作者ページは[[こちら>カナヘビ]] 2020年7月23日~2020年8月23日分 #memo(お題:乗車券\n「ロケットより速く、エアコンより静かに動く!見えた、見えたぞ!この滑るような曲線!撫でられる、触れられる!こんなにはっきりと見えて触れられるモーソートレイン!まさにオーバーテクノロジー!」\nムシャーナの頂く、カワナタウンのエンジニア達が見る夢に、乗車券はいらないようだ。\n\nお題:お酢\n「どうぞ、すっぱいりんごだよ」\n僕のわがままでりんごを取ってきてくれた主人。どろどろの液体がかかったそれを食べると、確かにすっぱい……ん?あまい?\nそうして進化した姿は、小さな翼を持っているものじゃなく、がっしりとした足腰とおいしそうな背中。\n「やっぱお酢じゃだめだったか……」\n\nお題:食パン\nカントーからホームステイに来た客人は、向こうにはいないポケモンを物珍しげに見ていた。アズール湾にて岩砕きで出てきたイシズマイも見たことがなかったようで、進化するとパンドミのようになると教えてあげた。\nしかし客人はパンドミを知らないよう。カントーにパンドミはないのだろうか?\n\nお題:飛沫\n戦闘大好きなジュラルドンの彼は生傷が絶えない。傷を負うたびに私に頼んでくる。\n「今日も頼むよ」\n鋼の体に毒を当てたところでダメージはない。見る間に彼の傷を毒液で覆い、溶接していく。\n「ありがとう、ドラミドロ」\n顔に飛び散った飛沫をヒレでふき取るのも忘れない。\n乾くまで少しだけ待ってね\n\nお題:秘話\n新しくスマホに入れるロトムを教育しているものの、彼はまともに音声を受け取ることができない。音声の周波数スペクトルを反転させるごく一般的な秘話を使用しているのだが、どうしたものか。\n「つまんないロト!暴れるロト!」\nスマホよりかは、洗濯機にでも入れたほうがいいのかもしれない。\n\nお題:微妙\n「だーれだ!」\nポケモンシルエットクイズの中でも最難関とされる、丸が1つあるだけのシルエット。2択に絞られるが、どちらか……。\nいや、右のほうに注目すればいい。よく見れば小さな突起があるじゃないか。そう、突起が出るほど眉をしかめているポケモンはどちらか?\n「ビリリダマ!」\n\nお題:冷たい\n相棒のフリージオは夏場になると姿を保てない。大型の冷蔵庫でもあればいいものの、うちではドライアイスが精いっぱい。\n冷気を浴びて相棒は気持ちよさそうに鎖を垂らしている。しかしこの暑い中、私は少しの冷気では物足りず、ついドライアイスに手を伸ばしてしまった。\n「あっちぃ!!」\n\nお題:飲む\nマルノームはその名の通りというか何を食べるにしても一飲みだ。カレーも飲む、うどんも飲む、サラダも飲む、何もかも飲む。\nにもかかわらずなぜか食感のあるものを好む。特にうどんや餅などはとてもおいしそうに飲むのだ。\n「ごちそうさま!すごくおいしかった」\nちなみに、飲むサラダは嫌いらしい。\n\nお題:スポンジ\n水槽の水が汚れてきたから変えることに。住まわせているヨワシを別所へ移し、きれいな水に。\nやけに汚れてると思ったら、フィルターがゴミだらけになっている。水をきれいにできるよう抜かりなく取り除いた。\n水槽がきれいになって、いつもは涙目のヨワシも今日ばかりは嬉しそうだ。\n\nお題:なかったことに\n神と並ぶはずだった。あわよくば神をも超えるだろうと思っていた。だが、予期せずしてARシステムは暴走。制御装置を付けざるを得なくなり、残ったのは失敗作同然のもの。全てのタイプを総ずる命名も、もはや似つかわしくない。そこにいるのは、ただの虚ろに過ぎないのだから。\n『タイプ:Null』\n\nお題:爆発\n宇宙、惑星、海、陸。創造はいよいよ大詰め。あとは我々の遺伝子、知能を分け与えた子供たちを生み出すだけ。全ての祖となるミュウと共に。\n「ミュウ、あなたが生命の大爆発を起こすのです」\n「分かったー!」\n言うとミュウは白銀の光に覆われ、轟音と共に爆散してしまった。いや、そっちじゃない。\n\nお題:耳鳴り\n「ゴガァッ!」\n威力抜群のばくおんぱを出しうる限りの轟音で放ち、相手を卒倒させるバクオング。ゴーストタイプでもおかまいなしに音でふっとばす。\nそう、彼は防音ではない。失神しそうな轟音をきもったまだけで耐えている。毎日絶えない耳鳴りのせいで、普段からいかつい顔をさらにしかめている。\n\nお題:スウィング\n「Bewear,ブルータルスイング!」\nキテルグマは動かない。\n「えーと、Brutalスイング」\nキテルグマは見返すばかり。\n「Brutal Swing!」\nしかしレベルが高すぎて言うことを聞かない。\n「畜生、どうしたら……」\nキテルグマは無表情な笑みを浮かべ、両手を広げてこちらへ来る。\n「待ってハグは……」\n\nお題:歴史\nエンジュシティは歴史ある街とはよくいったものだが、その中でも特に異彩を放つのが焼けた塔だ。解体する計画もなければ立ち入り禁止になることもなく、焼けた姿のままで保存されている。果たしてこの塔が焼けたままなのか、更地になって「焼けた塔跡地」になるのか、非常に興味深いところである。\n\nお題:月が綺麗ですね\nルナトーンに告白したいけどなんて言おう?月並みな言葉を突き付けても突き返されて運の尽きになると思うし。\n「君を照らす太陽になりたい。君を一生、照らし続けるから」\nルナトーンの蒼い目は、今にも赤くなりそうだった。\n「いつか満月にしてね」\n君の笑顔があれば、僕はいつまでも輝けるだろう。\n\nお題:ロングセラー\nクリティカッターはないですかと聞くと無いと言われてしまった。これで3件目。イッシュの店を回って聞いたのに、なぜどこにも売ってない?\n新しく入ったケンホロウをジム戦で大暴れしたいんだが……。\n「もしかして、クリティカットかね?」\nまさか海外だからって名称が違うだなんて思わなかったよ。\n\nお題:七宝焼き\n陶磁器を集めているネンドールに七宝焼きのグラスを贈った。彼が集めている土のものとは違うが、ネンドールはとても嬉しそう。\n暑いこの本日も、贈ったグラスにいそいそと冷たい水をいれ、陶磁器に差し出している。自身と同じ土でできたものだから、仲間のように思っているのだろう。\n\nお題:どんでん返し\n白い大ボリュームのウィッグに隈取、青と金の衣装。歌舞伎役者に憧れる我がピカチュウは、所選ばず見えを切る。\n今日もまた、ビルの回転扉の中でピカピカと見えを切る。そしてヒトが出てくると、扉の回転と合わせてそそくさと裏へと引っ込む。大いに邪魔だが、可愛いからと許してもらっているようだ。\n\nお題:流星群\nカエンジシ座流星群があると聞いたサザンドラは、今か今かと空を眺めていた。特殊アタッカーの彼はりゅうせいぐんなどおやの顔よりも見たはずなのに、本物を見たいと聞かない。\nかくして流れる無数の星々。決してポケモンにあたることのない流れ星は、その6つの明眸にどう映っているのだろうか。\n\nお題:モードオフ\n壊れない。何度も何度も真正面からぶつかっても、天穿つようなその岩は壊れない。闘争の炎を纏い、ヒヒダルマが鍛錬に明け暮れる。\n息を切らしたところで炎は止まり、膳を組む。灰色の体は先程とは正反対に静かで、知的。集中力を高め、標的の一点に狙いが定められる。\n動と静を使いわけ、鍛錬は続く。\n\nお題:ベンチ\nジョギングの一休みにベンチに座ったのがいけなかった。つい見逃してしまった「ペンキ塗りたて」の張り紙。色鮮やかな綺麗な水色に塗られていたのに、パンツや服にべったり。塗りを担当したらしいドーブルは癇癪を起こしながら色を塗り直している。あわよくば、この服の色もどうにかならないだろうか。\n\nお題:鉄塔\n「話したいことがあって」\n月夜に鉄塔の中腹にてならぶケララッパのカップル。下界に広がる森林は静かだ。\n「つきあ……」\n切り出そうとした瞬間、足場が傾きバランスが崩れる。2体は悲鳴を上げながら飛び上がった。\n電線で繋がれた鉄塔は、小さな白いものに次々と両断されていったのだった。\n\nお題:砂漠\n「はあっくしょん!」\n鼻水を垂らしながらメグロコは砂を掘り続ける。本日の夜も寒くて仕方がない。無限暗夜への誘いのごとく漆黒が天を覆っている。\n小さな窪みに体を収め、昼間の温かみが残る砂を被る。鼻水を提灯に変え、砂吹きすさぶ朝を夢見て、凍えつつ眠りにつくのだった。\n\nお題:切り替える\n「こちらに来ます!」\n 次々と鉄塔が倒れる事態が発生。最近発生したUB:SLASHの仕業であると聞き、大勢のトレーナーが進行方向上に駆け付けた。\n背中に布の手を交差させるギルガルド。突如飛び上がり、回転際に盾をつかみ、戦闘態勢へ。こちらへ向かってくる敵は、もう近い。\n\nお題:予想\nイーブイの多岐に渡る進化は、偶然発見されたものが多い。これまでに8種の進化が発見され、今なお進化が存在するのではないかといわれている。多種多様にわたる進化条件を試しては落胆する者も多い。草や氷の例もあることから場所などを予想し、新たな進化先を模索するブイズマニアも多いのだ。\n\nお題:白昼夢\n眠らない催眠術が話題になっている。術者のスリーパーが行うのは見慣れた振り子による催眠術だが、誰も眠ることなく起きながら夢を見ることができるのだ。被験者によれば眠ったのと同じ感覚だという。しかし需要と言えば、夜のガードマン等が悟られずに眠ることなど、しょうもないことばかりである。\n\nお題:リンゴ\n店頭にならぶ特製リンゴのコーナーの隣にある500円も高いリンゴは、カジッチュが元々いたリンゴとして人気だ。進化等の要因で手放されたものは普通のリンゴより数が少なく高級品だ。今日もまたこの縁起物を買って、生まれたばかりのカジッチュに与える。仲間の力をもらって、大きくなりますように。\n\nお題:しかばね\nすれ違っただけのボクレーがやけについてくる。