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ダイケツセン の履歴(No.1)


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※特殊な性的表現が複数あります
※殺害の描写があります


ダイケツセン




「シンクロ~」

 奇妙な博士から受け取った機械を手に、少年は当惑と興奮とで複雑な心境であった。受け取る前の実験で試してはいたのだが、それでも自らの精神をポケモンにシンクロさせてその体の中に入り込み、ポケモンの体となって動き回るのは鮮烈な体験であった。
 博士はシンクロミと名乗っており、それでポケモンと人間のシンクロを研究しているのだから笑えるものである。名は体を表すというか、それともその名前はハンドルなのか。
 一方、どこぞの都市でもまた人間の精神をポケモンの中に移送することを目指したマッドサイエンティストがいたという。自らの精神を伝説ポケモンの中に送り込むことに成功したマッドサイエンティストであるが、その時の衝動のまま暴れようとしたところを名探偵に手引きされた別の伝説ポケモンによって取り押さえられたというのが少年の聞いた顛末である。同じことを考える人間は何処にでもいるものだと呆れさせられるばかりである。
 何はともあれ、少年の手に握られている機械。少年の前にも協力者が何人か出ており、今でも試作品とは言いつつもデザインは若干洗練されてきたという。尤も、大きく「L」「R」と書かれたボタンがある点だけは変わらないようであるが。何の単語の略なのかは今度訊いてみようと思う。

 兎に角珍しい機械を受け取ったのだから、試してみたいことは試してみればいい。少年はボールを握り、手元にポケモンを出す。現れたのは水のような深みを持つ青い流線型のボディ、その頭部には巻貝をベースにして作ったかのように思えるような甲(かぶと)を被るポケモン。ダイケンキだ。無駄な肉が無く引き締まった体は、言うなれば「機能美」という言葉を叩きつけて魅了してきそうである。尤も種族的に高潔な部分もある感じで、それがしかも女の子とあってはあまりじろじろと眺めてはいられない。他のポケモンであれば喜ぶ撫でたり等のスキンシップも、彼女はあまり乗り気ではない様子を見せる。あまり深入りしても気を悪くさせるだけであろうから、少年も手を出さないようにはしていた。

 場所はサバンナエリアにある茂みに囲まれた木陰である。ポケモンとシンクロしている間、自分の体からは完全に意識が離れ動けなくなる。かつての遠い時代と比べると野生のポケモンが人間を本気で殺しに来るようなことは少なくなっているし、それでも念を入れてとばかりにシンクロ中はマシンから野生のポケモンを寄せ付けなくなる電波が放出されている。そのため動けないシンクロ中でもポケモンに襲われて無抵抗のまま殺されるような可能性は無くなっているが。それでもさらに入念に目立たない場所を選んだのである。先程は他のポケモンで試したシンクロ、連れ歩いている手持ちのポケモンで一通り試していこうというわけである。

 マシンのLのボタンを押し込んだまま、Rのボタンを押す。次の瞬間少年とダイケンキの体は光に包まれ……。一瞬で少年の目線の高さが変わる。重厚に構えた力強い肉体であるダイケンキだが、四足で両前脚を地面についているため直立している少年と比べると目線は低くなり気味である。その手を目の前にかざそうとしてみると、ダイケンキの前足が映る。シンクロ成功である。
 最初の実験の時は、説明を聞いた段階で無理が起こらないように骨格が人間に近いエルレイドで試した。その行動はポケモンの体に刻まれた感覚を自然と引き出しており、一挙手一投足まで何不自由なく動き回ることができる。戦闘に関しても同様に体に刷り込まれた動きで対応でき、少年のポケモンたちであれば野生のポケモン相手にそうそう引けを取ることは無い。勿論タイプ相性で苦しくなるような場面は想定されるが、それは普段指示を出す側に立っている少年の知識の方が回避するには有利に働く。少年の行動の阻害を防ぐためだろうか、元のポケモンの精神が少年に語り掛けてきたりするようなことも無い。普段のダイケンキの態度を考えるとこういった事はあまり好まないような気はするが、意識が無い状態なのであれば心配することは無いであろう。

 という少年の内心を、ダイケンキはしっかりと感じ取っていた。体が精神から離れ浮ついたような状態であり、しかし目線等は変わらないという、不思議を通り越して異様な感覚。いつの間にか茂みを掻き分け外に出ていく自分の体を、全く制御できない。正直あまり好ましい感覚ではないが、それが少年の行いであるから大目に見ることにした。普段の距離感の近さから辟易するものを感じないでもないが、バトルを中心に的確に指揮を与え導いてくれる少年には好感を持っていた。あと正直に言うのは気恥ずかしくてできなかったが、料理が上手いのでそれをついつい楽しみにしてしまってもいる。なのでこのくらいは後で軽く文句を言う程度で許してやろうと考えていたのである。そんなことを考えていると、手合わせの相手と思ったのか意気揚々と野生のポケモンが向かってくる。少年が自分の体でアシガタナを振るうと、カエンジシの赤いたてがみは力を失いしおれる。こうして自分の体に刻まれた戦い方を客観視するのもたまには必要なことなのかもしれないと、ダイケンキは何とか納得に至った。

