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Reach For The Sky 8 ‐久々の再会‐ の変更点


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Written by [[SKYLINE]]

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''Episode 8 久々の再会''

 早朝の砂漠の中に一つ、堅牢で大きな岩が佇んでいた。暴動を起こす民の如く荒れ狂う砂の群れにもびくともせず、大岩は何年、何十年……あるいは何百年と言う歳月をこの場で過ごしている。途方もない時間の流れの中で、岩はこの世界が荒廃していく様を見て、そして経験してきたのだろう。削れた岩肌には歴史の歩が刻み込まれているようであった。
 彼方のように遠い昔から鎮座する大岩を前にエアームドの斬空は、この世界が朽ちた原因を教えてくれないか? と、心でそれに問い掛ける。だが大岩は、答えは自分で探し求めろと荒々しい岩肌を介して伝えるだけで、彼に真実を語る事は無いのであった。
 そんな彼とグラエナのロイスは岩陰に身を寄せていた。寒かった夜を抜け、ようやく迎えた日の出。地平線は光を帯び、東の方角には霞みながらも太陽が姿を現す。夜の冷え込みがまだ淀む中、既に目を覚ましていた斬空は、岩肌から目を逸らすと早くも周囲の状況の確認や持ち物の整理を始める。地図に記された距離から組んだ予定では今日中にはミクスウォータと言う名の町に辿り着けるが、もたもたしていては日没前に到着出来るか怪しくなってしまう。極力早めに到着し、何の前触れもなく空から降り注ぐ隕石群――メテオスコールにも耐えられるような頑丈な建物などを見つける必要があった。それが斬空やロイスにとって優先すべき事なのだ。
 さらに、メテオスコールの予報士――コモルーの希龍と逸れてしまった以上、メテオスコールを予知できない為、尚更早めに到着して安全を確保する必要もあった。ただ、斬空の持つ心配の種はその予報士の安否でもあった。砂漠の只中で逸れてしまい、たった一人となってしまった彼が無事ミクスウォータに辿り付けるだろうか。彼を信じてはいるものの、その心配は簡単には払えなかった。
 色々と考えながら、種族柄の鋭い目付きで斬空は朝を迎えた砂漠を睨み、周囲の状況を確認し終える。そして彼は少し離れた場所に居るロイスに目を移した。声を掛けて起こした訳ではないが、さすがに彼も日差しの眩しさで目を覚ましているだろう。そう斬空は思っていたが、瞳に映るロイスの姿は彼の予想を大きく裏切るものだった。
 グラエナと言う種族はその体型から、寝る時は体を丸めて伏せるように眠る筈……なのだが、ロイスは前足も後足もその両方を投げ出し、大口を開けてそこから涎を垂らしながら眠っている。

「……本当にグラエナかよ。よくそんな体勢で眠れるな。……関節痛になりそうだ」

 だらしなさMAXなロイスの姿に斬空は呆れ顔を作りながら、彼の元に歩み寄ると翼で何度か彼を叩いて眠りから覚まそうとする。

「うぅん……後五時間」

「……は?」

 ロイスに意識があるのか無いのか、それは定かではなかったが、衝撃の発言は確かにロイスの口から放たれたものだった。それを聞いた斬空は顔を顰めると一度溜息をつく。寝相の悪さと寝起きの悪さ。この二つでロイスに敵う者はこの世界に居ないだろう。チャンピオンと言うべきか……いや、もはや絶対的強者か。しかし、幾ら敵わぬチャンピオンだろうが絶対的強者だろうが、彼はなんとしてもロイスを起こさなければならなかった。後五時間も眠らせていたら間違いなく町――ミクスウォータに辿り付けなくなるのは見えている。
 大口を開けて眠るロイスを起こすべく斬空は両方の翼を重ね、それをロイスの耳元で擦り合せる。金属と金属の擦れる独特の高音がロイスの尖った耳に襲い掛かり、彼を夢の世界から引き戻そうとするが、それでもロイスは表情一つ変えずに安眠していた。

「く……ただ者では無いな」

 決して技ではないが、耳元で不快な金属音を鳴らされたにも拘らず、全く起きる気配の無いロイスを見ながら斬空はそう呟いた。仕方がない。これほどの強者には多少の強行策に出なければならないか。それが斬空の行き着いた答えだった。先程と同様に翼を擦り合わせ、もう一度不快な金属音で起きないかと僅かな望みを持ちつつ試したが、効果無し。まるでノーマルタイプの技でゴーストタイプを攻撃しているようなものだ。
 警告はしたぞ……とでも言うかのような真剣な表情を斬空は作ると、刀のような翼を一度広げ、それをロイスの耳元で思い切りぶつけ合った。岩陰に強烈な金属音が木霊し、乱反射する高周波の如きその音はロイスの耳を襲う。