何を伝えたいのかよく分からず、ただただ服の裾を引っ張ってくる。この引っ張り方には覚えがあった。山へ行って帰って来なかったあいつと同じ。引っ張られるがままついていくと、ボクレーは嬉しそうに笑う。ついていった先、草むらの中に……\n\nお題:ランドリー\nぎっざぎざのめったぎり。お気に入りの服が無残にもバラバラに。更には、しわしわのよれよれだったり、カチカチに凍ってたり。服という服が散々な目に。\n「ロトムー、次これー」\n我が子の声に目を向けてみれば、電子レンジに姿を変えたロトムの中に服を入れようと……\n「やめてえええええ!」\n\nお題:怒涛の勢い\nスプーンに集中する。親指に力を込め過ぎず、震えるのは眼球ばかり。うず高く積まれたジェンガの下方が、念力によりミリ単位で引き抜かれていく。しかし、目の震えが指に伝わり、念力が乱れる。数百段積まれたジェンガは怒涛にも思える勢いで無残にも崩れ去った。ユンゲラーは肩を落とす。\n\nお題:皿\n「この俺に壊せないものはないぜ!」\n啖呵と共にハガネール鋼の鉄板を得意のもろはのずつきでぶち割るラムパルド。周囲は拍手するばかり。\n次に置かれたのは1枚の皿。\n「これは……古エンジュ焼き漆器!美しい造形と絵柄で、数百万もするという……!」\nさすがのラムパルドも頭を振り下ろせない。\n\nお題:洗車\nぴっかぴかになった車を見て大いに満足。だが、タイヤが1つ残っているわけで。\n「ホイーガ!」\n溝の摩耗1つないタイヤを羨ましそうに見ながら転がってくる。鋭利な毒のトゲのある体は水を流しただけじゃきれいにはならない。マタドガスのクリアスモッグでも浴びせつつ、湿ったタオルで拭いてあげよう。) 2020年8月24日~2020年9月23日分 #memo(お題:湯沸かし\n厳選したレックウザマウンテンを贅沢に入れ、豆の香りを楽しむ。飲むのが楽しみでならない。\n「ミロカロス、ねっとう」\nじっとりした目つきのミロカロスが尖った口からねっとうをコップに注ぎ入れる。溢れることなく、苦い香りが漂う。世界一贅沢なコーヒーを口に含む。ミロカロスは溜息をついていた。\n\nお題:カトラリー\n「料理を始めるぞ」\n月夜に白じむコック帽のずれを直す。右手には背丈ほどもありそうなフォーク、左手には同様のナイフ。佩いた2本を月に掲げるや、赤黒いオーラと共に黄昏の狼が宿った。相対するエルレイドは思わず息をのむ。\n「いくぞ!」\n声と共にコックとエルレイドは走り、鍔迫り合った。\n\nお題:エンジン\n昇りくる曙に照らされ、砂は足に押される。\n「そんなんじゃ体力つかないよー」\n頭にひっつくエモンガにやるきを刺激され、エレキブルは荒い息と共に再び走る。\n「てめえも走りやがれ……」\nやれやれとエモンガは飛ぶ。せいでんきで逆立つ毛は電気を交換し、余力を生む。\n汗と共に2体は海岸線を走る。\n\nお題:かもめ\n「イイジャナイキャ、キャワイイジャナイカ」\n大きく折れ曲がった羽、黄色い嘴、つぶらな瞳。新発見されたポケモンを見つめつつ、男は撫でまわす。\n「ソウキャソウキャ、イイコダ」\n当然のノックと共に、助手が入ってくる。\n「博士、このポケモンは何て名前にしましょう?」\n「キャモメ!」\n\nお題:再出発\nあまりに突貫過ぎた。思いつきも同然のガラルヤドランとシェルダーの物語。酷い文章ながら今やっと完成し、投稿した。これからきちんとやっていけるのか?また月日をあけるんじゃないか?不安しかない。でもやっぱり、続けたかった。\n発表は7月19日。その日からまた、カナヘビとして活動を始めよう。\n\nお題:純喫茶\nカフェ激戦区のミアレシティに新しく店を構えた。居抜き物件だったため、格安で購入できた。しかし激戦区だからか客は少ない。その変わり\n「フレア団はこちらですか?」\n妙な連中が来ては肩を落としてさっていく。前はフレア団という店だったのか?\n「カフェ・カエンジシ」の受難は続きそうだ。\n\nお題:セピア\n「昔、こんな景色を見ていた気がする」\n白黒写真を見ながら呟く老人。そばにいるカラマネロがぬらりと触手を伸ばす。\n「この世界は白黒ではありません。貴方はもう、老いてしまった」\n静かにかけられる催眠術。老人は頷き、カラマネロはほっと一息。\n「世界の真実は、知るべきではない」\n\nお題:軍勢\n「オール起動、メタグロス!」\n 機械音ともに、夥しい数のメタグロスに光が宿る。徹底されたプログラムの下、あるじに植え付けられた戦闘回路に則って敵国へ向かうのだった。\nしかし。進行の中にただ1つ。プログラムにない感情が芽生え、歩みがぎこちなくなる。\n「これは正しいのか……?」\n\nお題:ボウリング\nボウルを持つのには向いてない手。掘るものと勘違いしてやってきたのはいつの日か、今やレジャー施設の一角でピンを見ている。両腕で持ち、絶妙な加減と回転をかけ、転がした。\n今日も全部のレーンでストライク。地面ではなく、ピンを相手にボウリングするドリュウズは、何かが違うと首をかしげる。\n\nお題:月の裏側で見る景色\n基地から遠くへ来すぎてしまった。サンプル採集で歩き続けるうち、気が付けば遠くに母なる地球が見えた。久しぶりに見る水の惑星は、相変わらず青い。目の前では大気のないこの月面で、多数のピッピ達が輪をなしていた。まるで地球に行きたがっているように。私も輪に混じれば、地球へ帰れるだろうか。\n\nお題:鐘の音に怯えるシンデレラ\nけたたましく鳴る12時の鐘にエラ妃は飛び起きた。絢爛豪華なベッドから下り、寝室から飛び出す。\n「王妃様!」\nしゃららんという音と共にリーシャンが現れ、エラ妃ははっと我に返る。\n「あなたはいつまでも王妃様です。大丈夫ですよ」\nエラ妃は座り込み、リーシャンをそっと抱き寄せた。\n\nお題:よそ見をするあなたを見つめる私\n「まだだぞカビゴン……」\n待ちに待ちわびたこの瞬間。レトルトカレーが出来上がるまでもう少し。まだか、食べたくて仕方ないのに、カレーはそっぽを向くばかり。\n「できたぞ!」\n怒号と共に蓋を開け、ひっくり返して胃袋へ流し込むカビゴンと私。恰幅がいい者にとって待つのは3分、食うのは一瞬だ。\n\nお題:映画なら上手くいくのに\n本日5回目のNGにカイリキーは肩を落としていた。車の外を走る女性をドア越しに手を差し出して引っ張り上げるシーンがうまくいかない。特性でもないだろうに手先が不器用過ぎて掴めすらしない。試しに特性カプセルを与えてみるとなんと1発で成功した。手に汗握る根性は感じられなくなったが……。\n\nお題:最高と最低は紙一重\n待ちきれないとばかりに涎を垂らすダストダスの前に缶詰を置く。蓋を開けると、世界一臭いと有名な魚の塩漬けが形容しがたい臭いを放っていた。喜んで食べ始めるが、2つあるうち1つを突っ返してきた。『腐って』いてとても食べられたものじゃないらしい。意を決して嗅ぐが……何が違うというのか。\n\nお題:どら息子\nどうしてもミノを着たくないって出ていったきり息子とは会ってない。未だにミノを着ずどこかをうろついているものと思っていた。\n「紹介したいんだけど」\n久しぶりに帰ってきた息子は立派なガーメイルに進化していた。可愛らしいドクケイルを引き連れて。さぞかし綺麗なミノを着て告白したんだろうね。\n\nお題:ぞんざい\n元気を出してと言い聞かせつつ、海で泳がせる。くろいまなざしを浸したような夜の海に光るのは紫の筋。それは優雅に羽ばたき妖しく舞う。ナイトブルーの星空に映えるネオラントは今、何よりも輝いている。\n見てみたまえ廃人ども。どこが海のゴミなのか?どうもあなた方はゴミの意味を知らないらしい。\n\nお題:痺れ\nぬいぐるみをはじめ、ざぶとん、フロアマット、スリッパ、コースター、鍋敷き、湯のみ、箸置き、ペン、くつした、スリッパ……。まさしく大量発生。我ながらたくさん集めたものだ。今や部屋中から視線を感じ、幸福の中を歩く。\n「まぎょ?」\nどうやら本物を踏んでしまったようだ……。\n\nお題:ボタンのかけ違い\n「主人さん、僕らの愛の結晶です」\nはにかみつつ差し出してくるタマゴ。夕焼け色に染まる頬に祝福の言葉でもかけられたらと思った。この子の能力は?特性は?そんな事ばかり気になる。求めているものでなければ所持している価値はないと思った。\n人の心を失ったのか?どこで道を踏み外したのだろうか。\n\nお題:すり抜ける\n「主の煩悩を淘汰せよ……」\n廻り巡る魂の前に座禅し、只管魂を取る。その数107。視線激しいミカルゲのプレッシャーに耐え掴もうとするが、掴めない。\n「何故掴めぬ?雑念ばかりではないか」\n「それは、君が目の前にいるからだ」\n土台の御影石にイヤらしく触れた。\n「待て、せめて心の準備を……」\n\nお題:アネモネ\n口数少ないあいつをいつもいぢめてしまう。そんなつもりはないのに。乾きそうな舌は引っ込めて、花でも持って謝りに行こう。\n「いつもごめん」\n目の前のミブリムの表情は分からない。差し出した花を確認するや、赤らんでそっぽを向く。\n「い、いいよ……」\n花を渡されただけで何を照れてるんだか。\n\nお題:暫く\n手にしたボールを見つつ嬉しさを噛みしめる。長きにわたってチャンピオンは君臨し続けているらしい。挑みにきたトレーナーを悉く返り討ちにして立ち続けた頂点。その挑戦権を漸く得ることができた。\n長らく立ち止まっているが、もう進まねばならない。ガラルのチャンピオンの待つバトルフィールドへ。\n\nお題:見違える\n「おお、長い間見んうちに大きゅうなって!あれま、小さかった口がこんなに大きくなって!目から黄色い髭なんか生やしちゃって!あんなに小さくて、雫みたいなみずでっぽうしか出せなかったのにこれだとでかいみずでっぽうだせるわな!」\n「……どっち見てんだ?」\nブロスターは戸惑う。\n\nお題:記憶と記録\nいくら600族の鋼の身体でも劣化は免れない。ヒトの醜い争いは永きに渡って続き、これからも終わらない。