 数時間。少年はダイケンキの体でサバンナエリア内の草地を歩き回り、池で泳ぎ、何度となく野生のポケモンと軽い手合わせをした。メブキジカやゼブライカのような相性が不利なポケモンとの衝突は避けつつ戦っていると、少年の動きも段々と洗練されてきた感じである。不利と見做すや気付かれない内に離れようとする少年の態度には不満が無いわけでもないが、無理をせずに体力を温存していれば随分と長く戦い続けられるというのは改めての学びである。とは言え体の方はそろそろ疲弊が出始めており、少年は休むためだろうか岩陰へと向かう。

 少年はダイケンキの体で尻餅をつき、平べったい尻尾をクッション代わりに岩にもたれかかる。投げ出した両後肢。ダイケンキの精神が入ってくることが無い今なので、たまには良いだろうかと彼女の体を観察する。体表は非常になめらかではあるのだが、よく見るときめ細かい毛並みとなっている。嫌がりそうなのであまり撫でるようなことはしてこなかったが、元は海獣で寒い地域に暮らすため、やはり素肌よりも毛並みの方が生存上必要なのかもしれない。そう言えばミジュマルの頃はまだ頭などを撫でてはいたため、手がうずまるようなそのきめ細かい毛並みに驚かされたものである。投げ出した両後肢を見ると、相手の攻撃に体勢が崩れることなく受け止められ、その巨体を難なく跳ね上げ速さと重みのある動きを生み出すことができるのは、やはりしっかりとした筋肉が付いているからなのだろう。だがそれでいて下手に表面を隆々とさせていないことが、空気や水の抵抗を受けることなく滑らかな動きを可能としているのだろう。そういう意味では前肢の付け根でもある胸周りも、筋肉が張っていながらそれ以上はあまり強調された肉付きではない。これが人間の場合であれば脂肪を厚くして異性に対して美を魅せるなどということもあるのだろうが、少年としてはやはりこの機能美の胸の方が好みである。腿や背中は深みのある色合いなのに対し、腹部は同じ青でもだいぶ明るい色合いとなっている。カウンターシェーディングという言葉を聞いたことがある。その色合いの部分を胸から更に目線を下げていくと、腹部は筋肉は若干薄い。ここが綺麗なくびれとなっているのだが、これは空気や水の抵抗の他に内臓との兼ね合いもあるのかもしれない。基本的に攻撃は甲や筋肉で守られている部分で受け止めることが前提になるのだが、ここはある程度の急所となりそうでもある。狙われないように、狙われても被弾しないように注意してやらないといけないとも感じた。そこから更に目線を下げていくと……。

 あっ。

 少年はダイケンキの喉で声を漏らしてしまう。動き続ける中でも特に動きの激しかったそこは毛並みが乱れ、雌の割れ目が露出していたのである。ずっと「機能美」という言葉で抑えてはいたが、少年の欲望の皮は一瞬で剥ぎ取られていた。それでも瞬間的には欲望を押さえなければならないという逡巡は発生したのであるが、次の瞬間には右の前肢を伸ばしてしまっていた。

「あぁ……っ!」

 前肢の先が恥丘に触れた瞬間、じんわりと奥に染み込んでいく感覚。使い慣れた人間のものではない上に動きの細やかさにも差があるのだが、シンクロしている状態であるため加減を利かせることが可能となってしまっている。もっと見たい、もっと感じたい。毛並みを掻き分け撫でまわしていくうちに、少年の精神もダイケンキの体から伝わってくる感覚も瞬く間に上がっていった。いつの間にか後肢を開く角度は一気に大きくなり、左の前肢も愛撫に加わっていた。高揚は腹の奥まで染み渡ると、そこから腰まで貫いていき。更に伝播し続け腿や胸にも衝撃を響き渡らせる。既に内側から汁が漏れ出しており、毛並みはすっかり萎み切っていた。それは雌のそこの形状をより強調させる格好となっており。

「はっ! あっ!」

 両の前肢の先で撫でる範囲は恥丘の周辺のみならず、腿の付け根にまで広がっていった。弧を描くように何度も何度も。そのたびにダイケンキの体で声まで遠慮なく漏らす少年。体の中で広がっていったものが全身で大きくなり切った瞬間。

「あぁぁぁぁぁぁっ!」

 少年はダイケンキの体で達した。辺りに構わず嬌声を響き渡らせ、水タイプらしく汁を噴き上げさせ。絶頂に身を委ね悶える時間。呼吸も忘れてしまい苦しくなっていく、それすらも快楽となってしまう。いつ逝ってしまってもおかしくないような声を上げ続け、上体はのけ反り岩にもたれかかる。それとともに前肢は股から離れ、腹の上に糸を引く。あとはもう、快楽の余韻を時間を過ごすばかりであった。

「ぁっ……! ぁっ……!」

 大きく開いた股の間に池を作り、乱れ切った胸の毛並みの間から乳首が露出する。しかも体は自身のではなくダイケンキのものだというのに、晒す痴態にも構わず悶え続ける少年。そこに近付いてくる重い足音に、全く気付かずにいた。

「よー。ねーちゃん! 随分お楽しみじゃねーか!」

 掛けられてきた声でようやく状況に気付く。目の前にいるのは五匹のケンタロス。雄しかいない種族である。彼らは揃ってダイケンキの体に中て(あて)られ、股間にある雄のものを滾らせていた。見た目、声、におい、どれも雄を煽り立てるには十二分も過ぎるものであった。やばい。少年がそう思った時には、リーダーと思われる個体がダイケンキの股に舌を這わせていた。続いて左右の乳首に序列の続くと思われる二匹が吸い付く。

