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SUNNY-STORY -IMPROVE- ~第3話 相性~ の変更点


町の名のごとく降り注ぐ日光。 
サニータウンはただいま昼過ぎ、もっとも暑い時間帯である。 



そしてここはユウキ家の庭。ユウキは四匹に見送られながらため息をつく。 



~数分前~ 
ユウキは四日後に迫った試験の為、ポケモン強化、戦術の練習に励んでいた。 
まず考えたのは、ポケモン達の相性。エスパー、でんき、ほのお、3種類のメンバー。 
互いの弱点を出し合うことになった。 
「よぉ~し!まず、メンバーの弱点を補強していく!……でまずお前らの弱点って何?」 
この通り戦闘経験が薄いユウキは弱点関連が全く頭に入っていなかったという。 
「ラルとチリーンしゃんは虫とゴーストが苦手でしゅ!」 
相変わらず元気なラルトスに対しチリーンは無言である。 
「虫ならヒトカゲがカバーできる!」 
「俺、シャドークローも覚えてるからゴーストも相手できるぜ!で、水が苦手だし。」 
りゅうのいかり ひのこ メタルクロー シャドークロー 
ヒトカゲは何気に優秀のようだ。 
「よし、水もラクライでカバーできる!!……もしかして俺のメンバー完璧なんじゃ?」 
思いのほか相性がいい、だが……。 
「あの~、あたしとヒトカゲは地面が来たらまずいんじゃない?」 
優越感に浸るユウキにラクライが水をさす。 
「はい?」 











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~現在~ 
こうしてユウキは水か草のポケモンを捕まえに行ったのである。 
「ご主人しゃま出掛けちゃいましたね。」 
主人が去りニヤニヤするラルトスの声は弾んでいた。 
「じゃあ、ラル、ゲームしてきましゅ~!」 
そう言って家の中へ走っていくラルトス。 
「えっ?ご主人練習しとけって言ってたのにいいのか?」 
「さ~て、今日は左溜め必殺の発動タイミングを極めるでしゅ~!!」 
残念、走り去るラルトスへ声届かず。 
「別にいいじゃない、ラルちゃんあたしも付き合う~♪」 
ラクライもラルトスの後を追っていく。 
「ったく……。(いきなりサボリかよ)」 
意外に軽い2匹に戸惑うヒトカゲ。ユウキのポケモンは皆ゲーム好きで、全員♀だったにも関わらず格ゲーが大流行。 
ヒトカゲはまだテレビの原理が気に入らないため見るのが専門である。 
「あ、あの……。」 
「ん?」 
横からの高い声、ふわふわと浮きこっちを見つめてくる。 
「チリーン…お前は行かないの?」 
「うん、ご主人勝たなきゃ留年かもしれないって言ってた…。」 
チリーンは律儀な性格のようだ。ヒトカゲはひとりになることを予想していたので、チリーンが天使のように見えた。 
一方チリーンは黄色い宝石のような目を合わせようとはせず、左右に目線をそらしている。 
「なるほど、俺も久しぶりに野生本能ってやつが燃え上がってきたぜぇ~!!」 
自慢げにヒトカゲは火を吹く、その横でにっこり笑うチリーン。 




二匹はじっくりと練習を重ねた…。 
「よぉし、火炎放射(実際は火の粉)!!」 
「念力!!」 
二匹の技が庭にゴロゴロ転がっている、小石に炸裂する。 
火の粉により小石が熱せられ、純度の低いルビーのように赤く光る。一方、念力は絶好調、一度に三個以上の小石が宙を舞う。 
「うわっ、チリーンすごいじゃん。」 
「リン♪」 
しかし、調子に乗ったチリーンの小石の一つが宙高く投げ上げられ……。 




ガッ!! 




