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Scaretale2 の変更点


~はじめに~

これは『[[Scaretale]]』の続編です。
ストーリーも長く、&color(red){官能的な描写};を含みます!
興味のない方や苦手な方はBackしてください。ご協力お願いします。 By[[プテラン]]

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「はあ……はあ……やっと竜城に着いたぞ」


俺はようやく竜城に着いた。しかし女王がいる気配はない。城の美しさはなくなっており、ただの石の崖のように見える。
朝起きてから180度景色が違うのだ。


「……これは間違いない。女王の身に何かあったんだ!」


そう察した俺は急いで城の中に入ろうとする。しかし俺は城の入口で異様な光景と対面する。
黄色い竜が傷だらけで倒れているのだ!
俺はカイリューだとすぐに分かり、彼女のもとへ一目散に向かった。

「お、おい!しっかりしろ!大丈夫か!?」


俺はその場で腰を落とし、右手で彼女の頭を支え、左手は彼女を抱くように背中を支える。彼女の顔を軽く叩くと黄竜は目を覚ました。


「お……お前は……?」

「はぁ、よかった~。大丈夫みたいだな?」


俺はカイリューの体を持ち上げて優しく抱く。
そして近くにあった噴水まで黄竜を運び終わると、散らかった飲食店から器を探しだす。
俺はコップを見つけると水を救い彼女に飲ませた。

「どうやってここまできたんだ……?」

「勿論牢屋を壊してきたよ。いつまでたってもお前が来なかったからだ。俺は何かあったと察して、ここまで来たんだ。そしてお前を見つけた。もう怪我は大丈夫なのか?」

俺が説明すると彼女は静かに涙を流す。俺は安全を確保するため、彼女を城に入れようと考える。俺は彼女を再び抱き、思ったことを行動に移そうとする。
しかし意外なことに彼女は俺の胸に手を当ててきた。

「ど、どうしたんだ?」

「お前……優しい奴だったんだな……。女王様を狙いにきた奴と間違えてしまって……本当に……申し訳ない……」


「なんだそんなことか。そんなこと今はどうでもいいよ♪誰にだって間違いはあるさ!しかも謝るのは俺のほうだ。俺が周りをよく見てなかったせいで銅像を壊してしまってごめんな。俺って昔から本当にドジなんだ。いや~あれはカッコ悪かったな~ははは!」

俺は笑いながらカイリューの背中を優しく叩く。
カイリューは俺の顔を見ながら微笑む。彼女の瞳は穏やかな雫で満たされ、女性らしさを表していた。
俺の気持ちが彼女に伝わったのだ。俺自身も自然と笑顔になる。
変態扱いされたけど今は清々しい気分だ。


俺がカイリューを励ましているといきなり大声で泣き出した!
俺は彼女が可哀そうだと思い、彼女に何度も『大丈夫だよ』と優しく囁く。
するとその優しさが逆効果のように更に大声で泣き出した。ついに彼女は俺に抱きついて助けを求めてきたのだ!


「女王様を助けてください!!お願いします!!」


「やっぱりか……通りで居心地が悪いわけだ……。よく分からないからまず説明してくれ」


「ぐすん……。実は今日の朝、サザンドラとガブリアスが南側からこの町に来たの。彼らはこの国の住民の雄達を次々攻撃していったわ。理由は彼らにとって雄住民が邪魔だったから……。彼らの狙いは女王様なの……。それを知った私は2人を止めようとしたけど、彼らの強さは尋常でなかった……。私はすぐにボコボコにされたのよ……。私はなんとかここまで逃げてきた……女王様は今南側で2人と戦っているわ」

「そうか。ではもう一つ聞きたい。女住民はどこにいったんだ?」

「女達は竜城の巨大な牢屋に入った……いや、入れられたのよ!南側からきた……もう一人の雄に!私が牢屋に入れられなかったのは、もう牢屋が空いていないからだと思うの!このままでは女住民は一生暗闇の中……。彼はどこにいるのか分からないわ!」


なるほど……そういうことか。
奴らは女王1人を狙って3人でこの国に来たのだ。そして雌だけの国を作ろうとしているのか。いや、そういうわけではないか。
奴らは女王さえ手に入ればあとはどうでもいいと思っているのか。

こんなことを平気でする奴がいるとはな……
フン……呆れるぜ……


「分かった。女王は必ず助けてやる。いや、この町の皆全員もだ。約束する」

「!?ほ……本当なの!!」

「ああ……本当だ……俺は嘘をついたことは一度もない」


俺の心は怒りで満たされていた。彼女の痛々しい思いは十分に伝わった。
俺は彼女の言った通り、女王を助けるのを優先させる。


しかしそれを立ちふさがる者がいた。


「ほう……まだ雄がこの町を彷徨いているとは……命知らずなやつだ……。赤プテラさんよ……」


その声に反応してカイリューはブルブルと震えだす。俺は後ろを振り返る。
俺は奴を見て女王を狙う1人だとすぐに分かった。
赤い頭に大きな口……そのポケモンはクリムガンだ。


「久しぶりだな……スーレイ……」


「……まだ生きていたのか……」


俺は過去にコイツと戦ったことがある。コイツは俺の同族を殺しまくった犯罪者だ。
俺は数少ない“赤プテラ族”の一人。俺の仲間は10人しかいない極少数民族なのだ。
でも今はコイツのせいで3人しかいない……父もこいつに殺されたのだ。
俺はコイツを見た瞬間、体の中の何かが弾けた。


「死んだと思ったか?俺はまだ生きていたんだ。……お前には昔……剣で負けたことがあったな……」


クリムガンは過去と同じ大剣を俺に見せつけた。その大剣はキザギザの刃がついており、恐らく岩でも鉄でも切断することができるだろう。
彼は右手で自分よりも大きな大剣をくるくると回して俺に強さを見せつける。
カイリューは彼の様子を見て凍りついている。

クリムガンは5秒程剣を回すと地面を力強く突き刺す。

「俺様の住んでいるのは『ドラゴンシティ』……何もかも技術が発展している大都会だ。その街の裏では“テレポートマシーン”が開発されていてな、血液をその機械に触れると相手を好きな場所へテレポートさせることができるんだ。へへ、驚いただろう?誰だってこの話を聞いたら目を丸くして怯えるんだぜ。俺様はお前と戦ったあと、お前の血を試験管で保管していたのだ。月日が流れ俺は決意したよ……“リベンジ”してやろうとな。だがその機械を開発したのは裏世界の天才技術者であるガブリアスとサザンドラ……。彼らの存在はお前と戦う前から知っていた。俺様は彼らにお願いしてそのマシーンを使わせてもらったよ。ヴィンランドの女性を捕獲して官能的な世界を創りだすという条件つきでな。これがお前を連れてきた理由だ。俺ら3人の条件を満たすのに一番優れているのがこの国ヴィンランドだったのだ。更にここは周りに何もなくて目立たない。お前の住んでいる『ロック・タワー』や俺様の住んでいる『ドラゴンシティ』でバトルするのはリスクが高い。最近俺様の町は犯罪防止で監視がかなり厳しくなったからな。……へへ……ここなら誰にも見つからず犯罪を好き勝手にできるわけよ。分かるか?」


クリムガンは自分とは別の剣を俺に投げつけた。その剣は彼よりも明らかに細い。その剣は俺の前で地面に突き刺さった。
相手は大剣……俺は片手剣だ……
片手剣とは文字通り、片手専用の剣だ。大剣に比べるとかなり細いが、素早く振れる利点もある。しかし短所もある。それは威力だ。一般的に大剣と比べると威力は約2分の1程だと言われている。
勿論大剣にも長所と短所がある。利点はまずは破壊力だ。彼の力はよく知っている。ひと振りでも当たり所が悪ければ死に至るだろう。しかしその分重量のため、振るスピードも衰える。この剣は上級者向けというべきだろう。
だがクリムガンも俺と同じ高段位の騎士。彼は大剣を自由自在に操り、高速で相手の首を跳ね飛ばすのだ。彼の名前も剣術界では闇の騎士として有名である。


フッ……
この俺に向かって剣で勝負を挑んでくるとは……いいだろう。


俺は剣を抜き取り、クリムガンが片手で回した速さの2倍の速さで軽々とまわす。
俺の剣は心の刃。悪者を仕留めるのには最善の武器だ。
俺は剣先を向け、瞳を閉じる。自分は剣を持つと人が変わる性格だ。


  …………


「どうやらお前は俺を本気で怒らせたようだな……」


スーレイの顔色が一変した!彼の赤い瞳は血の色となっている。
彼は正義の竜となり獲物を見つめる。赤い霊気がスーレイを包む。


「赤プテラ族の生き残り……流石だ。並の奴とオーラが桁違いだ。だから……これだから!殺しはたまんねぇ!やめられないんだよな!!」


「お前はこの国の重罪に値する……俺がお前に裁きを下す……。今までに殺した人の思いを死で償え……」


「ははははは!!そうこなくっちゃ!」


クリムガンはスーレイと同じ6段の持ち主だ。恐らく剣勝負では互角……
いや、それはどうだろうか?スーレイの瞳は昔と遥かに違うのだ。
彼は父への思いとヴィンランドの人々の思いを背負っている。
今の彼に負けは許されない。

冷たい風が2人の前を通り抜ける。
空は暗黒界となり、剣は血を求めて震えだす。

スーレイはクリムガンを睨みながら左手を斜め手前に下げる。
剣を持っている右手は自分の右側に寄せ剣先を彼に向ける。
これはスーレイ独特の構え。皆とは違うオリジナルの構えなのだ。


「出たな……その構え……。お前の父を思い出すぜ……。勿論、傷だらけのお前もだ。……しかし……今の俺様は昔とは違う。何をしてもお前は負けなのだ……」


一般的に剣の構えすなわち『流派』は種族やタイプによっていろいろ異なる。ドラゴンタイプから教えてもらう『竜派』や毒タイプから教えてもらう『毒派』、そして氷タイプから教えてもらう『氷派』などたくさんあるのだ。でも俺は『岩派』でも『空派』でもない、名無しの流派である。これは親しき父から教わった自己流の構えなのだ。


「昔と違うのはお前だけじゃない。そこを考えろ。直ぐにケリをつけてやる……」


スーレイはクリムガンを馬鹿にする。
クリムガンが顎を引いてスーレイを睨むといきなりもの凄い勢いで走り出した。
赤い頭を持った竜は目を光らせ、岩竜に襲いかかる。彼は大剣で風を斬り、正面に振り落とす。


互の剣が金切り声を上げる。聖なる剣と邪悪な剣が激しく触れ合う。
岩竜は彼の攻撃を片手で軽々と受け止めた。

スーレイは剣を右に払うと片手剣でクリムガンの喉を突く!
彼の剣先は怒りと悲しみが込められている。
彼の突きは、鋭い風切り音を生み出した。

「おおっと!危ねぇ、危ねぇ!クッ……昔の突きとは嘘みたいだぜ!!」

現在のスーレイは斬り攻撃よりも突き攻撃の方が得意なのである。手をぶらさず相手の急所を確実に狙うことができるのだ。
この突きは彼の影の努力が生み出したもの。彼は毎日怠らず剣を磨き、剣を知り尽くそうとしていた。
今の彼は相手に一瞬の隙も与えない兵(つわもの)なのだ。

クリムガンはスーレイの攻撃をギリギリかわすと、大剣を横に大きく振る。
彼の狂気な声と風を切る音が重なり合う……
悪魔の剣はスーレイを殺そうとする。


「遅い!」

スーレイは2足を使い、床を蹴り、横振りをかわす。
彼は急所を狙い付ける。そして彼の頭に“乱れ突き”を繰り出す。


「フン!」


「!?は、速い!」


クルムガンはスーレイの10連突きを大剣を横にして受け止めた。
クリムガンは彼の迅速突きに目を丸くする。
彼の突く速さは2秒……目にも止まらぬ速さだ。
しかしスーレイの得意技はこんなものではない。彼はまだお遊びに過ぎないのだ。


「こんな攻撃も簡単に受け止められないのか。随分と差が開いたものだな」


スーレイは冷たい言葉を言い放つ。
昔の弱いスーレイはもういない。過去の勝負は二人共血を浴びてスーレイの勝ちだったが、今の彼はクリムガンを敵として見ていない。
全てをそうさせたのは父なのだ。スーレイは父を誰よりも尊敬していたのだ。
しかし殺された……クリムガンによって……