「随分と遠慮せずに洒落込みやがってよ、畜生が!」
「そんなんなら、俺らにもお楽しみをお裾分けしてくれよ!」

 お預けを喰らっている下位と思われる二匹は言葉で攻め立ててくる。だがもうそんなのは響かない。三か所同時に行われる舌での攻めは、少年にとっても快楽と欲望を突き上げるのに十二分であった。

「ひゃぁあああんっ! あぁあああんっ!」

 延々と声を漏らし、汁を吹き続け。独りでやっていた時ですら既に壊れるだけのものがあったのに、今度は自分で手を動かす必要すらないのだから途轍もない。ケンタロスたちは構わず容赦なく攻め続け、どれほどの時間が経っただろうか。股に吸い付いているケンタロスが三本の尻尾で自らの腰を打ち鳴らすと、他の二匹と共に一歩引く。

「貧相な胸だよな」
「せっかく善がらせてやってたんだから、そんななら母乳の一つも出してくれればいいのにな」

 こいつらは何を言い出すんだと、少年の意識にまた違うものが浮かび上がってくる。先程までずっと眺めるのを我慢していたダイケンキの体は、自分にとっては「機能美」と言うべきそれであった。だというのに、今このケンタロスたちは「貧相」と抜かし始めた。

「まあ良いだろう。久々の雌なんだ」
「そりゃもっと上玉の方が良いのは当然だが、無いよりはマシだろ?」

 両脇で言葉責めを重ねていた二匹も続く。揃いも揃ってこき下ろしてきているのは、自分のものではなくダイケンキの体である。無いよりはマシだなんて、よく言えたものだ。意識の中で膨れ上がってきた怒りは、ずっと身に纏わりついていた快楽を押し流し始めており。

「まあ、こっちの具合は良さそうだぜ?」

 リーダー風のケンタロスは、ずっとお預けを喰らっていた股の物を両の前肢の間から見せ付け。視線は一度は朦朧としたところまでくずれていたが、既に現実を認識できるところまで戻ってきていた。その物の先端が股の間に向かっているのを見て。こき下ろすようなことを抜かしながら、よくも欲望の先端を向けられたものだなと。こんな奴らだと知った今、ダイケンキの体を委ねることなどできない。

「嫌だ!」

 意識は復活し、ダイケンキの声で少年に叫ばせるに至る。唐突なことに一瞬たじろぐも、ここまで来たのに今更拒否されるなど不満でしかないと、ケンタロスは構わず圧し掛かってくる。だが次の瞬間、そんなケンタロスをアシガタナが横薙ぎにしていた。

「ぁがっ!」
「なっ!」
「お前っ!」

 斬られた者の悲鳴と、周りの驚愕。だがそれでも五匹がかりでなおも押さえ込もうとしたのだが、こうなると鍛え上げられたダイケンキの体の方が圧倒的に強い。とは言え向こうも一斉に掛かってきているのだから余裕はないのだが、それが故に少年もダイケンキの体で全く手加減が出来なくなっていた。普段のバトルでは命まで奪うようなことはせずにきたから、ダイケンキの体を借りてからもそこまでのことをするつもりはなかった。だが今は。状況に怒りが拍車をかけ、ケンタロスたちの命を奪わないようにという加減などできなくなっていた。

 赤が吹き上がる。続いて飛び交う悲鳴と怒号。それも段々と恐怖と絶望が支配するものへと変わっていき。勝てる相手ではないことに気付いた時には、既に骸となっていた者と、逃げられるほどの力も残っていない者と。あとの最期までは少しの惰性でしかなかった。

「くっ……!」

 頭部の甲の角から、血が鼻先に垂れ落ちる。その感触でようやく少年は正気に戻った。状況。目の前には寸刻みとなった肉片が山を為しており、気に入っていたダイケンキの体も眺めずとも返り血にまみれていることがわかる。その返り血を、体の奥から湧き上がる冷汗が押し流さんとばかりに。
 自分のしてしまったことのおぞましさに気付く少年。いくらダイケンキの体が魅力的だからと言っても、その体を借りた状態で自慰をする時点で最悪級の裏切りだろう。しかもその後に行なったこの殺戮。普段は野生のポケモンとのバトルでも、その命を奪うようなことは無かった。素材として落とし物を集めることはあったが、それは毛とか汗とかの代謝物であり、入手するために命を奪うようなことは無かった。
 一応ケンタロスたちは五匹がかりで犯そうと襲い掛かってきてはいた。だがある程度押さえ込んだ段階で、そこからは距離をとってさっさと離脱してしまう選択もあった筈である。少なくとも最後の方はとどめを刺す必要までは無かった気がするのだが。いくらケンタロスたちの暴言が許せなかったとはいえ、それによる怒りから明らかにやり過ぎたところまできてしまったことは感じていた。

