肋骨あたりまで届く大きさがだから。どうやって隠し切れやしない。
 僕の視線の先にあるものに気がついたピンは、興味を示してしまった。見られたことに気付いてぴくんと反応して沿い舞うのだから、重ね重ね情けない。

「うわぁ……聞いた時のイメージとちょっと違う」
「ちょっと、ピン……」
 ピンが爪で傷つけないように手の平に包み込む。僕は思わず汚い……なんて言おうとしちゃったけれど、最終的にその汚いものを入れる事になるのだから、汚いと言ってしまうのは逆に失礼だ。
 だから、汚くない――と、言い切りたいのだけれど、なんというか触れてもらうのは申し訳ない気分がある。その背徳感のせいなのか、それともピンに触られているという事実そのものが興奮させるのか、ただ包まれてちょっと揉まれたくらいでもう達してしまいそう。
 流石にそんなに情けない事は出来ないから、考えるな、感じ……てもダメ。そうじゃなくって攻められてダメなら、自分が攻めればいいんだ。

「ありがとう……でも」
「ん?」
 ピンが上目遣い。可愛すぎる……今の状況ではそれすら凶器だから、敵わない。
「んしょ……僕がまず気持ちよくさせてあげるから」
「え~っと……お願い」
 面と向かって言われると恥ずかしいのか、いつものピンと違って控えめだ。今度は顔を隠そうとまではしなかったけれど、やっぱり目を合わせるのは恥ずかしいみたい。
 こういうものはいちいち許可を取らないといけないのかは分からないけれど、驚いた拍子に頭蓋を砕かれるのはごめんこうむる。ピンのわき腹に身を乗り出して、僕の愚息を押し付けながら、尻尾の付け根の背中側と彼女の大切なところを同時にふれる。
 
「ひゃぁ!!」
 でも、大事なところ。いわゆるスリットに触れたときはまるで殴られたように体を丸めた。股の間から腕を突っ込んでスリットの周りに触れていた僕は、万力のような彼女の脚にぐいぐいと挟まれ……
「痛い痛い痛い痛い……ちょ、離して!!」
 これ、何て拷問? 性交は女性が痛いものだというのが定説だけれど、それはバンギラスの前では通用しないのだろうか? まぁ、僕の腕が太くなければ挟まれなかったのだろうけれど。
 というか、チャガさんがピンの母さんとした時は……あぁ、物凄く丈夫な体のボスゴドラだからこれくらい屁でもないのか。
「ご、ごめん……来るのは分かっていたんだけれどつい」
 ヒイヒイと涙目になりながら腕をさする僕に、気まずそうに目を逸らしたピンの恥らう表情が……可愛い。
「こ、今度は大丈夫だから……お願い」
 可愛い女性にそんな事を言われて、男はスイッチが入らないはずがない。

「うん、わかった」
 無難な。しかしその分はずれの無い受け答え。再びスリットの周りに手を這わせると、爆ぜる様にビクンとピンが動く。先ほどの二の舞になりそうな気がして思わず手を引きそうになったが、今回は少し股の間が縮まったくらいで止まる。これじゃ僕の寿命が縮まるから、勘弁してよね……
「ん、っはぁ……」
 つつ、と往復させて撫ぜると感じているのか、尻の辺りで収縮と弛緩が繰り返されている。快感を感じ始めてようやく愛の営みらしくなってきたことを証明するかのようにピンは全身に力が入っている。
 膝は曲がり、尻尾も丸まり、爪も岩を握りつぶせそうなほど強く握られている。今まで感じられなかった匂いもどんどん濃くなっているようだし……僕の中の得体の知れないものが湧き上がる。あぁ、メチャメチャにしたい。
「気持ちいいの?」
「う、うん」
 気分がこもっているから説得力があるけれど、なんだか生返事。ちゃんと意味がわかって答えているのかな?
「借金の保証人になってくれない?」
「う、うん」
 あちゃ~……やっぱりというべきか。ピンの奴話を聞いているようで実は全然聞いていない。この瞬間でそんなお話をしてもツッコミの一つも入らないっていうのは、少し問題だ。
 でもそれは、ピンが自分の体に起きる異変に翻弄されっぱなしだってこと。僕のおかげでそうなっているんだから、ちょっと嬉しい。頭まで真っ白に塗りつぶされているのか、返ってくる返事は上の空。今なら何を言っても『うん』というんじゃないだろうか?
 そんな風に焦点さえ定まらないピンの痴態を見ていると、僕のほうが我慢が限界になってくる。
 今ならなんと言っても『うん』と答えてくれるだろうし、ここでやってしまえ。
「あの……」
 僕が手を離しても、激しく息づくのはしばらく止まらなかった。息を整えるまで次の言葉が出ず、五・六回息をついてようやくピンは。
「なに?」
 と、聞き返してくれた。