クリムガンは悔しそうな顔をする。
すぐにスーレイから離れて、態勢を整える。


「く……なんだ……この桁違いの強さは……!?俺様の攻撃が通用しねぇ!」


スーレイは剣をギラリと光らせる。瞳も剣に劣らず鋭い視線を放っている。
彼は私流の構えで相手を威圧すると、死の警告をする。


「俺は急いでいる……お前と遊んでいる時間などない。最後の警告だ。この国から出ていけ。今回だけは見逃してやる……」


「ふ、ふざけるな!俺様はお前を殺してこの国でめでたく暮らすんだ!!死ぬのはお前の方だ!!!」


クリムガンは彼の忠告を無視し、大剣を使って乱切りを繰り出す。
風を切る音もさっきと比にならない。彼の「殺」の思いが大剣そのものに伝わっている。

邪悪な殺人鬼がスーレイに向かって勢いよく突進してくる!
スーレイは腰を更に落とし、瞳を閉じる。
彼は心技体を胸に刻み、剣を自分の体の一部だと意識する。
彼は抜き技態勢に入った。


「死ねー!!」


クリムガンは目を充血させ、スーレイをやつ切りにしようとする。
カイリューは手を口元に当てて震えている。
恐らく彼女はスーレイが死ぬのを恐れているのだろう。
しかしスーレイは鋼の如く、気持ちの乱れを許さない。


大剣がスーレイの目の前にきた。
その瞬間、彼は竜の眼差しでクリムガンを睨みつける。
彼の強い意志は片手剣の剣先まで伝わり、迅速で剣を振り上げる。


「な!?そんな……俺様の剣が……!!」


大剣は宙を舞った。大剣は扇風機のように回転し、もの凄い音をたてる。
大剣が地面に突き刺さると同時に、クリムガンはそのまま床に尻餅をついてしまった。
彼の瞳は……恐怖でいっぱいである。スーレイはその隙を見逃さなかった。
彼は剣先を邪悪な竜の喉につける。


「最期の忠告だ……さっさとこの場を去れ……いいな?」


「は……ああ……うぐ……」


スーレイの殺の意が剣先を伝ってゆく。
クリムガンは彼の殺気に覆い被され、言葉を失ってしまった。
圧倒的な剣の腕……彼は自分の復讐が無意味だと認めざるを負えなかった。


「わ、分かった!だから殺さないでくれ!女性達もちゃんと牢屋から開放する!約束だ!」


「……いいだろう……」


スーレイは彼に生きるチャンスを与える。
彼は心が広い……彼は人を殺したくないのだ。剣を鍛えているのは大切な者を守るためでもあるのだ。

クリムガンはついに泣きながらスーレイの場を去っていった。
薄気味悪い風は彼を避け、風そのものが衰える……

カイリューはその姿を見て体全体が硬直している。
スーレイは剣を床に刺し、勝利を収める。彼は自分の剣に感謝の意を伝える。
彼の血瞳は、元の赤い眼差しへと変わっていくのであった。




「くっ……覚えておけよ……俺様はどんな手を使ってでもお前を殺すからな……けへ……げへへへへ」


一匹のポケモンは影を作ってスーレイ達の様子を見ていた。
そのポケモンはクリムガンだ。
彼は爪を噛みながら、スーレイの羽ばたきをもの凄い顔で見ていた。

「俺様は何も変わりはしない……」



  …………


「ふう……カイリューさん、もう大丈夫だ」


俺の集中が切れると軽い気持ちでカイリューに話しかける。
俺がいつもの笑顔を見せると、彼女は直ぐに俺のそばによってきた。
彼女は俺の勝利を見て喜んでいるようだ。


「すごい……!あのクリムガンを軽々と追い払うなんて……!あなたってもの凄く強いのね!昨日のあなたとは大違い……見直したわ!」


「いやぁ~~あっはっは~~それ程でも~~♪……じゃない!あ、ありがとう///……お前こそ……どうしたんだ?急に女っぽい口調になりやがって?熱でもあるのか?」


「うるさいわね!どう喋ろうと私の勝手でしょう!?……そんなことより……女王様を……お願いします……!」


そうだ!すっかり忘れていた!女王は恐らくまだ戦っているんだ。
やべぇやべぇ!こうしちゃいられない!


「分かった。女王は必ず連れて帰る。任せておけ」


俺は真剣な表情でカイリューにここに居るようにと指示する。
しかし突然彼女は俺に「待て」と合図してきた。

彼女は3分ほど城の中に入って、何かをとってきた。
とってきたのはどうやら薬のようだ。この薬はかなり苦いと言われている復活草や力の根っこなどを組み合わせたVinland特有の秘伝の薬だそうだ。
彼女は俺に説明しながらこの薬を手渡しした。


「もしものことの為に……この薬を持っていってください」


俺は頷いて秘伝の薬を受け取った。
そしてすぐに双翼を羽ばたかせ、もの凄いスピードで南側を目指す。
彼女は俺の後ろ姿を暖かく見守っていた……


「スーレイ……あんただけが頼りだよ……」


  …………


「はあ……はあ……うぬ……」


3頭の竜の激戦は膜を閉じようとしていた。
2匹の悪魔は悦に満ちた表情を浮かべていた。
それとは反対にボーマンダは傷だらけで今にも倒れそうだ。

女王ももう限界のようだ。瞳をギュッと閉じて歯を食いしばっている。
しかし誇り高き雌竜は弱音を吐かない。彼女には自分よりも大切なたくさんの住民達がいるのだ。


「へへ……もう嘘はやめろよ。お前に勝ち目はない。俺達は影で鍛えられた兵なのだ。俺たちは天才学者だ。ポケモンがどのようにすれば強く育つのかも知り尽くしている。俺達は強者になる最短のルートを見つけた。そして今、「最強」という文字を手に入れたのだ!他方のチャンピオンのポケモンよりも俺たちの方がずっと強い。素直に諦めろよ。お前は……俺達の女だ!!」


「(ぐぬ……流石にこやつら2匹を相手にするのはきつい……。我は……こんな雄共に負けるのか?我はこやつらの奴隷となるのか?我は……勝てないのか?)」


いつの間にか彼女は勝と負の狭間を彷徨っていた。勝つ気満々だった彼女も弱気になってきたようだ。
彼女の攻撃は食らっているのにもかかわらず、2人は平気で立っているのだ。無理もない。
しかし実際はそうではないのだ。彼らだってきちんとダメージを受けている。しかしサザンドラは常に回復アイテムを身につけている。彼女がサザンドラを攻撃しようとしても、今度はガブリアスがおとりとなって攻撃してくるのだ。

サザンドラを攻撃すればガブリアスの攻撃がくる……ガブリアスを攻撃したらサザンドラの攻撃がくる。そして体力が減ったらアイテムを使う……この繰り返しなのだ。
彼らは交互に回復しているが彼女の体力は減る一方……。悪竜は彼女を魔の世界へと引きずり込む。


「へへ、もう戦いは終わりだ……。お前が諦めなければ、俺達は本気で竜の波動を繰り出す。いいな!?……じゃあ……質問するぜ!!」


サザンドラとガブリアスは声を揃えて質問する。


「「俺達の女になるのか死にたいのか答えろ!!」」


悪魔の声が重なった。彼らの考えは同じ……女王を自分たちのものにすることだ。
しかし荒々しい彼らは彼女を暴力で鎮圧させようとする。

女王は彼らの瞳をみた。女王は何を考えているのか、突然彼らの視線を横切り歩いてネックレスを手に取る。
彼女は瞳を優しく閉じて、自分の身体そのもののように大切にする。
2人は彼女の行動をじっくりと観察しながら、答えを期待する。

ボロボロの女王はゆっくりとバトル配置に戻る。
彼女はネックレスを手で掴み、気持ちを落ち着かせる。
そして……意を決して琢磨しい声で、自分の意思を言い放つ!


「「我は貴様らとの番は認めん!我は死を選ぼうぞ!!」」


女王は心の中で申し訳ない気持ちでいっぱいだった。何故なら負けを認めたからだ。
いくら汚い手段を選ぼうとも負けは負け……彼女は初めて敗北を認めたのだ!
しかし敗北と言っても雌としては負けていない。力で劣っても、器の大きさは彼女の方が圧倒的に上なのだ。
彼女は死を覚悟して女王最期の言葉を残した。


「なに~~~!?ならしょうがねぇ!!本気で殺すぞ!!ゴラァ!!」

「可哀想だけど俺も我慢できねぇ!!こんな物分りが悪い女、もういらねぇよ!!」


彼らの口から邪悪な息が生じる。
今の彼らは彼女を諦め、本気で殺すつもりのようだ。
彼らはもう限界だったのだ……彼らは血の気が多くちょっとしたことでもすぐに怒り出す。

彼らは女心を知らない。彼女をただの性奴隷としか見ていないのだ。彼らは雌に飽きると、その雌を手放し、新しい女へと手を伸ばすとんでもない集団なのだ。
そしてついに……彼女の言葉が彼らを「殺人兵器」へと変えたのだ!

青竜は涙を流すのをグッと堪え、自分自身を褒める。
それと当時に女王らしい誇らしき言葉を解き放つ!


「「我は住民を守ろうと努力した。我は精一杯戦った。これで死んでも、我は後悔せぬ。我は誇り高き女王なのだ!さあ、殺すのなら……殺すがいい!!!」」


「(すまぬ……住民達よ……。我はあやつらに負けを認めた……。我は未熟者だ……。だが『女王』の誇りは最期まで守り抜いた。身勝手な我の振る舞いを……許しておくれ……)」


女王の瞳から悲しみの滴が零れ落ちる。涙の雫は彼女の頬を伝わり煌めき出す。
彼女は負けた悔しさよりも、住民を守れなかった悔しさでいっぱいなのだ。
更に自分のプライドを守る為に、住民を残して死を選択したのだ。
住民達は彼女の死後、恐らく彼女に憤りを持つだろう。
「何故女王を捨てて、ここを離れて生きなかったのだ!?」……と……

ついに彼女が別れの言葉を言い残すと、全てを破壊するような光線が彼女を襲った。
その光線は悪魔2人の思いを一つにした攻撃だった。
一筋の悪なる光線は彼女の目の前まで接近する。
そして青竜を殺そうとした……


その時……!!


「「破壊光線!!」」


凛々しい声が闇世界に響き渡る!
すると七色の光が生じ、邪悪な光線を受け止める。聖なる光線と邪悪な光線は激しく乱れ合う。
2つの光線は巨大な渦を作り出し、やがて激しい爆発へと変わった。


「な、なんだ!今の攻撃は!?」


サザンドラは驚いて周りをキョロキョロする。
ガブリアスも同じで何が起こったのかよく分からないようだ。彼ら2人はまだ砂煙に包まれている。その砂煙は激しい爆発のせいで生み出されたのだ。

サザンドラは慌てて女王がいたあたりの場所へとたどり着く。
しかし女王の姿はどこにもない……。


「が、ガブリアス!女王が……消えたぞ!?」

「は!?んな馬鹿な!くそ、俺の特性は“鮫肌”で“すながくれ”じゃない!砂嵐には慣れていないんだ!」

「馬鹿野郎!このドジ!これじゃあ、女王を殺す以前に捕まえることすらできないじゃなねぇか!?」


彼らの顔は冷や汗でいっぱいだ。
彼らは已むを得ず、じっくりと砂嵐が止むのを待った。



じわじわと砂煙が引いていく……
住宅や店などが完全に破壊されているのがよく分かる。

暗い空は徐々に明るくなっていく。雲は何かに怖気ついたように太陽から離れていった。
そして輝かしい光が聖なる竜を歓迎した。


「な……なんだ!お前は!?」


破壊光線で彼女の命を救ったのは……そう……スーレイだった。
彼は攻撃後、直ちにボーマンダを避難させたのだ!
彼は爆風を自分の背中で受け止め女王を守ったのだ!
女王はスーレイに暖かく抱かれていた。



「我は……生きているのか……?」


「よう、お姫様。怪我はないか?少しばかり邪魔が入ったんで助けるのが遅くなっちまった!ゴメンな」


俺は笑顔で彼女に挨拶する。彼女は口を軽く開け俺の顔を見つめている。
彼女の美しい瞳と俺の暖かい瞳が一本の線で繋がっていく……
彼女と俺の息も優しく絡み合うように2人を熱くしていた。
女王は瞳を閉じると俺に話しかけてきた。


「スーレイ……来てくれたのだな……」

「来たんじゃなくてたまたまだよ。お前みたいな偉そうな奴、俺は興味ねぇ~よ……///」

「ふふ……本当にそうなのか?その割には顔が赤いぞ?熱でもあるのではないか?」

「な!?うるさい!俺のセリフの真似するな!」


女王はいつの間にか生命力溢れる美しい竜へと戻っていた。
俺はカイリューからもらった秘伝の薬を彼女に飲ませる。
サザンドラの返事を無視をして俺は彼女を端に寄せ、そっと寝かせる。