 やめよう。首を振ると、血の川を踏み分けながら立ち去ることとした。数歩歩いたところで肉片を踏んだ感触はあったが、それがどの部位のものであるかは絶対に考えないことにした。そこからも更に数歩歩いた時には、喧騒を聞きつけた死肉食いたちが突然に表れた御馳走の山に歓声を上げているのが聞こえたが、もう振り返る気にもなれなかった。とにかくまずは……。
 あった。岩陰から離れてすぐそばに、一度飛び込んだ澄んだ水の池。流石にそうすぐには屍より漏れた血で染まるような距離ではない。だからこそ今から血で穢してしまう事への一抹の申し訳なさはあったが、そうも言ってられない。ダイケンキに意識を返した時に返り血まみれであっては、何を言うこともできなくなってしまう。幸い身を捩じらせると瞬く間に血は落ちていってくれたので、すぐに上がることにした。
 これだけでいい。これ以上は余計なことにならないで欲しいと、急ぎ足で元来た道を駆ける。色んな意味で気が気ではなく、途中で野生ポケモンが立ちはだかったかも意識できない状況。とにかくまずは自分の体に戻ってダイケンキに意識を返すしかない。焦りばかりが先に立って、後でどう誤魔化すかすら頭が回らない状態。ようやく木陰に隠れたままの自分の体を見つけると。

「うわぁ……」

 一度声を漏らし、絶句する。少年の体の方でもいつの間にか射精に至っており、ズボンが悲惨なまでに精液で染まり切っていた。シンクロ中の意識が届いていたのだろうか、ダイケンキの体で感じ入ったことで何度ともなく達してしまったらしい。勃起こそ既に治まってはいたが、強烈な精液の臭いがダイケンキの鼻腔をくすぐる。この体に戻ったら、下着の中の濡れ切った感触を想像するだけでダイケンキの身の毛がよだつ。だが、考えていても仕方ない。精液が乾くまでどれだけの時間が掛かるかもわからないし、乾いたら乾いたで後処理が大変である。少年は意を決すると。

 視界が切り替わり、目線は少年の手の中のシンクロマシンに向かっていた。予想通り下着の濡れ切った感触が体の中に不快感を駆け巡らせる。だが取り敢えず戻ってきたのだ。少年はシンクロマシンをポケットに入れ、次はダイケンキを戻そうとボールを握った。あとはボールをダイケンキに向け……その瞬間、ボールが消えた。同時に凍てつくものが背筋を走る。一瞬は手元が狂ってボールを取り落としたものだと理解したかったのだが、それを許す間も無く目線が体の中心を貫いていた。

「あ……。あ……っ!」

 少年は顔を向けるでもなく、ダイケンキの殺意の目線をこれでもかと言う程に感じ取っていた。

 博士からマシンを貰った時にチュートリアルをしたエルレイドからは特段何も言われなかった。だがそう言えばあまり目線を合わせてくれなかったことを今になって思い出す。シンクロ中は相方のポケモンにも意識等が伝わっているのだが、その間の感覚が今一つ言いづらいものがあったのか、何も言わずに黙りこくっていたのである。珍しい機能を持つマシンの入手に興奮し、完全に気付かずにいたのである。

 そして今。ダイケンキはすぐ脇にいるのに目線を向けることもできない。彼女はシンクロ中に起こっていたことを、全て把握していたのである。自身の全身を自身の目で嘗め回すように眺め、それで感じ入り自慰に奔る。それで誘い出されたケンタロスたちに暫しの間身を委ねた後に、いざ交わるという段になっていきなり殺戮へと向かう。自身の体でこれだけの好き勝手を重ねたことを、彼女は今どう感じているのだろうか。

「兄者……?」

 ダイケンキの声に、少年は再び全身から汗が吹き出すのを感じる。瞬く間に服全体に染みわたり、感触という意味では股間だけが濡れているという状況を上書きするが。どんな強敵にも向けなかった目線をこちらに向けるダイケンキ。唸り声一つ上げもせず、少年の目には僅かにアシガタナの切先が見えるだけであるのだが。場を覆うダイケンキの呼気は外界から隔絶されたドーム内の風では流れることも無く、周囲にいるであろう野生ポケモンをもただただ黙らせる。

「その……」
「何か言い遺すことはあるか?」

 モンスターボールと繋がっているポケモンであれば、一定以上の傷を負うとボールに回収され保護される。だが生憎と少年は人間であるため、ダイケンキの剣技を受ければ命どころか跡形も無い。逃げようにも少しでも下手な動きをすれば向こうの方が速いし、何よりも体が強張って逃げるための動作すらとれない。

「許しては、貰えない……?」
「あのケンタロスたちも同じことを思っただろうな?」

 ダイケンキにしてみれば、ケンタロスたちも自身の体を欲望の捌け口にしようとした下劣なる存在であることには変わらないが。そういう意味では少年も同類と扱われていることが分かったので、ケンタロスたちと同じ末路を辿ることにただただ怯えるばかりであるのだが。とは言え少年の方は自身の体が動かないどころか、ダイケンキが呆れそうになるほどの体の震えを自覚できていないほどであったが。

「その……。君の魅力のあまり……」
「悪いが私の体は剣を究めるためのものだ。誰かを悦ばせるためのものではない」

 一先ずと少年は媚びてみる。逃げることも叶わない以上、ケンタロスたちとでも比較にならないほど脆い少年の体でできることなど何も無い。ダイケンキの意思でアシガタナを収めて貰う以外無い……のだが、そこは剣に邁進する種族柄の言葉で冷徹に切って捨てようとするダイケンキ。