 気を抜けば漏れ出しそうになる唾液を飲み込んで、切り出した。
「その……」
 と、言いたいところだけれど切り出せない。あぁ、情けない。元気なのは下半身だけじゃないか。
「え~と……」
「私ばっかり楽しんでいちゃダメ?」
「いや、そんな事ないけれど……いや、そういうことかな」
 考える前に口を開いてしまったけれど、平たく言ってしまえばピンの言うとおり。
「じゃあ、遠慮しないで……でも、気遣うのと遠慮するのは違うからね?」
 ピンは自分の秘所を見て恥ずかしげに呟いた。すっかり水気を帯びた彼女の秘所は、雄を受け入れる準備はできているみたいだけれど、まだ完全なのかどうか。
 外にまで漏れ出すくらいなら完全かもしれない。しかし濡れているのが見て分かる程度……だと、どうしたものか。いや、ピンが良いと言っているんだ。ここで据え膳喰わぬは男の恥。

 心臓が恐ろしいくらい脈打っていて、口から飛び出てしまいそう。呼吸を抑えようとすると、息が震える。まるで武者震いだ。
 棒立ちしていても始まらないのに、僕は全然動けない。ぐ、でも覚悟を決めなきゃ。
 横向きに寝転がるピンに対面するように僕も横になる。人型のポケモンの正常位をそのまま横向きにしたようなこれは、太い尻尾を持つ怪獣やドラゴン式の正常位。ただでさえ体重が重い上に地に足がつかない体位だけに、非常に動きづらい。けれど、逆に言えば否が応にも動きがゆっくりになって気遣うことが出来るだろう。
「入れるよ?」
「う、うん……」
 ピンは楽しみのような、でも怖そうな顔をしている。本当に気遣わなきゃ、またさっきの万力のような攻撃を喰らいかねないね。
 ピトッ……先端が入り込む。口の粘膜のように柔らかくて暖かくて湿った秘所に包まれて、一瞬で理解した。
 やばい、気持ちいい。

 気を抜けば暴走してしまいそうだ。彼女の様子を気遣いながらゆっくりゆっくりと自身を埋め込んでいく。
「んぐぅ……あ、ぁっぁ……」
 かなりつらそうで、このまま続けていいのか不安になるような押しつぶされた声。本能は早く全部埋めてしまえと言っているのに、理性と葛藤しなければならない……かなり辛い。
 でも、きっと辛いのは僕よりピン。ピクピクもの欲しそうに動いて続きを要求する僕の愚息は、出来るだけ無視しなければ。
「大丈夫なの? 痛かったら遠慮なく言ってよ」
「うん、へーき……一気にお願い」
 自分から遠慮はするなって言ったくせに、ピンは遠慮しているような気がしてならない。けれど、その気持ちを無碍にしちゃ失礼だ。流石に一気に――といわれると気が引けるけれど……嫌いな食べ物を一気に書きこんでしまうのと同じ心理かな?
 加減はするけれど遠慮はしちゃいけない。ゆっくりと、けれどノンストップで彼女に僕の体を埋めた。
「んっ―――ん――……」
「っ――」
 痛い。口を固く食いしばっているピン自身とても痛そうだが、それに伴って万力とはいかないまでも、殺意すら感じさせる強烈な締め付けをされた僕まで痛い。
 でもそれは一瞬のことだった。痛みで思わず絞めつけてしまっただけなんだろうけれど、これがを何度もやられるとしたら本当に恐ろしい。丁重に扱わなければ、それこそ彼女の中で千切れてしまいそうだ。
 痛いのは互いに嫌だ。この痛みに慣れるというか、彼女自身が痛みを感じなくなるくらいになるまでは、こうして繋がったまま口付けを楽しもう。ピンの中は熱くてやわらかくって、先程までのような強い締め付けではないけれど収縮と弛緩を繰り返しているからそれだけで達してしまいそう。たぶん、このままじゃピクリと動いただけで暴発してしまうだろう。
 それじゃ、ピンは楽しめないし僕もいたたまれない。ピンの準備を待っているように見えて、その実は僕の愚息が収まるのを待っているという方が正しい。