彼は怒っているのか、更に大声で俺に質問してきた。


「おい!ゴラァ!聞いてんのか!?コウモリ野郎!お前は一体誰なんだ!?」

「俺はスーレイ……。剣術大好きな男だ……」


俺と悪竜の会話に鮫竜が割り込んできた。彼は計画を邪魔された怒りでいっぱいである。
その証拠に歯をギシギシと音を立てている。


「剣術?どうせ剣なんて使えねぇだろう?剣の腕が凄いのは“クリムガン”ぐらいだよ。名も知られていないお前はどうせ虫けらレベルだ」


俺は返事の代わりに自信満々な表情を浮かべる。俺の名前は確かに有名というわけではない。しかし剣を持つ資格、剣に対する思いは俺の方がずっと上に決まっている。

そんなとき奴ら2人の背後から声が聞こえた。
その声には恐怖と焦りが感じ取られる。震える声を上げたのは赤い頭に青い体をもったポケモン、クリムガンであった。


「おい……二人とも、“今回”は逃げるぞ!作戦は失敗だ!新しく策を練り直すぞ!!」


クリムガンは2人に脱出宣言をする。彼の顔は青ざめており、俺の視線を気にしながら2人に戦をやめさせようとする。
ガブリアスはクリムガンの意外な反応に肝を抜かれる。


「はぁ!?お前何言っているんだ?何かの演技か?お前は俺たちと同じ『ドラゴンシティ』の強者だろう?手ごわい女王は俺達だけで十分に弱らせることができた。後はあのスーレイとかっていうふざけた野郎を殺すだけなんだ!」


「ガブリアス、よく聞け!!俺様は……そいつに負けたんだ!!俺様の剣術がちっとも通用しねぇ!今のあいつは……化け物だ!!」


その言葉が大空に響いた瞬間、女王と悪魔2人は俺をもの凄い目で見てきた!
時間が止まったかのように、皆俺に視線を向けたままだ。
女王も目を丸くし、俺の横顔を見る。
俺は邪竜達を睨めつける。俺は2匹を許せない気持ちでいっぱいだった。

ガブリアスとサザンドラは一度互を見つめあった。
小声のため何を言っているのか分からない。しかし少々戸惑っている様子が見られた。
2人の視線が外れるとサザンドラは俺を見てようやく口を開けた。


「お前……ただの者じゃないな?こんなクリムガン、初めて見たぜ……」


醜い竜は顔を黒くし、明るい要素が0となった。彼らは「殺」にスイッチが入ったようだ。
俺は彼女から離れると、暗黒に向かいうつ。女王は俺を心配そうな目で後ろ姿を見ていた。


「こいつら2人は俺様の言うことが聞けねぇのか……クズ共が……」

小声でクリムガンは仲間の愚痴を言った。
しかし2人組は話に熱中しているせいか、聞こえていなかったらしい。
クリムガンは自分の言うことが聞けない者は殺すのだ。
恐らく彼は俺を殺したあと、二人も殺すつもりだろう。
彼の性格はよく知っている。クリムガンは醜い顔をし、俺達から姿を消した。


「スーレイ!奴らは只者ではないぞ!!」


「お前は心配しすぎだ。もう少し俺を信じろよ」

「なぬ!?」


俺は彼女に笑顔を向ける。いや、笑顔というよりはニヤニヤとしたエロ顔だ。
しかし彼女は真面目な眼差しで俺を心配する。彼女は俺の内面を読み取ろうとしているのだ。


女王はもう大丈夫なのか、早くも傷が消えている。更には瞳も初対面のように美しいものとなっていた。
流石秘伝の薬だ……彼女の体も元通りになっている。
この薬は俺用に渡したかもしれないが、彼女に使わせてもらったよ。
俺にこんな薬はいらねぇ……理由は簡単簡単!
俺が負けるわけないもんな~♪


俺がそんなことを考えていると女王は体を起こす。
彼女は翼をバサバサさせ、気を入れている。
女王は直ぐに俺のもとへ来た。


「おい、お前……無理するなよ!いくら回復しても、まだ万全な状態じゃないだろ?お前雑魚いんだから、またギタンギタンにされるぞ?」

「フン……スーレイばかり良いところを見るのは我として気が好かぬ。我も戦わせてもらおう!」

「ば、バカ野郎!そんなプライド捨てろよ~?お前は見ているだけでいいんだ。あ、そうだ!腹減ったから先に城に戻って飯を作っておけよ♪お腹がぐ~ぐ~うるさいんだ」

「い~や!いかぬ!我は雄などに負けぬ!」


コイツ本当にプライド高いな……
どんだけ雄に負けるとが嫌なんだよ~?
まあそれが彼女の魅力かもしれないね。

サザンドラとガブリアスは口をぽかんと開けたままだ。
彼は俺達の会話についていけないようだ。
おまけにサザンドラは回復バッグを両頭で弄んでいる。
ガブリアスも指を咥えて待っているようだ。


「ガブリアス……あいつら……できてるな……」

「ああ……なんだあのラブストーリー……憎いぜ……」

「それに比べて俺達ってモテないよな~」

「サザンドラ!それを言うな!俺は何回も失恋しているんだ!傷つくじゃねぇか!」


サザンドラとガブリアスは俺達の事を羨ましそうに見ていた。
その眼差しは嫉妬と憎悪で満たされていた。
そんな彼らの気持ちを知らない俺は彼女と友達のように会話をする。


「まあ、いいか。そういえばまだお前の名前聞いてなかったな♪なんて言うの?」


「!?わ……我の本名だと……///わ、我の名は……」


彼女は性格に合わず、顔を赤くしている。彼女は俺の視線を外して床を見る。
戸惑っていた彼女だが、恥ずかしそうに口を開いた。


「我は……さ……サフィラだ……///」


「うわ~お前らしくねぇ名前!もっとごつい名前にしろよな!サフィラとか可愛いすぎるぜ!しかもなんだぁ~~?顔赤いぞ?熱でもあるんじゃねぇ~か?にしししし……」

「わ、我を馬鹿にするでない!顔が赤いのは……ただ疲れているだけなのだ!!///」


何も知らない俺は彼女の名前を聞き出してしまった。
心身を許す者しか名前は教えないと言っていた彼女だが、彼女は頬を赤くして本名を答えたのだ。
サフィラは俺と心を一つにして反撃を開始する!


「サザンドラ、ガブリアス……戦う用意はできているか?」


太陽のような瞳で俺は彼らを見つめる。彼らは顔を一変させ、戦闘態勢に入った。
サフィラも刺のような瞳で邪悪な雄達を睨みつける。
悪竜は俺を睨み、牙をギシギシ鳴らす。


「ああ……いつでもできているぜ……」


  …………


暗い空色は徐々に明るくなる。太陽を覆っていた黒雲も消え去っていく。
太陽はスーレイとサフィラを照らし始めた。湖は光によって宝石のようにキラキラと輝き始める。
森も美しい緑色へと変わっていっていく。


「ゆくぞ!」

スーレイの声と共に4匹の竜は一斉に動き出した。
サザンドラは“竜の波動”でスーレイを狙い、ガブリアスは“すてみタックル”でサフィラを襲う。
スーレイは同技“竜の波動”で向かい打ち、サフィラも同じ“すてみタックル”で勝負に挑んだ。



スーレイの攻撃はサザンドラと互角であった。激しい真空の渦が激しく絡み合う。中央の絡み合っている攻撃の境目はやがて爆発音を鳴らした。

「なかなかやるな!コウモリ野郎!ぎゃははは!!」

サザンドラはスーレイを馬鹿にする。彼は凶暴ポケモンだ。
彼は血を求めて戦いを楽しんでいるのだ。
悪竜は三つの頭をスーレイに向けて彼の様子を伺う。
しかしスーレイに焦りは全く見られない。スーレイは冷静に悪竜の首を絞めていく!


「なんだお前の攻撃?それが全力か?」

「!?な、へへ……心配するな……今のはたったの3割程度だ……」


サザンドラの顔は驚きを表している。彼が思った以上にスーレイは強かったのだろう。
スーレイは常に平常心を保とうと心がけている。そしてその冷静さが逆に武器となり、相手の首を締め上げるのだ。


「がは……ははははは……!!久しぶりに強い奴を見たぜ!じゃあ今度は6割程度の力で攻撃してやるよ!」


  …………


「わらわの怒りを思い知れ!」


サフィラの方は女王の底力を見せつけたのか、ガブリアスを勢いよく吹っ飛ばした!
鮫竜はスーレイ達の場から遠ざけられる……
しかし彼女はその後も彼をしつこく追い回し、だいもんじで焼き尽くすのだ。
彼女の炎はVinland怒り……女王は暴れ狂う雌竜となっている!

しかしガブリアスもそんなことでへこたれはしない。彼には強い欲望がある。
彼は彼女のだいもんじに対し、竜の波動で抵抗した。


「回復して元気になったからって調子に乗るなよ!!」


「フン……我は初めに“本気”を出さなかったのを痛感している。しかし今度はそうはいかぬぞ!今度はスーレイもいるのだ!」


こちら側でも激しい爆発が生じていた。住民の思いを背負った炎と私利私欲に走った波動が乱れ合っていた。
ガブリアスは彼女がさっきよりも強くなっていると感じているようだ。彼の顔にも初めて焦りが現れた。

彼女を強くしたのは間違いなくスーレイだ。彼が助けに来てくれたおかげで彼女はガブリアスだけに集中できるのだ。
彼女の自尊心はスーレイのように強い。彼女はスーレイに“本名”を教えたという裏の恥をかいているのだ。
彼女は初めて本名を知った雄と共に戦っている。彼女に敗北は許されない。
サフィラはスーレイという素晴らしいライバルを見つけたのだ。

彼女の強さはずば抜けている上にメンタルも強い。
1VS2の戦いでは敗北だった彼女も1VS1のバトルなら話は別……
更にサザンドラはスーレイと戦っているためにガブリアスは回復する余裕がないのだ。


「フッ……1VS1となれば大したことはないな。つまらぬ雄だ」
「う、うるせぇ!俺はまだ本気じゃねぇぞ!」


  …………


いつの間にか4匹は1VS1バトルに集中しているせいか、二手に分かれてしまった。
スーレイはサザンドラをしつこく追い回し、中央から南側まで来てしまった。
サフィラの方もサザンドラはスーレイに任せているようで、ガブリアス1匹に集中していた。彼女は北側で鮫竜と一騎打ちの展開となっていた。



南側ではスーレイとサザンドラの戦いが続いている。周りは二人の激しい戦いのせいで、一部荒地となっている。
岩竜スーレイは彼の竜の波動を同技で受け止め、サザンドラの様子を伺っていた。
サザンドラはスーレイが力を抜いて勝負しているのが気に食わず、暴言ばかりを吐いている。
悪竜は三つの口を岩竜に向け、再び竜の波動を繰り出そうとしていた。


「また特殊攻撃か……。物理技は使えないのか?」


「黙れ!雑魚が!お前こそなぜ同技ばかりで俺を倒そうとするんだ!?馬鹿じゃねぇのか?」

「簡単な話、俺は本当に強い奴にしか本気は出さないんだ。俺からしたらお前はクズレベル……」


サザンドラは冷静沈着な岩竜を憎たらしい顔で睨めつける。
彼はやはりスーレイのクールな感じが気に食わないようだ。
「本当に強い奴だけしか本気にしない」という相手を侮辱する言葉で、サザンドラのプライドは圧し折れる。

「いい加減に本気で来いよ!!いつまで格好つけているんだ!俺は最強なドラゴンポケモンだぜぇ!」

「だからお前は弱いんだよ……。お前はサフィラ……いや、ここにいる住民誰一人勝てはしないよ」

スーレイの言葉を聞いた途端、悪竜は三つの口を開けて大笑いし始めた。
彼の邪悪な笑い声がVinlandに響き渡る……
サザンドラはスーレイに牙を向ける。

「意味わかんねぇことばっかいうんじゃねぇよ!!俺はここの雄住民をボコボコにしたんだぜ!?俺のどこが奴らより劣っているんだよ!?」

「懐だよ。お前の器には水一滴も入りはしない……」

「くそが!!今度は8割程度で」

「自惚れるな。全力で来い」

「が……もう……もう許せねぇ!!パワー全開だぁあああ!!俺の本気を見せてやる!!!」


  …………


「くっ……なんだ……さっきよりも桁違いに強いぜ!」


北側ではサフィラとガブリアスの戦いが繰り広げられていた。
鮫竜は体中傷を負っているようだ。ガブリアスの体力はすでに半分を切っていた。


「辛くなってきたぜ……サザンドラ、回復を……は!?」


鮫竜は焦って周りをみて悪竜をさがす。しかし彼は二人だけとなっていたことに気が付く。
ガブリアスは体力がなくなるとすぐにサザンドラのバッグに頼っていたのだ。
しかし今は自分一人だけ……仲間は誰一人いないのだ!