この荒廃し衰弱した大地は蘇るのか。\n「どうしたの?」\n何も知らない当機の子、ダンバルにデータとメモリを移さねばならない。来る未来にヒトが過ちに気付き、二度と争いを起こさぬように。\n\nお題:刺身\n「ご主人、私をタべて!」\nまな板でもないのに寝台の上に横たわるサクラビス。薄紅色が照明を艶やかに反射し、活け造りの様になまめかしい。震える口吻と目は湿気を奪われながらも私を待っているようだった。\n「待て落ち着け」\n失恋でもしたのだろうからゆっくり話を聞こう。でないと理性が持たない。\n\nお題:整理整頓\nポケモンスクランブル!ぜんまい仕掛けのおもちゃのポケモン達が、ハチャメチャ爽快バトル!みんなの傷を癒す光の雫が湧かなくなり、コバルオン達悪者が奪い始めた!事件をなんとかしようとピカチュウが……\n「お出かけするわよー!」\n「はーい!」\n遊んだ後はお片づけ!きれいにしまって偉い偉い!\n\nお題:疑り深い\n「ごべんなざい!もうじまぜん!信じでぐだざい!」\n壊れた蛇口のように涙を流す。しかし相手のテブリムは訝しげだ。\n「信じられない。本当に?」\n「ずびばぜんでじだ!」\nテッカニンの如く速さで土下座するや伸びる髪。しかしそれは難なく房で掴まれる。\n「分かってるわね?」\n「にゃはは……」\n\nお題:何もかも\nどうしよう!?一切なんにもネタを考えてない!24時間近くあったのに何も考えてない!?あーもう、140字とは言え締め切りが厳しすぎる!こんなの、ウルトラネクロズマの天焦がす滅亡の光で何もかも燃やし尽くして無かったことにするしかないよなあ!?\n悪タイプ以外せーんぶ滅びちまえ!!\n\nお題:ミルクパン\n少しばかりツウ向けの、ゴーゴートからとれる「ゴーゴーミルク」。独特の臭いゆえにあまり好まれなかったが、これを使ったゴーゴーミルクパンを遂に発売できた!モーモーミルクとはまた違った味わいに大好評だが……\n「やっぱり生を、直接がいいよなあ……」\n目の前のゴーゴートは首を傾げている。\n\nお題:ベーシスト\n世渡りのコロトック親子といえば知らない者はいない。無邪気で快活な息子のコロボーシの軽快な木琴のような音、それに合わせた母のコロトックのコントラバスのように低いベース。心地よく耳に入る触角の音と心震えるビブラートは大人気だ。今日もストリートに現れ、投げ銭や食べ物が飛び交うのだろう。\n\nお題:こんな事になる前に\n進化した途端にたんぱんこぞうのトレーナーは泣き出した。小僧はアゲハントが欲しかったらしく、マユルドの俺を見てぐずっている。こんな事になる前にどっちになるか分かればいいものを。\n「アゲハントがいいよお!」\nうるさくて仕方ない。俺がアゲハントくらい綺麗になって目に物を見せてやろうか。\n\nお題:あんな事をする前に\n僕のマユルドはいつまでも進化しようとしなかった。かわらずの石を体に貼り付けて、白粉やら塗りたくって体を白くする。カラサリスにならないってあんな事をする前に分かってるのに。\n「小僧、どうだ?」\n結局彼女は粉がまぶされただけのドクケイルに進化した。分かったよ、アゲハントより綺麗だよ。) 2020年9月24日~2020年10月23日 #memo(お題:頭が追いつかない\nチェスの世界大会決勝。戦うのは、数々の天才や王者をその賢さと頭脳で退け続けた「IQ1万」の名を冠するフーディンと、その計算速度と処理能力で幾万の勝ち筋を導き出した「思惟機械」の名を冠するメタグロス。対局はハイペースで論理的。実況は目も頭も追いつかず、速すぎる対局を唯々見ていた。\n\nお題:虹の根元\n「なんだこれは?」\n七色の光彩が妖しく蠢く虹霓は、触れると極彩色に波打った。砕けた土壌の孔から飛び出したそれは、曇天より落つる霹靂と共に急激に縮こまり、1つの姿にとどまった。\n「ホウオウに来てほしかったのに、ヒトが来たのか」\n聞いていたよりは臭くはない。会いたいなら、探しに行こう。\n\nお題:フォークロア\nリズム感がなくてタップダンスが下手なバリコオルは、それでもダンスに憧れていた。思うようにステップが踏めず、つんのめって転んでしまう日々。\nそんな彼も今や私のパートナー。綺麗なドレスを身に着けた私を、紳士的にエスコート。彼のリズムにあったフォルクローレで、2人で天下を取りましょう!\n\nお題:耳たぶ\n悟りに至り涅槃の極致の辿り着き、座禅を組めば宙さえ浮けるメガチャーレム。高徳な寺院の僧である彼女は常にその身を参拝者の前に晒す。特徴的なそのあまりに長い耳たぶは、触れるとご利益があると言われていた。\n「私も……良い伴侶が欲しいものだ」\n夜毎に独りごちる。心は消せても、女は消せない。\n\nお題:わがままは1度だけ\nやだやだ!1日くらいワンラサボりたい!早く寝たい!ここのところ地味に寝不足だよ!1日くらいあけたっていーじゃんどうせみんなあけてるんだから!140字って難しいし毎日考えるの疲れるしそれに……\n「あーおいしかった!」\nはっ……僕は何を?カゲボウズが食べていったのかな……。\n\nお題:馬鹿と鋏は使いよう\n待てキングラー、弱いなんて僻むな。お前にも戦い方がある」\n強力なクラブハンマーと悪技で大ダメージを与えるシザリガーに俺が勝てるはずがないと思うが。\n「僕も昔はばかぢからを使ってたが今じゃインファイトだ。君はばかぢからと……」\n水の力を使う技……え、ハサミを使わないほうが強いって?\n\nお題:リンゴ酢\n目が覚めるようなキリっとした「アップリュー酢」、脳みそが蕩けるほど甘い「タルップル酢」、りんごっぽい2体のポケモンから抽出された酢は、それはそれは濃い!リンゴ酢とは少し違う味わいをお楽しみ下さい!\n「抽出って……どこから、どうやって?」\n2体は口を閉ざし断固として語らない。\n\nお題:ヒップホップ\n「空を跳ぶには何より脚が大事。強靭な脚で宙を蹴るのだ」\n「はい師匠!」\nまだまだ空を駆けられないドードーは、ドードリオに師事して天を走ることを夢見る。\n「まずはきちんとしたジャンプの練習から。空を見上げ。ヒップ、ホップ、ジャンプだ!」\n「師匠、ホップステップジャンプでは?」\n「……」\n\nお題:カーテンを開けたら\nまで練習してきたことを思い出そう。感情をこめ、心を出してきた日々。パントマイムではなく感情を表に出す演技を買われたバリヤードは、緞帳の前で1つ息を吐く。\n「大丈夫だ。練習と同じことをすればいい。いいな?」\n励ましとともに鳴るブザー。垂れ幕は徐々に開かれ、客席を露わにする。\n\nお題:目の色が変わる\n「今年もありがとうございました」\n僧は頭を下げ、ご神体の達磨にリンゴを供えた。1年間無病息災が叶い、感謝を捧げた。\nところが。達磨はカタカタと震え、墨を入れていないのに目の色を変えヒヒダルマへと姿を変えた。\n「ゴラ!怖がっとるじゃろうが!」\n供えられたカジッチュは小さく震えていた。\n\nお題:アブノーマル\n絶対的特殊の壁、ハピナス!何にでも変身のメタモン!厚い耐久のカビゴン!丸いのにガチガチのポリゴン2!技をほぼ使えるドーブル!本気出せば強いケッキング!体質まで変わるポワルン!頼りになるモフモフのトリミアン&バイウールー等々…\nノーマルとは名ばかりのアブノーマルなポケモンばかりだ。\n\nお題:三半規管\n荒波模様となった航海も終わり、船から客が次々と降りてくる。真っ青な顔が多い中で1つだけ伸びた背筋。いつもは渦巻く目はX字になり、ふらつかない体はまっすぐ歩く。\n「すごいなあのパッチール、三半規管が強いのか?」\nパッチールはその場に正座し、体中を震わせる。\n「あれ気分が悪いのか!?」\n\nお題:ドグラマグラ\n「一体ドグラマグラをどう絡ませるかね?」\n言いつつ本屋の棚から冊子を出し、立ち読みする。密室から始まり徐々に理解ができなくなる。\n頭の周囲は最早マメパトやポッポが愉快に回り、文字を追う目はカモネギよりも、エアームドよりも鋭くしても理解ができず。\n「こんなん無理」\n諦めて棚に戻す。\n\nお題:魔人\nトレーナー諸兄は覚えているだろうか?去る2012年に行われた伝説の戦いを。灰すら残らないと豪語した特攻お化けの猛炎を退けたのは「ピンクの魔人」ことラッキー。彼女がワンダールーム内で繰り広げた、勝利の星に煌めくゴウカザルとの激闘は、皆を感動の渦へと巻きこんだ。その勝負の行方は……\n\nお題:万有引力\n物理学者アイザック・ニュートンのパートナーポケモンはカジッチュだったという。幼少の頃に成績優秀の褒美としてもらい受け、大人まで寄り添った。進化したアップリューの見せたリンゴを落とす技を目の当たりにし、天恵を授かる。\n彼の功績を称え、技には発見された法則に関する名がつけられている。\n\nお題:レシート\n「レシートはいかがですか?」\n金銭のやりとりのされるレジの中で、電子化したポリゴンZがデータを集計していた。\n「財産状況、精神状況、老若男女……影響なし。完全にランダム」\n客がレシートを受け取るか否かは誰にも予想できない。政府機関はこのデータを機密裏に「乱数」に利用しているのだ。\n\nお題:ジキルとハイド\n私の悪行に対する旺盛な興味は、人格だけではなく姿さえも変えて頻闇を徘徊するまでとなった。両の後ろ足で立ち皓々と照る明月に遠吠えするその時、快楽のまま凶行を重ねる。だが真昼の善行に吐き気さえ催すようになってしまった。真夜中に心が覆われる前に、命を絶つべきなのかもしれない。\n\nお題:檸檬\nシオンタウンの更に北方の老舗和菓子会社「檞屋」が作るチーズタルト『ノメ』。カロス地方のゴーゴーミルクを原料としたクリーミーなチーズの味。なにより口いっぱいに広がる爽やかなノメルの風味は、甘さに加えて酸っぱさが舌に心地いいアクセントを与えてくれます。\n価格:18個入り4000円\n\nお題:深淵もまた見ている\n洞窟に入ると、辺り一面何も見えなかった。