ポケモン小説wiki
Dragon Inside の変更点


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※注意!♀竜×♂人間です!この話は「ポケモン」の世界観とは多少異なり、残酷な逆レイプまで含んでおります!
 ちょっと違ったポケモン小説ですが、それでもいい方はお読みください。 By[[プテラン]]

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「今度の獲物はどんな子にしようかしら?ふふふ……」

現在は光を知らない真夜中である。ほとんどの人は明日の生活の為に寝静まっているところだ。そんな中、ある森林では不気味な牙と爪をもつ悪魔達が獲物を心待ちにしていた。

「……また若い雄を頂こうかしらねぇ……」

「そうね。雄はたくさんいるから食べても減るもんじゃないしね~♪」


  ****


「ん?ここは……?」


俺は気を失っていたようだ。目が覚めると俺は見たこともない森林にいた。
周りには霧がかかっており、見通しも悪い……。空色もやや悪く、曇りとなっている。

俺は雲で隠れた太陽を見つめる。どうやら現在は朝のようだ。
木々は俺を不気味に歓迎しているようで、何だか気味が悪い……。
緑色の草原も綺麗ではなく、所々荒れている。空気も普通の森林とはまた違った感じがするのだ。

「なんだよ……ここは!?」

孤独の森で俺は恐怖に満ちていた。黒い風がゲラゲラと笑い、俺を闇界に引きずり込もうとしている……。

俺は当たりをざっと見通し、少しでも守りになるようなものを探す。すると丈夫そうな木棒が草原にひっそりと眠っていることに気がつく。
俺は木棒を手に取る。理由は言うまでもないが、これは自分の身を守る為だ。
なんかこの森に入った瞬間から嫌な視線を感じるんだ……

俺はアル。コガネシティ出身でポケモントレーナーとして日常生活を送っている一般住民だ。歳は21で体格は筋肉質である。髪型は長めの黒髪で、身長は170cm程である。
何故体型が筋肉質であるかというと、俺はポケモンと共に修行をしているからだ。
俺の手持ちにはお気に入りのボーマンダがいる。ニックネームは“レイラ”で性別は雌だ。
彼女とはタツベイの頃からの幼馴染であり、誰よりも優しくて誰よりも強い……。俺にとっては命よりも大切な存在だ。
また、彼女はシンオウ地方のバトル大会でも優勝したことがある。その大会はハイレベルなものでシンオウ地方の普通のトレーナーでは出場できない。簡単にいうと強いポケモンとトレーナーだと認められる存在だけが出場を許されるのだ。3VS3で戦うのが基本ルールなのだが、俺の手持ちはレイラだけで十分だった。


そんなことよりもここは何処なんだ?気味が悪い……
取り敢えず、ここを一刻も早く出よう!

そう思うと俺は黒い草原を駆け抜けていった。


  ****


俺は森林の中をひたすらさまよった。しかし出口はなく、不気味な木々が俺を取り囲むばかりである。木々達は俺を逃がしてくれないようだ。
一度訪問した者は逃がさない……そういう意識がなんとなく感じられる。その為景色はちっとも変わりはしない。俺は次第に焦りや怒りの表情を覚える。

「く、くそ……。何なんだよ!ここは!……しょうがない……レイラに助けを頼むか!」

そうだ……俺にはレイラがいる……。コイツと一緒ならどこにいたって怖くなんかない。ずっとコイツと一緒に困難を乗り越えてきたんだ。
俺は心を落ち着かせると、ポケットベルトからモンスターボールを取り出す。
そして空高くモンスターボールを投げ上げる。

「行け!レイラ!」


……しかしモンスターボールは俺の命令を無視し、何事もなかったかのように草むらの中にストンと落ちる。
そう……モンスターボールの中身は既に空っぽだったのだ!

「おい……!嘘だろ!?レイラ!どこに行ったんだよ!?」

俺は切り札を失い心臓が破裂しそうになる。唯一の信頼パートナーの彼女がいないのだ。当然だ。いつも彼女に頼っていたせいか、俺の目の前は盲目となる。脳内は真っ白となり、冷静さを失っていた。

そんな……!レイラ!一体どうしたんだよ!?
いつも一緒に頑張ってきたじゃないか!?

俺はその場で膝をつき、悲しみを味わう。
いや、悲しみというよりは寂しさだ。俺と彼女は一心同体だった……。どんな辛い修行も彼女がいてからこそ、耐えられるのだ。
しかし今回はいきなり不思議な森に連れた挙句、彼女もいない……。俺は完全に途方に暮れてしまった。

しかし俺は男だ……。彼女と修行しているせいか、精神力も強い。俺には気持ちの切り替えが素早くできるのだ。俺は焦りや寂しさを0にし、目を瞑って深呼吸する。

何だか嫌な予感がするぜ……
この森に入ってからずっとだ……

呼吸が整うと、俺は太陽を睨みつける。

「この森を抜けて、レイラと逢うんだ。こんなところでくたばったりしない」

俺は彼女の笑顔を思いだし、寂しさを勇気に変える。
トレーナーが諦めると全てがダメになってしまう……そう思ったのだ。
俺は彼女ためにも足に力をいれ、魔界を走り出した。


  ****


「はあ……はあ……。おっ!景色が変わったぞ!」

しばらくすると綺麗な湖を見つけた。その湖は不気味な森林とは真反対に美しく輝いていた。見た感じ深さも大きさも結構あるようだ。

「喉が乾いたな……取り敢えず、水でも飲んでここで休憩しよう」

俺は水を手で救い、夢中になって飲み始める。
その水は俺の焦りや苦しみを和らげてくれた。

「ぷっは!……美味しいぜ……この水は……。ん?あそこに何か落ちているぞ……?」

俺は自分のすぐ近くに赤黒いグロテスクな塊が落ちていることに気がつく。興味を持った俺は早速その塊を手に取る。
赤い塊の正体は本であった。それは分厚くて、見た目が不気味である。

本名は『竜の恐怖政治』と書かれている。表紙は5頭の竜が一人の人間を見つめている……ゾッとするような感じだ。
また、その本はもの凄く古く、長い間触られていないようだ。恐らく元は綺麗な赤色だったのだろうが、今はカビて茶色に変色してしまっている。
後ろには、たくさんの人の名前が記されていた。

「こ、これは!?」

1ページ目を開くとポケモン図鑑のようになっていた。この中の図鑑はドラゴンポケモンで埋め尽くされていた。初めから見ると……リザードン・プテラ・ボーマンダ・クリムガン・サザンドラが記させていた。この本には所々字が薄いが、詳しく彼らのことを語っており、おまけに絵までついている。ちなみにこの本では彼らのことを「5竜」と呼ぶらしい。

「なんだよ……5竜って……。しかも、何だ……このポケモン達は?皆、尾が赤いぞ?」

本に搭載されているポケモン達は皆笑顔で示されている。しかしその笑顔には読者に何か恐怖を与えるような視線を感じるのだ……。それは何故だろうか……?

また、5竜達は普通のポケモンとは異なり尾が赤い。まるで何かにとりつかれているようだ。“赤尾”は何かの象徴なのか定かではないが、5竜を表していることに間違いはなさそうだ。

俺は本の世界に入り込む。
イラストではリザードンとプテラは互いに向かい合わせになっており、クリムガンとサザンドラは読者の方を見ている。リザードンとプテラの間には裸になった男性が描かれているのがなんとなくわかる。クリムガンとサザンドラは読者を歓迎しているようにこちらを向いているのだ。そして4竜の後ろ姿を見守っているボーマンダが描写されている。ボーマンダの目線は獲物を見つめるような眼差しで、中心の男性を指しているように見える。

俺は本とにらめっこする。手で薄汚いページをつまみ、無言で2ページ目3ページ目へと移る。
しかし間の4ページ目から字がかなり薄くなっている為、詳しい内容を読むことができない。更には8ページ目には何か消されたような後まで残っているのだ。俺は所々全体をざっと見て、内容を把握しようとした。
しばらくこの空間は俺の鼻息だけとなってしまった。


俺は最後から二ページ目を見る。すると大きな手がかりを発見した。

~~『1088年:研究者のレポート』……ある日突然不気味な森林に着いた者、そこは『Tordah』(トーダ)と言われている。トーダ地方はジョウト地方から遥か南にあると言われている。この町は有名なカントー地方やイッシュ地方とかとは違い、ほとんど知られていない世界なのだ。この国は直径50Kmの巨大な無人島である。トーダは昔から雌竜の国と言われており、たくさんのドラゴンポケモンが存在している――~~

ふむふむ……なるほど、ここはトーダという島国なのか。また随分離れているな……
これじゃどう帰るのか分からないじゃないか……!
くそ……彼女さえいれば、こんなところ直ぐに脱出できるのに……!!