「ふふ……今頃になって気が付いたのか?我は貴様の回復を封じるために貴様をサザンドラから突き放したのだ。今は我と貴様だけの空間だ……」

「くっ!!」

「更にその様子だとお前は回復道具ばっかりに頼る情けない雄のようだな。お前には物に頼らず雄らしい戦をする気はないのか?ふふ……まあいい……住民達を傷つけた分、我がたっぷりと可愛がってやる……!」


サフィラは美貌に「殺」を入れる。彼女の顔は美しくも邪悪な顔となっていた。
しかしこの殺意は住民への愛。彼女は住民を傷つけられ我を忘れているのだ。


「くそ!お前みたいな可愛くねぇ女、ぶっ殺してやる!」


ガブリアスはついに本気となり、怒りのドラゴンダイブを繰り出してきた。
竜の威圧と共に彼は目を充血させ、堂々と直進してきた。


  …………


「は……なんだ……この異様な強さは!?俺の攻撃が……効かねぇ!?」


サザンドラは下を向いて息をはあはあさせていた。
彼は何度も空中で“竜の波動”“悪の波動”“だいもんじ”を放ったのだ。
しかしスーレイは全て竜の波動で受け止めるのだ。
おまけに彼の攻撃の後、隙を見つけて背中に“噛み砕く”でダメージを与えているのだ。
いまひとつの技ではあるが徐々にサザンドラの体力は削られていく。
彼は背中の痛みを我慢してスーレイを消そうとするが、攻撃はすぐ失敗に終わるのだ。


「もう時間の無駄だ。弱い……弱すぎるぜ……!」


スーレイの瞳が血の色となった。
サザンドラも彼の初めての「殺」の表情を見て恐怖感を覚えてしまったようだ。
彼の口元はブルブル震え、歯音をがちがち力なく鳴らしている。
左右の頭も、頭自身が震えている……
サザンドラは焦ってポーチの中を漁った!


「……やばい!早く……回復しないと!!」


しかし彼の行動はすぐに中止となる。彼はスーレイを恐れて、彼を一瞬見たのだ。
彼は“怖い顔”をしていて無言で言葉を伝えてきた。
「変な真似をすれば……殺すぞ……」と……

勇敢なる雄は双翼を大きく見せ、サザンドラの心に棘を打つ。


「最期の忠告だ……。死にたくないなら……すぐにこの町から出ていけ……。これは脅しじゃない……」


「はあ……ああ……うぐ……」


サザンドラは完全に言葉を失っていしまった。彼はポーチを床に落として地面にふわふわと舞い降りる。
彼は完全に敗北を認めているようだ。彼は地面を見て怯えている。

スーレイも羽ばたくのをやめ、地面に足をつける。
スーレイは悪竜に近づき、彼と目を合わせ、サザンドラの様子を見る。
サザンドラは頭を下げてスーレイに降伏した!

「お……俺の負けだ……。すぐにここを離れるから殺さないでくれ!!」

スーレイは彼の顔を真剣に見つめる。
サザンドラは彼に怯え、少し顔を遠ざける。

スーレイの懐は大きい。
彼はサザンドラに「生」の言葉を与える。

「……いいだろう……。しかし次に変な真似をしたら、本気で殺す!!いいな?」

「は……はい!!分かりました!!」

悪竜の野望はスーレイによって破壊された。
サザンドラは頭を下げたままで彼の顔を見ない……
いや、見れないのだ!あまりの怖さで……
スーレイは鼻で笑い、その場を離れようとした。


しかしその時!!


「このクソ野郎!!俺は……お前を許さねぇ!!ぶっ殺してやる!!!」


サザンドラは再びスーレイに牙を向けた!
彼は諦めていなかったのだ。サザンドラは目を真っ赤にし、怒り狂っている!
彼は本当の凶暴ポケモンへとなったのだ。
サザンドラは3つの頭の思いを一つにし、怒りの“破壊光線”を繰り出した!

「これで……お前も終わりだぁああ!!」

「!?」

スーレイはいきなりの反撃で目を丸くする。
それは当然だ。サザンドラが反撃をするなんて彼は到底思っていなかったのだろう。

3つの口から吐き出された光線がスーレイを破滅へと導く。
サザンドラの怒りはスーレイを吹き飛ばす!
スーレイは破壊光線を見事に食らってしまった。


「ぎゃはははは!!!どんなもんだ!こんなところでくたばる俺様じゃねぇぜ!!」


激しい光線が建物を貫き大きな砂嵐を発生させる。
サザンドラは砂煙の外で勝利の笑い声を上げていた。6つの瞳は弧を描き、万篇な笑みを浮かべている。
彼の破壊光線は最後の切り札……破壊力も並程度ではない。


闇の思いを背負う悪竜はスーレイの死体を探そうと砂煙に近づこうとする。
しかし……彼は立ち止まる……
彼は何かを感じたようだ。彼は後ろから大きな怪物に見られている感じがしたのだ。


「なんだよ……この……薄気味悪い殺気は!?」


砂煙の中からサザンドラは一歩二歩下がっていった。
彼は息をはあはあさせ、酸素を取り入れる。
そして彼の首を絞めていた原因が今明らかとなった。


砂煙の正面から一匹の竜が姿を現したのだ!
その竜は上目遣いで赤目を光らせ、サザンドラに近づいて来た。
サザンドラの喉は潰れ、言葉を失っていた……


「は……な……なぜ……だ……!?」


彼の前に姿を現したのはスーレイである。
彼は優しさを0にし獲物を見つめる……
サザンドラは蛇に睨まれたカエルとなってしまった。

「馬鹿な!!お前は……何者だ!?」


スーレイの顔は傷ができており、血の滴が頬をなぞっていた。
彼は無表情で小さくなった竜を見つめ、牙をぎらりと光らせる。


「お前……相当なクズだな……」


スーレイはそう言うと、金縛りを受けた竜に接近する。
彼は攻撃力と素早さが高いポケモンだ。それにもかかわらず物理技を使っていない。
スーレイはとうとう物理技を繰り出す準備をする。
尻尾を剣のようにし、狙いを定める。彼は技の当たり所を探しているようだ。

そしてついに……!
スーレイは目にも止まらぬ速さでサザンドラに突進した!


「は、速い!!ちょ、待て!!やっぱり俺が悪かった!!」


スーレイは彼の言葉を水に流し、体を横回転させる。
更に牙を光らせ連続技の準備をする。
彼は得意のアイアンテールを繰り出した!


「ぐはっ!!」


悪竜の腹に鉄の棒が直撃した。
全てを破壊するスーレイの尻尾はサザンドラを許さない!
痛々しい声を上げた彼は吐血し、真上に吹き飛ばされてしまった。

スーレイのアイアンテールは彼の狙い通り、サザンドラを真上に上げることに成功した。
スーレイは横回転して攻撃を繰り出すと同時に、尻尾を下から上に向かって振り上げたのだ。

スーレイはすぐに吹き飛ばされた彼に向かって破壊光線を放った!
サザンドラは雄叫びを上げ、天に押し出されてしまった。
そして悪竜はスーレイの視界から消えていった。



スーレイは感情を元に戻す。
瞳も血の色を薄くし、わんぱくな彼へと戻っていくのであった。


  …………


「は……離せ!!」


北側でも勝負が見えていた。鮫竜は青竜に押し倒されている……
体中ボロボロになったガブリアスは彼女の腹の下で踠き苦しんでいた。
美しい女王は情けない雄の上に乗り、怪しい微笑みを浮かべていた。


「ふふ……情けない姿だな……。いくら泣き叫んでも誰も助けには来ぬ……」


鮫竜を拘束したサフィラは軽く体を浮かせるとのしかかりを繰り出す。
彼女の体重は約100 キロ……その重みがガブリアスを襲った。


「ぐあああ!!」


彼女は彼の苦しむ様子を見てニヤニヤしている。
彼女は美貌を鮫竜に近づけ甘く囁く……
ガブリアスは彼女の顔を近距離で見たため、雄叫びと共に顔は赤面する。


「我に虐められるのは最高か?もうこの国に手を出さぬと約束するのなら、開放してやろう。我に痛めつけられたいのなら別の話ではあるがな……」


鮫竜の体力はもうほんのわずかであった。彼は必死でもがこうとするがそれも無意味……
彼女から逃れることはできないのだ!
彼はついに涙を流してしまった。女王は哀れな雄を鋭い眼差しで見つめる。
鮫竜は泣き言を言い漏らした。


「もう絶対に……この国には手を出さねぇから……離してくれ!」


そう言うとサフィラはガブリアスの喉をがぶりと噛み付いた。
鮫竜は痛々しい声を上げると女王は彼の耳元で優しく囁いた。

「それが人に物を頼む態度か?可愛い雄よ……」

「くっ!」


ガブリアスのプライドはズタズタだった。
アイテムに頼る彼でも流石に雌に負けたくない自尊心はある。
彼は負けを認めざるを得なかった……
ガブリアスはついに大泣きで女王にお願いをする。

「どうかお許し下さい!!もう二度とこのような真似はしません!!お願いします!!」


……女王は体をそっと退けた……
サフィラは優しいのだ……。彼女は流石に可哀想だと思い彼を許した。
彼女は美しい眼差しでガブリアスに問いかける。

「ここにいる住民全員に頭を下げろ……いいな?」

「は、はい!!もも、勿論そうします!」


ガブリアスは泣きながら住民達を探していくのであった。


  …………


「お前……優しいんだな……」


完全に太陽は雲から顔を出した。
穏やかな風が周りを包み込み、空気が気持ち良い。

南側では勝負がついていた。
サザンドラは仰向けでぐったりと寝そべっている。
俺はサザンドラを見て心配する。いくら悪人でも、人が死ぬのは心が痛むのだ。

ポケモンは何かの役割があって生まれてくる。
俺は彼の命は無駄にしたくないと考えていた。


「サザンドラ……なぜ、俺が優しいと思うんだ?」

「ふふ……とぼけるなよ……。お前はわざと俺に“殺す”と言いながらも急所を外しやがった。攻撃もわざといまひとつの噛み砕くしか使わなかった……俺は戦って分かったよ。お前はプロだ……お前は初めから俺を殺すつもりはなかったんだろう……?」


サザンドラ……
そうだ……その通りだ……
俺は初めからお前を殺すつもりはなかったよ。


俺は彼がそう言うと飲食店の中から水を探し始めた。
幸運なことにすぐにペットボトルに入った水とコップを見つけることができた。
俺はこれらを持っていくと、サザンドラの下へ戻った。俺はコップに水をいれ彼に手渡しした。


「ほら、飲めよ」

「うぐ……く……」


サザンドラは涙を流していた。彼から凶暴という二文字は完全に消え去っていた。
彼の涙は綺麗に輝きながら地面へ消えていく……
サザンドラに俺の優しさが伝わったようだ。


「ありがとう……。お前はなんて心が広いんだ……」


へへ……お前よくわかっているじゃねぇか!
お前……本当に悪い奴なのか!?