「君はそう思っているかもしれないけど」
「……」
「君は君自身の魅力を自覚した方が良いと思うよ?」

 意を決して少年は顔だけはダイケンキの方を向ける。顔面を無数に貫く殺意の目線があまりにも痛いが、とにかく媚びるしかない。勿論嘗め回す程に目線を向ける程には感じ入ってしまっていたので、それはただの媚ではなく嘘偽りない気持ちでもあるのだが。

「何を……」
「言い遺せと言われたら、すぐに思いつくのはこれだけど……。それよりも……」

 少年の方も許しを請おうと必死ではあるが、あまり強く畳みかけたら逆効果になるのではないかと言葉に迷った一瞬。だが、ここに至って。ダイケンキの脳裏に自身を魅力で見られることへの当惑が浮かび始める。少年の言葉はこれでは愛の告白ではないかと。ここに至るまでの流れはあまりにも汚らしいし、言う様もあまりに情けなくて仕方ないのだが。ただ「馬鹿なことを」と一笑に付せばいい筈なのに。

「ば……っ!」

 発破。声の発破は感情の発破であり。ダイケンキの毛並みは顔中はおろか背中や尻まで一気に逆立ち。言葉も体も制御を取り戻そうとする意思とは反対に突き進み、止まらなくなっていた。

「うわっ!」
「~~~~~~~~~~~~っ!」

 少年がそんなダイケンキに反応するよりも先に、ダイケンキはアシガタナを取り落とし。慌てて飛びのいた少年の足元に突き刺さる。何があと僅かにずれていても少年の足は無くなっていたであろう。言葉を為していない絶叫の向こう側に目をやると、毛並みの逆立ったダイケンキの尻が近くの池に飛んでいくのが見えた。

「ダイケンキ!」

 少年の声が届くよりも先に、ダイケンキは水しぶきの中へと消えた。



 ダイケンキが池に飛び込んだ轟音の後は、一転して静かなものであった。あれほどの気配が迸った直後とあっては、何も知らない野生ポケモンたちがすぐに立ち直れる筈も無い。ダイケンキに付き従うように、少年も池に入り込んだ。シンクロマシン等の機械だけ荷物のところにまとめ、アシガタナだけ池の脇まで持って行き。服は汗や精液ですっかり濡れ切っており、それを流すためにも服を着たまま池に入ったのである。
 先程ケンタロスたちを殺戮した方角に目を向けても、距離があるためもうどうなっているかは見えない。ただ血の量は夥しかったので、今頃あちらは池も染まっている頃であろう。一方こちらでは、汗や精液を流すために服のまま池に入っている。繰り返し水を汚してしまっていることを思うと水を司る伝説のポケモンに祟られないか不安になってくる。気にしても仕方ない。少年は水中で服を脱いでいき、特に精液で汚れた下着を中心に揉み洗いし始める。

 暫くの後、少年は池から上がる。気温の高めなサバンナエリアとあって、濡れた体でも冷たくはないのが救いである。水の滴る服を絞り、手近な木の枝にかけていく。流石に乾くであろう。振り返って池の方を見るが、ダイケンキはまだ潜っているのか姿は見えない。時間は経ったが、戻ってきたら許してくれるかはまだ不安だというのもある。だがそれ以上に。流石に「エロい」とかの単語は使わなかったが、ダイケンキに対して彼女自身が魅力的であることを語ってしまった。雰囲気とはかけ離れた無様な情景ではあったが、このようなことを言ってしまったことでも彼女と再度顔を合わせるのに不安を抱いてしまう。
 実際のところ、彼女の体つきが魅力的であるのは先程眺めてみて痛感してしまった。進化してからは性格も硬くなって撫でることも許してはくれなかったが、手の中には先程の自慰の時の感触がはっきり残ってしまっている。先程池に飛び込む寸前に逆立てていた、あの状態の尻の毛並みも揉んでみたいという欲望も。

「兄者?」
「あ、あ……! ダイケンキ、戻ったんだ?」

 アシガタナを回収して脇から声を掛けてくるダイケンキの目線。先程の殺意と比べればだいぶましではあるが、それでも怒りとも失望とも言いづらい視線はいたたまれない。一呼吸の後にダイケンキはやや顔をそむけ。

「その貧相な汚物を立てて……まだ足りないのか?」
「えっ? えっ? あっ!」

 ダイケンキの体を思い浮かべているうちに、それは立ってしまっていた。シンクロ中に致したのは恐らく今まででも最大量だったであろうに、元気なものである。ダイケンキの言い種には正直傷付くものがあるが、自分のしたことを思うと文句は言えない。

「まったく……。使わせてやるから、その汚物を早いところ鎮めろ」

 言いながら、ダイケンキは少年に尻を向ける。そしてその尻を更に高めに突き上げ、平べったい尻尾を大きく持ち上げるとその部分が露わになってしまう。向こう側にあるためどんな表情をしているかは見えないが、例によって尻の毛並みが逆立ちまくっていることからどんな心情かはある程度想像がつく。

「あの……」
「さっさとやってしまえって言っているんだ!」

 ダイケンキの怒鳴り声に縮み上がり、これだけでもそれは萎れてしまうかのようにも思えたが、それよりもダイケンキの体に誘われる方が早かった。誰にも見せようと思いもしなかった場所を大きく晒し、ダイケンキは羞恥のあまり目を開けることも難しかった。だがつい怒鳴りつけてしまったのには、先程池に飛び込んでしまった後のことがある。