俺はイライラしながら爪を噛む。完全に詰んだ状態なので俺にはどうすることもできない。

チッ……これからどうすればいいんだ……?考えろ……俺!

俺は頭をフル回転させ、必死で考える。島の場所、海を渡る方法、様々な進路経路を全力で検索した。
そして俺の脳に光の鎖が引っかかった!

「そうだ!ここは竜の国……それなら飛行できるドラゴンポケモンが存在しているかもしれない!俺がここに移動していたのならレイラもこの近くにいる可能性も十分あり得る!よし、もう少しこの島を探索しよう!」

俺はポーチに本をしまうと、直ぐにその場から離れた。


  ****


暫くすると俺は巨大な白岩の塊を見つけた。
その白塊は霧がかかっているせいで、どれくらいの大きさなのかもよく分からない。あたりがただ、真っ白の世界に見えるだけなのだ。


「何だ……あれは!?」


俺は疑問に思いながらその岩に近づく。より注意して観察するとそれは建物だと判明した。大きさは巨大すぎてはっきりとしないが、馬鹿でかいのは確かである。濃霧のせいでよく見えなかったのだが、立派な建物だということも分かった。
俺は無人島と言われていたトーダに明らかな人工物を発見し、目を輝かせた。


「おお、ここなら誰かいるかもしれない……!早速中へ入ってみよう!」


俺は早速中へ入ってみた。すると中は意外にもホテルのように綺麗な大理石でできていた。
電気もついているし、建物もかなり新しい。簡単に言うとヨーロッパ風のファンタジーで出てくる城のようなものだ。

「すみませ~ん!誰かいませんか~!?」

返ってきたのは反響する俺の声のみ……誰一人俺の前に姿を見せる者はいなかった。何か呼び出すベルのようなものはないかと見渡すが、そのようなものは一切見られない。
しかし俺は入口の左手にエレベーターがあることに気がつく。それも普通のよりも明らかに大きくて、本当にエレベーターかと疑うぐらいだった。


おお、エレベーターがあるぞ……!
なんか大きすぎるな……ちゃんと作動するのかな?


俺はエレベーターの▲ボタンを押す。すると待ってましたと言わんばかりに、直ぐにドアが開いた。
中に入ると上にはシャンデリアや鏡までついていた。壁は竜の柄で埋め尽くされている。俺は薄暗い外とは反対に肝を抜かれた。

「す、すごい……まるで高級ホテルのようだ……」

俺は階を決めるボタンを押そうとしたがないことに気がつく。しかしエレベーターはそれが普通であるかのように自然と閉まる。俺は疑問に思いながらエレベーターに身を任せることにする。エレベーターは俺の意を知り、そのまま速いスピードで登っていった。


  ****


40秒くらい経つと俺はようやくエレベーターが止まった。はっきり言って高速かつ長時間待っていたので何階にいるのがやや不安である。しかし入ったらからには抜け出せない……そんなことを考えていると、目の前の扉が開きだした。


「……わぁ……凄い……!」

エレベーターの外に出ると、綺麗な緑と白のタイルが俺を待ち受けていた。その二色は心地よいチェック模様になっている。
壁は真っ白で、大窓が所々ついている。その大窓は俺が出入りするのに十分すぎる大きさだった。
俺はしばらくその綺麗な空間をボーっと眺めていた。見たかんじでは、机に鏡……スクリーンに絨毯、そしてパソコンのような機械がこの空間の隅にある。


ここは何なんだ?
う~ん、スクリーンまでついてあるってことは何かの集う場所なのか……?
それならパソコンっぽい機械がある意味もなんとなく分かってくるし……

でも……一番気になるのは巨大な窓だ!
何故こんなにもでかいんだ?まるで何かが出入りする扉のようじゃないか?
窓……?はっ、そういえば……ここは何階なんだ!?

俺は長時間エレベーターで運ばれた事を思いだし、現在の階を調べようとする。更に速いスピードで乗せられたから、焦るのも当然だ。
俺は直ぐに何階に居るのかをチェックするために、大窓のそばに立つ。
すると信じられない光景を目の当たりにした。

「えっ……ええー!!ここって何階なんだ!高すぎるよ!」

俺はあまりの高さで気分が悪くなった。霧のせいで森の床は所々見えないが、あたり一面の海はちゃんと見える。どうやらトーダの周りには本当に何もないようだ。


バサッ……バサッ……


な、何だ!?この羽音は!?
どんどんこっちに近づいて来るぞ!

暫くすると翼を舞う音が俺の耳に入ってきた。
俺は窓から何かが近づいてくることを察して、その場を離れる。俺はエレベーターの近くへと移動し、音源を作り出した犯人を待とうと決意する。

「……」

生暖かい雫が首筋をなぞる……。
俺はただ大窓を見つめ、ごくりと唾を飲み込む……

暫くすると大窓がゆっくりと開き出した。その光景はまるで戦闘機をしまう時のようだった。

凄い風だ……!

俺は強風により、思わず目を瞑ってしまう。強風は嵐のようで、俺を突き飛ばそうとする。俺は無意識に手すりにしがみつき、風が止むのを待つ。


ドスン……

何かが床の上に落ちる音がした。するとその数秒後、風は緩やかになり大窓はゆっくりと閉じ始める。目は瞑っていても風と音で分かるのだ。

完全に風が止んだ……
俺は何が起こったのか恐る恐る瞳を開く……


「お、お前は……レイラじゃないか!?探したぜ!!」


驚くべきことに、俺の目の前には相棒のレイラが見守ってくれていた。レイラは美しい眼差しで俺を見つめている。感動的な再開を目の当たりにした俺は、自然と足が動き出す。

一秒でも早く彼女に逢いたい……
一秒でも早く彼女に触れたい……

そういう気持ちがあったのだ。俺は木棒を手放し、体を弾ませる。俺の脳内はこれまでにあった苦を忘れ、レイラの事ばかりとなっている。大好きな彼女が元気でよかった……そういうことだけしか頭にないのだ。

俺は目を輝かせてレイラにしがみついた。あまりの嬉しさに涙がこぼれ落ちる……。俺は彼女の首を優しく持ち、丁寧に撫でる。そしてそっと抱き寄せる……


「探したぜ……レイラ……心配かけやがって……。さあ、早く帰るぞ」


……しかしどうしたことか、レイラは全く動こうとしない。
俺はレイラの首をやや強めに引っ張る。俺は一刻も早くここを出たいため、目線はエレベーターにだけしか向いていない。彼女を動かそうとするが、彼女はエレベーターまで歩いてくれない。それに何故か一言も喋らない……一体どうしたのか、レイラは一歩も進んでくれないのだ。

生暖かいブレスが俺の後ろ耳から伝わってきた……。見なくてもレイラが頭を近づけてきたのが分かる。彼女はその場で優しく囁いた。


「ふふふ……ほんと、甘ちゃんなんだから……」


ん?なんか……いつものレイラと……違うような……?
き、気のせい……かな?

俺はレイラに多少の変化があったことに気がつく。普段の彼女の性格はわんぱくでもっと明るい。日常なら「アルちゃん、探したよ~!」って甘えてくる筈だ……。
なんか空気がいつもと違う。彼女からの暖かさが感じられない……

俺は彼女の首を引っ張るのを止める。後ろを振り返くと、再度レイラを見つめる。しかしそこにあったのはレイラとは全く別の表情であった……

「おお、おい……な、なんだよ!?」

レイラは人が変わったかのように、怪しい微笑みを浮かべていた。ニヤニヤとした表情で俺を見つめ、牙をギロリと光らす。
俺は“彼女が彼女でない”ことに気がつく!

「ふふ……ここまで来れば……あなたはあたしの獲物……。ふふふ……」

じょり……

彼女は不気味な微笑みで俺の顔を舌で舐め上げる。

「!?」

お、おい……!どうしたんだよ!
いつもなら笑顔で「会いたかったよ」って迎えてくれるじゃんか!?
彼女に……何があったんだ……!いつもの彼女じゃない!!

俺は瞳を鋭くさせ、勢いよく彼女から身を引いた。
何故なら彼女から危険なオーラを感じたからだ。

すると俺の判断は正解……彼女は俺に反応して、勢いよく飛びついてきたのだ!彼女は体全身を使ってのしかかりを繰り出す!
しかし俺は格闘技の修行しているせいか、素早く体を横に移動させ彼女の攻撃をかわした!