「気にするなよ♪さあ、女王とガブリアスの戦いも止めにいこう。これで全て解決だ!」


俺はサザンドラの体を起こそうとする。しかし三つの頭は俺の行動を振り払う。
彼は「いやいや、自分で立てる」と無言で表し、俺を気遣ってくれた。
俺達は北側を目指して歩んでいった。


  …………


「はぁ!?どうなっちゃてるの!?」


俺は思わぬ光景に出くわして頭の中が「?」となる。
北側を目指しているとたくさんの住民たちがどんどん出てきているのだ。
町は賑やかな風景へとなっていた。

更に一番驚くのはガブリアスだ!
彼は住民に土下座し、涙を流しているのだ。
しかし住民は彼を許してくれない……


俺はしばらくガブリアスの様子を遠くから伺う。
彼からは悪の要素が消え去っており、欲深さが感じられない。
サザンドラは彼を心配しているようだ。


まさかコイツも……
サフィラに負けて、反省しているんだな……
でも住民達に虐められているばっかりだ。


俺は彼を見てすぐに察しがついた。彼は女王に負け、住民達に謝罪するよう言われたのだろう。
彼は体中ボロボロだ……見ているだけで痛くなる。


サザンドラもガブリアスも重罪で死刑確実だ。
しかし彼らにとって頭を下げるのは、重罪よりも重い屈辱的な裁きである。
彼らは強くて欲望も大きい。しかしその奸計を引き裂かれた挙句、羞恥心を酷くかいているのだ。
今のガブリアスの心は住民以上にズタズタであろう。


もぉ~~見てらんねぇ!
よ~し!ここは俺の出番だ♪


「おい、ガブリアス!もう反省したのか?」


彼は俺の顔を見た瞬間、すぐに深く頭を下げた。
町の住民も俺の存在に気がついた。彼らは俺に向かって全員が土下座してきた。
俺の周りは雄住民に囲まれた。

「スーレイさん、カイリューさんから全てお聞きしました!!あなたはなんというお強いお方なのだ……感謝しています!」

「スーレイ様!私は始めあなた様を侮っていました!お許し下さい!」

「おお、ヴィンランドを救った命の恩人様だ!あなた様は我々のヒーローです!」


……なんでこうなるの?
いくらなんでも住民達変わりすぎでしょ!?
皆大げさだな……
でも……なんか照れるな///えへへ……///


俺が照れていると雄住民はサザンドラの存在に気がついた。
彼らはサザンドラを非難し、彼に愚痴を言いまくる!
サザンドラは流石に心が痛むのか、顔の表情はしゅわくちゃになっている。
サザンドラはガブリアスのそばへ寄った。

「ガブリアス……お前も……負けたんだな……?」

「ああ……見事に敗北だよ……。うう……ぐ……」


彼らは悲しそうに会話をする。
しかしこれは仕方がないこと……彼らは住民を無差別に攻撃しているのだ。
俺はサザンドラに軽罪を与えたのに対して、女王はガブリアスに重罪を与えたのだろう……
これは俺とサフィラとの意識の違い……差別があってもしょうがない。
しかし俺はこれ以上こいつらに傷を入れたくない……
傷を入れられる者は当然痛い思いをするが、傷を入れる方もいい思いではないのだ。


  …………


しばらくこの時間が続いた。
雄達は俺を神扱いし、悪魔だった2人組をゴミ扱いする。
サザンドラもガブリアスの心情を理解したようで、共に住民に頭を下げ、共に愚痴を聞いていた。
ガブリアスもサザンドラに申し訳ない気持ちでいっぱいだ。
彼はサザンドラの罪も背負ってまで謝ろうとする。
彼らは完全に無力な存在へと進化したのだ。
俺は彼らに初めて「愛」があることを知った。


「貴様ら2人……己のしようとしたことが如何に残酷なものか、分かったのか?」


俺達の前にいきなり青竜が姿を現した。
彼女は初対面のように凛々しく、立派な女王の姿へと戻っている。
女王の無事な姿を見た雄住民は目を輝かせて、彼女の瞳を見つめる。
彼女は暖かい視線をわざと受け流し、冷たい視線を返す。


女王はちっぽけな2人組の前に堂々と立つ。
サザンドラとガブリアスは女王に申し訳なさそうに頭を下げる。
そんな二人の鈍痛を知っているのか知らないのか分からないが、女王は鋭い視線を向ける。
俺はその様子をじっくりと伺うことにした。



しばらくサフィラと悪人による沈黙が続いた。
住民は彼らにどんな罪を与えるのかを考えているに違いない。
しかし住民も少しの察しはついている……あれだけの重い罪を犯しているのだ。
長い長い沈黙の中で、ついに女王の口が開いた。


「貴様ら……もう十分反省しているのだな?」


サザンドラとガブリアスは何度も頭を縦に振る。
住民は彼らの行動をじっくりと観察する。

女王はため息をつく。すると表情を180度回転させた。

「……其方達……もう、同じ罪を犯すでないぞ?……其方達は住民の怒り、命の尊さを十分知ったに違いないだろう?我は……其方達に生きるチャンスを与えよう」


「!?」

住民は皆、目を丸くした!住民達は冷静さを保てなくなり、口々に騒ぎ出す。
彼らには「死刑」という言葉しか頭の中になかったのだ。
女王は力強い口調に戻り住民達を黙らせる!


「皆の者!黙らぬか!!」


住民達の時間が停止した。女王は優しく彼らに語り告げる。


「よいか?こやつら2人はもう、十分に罪を受けておる……。こやつらの顔を見てみるがいい。こやつらの表情はお前たちに申し訳ない気持ちでいっぱいなのだぞ?こやつらは今後の人生で光を浴びるに違いない……。我は命の尊さを教えてもらったのだ……ある者に……。我の身はもう大丈夫だ。心配いらぬ」


住民はサフィラの話を真剣に聞く。
雄達は女王の瞳を見て、彼女の気持ちを理解する。


実際問題、幸運なことに死人は出なかった。
深い傷を持った者も少しはいたが、命に別状はないそうだ。


住民は彼女の表情を暖かく見つめていた。彼らに女王の心が伝わったのだ。
彼らは、女王は表では冷たくても裏では優しくて仲間思いなことを知っている。
その為住民はすぐに女王の判断を受け入れてしまうのだ。
2人組も彼女の寛大な心に、涙を流し自分の過ちを後悔しているようだ。
ヴィンランドを襲った2人は姿に似合わず、ついに子供のように泣き出した。


「さあ、皆の者よ!ヴィンランドを立て直すぞ!前と変わらぬ同じ設計でな。しかし今度は、雌雄を混ぜて男女の交流を深めていきたいと思おうぞ!我はこの国と共にこれからも生きてゆく!!」


力強くも生き生きとした女王の声が響くと、住民達は熱い声を上げた。
その声は嬉しさに生命力を感じる、暖かいものだった。
女王も口もとを上げ、冷静に彼らの無事を祝福する。サフィラは俺の方を見て心で伝えてきた。

「(スーレイ……これでよいのだろう?)」


うっひょ~~~サフィラの奴、分かってるじゃねぇか♪
流石女王様だ!
性格は可愛くねぇけどよ!!


   …………


日は沈み穏やかな夜が訪れた。
サザンドラとガブリアスの話は解決し、町中はお祭りのように盛り上がっていた。
住民はスーレイのこと、悪魔二人の反省のことを話題にしていた。
彼らは笑顔で楽しく町を立て直していた。彼らは雌雄を交えて自由に北南を行き帰りできるようになっていたのだ。


そんな中、俺とサザンドラとガブリアスは女王の食堂に呼ばれていた。テーブルは7人用で豪華である。
シャンデリアに美しい窓ガラスが俺たちを暖かく囲んでいる。

サフィラの夕食に呼ばれたのは以下の6名である。
また、名前の並びが席の位置を指定している。


    サフィラ♀
スーレイ♂   カイリュー♀
サザンドラ♂  フライゴン♀
ガブリアス♂  アーケオス♀




食卓に着席した俺達は楽しい雰囲気に包まれ、様々な会話をしていた。
女王はまだいないが、とても賑やかである。
サザンドラとガブリアスも町の住民のように笑顔で会話をする。
彼らはもうヴィンランドの仲間なのだ。


「流石スーレイさんですね!女王様を助けてくださってありがとうございます!」

「ん、ああ、どうも///」

カイリューは俺にお礼を言う。俺は顔を赤くして会話になっていない返事をする。
俺は照れ隠しするために話題を変える。

「そんなことよりもコイツな、俺に“かかってこい!雑魚が!”とか言ってカッコ悪く負けたんだぜ~♪」

俺は隣の席にいるサザンドラの頭を押さえつける。
俺は彼の頭をグリグリさせる。
サザンドラの顔は、マジックで横棒二本を引いたような表情となっている。

「う、うるせぇ!今日は調子が悪かったんだ///」

サザンドラは必死に言い訳をする。
その様子を見てガブリアスは笑って更に彼を虐める。


「嘘つくなって!回復アイテムばっか使っていた変態ポケモン、サザンドラさんよ~!」


「な、お前人のこと言えないだろうが!お前なんか“疲れた~サザンドラ、体力を回復してくれ!”って泣き叫んでいたよな~?」

「く、うるせぇな!!あ、そういえばお前……誰もいないところで“パペット・マペット”していたよな~?ギャハハハハ!!」

パペットマペットとは、ウシとカエルの動物2匹を使って遊ぶものだ。
人形のような手袋を両手にはめ、一人二役を演じるのだ。サザンドラは左右の頭を使って一人芝居をしていたらしい。
無論、それを知られたサザンドラは一気に顔が赤くなる!

「な……なんで知っているんだよ!!」

その様子をみたアーケオスはゲラゲラと笑い出す。

「ダーハッハッハ!!今の歳になってパペット・マペット!!可愛い雄だね~~!!」

「ちょっとアーケオス、あんた雌なんだからもっと上品に笑いなさいよ!」

乙女チックなフライゴンはアーケオスを注意する。
このアーケオスの笑い方は完全に雄だ……
カイリューもクスクス笑って俺に話しかける。

「ところでさ、話変わるけどスーレイって……女王様と“何か”したの?」

「はぁ?“何か”ってなんだよ?」

俺は何も分からなかった。しかしカイリューと一部の顔はやけにニヤけている。
彼女は俺に何を伝えたいのだろうか?
俺が深く考えているとガブリアスは閃いたようだ。彼は顔を赤くする。

「わかったぜ……俺達が始めしようとしていたことだ……」

「おい、ガブリアス!分かっても言うんじゃねぇよ。聞いている俺達が恥ずかしくなっちまうだろう?」

サザンドラはガブリアスに注意をする。
フライゴンとアーケオスはまだ思いつかないようだ。
彼女達は一生懸命考えている。
そしてついに、一匹の始祖鳥は何かを思いついたようだ!

「ああ~~!!分かった!!エッチでしょ~~!?」

「ちょ、アーケオス!!分かっていても声に出してはいけません!!」

フライゴンは顔を赤くして彼女を注意する。
サザンドラとガブリアスも「ぶー!」と吹き出してしまった。
質問の意味を理解した俺は直ぐに頭が真っ白になる。俺の顔は100℃になった!

「ば、バカ野郎!!なんで俺があんな偉そうなあいつを好きになるんだよ!///」

「だって顔に書いているんだもの!それに……あなたは女王様を助けたわ。女王様は今まであなたのような強い人に会っていない……。ひょっとしたら女王様はあなたのことが」

「それ以上言うな!!俺の好みはロリ娘なんだよ!……あっ……」

俺はとっさに自分の好みを言ってしまった。
周りの顔は一気にニヤける……。俺の顔はついに300℃を越してしまった!

「お前ロリ娘が好きなのか!?お前結構Sだろ?」

ガブリアスが俺にちょっかいを出してきた。
俺はもう何もいうことができなかった。俺は恥ずかしい気持ちでいっぱいなのだ。
サザンドラはゲラゲラ笑いながら俺に仕返しをしてくる。

「Sなのか?俺と同じゃねぇか!あの幼い感じが最高だよな!!……でもな……ここだけの話……ガブリアスって隠れドMなんだぜ!!にしししし……♪」

「サザンドラ!!俺はそんな奴じゃねぇよ!!変なこと言うな!///」

女たちは俺達の会話を聞いてクスクス笑い出す。
約一名は……うるさいが……
2人の女は口を手で隠し、顔を赤くする。

「ダーハッハッハ♪ガブリアス、お前ドMなのか!?じゃあ、あたしがちんこ舐めてやるよ!ギャハハハハ♪」

「アーケオス!!いい加減にしなさい!!」


赤面したフライゴンがアーケオスを注意すると、女王が俺達の部屋に現れた。
女王はいつもよりも美しく見える。
ブレスレットも頭の飾りもキラキラと輝いている。ネックレスは彼女のお気に入りのようで、大切につけている。
その姿を見たガブリアスは鼻血を出して気絶してしまった!