 少年の言葉は命乞いのための媚だったとしても、愛の告白とも通じる言い回しであったことに混乱しきってしまい。どうしようもなくなった精神を抑えるために池に飛び込み、水流を体に纏わりつかせてあらゆるものを擦り落とそうと。いつも以上に毛並みの奥深くまで水流を染み渡らせるが。怒りも混乱も無理矢理に押し流していくと、今度は肉体的な感覚が表に染み出してきた。少年が勝手に自分の体を使って行なった自慰の後は、ケンタロスたちが5匹がかりで舌と言葉で責め回し。自らを鍛えることに邁進するあまり疎かにしていたところがいきなり刺激されてから、体の奥で何かが疼き始めていたのである。知ってしまった。或いはあの時に本番まで行われていればお預けとならずに満足していたのかもしれないが、それはそれで別なものを壊してしまうから考えないことにする。

『くぅ……っ』

 ダイケンキが水底で呻くと、あぶくが力無く浮かんでいく。とにかくこの疎ましい感覚を削ぎ落さないといけないと、ダイケンキは前足を秘部に伸ばす。こんなことはまだ自分の意思ではやったことは無く、だというのに自分の体を制御していることをいいことにやってしまった少年。許しがたい気持ちは一旦水底に置き、今は少年のした動きを思い出しつつ体を鎮めることにする。

『あっ!』

 その割れ目に触れた瞬間、何かが破裂した。声にならない声の代わりにあぶくが吹き上がり。少し手先を這わせて開くような形に押してやると、その衝撃が下腹部の奥を貫き腰まで響き渡り。大きく開いた両の足先ががくがくと震えるのが見て取れる。二度三度と擦りようやく指先が入るくらいまで開いたところで、水中に体温が迸る。大量のあぶくが漏れ続けるのを見て取れるため、彼女が早くも達していたのは見る者がいればわかる光景ではあるが。だが。

『ぅぅ……』

 入口への刺激だけで既に参ってしまっていたのに、奥の方ではまだ何も届いていないと不満げに疼き続けている。致し方無し。ダイケンキは壊れそうな心に鞭を打ち、更に割れ目を擦っていくが。

『ぁあああっ!』

 まだ半分も開かないうちに、全身を震わせ達してしまっていた。内股に感じる水温が達した激しさを物語るが、それでもなお体の奥で疼いているものは鎮まる気配が無い。
 どうすればいいのか。快楽と不満とが無数に突き刺さり、あぶくを無駄に漏らし続けるだけの時間。自分の何かが壊れてしまったのは理解したが、どうすればいいのだろうか。涙は水中では見ることができない。引くことの無い肉体的な感覚の中、何かの答えが無いものかと、水面近くまではそこを擦りながら浮上していき――



「くぅっ!」
「あああぁぁぁっ!」

 回想を引き裂く衝撃。ダイケンキは割れ目に何かが入ってくるのを感じた。それが少年のものであることに気付くのに、どうしてこうも間があったのか。少年の性器はお世辞にも十分な大きさとは言えないが、それでも手先を這わせただけでは入ってこれないような場所まで突き込んでおり。

「だ、大丈夫?」
「いいから……早くやれよ!」

 ダイケンキのあまりの悲鳴に、少年もそれ以上の挿入を躊躇しかけるが。怒鳴りつけて続きを急くのは、本当は自分自身が御し得ない欲に捉われてしまったことを隠すための虚勢でしかなかったのである。奥まで届く何かが上手いことすぐに見つかるとは思わなかった。少年のものを鎮めるというのは建前で、本当に鎮めて欲しいのは自分の方である。そんな気付かれたくない本心を誤魔化すために、ダイケンキは口からは気勢を巻いた唸り声を出すが。

「じゃ、じゃあ……」
「ひゃんっ!」

 少年が毛並み逆立つ尻に掴みかかったことで、一瞬にして気勢が崩れる。背筋から全身を駆け巡った感覚はどれだけ体を震わせただろうか。だが今度は少年も止まらない。ここまでで何度も怒鳴られたとあって、もうここで止まることなどできなくなっていたというのもあるが。それ以上に。先程は胸や腹のラインをじっくりと眺めたのだが、目線がダイケンキ自身のものであるためこちら側を見ることができなかったというのもある。先程から毛並みが逆立ったのを見せていたため、この尻の方を堪能したくなっていた。

「ごめん! ごめん!」

 少年は指を毛並みの中に入り込ませ、ダイケンキの尻に食い込ませる。逆立っているとは言っても元々が柔らかい毛並みであるため、入り込んだ指を包み込むのも柔らかさを感じさせる。その奥にある尻の肉は、丸く膨らんだ柔らかそうな形状が信じられないほどの強靭さを感じさせる。あらゆる攻撃を受け止め跳ね返す膂力の軸であるのだから当然と言えばそうなのだが。一方で熱を持っているようにも感じられるのは、毛並みが逆立つほどの感覚が迸っているからなのかはわからない。普段から触らせてくれていたら、違いがあるか感じられたのだろうか。