「ひっ!」

 鼓膜を震わせた非常に不快な高音の前にさすがのロイスも飛び起きると、一度悲鳴に似た声を上げてから全身が痺れたかのように毛の一本一本を逆立たせ、小刻みに震える。さすがの絶対的強者――ロイスも閉所で轟くこの痛烈な高音には敵わなかったようで、強制的に夢の世界から現実に引き戻された。
 自らが出したその強烈な音に顔を顰めていた斬空は飛び起きたロイスを見ながら安堵の溜息を洩らす。

「ふぅ、ようやく起きたか。……ロイス、直ぐに準備して出発しよう。きっと希龍も元気にミクスウォータを目指している筈だ。俺達は先に着いてあいつを待たないと」

「…………」

「どうした?」

「うぅ……み、耳がぁぁ……」

「……すまん」

 ロイスは前足で覆うように耳を押さえていた。彼の耳は元々集音性に優れた形状だった為、斬空が鳴らした強烈な金属音が応えたのだろう。全身が麻痺したように体を震わせながら、彼は依然として耳を垂らしてそれを押さえ込む。先程は全く効果が無かったが、まさかあの一撃がここまで響くとは……僅かな罪悪感に囚われながら、斬空は耳を押さえて震えるロイスを眺めていた。
 待つこと一分。ようやくロイスは平常に戻り、荷物の整理を始めた。食糧、水、道具。旅に必要なそれらを首に下げる大きめのポーチの中に乱雑に詰め込み、閉まらないと訴えるポーチの口を彼は力で捻じ伏せる。もうちょっと丁寧に扱えよ……ロイスを見ながらそう内心呟く斬空の傍らで、彼は険しい表情を浮かべながらポーチの口を閉め、表情を勝ち誇ったようなものに変えた。

「ふん、心の狭いポーチめ。今日も俺の勝ちだな」

「…………」

 夜の砂漠をも凌ぐ体感温度が氷点下の冷風が吹き抜けた……気がした。斬空はロイスの一人芝居に言葉を失い、人生最大の呆れ顔を作る。いや、作らされたと言った方が正しいだろうか。

「ゴホン……さてと、準備が終わったなら出発……と言いたい所だが、もう一つ準備する事がある」

「ん? もう一つ準備する事?」

 気を取り直し、真剣な面持ちでそう言った斬空にロイスは首を傾げながら聞き返す。互いに荷物は纏めたのだし、ここにはもう何もない。もう準備する事などないではないか。それがロイスの率直な気持ちだった。耳を僅かに垂らし、首を傾げるロイスの目の前で斬空は鋭い嘴の先をポーチの摘みに引っ掛けてそれを開けると、中から一本の紐を取り出す。

「なんで紐なんか持って……って! それ俺の所持品だし!」

「まぁ落ち着け、別に盗んだ訳じゃない。借りてるだけだ」

 なんだか盗まれたような気分のロイスは少しばかり顔を顰めるが、そんな彼を斬空は軽くあやすと、束ねてあった長い紐を足の爪と嘴を器用に使って解き、それを自分の体に巻き付ける。彼のその不可解な行動を見るロイスはさらに首を傾げ、彼が何をしようとしているのか全く持って理解が出来ていない様子だった。
 斬空は巻き付けた紐の残りを……地面に伸びるそれを咥えると、ロイスに向かって放り投げた。目の前に落下した斬空から続く紐の塊。一度それを見たロイスは、「これをどうしろと?」と、恰も尋ねるように斬空に目を移した。

「その紐を体に巻いとけ。今日も砂嵐の中を移動するんだから、昨日の教訓を生かさないとな」

「あ、なるほど! そう言う事か」

 そう、斬空は昨日の過ちからしっかりと教訓を得ていたのだ。一度砂嵐の中に踏み込めば会話は難しく、周辺の音も風の音に掻き消され、細かな砂が視界も悪くする。結果、昨日は希龍と逸れてしまうと言う大失態を犯してしまったのだ。昨日の大失態を繰り返す訳にはいかない。その思いから考え出した一つの策。それは互いの体を紐で繋いでおく事だった。互いにの体を紐で繋いでおけば逸れる事は無いし、万が一脱水症状などを引き起こして倒れてしまったりしても、それに直ぐに気づく事が出来る。それは失態を失態のままにしておかない真面目な斬空が導き出した答えでもあった。
 斬空の考えに納得しながらロイスは渡された紐を自分に巻き付け、歩きやすいようにある程度はゆとりを残す形で最後の準備を終えた。