持参したヘッドライトをつけると、朧げに光を反射する多角形が。\n「ヤミラミか」\n感情のない目で見返してくる。ポケモナーの性か、足の間に目がいってしまう。ヤミラミもまた、こちらと目を合わせず下のほうを見ていて。\n「どこを見て……はっ、股間!?」\n\nお題:サウスポー\nメレメレビーチに彗星の如く現れた色違いタチフサグマは、今日も慣れたグーフィースタンスでマンタインに乗り、大波を求めて発つ。空を覆うような波をふてぶてしく掻い潜り、白波弾けるオーバーザギャラドスはまさしく龍の昇るようだった。その激しい波乗りから、通称を『ロックスター』という。\n\nお題:出前\n「おい、また来たぞ」\nペリッパー連絡所に溜息交じりに入るネイティオ。無表情に気だるさが宿っている。\n「バコウの実が見たいだと」\nカウンターのペリッパー達は顔を合わせて頷く。\nレックウザがネイティオのテレパシーを通じて地上の物が欲しいと依頼してくる。今日もペリッパーは天空へ出前に赴く。\n\nお題:首輪\n「いくぞ、ハーデリア」\n首輪を外すや、先ほどまで甘えていた目はきりりと締まる。僕の持ったフリスビーを視界から外さず、スナップきかせて投げたそれをも視野の中心に捉えた。勝ち誇ったように咥えて帰ってくれば、撫でつつ首輪をつける。\n後は大会の結果待ち。ひたすら甘える舌を浴びていよう。\n\nお題:その気になったら\n「大丈夫、色違いは簡単にとれるよ」\n驚愕に満ちた目で見るトレーナー諸君を尻目に、眩い光の出るポケモンの巣の前へ。禅を組み、脳で解析。シード確定。希望ポケモン出現は…2万年後。\n誰も気づかず、何も変わらない。気の遠くなる時間の旅をしたのは私と巣だけ。トレーナー達は喜び勇み、巣へ挑む。\n\nお題:クロール\nニョロボン選手、豪快に飛び込んだ!まずは蝶の舞のようなバタフライ!折り返って次はどうやって前を見ているんだ背泳ぎ!そして蛙も羨むような平泳ぎ!最後は水を全てかきだしてしまいそうなクロール!ゴールは目前…!\n「何やってんだ?」\nスターを夢見るニョロモは、今日も畳の上で水練を重ねる。\n\nお題:深海\n『深海のポケモン』のプレートのスペースは広く、暗い。ぼうっと光るランターンの照明に、まったりあくびするジーランスが照らされる。2体の真ん中を立つように、ミロカロスが泳いでいる。\n「ミロカロスは深海じゃなくね?」\n「いや、体が長くてそれっぽいポケモンがいなくて」\n「なんの話だ……?」\n\nお題:バスジャック\n「お前、青い奴に惚れたって本当か?」\n「何が悪い」\n俺は型破りでね、筋の色なんて関係ない。惚れた奴にはアタックする!\n「おいそこのお前!付き合ってくれ!」\n「え!?」\n突然現れた赤筋に戸惑ってるみたいだが、まんざらでもないよう。いい適応力してやがる。\n「俺はジャック!よろしくな!」\n\nお題:うまく笑えない\n「ほらほらメタモン頑張って!」\n変身したメタモンは表情筋の操作に四苦八苦。慣れない変身は1から体を動かしていかなければいけない。4つある脚、技の発生、日常生活。\n「ほら、にこーって!にこーって笑ってみて!」\n「……メタグロスってどうやって笑うの?」\n口角も上がらず頬すらないのに。\n\nお題:どこまでも続く穴\n山奥に存在する先の見えない廃トンネル『えんえんトンネル』に怪異が出現する噂があった。\n「またゴーストポケモンの類か」\n連れてきたシャンデラの明かりを頼りに進んでいくと、反対側から少年が。\n「おばけだぁ!」\n少年が右腕を掲げ、電子音が響く。\n『プリチー、オレッチトモダチ福はうちー!』\n\nお題:机の裏側\n「いくぜ、ゲッコウガ!」\n静かな返事と共に豪傑は戦火に身を投じる。乱れ交わる技を躱し、敵は肩に担いだ学習机で豪快に殴り飛ばす。ゲッコウガも水技を続ける。\n「畳返し!」\n机を放り投げ、ゲッコウガは跳躍し受け取る。大きな机の裏側に主人と共に身を隠し、集中砲火を防いだ。\n彼らの無双は続く。\n\nお題:抜けた炭酸\nサイコソーダを買い過ぎた。金に余裕があるからと999個も買うヒトが果たしてどこにいるのか?へまをしたものだ。\n炭酸の音が面白いのかピカチュウはひたすら振っていた。振り続けるうちに泡がたまり、蓋の飛び抜けた炭酸の容器は勢いよく吹っ飛ぶ。\n「あ痛っ!」\n1個消費。残り使いきれるか。) 2020年10月24日~2020年11月23日 #memo(お題:割れたグラス\n「あまりにも突然に……」\nオーベムが差し出してきた眼鏡は見るも無残に割れていた。集中しすぎて漏出した脳波のせいらしい。勉強の最中も周囲の窓ガラスが割れても動じず、その集中度を物語っていた。\n「仕方ないな」\n高いものだが買わないといけない。目を近づけすぎるともっと大変なことになる。\n\nお題:長縄跳び\n「準備はいいか!」\n果てしなく広い砂浜に長すぎるほど長い縄。互いが点に見える両端で、それぞれカイリキーが筋肉を見せつけて応える。\n「いくぞ!」\n掛け声と共に巨大な水飛沫を巻き上げホエルオーが飛び出す。地響きと共に飛び跳ね、回された縄を跳んだ。\n「1、2……」\nホエルオーは楽しそうだ。\n\nお題:ホット飲料\n「オレ、コールドのコーヒー」\n「おれ普通のミルクティー」\nポケモンたちの買い出しに来たが妙な言い回しに首を傾げる。\n「マグマッグ、どう思う?」\n自販機を見るマグマッグは、僕よりさらに首を傾げる。\n「コールドしかないからそうなると思う」\n温かいのもあるんだが……彼の基準じゃ全部冷たいか。\n\nお題:ペンを置く\n「ご主人、夜も遅いですよ」\n眠気まなこをこすりながら起きていたご主人を寝かしつけ一息。小さい頃からきちんとした子だったし。\n「ハハコモリ?」\n坊ちゃんが目を覚ましてしまった。なんでもないと言い聞かせてこちらも寝かしつける。\n明日から行く保育所のために、服に縫い付けるワッペンを置く。\n\nお題:悪いことはしない\n「悪いことはしないから」\n「怖いよぉ」\n預けられたネマシュの仔に怯えられ、オーロンゲは溜息をつく。尖りすぎてそのままカミツルギと鍔迫り合いができそうな目は、悪意なく稚児に突き付けられている。手を差し伸べれば凶器かのように避けられてしまう。\n「食べ物でも探すか」\n慣れてもらわなければ。\n\nお題:気に障る\nルカリオが酷い風邪をひいた。あの冷静沈着なルカリオがあられもなく横たわり、深い呼吸とともに横たわる姿は普段からは想像できない。\n「あまり近づかないでくれるか」\n彼の波導は風邪でかなり敏感になっているようだ。文字通り気に障ると言ったところか。\n「違う。心が邪だ」\n彼に隠し事はできない。\n\nお題:口紅を使い切る\n「貴女も進化したのね」\n今日から晴れて社会人。昨日までムチュールだった彼女も漸く進化した。蓋を取った薄チェリム色の口紅は使い切られている。\n「今日から大人。一緒に頑張りましょう」\n差し出したグレン色の口紅。今まで通り彼女の柔らかな唇にそっと塗す。私とお揃いの唇で、隣を歩きましょう。\n\nお題:マリンスーツ\n「いや、だめだ」\nどうして?海で泳いでる女性のマリンスーツはすごく綺麗!私もあれを着て、ボディラインを強調して泳ぎたいのに!\n「でもな……え、水着?もっとだめだ」\nなんで?私はいつも裸だけど、着て泳いだら綺麗に見えるじゃない!\n「別の問題があってだな……勘弁してくれ、ミルタンク」\n\nお題:薔薇\n彼女はいくら晴れていても花を咲かせなかった。雲1つ無い一円玉天気の下でも、彼女の心と共に閉じたままだった。\n「私には棘がないから…開いても綺麗じゃない」\n綺麗な薔薇には棘がある?でも棘がないと綺麗じゃないわけではないだろう?\n綺麗なチェリムには笑顔がある。日光と共に、花の贈り物を。\n\nお題:羅生門\n太古、繁栄を極めたガラルの王国は、外界からの侵略を防ぐため都城を城壁で囲った。その出入口は、記録のみ現存する巨大なポケモンが門として守っていたという。攻撃をもろともしない石の体は、頼もしくも緩く民を守った。\n今では僅かターフタウンに名残が残るのみ。今なお古代を人々に伝えている。\n\nお題:さめざめ\nイッシュ地方の遥か南、流域面積最大と言われる河ではよく海嘯が発生するが、今回起きた潮津波は自然のものではなかった。河に住み着くキバニアが一斉に進化し、餌を求めた鮫々が上流へ上り始めたのだった。結果、河辺の森は海嘯の時以上に沈み大きな被害を受けた。笑顔なのはサメハダー達だけだった。\n\nお題:サイコパスな人\n「サイコパスな人って10回言って」\n「サイコパスな人サイコパスな人サイコパスな人サイコパスな人サイコパスな人サイコパスな人サイコパスな人サイコパスな人サイコパスな人サイコパスな人」\nこいつもだ。思ってなかったら言わない。私はサイコパスではないしフーディンだ。\n気に入らないから殺した。\n\nお題:特殊\n誰も実態を知らない。ただ電気を纏った棒を振り回し、業種が少ない認識だけ。誰が思うだろうか?シルフカンパニーの照明、無人発電所の装置、はてはトキワの移動床まで。電気の諸々は俺達が支えている。\n俺は人呼んで電気グループ。正式には、電気工事士。今日もビリリダマ達と共に電気の仕事に就く。\n\nお題:あっけらかん\nいつもあっけらかんとしてる君が沈んでると僕も元気が出ないじゃないか。\n雨が降ってると元気が出ない。いつも山なりな目は谷なりに落ち込み、地面を見下ろすばかり。\n元気出して笑ってくれ。僕が君の太陽になるから。雨の姿の火の粉は威力がないけど。\nキマワリは少しだけ笑ってくれた。それでいい。\n\nお題:時間泥棒\n「どろぼー!」\n奪ってやった。これまで生きた時間、これから生きる時間。あのいけ好かなくてきれいな女は、よぼよぼになって化け物とでも呼ばれてればいい。\n「時間を返しな。でないと……じゃれつくよ」\nそんなに怖くないはず。