 ピンの中もなんだか緩急が弱くなり、僕の方も快感らしい快感は薄れてきた。気持ちいいことには違いないけれど、射精に至るのとはまた違った快感だから問題ない。
 多分。
「もう、大丈夫?」
「うん、多分」
 なんだ、ピンも同じような事を思っている。と、とにかくついにピンの中で達する事が出来るんだ……あぁ、待ちわびた瞬間。
「ぁああぁっ! ……ぁあん……んあっ……」
 って駄目だ。ピンは本当に大丈夫なようで、僕の攻めに対して喘いでくれるのに……僕は何処まで情けないのやら。三擦り半とまでは言わないけれど、まだ始ってから二十秒たっていない。
 けれど、もう限界……止めらんないし。
「んあぁぁぁぁ……」
 僕の愚息は持ちこたえてくれない。腰は砕けてしまったかのようにピンの最奥まで付いた体勢で動いてくれない。気が付いた時には、僕の頭の中が真っ白でその状態のまま眼が覚めたような感じだったのだけれど……
 さっきまでの快感が夢だったかのように今は落ち着いてしまっているけれど、心臓が異様なほどバクバクと高鳴っているし、とてもだるい。

「早すぎ……」
 不満そうなピンの声……あぁ気まずい。
「ゴメンなさい……」
 平謝りするしか僕には出来なかった。
「全く……。いいわ、抜かずにそのまま続行して」
 え、まだ続けるの? 僕このまま体洗ってすぐに寝たいところなんだけれど……そう思いながらちらりと目をやれば、期待に満ちた眼差し。どうも、心情的な面で断る権利を与えられていないらしい。
「うぅ、わかった……」
 素直に従う事にしよう。疲れているわ、二回目からはいろんな所がちょっと痛いわ、気まずいやらで、そこから先はなんだか簡単には楽しめない。
 二回目は、それなりに快感の押さえ方もコツがつかめて眺めに出来たが、その分さらに疲れた事は言うまでもない。それなのに、彼女が満足しているのを見ると自分まで満足してしまうのが不思議でならない。
 終わって見ると、その不思議さなんてどうでもいいから、今日はもう疲れて早いところ体を洗って眠りたい衝動に駆られる。言葉に出したらピンに何を言われるかわからないので絶対に口には出せないけれど。

「ねぇ」
 ふらりと立ち上がって、体を洗おうと水場へ向かおうとした僕を呼びとめる声。
「なに、ピン?」
「私ね、お姫様だっこはもうしてもらわなくってもいいや。なんというか、あれって乙女の嗜みみたいなものだけれど、もう乙女って言う感じでもないしね……」
 乙女の嗜み……どこの口がそんな事を言うのだろう。
「確かにそうだね。乙女から立派な妻になったわけだし」
「うん、そうでしょ? これを機にってことで……でもね、私がお姫様抱っこをどうでもいいって思うようになったの、もう一つ理由があるんだ」
 何だろう? 僕の筋力が足りない事を見越してじゃないよね?