「くっ!」

俺は足を直ぐに地面につき、今度は床を蹴って大きく身をひく。これは修行の時に身につけたバックステップだ。足腰を鍛えていなければ一般人でこんな機敏な反応はできない。しかし俺はそれをマスターしたのだ。

レイラは俺の行動を既に把握していたようだ。彼女はその場で体を横回転させ、尾で俺を弾こうとする。
風を切るような音がこの階に響き渡る……。尾は狂った龍そのもののように激しく暴れだす。

「チッ……!」

レイラの尾先が俺の頬をかする……
ナイフで切ったような一本の赤線が俺の肌に引かれた。
しかし幸いにもレイラの攻撃をもろ喰らうことはなかったので軽傷ですんだ。俺はギリギリで彼女の2段階攻撃を避けることに成功した。


素手だけじゃヤバイ!
取り敢えず武器を手に取らなければ!!

俺はエレベーターの近くに落とした木棒を手に持ち、呼吸を整えながら戦闘態勢をとる。
棒をブンブン振り回し、激しい風切り音を発生させる。
剣術を極めていたこともあったので、俺は剣の構えで彼女を威嚇した。


「ふふ~ん♪流石アルね……凄い反射神経だわ。あたしの2連続攻撃を見事にかわすなんて……こんな人間、初めてよ……。やはりあたしのペットはあなたじゃないとダメね♪」

「レイラ……お前、何をされたんだ?」

冷静に俺は彼女に質問する。
レイラは艶かしい表情で獲物を見つめる。彼女は余裕たっぷりのようだ。前足は交差させ、どっしりと腰を落とした。

「ふぅ~あたしね……欲求不満なの。しばらくいい雄と出会っていないからむずむずしちゃってさぁ……。アル、あなたってイケメンで琢磨しい人間でしょう?優しいボーマンダお姉さんとエッチしな~い?」

「なっ……!?」

レイラはもうレイラで無くなっている。ただの性欲に飢えた汚い竜となってしまっていた。
俺は悲しくなって、足を床に付けてしまいそうになった。
しかしここで俺が諦めてはいけない!俺は彼女のパートナーなのだ。
俺が諦めてしまえば、彼女までダメになってしまう。
俺は今の彼女が本当の彼女でないことを信じる。

レイラはそんな奴じゃない!俺には分かる……!
彼女に何かがあったんだ!絶対に助けてやるからな!


俺はそう意を決すると直ぐに彼女に背を向け、エレベーターの隅まで走る。
そして下の階にいくボタンを押そうとする……が、押せなかった……。何故なら下にいくボタンがないからだ。俺は冷静な顔で彼女を睨みながら威嚇する。内心は正直焦っているが、俺は常に冷静沈着でいようとするため声を上げたりなかった。


「ふふん、残念ね……このエレベーターは下には行けないの。勿論これは作戦……そういう仕組みにしているのよ。何故なら、獲物が上階まで来ればもうこっちのものだしね♪」


……頭を使ってやがる……。そこはレイラと同じなのか……
他に逃げ道はないのか……!?

俺は彼女からの視線を外し、別ルートを探そうとあちこちをキョロキョロ見渡す。
レイラは俺の感情を掴んだのか、優しく脱出経路を教える。


「焦っているわね。いいわ、教えてあげる。あなたのすぐそこに階段があるの。その階段はあちらこちらにあって迷路のようにもなっているわ。勿論うまくいけば建物から出られるわ……まあ、無理だと思うけどね~。何故なら、この建物にはあたしの部下達がいるの♪どっちにしろ、あなたは逃げられない……ふふ、観念してあたしのおもちゃになりなさ~い♪」

なるほど……そういうことか……。俺は初めからコイツの作戦に乗せられていたのか。
突然見たこともない世界に人間が入れば、まず言うまでもないが仲間を探し出す。
人工物を発見すると、人間がいるかもしれないと思わせることになる。そしてふざけたエレベーターで俺を誘い、上階に閉じ込める……ふふ、人間の心理を利用したいい作戦だな……

「ふん、わざわざヒントを俺に与えるなんて……よっぽど自身があるんだな……レイラ。しかしお前は俺を舐めすぎている……後悔しても遅いぞ……」

「フフン、あたし……あなたのそういうところ好きよ♪そっちの方がやりがいあるしね~。いいわ、あたしは15分ここで待ってから追いかけるわ。あなたはこの迷路をどれだけ克服できるかしらね~。ここは50階……それまでにあたしたちに見つからず、無事に出られるかしらねぇ……」

俺は彼女の言葉を無視すると、直ぐに階段を使って下の階に降りた!


一頭の竜は舌をだらしなく垂らし、ニヤニヤと気持ちの悪い表情を浮かべる。
彼女は去っていく雄の後ろ姿を優しく見届ける……

「もう……あたしからは逃げられないのに……おバカさんねぇ……。えへっ……えへへへへ///」


  ****


「な、なんだここは!?」


現在49階……俺はこの時点でいきなりの展開で戸惑っていしまう。
49階は巨大な図書室のようになっていたのだ。ヒントとなるようなポスターや本がたくさんある。
これは彼女達がわざと人間にヒントを与えているに違いない……どこまで舐めてやがんだ!5竜は!

やはり雌竜といえども女なのだ。男にハンデを与える感じがして、気が好かない。しかし俺は彼女達のヒントを掴みたくなくても掴まざるを得ない。
流石にノーヒントでここを脱出するのはかなりキツイ。与えられた時間は15分……迷っている暇はない!

俺はまず壁にあるポスターを見る。
どうやら建物全体の地形図を表しているようだ。

50階……スタート地点
49階……図書室
40階……休憩室
30階……休憩室
25階……5竜の間
20階……休憩室
10階……休憩室
9階~2階……???
1階……入口

説明文と簡単な表を見た感じ10階・20階・30階・40階は雌竜が入ってこないらしい。危なくなったらここで休むことを勧めているようだ。
25階は一番困難な迷路となっているようだ。どうやら雌竜達の寝室と牢屋のようだ。はっきり言ってよくわからないが、とにかく危険らしい……。空間も地図で見たかんじかなり大きい。そして更に嫌なことには、もし15階や4階のように25階以下で捕まると、25階に戻されゲームオーバーらしい。

「くそっ……何なんだよ。これじゃあまるで俺と遊んでいるみたいじゃないか!馬鹿にしやがって!」

俺は腹が立ち壁を蹴った。すると一冊の青い本が床に落ちた。
その本は他と比べて比較的かなり新しい。
俺はなんだろうと思いながら開けてみると、とんでもないことが書かれてあった。

~~『研究者:アラン』2009年……“キース”によるウイルスの研究が行われた。キースは闇界でも有名な研究者アルド、アントニー達に続いている人物の一人だ。彼ら闇研究員はTordah(トーダ)を作り出し、竜の細胞実験を行われていた。彼らは強い雌ドラゴンを狙っており、現在も闇界で研究を進めている。何故雌なのかというと、雌は産卵可能だからだ。彼らは雌竜達に“Sウイルス”を挿入し、残酷な竜へと進化させた。そして世界を竜界に変え、世界征服をするのが彼らの目的なのだ。彼らはコガネシティのどこかにいると言われている。――~~


なっ……何だって!?そうか……レイラは“Sウイルス”を取り入れられ、あんな残酷な竜となっていたのか。へへ、本当の彼女じゃなくて良かったぜ!
そういえばあの時……彼女の尾は赤色だったぞ!レイラはウイルスに体を支配されているんだ!俺のレイラに酷いことしやがって……絶対許さねぇ!!!

俺は本棚にメガトンパンチを繰り出す。俺は大切なパートナーに手を出された怒りでいっぱいだった……。レイラは俺にとって全てなんだ……。彼女には言えないが、俺は誰よりもレイラを愛している……。人間じゃない彼女だが、間違いなくあの優しさと強さは男心を揺らす……。その為、他の雄達は彼女に告白するばかりなのだ。
しかし幸いなことにレイラは他の雄達との交際を断ち切ってくれる。「ごめんなさいね~。あたしにはどうしても好きな雄がいるの……」と言うばかりだ。俺は彼女に“その人”のことを教えてくれと頼んでも、絶対に教えてくれないのだ。くっそ……レイラの心を奪った奴め……憎いぜ……
おっと!こんなこと考えている暇なんてないな!!

俺は首を振って危機的状況である現実へと戻る。
俺はさっきの本のことをアレコレと考える……

5竜の話に戻るとしよう……
恐らく5竜というのも昔の言い伝えのようなものだな。本当は5竜というのは闇研究者の都合を合わせるための作り話だったんだ……。
リザードン・プテラ・ボーマンダ・クリムガン・サザンドラ……恐らくこの5種類が凶暴化させる条件にピッタリなんだ。そしてそのウイルスはなおかつ雌でないと発動しない……!Sウイルスはこの5種類にしか効かない、特殊なウイルスなんだ!