鋼が入った僕にじゃれつくは。でも。\n「ごめんなさい」\n怖すぎた。\n\nお題:目眩し\n緑萌える山、青く澄む空、黒満つ洞窟さえ、伝えられない。色んな絵を描き、並のドーブルを超えた至高の絵師となったのに。\n「色ねえ。進化したら見えるさ」\nズバットは気にも留めない。\nキャンパスに殴り描いた。色無き白、目では認識できぬ程、目を覆う程眩しい白を。\n「ちょ……超音波がブレる!?」\n\nお題:無知\n知識ポケモン、ユクシー。僕は何でも知ってる。そういうポケモンだと思ってた。ポケモンの生殖原理、伝説のポケモンの生態やいきさつ、ヒトの知りたい物理法則や、あまつさえ世界の真理、全てを知り尽くした。そう思ってたのに。\n「無知……?知らないって、何?」\n何も知らない、を知らないなんて。\n\nお題:百聞は一見にしかず\n「百聞は一見に如かずとは言うけど」\nこの複眼で見てさえ何にも分からない。どこの偉人が1回は見るべきと言ったかは知らないが。\n「百見は、一体験に如かずだよ」\n「……触りたいんだな、コンパン」\nウインディに体をうずめ、もふもふもふもふ。\n「このもふもふ!何度見ても分からないよ!」\n\nお題:眉唾物\nベロベロと湿気を感じて目を覚ますと、ベロリンガが顔を舐めまわしていた。顔?いや、正確には眉毛だ。唾まみれの眉毛は、垂れてきて目に入ってしまいそう。\n「いいなー、君いーなー」\n涎まみれに連呼する。そういえばベロリンガは求愛に眉毛を舐めると聞いたが。\n「おいしそー」\nどうなんだ?\n\nお題:暗号\n.90104110911040108090415002513151.905002121110119031125180125101\n.10704151315011516110411251525141413251411251319041128110811070\n?101151411041900110415110804150709011\n.1002021011103210705102511112811010709050114110111041120290314190119041900151311281108110705102900151314132514112\n\nお題:えくぼ\nドーブルに師事し絵描きをマスターした女が握ったのは、1本のマーカーであった。\nネンドール、メタグロス、はたまたゲノセクトまで。見るポケモンに声をかけ、顔に墨を入れる。表情のないポケモンもどこか凹んだ頬で笑っているよう。\nポケモンみんなが笑っていますようにと、願いが込められている。\n\nお題:ワープ\n「いやあ、この匂いがたまらんよ」\n嗅覚などあるのか?でもポリゴンがご満悦だから悪い気はしない。\nほぼ使われない時代の遺物。かつて文字を打つために酷使されたワードプロセッサは、部屋の片隅で電源に刺されることすらなく眠っていた。\n「文字を打ってみてくれ!味が知りたい」\n文字の味、か……。\n\nお題:ぼっちゃん\n「若様、お忘れ物ですよ」\nイエッサンは本当に気が利く。生憎の雨で学校行くってのいうのに、折り畳み傘を忘れるなんて。\nしとしと降る雨は止みそうにない。\n「行ってらっしゃいませ」\nお辞儀に見送られ、勢いよく飛び出す。しかし、その第一歩はものの見事に滑ってしまった。\nばっしゃーーーーん!!\n\nお題:スターダスト\n宇宙を駆け塵を喰い、隕石の命を源とし、悠々と生きてきたはずなのに。\n「お母さん」\nいや違う。お前は我の便だ。成層圏を泳ぐうちに排出された糞石をこれでもかと睨んでやる。\n「こ……怖い」\n敵わなかった。橙の肌は殻で包み、頭に乗せてやった。\n「地上へ行こうぞ」\n隕石小僧に星を見せてやらねば。\n\nお題:きりきり舞い\nまずい!折り紙展まで時間がない!\n私の折り紙を待ってる人がいる!ボーマンダ、フライゴン、チルタリス……追って追って折りまくらないと!\nおや?騒ぎすぎてよく分からないものを折ってしまった……\n「バットウ!」\nうわ、やめて!折角の折り紙を斬らないで!斬り刻まないで!紙吹雪の舞にしないで!\n\nお題:ええじゃないか\nええじゃないかええじゃないか!\n語彙がなくったって文章力がなくったってええじゃないか!\nアホみたいに難しい言葉ならべてイキってそれが当然なわけないじゃないか!\nポケモンの対戦なんてしなくてええじゃないか!ランク上がらなくてええじゃないか!\n上がって当然できて当然じゃないじゃないか!\n\nお題:おかしな愛情\n「ほうら、お食べぇマホイップちゃん」\n肉太い手から差し出されるチョコ棒を、マホイップは跳ねながら受け取る。\n太すぎるのか、先端から舐め、多少咥えつつ含んでいく。\n「あふん……」\n男の嬌声を尻目にマホイップは丹念に舐め、溶かしきった。\n「もう1本だよ……」\nチョコ棒をまた喜んで受け取る。\n\nお題:消えかけていたけれど\n消えかけていたけれど、君はいた。\n消えかけていたけれど、冬の終わり際。\n消えかけていたけれど、いかつい氷の蒼面で。\n消えかけていたけれど、いつも優しくて。\n消えかけていたけれど、曙の輝きと。\n消えかけていたけれど、靄の煌めきは。\n消えかけていたけれど、君を包み込み。\n春に君は消えた。\n\nお題:シロツメクサ\n「くっくっく……さあ、どう来る?」\nマイナンは不適に笑い、トランプを卓に広げる。見事な4ペアが揃っていた。\n「そうですか。ではこれが私の……きりふだです」\nヤドキングもカードを広げた。クラブの3、クラブの4、クラブの5、クラブの6、クラブの7。\nマイナンは怯んだ。\n「参りました……」\n\nお題:小首を傾げる\n「なんで君いつも小首を傾げてるの?」\n「え?いや、別に傾げては……」\n「ほら、今はすっごい傾げてる!」\n「ウソ!?」\n「まっすぐになった」\n「どういうこと」\n「あ、小首傾げてる!」\n「別にそんなことしてねえって!いつもと同じだろ?」\n「いつもふらふらしてるし……」\n「パッチールだからな」\n\nお題:未納\n「なんじゃこりゃ……」\n突如としてポストに投げ込まれた封筒。『親展』の文字に訝りながら開くと、夥しいケタ数の請求が。\n「ポケモン税……?」\n知らない。いや、知らないだけであるのか?ポケモンの所持によって税金がとられるなんて……。\n「えーと、30ボックス利用で……」\nもう見たくない。\n) 2020年11月24日~2020年12月23日 #memo(お題:まんじりともせず\n「俺ってそんなにゲイに見えるか?」\n突然カイリキーが相談してきた。そんなことはないと思うが。\n「女っけがないみたいなこと言われてな」\n徹夜でバトルの修練に励んでいる彼になんてことを。\n「まんじりともしないって」\nいや……それなんか、別の意味で捉えてないか?\n「まんじり……まあうん」\n\nお題:立て板に水\n『立て板に水の場合』\n「僕はチャンピオンを超える」\n『立て板に塩水の場合』\n「ぼぐはヂャンビオンをごえる」\n『立て板に油の場合』\n「僕はぁチャンピオンをぉ超えるぅ」\n『立て板に氷の場合』\n「ボクハちゃんぴおんヲコエル」\n『立て板にクレベースの場合』\n「僕はチャン……ぎゃあっ!!」\n\nお題:比較的美品\n「私は、世界で一番美しい」\n何と比べられることもない。何かと比べ、美しい美しくないという論議こそ美しくない。\n私が美しい。世界で唯一、比類ないほどに。\n「さようなら」\n命乞いをするサーナイトに悪魔のキッスを浴びせ、命を絶った。\n「私は、世界で一番美しい」\n1体しか、いないのだから。\n\nお題:ラボラトリー\n「またお前みたいのが来たのか!帰れ!」\n「いえお話だけでも」\nギラボラトリー司教は民家を去る。\nイッシュに来てからいつもだ。ポケモンの大切さを説きたい。勧誘ではないのに、いつぞやの悪の組織のせいで煙たく思われているのか。\n「挫けません」\nギラボラトリー司教は次の民家の戸を叩く。\n\nお題:ネットサーファー\n「今日も、険しい」\n電子マンタインプログラムに乗るポリゴンZは、スラングとアスキーアートの海へ繰り出した。\nレスバトルの波をクリッキン’ロトムで乗り越え、誹謗中傷の合間をドラッグザジバコイルで駆け抜け、ウイルスの温床をポリゴンショックゼロで切り抜けた。\n「ネットは色々危ないな!」\n\nお題:乱発\n口笛通りすがる荒野の、砂風すさぶ黄昏に、向かい合うは2丁のポケモン。ブロスターとオクタン。\n「いくぜ?」\n「1、2の」\nハサミと漏斗が構えられた。\n「みずのはどうあくのはどうりゅうのはどうはどうだん!」\n「ハイドロポンプだいもんじエナジーボールヘドロばくだん!」\n騒々しく技が飛び交う。\n\nお題:左様で\n「ではおいきなさい」\n翁にいざなわれ、マフォクシーは頭を下げた。\n鳥居を抜けた先の祠。祀られている『右様』のもとへ、彼女は赴く。\nその銅像は、今を見つめ立っているかのようなキュウコンで。頭を下げ、向かって左へ落ち着く。\n「不束者ですが、よしなに……」\n消えゆく声と共に、霧は深まった。\n\nお題:いくら\nカバルドンには追い付けない圧倒的な速さ。\n速くない?いや、僕はカバルドンより速い。カバルドンと違って触れられたら砂だって吐くし、あくびはできないけどまひはさせられる。劣化なんて言われてるけど、差別化できてると言っていいくらいだ。\n「でもやっぱりカバルドンだよね?」\nそんな……。\n\nお題:藪をつついて蛇を出す\n「さあいらっしゃい!」\n祭りの出し物としては奇妙な露店だ。用意した藪を短い棒で客がつつくと、アーボやハブネーク等が出現し、もらい受けていく。\n「兄ちゃんもどう!」\n客引きに負けて寄ってしまった。短い棒で藪をつつく。\n「たじゃ!」\n声と共に緑の蛇が胸の中に。初めて見たが、可愛い。