「よし、行こう」

「おう!」

 二人は岩陰から離れ、吹き荒れる砂嵐の中に身を投じる。風と砂塵。その両方から身を守ってくれていた岩から離れるや否や、猛風と砂が手を組んで二人に襲い掛かり、逸れないように紐で結ばれた二人はほぼ同時に身構えた。目を開けるのもやっと。情けの一つも見せない砂漠の猛威は二人を取り巻く。
 それでも斬空とロイスの二人は足を踏み出し、ミクスウォータを目指して前進を始めた。目を開けるのがやっとな砂嵐の中、先頭を行く斬空は方向を間違わないように度々薄開きの目で太陽の位置を確認して方角を導き出し、ロイスは打ち付けてくる砂に耐えながら彼に続く。なんとしても今日中にはミクスウォータに到着すると言う決意は二人とも共通で、その決意の下、二人は不満の一つも漏らさずに南方を目指して歩き続ける。そして、逸れてしまった希龍も自分達と同じようにミクスウォータを目指している筈だと信じながら……










 希龍とフライゴンのフィナの二人も砂漠の只中を歩いていた。目印も目標も見えない砂と岩の世界。前に住んでいた荒野が天国にすら映る。昼と夜の温度差は激しい砂漠、強弱はあるが決して止む事の無い砂嵐。容赦の色などこれっぽっちも見せないそれらに、希龍はもう少し落ち着けないのか? と、内心尋ねる。だが、返事など返ってくる筈もなく、落ち着くどころか不満を抱く彼を&ruby(ちょうぎゃく){嘲謔};するように、砂嵐は一層吹き荒れる。
 分かった、分かった。俺が悪かった。そう言うかのように、希龍は目を強く瞑って下を向く。あまりの横暴ぶりに砂漠と言う環境が初めてである希龍は耐え凌ぐので精一杯だった。表情に出すまいと努力するも苦痛が顔に出ている希龍とは対象的に、生まれも育ちも砂漠であろうフィナは特に表情を変える事もなく彼の横を歩いていた。
 フィナは暴れる砂嵐に足を止めている希龍に気が付くと自身も足を止め、無言で彼を待つ。言葉の一つも無いと彼女が何を考えているか分からなく、彼女は自分に早くしろと催促しているのか、それとも心配してくれているのか。そのどちらだろうかと考えながら希龍は細目で彼女を見ながら足を動かす。彼女に追い付いてからは、お互い特に会話もせずに歩き続けた。空を自由に飛ぶ翼もないのになにかと重い体。それに別段足が速い訳でもない。希龍は砂嵐の中を進む彼女の姿……そしてその背中に生える翼を羨ましそうに見ていた。
 全く、早くボーマンダに進化して何かと不便なこの体からおさらばしたいところだ。空も飛べなければ足も速くない今の自分とは対象に、ボーマンダに進化すれば空も飛べるようになるし格段に素早さも向上する。そうすればこのような砂漠でも彼女のように動じる事なく進めるのに……ボーマンダとなった自分の姿を彼が想像するのは至って簡単だった。だが現実程厳しい物はなかったのだ。進化出来そうな感じなんて一切無いし、一際強く風が吹けば体は動じてしまう。少し自信を失っていた今の希龍には横を歩く彼女の翼を羨む事しか出来なかったのであった。
 しばらく歩き続け、砂に霞む太陽が丁度二人の真上辺りに位置した頃、二人はたまたま見つけた岩陰で休憩を取る事にし、そこに身を置く。朝から歩き続け、さすがに希龍もフィナも多少疲れの色が顔に染み出していた。風と砂から身を守ってくれる岩陰に身を寄せながら、希龍はポーチの中から水の入った瓶を取り出す。中の水の量はまだ半分以上残っていたが、補給が出来ない事を考えると喉を鳴らして飲むなんて行為は出来そうにない。希龍は節約する為にも大事な水を少しだけ口に含み、それで喉の渇きを潤す……と言うよりは紛らわす。勿論、希龍は自分だけではなくフィナにも水の入った瓶を渡す。「出来るだけ節約してくれ」と、言う言葉を添えて。
 互いに水を飲み終え、二人はその場でしばし足を休める事にした。

「それにしても、立派な翼だね」

 両前足を使って瓶の蓋を器用に閉め、それをポーチの中に仕舞った希龍はフィナを見ると呟くようにそう言った。

「え?」

「いや、俺はこの通り翼なんて持ってないからさ、フィナみたいに立派な翼があれば大空を自由に飛べるんだろうな……って、思って」

「私、そんなに上手くはない」

「あ、そうなんだ……てっきり飛ぶのは得意だと思ってた。でも飛べるだけでも羨ましいよ。俺なんて体は小さいし、力も無いし、それに空も飛べないし足だって速くない。俺は特に得意な事とか無いからなぁ。フィナは? やっぱ得意不得意とかあるの?」