「うぅぅぅうううっ!」

 尻の肉を掴んだ腕の力に任せて、少年はダイケンキの尻を自らの腰へ引き込もうと。引き寄せられるのは少年の体の方だったが、それに合わせてダイケンキの中に少年の性器が入っていく。ダイケンキの言う「貧相」までは言い過ぎかもしれないが、それでも未発達とあってそこまで大きくはない。だがそれでも、ダイケンキ自身の意思に押し戻されることなく入ってくるというのは彼女には非常に響いていた。何度か前足で擦ったが、快楽に押し戻されて僅かな深さに入り込ませることもできなかった。少年のそれは早くもダイケンキの誰も受け入れたことの無い場所にまで至っており。

「あ゛ぁぁぁあああ゛っ!」

 待ち構えていたかのように少年のものを締め上げる肉壁。全身が鍛え上げられた屈強さのせいか、締め上げの力も強烈であった。普段している自慰の快楽が押し潰される威力は、逆に少年の欲望を突き動かしており。いつになく力を持ってしまった性器は根元まで入り込み、両者の股の肉が重なり合う。

「くぅ……」
「それじゃぁ……ぃくよ……?」

 少年のものが入り込めるだけ入り込んだ時点で、ダイケンキが善がり切り息を上がらせるには十二分であった。そんな中で少年にかけられた声に、何をいくのかとダイケンキが疑問に思う間も無く。少年は腰を軽く引き、ダイケンキの尻に叩きつける。

「がぁあああぁぁぁっ!」

 絶叫。少年の性器はダイケンキの肉壁を抉るように……そのような感じだったと言わんばかりの声でダイケンキは叫ぶ。入れるところまで入ったことで終わりが見えてきそうだと思った瞬間の一撃。少年の性器を締め上げ食いついていたからこそ、ダイケンキの肉壁は内側から引っ張られ、次の瞬間には再び押し込まれると同時に股や尻を叩き込む一撃を受ける。全ての感覚が崩れ落ちた。だがこれも終わりではなかった。

「あっ! あっ! あっ! あっ!」
「がぁっ! あがぁっ! うあっ! あっ!」

 少年は腰を前後させ、繰り返し性器を叩き込む。ダイケンキが締め上げている性器は少年が動くたびに更に咥え込まれ、それに声も合わせて漏れさせている。だがそれ以上にダイケンキの方が感じ入っており、同じペースのようでより激しい嬌声を上げ続けている。少年は手でもダイケンキに食い入っており、動きに合わせて少しずつずれていくのもまた刺激となっている。ダイケンキは尻や腿の肉を激しく震わせており、その振動は少年の方にも響いていき。

「あっっっはぁぁぁあああっ!」
「あがぁぁぁあああぁぁぁっ!」

 爆発。少年がダイケンキの中で精液を噴き上げると、ダイケンキもその熱で中から焼かれ崩れていく。暴れ狂う射精と震え続ける尻肉。響き渡る決壊はどれほどの時間続いただろうか。ダイケンキの腿は尻を突き上げた姿勢に限界を迎えたらしく、両足先を地面に投げ出し崩れ落ちる。それに少年も弾き飛ばされると、外れた性器の先で精液が糸を引いて軌跡を描く。ダイケンキは脳の奥まで快楽に茹で上げられ、嬌声に混ぜて熱い息を吐き捨てる。

「その……こっちも……」
「ぇ……?」

 そんな全てを投げ出し打ちひしがれているダイケンキの脇の下に、少年は手を入れる。朦朧とした意識の中でそんなことに気付かずにいたダイケンキに構わず、少年は大きく二度ほど深呼吸をすると……。

「うぉおおおぉぉぉっ!」
「なっ? ちょっ!」

 そこからダイケンキの体を引き上げようと思いっきり力を加える。少年が絶叫した瞬間も何が何だかわからず当惑するダイケンキ。その重厚な体は少年の力だけでは微動だにしなかったが、一瞬遅れてダイケンキが思いがけず手をついたことから一転。次の瞬間には押されるままに仰向けにひっくり返されていた。

「ぁー……。はぁっ……」
「い、いきなり……。何をする?」

 未だに頭の中を重苦しく蠢く快楽の波の中に、思いもよらない衝撃が叩き込まれ。意識をかき消そうという流れと現実に引き戻そうという流れとが衝突し、ダイケンキの視界は明滅する。歯軋りを一つすると、自身は急所である腹や股を晒している格好であることに気付き。薄目を開けて顔を上げると、少年は重苦しく息を吐きながら露わになった自身の胸や股を眺めまわしている姿。いくら力を振り絞った直後とは言っても、その狂気の様相には絶句するほかない。

「んぅっ!」

 暫し眺めまわした後、少年は膝をついてダイケンキの胸に顔を突っ込む。こちら側はシンクロしている間に眺めまわした方であるが、しかし改めて見ると。真っ直ぐな胸板は余分な肉を付けることなく整っており、それを覆うきめ細かい毛並みの隙間から乳首が転げ出ている。少年が遠慮なく吸い付くと、ダイケンキはまたも毛並みを逆立てて全身を震え上がらせる。

「やっ! やめっ! そっちまで!」
「んぅっ! んぅっ!」

 少年は鼻息を荒立てて唸りながら舌を這わせると、その動きに合わせてダイケンキは背中まで毛根が震えるのを感じてしまう。少年の方も乳首だけでなく、口周りにダイケンキの柔らかい毛並みが当たるのも感じ入らせる。舌だけでなく鼻先も毛並みを掻き分け入り込んでいるのに対し、ダイケンキが腹を震わせて応えるのを感じ。お互いに声を荒げ感じ入ることどれくらいの時間が経っただろうか。