\n\nお題:希望の光\n『絶望の闇に呑まれたくなくば、光らせるな』そんな言い伝えを聞いた。\nランターンは触角が光るらしい。でもそれを見たことがない。僕が光っても何も起きないのに、天敵が光ったら何か起こるのか。\n「おい、光ってみろよ」\nちょっかいだしてやった。驚いたランターンは思わず光り……\n\n世界が消えた。\n\nお題:SOS\n・・・ 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・・\n\nお題:汚れちまった悲しみに\n「な、何があった!?」\n綺麗好きなチラチーノが、ごみの散らかった部屋の中でものぐさに寝転がっている。\n「だって綺麗にしても綺麗にしても、貴方が汚すんだもの……て、これ以上汚さないで!」\n仕方がない。僕の体はゴミなのだから。\n「悪い……。でも、片づけている君の姿は好きだ」\n「なにそれ」\n\nお題:くろがね\nあるくろがねはからっぽであった。\n昔それはくろいてっきゅうと呼ばれていた。\nしかし何も入っていない、がらんどう、虚無。\n虚無には疎外されたものが入る。生まれるはずはなく、しかし生まれるはずであった。\n「ここは……?」\nふしぎなまもりではなかった。つまるところ、がんじょうであった。\n\nお題:ミント\n甘ったるい匂いに近づいてみれば、鼻腔いっぱいに広がるミントの香り。チョコかバニラか分からない原料は、脳までも甘く支配する。\n「黒い、しかしかわいい」\nよつばの飴細工を身に着けたマホイップは、他とは違う頬をピンクに染める。\n黒の見た目でも変わらず、甘い香りと魅力を放ち続ける。\n\nお題:バキューム\n「さあ、その調子だ」\nルカリオに手ほどきをうけ、ストライクは精神を集中させる。\n鎌を振って出るはかまいたち。周囲に渦巻く風の傷は、通りすがる生身を切り裂こうと唸っていた。\n真空は収束し、空間は波打つ。闘気を纏ったそれは、1つの波紋として放たれた。\n「やった!」\n真空波の習得である。\n\nお題:竜\nぷかぷかと。笛のような口からは、小刻み泡が1つ2つ。\nまどろみながら覚めながら、ずっとタマゴにつきっきり。\nゆらり揺れた水流と、驚き慌てるマンタインが、早口にまくしたてまくる。\nやめてくれ、欠伸をやめて、大変だ。\nぷかぷか泡は静かに止まり、首を振りつつ眠りについた。\nおやすみなさい。\n\nお題:絶対\nふと匂った。第6感ともいえるセンスが研ぎ澄まされ、足先から大地の鼓動を受け取った。空を見上げれば雲1つ無い青。\n感知するには小さすぎるズレ。しかしそれが積み重なり、ヒトに災いをもたらす。それだけは防がなければならなかった。\n必ず、来る。\n「絶対」の名を冠した白き獣は、一路村落へ。\n\nお題:ろくな事にならない\nThey are hard every day.\nAll 6 stats are the Best. And all 6 stats are the No Good.\nThat's why they are entrusted to The Breeding Center to make Eggs.\nI am also Ditto.I have also been entrusted. I felt bad.\nI hate it. Don't be like them. It's not like 6.\nI decided so.\n\nお題:レア度\nギターをかき鳴らすガオガエン。ドラムを叩くヒヒダルマ。トランペットと共に腕から炎を出すブーバーン。ボーカルで高い声がよく響く歌姫のマフォクシー。\n炎タイプで構成されたバンドユニット『フレア℉ LIVE』が届ける、熱く激しく情熱的なひと時。チケットは完売しました!ありがとうございます!\n\nお題:減る\n「はいザロクの実」\n毎日上げている、基礎ポイントを減らす木の実。あげれば上げるほど、ポケモン達は懐いてくれる。\n餌付け、レベル上げ。それらによる信頼は本当に僕の信頼なのか、はたまたモノへの信頼なのか。\n彼らはひたすら笑顔で言うことを聞く。その心持ちを、1度でいいから聞いてみたい。\n\nお題:蘇る\n一時期タピオカが流行った時期があった。特にタピオカを入れた飲料を飲むことを「タピる」と表現した。\nだがナマケロ達は違った。タピオカが流行った時期に、彼らの間で苦めの葉っぱを食べることが流行った。特にギザギザの物を食べることがトレンドだった。\n彼らの間では「シソる」と呼ばれていた。\n\nお題:奇を衒(てら)う\nそんなれんしゅう(練習)してどうする?」\nナットレイはからだ(体)をささ(支)え、エナジーボールをはな(放)つ。つぎ(次)にラスターカノン、めざめるパワー。\n「とくしゅがた(特殊型)はつよ(強)くないぞ」\n「いひょう(意表)をつ(付)く」\nき(奇)をてら(衒)っているつもりなのか。\n\nお題:砂漠の星\n砂漠に落ちた1本の針を、逃しはしなかった。\nこの荒んだ大地に突き刺さった1つの無機質、しかし黄土色の絨毯に輝くそれは鮮やかで。\nいたく惹かれて星は近づく。初めて触れるそれは危なげで、細やかで繊細で。\nこれは何だろう。何だろう。\n妖々と光るコアは嬉しげに。夜の瞬きに見つめられていた。\n\nお題:メリーポピンズ\n小さい頃、僕を世話してくれた女性がいた。確か、念力で色々やってくれたっけ。\n楽しい言葉も教えてくれた。\n「スーパーカリフラワーエクストラスペシャル」\nマントを翻せるまで大きくなった僕には伴侶がいて。\n「何それ?」\n微笑みながら彼女はキーストーンに触れて。見たことのある黒い装束だった。\n\nお題:のめり込む\nスマホばかりいじる主人。いじられてロトムはにやにや。\nやだやだ!もう時間だよ!?僕は散歩に行きたい!\n「わんぱわんぱ!」\n吠えるも主人は気にかけずいじるばかり。\n散歩行きたいんだってば!\n「わんぱ!」\n思いっきり頭に乗ってやった。\n「おぶ!!」\n彼の画面のめり込む様子は、見てて清々しい。\n\nお題:添い寝する\n「むにゃむにゃ」\n起きない。いつも起きていない。生まれた時から起きてない。\n自前の木に掴まっていつも寝ているネッコアラ。彼の動作は、夢による寝言だというのだが。\n「むにゃむにゃ」\n何をしててもそばにくる。食べてても、テレビを見てても。\n「むにゃむにゃ」\n寝ようとするとそばにごろりん。\n\nお題:曇天に笑う\n「わはははは!」\nひたすら笑うポワルンがいた。曇り空の中、空に向かって高らかに笑い続けた。\n「なにあれ?」\n「曇りが好きなのかな?」\nのどが枯れるか口が疲れるか。どちらともなく、空は晴れ間を見せた。\n地上に差す光は広がり、太陽が覆った。\n「晴れた!よし!」\nポワルンは嬉しそうに笑った。\n\nお題:真に受ける\n真実。それは虚偽ではないこと。嘘八百にまみれた俗世に足らぬ、1つの定義。\n理想。それは現実ではないこと。事象にありふれた俗世が思い描く、1つの定義。\n「どちらを選ぶ?」\n欠けた氷の竜に問われた。そもそも対義語でもなく、なぜ主張しあうのか。\nだが答えは。\n「真に受ける。理に受ける」\n\nお題:歪\n天才ハイストリンダーは音楽の才能に恵まれ過ぎていた。その音源が奏でられる胸の弦でどんな曲でも弾きこなす。ロックはもちろん、小夜曲、夜想曲などなんでもござれ。\n「ねえ、歪曲は行ける?」\nとある日のリクエスト。ストリンダーはトサカをかきあげ、音を外し、不協和音の歪な曲を弾いたのだった。\n\nお題:障子\n森林の中に放置されている障子の真相を知る者はいない。\n大木に立てかけられ、今にも朽ち果ててしまいそうな障子。そもそもなぜ、こんなところに障子があるのか……。\n「なんでなのかしらね?」\n不思議がりながらも好奇心溢れるムウマは、今日も周囲をふよふよ漂う。\n今日も障子は静かに佇む。) 2020年12月24日~2021年1月23日 #memo(お題:爆睡\n『あまりn眩しく、光r輝いt。目を覆うような変化はたちmち現れ、イーブイdstったポケモンの姿を変えていく。体は大きく、足腰は太くなり、ゆるやかに変わっていくbbbbbbbbbbbbbbbbbbbbbbbbbbbbbbbbbbb……』\n\n「……ああっ!ワードが凄いことになってる!」\n\nお題:セカンド\n「坊主は屏風に上手に坊主の絵を描いた!」\n何事かと思えばドーブルが何かつぶやきながら絵を描いている。\n「坊主はびょっ……!」\n「坊主ふはっ……!」\n何か苦戦しているようだ。\n「坊主が屏風に上手に秒で坊主の絵を描いた!」\n言うや否や、ドーブルは和尚さんの絵を完成させた。満足そうに頷く。\n\nお題:根掘り葉掘り\n「君はこんなところに何をしてるの?」\n「むぐむぐむぐ」\n「口ごもってたら分からないよ」\n「むぐむぐむぐ」\n「君が雑草じゃなくてナゾノクサだってことは分かってるんだ」\n「むぐむぐ」\n「何してるの?君の目的は?君はどんな子?」\nズボッ\n「地面に埋まってちゃ話せるわけないじゃん!!」\n\nお題:愛は屋上の烏に及ぶ\n私はピカチュウが好きだ。そんなの当たり前だと思われるかもしれないし、普通なのだろう。\nそして進化前のピチューも進化後のライチュウも、そしてアローラライチュウも。周囲はみんな好きだ。\nそしてミミッキュも好き。ピカチュウを被ってるのが可愛い。\n坊主憎けりゃ袈裟まで、の真逆と言えるかな。\n\nお題:アイヌ\n「Irankarapte na.Kani anakne Yukimenoko ku=ne wa.」\nシンオウ地方の先住民族の研究の一環としてユキメノコを預かっているのだが、見事に言葉が通じない。\n「E=rehe makanak a=ye ruwe an?」\n全く分からない。なんだか困ってそうな流し目だ。\n「Yaysama.Iramnukuri」\n研究は前途多難を極めている。