 そう尋ねた希龍の横で、岩壁に背中を預けるフィナはゆっくり上を向くと、そのまま茶色の空を眺めながら口を開く。

「手先なら器用……だけど」

「手先が器用なんだ。俺は四足歩行だからなぁ……増々羨ましいよ」

 と、こんな感じに二人は他愛もないような、けれど交流を深めるに当たってはとても重要な雑談を交わしながら岩陰でしばし休憩を続けるのだった。












「斬空さーーーーん! げ、げほっ……&ruby(む){噎};せた。……まだ何とかって言う町に着かないの!?」

「多分まだだ! それといい加減覚えたらどうだ!? 何とかって町じゃなくてミクスウォータだ!」

「え!? 何!? ミックスオレ!?」

「違う!」

 ……斬空とロイスの二人はまだ砂漠の中を突き進んでいた。周辺で唸るのはまるで近くにバンギラスの大群でもいるかのように止む気配の無い砂嵐。その騒音は二人の会話を邪魔するが、それに屈せずロイスも斬空も声を上げて互い会話を続けていた。出発する前、斬空の提案で逸れないように互いの体を紐で繋いではいたが、乾燥して視界も悪い砂嵐の中を進んでいる為、予期せぬ事態に見舞われる可能性もある。それ故に二人とも定期的になんでも良いので声を掛け合い、互いの安否を確かめ合っているのだ。昨日の失態の二の舞は踏まない。互いに声を掛けあうのは、その決意の表れでもあった。
 それからしばらく二人は休憩も無しに南方を目指して歩き続ける。厳しい大自然の気まぐれか、いつの間にか舞踏する砂の群れはその動きを休めていて、無風とまではいかないが、砂埃を舞い上げる風は大分弱まっていた。
 今までは目を開けるのもつらい程の猛悪ぶりがまるで幻影の如く、周辺は晴れていた。上下左右全てが砂塵だったそれまでの風景に目が慣れていたのか、遠くに霞む岩や砂の山などは斬空やロイスの目瞳に新鮮な映像として映り込む。同時に、聴覚を支配していた猛獣の如き風声も鳴り止んでいて、さらさらと大地を風下に向かって川のように動いていく砂の音も少し心地よい感じにすら聞こえている。

「……大分落ち着いたな」

 ふと歩を止めた斬空は呟くように声を漏らした。彼が細めていた目を開き、今一度周辺を見渡せば、大小の岩と砂が織り成す砂漠の景色がパノラマのように広がっている。視力の良い斬空は首を回して辺りを遠くまで見渡し、目指す町の影を探す。しかし砂嵐が治まったとは言え、やはり見えるのは砂だけだった。
 雪山のブリザードにも負けないような砂嵐の中でも斬空は方角をしっかりと確かめながら歩いていたので、もう見えてきても良い気もするが景色は一向に変わる気配が無い。斬空に溜まっていた不満は開いた嘴の奥から溜息となって溢れ出す。まるでコップに注がれる水が溢れるかのように。誰しもが抱く不安や不満。普段から冷静沈着で判断力も持ち合わせる斬空でさえも、それは例外ではなかったのだ。
 どこまでも延々と続き、変化のない砂漠の風景にさすがに斬空も嫌気が差していた。けれど、何時までもここで立ち往生している訳にはいかない。砂嵐も今は比較的穏やかなのだから、この好機を溝に捨てないように、進みやすい内に距離を稼いでおこう。頭に張り付く嫌気を無理やり剥がして決心を固めた斬空は、一度振り返ってロイスに声を掛けてから踏み出した。
 目の前に見える小さな砂丘に向かって二人は進み、傾斜こそ緩いが堆積した細かな砂に足を取られそうになりながらも二人はその頂に登る。途中でロイスが一度転びながらも、登り切った二人は再び周辺を見渡す。大した高さではないが、気休め程度に見通しはよく、そこから見える砂漠の景色が砂上に立つ二人の瞳に映り込む。広大な砂漠を流れていく砂の群れ。吹き付ける風や打ち付ける砂に身を削られながらも泣き言一つ言わずに乱立する岩の数々。境界の見えない地平線に茶色の空。それらは今まで二人が歩いてきた砂漠となんら変わらなかった。
 剥がした筈の嫌気がまた頭に張り付いてくる。見る価値の見出せない景観に、口には出さないが内に抱く嫌気が斬空の顔を僅かに歪ませる。ロイスもまた、彼の隣で大きな溜息を漏らしていた。目は痛いし息もしにくい、加えて喉も乾くこんな場所をあとどれだけ歩けばよいのだろうか。目の前に広がる厳しい自然の景色にどうしても二人は否定的になってしまっていた。不安や不満、その他負の感情によって斬空もロイスも心は暗くなっていく。しかし、目を凝らして初めて見えたある物が、暗い心に剣の如き一筋の光を差し入れた。
 砂と岩だけかと思っていたそこに一筋の流れ――川があったのだ。普通なら強い日差しによって揺れる水面が光って目立つだろうが、茶色の空によって日差しが遮られてしまっている為、また水が濁っている為か、その川は周囲を同化していたのだ。砂と岩しかないと言う先入観によって曇っていた二人の目に最初それは映っていなかったが、要らぬ先入観の曇りが晴れた二人の瞳に、流れゆく川は突き刺さるくらい強く映り込んでいた。