「サナギラスの時は、お姫様抱っこをしてもらうとちょうどピュア君の顔が見えたけれど、きっと今お姫様抱っこをやってもらってもピュア君の顔は見れないもん」
 あぁ、なるほど。
「ってことは、サナギラスの時代にお姫様抱っこをしていた時は、いつも僕の顔を見てくれていたんだね……」
「当然。っていうか、ピュア君も意識していないだけでいつも私の顔を見ていたんだよ?」
「そうだったんだ……」
 僕ってば全然気付いてなかった……
「そうだよ。もう……私ってその程度の認識?」
 そんな不注意な僕に、ピンは口をとがらせてふてくされた。
「それほど自然にそういう関係になっていたってことじゃん……気付かないくらいゆっくりとさ。それに、これからも……だよ。僕たちはこうしていつでも顔を見合わせる位置にいられる関係になったじゃない?」
 そんなふてくされたピンの機嫌を取り持つための僕の言葉は確かに効果があったようだ。
「うん、そうね。それが出来る関係になったんだから、もうお姫様抱っこはいらない」
 僕の言葉が良かったのか嬉しそうな顔のピンに抱きつかれた。すぐに眠ってしまいたいほど疲れていても胸はキュンッとなるのをやめないのだと、僕はこの時初めて知った。

「それとね、お姫様抱っこの事なんだけれど……」
「まだ何かあるの?」
「うん。お姫様抱っこの事なんだけれど、これからは子供にそうしてあげましょう? 今日ので子供を身ごもったかどうかは分からないけれど、いつかきっと授かるであろう子供を。お姫様抱っこでね……普通に抱っこする時と違って顔も見れるし。子供に、ずっと笑顔を見せてあげられるって素敵なことじゃないかな?」
 子供というとヨーギラスの事だろう。男の子か女の子かは分からないけれど、僕の手の中に小さな小さなヨーギラスが抱かれて笑う。
「いいかもしれないね。僕達の子供をお姫様抱っこかぁ……」
「そうでしょ? じゃ、頑張りましょうね」
 どうやら、僕はお姫様抱っこの呪縛から離れる事が出来ないみたい。でも、いいか。
 愛する人の重みを文字通り感じる事が出来るお姫様抱っこなんて、不器用で情けない僕にとっては最高の愛情を伝えるツールなんだから。
 これを話し終えてピンはようやく満足したのか、ドシドシと水場へと向かっていった。僕は遅れないようについて行って、少し笑顔になりながら会話の内容を反芻する。
「次はいつがいいかしら?」
 少し不穏な事を言うピン。これからも、ちょっとしたおとぼけに振り回されそうだけれど、それは覚悟の上……笑って許せる僕でいよう。
 ただ、今日は疲れたから、水場では何も起こらないといいけれど。

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【作品名】お姫様抱っこ
【原稿用紙(20×20行)】 60(枚) 
【総文字数】 19448(字) 
【行数】 409(行) 
【台詞:地の文】 19:80(%)|3854:15594(字) 
【漢字:かな:カナ:他】 33:61:4:0(%)|6478:11873:916:181(字) 


 さて、私に趣味全開のタイトルと、誰得のカップリング。雌の方は実はボスゴドラにする予定でしたが、ガ○ャピンとム○クという組み合わせが何故か浮かんでしまい、名前もそれらしいものに変わってしまいました。
 お姫様抱っこをさせるには、むしろサナギラスの方が自然だったので、結局それを採用することに。

 テーマは、愛情表現が変わっても、愛は変わらない。若い頃は出来た愛情表現が年取って出来なくなっても、別の形で愛情表現すればいいじゃない。そんなコンセプトで書きました。
 この物語の二人は、それを一足先に体験したというわけですが……このまま夫婦でコミュニケーションを取り合って入れば、性交渉が出来なかろうとなんだろうと、きっと仲良くやっていけるんじゃないでしょうか。
 親子愛でも、夫婦愛でも、愛情表現の形が変わろう愛は変わらない。いつまでもそう言う関係でありたいものですね。
**大会を終えて [#q542e515]
 結果は4位。非エロ部門と合わせて、見事なまでに死亡フラグとしか言いようがありませんね。
 バンギラスは、pixivでなんとなく気が合いそうな『作者はギーグ』のタグが付いているあの人の絵を見て好きになりました。
 ユキノオーは……正直な所ムックの役をやらせたいがために(蹴
 今回の大会も本当に楽しませてもらいました。また開催して欲しいものですね。

**感想・コメント [#jeef5f12]
***大会投票フォームのコメント [#jef70943]
>バンギラスをここまで可愛らしく書けるものなんですねwww激しく萌えました。
2匹の末永い幸福を祈ります。

あと、これは突っ込みですが、軍鶏に岩技は当倍です。
(炎は岩弱点だが、格闘は岩半減のため)
もっとも、紙耐久の軍鶏にゴドラとバンギの一致石刃では結局ひとたまりもなかっただろうとは思いますが。 (2010/03/23(火) 01:19)

