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SUNNY-STORY -IMPROVE- ~第5話 みんなの秘密~ の変更点


おやつの時間を過ぎ、並ぶ小さな体達。ユウキ家のポケモン達は焦っていた。 
「いい?ゲームとかしてたら、いつの間にか既にご主人が帰るまで2,3時間になってしまいました。なんとしても!!家の掃除をしないとご主人のきつ~い刑が待ってるのよ!」 
ラクライが先頭に立ち他の三匹に言い渡すは、自分達に迫った危機。俺だけはよくわからず聞いていたのだが。 
「ちょっと待てよ、そんなの俺しらないぞ。」 
家のルールなんて知らない俺は焦るより呆れる方が大きかった。 
「毎週火曜日は掃除をすることになってるんでしゅ、隅々まで掃除しないとご主人がきれるでしゅ。」 
とりあえず、主人が怒るの姿が思い浮かばない。 
まず、誰かが朝にでも伝えてくれたっていいんじゃないか。 
「とにかく!リビング、ダイニング、トイレ、各自部屋の4つに分けていくわよ!解散~!!」 
「くそ~、せっかく今日はおいしい夕食が食べられるとワクワクしてたのに…直前に掃除とは……なんか汚い感あるぜ。」 




抽選……いや♀達の適当な判断により俺は残り物の自室を掃除することになった。 
正直♀の部屋に入るってのも身が引ける。 
「んと、まずはラルトスの部屋か…。」 
まず部屋に入ってわかったのは……すごく汚いということ。 
床には、スナック菓子の食べカスや、携帯ゲーム機のソフト、漫画、そして何につかったのかわからない黄ばんだティッシュペーパー。 
なんか、ラルトスのイメージが一瞬でいろいろ変わった気がする。 




放棄……ではなく、箒をつかって床を掃く。 
自分で言うのは難だが、俺が器用なせいかあっという間に部屋は綺麗になった。 
「ふぅ……あとはこのティッシュだな……。」 
丸まって黄ばんでいかにも怪しげなティッシュペーパー……箒で掃ってもよかったのだがどうしても気になっていた。 
俺は意を決してツメでひょいと持ち上げる。 
「!?」 
その瞬間俺の鼻が異変を訴えた。きついアンモニアの匂い。 
「……これって、おしっこ?」 
とりあえず、これ以上触れてはいけないと思いゴミ箱へ投げ捨てる。 




次に向かったのは憎きラクライの部屋。 
女の子らしい部屋で、鮮やかなクッションやぬいぐるみが並んでいる。 
気になるのはベッド近くに詰まれた本の山くらい。 



俺は一つ一つタイトルを確認しながら整理していった…。 




「えっと……『夢色シャボン』『ぷにぷに温泉』『MY DREAM E』これが少女漫画ってやつか……。」 
ピンクや黄色などの色、そして絵柄で適当に少女漫画と断定。一部間違っていたのは後にわかる。 
「『銀色の流星』『誕生に捧ぐ』……なんかロボットが多いな……。」 
なにやら俺はここでかなりのことを学んだようだ。流行のアニメをかなり覚えた気がする。 



ようやく数も減ってきたころ、漫画の下敷きになっていた、怪しげな本が現れた。 
「ん、なんだこれ……また不気味な……。」 
黒い表紙に、彫られた白い文字。 
「DATH NOTE?…………このノートに書かれた人間は死ぬ?」 
俺は興味本位でその本を開いてみた。すると…… 
「!?うわぁぁぁ!!」 
大量の名前が書かれていたのだ、俺は思わず、これ以上触れてはいけないと思いゴミ箱へ投げ捨てる。 




恐怖に震えながら次の部屋へ向かっていると……突然チリーンがものすごい顔でこっちに向かってきた。 
「わっ!なんだよ!!どうかした?」 
「り、りぃん、出たの、アレ、アレが!!」 
「あれ?」 
「黒くて変な動きで……。」 
チリーン担当のトイレへ向かう……トイレでアレって言ったらアレしかいないきがするけど。 
トイレは男女混同、男子小便器が6つ、そして洋式便器が4つもあった。 
ポケモン四匹、人間一人の家に確実にこんなに必要ないはずだ。ここは公共施設かよ。 
「奥…奥から二番目のとこ……。」 
「よ~し任せろ♪」 
俺は恐れることなく、箒を振りかざし部屋のドアを開けた。 
「!?うわぁぁぁ!!」 
なにやら、人間くらいの大きさの黒いものがピクピクと動いていた。 
「なんだよこれ!!ゴキじゃないじゃん!!」 
「だから言ったのに、ブルブル……。」 
不気味…というかこれは人間なのだろうか。 
「ん~なんだ?お前達オレのことを知らないのか?オレはスーパーミュージカルスタ……」 
「うわぁぁしゃべった~!?」 



ゴォォ!! 