「くぅっ! こんな、貧相なのに……」

 少年の舌が止まる。何となくダイケンキの頭に引っかかっていた先程のケンタロスたちの言葉が口からこぼれただけなのだが、少年にとってはそうではなかった。一呼吸の後に顔を下げると、ダイケンキと目線を合わせる。もう二度とそんなことを言わせないためにと、少年は言葉を選ぼうとすること数秒。結局言葉よりも先に、唇がダイケンキの口先に覆い被さっていた。二度と言うまいと感じたダイケンキに対し、あんなことを言う連中など忘れさせてやると誓う少年。打って変わっての静かな一瞬。

「それじゃあ、もう一回……」

 少年は口を離すと、ダイケンキの腹の上に跨り。腹と腹が合わさる格好で、少年の顔はダイケンキの胸元を向く形となる。先程の尻に掴みかかる姿勢も良いが、こちらもまたやめられなくなりそうである。そんな少年の欲望の具現が、両者の腹の間に挟まれ窮屈そうに脈打っている。少年は脚を伸ばすと、先程からの行為で濡れ切りぬめりが溜まったダイケンキの股にその欲望を再度捻じ込む。

「あっ!」

 ダイケンキが漏らす声は先程と変わりないが。腰を引いて突き込むと、打ち合い擦れ合う毛並みや肉の響きは先程とは心なしか違うような印象を受ける。ダイケンキの腰は柔軟らしく、両脚を大きく左右に開いて突くように伸ばしている。その足先は少年の動きに合わせて宙を泳ぐように震えており。

「ふっ! うっ! うっ! う゛ぅっ!」
「ひゃぁっ! んあっ! ひぁっ! あ゛ぁぁぁあああっ!」

 少年が達すると、ダイケンキは再び注ぎ込まれる精の熱に声を上げて甘える。お互いがお互いに快楽に酔いしれ、溺れていくことどれほどの時間が経っただろうか。ダイケンキは最後の力を振り絞って顔を上げると、目線は少年と交叉し。その一瞬でお互い力尽き、重なったまま体を投げ出して意識も途切れていた。



 数日が経った。その僅か数日だというのに、少年は周りの誰が見てもわかるほどにやつれていた。エルレイドや他のポケモンたちもその様相に怯えているが、独りダイケンキだけは全く気付いていなかった。

「兄者ぁ……」

 哀願の声で、ダイケンキは呻く。あの日の交わりですっかり快楽に酔いしれてしまったダイケンキ。バトルに立てないというわけではないが、一度出してみたらその間も股から汁を垂らしながら動いている状態であった。体に覚え込ませた動きはしっかりしたもので戦闘力が落ちるというわけではないのだが、対戦相手のポケモンたちは終始戦慄しきっていた。これではもう出すことはできない。

「ダイケンキ……。その……」
「こんなぁ体にしたのはっ! 兄者ぁなんだっ! 責任を取れっ!」

 仰向けになり四肢を広げるそれは、まさに駄々っ子の姿であり。最初こそ興奮していた少年であるが、今日だけでもこれで何度目であろうか。毎日少なくとも5回は搾られ、少年はすっかり消耗しきっていた。他のポケモンに抱かせることやディルドの用意すら頭に浮かぶほどであったが、それはどうしても踏みとどまってしまう。もし他のポケモンの雄やディルドにダイケンキの体が慣れ切ってしまったら、ずっと小さい自分のものを使いたくなった時にはダイケンキの体には使い物にならない存在へと堕ちて……などと思いそうになったところで少年は首を振る。

「なら、これで……」

 少年はシンクロマシンを手に取る。自らの瓦解の元凶となった機械の登場で、ダイケンキの瞳は恐怖に染まる。その表情もそそるものがあるが、既に今日は使い物にならなくなっているものが動く筈も無く。今はこんな有様ではあるが、これから使い続ければきっと成長する筈だと信じ。その時にはダイケンキも瞬く間に満足する未来が待っているのだから、今は工夫でどうにかすることを考える。そうすればダイケンキはずっと自分のものになったままでいてくれる、そんな「純愛」が自分を動かしたのだと思うことに決める。ダイケンキの表情は「純愛」の向けられた側のものとは到底思えないが。

「ちょぉっ! なんでぇそれが出てくるんだっ!」

 その恐怖を押さえつけるために、ダイケンキは両前足を股に伸ばして刺激をする。自慰はほぼ常時するものとなってしまっており、しかしやればやるほどにその刺激に感じ入るようになってしまい、足先を僅かに中に捻じ込むことも叶わないほどに震え上がってしまう体となってしまっていた。そんな訴えを聞いていたため、ダイケンキ自身の意思によらない自分のもので相手していたのだが。

「僕ももう流石に持たないから。君の意思で手を入り込ませることができないなら、君の体を僕の意思で動かしたらどうなのかって思って」

 少年が必死になって絞り出した手段であった。ダイケンキはしばし唸りながら涙目で少年を見つめていたが、やがて観念し体を投げ出す。

 マシンを作った博士はこのような使い方を想定していたかはわからない。いずれにしても自分がこのような使い方をしているなどと気付かれるような質問をすることはできないと思いながら、少年はマシンのボタンを押し込む。


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