指摘の方、ありがとうございます。大会終了後に急いで直しましたが、お礼を言うのも遅れてすみません。
バンギラスの可愛らしさですかぁ……どんなポケモンでも可愛く書こうと思えばできないはずはないと思いまして。お姫様抱っこをさせるためにも重いポケモンを選びはしましたが、これに萌えていただけたなら光栄です。
 
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>目覚めたw。
いやはや、バンギラス♀なんてずっと悪女のイメージだったから、こういう書かれ方されていて驚きました。確かに素朴でたくましく、それでいて素敵な奥様ですw。ストーリーにもどこかほのぼのとした好感を覚えました。 [[狸吉]](2010/03/24(水) 23:41)

目覚めちゃいましたか……私は悪うイメージのあるポケモンは大抵可愛らしいポケモンなので、逆にバンギラスこそちょい悪くらいなポケモンのイメージがあるのですよね。今回は、バンギラスのセルフイメージとは違うものを書きましたが、自他共にツボにはまってくれたようで、掻いたかいがありました。
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>ほのぼのとしていますし、雰囲気が気に入ったので。wikiがあんな状況ですが、投票しますね。 (2010/03/27(土) 17:08)

ありがとうございます。やはり、雰囲気は大事なんでしょうかねぇ……私自身、この雰囲気が好きなので、貴方とは気が合うかもしれないです。 
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>素晴らしい作品をありがとう! (2010/03/30(火) 12:55) 
私からは、感想と投票をありがとう!
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>カップリングに新しい方向性が見えた!
雰囲気が好きです (2010/03/31(水) 23:23)
怪獣パーティも良いと思うのです。今のところはニド夫婦や御三家くらいしか怪獣NLを見かけない気がするのでもっと増えればいいと思います。 
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>怪獣ポケが大好きです、ただ名前だけつけて名前さえ変えてしまえばただのストーリーになってしまう作品が多いのですが
これはちゃんとポケモンの特徴を捉えた描写がされていて素晴らしいと思います
これからも良ければ怪獣ポケをよろしくお願いします、楽しみにしてます (2010/04/01(木) 05:19) 
怪獣ポケ……大抵が犬や猫と違って尻尾が太く長いので、描写が非常にめんどうだったりしますがそれだけに他のポケモンには出来ない愛し方を描けるのはいいことだと思います。
私も気が向いたら書くと思いますけれど、増えないかなぁ……とか漠然と思っています。今回は自給自足も兼ねていましたね。
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>ユキノオーははじめてみましたね。カップリングはともかく、ほのぼのとした雰囲気を楽しませてもらいました。 (2010/04/02(金) 14:13)
カップリングはともかくてw お姫様抱っこを含めて、雰囲気の勝利と言ったイメージが強いのでしょうかね。お姫様抱っこも増えないかなぁw
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>バンギたんハァハァとしか言えない (2010/04/03(土) 22:32) 
私はむしろ、お姫様抱っこをしようと頑張るピュア君の無垢な願いが好きだったりします。でも、キャラを愛してくれると言うのは嬉しい事ですね。ありがとうございます。
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>バンギラスの母親といえば、サトシのヨーギラスを思い出しますが、こういうのもいいものですね。
私のストライクゾーンが広がった気分です。 (2010/04/04(日) 15:36) 
ストライクゾーン広がりましたか。好き嫌いがなくなるのはとても良いことだと思います。これからもストライクゾーンを広げられるような作品を頑張って書きますね。


***その他コメント [#n7b8833c]
#pcomment


 


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IP:125.198.70.102 TIME:"2013-11-22 (金) 17:26:30" REFERER:"http://pokestory.rejec.net/main/index.php?cmd=edit&page=%E3%81%8A%E5%A7%AB%E6%A7%98%E3%81%A0%E3%81%A3%E3%81%93" USER_AGENT:"Mozilla/5.0 (compatible; MSIE 10.0; Windows NT 6.1; WOW64; Trident/6.0)"

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