「おぉぉぉぉ! 川だ! 斬空さん見ろよ! 川だ川だ川だ川だ川だよ! 川!」

「一回言えば分かるって。確かに川だな」

「ったく、冷めてんな~。もっと喜べって!」

「え? う~ん……おっしゃー! 川だぞー! これで水が飲み放題だー!」

 かなり無理のある作り笑顔で斬空はそう声を上げると、一瞬で鋭い目が印象的な元の硬い表情に戻す。

「これでいいか?」

「ま、まぁ……いいんじゃないかな、うん」

 ロイスの中でも硬派なイメージがあった斬空がこのような行動をとった事に少し驚いたのか、彼は拍子抜けした表情でそう呟く。

「さて、おふざけはこの辺にしといてだ、ミクスウォータが記されていたのは二つの川の流れが交わる所だった。ここまで言えば分かるか?」

「なるほど……訳分かんねぇや」

「分かんないのになるほどって言うか? 普通? ……つまりだな、この川の流れを辿っていけばミクスウォータに辿り付けるって事だ」

「おぉ! そう言う事か。なんなら早く行こうぜ!」

「同感だ」

 川を見つけ、さらにそれによってミクスウォータが近いと言う確信を得た二人は川で水の補給も行い、気分を良くして川に沿って進んで行く。歩む二人の横を流れるその川の規模は決して大きくはなかった。茶色に染まった空に日光を遮られている事やここが肥沃な土壌に比べて養分の乏しい砂漠である事が影響してか、岸部には背の高い植物は殆ど生育していない。川岸に生える背の低い草を踏み、蛇行しながらも低い場所に向かって正直に流れる水を追い掛け、互いを紐で繋ぐ二人は疲れているにも関わらず足早に川を下っていく。
 それから数十分。ついに斬空とロイスの視界に初めて見る目的地の姿が入り込んできていた。周りに比べて沈んだ低地にその町は存在していて、砂丘の上から二人は多少だが砂に霞む町を見下ろす。一部は砂に埋もれそうで、さすがにかなり荒廃してはいたが、その町は先人達が築いた文明の名残を色濃く残していた。高層建築物などある筈もないが、個性的なデザインの建物が乱立し、大通りを始め小道や裏路地など様々な道が家々の隙間を縫っている。また、二人の横を流れる川もその町に向かって下っていて、高所から町の全体を伺えば別の場所からもう一つ川が町に向かって流れ込んでいて、二つの川は町の中心で合流していた。

「なるほど。水の交わる町――ミクスウォータか」

 町を見下ろしていた斬空は、その姿を目にして小さく呟いた。一度目を閉じ、それから斬空がロイスを見ると、彼は瞳を輝かせながら収まらない期待が溢れる表情で町を見ている。眼下に見える町を目指して厳しい環境である砂漠を越えた喜びや達成感。苦難を乗り越えたからこそ味わえるそれらをロイスは堪能していたのだった。

「斬空さん! 早く行こうぜ!」

「同感だ!」

 まるで伝説の青い空を語る際の希龍の表情にも少し似たロイスの明るい顔を見て、冷静沈着な斬空も久しぶりに心が踊りそうだった。何時もなら淡々と言う“同感だ”の一言も、今回に限ってはとても張りのあるものだった。二人は互いを繋いでいた紐を解くと、緩やかで長い砂の傾斜を転ばないように注意を払いながらも足早に駆け下っていく。近付くにつれてはっきりと見えてくる町の姿に様々な期待を二人は込めながら坂を下りきると、歩き難い砂など関係なしに町に向かい突き進んだ。ようやく斬空とロイスは町の入り口と思われる場所に到着し、そこで足の動きを止めた二人は揃って顔を上げる。
 二人の視線の先には穴だらけの大通りを跨ぐ大きな看板が&ruby(そび){聳};え、寂れて華やかさなどは微塵も感じられないが、そこには人が消えてからもなお人の来訪を歓迎し続ける“ようこそミクスウォータへ”と言う文字が力強く書かれていた。一部は隕石に破壊されたのか欠損していたが、歓迎してくれている看板を二人は潜りミクスウォータの地に足を踏み入れる。
 何年、何十年と手付かずだった町は、もはやゴーストタウンと呼んで間違いの無い荒れ果てた姿。けれど、そもそも建築物と言う物を見た事がない斬空やロイスにとっては古びて荒れ果てたそれも真新しい物として目に飛び込んでくる。木造、レンガ造り、種族を象った個性的な物。飛び込んでくるその様々な建物に二人の処理速度はまるで追い付かなかった。町に踏み入れたそこで立ち往生しながら瞳を上下左右に動かし、文化の違いに――カルチャーショックにしばし二人の口からは言葉も生まれない。ロイスに至っては口が半開きだった。良い意味で言葉を失ってしまった二人の背中を押すように、風が町の入り口から大通りを吹き抜けていく。