俺は真実を掴み取り、刃のような眼差しで遠くを見つめる。
俺の今の心は苦しみや悲しみだけしか残っていなかった……


コガネシティ……そうだ!俺は、居酒屋にいたんだ!
そしていつの間に気を失って……う~ん、あまり覚えていねぇ!
でもまてよ……俺はあの時天気予報を確かに見たぞ……。
俺は天気予報について昔研究したことがある。ここは遥か南……天気予報から計算すると恐らく三日は経っている。俺は三日間気を失っていたんだ……

俺は時間と事件を交互にかみあわせ、起こった出来事を想像する。
俺の予想では居酒屋で何かされ、トーダまで連れて行かれた。しかし俺は一度トーダで目を覚まし、性交のマシーンにさせるのを嫌がり、必死でこのトーダの森の中に逃げ込んだんだ。幸い俺は気を失っている間は闇研究員達に見つからなかったようだ。
今考えたら……ぞっとするぜ……


「……はっ!いかん!もう10分も経っているぞ!こうしちゃいられない!一刻も早くここから逃げなければ……!」

俺は青い本をポーチに入れると、一刻も早く下階へ通じる道を探していった。


  ****


「ふふ……15分経ったわね……。んふふ♪」


トーダ塔最上階ではレイラが獲物を心待ちにしていた。レイラは赤尾をフリフリさせ、マイクとパソコンの前に立つ。コンピュータの電源を入れると早速他の4匹に言い伝え始める。

「新しい新鮮な獲物“アル”がこの塔に入り込んだわよ。さあ~あなた達、アルを捕まえて頂戴。レイラ様からのご命令よ!」

するとモニターに映し出された4頭は首を縦にふる。彼女達は勢いよく“アル”を目指していった。


  ****


あれから何時間か経過し、夜となった。俺は図書館や様々な迷路を抜け、現在42階にいる。42階は迷路のようなトンネルとなっていた。俺は息を殺して木棒を構えながら出口を探っていた。

薄暗いな……。他の階と比べて薄気味悪いぜ……

そう、この階は他と比べると暗くて視界が悪いのだ。その為、もの凄い集中力が必要となる。しかし休憩所は40階……あともう少しなのだ!
俺は集中を蹴らさず、身長に左右前後を確認しながら進んでいった。

ゴゴゴ……

……!?なんだ、この変な音は……!
誰かが……来る!

言うまでもないが雌竜の可能性が高い……俺は手汗でねちょねちょになった拳で木棒を握りしめる。しかし上を向いても後ろを向いても敵の姿はない。
俺は更に集中して目を閉じ、耳だけで周りを把握する。

後ろにも前にもいない……
落ち着け……どこから音が聞こえたのか……分かるはずだ。
確かあの音は右でも左でもない……となれば……!!


「……ま、まさか!下か!?」


俺は勢いよくその場を離れて他の場所へダイブする。
するとその一秒後、地面から悪魔が俺の前に姿を表した。

「お、お前は……クリムガン!?」

地面から飛び出したのは洞穴ポケモンのクリムガンだった。彼女は俺を驚きの眼差しで見ながら爪を研ぎ始める。
彼女はウイルスに感染しており、ボーマンダと同じように尾が赤い。

「くくく……なんと、耳だけで相手の場所を把握するとは……流石の私も驚きだ……。いい雄がトーダ塔に来たものだねぇ~。ぐふふ……逃がしゃしないよ……レイラ様の為にもな……」

クリムガンは俺を下品な眼差しで見つめる。彼女が俺を捕まえる目的は言わなくても分かる。これはレイラの命令なのだ。恐らく俺を捕まえて犯すつもりだ!そして産卵し、強い竜を生み出すのが狙いに違いない。いや、それだけじゃない……彼女は欲求不満なのだ。
とにかく、コイツに捕まれば残酷な逆レイプが待ち受けているのは明らかだ。俺は木棒を振り回し、クリムガンに棒先を向ける。

「はは!この私にそんな貧弱な木棒で戦おうっていうの!?馬鹿な雄だねぇ~」

「ふん……確かに普通に戦えば人間が負けるに決まっている。でもな、俺はお前なんかに負けはしない。俺は俺なりの秘技や作戦を持っている……」

「ほう……じゃあその秘技や作戦というものを私に見せておくれ!」

クリムガンは勢いよく俺に突進してきた。鋭い瞳と威圧感が非常に怖い……。明らかに俺を捕まえようとする意識が感じられる。
しかし俺は並みの者ではない。俺は剣術や、空手の部門でも上位を争う程の持ち主だ。
俺は毎日修行を積み重ねている。俺にだって鳥が竜を覆すような隠し技を持っているに違いない!レイラを守りたい……それだけの為に修行をしてきたのだ!

俺は歯を食いしばり、瞳をギロリと光らせる。鋼の如く硬化された心は俺自身を強くする……
俺は彼女の攻撃をかわし、棒で彼女の後頭部を叩く!

「ふん!」

しかしさすが竜の鱗……木棒は爪楊枝のようにポキンと折れてしまった。
折れた木棒は激しく周り、壁に衝突する。

「か、硬い!」

俺が焦りの言葉を漏らすと彼女は不気味な微笑みで俺を見つめ返す。
クリムガンの瞳はより不気味化していた。

「ふふ……今の攻撃……なかなかいい攻撃だったねぇ……。でもただの“木棒”だったのを後悔してももう遅いんだよ!」

まさか一発で折れるとはな……予想外だ。しょうがない……一か八かやってみるか……。
雌竜に効くかどうか分からないけど迷っている暇はない!
ここで争っていると他の雌竜達に見つかってしまい、どっちにしろ袋の鼠になる。

俺は勢いよく彼女から逃げ出した。勿論足音も上階や下階まで響いている……。まるで俺の足音は雌竜達をおびき寄せる“死のダンス”のようだ。

「はは、足音が馬鹿でかいよ~?あはは!どこへ逃げようというのかね!?」

雌竜は俺の自殺的行為を見て高笑いする。彼女は赤尾を丸め、技を繰り出す準備をする。
あの格好はドラゴンテールに違いない。レイラの攻撃をいつも見ているから、なんとなく分かる。
流石にひっかくのはやめにしたのだろう。何故なら俺はレイラの餌……餌に出血されたりするとレア度が落ちるからだ。

彼女は体を横回転させ、俺の背中をムチのようにしばこうとする。俺は背に風圧を感じた。
しかしそれを予測していた俺は、その場でタイミングよくバク宙返りをする。

俺の体が宙を舞う……。赤尾は俺の髪をかすった……!
俺は見事に彼女の攻撃をかわした。俺のジャンプ力は恐らく世界でもトップクラス……それを知らない彼女は当然目を丸くする。

「喰らえ!!」

俺はそのまま体の全体重を使って彼女の後ろ首を肘打ちする!
実は俺の肘には特殊な金属でできた鉄のバンドをつけている。この金属は薄くて軽いが硬さだけはずば抜けている。
格闘家である俺は見事に重力を利用し、クリティカルヒットした!

「がはっ!!」

クリムガンの頭は岩よりも硬い……。ほとんどのモンスターや生き物の弱点は後頭部だが、彼女の頭は硬すぎる。
だから俺は彼女の後ろ首を狙ったのだ。ここも急所であることは認識している。幸いにもクリムガンは比較的素早さが遅いため、俺の攻撃をかわすことができなかったようだ。

流石にクリムガンも俺の猛烈な攻撃に耐えられなかったのか、激しい悲鳴を上げる。
遂に彼女は気を失ってしまった。

「はあ……はあ……人間だからって舐めんなよ……。俺は格闘家だぞ。油断したお前の甘さがこの結果だ……」


俺は倒れた雌竜を見下ろす。クリムガンは口を開け、目を瞑っている……
俺は彼女から目を離すと、直ぐに足音を立てずにこの場から離れる。早くここから離れないと他の竜達が集まってくる……そう思いながら俺は下階を目指していった。