\n\nお題:ビーチサンダル\n「どこだっけ」\nデリバードは部屋をごそごそ探す。1年間怠け、働く時が来た主人だがどこにあるか覚えていなかったようで。\n「あった!」\n使い込まれたビーチサンダルを白い鬚を生やした好々爺へもっていく。\nサーフボードに乗り、赤い帽子を被る彼は、サンダルを履き海へ出た。\n「メリークリスマス!」\n\nお題:セロリ\n「おっふかわふぃいいい!」\nルームシェアしている相方が野太い声を出していた。最近デビューしたVTuber、キルリアマイ氏にぞっこんのようで。\n「キルリアマイたぁあん!」\nポケモンの姿で配信しているが明らかにボイスチェンジで幼い声を作ってる。\n「これエセロリじゃね」\n「な、そんなはずは……」\n\nお題:フリー\n「ロトム……分かるか?」\nPCで手伝ってくれてるロトムに探してもらってるが……。\n「ないケテ!」\nおかしい。最近ツイッターに新機能が追加されたらしいのだが、どこにあるのか……。\n「ケテ!スマホだけらしいケテ!」\nそういうことか。実用性はないものの、ネタとしては充分と思ったのだが……。\n\nお題:華やか\n新年早々飲み過ぎたのか頭が痛いし吐き気をもよおした。初夢に縁起がいいと言われるものは出ず、巨大な鏡餅と絢爛豪華な門松がフォークダンスしながら羽子板に興じる夢にうなされた。頭痛に苛まれながら起きれば夜の十時。\n「華やか……何も思いつかねえ」\nコンテストが頭を行き来するだけだった。\n\nお題:ダンボール\n誰にも見られない中身。雨晒しになりながら、人目を避けてゴミ捨て場に。目に入ったのはダンボール。\n「……もういやだ」\nカスと罵られ、バトルに出ればずるいの一点張り。憧れのポケモンに似せた布すら免罪符にならない。\n「これでいいや」\nダンボールを被った。もう誰にも、嫌われたくなかったから。\n\nお題:カラメリゼ\n「1名様、ご案内!」\nマホミルの客を迎え入れ、空間は甘ったるく満たされた。\nパイ生地のベッドに寝かされ待ち構える。砂糖を振りかけられ、上からバーナーであぶられた。\nこんがりと肌は覆われ。マホミルは満足そう。\n「ありがとうございます!」\nこうした『火焼け』が流行っているのだ。\n\nお題:芸能人\nいつもテレビで見てた美しい姿。どんな時もふてぶてしく、どんな時も泰然自若としたあの大きな体に憧れていた。あの方の横に並びたいと夢見て……。\n「あなた!マンムー様の美しさを損ねてるわよ!もっときちんとして!」\nようやく同じ舞台に並べたのだから。マンムー様の横で頑張らなきゃ……!\n\nお題:サブリミナル効果\nペンドラーは酷く孤独だった。森林を独占しよう我が独壇場として荒らし、その都度苦言を呈されるも、その程度屈強な彼には聞かれもしなかった。独特な生き様に惹かれ、彼を口説く者もいたが、独自の道を独走する彼は誰も寄せ付けなかった。\nホット&クール。まさしく、毒と言える生き様であった。\n\nお題:スチール\nこびりついた汚れを落とすのにタワシではだめだったらしい。ジバコイルの洗浄を怠け、ただの泥が油より落ちにくくなってしまった。きちんと落としたいが固すぎても傷つけてしまう。モース硬度を考慮した金たわしで、デリケートに磨いてやるのだ。\n「ビビ……ドコガ金デスカ?」\nいや、そうじゃない。\n\nお題:急転直下\n「これは強い……!」\n通称『思惟機械』のメタグロスは、チェスの次に始めた将棋で対局していた。最近生まれたらしい将棋ポリゴン『阿僧祇』は、その純粋すぎる学習能力と軍師プログラムで、メタグロスを追い詰める。計算能力をもってしても、白紙の先は読めない。\nそう、読めなかった。2歩などは。\n\nお題:どん底\nどん底になりたいなどとドンカラスは初めて思った。ドサイドンやパッチルドンを羨み、無い歯を食いしばりながら羨望の眼差しを向ける以外になかったのだ。\n「なんでどん底になりたいの?」\nドンメルが聞いた。\n「決まっている!折角大手丼チェーンの景品に選ばれたのに、なぜ私はドンが頭なのだ!?」\n\nお題:タイムゾーン\n燦燦と煌めくお日様はいつも私を照らしてくれる。こんな紫の体でも、彼は好きになってくれて。\n「暑いべ……眠いべ……」\n目をしばたたかせる彼。固い爪ともしゃもしゃした髭が彼のチャームポイント。\n「ガラルからきたばっかなんだぁ。ちったあ休ませてくんろ」\nダメ。あなたは私の我儘につきあうの。\n\nお題:天変地異\n刺すような雨と差すような日光があった。天候が変えられ、共演が違和感を覚えさせた。\n「晴れだぞ!」\n「雨だぞ!」\nしかし両者は暑くも無ければ寒くもない。進化したてのニョロトノとキュウコンは、無邪気に伝説のポケモンごっこをしていた。\n「こっちの苦労も考えろよ…」\nゴルダックは首を振った。\n\nお題:ミラーボール\n噂を聞いて来てみれば、騒ぎは治まっていた。オーレ地方はダークポケモンの脅威から平穏を取り戻していたのだ。\n「有名なダンサーがいると聞いたんだ。全身黄色でモンスターボールみたいな頭の。ミラーボールみたいな名前だったな」\n快く教えてくれたステージの上では、陽気なダンスが行われていた。\n\nお題:アンダーグラウンド\n激しく流れ込む大水は、まるで地表を洗い流すように土を穿つ。満々と湛えられたそれは、下から熱せられ地獄のように熱くなっていく。\n溶岩か?いや、マグマッグだ。その灼熱で溜まりきった水を熱し、天翔ける竜を仰ぐ晴れやかな最高のロケーションが……\n「ご主人、湯加減どう?」\n「さいっこー!!」\n\nお題:海苔巻き\n「どうしてこうなった……?」\nカモネギは太い眉をひそめざるを得ない。いつも持ってるクキは没収され、自分より長い海苔巻きをもたされた。目の前には自分の丈より太い太巻き。\n溜息つきつつ真上に構えた。折れそうなほど細い海苔巻きを刹那にふると、太巻きは真っ二つに。\n「なんなんだこれ……」\n\nお題:101匹わんちゃん\n「生まれねえ……」\nこいでもこいでも成果はなかった。\nタマゴをもらい、ワイルドエリアをかけめぐる。草原や湖や荒れ地、ちょっと足を延ばして砂漠や海岸、雪原まで。求めるもののために走った。\n理想が高すぎるのか?色違いが欲しい、その一心で彼はこぐ。\n「これで101匹……わんちゃんある?」\n\nお題:ランキング\n「どうしてもダメなのかい?」\nボタンを押すが車はかからない。男は溜息をつく。\n「勘弁してくれ。仕事なんだ。機嫌を直してくれ。な?」\nボタンを押すもエンジンはつかない。\n「分かった分かった!近いうちにスマホ買うから!」\n「ケテ!」\nボタンを押すとエンジン起動。飛ばせばまだ間に合いそうだ。\n\nお題:散弾銃\n「居座り、心を調え、研ぎ澄ませよ」\nじっと動かないドデカバシは忍耐を教えるが、ハンターは首を振った。違う、それでは獲物に追いつけない。求めるは速さ。\n「速く動くと?」\nハンターは走った。明らかに重い銃は、瞬間的に体勢を鎮めると、林に雨霰と散弾を打ち込んだのだった。\n「速すぎる……!」\n\nお題:マリッジブルー\n「い、今なら……今なら?」\n表現できるかもしれない。彼女はそう考えた。番もできてタマゴも設けた。だが何も見えてこない。明るい未来、輝く毎日、不安しかない。\n尻尾を握り、キャンパスを手に取る。夜よりも真っ暗で、地獄よりもどす黒い。泥よりも汚くヘドロよりも粘ついた。\nマリッジブルーを。\n\nお題:そういて生まれ変わってゆく\n朽ち果てた螺旋は、宇宙で分解されなかった。\n輝きを失った瞳には深い闇が映り、漂うそれはスペースデブリや小惑星にぶつかる。\n生命の根源の名を冠したそれは、ガスや小物体などを寄せ集め、生きようとしていた。\nテロメアを伸ばすかのように。\n赤い体表は戻り、再びウイルスのように宇宙を漂う。\n\nお題:洞穴の入り口\n「何だこれは!?」\n見たことがないポケモンだった。くらやみのほらあなの入り口で偶然取られた1枚の写真。楕円のような縦長の体に白くて大きい目が2つの、どう見ても未確認のポケモンだった。\nすぐ専門機関に送られ調査が行われた。皆が期待する中、出された解答は……。\n「ソーナンスの尻尾です」\n\nお題:吸い込まれる瞳\n『なまじ文字とやら並び\n 見れば見るほど見つめられ\n それ即ち嗚呼君を見て\n 文字のような君と思ふ\n 時の流れは酷としても\n その姿は変わらなぬや\n 文字、並ぶは文字の体\n 大きな1つ目浮かびても\n 知るものなき、不明とて\n 知らずの名を文字に与う』\n\n1stシングル:吸い込まれる瞳\n\nお題:ぞっとする\nぞっとするということは恐怖し、寒気を感じること。例えばブルルと体が震えたり、突如として悪寒を感じたりする。\nだからといって試すものではないが……。\n「どうだ?ユキワラシ」\n真夏の夜に、ユキワラシに怪談を話してみた。ユキワラシは変わらずブルブル震えている。\n「主人、暑いです……」\n\nお題:三角関係\n三角関係というものに憧れていた。カントーにも、ジョウトにも、ホウエンにも、シンオウにも、イッシュにも、3体1組で数えられる伝説のポケモンがいる。\nそう。三角関係とはそういう、親密なものだと。\n「君と三角関係になりたい!」\n「はあ?何言ってんの?」\n「え、ダメ?」\nダメに決まっていた。\n\nお題:義肢\n「リミットシールド、装着!」\nメテノは叫びつつ殻を被った。\n「神の右義手、神の左義手、神の右義肢、神の左義肢!!」\n大袈裟に両手両足のある機械に飛び込む、が。\n「どうやって動かすの!?」\n主人は首を振る。\n「これでバトルに出れば、殻破らなくても勝てるじゃない!」\nゲームが違うようだ。) 2021年1月24日~ #memo() #memo(お題:優しい嘘\n彼らは皆トモダチと呼ばれていた。少年の望みで野に放たれた彼らは方々に散るも、少年を忘れなかった。