「よ、よし……先ずはここに希龍へのメッセージを残して、メテオスコールに耐えられそうな頑丈な建物を探そう」

 風の後押しで硬直を解いた斬空は身に着けていたポーチを外し、咥えたそれを町の入り口に立つ大きな看板の柱の根本にそっと置いた。

「俺のポーチをここに置いとけば、希龍がここに来た時に俺達がこの町に居る事に気が付くだろうし、あいつも馬鹿じゃないから、このポーチを取りに俺達がここに戻ってくると読んで待機する筈だ。……そうすれば合流できるし、待ち時間を利用して俺達も建物の捜索が出来るから時間も無駄にならない」

「おぉ、さすがは斬空さんだな。ナイスアイデアだぜ」

 希龍が生きていると信じ、そして彼がこの町に辿り着くと信じて町の入り口にポーチと言うメッセージを残した二人は、早くも建物の捜索を始める。木造の建築物はやはりメテオスコール――隕石群によって無残な焦げ跡を残す廃墟を化していた。しかし鉄の柱に鉄の屋根を持つような強固な作りの建物は斬空の予想通りでまだ原型を留めている物も多く、二人はそれらに的を絞りさらにそこから地下室を探す。頑丈な作りの家を見つけてはそこを捜索し、駄目ならまた次を当たる。この繰り返しを二人は雑談を交えながら気楽に続けた。
 幾ら町とは言え、お目当ての建物を見つけるには大分時間が掛かるだろうと斬空は読んでいたが、とある物を発見した事で繰り返しの流れ作業に終止符が打たれた。

「斬空さん、あれ」

「どうした?」

 ロイスは発見したそれを鼻で指差す。彼の鼻先から一直線にその方向に目を動かした斬空が見たのは、一つの……いや、一人の亡骸であった。大分前に息絶えたのか、既にそれは白骨化していて薄く積もる砂に沈もうとしていたが、その周りには亡骸である彼の所持品が散らばっていた。長い年月を風雨に晒され、誰の目に留まることも無く横たわり続けている亡骸は見る者――斬空やロイスの心に寂しさを訴えていた。
 駆け足で二人はその亡骸の元に足を運ぶと、散らばった所持品を眺める。

「随分と軽装だな。彼はこの近くで暮らしていたのか……?」

「俺もそうじゃないかって思ってさ。この人の棲家が残っていれば、そこを利用できるんじゃね?」

「あぁ。よし、この近辺を集中的に探そう。きっとどこかに残っている筈だ」

「了解だぜ!」

 探そうと意気込んだのは良かったが、実際は探すまでも無かった。亡骸の向く先に見るからに頑丈そうな二階建ての建物があり、屋根には所々穴が開いていたが、その屋根と二階の床による二重の防御壁によって、荒れてはいるが一階はほぼ無傷であった。そして破壊された扉の奥にもう一つの扉――床と一体になった地下への扉が見えていたのだ。それを見た二人は顔を合わせ、互いに軽く笑みを零す。

「どうやら探す手間が省けたようだ」

「だな!」

 二人は吸い寄せられるようにその建物に向かって歩き、中に足を踏み入れると薄皮のように堆積する砂埃を掃う。姿を鮮明にしたその扉の取手を斬空は咥え、下嘴に並ぶ歯に引っかけてそれを開ける。長い年月を整備されずにいたのだろうか、錆び付いたそれは不快な音を響かせながらぎこちない動きで開き、それと連動するように地下への階段は外の光に照らされて浮かび上がっていく。
 途中まで持ち上げた重い扉を斬空が放すとそれはゆっくりと重力に捕われて階段の反対側に大きな音と共に倒れた。

「よし、早速中を調べよう」

 それからしばらく斬空とロイスは見つけた地下室を調べ、そこが生活するに当たって十二分に利用できる事を確かめると目印を残してそこを後にする。目当ての物が見つかった上、町に――ミクスウォータに辿り付いてからある程度時間も経過していた。もしかしたら既に希龍がこの町に辿り付いていて、柱に残した言葉の無いメッセージを見つけて待機しているかもしれない。そう期待しながら二人は来た道を戻っていく。日の入りまではまだ時間があるとは言え、希龍を信じて少しでも早く彼と合流したい想いが二人の足を加速させていた。
 半ば駆け足で町の入り口まで戻った二人だったが、現実はそう優しくは無かった。誰の姿も見えない上、希龍がここに来た形跡もない。期待していただけに二人は若干肩を落とす。二人が居るここは町である為に立ち並ぶ建物のお陰で砂嵐の影響はそこまで受けないが、町から放れた場所では一時的に静まっていた砂嵐がまた活気を取戻し、暴れ回っていた。これでは当然遠くまで見る事は出来ず、この場からでは二人がミクスウォータを見つけたあの丘も見えなかった。
 黒の体毛を風に揺らしながら、今まで目を細めて周辺を睨んでいたロイスもさすがに諦めてしまい、砂嵐の中に希龍の姿を探す事を止めた。