  ****


日が沈み夜となった。トーダは完全な闇世界となった。
綺麗な空間である最上階では、クリムガンがボーマンダに報告をしているようだ。

「レイラ様……すみません、油断してしまって雄人間にやられてしまいました。あの人間は……只者じゃありません!」

「あら、失敗しちゃったの~。あなたは5竜の一匹なのよ?そんなことでどうするのよ。あたしをがっかりさせないでよね」

「す、すみません!!次は必ず捕まえ、レイラ様を満足させます!」

クリムガンはレイラにひたすら頭を下げている。どうやら5竜には上下関係がはっきりしているようだ。レイラは牙をギラギラさせ失敗した竜を思う存分苦しめる。


「うふふ……あたしを誰だと思っているの?あたしは5竜のリーダー様なのよ♪しっかりしてよね。でも……今度はちゃんと連れてくるんでしょうね~~」


どうやらボーマンダは5竜ではリーダー的存在らしい。
ボーマンダはクリムガンに顔を近づける。頭をやや傾け、目を細めて舌なめずりをする……
クリムガンは怯んだのか、彼女から頭を遠ざけ目を丸くしている。歯も少しだがガクガクさせているのが分かる。
ボーマンダからの邪悪な殺気が彼女にも十分伝わったようだ。


「は、はい……!!ももも、もちろんです!!どうか……お、お許し下さい……!!」

ボーマンダは赤尾をクリムガンの顎につける。そして優しく摩って、哀れな竜を可愛がる……。この行為は明らかに絶対的な権力の象徴を表していた。

「ふふん、いいわよ。あたしはとっても優しいお姉さんだからね~。でも……今度失敗でもしちゃったら……軽く右手を引きちぎってあげようかしらねぇ~。ふふふ……」

「あ……うっ……」

「もういいわよ。あなたの泣き顔も可愛いことだし、今回は許してあげる……。取り敢えず、トーダ塔の雄人間の人数確認とプテラやリザードン達の様子を教えて頂戴」

クリムガンは焦って早口で言い伝える。
それとは反対にレイラは相手の反応を楽しむかのように眺めている。

「は、はい!レイラ様、トーダ塔には現在5人の雄人間が存在しております!そのうちの4人は我々が確保しております。現在他の雌竜達は25階の寝室で雄人間と楽しい時間を過ごしております!」

雌竜達はそれぞれ1頭につき、1人の男性をペットとして可愛がる。ペットとなった雄は勿論自由を許されない、ただの奴隷達だ。
しかしレイラにはまだ、可愛がる雄がいない……。レイラは目を細め、牙をギロリと見せつける。彼女の鋭い瞳からは“アル”をペットにする残虐な奸計を感じ取られる。

「あなた達はパートナーを既に捕獲しているようね。あ~あ、あたしも早いところ“アル”を捕まえて楽しい時間を分かち合いたいな~。でもこの迷路を彷徨わせるのはトーダの儀式のようなもの……この儀式で雄人間の強さもレア度も分かってくるしね♪さあ、ぼちぼちとあたしもアルを追いかけようかしらね~。アルはあたしの一番の人だし……自分で捕まえたほうが良さそうだしね♪」

クリムガンはレイラの発言と殺気に震え上がる……。クリムガンはレイラがどれだけ残酷であるのかを知っているかのようだ。そうでないと激しく怯えたりなどしない筈である。
5竜のリーダーは赤尾を嬉しそうに振りながら下階を目指していった。


  ****


一方25階では、雌竜達が集まりそれぞれのトレーナーと宴会を楽しんでいた。
どうやらこの階は部屋が寝室になっており、部屋まで5部屋に分かれているらしい……。捕まった哀れなポケモントレーナー達は牢屋に入れられ、ただひたすら雌竜との交尾の順番を待たされていた。

ガラガラガラ……

4人の人間を閉じ込めている牢屋の入口が開いた。
すると火炎ポケモンのリザードンと凶暴ポケモンのサザンドラが牢屋に侵入した。
二頭の竜は嬉しそうに会話し始める……

「ふふ……さあ、あたしのペットはどこにいるのかしら?」

「リザードンのペットは一番右側にいるよ!あたしのは……左側だね……ぐへへ」


2匹のポケモンはそれぞれのペットを探し出し、牢屋の中に足を踏み入れる。哀れな男達は変わりきった邪悪なポケモン達の姿を見て絶望しているようだ。二匹は早速目当ての男をそれぞれ手に入れると、早速自分の部屋に持ち帰るのであった。


  ****


「おい、どうしたんだよ!?リザードン!?お前はそんな奴じゃないだろ!?」

「さっきからうるさいわね~。何て言おうとあたしの自由……あなたはあたしの獲物なの!」

25階の寝室の部屋番号“R室”にはリザードンが一人の男を押さえつけていた。恐らくRはリザードンのRであろう。
ベッドに押し倒され、手錠を大の字にかけられ、男は苦しみと絶望の声を上げる。しかしリザードンは男の言う事を無視し、残虐的な交尾を行おうとする。彼女はよだれをダラダラ垂らしながら、男のズボンを力ずくで脱がす。そして彼女は恐怖で縮こまった情けない雄を発見する。

「マスターのはちっちゃくて可愛いね~。これって小指サイズ?フフン、そんなのどうでもいいか~。まずは軽く味見させて貰おうかしらねぇ……」

彼女がその言葉を言い終わると、男のペニスを口内に含む。彼女達の会話から察すると、アル達と同じように、トレーナーと手持ちの関係のようだ。
トレーナーは自分の愛しのポケモンに馬鹿にされ、弄ばれる羽目となった。

じょり……じょり……じゅぽ……!

「く、くそう!うが……!!」

リザードンは縮こまったペニスを分厚い舌で可愛がる。頭を動かさずにただ口の中で亀頭やカリを舌でなぞったり、つついたりする。彼女は上目遣いで嫌らしい視線を送りながら、男を絶頂にまで持ち運ぼうとする。
男は快感に耐えながら、手足4本を激しく揺らす。しかしそれは全て手錠に吸収され、無意味な抵抗となってしまう。男が雄叫びを上げる度にリザードンは扱くスピードを速めていく。

じゅるじゅる……じゅぽん!

彼女は一度肉棒を口内から開放する。彼の肉棒は既にビンビンになっていた。彼女の嫌らしい視線とテクニックによって早くもフル勃起させられたのだろう。
彼女は今度は手で上下運動を行う。グチュグチュとした水音をたてながら、潤いある視線と綺麗な声で自分のご主人様を痛みつける!


「ふふふ……人間のあなたが雌龍様のフェラチオなんて耐えられる筈がないのよ……。さあ、諦めて全部あたしにちょうだ~い♪」

パクン……!

「はう!?」

彼女は再度肉棒を咥える。両手で左右の睾丸を優しく包み込み、マッサージを行う。
それと同時に頭をもの凄い速さで上下させ、一気に男を絶頂へ導いていく。

ジュブ……ジュル……ジュポ!

「く、くそう!ダメだ!耐えられない!!」

男は早くも絶頂を迎えようとしていた。彼女は裏筋ばかりを攻めてくる。雄の最も敏感な部分を集中的に舐めながら、透明な液をちゅうちゅう吸っていく。
更に彼女は鋭くも優しい眼差しで見つめながら、激しく頭を上下させてくるのだ。

人間である彼に、彼女は容赦なく肉棒を弄ぶ。更には牙で甘く雄をはみはみするのだ。
そんな強力な攻めに、絶頂まで追い詰められた雄が耐えられる筈などありえない。

「で、出るぅうう!!うわあああ!!」

びゅる……!どぴゅぴゅ!!

男は遂に耐え切れなくなり、盛大な精を放った。彼女は悦に満ちた表情で精子たちを歓迎する。ごくごくと嬉しそうに喉を鳴らしながら精を一滴も残さず味わっていく。

「んく……んく……ふふふ、濃いわね……」

しかしこれで終わりではなかった。射精の威力が弱まると、より多くの精子を味わいたいが為に猛烈な吸引を加えてきたのだ。

じゅるじゅるじゅる~~!!

「くそ、やめろー!!吸うな!」

男は殺人的な快感で叫び狂う。彼女はその様子を嬉しそうに見ながら、雄叫びを楽しむ。
リザードンは精巣に精子が一滴もあることを許さないようだ。彼女は睾丸をこちょばしながら、精巣から無理やり精子を追い出そうとする。
男はただひたすら雄叫びを上げていた……


「はあ……はあ……。おい、リザードン……。いい加減に目を覚ませよ……!」

長い長い射精が終わると男は力なく横たわっていた。しかしペニスはまだ彼女の口内から開放させていない。彼女は男の偉そうな口調に気が好かなかったのか、肉棒を咥えたままもう一度頭を上下させた。

「お、おい!また……!?さっき放ったばっかりだろうが!?やめ……て……くれ!!」

彼女は嬉しそうに再度上下運動をし始めた。彼女は時々口から肉棒を放し、爪でしごきながら男に言い伝える。

「ふふふ……雌竜様に向かってな~に?その偉そうな口は?罰としてフェラチオ3回追加ね。あたしって優しいわね~♪」

「ひ、ひぇええ!!お、鬼だぁああ!!」


  ****


その間、俺はもう30階まで降りて休息をとっていた。色々な仕掛けや雌竜に見つかりそうで大変だったが、なんとかここまで降りてこられたのだ。
休憩室は赤い絨毯とソファーがあって本当に綺麗だ。おまけにモニターや自動販売機のようなものまでついている。自動販売機はどうやらお金を入れなくても勝手にドリンクが出てくるようだ。
俺はコーラを飲みながらソファーに腰を掛けてリラックスする。

「あと20階……もうすぐだ……。休憩したら、直ぐに出発するぞ!」

ピー……ピー……

突然、この部屋にあるモニターにスイッチが入った…。何も分からない俺はしばらくその様子を見ていると……突然テレビ画面にレイラが映った!