飛行中のペリッパーに見事命中。 
「あっ!!やば……。」 
「り、りぃん……。」 
二匹の顔が凍りつく。 
「てやんでぃ!!折角機嫌よぉ飛んでんのに!!許せん!!」 
攻撃を受けたペリッパーは激怒、みずでっぽうが上空から飛んでくる。 
「うわっ、まてまて、俺死んじゃう!!」 
とばっちりとはこのことである。まさに二匹に激しい水の塊がぶつかろうとしたその時だった。 




「は、なんやと、ワイの最強技が……かき消された!?」 
ヒトカゲとチリーンの周囲にはうっすらと光りの盾がはられている。 
そう、光の壁が見事、水をかきけしたのだ! 
「すげぇ、こんな強力な壁みたこと無いぜ!」 
「え……これチリーンが使ったの?」 
使った本人が一番驚いている。無理もない、なんと無意識のうちに発動したのだ。 
「は………ふははははっ!!若いもんにはかなわんな…………ひえぇぇ!!」 
恐怖を感じ取ったペリッパーは一目散に飛んでいった。 




なんとかピンチを乗り切り、顔を見合わせる二匹。互いに苦笑、これを機に、二匹の特訓は捗っていった。 





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そして夕方になった。 
2匹は特訓を終え、確実に成長をみせた。そして何より親密にもなっていた。 
「ヒトカゲくん♪」 
「どうしたの?」 
「あれ。」 
チリーンの小さな指が差す先にはがっくりと肩を落としたユウキの姿が……。 
「はは、ご主人駄目だったみたいだな。」 
「うん……捕まえるの苦手だから……チリーン達つれていけばいいのに。」 
夕日が西方の山に沈んでいく。オレンジ色の町、大きな草原のような庭に寝転がる二匹。 
チリーンの視線はヒトカゲをしっかり捕らえられるようになっていた。 





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~その夜~ 
ヒトカゲの部屋では、ヒトカゲは生まれて本を初めて読んでいる途中だった。 
ガチャ! 
ドアがそっと開きチリーンが入ってきた。 
「!」 
「ヒトカゲくん!」 
ヒトカゲは急に入ってきたチリーンにビックリして本を落とす。 
ちなみに本のタイトルは『ホラー!恐怖の館』だったという。 
「わっ、ど、どうしたの?」 
「いゃ、ちょっと質問があって…。」 
いつも以上にもじもじしているチリーンに戸惑いながらヒトカゲが切り替えす。 
「うん、答えるよ。」 
こんな時間に質問なんて…とか思いながらもヒトカゲは質問に対応する。 
「あのね、……ヒトカゲくんはご主人のことどう思う?」 
「そりゃ、こんな楽しいとこに連れてきてくれたし、俺のこと大切に思ってくれてるみたいだから、凄く感謝してるよ。」 
それを聞いてチリーンはにっこり微笑んだ。ヒトカゲもすかさず笑い返す。 
「よかった♪」 
「(こっちもよかった、チリーンも喜んでくれたみたい)」 
これは確かだった、ユウキに対する従心はハッキリしているし、ようやく生活に慣れてきたところである。 
ここで、少しの沈黙……よく見るとチリーンが赤くなっている。 
そして、静寂はチリーンの奇妙な発言によってかきけされた……。 






「あの……ヒトカゲくん。」 





「う、うん。」 





「じゃぁチリーンのことどう思う?」 





「へ!?」 





サニータウンの夜は更けていく。 



第3話 相性 END

IP:133.242.146.153 TIME:"2013-01-30 (水) 14:46:34" REFERER:"http://pokestory.rejec.net/main/index.php?cmd=edit&page=SUNNY-STORY%20-IMPROVE-%20%EF%BD%9E%E7%AC%AC3%E8%A9%B1%20%E7%9B%B8%E6%80%A7%EF%BD%9E" USER_AGENT:"Mozilla/5.0 (compatible; MSIE 9.0; Windows NT 6.1; WOW64; Trident/5.0; YTB730)"

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