「ったく! 希龍の野郎はどこで道草食ってやがんだ」

 期待を裏切られて暗い雰囲気になり掛けたその瞬間にロイスは声を上げる。冗談と本心が半分半分の言葉は砂嵐の中に吸い込まれていく。彼は暗い雰囲気になるのが嫌だったのだろう。その言葉は彼なりにその気持ちを表現したものだった。希龍とは違い付き合いこそ短いが、斬空も彼の口から出たそれから彼の気持ちをなんとなく感じ取っていた。

「全く、ロイスの言う通りだな。どうせ川を見つけて一人はしゃぎながら水浴びでもしてるんだろ」

「それ、傍から見たら結構恥ずかしくね?」

「だな」

 希龍が生きているかは分からないが、きっと生きていると信じ、姿を現さない彼を皮肉りながら二人は談笑していた。それから二人は半壊して大量の瓦礫が転がる近くの家に身を置き、そこで希龍を待つ事にした。斬空は欠損してひび割れた壁に身を預け、ロイスは大きな瓦礫の上に腰掛けながら、出会う以前の体験談をお互いに話し合う。隕石が間近に落ちて命拾いしたとか、恥ずかしいドジをしてしまった時の事など、様々な言葉が斬空とロイスの間を飛び交い、時に笑ったり時にツッコミを入れたり……勿論斬空がロイスに対して。華やかな暇は時の流れに乗って過ぎていく。
 どれだけ話しただろうか。大分時間も経っていた。ロイスの提案で身を隠し、希龍が現れたら飛び出して驚かしてやろうと企む二人は町の入り口から少し離れた場所にある瓦礫の中に身を隠していて、小さな隙間から希龍が現れるのを交代で伺っていた。
 と、その時だ。性格に似合わず悪巧みを顔に巡らせていた斬空の目付きが変わった。彼の鋭い視線を辿ると、砂嵐の中にぼんやりと人影が浮かんでいる。それは徐々に町に近付いてきた。しかし、斬空は一瞬だが細めていた自分の目を疑った。最初はぼんやりと浮かんでいた人影、それは近付くに連れてはっきりとしてくるのだが、どう見ても影は一つではかったのだ。希龍は一人の筈。不毛の砂漠で誰かに出会う事など先ず考えられない。だとすれば別の放浪者か。
 そう推察した斬空が顔を険しくしたのと同時に、辺りに緊迫した空気が張り詰めた。影が複数である事から少なくとも希龍ではないのが確かな事実。別の放浪者と言う事は……相手側によるが最悪戦闘に突入する可能性があったのだ。予想外の展開に斬空はロイスに息を潜めるように声を掛け、このままここに隠れてやり過ごす事にした。見つからない事を祈りながら。
 一秒毎に近付いてくる影。緊迫に縛られる心臓の鼓動が斬空の頭に響き、まだ敵と決まった訳では無かったが全身から緊張の汗が吹き出しそうだった。滲み出す生唾を飲み込み、迫る影から片時も目を離さずに、斬空の吊り上った鋭い目は影の動きを追う。悪い状況とはいつも最悪の状況へと発展するもので、それは今回も例外の余地を作らなかった。影は一直線にこちらに迫ってくる。
 隙間から外の様子を険しい面持ちで伺う斬空の傍らでロイスは体を丸めて息を潜めていた。今の彼にとっては、自分より経験豊富かつ冷静な斬空の指示に従うのが精一杯だった。喧嘩も、増して戦闘の経験など一つも無い。それに体を鍛えていた訳でもない彼は斬空の背中を見守る。一方、悪い状況は今正に最悪へと段を上げようとしていた。

「……!!」

 斬空の睨む対象が影からしっかりとした姿に変わった時、彼は思わず目を見開いてしまった。希龍ではないとは斬空も予想していたが、なんと現れたのは彼にとってもっとも出会いたくない相手だったのだ……。
 鋭い爪を地面に突き立てて剛健な出で立ちを見せるその者と、彼の後ろに続くその仲間。そう、彼らは以前希龍と斬空を棲家から追い出したあの集団――ドラピオンのドクが率いる集団だったのだ。斬空が隙間から見た所では二人ほど減っているようであったが、だとしても相手は三人。集団のリーダーであるドクの性格からして、隠れている斬空とロイスが見つかれば、今度こそ戦闘は避けられそうになかった。
 自分達を追い出して棲家を手に入れた筈なのにどうしてここに? そんな疑問もあったが、斬空はそれを考えているどころの状況ではない。彼はとにかく見つからない事を祈りながら息を殺す。
 彼らが隠れているとは知らないドクはアーチ橋のように道を跨ぐ看板をしばし見上げてから回転する頭部を動かして周囲を見渡す。左右に180度回転する顔は索敵などに優れ、また冷徹な性格である彼は当然の如く斬空が希龍の為に残したメッセージ――柱の根本に置いたポーチに気が付いた。