\nトモダチと言って接してくれた彼に偽りはない。それは自らに課す優しい嘘ではなかった。再び会うための、厳しい真実。\n別のトレーナーに掴まってでも彼に会いに行く。皆の思いは同じだった。\n\nお題:ずぶ濡れになった傘\nもう歌うことはない。\n雨の日の海岸、ずぶ濡れになった日傘を見つけた。海岸に来ては僕の話し相手になってくれるアシレーヌに渡したものだ。\n肌が弱いのか日差しを受けられない。そんな彼女が、影で歌う透き通った曲が好きだった。\nもう、あの声は聞けないのか。\n日傘に隠れる彼女はもういないのか。\n\nお題:調律していないピアノ\nあまりに不適合だった。要求されたのは調律されていないピアノ。この不協和音しかならないピアノで演奏するという。\n足元が覚束ず、1歩すらまともに歩けないパッチールが、危なっかしい一礼と共に座った。\n指もろくに見えない手が触れた刹那――\n\n『あれは、天に乱れるチェリムのような旋律だったよ』\n\nお題:錆び付いた歯車\n「錆びついてんなァ」\n声が音響した。\n古代遺跡ガラル時計台が発見され、そのあまりに正確な時刻が話題となっていた。\n野生のポケモンの住処になった内部は、錆びつきながらも重い音を立てて歯車を回していた。\n「難儀しそうだな……」\nだが腕が鳴る。チラチーノの俺に綺麗にできないものはない。\n\nお題:開封したばかりの封筒\n「ヒトモシ、ひのこ!」\n神速のひのこが伝書マメパトに命中し、掴んでいた手紙と共に落ちる。\n男は封筒を傷つけないように封蝋を取り、中身を読む。\n男は頷き、開封したばかりの封筒を閉じ、ヒトモシの蝋を垂らした。\n「こんな模様か」\n大事ないマメパトに封筒を添え、彼らは去っていった。\n\nお題:ビリビリに破られたノート\n「ふん!」\n観客に見せつけるように、うず高く積まれた瓦30枚を手刀のもとに割った。\n拍手喝采の中、カイリキーはノートを取り出した。\n4つの手で持ち、なんとそのまま引きちぎる。2つに千切れたノートを重ね、血管を浮かび上がらせながら更に2つに千切った。\n舞い上げられたノートは宙に舞った。\n\nお題:消えかけた星の光\n「ママンボウ座にほど近い1等星が」\nあの星の集まりはそう呼ばれているのか。私が生まれた時代にはそんな名前はなかった。\n深海から浮かび上がり、いつも目に入ったあの星。今も水槽から見えるあの星が。\nそうか。ご苦労様。\n私も近々そちらに行くだろう。長き時代を語り合おうじゃないか。\n\nお題:最後のシール\n『最後』\nそういった名を賜ったパウワウがふたごじまにいる。主であるフリーザと対等に渡り合ったという。\n「最後なんて大袈裟だよ」\n彼はこちらを見据える。相性がいいはずのサワムラーが目線1つでたじろいでいた。\n「いけ!」\nその目は決して離されなかった。戦闘の最後を、見届けたいかのように。\n\nお題:新しい電池\n「ヂヂ!」\n大変だ。周りが真っ暗。見慣れた家も変わり果てている。\n「おーい、どこだ!」\n放電した。居場所を知らせるために。\n「そこか!」\n瓦礫の中を見つけてくれた主人。こんな時に懐中電灯の電池が切れてるなんて。\n新しい電池が手に入るまで、僕がバッテリーになるかな。\n\nお題:豪華絢爛\n「お前ェ、きっらきらしてんじゃん!」\n数多の宝石、シャンデリア、ネックレス、戯れに捨てられた金銀財宝で出来ている体。\n「お前ェはそんな体をしてるんだョ」\n\n輝きすぎるほど輝くダストダスと、いつも頭に止まるヤミカラス。探検隊『キラキラズ』が名を馳せるのは、後の事であった。\n\nお題:壁掛けのカレンダー\n進化の輝石を身に着けてずっと進化を拒んでいたバチュル。\n彼との付き合いも30年。老いに差し掛かるこの頃、僕はバチュルにつつかれる。\nうず高く積み上げられた30年分のカレンダー。そのカドに、小さなパラパラ漫画が描かれていて。\nこのちっちゃいのが、30年のドラマを作ったというのか。\n\nお題:トロイメライ\n見知らぬ国と人々についての不思議なお話だろうか。鬼ごっこをおねだりされて十分に幸せだが重大な出来事が起こる。夢見心地の暖炉のそばで木馬の騎士がむきになって怖がらせ、眠りに入る子供の様子を詩人は語る。\nそんな内容らしいコロトックのきれいな演奏は、毎日のように人だかりができる。\n\nお題:結婚しようよ\n「そーいやこないだ彼女が変なこと言ってきてさ」\n「何?」\n「スパイクタウンでこの前ジムリーダーになったマリィって子いるじゃん」\n「うん」\n「自分がマリィだって言い出してさ」\n「何それ」\n「しかも俺のことをウィルだっていうんだ。誰かと間違ってるのか?」\n「それは変だ……。ん、それって」\n\nお題:しらばっくれる\n「しらばっくれてんじゃねえぞ!」\nロケット団員はすさまじい剣幕で凄むが、ミロカロスはそっぽをむいた。\n「探せ!金のコイキングはここらにいる!」\n無数の団員が湖畔を探していた。\n「話したほうが身のためだぞ?」\nところが、目を離した隙にミロカロスは突然姿を消した。\n「ばっくれやがった!」\n\nお題:ワイヤレス\n「機能向上のためなのだ、頼む」\nメタグロスに無理を言われて開発しているものの、難しい。ネットワークのデータ等は普段ワイヤレスでメタグロスに送っているが、繋げられるコードのほうがいいらしい。\nなんとか完成したが……\n「それはどこに差すのだ?」\n「ここだよ」\n「アッーーーー!」\n\nお題:柔軟剤の匂い\n「えぇ、ちょっとアンタなにこれ?」\n何を驚いてるんだか。僕すら引くほど汚してた部屋を掃除してあげたんじゃないか。\n「ちょっと、ピカピカ!服とか洗濯してて柔軟剤ぷんぷんだし!」\nなぜこのギャルトレーナーのポケモンになってしまったのか。\n「ベトベトンって綺麗好きなんだネ」\nそうじゃない。\n\nお題:終わらない課題\n「よーし!厳選を始めるぞ!」\n ↓\n「ポケモンは……この子に決めた」\n ↓\n「性格は……変わらずの石を持たせて」\n ↓\n「そして個体値!6Vメタモンから遺伝させるぜ!」\n ↓\n「性別は……女の子がいいな~~」\n ↓\n「色違い!出るまで粘るぜ!」\n ↓\n「どうせなら菱だよなぁ!?」\n ↓\n ……\n\nお題:あの日に飲んだサイダー\n「寒い!」\n雪の積もるシンオウ地方。今まさに旅立ったばかりの少年は、寒さに震えていた。\n傍をあるくポッチャマも寒そうだ。\n「自販機だ……温かいものでも」\nしかし押したのは冷たいサイダー。少ない有り金で買いなおすわけにもいかず。\n「……飲むか」\nいつかこれがいい思い出となるだろう。\n\nお題:3度目の夜\n「勝たなきゃ……勝たなきゃ……」\n改めてダンデさんの偉大さを知った。長年チャンピオンを死守して、それでもバトルを楽しんでいた彼。\n憧れの彼に勝って、憧れのチャンピオンになったはずなのに、その重責は想像を絶して重かった。\nチャンピオンになって3度目の夜。また防衛線が控えている……。\n\nお題:空の金魚鉢\n変な夢を見た。まずありえないことに、私がマスターボールに入っていた。最高級のボールから出てきて聞こえるのは溜息ばかり。すると、質量を感じない平面のような黒いヒトが私を掴み、金魚鉢に放り込む。そして空中で掲げ、金魚鉢ごと私をぶつけた。\n「トサキント?どうした?」\nここで目が覚めた。\n\nお題:インク切れ\n描けなくなるとどうなるかなど考えたことはなかった。\n生まれた時から当たり前のように己の存在を描き、本能のまま抽象を現してきた。\nしかし、尻尾からは最早何も出ない。インク切れ、そして気力切れ。\nもう長くはないと思ったが、まだ描きたいと思った。それが自分の種族だから。\n新しく筆を握る。\n\nお題:日記の最後のページ\n1ページ目\n『明日から僕もポケモントレーナー!色々お母さんに準備してもらったけど、旅に出たら1人ですることになる。日々の記録つけるために日記も買った。明日から毎日つけるぞ!三日坊主は今日で卒業だ!ポケモン何選ぼうかな。楽しみだ。』\n2ページ目 白紙\n以降白紙が続いている……。\n\nお題:人探し\n探し物は人だった。必ずや、見つけなければならないと意気込んでいた。\nこの口に詰まった恨みつらみは、晴らしたい。自分を捨てて何も感じないあいつなど、どうしようもない人間だろう。\n口のチャックを抑え込み、ようやく見つけたそいつは……\n「ど、どこ行ってたんだ!?」\n温かい言葉を投げてきた。\n\nお題:がま口財布\nどこからの天恵か知らないが思いついた財布は、端から見るとニョロトノの口のような形をしていた。留め金を付ければ、小銭をしまうのに都合よさそうな具合に。\n商品名は……との口財布?なんか違う。\n見ればニョロトノが我慢しているように見えなくもない。\nガマン口……がま口とかいいかな。\n\nお題:ノートとインクの匂い\nあまりにも古すぎた。見つけたノートは受験時代のもの。どうしても覚えられなかったポケモンの名前を暗記しようと、900近い名前が書き連ねられている。\n顔を近づけると、紙のような、カビのような。\nふと、ポケットからペンを取り出した。新しい、買いたてのペン。\n新しいことを、書き加えようと。\n\nお題:ピテカントロプス\nPXoj9LpO8njKtE3NutmBHrjF5G9ok94SIPMGVJVju22spmVJGbLXyfEZKmFcd9PithecanthropusBZjNdM5HpSvttvvLyWBWkFJYlb5g3PYBm7vo4B7foiHhhtHjrbIO06uyRzV62wrgn6WeiYwHwTStMankeyCAXL4WFGoiCM7TJ2dwZdP25q5ijFOH8FGt37mFheusSS6v3HxHWyPDl1tVDlYF2u9Z9eXtLY5n\n\n「マンキー!勝手にキーボードを触らないで!」)