サザンドラは笑いながらガブリアスを注意する。

「お前、そんなんで気絶していたらAVなんか見れないぜぇ?しかもお前SM動画好きなんだろう?さあ、起きるぞ!」


  …………


ようやく全員が落ち着いた……
食卓の上にはスパゲティやピザなどのイタリアン料理がたくさん並べてあった。
女王は自分の席につく。女王も冷たい表情にもかかわらず嬉しそうだ。


「其方達……昨日と今日は色々と大変であったな。でも我は嬉しい気持ちでいっぱいだ。其方達の笑い声は外まで聞こえたぞ。サザンドラにガブリアスも、今日あったことは全部水に流して食事を楽しむがよい。では皆の者、グラスを持つように」


女王の合図と共に部下達が部屋に入室してきた。部下達は俺達のグラスにビールを丁寧に注いだ。
部下達がお辞儀をし、丁寧に挨拶をすると女王は笑顔で乾杯の号令をかける。

「では早速……かんぱ~い!!」

「「かんぱ~い!!」」

ジョッキの響きが俺達の心を弾ませる。俺達はすぐに賑やかな雰囲気に戻った。
俺は即、スパゲティとハンバーグを自分の更に移して独り占めする。
空腹な俺は無我夢中で料理に食らいついた。


  …………


賑やかなパーティが2時間程続いた。
皆の顔は赤くなり、ギャーギャー叫んでいた。

「スーレイ、我にビールを注いでくれぬか?」

「おい、お前飲みすぎだぞ!?もうこれでジョッキ20杯目だぜ!?」

女王の顔は真っ赤になっている。しかし瞳は鋭く、だらけている感じは一切見られない。
俺は彼女を心配しながらビールを注ぐ。彼女は嬉しそうに一気にごくごくと飲む。

「ぷは~~其方が注いだビールは最高であるぞ♪」

「そりゃどうも♪なあ、話変わるけどさ……町の住民は全員無事だったのか?」

「そうだ。我がガブリアスと戦ったあと、我は地下室にいた雌共を開放した。更にカイリューが雄どもに安全報告をしたのだ。カイリューが全て解決したというと雄達は皆喜んで、建物から出てきたらしい」


「そうか!なら良かったぜ!」


しかし俺の頭の中にはあることが引っかかった。
それはサフィラが雌達を牢屋から開放したということだ。
俺はクリムガンが雌達を解放すると言ったのを覚えている……
まあ、いいか。無事解決したしな♪


俺とサフィラの空間とは別に、他の5人は暴れまくっていた。
サザンドラはカイリューに話しかける。

「なあ、カイリュー。お前の好みの男ってどんな感じ?」

「えっと~ね……かっこよくて、愛情があって、優しい人が好きかな~♪」

サザンドラはいい男になるため、カイリューにアドバイスをもらっているようだ。
サザンドラ自身もカイリューに興味があるのかもしれない。


一方……残りの3人の方では……
かなりやかましい。アーケオスは机に体重をのしかけている。

「アーケオス、あんた飲みすぎよ!大丈夫なの!?」

「勿論あたしは平気だよ!まだまだ飲むよ!」


アーケオスはダランダランにしてビールばっかり飲んでいた。
フライゴンは彼女を止めようとするが止める気配はなさそうだ。

ガブリアスの方は床に倒れ込んでいる。
ちょっと頭痛がするようだ。彼は酒には弱いらしい。
アーケオスはガブリアスの下に行き、彼を襲う!


「ガブリアス~あんたまだ飲めるでしょ~~!!ほら、あたしの酒だよ!」

「な!もういらねえよ!アーケオスお姉さんも、もうやめた方がいいぜ!」

「なに~~~!!あたしに命令するのかい!?ちんこかじるぞゴラァ~~~!!」

「わわわわ!!来るな!!助けてくれ!!」


彼女はガブリアスにのしかかる。
フライゴンは酔っ払った彼女を必死で止めようとする。3匹は一つの塊となっていた。


  …………


午後11時を過ぎた。女王は酔が直ぐに覚める薬と、酒の匂いを消す薬を俺たちに配った。
俺達は正気になると速やかに解散した。

サザンドラとガブリアスは女王の別部屋を借りていた。
優しい女王は彼らに生活の空間を与えたのだ。


「今日は楽しかったぜ♪……そういえば……なあ、ガブリアス。クリムガンはどこに行ったんだろうな~?」

「あいつのことだ。俺たちを放って『ドラゴンシティ』に戻っているよ」

彼らはクリムガンについて話しているようだ。
クリムガンも同じ重罪人……彼は今どこにいるのか分からない。
彼らはテレポートマシーンを使って一人だけ帰ったと考えている。

テレポートマシーンはあちこち行き帰る出来る便利な道具だが、それを盗まれたのならかなり不便な物となる。その機械に乗ってテレポートすると、その機械も一緒に瞬間移動する。しかしそのマシーンがないと彼らは帰ることができないのだ。
Vinlandはドラゴンシティとはかなり離れている。しかもどこに位置しているのかも分からないのだ。
そんな中、ガブリアスが案を出す。

「なあ、サザンドラ。俺達の帰る方法が見つかるまで、ここで暮らさないか?俺、久しぶりに面白く感じたんだ。犯罪よりも明らかに住民達と会話をする方が面白い」

「俺もそう思っていたところだ。てかさ~俺達帰れないだろう?選択肢はねぇよ。まあ明日、女王にお願いして俺たちを止めてもらうようにしよう。明日からは「死」のためではなく「生」の為に尽力を尽くそう!俺達は間違っていた。そうだよな……相棒?」

「サザンドラ、よく分かっているじゃねぇか。俺達変われてよかったな♪あの2人には……感謝してもしきれねぇぜ……」

彼らは美しい花となっていた。彼らのベクトルは明らかに「光」を指している。
彼らはスーレイと女王に感謝しているようだ。もし2人に会っていなかったら、間違いなく今の彼らは存在していないだろう。

「スーレイ……あいつはいい奴だな……あの赤い眼差しは……はっ!そうそう!スーレイのことで思ったんだけどさ……何で彼は目が赤いんだろ?」

サザンドラはガブリアスに質問する。サザンドラは彼のことが気になるようだ。
ガブリアスも今頃になって気がついたようだ。彼はスーレイを思い浮かべる……

「そういえば……そうだな……。よし!明日聞いてみようぜ!」

「そうだな♪じゃあ、今のうちに予想しようぜ。当たったら飯奢ってもらうぜ!俺はな……ゲームのやりすぎで目が充血したんだと思うな!」

「バカ野郎……んなわけないだろ。もっと頭を使えよ。俺達は天才技術者だろ?たぶんあれはな……カラーコンタクトを入れているんだ!さすが俺!!はっはっは!!」

「ガブリアス……ポケモンがコンタクトなんて入れると思う?」

「……入れないよな……」



  …………



一方……クリムガンの方では……


「クソ~~~!!スーレイの奴……この俺様を侮辱しよって!!」


ここはドラゴンシティの秘密の地下室である。
クリムガンは大剣を振り回しながらスーレイを憎んでいた。
そう、彼は諦めていなかった。テレポートマシーンも彼の手元にある。
彼は2人のことを見捨て一人だけ故郷へ帰ったのだ。
彼の予定ではヴィンランドで犯罪ばかりを犯すつもりであった。

「けへへへへ……結局あの2人も役立たずだな……。まあ、ヴィンランドを手に入れたら2人も始末するつもりだったがな。あいつらなんやかんや言って初めは俺様の誘いも断っていたし……更には『本当に……俺達こんなんでいいのか?』とかってほざきやがって!!でも俺様はあいつら2人を見捨てているんだよな……。どうせ今頃スーレイに負けてボコボコにされているよ。そして今頃は死んでいるだろうな……ギャハハハハ!!」


秘密の地下室から突然光がさした。

「な、なんだ!!」


クリムガンは焦った顔をする。
何故ならここはドラゴンシティの地中30mも下の魔の世界……ここはサザンドラとガブリアスだけしか入れないのだ。それなのにこの場で無許可に侵入した。
焦っても無理はないだろう。

姿を現したのはドラゴンシティの女警察官、オノノクスであった。
彼女はこの町一番の最強な警官だ。彼女の強さはどの世界でも有名である。
彼女は牙を光らせ赤い瞳で獲物を睨みつける。


「お……おい、何で俺様がここに居ることが分かったんだ!?」


「フン……教えてやろうか……。それはな……ヴィンランドの女王から報告があったからなのだ!私は彼女の幼馴染でね……あの国のことは詳しいんだよ。彼女から夕方頃に連絡をもらったんだんだ。お前はスーレイの父親を殺した挙句、あの国で重犯罪をしたそうだな?」

クリムガンの顔はあまりのショックで言葉を失っている。目は充血し、息ははあはあと吐いている。
彼の心臓はバクバクだ!なぜなら彼の目の前には本当に強い、ドラゴンが姿を現しているからだ。


サフィラは恐らくスーレイ達の夕食の前に、サザンドラ達から聞き出していたのだろう。
サフィラは裏世界では顔が広いのだ。その為Vinlandはサフィラの知人だけが知られている。
彼女の賢明な判断、寛大な精神はいつも知人を助けていたのだ。

「ヴィンランドの女王からの言葉だ……」

オノノクスは彼女から聞き取ったメモを読み上げる。

「『サザンドラとガブリアスは住民に土下座をし、十分に反省した。彼らは涙を流し、命の尊さを学んだ。彼らはもう、十分に刑罰を受けている。しかしお前はまだ住民達に謝罪の言葉を残していない。我は貴様にチャンスを与えてやる。今すぐヴィンランドに戻り、住民たちに謝るのだ。貴様の仲間であるガブリアス達もお前の賢明な判断を待っておるぞ』……とのことだ。さあ、どうする?」


実際サザンドラとガブリアスは負傷者を出しただけで、死人は出していない。
しかしクリムガンはどうであろう?彼はスーレイの父を殺し、更には赤プテラ族まで殺しているのだ。
彼は重罪の枠に収まりきれない存在だ。しかしそんなことにもかかわらず女王は生きるチャンスを与えてくれている。
ちなみにこの国では間違えなく刑務所行きだろう。ここらの地域では無差別殺人は刑務所行きである。悪人が現れたときは別のようだが、クリムガンは明らかに前者のケースに当てはまる。
オノノクスは丈夫な手錠を握っている。

どっちにしろ刑務所に入る事は確実だとクリムガンは悟ったのか、彼は大剣をオノノクスに向けてきた!

「俺様は……俺様は……謝るなんてゴメンだぜ!!俺様はまだ諦めていない!!俺様は俺様のやりたいようにやる!あいつら二人も皆殺しだ!!あいつらは最初から殺す気だったからどうでもいいんだよ!!オノノクス、そこをどけよ!俺様はスーレイを殺すんだ!!」


彼女の目はより鋭くなった。
彼女は女王の手紙をくしゅくしゅにした。彼女は戦闘態勢に入る。

「どうやらお前らは……あの2人よりも遥かに重い罪を持っているらしい。しばらく刑務所に入って反省させる必要があるな……。お前の後ろにあるテレポートマシーンも今日で終わりだ!」

そう言うとクリムガンは大剣を振り回し、テレポートマシーンを真っ二つにした!
彼は恐らくスーレイを元の世界に返さない気だ!
彼は捕まったあと、オノノクスがその機械を使ってスーレイを連れて帰るのが気に食わなかったらしい。
彼は仲間の2人だけでなくスーレイまで迷惑をかけた超犯罪者となってしまった。
オノノクスは彼の反応を見て諦めたようだ。

「お前に何を言っても無駄なようだ……。しっかりと罪を償ってもらおう!!」

彼女がその言葉を残した数秒後、クリムガンは雄叫びを上げる羽目となった……


  …………


その頃ヴィンランドの女王部屋では……

う~ん、どうしたんだ?
こんな真夜中に俺を誘いやがって。
もう皆寝ているぞ。

俺はただ一人最上階のサフィラの部屋でくつろいでいた。
パーティの後、俺は女王に誘われたのだ。


竜城は簡単に言うと4階建てだ。
1階は北と南を行き帰りする洞窟である。しかしここは城の中というわけではない。実際、城の中に入れるのは2階からなのだ。2階はまず大きな空間が訪問者を迎えてくれる。大きな時計に床には竜の紋章が描かれているのだ。そしてその奥にレストランが存在している。3階は女王を支える雌竜達が泊まっているらしい。しかも3階からは女王もしくは幹部達の許可が必要なのだ。3階はカイリュー・フライゴン・アーケオス3人が泊まっているのだ。しかしそれだけではない。来客を宿泊させる空間が10部屋程存在しているのだ。勿論これらの部屋は幹部達程豪華で広くはないが、一般人から見ると綺麗な空間である。簡単に言うと、幹部達の部屋が綺麗すぎるのだ。そして4階は女王の部屋。この空間が何よりも美しいのだ。金色と赤色が混じった大きな扉を開けると、女王の部屋に入るのだ。その空間はもの凄く広い。大きなガラス窓に赤い絨毯が訪問者を迎えてくれる。そして俺が今いるのが誰一人侵入を許させていない寝室……。その部屋にはふかふかで大きなベッドに水色がある。他には机や椅子もあるがこれも見ただけで高そうだ。この部屋は何もかもが綺麗なのである。


すごいよな~この部屋……埃一つもなさそうだ……
取り敢えずこの椅子に座ろう。
う~ん……本当に俺、ここにいていいのか?
聞いた話だと女王だけしか入れないらしいが……

俺は椅子に座っていろいろなことを考える。
そうしていると女王が俺の前に顔を出した。

「待たせてすまぬな……」

「おお!来たか♪で?俺をここに呼び出した理由はなんだ?」


何も考えていない俺はサフィラに問いかける。能天気な俺は明日の過ごし方や朝食のことを考えていた。
夜になるとお腹が減ってくるのだ。夜食もいつもガツガツ食べてしまう程だ。
しかし女王は俺の思わぬような事を口にしてきた。