「レ……レイラ……!!」

「アル……あなたの強さ……十分見せてもらったわ……。あのクリムガンを倒してまで30階まで降りてきたのね♪はっきり言って人間がここまで来るなんて思いもしなかったわ……。ふふ……これは面白い……先に25階で待っているわ……」

プチン……

レイラに話しかけようとした瞬間、モニターの電源が切れてしまった。俺は空き缶を部屋に投げ捨て、気持ちを切り替える。

「レイラとの勝負は25階……」

レイラは俺をどこかで見ているのだ。レイラは“あなたの強さ、十分見せてもらったわ”と呟いていた……。彼女は俺の強さをじっくり伺いながら、レア度を図っているのだ。わざとレイラは俺を襲わず、25階まで待っていたのだ。
俺は休憩室の外につながる階段を睨みつける。

「いいだろう……。お前とは一度……戦ってみたかった……」

俺は胸を熱く焦がす。レイラの瞳を思い浮かべ、俺は意識を高める。最強である愛しのパートナーと戦うことができる……これ以上の幸せなことなんて他にない。
俺は彼女から逃げたい気持ちでいっぱいだ。でもここは裏を返せば彼女からの挑戦なのだ。愛しき竜の前に未熟な後ろ姿を見られたくない……それなら死んだほうがマシだ!

俺は無理やり魂を蒸発させる。彼女が彼女でない悲しみの方が強いが、彼女が俺を認めてくれているのが何よりも嬉しかった……。何もかもがごちゃ混ぜになった複雑な感情を俺は抑えきれず、自然と声が口から漏れ出す……

「レイラ……俺はお前を倒して、本当のお前を取り戻す!今のお前なんかに俺は身も心も許しはしない……。俺はお前を殺すつもりでいこう……」

好きだからこそ、愛があるからこそ、“殺”を入れる……。俺が今の彼女を殺さなければ、元の彼女を手に入れることができない!
俺は複雑な狭間を通り抜け、彼女との戦いを受け入れようと試みる。
何もかもが一段と強くなった俺は歯を食いしばりながら下階へと突入した。


  ****


「くそ、どうしたんだよ!おい!」


アルが目指している25階の寝室では淫らな行為が行われていた。発情した雌竜はトレーナーを襲い、官能的な世界へどっぷりと浸かっていた。
プテラがいるP室では、雌竜が閉じこもった空間でトレーナーを弄んでいた。

「ほら、早く逃げないと~あたしの餌になってしまうよ?」

14畳程の空間で男はプテラから逃げ回っていた。恐らく彼女は放置プレイを楽しんでいるのだ。人間を閉じこもった空間のなかで自由にし、その反応を楽しむという残酷な逆レイプだ。恐らくプテラは疲れきって力がなくなったところをゆっくり頂くのであろう……

「くそ、この扉開かねえ!ここから出せよ!!」

男は必死で泣き叫びながら出入り口のドアを殴りつける。しかしその鉄のドアは男の言うことを聞かず、何も反応してくれない。彼女は笑いながら自由のようで“自由ではない”雄を追い詰める。

「もっと必死に逃げないと本当に捕まっちゃうよ?捕まったらあたしの特殊能力であなたをハッピーエンドになっちゃうよ~?キャハハ♪」

「はあ……はあ……なんだよ!その特殊能力って!?」

「ふふ~ん♪それはね……丸呑みプレイよ!あたしね、精液を飲むと数分巨大化できるようになるの。つまりあなたのおちんちんしゃぶった後は、あたしの胃袋の中でお寝んねなのよ~!どう?」

「ななな、何だって!?!?そんなの絶対嫌だぁああ!!」

「それなら早く逃げないと♪後残りは2時間だよ~。それまでに捕まったらゲームオーバーね♪」

「ひ、ひぇえええ!」

男は遂に泣き出した。それは当然だろう……捕まったら精液だけでなく、命まで奪われるのだ!彼女の話だと雄人間の精を飲み干すと巨大化可能になるようだ。恐らくこれはSウイルスと同じように、特殊な薬品でこのような状態となったのだろう。プテラは雄液を搾り取ると主人を丸呑みにするつもりなのだ……

プテラはニヤニヤしながらマスターに近づいていく。男は次こそは逃げられないと感じだとか、顔がさっきよりも青ざめている。彼女が近づけば近づくほど、反比例の関係で顔色が変わる。プテラは嬉しそうな表情を濃くすればするほど、男は絶望な表情を濃くしていくのだ。
プテラは遂に力なくなった雄を仕留めた。彼女は男を押し倒し、狂ったように笑い出す。

「アハハハハ!つかまえちゃった♪」

彼女は爪で主人の服を剥ぎ取る。ビリビリと激しい音がしたが、彼女は見事に服だけを見事に剥ぎ取った。あっという間に剥ぎ取られた哀れな男は全裸状態となってしまった。

「た、頼む!お前はそんな奴じゃないだろ!?今までずっと一緒に頑張ってきたじゃないか!?俺を忘れたのか!?」

彼女は男の言うことを無視し、巨大な翼で覆い隠す。抵抗する力がもう残っていないのか、男はもがこうともしなかった。
プテラは赤尾をロープのように使い、男を縛り付ける。男はこけしのように手がない状態となった。

「あたしの餌になれるなんて、マスターは贅沢ね~。こんな美竜様に犯してもらえるのよ?もっと幸栄に思いなさ~い」

ジョリ……チュルチュル……

「うがが!やめろ!」

プテラはうっとりした表情で雄をペロペロ舐め始める。自由を許されない男はただ快感に耐え、足をバタバタさせていた。
しかし彼女にとっては赤ん坊が抵抗したのと同じ……プテラは男の抵抗を嘲笑う。

プテラは大きな舌で人間のモノを弄ぶ。竜の唾液をたっぷり染み込ませて、ペニスをドロドロにする。
彼女は舌だけでなく、手も使ってきた。舌で裏筋をなぞりながら手でしごいてくる。
そして更には雄のプライドをズタズタにする殺し言葉まで使ってくるのだ!

「ふふ……人間のおちんちんは貧弱なのね……」

「ぐぁ……!はぅ……!」

彼女は爪先で小さな雄の亀頭をグリグリと転がす。プテラは男のペニスの大きさを馬鹿にしながら、屈辱的な奉仕を行う。
男は涙を流しながら彼女の方を見ている。しかしその泣き顔が彼女の残虐心を濃くしていく……

「ほらほら!出しちゃうとあたしに食べられちゃうよ~?……せいぜい頑張るのね……まあ、無理な話だけど……」

美竜であるかつ残酷竜である彼女は男の感情を全く無視し、ただひたすら雄を痛みつける。彼女は嫌らしい眼差しでペニスを何度も何度も舐め上げる。
ペニスを鷲掴みされ、亀頭をグリグリされ、裏筋を何度も舐めあげてくる……男は徐々に焦りの表情へと変化していく。どうやら限界が近いようだ。

「も、もうやめてくれ!!耐えられない!!い、いっちゃうよ!!」

「あら、もう終わりなの~?つまらない雄ねぇ……ふふふ♪」

パクン……

「はぅ!?」

そう言うと彼女はペニスを丸呑みにする。頭を上下させながらもの凄い吸引で精子を吸い取ろうとしている。
男は今以上に暴れだす!しかし抵抗するとお仕置きのように赤尾で締め付けてくるのだ。おまけに裏筋もきつくしごいてくる。彼女の目も弧を描いている。プテラは男が耐え切れずに射精するのを心待ちにしているのだ。

「もう……ダメだ!!!やめてくれ!!」

男は射精を迎えようとしていた。プテラは咥えたまま笑い、馬鹿にしている。
彼女の嫌らしい視線に竜独特の舌技……絶頂まで追い詰められた雄が耐え切れるのは不可能……。
男の「やめてくれ」という声は彼女の耳には届かなかった。彼女はただ優しく目を細めてペニスを舐めしゃぶるだけだった……


「うあ……!いく!!ぐあああ!!」

ビュル……!ビュルルルル!!