(くそ、気付かれたか)

 瓦礫に身を潜めながら斬空は険しい表情の中に並んだ歯を覗かせる。見つかるのは時間の問題か。瓦礫の中にじっとしながら斬空は隙間から鋭い目でドク一行を睨み続ける。
 瓦礫に身を潜めていたのが功を奏し、二人とも未だ気付かれてはいないが、ドクは斬空が置いたポーチを長い腕に先端に付いた爪で掴むとそれを持ち上げてじろじろと眺めていた。彼の周りでは仲間のザングースと包帯の巻かれたハブネークが周辺を捜索していた。何を、または誰を探しているのか見当も付かない斬空はただ彼らを睨みながら、この場をどう切り抜けるか策を練り始める。

「このポーチ、まだ風化していないな。それに確かこのポーチはあのエアームドが着けていたもの……。グース! 大蛇! 連中は近くに居る可能性が高い。この近辺を隈なく探せ!」

(チッ、やはり覚えていたか……このままじゃ……)

 町に轟くドクの低い声。それは息を殺し、身を潜める斬空やロイスの耳にも聞こえていて、二人に恐怖と焦りを生む。しかし、何故彼等が自分達を探しているのか……それを斬空はどうしても理解出来なかった。素直に棲家を譲ったのだから因縁がある訳でもないのに……。彼の表情は険しくなっていくばかりで、身を隠せているとは言え気付かれるのは時間の問題。二人が瓦礫の中に身を潜めているのは正解だがこの場を逃げ出すには瓦礫を退かす必要があり、そうなると音で見つかってしまう。彼等の死角から逃げようにも、やはり瓦礫を退かす際の音が問題となっていた。
 既に斬空達の捜索を開始するドク達。逃げられない極限状態の中、斬空は一度強く目を瞑ると振り返らず、ロイスに背中を向けたまま徐に口を開いた。

「ロイス……戦闘の経験はあるか?」

 突然斬空にそう聞かれ、伏せていたロイスは耳を動かすと彼の背中を見上げる。

「え? 戦闘経験なんてね、ねぇよ……俺、喧嘩は嫌いだし」

「そうか。じゃあ俺の指示に従ってくれ。……例えどんな事が起ころうとな」

「あ、あぁ」

 決して振り返る事なく、ロイスに背中を向け続けながら斬空は少し強めの口調で彼に語り掛け続ける。そんな彼の聳えるような背中を真後ろから見上げながら、緊張の中で伏せるロイスは彼の声に耳を傾けていた。

「いいか、何があっても戦闘中はここから出るな。ずっと息を殺して身を潜めているんだ。分かったな?」

「え? そ、それって……!?」

 ロイスが聞き返そうとしたその瞬間、斬空は彼の瞳に決意の固まった背中を残し、瓦礫を派手に砕いて勢いよく飛び出す。そして、荒廃してゴーストタウンと化した物静かなミクスウォータの町並みに、激震する砕破の轟音が鳴り響いたのだった。










To be continued...
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[[Reach For The Sky 9 ‐大切な友‐]] 
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あとがき
ようやくミクスウォータに辿り着いた斬空とロイス。しかしそこで久々に再会したのは希龍ではなく2話で登場したドク達でした。読者の皆様はタイトルからおそらく希龍と再会出来ると思ったかと思いますが、ちょっとしたミスリードと言うやつですね(笑)
さて、追い詰められた斬空が下した決断とロイスへの指示……果たして最悪の状況の陥った二人はどうなってしまうのか。そして希龍は無事に彼等と合流できるのか。次回は斬空とドク達の戦いをメインに書いていきたいと思います。
余談ですが、斬空とロイスが辿り着いた町――ミクスウォータの設定の一部を[[世界観とキャラ紹介のページ>Reach For The Sky  世界観とキャラ紹介]]に載せておきましたので、興味がある方は覗いてくださいませ。例の如く大した事は書いておりませんが。(苦笑)

貴重なお時間を割いてまで、お読みくださり誠にありがとうございました。
感想や誤字の指摘などなど、コメントがありましたらお気軽に書き込んでくださると嬉しいです。
#pcomment(Reach For The Sky 8 久々の再会のこめんと,10,below)

IP:220.109.28.39 TIME:"2012-01-02 (月) 14:21:25" REFERER:"http://pokestory.rejec.net/main/index.php?cmd=edit&page=Reach%20For%20The%20Sky%208%20%E2%80%90%E4%B9%85%E3%80%85%E3%81%AE%E5%86%8D%E4%BC%9A%E2%80%90" USER_AGENT:"Mozilla/5.0 (Windows NT 6.1; WOW64) AppleWebKit/535.7 (KHTML, like Gecko) Chrome/16.0.912.63 Safari/535.7"

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