「今日……其方を誘ったのは……我の願いについてだ。其方には感謝の気持ちでいっぱいなのだ。我がこうして女王でいられるのも其方のおかげなのだ……。スーレイ……我の……我の番となってくれ!!」

「!!」

サフィラは恥を捨てて俺に交際を申し込んできたのだ!
彼女は誰一人雄に心を許さなかった……しかしここで初めて雄に心身を許したのだ。
サフィラは美しくも真剣な瞳で俺を見つめている。彼女は俺の答えを期待しているのだうか。
俺は突然の彼女の不意打ちで頭が真っ白になる。


「はぁ?ね、熱でもあるんじゃねぇか?あはは……冗談だろう?お前は美人で高貴な存在だけど、俺は女王と交際する資格を持っていないんだぜ♪」

俺はワルビルの本を思い出す。
その本には婚約するにはいくつかの条件があると書いていた。
しかし俺はポケモンバトルでチャンピオンになるという1ステップしかクリアしていない。
俺は彼女が愛しくても交際はできないのだ。おまけに俺は異国者……ヴィンランドの住民ではないのだ。

俺が冗談だと思って笑っていると彼女はいきなり俺に突進してきた。
俺は彼女の不意打ちをかわせず、ベッドに押し倒されてしまった。


「お、おい!!ちょっと待てよ///」

「スーレイ……其方は何も知らないのだな。我に認められた場合は資格など関係ないのだ。我は其方に心を奪われた……」

彼女と俺の鼻先が触れ合う……
俺は彼女の美貌を間近で見たせいで顔が沸騰する。
2人の鼓動はどくどくと激しく鳴り響く……


サフィラ……俺もお前のことが……
いや!そんなこと考えるな!彼女はVinlandの女王なのだ!
俺みたいな貧弱者が、彼女を幸せに出来るはずがない!
俺に彼女は贅沢すぎる!!


「おい!その、な?おお、落ち着けよ!俺は……はぅ!?」


女王は唇で俺の言葉を黙らせた。彼女の口内は暖かくて愛情が伝わってきた。
サフィラは俺を心から愛しているのだと痛いほど分かった。
異世界で出会って間もないのに俺達は愛に溺れていた……

俺は素直に“愛している”と言えなかった……
俺は……告白すらできない臆病者だ。俺は男として失格だ。
それなのに彼女は自分のプライドを捨て、俺に愛を伝えてきた……


しばらくこの時間が続いた。俺は瞳を閉じ、自分に正直になった。
彼女が俺の口内に舌を入れると俺は負けずに押し返した。
俺は彼女の舌を舐めたり、歯を味わったりしていた。
熱い唾液が俺達を興奮させる……


「ん……んむ……」

ちゅ……ぴちゃ……

彼女と俺の口が離れた。俺と彼女の口は銀色の橋でつながっていた。
サフィラと俺は優しい視線で愛を分かち合う。

「はあ、はあ、スーレイ……分かってくれたのか?」

「ああ……俺も正直になったぜ。俺はお前のことなんかどうでもいい……」

俺はそう言って彼女の頭を優しくなぜる。彼女は幸せそうな顔をして荒い息を切らしている。
俺は取り敢えず体を起こそうとした。しかし彼女は俺を押さえつける。
彼女は顔を赤くしながらも、意地悪っぽい表情を浮かべていた。


「では身体の方も慰めてやろうぞ」


彼女は俺の顔から離れると俺の股を見始めた。俺の股には既に力強い雄槍がそそり立っていた。
彼女のキスのせいで俺の肉棒は勃起したのだ。

サフィラは体を後ろにずらし、雄を可愛がる準備をする。
俺は現時点では動ける。そのため彼女をやめさそうと体を起こそうと試みる。
すると彼女は俺の行動を塞ごうとする。彼女の鋭い視線が俺に向けられるのだ。


「ほう……これが其方の雄槍か……いい息子を持っているではないか///」

「サフィラ待て!俺は舐められるのは好きじゃないんだ///」

そう、俺はフェラされるのが苦手なのだ。
理由は簡単だ。俺は情けない声を上げてしまうのを恐れているのだ。
日常生活では俺は基本Sで攻め側なのだが、こうなれば話は別。初めてのSEXにもかかわらず、彼女が攻め側となっているのだ。
つまり俺が受けの立場であることを示している。
俺は焦った声で彼女を落ち着かせようとするが、彼女は俺の声を無視する。
サフィラは完全に意地悪となっていた。


「スーレイ、其方が嫌う理由は分かっておる。しかし我は気にしないぞ。スーレイの可愛い面も我は見てみたいのだ。どれほど其方は我慢できるのか……楽しみだ……」

「た、タイム!俺は」

「女性からの誘いを断るのか?ふふ……」

「くぅ……」

俺は彼女の言葉を認めざるを負えなかった。俺は女性からの誘いを断ったり、勝負からは逃げたくない気持ちをもっている。頭のいい彼女は俺の性格をよんで、自分の欲望を満たそうとしているのだ。

「では……我の舌攻めを味うがいい……」

「うがっ!」

彼女は俺の雄槍を丁寧に舐め始めた。ザラザラとした大きな舌が俺のカリ首や亀頭を刺激する。彼女の舌は熱い唾液が染み込んでいて、肉棒がとろけそうだ。
俺の肉棒は今以上にむくむくと巨大化し、立派な矛となっていく。俺は彼女の舌攻めを必死に耐えていた。


しょり……じょりじょり……ちゅぱ……

「!!!」

嫌らしい水音が鳴り響く。彼女は慌てずゆっくりと雄槍を口で愛撫する。
彼女は上目遣いで俺を見つめてくる。眼差しは鋭くも嫌らしくて雄を興奮させるのに十分すぎるくらいだった。

「ふふふ……どうだ?最高の快楽であろう?」

彼女は艶かしい表情で精を求めてくる。
決して慌てず、急がず、捉えた雄をねっとりと舐めまわしていく。彼女は確実に雄の急所を舌先でなぞり、じっくりと雄を絶頂に追い詰めていくのだ……


ぎゅっ……ぎゅるぎゅる……はむはむ……


「う、うわああ!!」

俺が必死で耐えていると彼女は肉棒を甘噛みしてきた。彼女は顔を横にし、肉棒を甘くはみはみする……
それだけではない。彼女は尿道口をチロチロと弄んできたのだ。
そんな彼女の巧みなテクニックに俺は耐えきれなくなり、ついに情けない声を上げてしまった!

ちゅぱ……ちろちろ……しょり……


「はが……ああ!!」


一度彼女は肉棒を解放した。彼女の口の周りには白い液体がついている。
まさか彼女は俺の言った通り、愛撫をやめてくれるのだろうか?
いや、そんなことあるはずがない!彼女の眼差しは明らかに雄を求めている!

抵抗を許されていない俺は、だらしなく荒い息継ぎをしているだけだった。


「さあ……そろそろ終わりにさせてもらおうぞ……」


彼女はべとべとになった牙を見せる。顔も興奮しているのか、目を細めて口元がニヤけている。
サフィラは再び口を雄槍に近づけると息をふぅと吐いてきた。


「ああ、熱い!」

俺が情けない声を上げるとサフィラは舌を大きく出す。そして舌の中心を裏筋に密着させる。
彼女はそのまま上下に頭を動かしてきた。


じょりじょり……しょりじゅる……


「ああ!そ、そこは!!だめだ!!」


彼女は敏感な裏筋を集中的に攻めてきた。彼女は縦に長い舌をいっぱいに使って上下に舐めまわす。さっきの舌攻めと比にならないほどの快感が俺を襲った。


「ふふ……うふふふふ……」


彼女はニヤニヤしながら俺が悲鳴を上げるのを心待ちにしている。サフィラは俺が官能的な世界にはいっていく様子を楽しんでいるかのようだ。
サフィラは明らかにSだ。実際俺もSなのだが彼女のSには敵わない!

俺が快感に耐えきれなくなり、腰を引こうとすると彼女は前足を使って俺を押さえつける。これはドラゴンの本能なのか「狙った獲物は逃がさない!」という意識が感じとられる。
俺が彼女の舌攻めから逃げようとすると、サフィラは笑いながら舌の動きを加速させるのだ。
俺が「やめてくれ!」「タイム!」といっても彼女はただ優しく目を細めるだけである。
何度も何度も敏感な部分を攻められるうちに、俺は徐々に射精感がわいてきた。


じょりじょりじょり!


「がはぁ!!もう限界だ!!口を離せ!!」

このままでは汚い精液が彼女の美貌を台無しにしてしまう。
俺は彼女の頭を持って止めようとするが、彼女の舌攻めがあまりにも強力で力が入らない!
彼女は雄槍にとどめを刺す用意をする。


「ほぉ~ら、いくら耐えても無駄なのだぞ……さあ、おいき!」


パクッ!

「ぎゃああ!!」

彼女は口を大きく開け俺の雄を丸呑みにする。彼女は裏筋を舌で可愛がりながら頭を激しく上下させる。更には透明な液をちゅうちゅうと吸ってくるのだ。

じゅぽ……じゅぽ……じゅじゅるじゅる~~!

彼女のテクニックは尋常ではなかった。彼女は雄の可愛がり方をマスターしている。
サフィラの嫌らしい顔……ずば抜けたテクニック……
限界まで追い詰められた雄が、そんな巧みな攻めに耐えきれる筈がない。


「うわぁ~~!!出るぅううう!!!」


どぴゅぴゅぴゅぴゅ!!


精液は彼女の口内に放たれた。
精子たちは本来の役目を果たせず、サフィラの胃の中へと消えていく……
女王は精子たちを口で歓迎すると、より多くの精子を吸い取ろうともの凄い吸引を加えてくる。


ちゅじゅるじゅるじゅ~~!!


「ああ!吸うのは止めろ!!死ぬー!!」


彼女は悦の表情を浮かべ、喉をごくごく鳴らして精液を飲み干す。
サフィラの口の中は精液でいっぱいとなった。しかし彼女は嫌な顔せず、むしろ好物のように欲しがるのだ!
俺が何といようとサフィラは精巣が空っぽになるまでちゅうちゅう吸ってきた。


「んく……んく……ぷは~♪濃いではないか。我の好みの味だ!」


彼女は笑いながら俺を侮辱する。
彼女は俺に勝ち誇ったような目線で俺を見下ろす。


「スーレイは女の子みたいだな。可愛い声を上げよって……すぐに果てたものだな。ふふ……我のイマラチオは強力であったろう?夜はまだまだ長い……さあ、今度は我の秘所で雄を可愛がってやろうぞ♪」


くっそ~~!
こいつめ……俺を馬鹿にしやがって……


彼女は俺の心情を無視し、次の行動へと移る。彼女は俺に秘所を見せつける。
その異様な光景に空っぽだった精巣に、再び魂がよみがえる。

ぐちゅぐちゅ……ねちょねちょ……

彼女は明らかに別人になっていた。性欲に満たされた彼女は俺の雄を求めて、セクシーなポーズを見せつける。
サフィラは雄槍を飲み込む準備をする。

「さあ、今度も泣いてもらうぞ。我はスーレイのぬくもりが欲しいのだ……」

ぐばあああ……

サフィラは自分の膣を大きく広げる。さすが女王といってもいいくらいの大きさだ。
彼女は俺を弄る気満々である。彼女は雄槍に狙いを定める……
そして肉棒を飲み込もうとした……

その時!!


「うりゃあああ!!」

「な!なぬ!?」

俺は渾身の力を入れ、彼女を横に倒す。
俺と彼女は一つの塊となって転がり込む。そして上下逆転した。
俺は彼女の上に乗り、ニヤニヤした表情をする。

「サフィラ……お前だけがいい思いをするなんて不公平じゃないのか?お前だけが攻めるなんて俺は許さねぇぜ♪今度はお前が泣き叫んでもらうぞ!」


サフィラは不意打ちのせいか、完全に言葉を失っている。彼女はドSかもしれないが俺もそれは同じ……。受けるだけの立場は好きではないのだ。
彼女は俺の好みのロリ娘ではない……しかし今の彼女の表情はどうだろうか?
彼女は目を輝かせ俺を見つめている。狂わしい程愛しのだ……

可愛い顔しやがって……///
へへ……お前はとうとう俺のハートに火をつけてしまったな!
覚悟してもらうぜ!