男は残酷な竜のフェラチオに耐え切れず、彼女の口内に精を放ってしまった。プテラは瞳を更に鋭くさせ、精子を吸いつくそうとしている。精子が来た喜びでいっぱいになった彼女はニヤニヤしながら肉棒に激しい吸引を加えてくる……

ちゅ~じゅるじゅるじゅる!!

「うぁああ!あがぁああ!吸うなんて反則だ!!」

彼女の口内が精液でいっぱいとなる。プテラはご機嫌な表情で精子をごくごくと喉を鳴らして飲み干す。よほど精液の味が好きなのだろう……。その証拠に吸引もなかなか止めない。たくさんの精子達が彼女の胃へと消えていく……。

「んく……んく……ぷっは!美味しい♪」

彼女はようやく肉棒を開放した。男は既に力なく横たわっている。
しかし残虐プレイはまだ終わってはいない。プテラは舌をだらしなく出しながら男に言い伝える。

「ありがとう。あなたの精子は濃厚で美味しかったわ。胃袋が精液でいっぱいになっているうちに食べてあげる……」

「!?」

プテラは男を赤尾で拘束したまま光りだす。男はあまりにも激しい光で思わず目を閉じてしまう!

「ま、眩しい!」


大体10秒程だろうか……目を遮るような激しい光は無くなっていた。しかし男の目の前は恐怖で埋め尽くされることとなった。

「な、ななな……!何て大きさだ!?」

プテラは4m程の大きさとなっていた。いつの間にか尾ではなく彼女の右手で拘束されていた。男はあまりにも衝撃的で言葉を失う!

「は……ああ……!!」

「ふふ……美味しそう……」

男の目の前の化け物は舌なめずりをする……。恐らく本当に食べる気なのだ!彼女の顔は不気味さをましていた。男は最後の力を使い、必死で抵抗する!

「わわ!お願いだ!!やめてくれ!!」

ジョリジョリ……

「はぅ!」

巨大な竜は舌先で小さな人間を弄ぶ。男は泣き叫びながら必死で助けを呼ぶ!
しかしこの空間は防音室……彼の声など聞こえはしない……
彼の目の前にはもう牙の森である。唾液でギラギラと光る牙を目の当たりにし、男の顔は凍りついた……
しかし彼女は男の感情を悟ったのか、優しく声をかける……。

「ふふ……今までありがとう♪次に生まれ変わったときはもっと激しい交尾をしましょうね。さあ、ゆっくり休みなさい……あたしの胃袋の中でね!」

グバァアア……!

プテラは口を大きく開ける。彼女は舌で男をぐるぐる巻きにする。そしてそのまま肉洞にじわじわと引きずり込む……!

「う、うわあああ!!助けてくれー!!」

しかし無論、助けなど来ない……。彼女は残酷な笑みで、自分のトレーナーを見つめる。この笑みは“助けなんて来ない”と言い伝えているようだ。男の顔は涙や鼻水、そして汗でぐちゃぐちゃとなっている。
男の願いを無視し、自分の思うままに捕食する……。そんな光を知らない竜は遂に男を口内へと持ち込む。そして二度と開きはしない牙の出入り口をゆっくり閉じる……。

「うわあああ!!」

……バクン!

男の視界は真っ暗となり、あっと言う間に肉洞へと消えていった……。人間を味わった雌竜はご機嫌な表情でお腹を抑える。

「ふふふ……いい顔だったわ♪でも怖がらせすぎたわね……。実際は人間として死ぬという意味なんだけどね。あなたは約3時間後、雄竜に生まれ変わってあたしのパートナーとなるわ」

そう、彼女達の本当の目的は強い雄を生み出すこと……。恐らく彼女は主人を雄竜に変えるつもりなのだ。普通の死を迎えていると思い込んでいる彼にとっては、言い表せないほどの恐怖を感じていたのだろう。しかしここで種を明かせば彼女自身が楽しめなくなる……そう思い、プテラは男に何も言わなかったのだ。
しかし……恐らく雄竜に生まれ変わっても“残酷な逆レイプ”が消えることはないだろう。


  ****


はあ……はあ……もうすぐで25階に着くぞ!

朝となった。トーダ塔は所々空いている窓から光がさした。霧も昨日よりも薄く、くっきりと塔の形が見えるくらいだ。
俺は現在26階にいる。途中でサザンドラとリザードンに見つかりそうになったが、幸運にも上手く避けて下階へ移動することが出来たのだ。張り裂けそうな心臓を抑えて俺は25階へとつながる階段を目の当たりにしていた。

ここを降りれば……レイラが待っている……

俺は深呼吸して鼓動を落ち着かせる。緊張しているのか、足が自然と震えだす……。俺は手で足を叩く。そうしないとまともに歩けないのだ。

俺は瞳を静かに閉じる。疲れきった体に指先や足先まで気を入れる。邪悪なオーラを感じる25階には言うまでもないが、俺の未来を左右する階でもあるのだ。俺は瞳を竜のように鋭くし、階段を一段一段下っていった。


  ****


25階へたどり着いた。25階は他の階とは異なり豪華でかなり広い空間であった。
床は最上階と同じようなタイルが待ち受けていた。緑色と白色のチェック模様だ。壁も真っ白で構造も似ている。
しかし最上階とは異なる点がたくさんあった。まずは大きな牢屋のようなものがすぐ左手にあるのだ。その牢屋はざっと見た感じ一辺が5m程の立方体である。
次に部屋の数……この階には鉄製のドアが8つ程あるのだ。見た感じは指紋ロックのようで本人が触らないと開かないシステムとなっているようだ。その扉のうちの4つには、よく見るとそれぞれアルファベットが付けられている。「R」「S」「P」「K」のようにまるで倉庫の番号のように振り分けられている。

ドスン……ドスン……

……誰かの足音が聞こえてくる……
俺は足音の正体の予想はついているにもかかわらず、正体を知りたがっていた。
恐らくかなり緊張しているせいだろう。息苦しい緊張のせいで、足音の正体を一刻も早く知って楽になりたいと無意識に思っているのかもしれない。

ドス……ドス……

音が大きくなるに連れて俺の心臓が脈を激しく打つ……。手は汗でぬめぬめと心地悪く湿っている。顔や首も汗そのものが危険サインを送っているかのように俺の顔に張り付いている……。
窒息しそうだ……。しかしここで逃げるわけにはいかない!
俺は逃げたい気持ちを抑え、足腰に力を入れて相手を待った……


「……ふふ~ん……逃げなかったのね……。流石……あたしの愛しの雄……」


奥が暗くて見えない部屋から堂々と雌竜が登場してきた。その雌竜とは俺の愛しのパートナー……レイラだった。レイラは醜い象徴である赤尾をご機嫌に振りながら俺の前に腰を落とす。
竜の琢磨しい体とは反対に、瞳は潤いがあり非常に美しい……。爪も全ての獲物を喰らい尽くす猛々しさを感じられる。しかしその裏には残酷な悪力が隠されている。
レイラは牙を光られ、爪を研ぎ始める……

「レイラ……お前と戦うことになるなんて思いもしなかったよ……。俺は……お前を倒してトーダを出る!!」

「いいわね……その心強さ……あなたの熱い気力が感じられるわ……」

俺とレイラの空間に堺線が引かれる。彼女の瞳と俺の瞳は一本の線で繋がっていた。
ずっと一緒に頑張ってきた俺達……その俺達が今初めて戦おうとしているのだ。

冷たい空気がこの空間を包み込む。俺はレイラを無表情で睨みつける。
そして遂にレイラが攻撃態勢へ移った。

「まずは軽く、お遊びの時間としましょうか♪」

レイラは人間の俺に対して火炎放射を繰り出してきた。俺は彼女の攻撃を見切り左へとダイブする。そしてそのまま前周り受身をして直ぐに彼女に向かって走り出す!
俺はただ彼女と瞳を睨みつけ、熱い眼差しを送り届ける!