つい俺は火を噴いてしまった、黒い物体はお尻についた火を必死で消しながら一目散に逃げていった。 
「な、なんだったのヒトカゲくん……。」 
「イマ……なんとかって体に書いてあったような……とりあえず俺はああいうのには関わりたくない…。」 
一体何なんだろうかこの家は。 
「実は最近よく見かけて……。」 
つくづく怖い。 
「あと……ヒトカゲくんはみんなの部屋担当だったよね?」 
急な話題変更に驚く俺、そんな俺に構わず近づくチリーンの顔。 
「え、まぁ…そうだけど?」 
よくみるとチリーンの顔がほんのり赤い、可愛い…。 
「た、タンスの裏の見ないでね……。」 





見るしかないだろう。 




俺はチリーンの部屋でわくわくしながら向かった。 
勢いよく扉を開く、チリーンの部屋は男っぽく、普通に漫画やゲームがゴロゴロしていた。 
部屋の奥に小さな花瓶が乗ったタンスが置いてある。もちろん俺はそこに飛び付いた。 
「裏かぁ……どれどれ。」 
壁とタンスのわずかな隙間に一冊の本が落ちている。なんてベタな隠し場所なんだろう。 
「なになに……日記か…。」 
手にとって開いてみる。毎日かかさず書いている様子で、ぎっしりと濃い文字で埋められている。 
とりあえず俺は最近の日記に目を通してみる。 



6/22 
今日はご主人がラクライちゃんをポケモンセンターへ連れて行く日でした。定期健診はこれでもう10回目。 
体が弱いのは仕方ないけど、かわいそう。チリーンはあまり風邪ひかないから心配ないもん。 
それよりご主人が最近机の上で頭抱えてるのが気になる~。 



6/23 
聞いて見たら、来週実技試験があるってことだった。チリーンも出なくちゃならないよね。 
チリーン弱いからご主人がかわいそう、明日仲間を捕まえにいくっていってたけど、できるわけないよね。 




なるほど、主人のことが好きなんだな。 
それに、素直な文章だし、俺の彼女だし、見る権利くらいあるよね。 



6/24 
ご主人が新しい仲間をほんとに連れてきた。なんだか会った途端、電撃が走った感じになって……。 



よくわかんないけど…これが恋かな、一目ぼれってやつだよね。それからドキドキしてあまりお話しできなかった。 



6/25 
ラクライちゃんが帰ってきた。急にヒトカゲくんと喧嘩しはじめてビックリしたけど直ぐ仲直りしてよかったと思う。 
一応、ヒトカゲくんにアピールしてみたんだけど、気づいてるかどうかはわかんない。 
でも、ゲーム大会は楽しかった~、ヒトカゲくんが見てる前で五連勝もできたし、大満足! 




俺がラクライと初めて会って喧嘩した日だ、あの時は女の子のこと気にする余裕が無かったからチリーンの想いには気づかなかった。 
日常生活ってのを覚えるのに必死だったからだ。 



6/26 
……やっちゃった。ヒトカゲくんと、エッチしちゃった。 



まだ気持ちいいのが残ってる、ドキドキが止まらないの。 
お○○こがまだ熱くて、興奮が収まらない。 
これじゃ今日は寝れないかも。 




おいおい、禁止用語普通に使うなよ。それにしても恥ずかしい。 
俺はいつの間にかニヤニヤしながら、本を片手に掃除を始めていた。 



チリーンの部屋を終えようとしたころだった…違和感に反応する体。 
「あ、あれ?俺宙に浮いて……。」 
振り返るとチリーンが鬼形相でこちらを見ていた。 






この日、俺はみんなの秘密と怖さを知った。 
片付けた本棚から無数の本が襲い掛かってきたり。 
ゲーセンで1000円も使って取ったノートを捨てたと、電撃を浴びせられたり。 
ティッシュを見られたことを恥ずかしがられて口を利いてもくれなかったり。 




とにかく♀ってのはよくわからないと実感させられた日だった。俺は掃除は間に合ったが気絶していて食事には間に合わず、焼きたての肉にはありつけなかったという。 



第5話 みんなの秘密 END

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