「スーレイ!何をするのだ!」

「見てわからないか?お前を調教してやるんだよ♪」


女王は顔を左右に振る。しかし俺は彼女を押さえつけ雄槍を挿入する準備をする。
俺はサフィラの顔を真面目にみて、落ち着かせる。

「サフィラ……愛しているぜ……。俺もお前にあえてよかった。お前は偉そうな口調で話しかけるが、その言葉には愛情を感じるんだ。今度は俺の願いだ。俺を……受け入れてくれ!」

サフィラは俺を暖かく見つめる。彼女は俺の雄らしさに負け、か弱い女の子となっている。
サフィラは俺の愛しの竜。いくら口調が偉そうでも、俺には関係ない。
俺が求めているのは彼女の「愛」だ。愛こそがすべてなのだ。
サフィラは俺を愛してくれた……


「スーレイ……来るのだ……」

「もちろんそのつもりだよ。お前の声を女の子に変えてやるぜ……」


じゅぶぶ……!

「ああ……うぬ……!」

興奮した俺は彼女にのしかかりながら、自分の雄槍をいっきに秘所に差し込む!
彼女の中は熱く、マグマのようだった。粘着性のある愛液が、鼻にツンとくる。
サフィラは悲鳴を上げるのを我慢しているのか、目を瞑り、歯を食いしばっている。
しかしその可愛らしい顔が俺の残虐心を濃くする……

ず……ずぶずぶ……


「ほら、お姫さんよ、プライドなんか捨てて思いっきりなき叫びなよ!」


「が……な、ならぬぞ……。わ、我は……誇り高き女王なのだ……はあ……はあ……もっと……優しくせぬか……!」


彼女は息をはあはあさせて声を上げるのを我慢する。しかし俺は優しくない。
俺はさっきよりも腰を大きく振る。
愛液と精液が混ざり合い、出し入れが徐々に容易となってくる。

俺はピストン運動のリズムを変化させる。更に彼女の胸を鷲掴みし、彼女の胸を舐めまわす。彼女の胸は柔らかくて、もみもみしやすい。俺は激しく彼女の膣に己の剣を突く!

じゅぶぶ……ずぶぶぶ!

「な……!激しすぎ……わ、我が…………はあぁあん!!」

「はあ……はあ……いいぜ……この感じ……」


彼女の声が徐々に女っぽくなっていく。サフィラは誇り高い女王でも雌は雌……
サフィラはか弱い女の子なのだ。彼女の意外な声は俺を興奮させる一番の要素となった。
彼女は無意識に俺の雄を締め付ける。彼女の膣圧の心地よさは女王に値する。

ずぶぶ……じょぼ!

突くときは素早く、引く時はゆっくりと行う。
ゆっくり抜くと雄槍のカリ部分が、膣に引っかかって刺激を強くするのを知っている。
俺の雄は絶頂に近づき、長い剣となっている。
俺は自分の雄槍を剣にたとえ、乱れ突きを繰り出す!


「いや……いあん……すうれい……!」


「はあ……はあ……いい声上げるじゃねぇか!お前にも……可愛いところあるんだな……」


彼女はもう限界だった。俺ももうそろそろいきそうだ!
俺はピストン運動を最速にし、サフィラの中を、かき回す。俺は自分体をてきとうに動かして不規則に乱れ突をする。熱いドロドロとした液がじゅぶじゅぶ音を立て、二人を興奮させる。
胸も口でくわえたり、乳首を舌でつついたりする。竜には乳首など存在しないかもしれないが敏感なポイントなのは確かである。彼女の胸は見た目によらず、マシュマロのように柔らかい。
俺は胸を揉みまくり、舐めまくりで好き放題に彼女を弄んでいる。
俺とサフィラは尻尾を絡み合い、抱きしめ合う。


「すう……れい……もう、もうらめぇええ!いっちゃう!やめてええ!!」

「お……俺もだ!!サフィラ!!愛してるぜ!!」

「いやあああん!!すぅ~れぇいい!!!」


どっぶ!びゅるるるる!ぶしゃ……!


俺とサフィラは同時に果ててしまった。
雌雄の液は混ざり合い、シーツをぐっしょりと汚していた。
俺達は熱い息をはあはあさせながらお互いを見つめ合う。
俺は彼女に宣言をする。


「サフィラ……俺はお前と結婚するよ///」

「スーレイ……我の願いを受け入れてくれたのか……。涙が……止まらぬ……///」


俺はサフィラを優しく抱いてやる。背中を叩いて彼女を落ち着かせる。
俺とサフィラはお互いを抱き合い、永遠の愛を誓っていた。


  …………


穏やかな日差しが俺達を刺した。住民達の賑やかな声が俺の耳に入ってくる。
俺達はそのまま愛を語り合いながら布団で寝入ってしまったようだ。

目が覚めた俺はサフィラを優しく起こす。
彼女は目を開けて、俺に美しい視線をむける。そして何も言わずにキスをする。


「スーレイ、其方は帰らなくてよいのか?」


「帰れたら帰るよ。でも、勘違いするなよ。俺は異世界に行ってもお前の夫だ。ここを行き返りできるような機械が発明されたら、俺は一度ロック・タワーに戻る。みんなだって俺を心配しているからな~。でも、必ず俺はここに戻ってくる。俺は嘘をつかない……」

「そうか……では、しばらくはこの国にいるのだな?」

「ああ、もちろんだ……///俺も王となってこの国を治めるよ。お前には俺が必要なんだろう?」

「よく分かっておる……どうやら我は最高の雄と番になれたようだ……///」

俺はテレポートマシーンのような機械が発明されるのをじっくり待つことにする。
俺にはたくさんの仲間がいるからな。一度帰らなくてはならない。
でも心配するな♪俺にはサフィラという最愛の竜がいる。
俺は死んでもお前を離さない……たとえこの身が滅びようとも……!!


サフィラ……俺はお前に出会えて本当によかった。
お前の美しい瞳と冷たくも温かい愛は、俺の生きる糧だ。
俺はこれからもドジで恥をかいて生きていくよ!


「さあ!朝ご飯だ♪」

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※ネタバレに注意してください。
 また少々マニアックな要素が含まれています。
 興味がある方はお読みください。


・スーレイ
 まず名前の由来です。説明したいのですが実際は自分も教えることができません。ただ、初めてポケモンゲームをしたときに交換してもらったのが、プテラなのです。そのプテラのニックネームは「スーレイ」でした。
彼の幼稚な性格とふざけている要素は自分を暗示しています。彼のかっこいい所は自分には当てはまりませんが、趣味や性格は似ていると思いますね(笑)
 また、密かにプテラの人気上昇を願っています。プテラは基本的忘れられやすい存在だそうです……(T▽T)自分にとっては一番プテラが可愛いと思っております。これからもプテラは登場させたい人材ですね。

・サフィラ
 名前の由来は映画「エラゴン」から来ています。全然見た目は違いますがポケモンでたとえると、彼女が一番似ているかなと思いボーマンダにしました。
自分はゲームで初め♂と♀にこだわっていました。自分の手持ちは雄ばかりを育てていました。しかしタツベイのタマゴをもらい、孵すと♀だったのです。最初は残念な気持ちで育てていましたが、育てているうちに可愛く感じたのです。
口調は誇り高い感じにさせてもらいました。アニメを全く見ない自分にとってはセリフを考えるのが困難でした(笑)

・クリムガン
 好きなポケモンの一匹です。私の周りにはクリムガンが怖いと感じる者が多かったので、彼を悪役にさせてもらいました。クリムガン君ごめんなさい。クリムガンは笑顔になると可愛いと思います(^∀^)

・ガブリアス
 ドラゴンポケモンの中ではかっこよさを誇る人気のポケモンだと思います。もちろん好きなポケモンの一匹です。表では「ガブリアス」という感じですが、裏では全くの逆にしました。ふつう見ただけで彼はSだと思いますが、意外性を与えることによって可愛く見せようとしました。また、この点がクリムガンとの罪を比較する要素となっております。

・サザンドラ
 この子は自分の小説に何が何でも出したいポケモンです。以前から♂のサザンドラを登場させたかったので、この作品に登場させました。実はこの作品を作る前から、『Defeat』という作品で登場していました。しかしこの作品は失敗だったので、今作と合体させていただきました。彼は可愛いドラゴンポケモンです♪

・アーケオス
 私のことを知っている人は言わなくても分かるくらいでしょう(笑)この子は自分のお気に入りのポケモンの一匹です。『Enemy Within』や『Cold』でも♂として登場させています。しかし今作は初の♀を登場させました。初めは少し弱そうな感じにしていましたが、敢えてドSな変態お姉さんにしました。自分はこんなアーケオス嫌ですね(笑)

・フライゴン
 彼女は控えめなお姉さん役として登場させてもらいました。フライゴンは見た目から優しい感じがするのでイメージ通りにさせてもらいました。しかし彼女は幹部であり、スーレイを捉えた強者でもあります。このギャップが私は好きなのです。

・エンディングについて
 音楽大好きな自分は、「Finntroll」(アーティスト名)の「Trollhammaren」(曲名)をイメージして作りました。この音楽は太古のヨーロッパを想像させてくれます(^ム^)自分が作品を作るときも全て音楽から想像するのです。
関係のないようなコメント失礼いたしました。

『[[Scaretale]]&[[Scaretale2]]』
【本文】約65000字 (【本文全体】約67000字)
【原稿用紙(20×20)】約162枚 (【原稿用紙全体(20×20)】約167枚)

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&size(20){&color(blue){後書き};};

長い文章を読んでいただき誠にありがとうございます。
9作目は『[[Scaretale]]&[[Scaretale2]]』を作らせて頂きました。
8作目に続いてつまらない作品だと感じる人も多いかと思いますが、自分なりに頑張って作った作品です(>_<)
空いている時間を見つけて少しずつ執筆させて頂きました。
文章力はまだまだ未熟でありますが、少しでも楽しんで頂けたなら自分は満足です。
また、もし機会やリクエストなどがあれば「スケアテイル」のアフターストーリーも作っていこうと思っております(^ム^)

今作「スケアテイル」は「恐れられた話」という意味です。
スーレイの愛の強さを「恐」をいう字で表しています。(他にも意味はあります)

これで自分は9作目となりました。3作目でWikiをやめると言った日から約3・4ヶ月が経ちました。
自分のような作品でも、ここまで作り上げることができたのは皆様のおかげです。
読者の皆様には感謝しても感謝しきれないのです。

これから自分は徐々に忙しくなり、執筆も進まない可能性があります。
しかし機会があれば作品を執筆し、10作目を完成させたいと思っております(ノ∀`)
長いあとがき失礼いたしました。  By[[プテラン]]

・コメント頂けると嬉しいです(#^^#)
- プテラン氏の作品には強姦系がとても多いですが、やはりこういうのが自分は一番好きです♪
まずは圧倒的な文章量、羨ましい限りです。自分はこんなにも書けないので(苦笑)
バトル描写もとても上手で……妬けちゃいます。見入るわ見入るわ……というか見入るなと言う方が無理な話に。臨場感溢れる描写に脳内妄想するしかないっ
官能シーンは揺るぎないエロス。ねっとりとしかし確実にスーレイだけでなく読んでるこちらも思わずイかされそうな勢いで。サフィラに襲われたい……
ドララーにはたまりませんな。実にけしからん! お気に入り登録以外あり得ないっ。悪い点なんてほぼ見当たりません。ごちそうさまです(

アナザーストーリーを楽しみにして待ってますぞ〜。
以上、変態ドララーによる長文乱文失礼致しました
――[[ななし()]] &new{2013-05-31 (金) 04:25:29};
- &#62;>ななし()様
コメント遅くなってすみません。
実は自分もこういう話が一番好きなんですよ♪
圧倒的に強い雌竜が自分より強い雄竜に恋をしてハッピーエンドというストーリーは、自分にとって一番好きな物語です。

バトル描写はちょっと違った感じに仕上げてみました。
スーレイ君は恐竜なのに剣術を身につけているというありえない設定にしました。
また、プテラのかっこよさや、たくましさを感じてもらったら幸いです(笑)
ななし()さんはどうやらバトルシーンに見入ってくださったようなので嬉しいです///

官能シーンは、エロく描写させて頂きました(笑)
ドSなサフィラちゃんも最終的にはスーレイ君にイカされるという話にしてみました。
自分もこんなドSな雌竜をいじめてイカせたいですww

この話をお気に入り登録するのですか!?
ありがとうございます(#^^#)
因みに私も、自作の官能作品ならこの作品は気に入っています(笑)

アナザーストーリーや続きのストーリーは今のところ、時間に余裕や他の人のリクエストを済ませたら作りたいと思います。(すみませんorz)

最後に……やはりボーマンダとプテラの組み合わせは大好きです。
自分も変態ドララーなのでその魅力は分かっているつもりです(笑)
本当にありがとうございました♪
――[[プテラン]] &new{2013-06-09 (日) 01:10:02};

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