//#include(第二回仮面小説大会情報窓・非エロ部門,notitle);記念に残しておく。 親愛なるあなたへ 未だ厳しい寒さですが、少しずつ春の足音が近づいてくる季節になってきました。風邪をひくこともなく、元気で過ごしていますか。 ところで、春に行われる世界一決定戦の地区予選はもうご存じでしょうか。 今年は私も、最愛のパートナー達と共に出場してみようと思います。 抽選に当選出来るかどうか多少不安ですが、経験者の話を聞くかぎりでは、どうやら抽選落ちは少ないそうです。 当選が確定したら、また一緒に練習試合をしませんか? もしよろしければ、お返事いただければ幸いです。 また会える事を楽しみに待っています。それでは。 追伸 ここ数日暖かい天気が続いたためか、こちらでは既に春先の花が咲きつつあります。 花粉症の彼女にとってはずいぶんと酷な天気かもしれません。 ---- Grace Dear ... by [[FOXEye>狐眼]] ---- 「……ふぅ。」 書き終えた手紙を封筒に入れ、封をする。 ふと窓際を眺めると、日のあたる場所でリーフィアがうたた寝をしていた。 「書き終わったでしゅか?」 気持ちよさそうなその寝顔を眺めていると、いつのまにか机の上にちょこんと座っていたシェイミが俺に声をかけてきた。 「ああ。他のみんなはどうしてるんだ?」 俺は封筒に切手を貼り、住所を書きながら辺りを見回した。 「リーフィアはそこでしゅ。ロズレイドは庭で水やり、ジュカインは……知らないでしゅ。また屋根の上で天日干しになってるんじゃないでしゅか?」 「そうか。」 封筒がきちんと閉じられているかもういちど確認して、窓際の一輪の花を手にとり。 「それじゃ、頼むぜ。」 その花をシェイミの鼻先に押し当てた。 「もぶっ」 どこか間抜けたような声をあげなたシェイミは、すぐに淡い光に包まれた。 ちなみに、俺が押し当てたのはグラシデアの花。 シェイミという種族は、グラシデアの花粉を浴びることで、飛行能力を持つ"スカイフォルム"に変化することが出来る。 某所では、シェイミの分類である"かんしゃポケモン"をもじって"がんしゃポケモン"と呼ぶこともあるらしい。生殖細胞の片割れを浴びて変化する、などと表現すると、なかなか的を射た呼称になるのではないだろうか。 もっとも、グラシデア以外の生殖細胞では何の変化も起こらないであろうが。 ――などという煩悩が頭をよぎる中、光から解放されたシェイミは、 「ぶええぇっくしっ!」 開口一番、大きなくしゃみで答えた。 花粉で変化するシェイミが花粉症だというのもなかなか不思議なものだ。 「ふぇぁあ!?」 二発目……ではなく、リーフィアの寝呆け声。突然の大きなくしゃみで、眠りから覚醒させられたようだ。 「ぶええぇっくしっ!」 今度こそ二発目。勢いは衰えない。 「……っく、毎回毎回、いきなり花を押しつけるのはやめるぇぶしゅっ!」 三発目。くしゃみを耐えながら話している割にはなかなか聞き取りやすい発音だった。 「いやぁ、可愛かったからついつい」 「かっ……」 "可愛い"と事実を言っただけで顔を真っ赤にしちゃうスカイミたんマジ萌え。 「可愛いとか言うなですっ!そ、それに可愛いとか言われてもぶぇっくしっ、別に嬉しくないぶぇくしゅっ!」 くしゃみしながら反論してるおかげで、シェイミの顔は大変な事になっている。もし鏡で今の自分の姿を見たらどういう反応をするか気になるところでもある。 「ははっ、落ち着け。鼻水で大変なことになってるぞ。」 「んぐっ……」 とりあえず顔が鼻水だらけだと気軽にすりすり出来ないからティッシュ数枚できれいに拭ってあげた。 「ん……一応感謝してやるです。」 それだけ言うと、シェイミはぷいっとそっぽをむいてしまった。 「あぁもう、こういう所もいちいち可愛いんだよなぁ。」 抱き上げて抱き締めてすりすり、クンカクンカ、スーハースーハー。 グラシデアのほのかな甘いかおりと生物の芳しいかおりが絶妙なバランスで含まれたシェイミの体臭。そのすばらしいかおりが俺の鼻腔をくすぐる。 「ちょっ、なっ、いきなり抱き締めるなですっ!」 しかしシェイミからの抵抗は全く感じられない。ただのツンデレのようだ。 「……っていうかそもそも手紙出しに行くんじゃなかったんですかっ!」 「あぁ、そうだったな。」 腕を緩めてやると、一直線に机に飛んでいき、置いていた手紙をくわえる。 「行ってくるですっ!」 体勢を立て直す一瞬の後、一言残して開いていた窓から外に飛び立っていった。 「いってらっしゃい……っと。」 その一瞬の出来事を見送ると、いつのまにかリーフィアが足元に擦り寄っていた。どうやら先程のシェイミとのやりとりに嫉妬していたようで、ソファに向かう間中全く離れようとしなかった。 ソファに座ると、擦り寄っていたリーフィアが膝の上に飛び乗り、仰向けになる。 「おっと……ふふっ。」 その「なーでーてぇー♪」と言わんばかりの姿勢に答え、お腹辺りをわしゃわしゃと撫でてやった。 「きゃはっ、くすぐったーいっ!」 リーフィアはくすぐったさに笑いながら悶えている。 あまりに可愛いので標的をお腹から脇腹に変えてみることにする。 「きゃははっ、ちょっ、そこっ、らめぇっ、くすぐったひゃははははんっ!」 くすぐったさに耐えられなくなったのか、リーフィアは身体を捩ってうつぶせになった。 「はぁ、はぁ、はふ……ん、マスターったらぁ……」 笑いすぎて少し涙目のリーフィアが見つめてくる。 「ごめんごめん、もうしないからさ。」 もちろん明日もするだろうが。 顎の下をかりかりとしてやると、うっとりした表情で目を細め、身体の力を抜いて甘えてきた。 「ただいまですっ!」 そこにポストまでの往復を終えたシェイミが窓から帰ってきた。 「おぅ、お帰り。」 シェイミはソファ前の絨毯に見事な着陸を成功させた。 「……っ!」 が、リーフィアが俺の膝を占領しているのを見ると一瞬固まった後すぐに俺の肩まで飛んできた。 「……手紙出してきてあげたんだから少しくらい感謝するですっ。」 おそらく、"リーフィアばかりずるいです、ミーにもなでなでするです"という意味だろう。 「そうだな。ありがとう。」 そんなわけでシェイミにもなでなでしてあげると、満足そうに頬に擦り寄ってきた。 ふと時計を見ると、既に時間は1時ほど。 甘えん坊な二匹の相手をするのも悪くないが、しかし他の二匹を放置するわけにもいかない。 「さて、昼飯作らないとな。」 リーフィアを膝から、シェイミを肩から、それぞれ避難させて立ち上がる。 キッチンに歩いていくと、予想通り、両者後ろに……いや。 「ほら、おまえらちょっと離れろ、危ないから。」 リーフィアは足元に、シェイミは頭の上に陣取った。 「こーらー、火使うんだから危ないって。」 まぁ何を言っても離れようとしないのはいつものことだ。 危険が及ばないように注意しながら料理するのもいつも通り。 料理の匂いに誘われて、ジュカインが降りてくるのもいつも通り。 そしてロズレイドが頃合いを見て手伝ってくれるのもいつも通り。 ――こんな日常だが、なかなか悪くはないものだ。この生活をくれた神様に、きちんと感謝しないとな―― ---- 発音が可愛いからしぇいみんしぇいみん言ってたら英語名がShayminで吹いた(作者談) ちなみに、正解は『WCSのカードゲーム大会に出場する予定のメンバーをモデルにして作られた小説』です。 すごく草単です。結果は一勝です。デッキを予測できるもんならしてみやがれ(← 正解者には……PCG以前のカードなら何かあげてもいいかな 送料着払いで(←←← ※ここから先、ポケモンカードやってる人じゃないと分からないかもしれない単語が含まれます。仕方ないね。 ちなみにデッキ内容ですが、 リーフィア×メタグロスからシェイミSFfとリーフィアラインとロズレイドライン コレクションパックからシェイミSFLV.X カードショップで手に入れてきたジュカイン(DP4) ギラティナ×ディアルガからジュカイン用のラインとシェイミLF さらに小説完成後にジラーチ(Pt2)とビークイン(L2)とトレードでもらったリーフィアLV.X 後はトレーナーとエネルギー 戦術としては ・ロズレイドに虹もしくはリーフィアLV.XのPPで草超をつけて毒混乱→リーフィアで1EN100ダメージ ・シェイミSFのPPでロズレイドに基本草付け替え→ジュカインPBで倍加→ロズレイドで200超ダメージ ・草が倒れたらシェイミSFLV.Xで110ダメージ撃ち逃げ 以上、安定度のないデッキです(笑) ちなみに結果は以下参照↓ 予選1:相手の展開に追い付けずに大敗 確か0-6でした( ジラーチのサポーター連打も、進化ポケモンを多数手札に引いて来ても、サイドにキーカードが落ちてしまっては意味がありませんでした。仕方ないね。 予選2:ワタッコを押し切って相手の引きが途切れて勝利 1進化メインだとHP100以下が多く、ワタッコ(L1)の技がかなり痛い。が、気絶が多いのでシェイミSFLV.Xの一撃もよく働く。 結局ワタッコ倒したところで時間切れ、サイド同数で延長戦。 その後相手にワタッコが来ず、シェイミSF付け替えからのロズレイドで辛勝。 ちなみにこの時、隣ではアンノーンG単がヤミラミ(DPs)に1キルされて終了。仕方ないね。 予選3:炎に焼かれて敗北 ビークインやめてトランセル(L1)にしておけばよかったorz リザードン(Pt4)のPBが地味に痛い。 結局序盤から押されて、サイド2枚差を縮められずに時間切れ。仕方ないね。 結果:1勝2敗でグループ3位。決勝進出ならず。仕方ないね。 まあ1勝とれただけでもよしとしましょうw ちなみに決勝戦は予想どおりガブレンのミラーマッチ。仕方ないね。 ---- #pcomment(花粉症スカイミが何か聞いてくれるそうです)