「そう……その瞳よ!!あたしが求めていたのはあなたの心強さよ!!」

彼女は目を輝かせ、悪魔化する。その姿は明らかに悪を表している。
雄に飢えた竜は邪悪な爪と赤尾で獲物を仕留めようとする。

レイラは上に向かって咆哮する。あまりの嬉しさに竜の本能が現れたのだろう。
彼女は不気味な表情で俺にドラゴンクローを繰り出す。邪悪な爪はナイフのように鈍く銀色に光りだす。俺は肘を使って、体全体でレイラの攻撃を受け止める。肘についている金属は激しく金切り声を上げる。

しかし俺は人間で彼女は竜……流石に武器なしで戦うのはきつかった。俺は受け止めた衝撃で体のバランスを崩し、尻を床についてしまった!
隙ができて彼女はニヤリと微笑みながらのしかかりを繰り出してきた。

「隙ありね♪」

「そんな手にのるもんか!!」

俺は右肘の鉄防具を素早く外す。俺はそのまま鉄の塊を思いっきりレイラの顔面に投げつけた!

「なっ!?ぐぁああ!!」

余裕たっぷりの彼女が初めて痛々しい声を上げた。隙だらけだった俺の態勢からのまさかの反撃……さすがの彼女も俺が反撃してくるとは思っていなかったのだろう。

俺は素早く彼女から離れる。鉄防具はあと左肘に一つしかないが、確実に彼女にダメージを与えることができた。俺の心は“嬉しさ”と“苦しみ”……二つの感情で埋め尽くされていた。

すまないレイラ……お前の美貌に傷を入れたくなかった……
でも、この傷は俺からの愛情だ!許せ!

俺は一頭の竜との距離を多めにとる。俺は何とも言えない恐ろしさを感じ、攻撃態勢を立て直す。
俺はレイラの顔を見る……すると顔には痛々しい傷跡がくっきりと残っていた。レイラの頬は俺と同じ血の線が描かれていた。

「……痛いわね……。このあたしの美貌に傷を入れるなんて……よくもやってくれたね!!……ふふ……ふふふふふ……許さないわよ!!」

「く、キレてやがる!」

レイラはよだれを垂らしながら俺に近づいてくる。顔は不気味さが増し、表情が黒く見える……。爪の光沢も増し、竜そのものに目覚めたようだ。弱い人間に傷を入れられた竜は、遂に“怒り”を覚えた。レイラを包み込む紫色のオーラは更に強力となった。

「……!」

俺は彼女の顔に傷を入れてしまった事を後悔する。よく考えてみると勝負は見えていたのだ!素手で戦う貧弱な人間と琢磨しい爪と体を持つ竜……俺は“強気”になっていたのが“愚かさ”であることに気がつく。
剣やナイフもないのに勝てるわけがない!

「くそ……打つ手がねぇ……!」

俺はやむを得ず、一度25階を離れて武器を手に入れようと考えた。
俺は後ろを振り向いて出入り口を目で確かめる。

「!?!?」

しかし俺が後ろを振り向いた瞬間、入口が締まり始めた。人間ではどうすることもできない鉄網が道を塞ぎ、俺を閉じ込める……。俺の表情は徐々に焦りと恐怖へと変化していった。

「く……くそ……!」

「……あなたの勇敢な行動は評価してあげる……。でも武器を何も持たずに戦いに挑んだのはただのおバカさんね……。もうあたしから逃げられはしないよ……。ふふふ、死ぬまで搾り尽くしてあげるわ……!!」


俺は硬直してしまった。レイラの恐ろしい眼差しに怯んでしまったのだ。俺の頭の中は真っ白になる。レイラがゆっくりと俺に近づいてくるに連れて、肺が縄で占め尽くされる……。俺は遂に足に力が入らなくなり、地面に手をついてしまった!

「く……畜生!動けよ!俺の足!!!」

レイラの影が俺を覆いかぶさる。これは明らかに敗北を示していた……
ダメージだけで考えると俺の方が上なのかもしれない。しかし気の強さで負けてしまっては意味はない。逃げ場を失った俺は歯をガクガクさせる……
俺は蛇に睨まれたカエルとなってしまった。

レイラは俺の目の前に顔を近づける。そして赤尾を体に巻きつけ、舌なめずりをする。前足の爪先は俺の首をゆっくりとなぞる……。俺はそのままレイラに押し倒されてしまった。

「く……は、離してくれよ……!!」

「ふふん♪震えているわね……いいわね……その顔。やっぱり一番はあなたの恐怖顔ね」

俺はレイラに身も心も拘束されてしまった。
あっけない敗北をした俺はそのままレイラに別の部屋に運ばれてしまった……


  ****


「くそ……離せ!レイラ!」


一頭の雌竜は哀れな男を魔の世界へと誘っていた。
頑丈な尾で拘束された俺は、25階の部屋に連れて行かれた。レイラの部屋はかなり大きくて綺麗な空間である。ベッドにスクリーンに大窓までついている。しかしそれとは逆にロープや、手錠など見たくないようなものもたくさんある。

現在俺はボーマンダの腹の下でもがき苦しんでいた。俺が必死で暴れて、抵抗すればする程彼女は下品な笑みを浮かべる。彼女は俺に口を近づけて甘く囁く。

「ふふふ……さあ、楽しい宴の時間の始まりね。まあ25階まで一人で来れたのは褒めてあげる。人間では初めてだしね。そこは高く評価しているわ♪」

「レイラ!よく聞け!お前は変なウイルスによって体を支配されているんだ!お前はそんなことするような奴じゃない!俺を思い出せ!」

俺はレイラの腹下でもがきながら叫び言い伝える。しかし彼女は全く俺の言葉を聞こうとしない。彼女は俺という最高の獲物を捕獲できたことが何より嬉しいようだ。

「そんなことないわよ。あたしはこういう雌竜なの。……人間は竜には適わない……明らからに勝負の先が見えるのにもかかわらずあなたはあたしに抵抗した……。剣や銃なしでもここまで戦えるなんて流石のあたしも驚いたわ……。負けは負けでもあなたはいい負け方をしたわ。あなたの気力ある眼差しも女心を十分にくすぐってきたしね。あたしは……あなたじゃないと交尾できない……」

……これが告白の言葉だったらどれだけ嬉しいものか……。この告白は偽の世界での作り話なのだ。俺は操られている彼女の心の中で愛を分かち合うなんて許せない!本当の彼女で、本当の心で彼女を奪いたいんだ!
そんな性欲だけに飢えた汚い愛なんて俺はいらねぇ!

俺が悔しがって歯を食いしばっていると、レイラは悦に満ちた表情をする。レイラにとって俺の苦痛は、最高のご馳走のようだ。

「ふふ……おしゃべりはもうそのへんでメインへと移りましょう。さあ、まずはその邪魔な服を脱いで貰おうかしら?」

彼女はそう言うと俺を押さえつけたまま、ズボンを脱がそうとする。彼女は後ろ足と尾を器用に使い、ズボンをするすると下ろしていく。
俺は女には負けたくない本能なのか、必死で彼女の腹を殴りつける!

「やめろ!この変態野郎!」

しかし流石竜の鱗……彼女の体は固く、俺の力を全て吸収してしまう。彼女の鱗は柔らかくて弾力性があるにもかかわらず、もの凄く硬かった。
雌竜は俺の抵抗を嘲笑いながら一物を露出させようとする。彼女は簡単に俺の左右の腕を前足で封じ込めてしまった。

「いくら暴れても無駄だって言っているでしょう?お馬鹿さんね~♪もういい加減に諦めたらどうかしら?」

俺はあっと言う間にズボンを脱がされてしまった。その為俺はパンツだけとなっている。太ももが地面について気持ちの悪い冷たさを感じる。
彼女は興奮しているのか、唾液をだらだら流しながら俺の下着を脱がそうとする。
残酷な雌竜は下品な笑い声で俺を襲ってくる……
そしてついに俺は下着を脱がされ、雄の象徴を露出させてしまった!

「あはは~♪もうビンビンになっているのねぇ~。よっぽどあたしに食べられたいのかしらぁん?エッチな子ねぇ~えへへ……///」

「黙れ!そんなんじゃねぇ!変態なのはどっちだ!」

俺はこんな形で彼女と一つになんかなりたくない……。しかし彼女の嫌らしい視線が俺を興奮させてしまったのだ。レイラの瞳はとても美しく、俺の雄を成長させるのに十分だった。

「まずはウォーミングアップといこうかしら?」

彼女がそう言うと、腕を抑えながら体を少し持ち上げた。体にのしかかっていた重みが一気に両腕を襲う。彼女の体重は約100キロ……人間にとっては激痛を与えるのに十分な重さだった。

「ぐぁああ!」

彼女は俺の雄叫びを上げる姿を楽しそうに眺めている。よっぽど虐めるのが好きなようだ。
しかしこれは、はじまりの「は」の字もない程度であった。雌竜は尾を俺の肉棒へ伸ばしていく。
その光景はまるで蛇が力尽きた獲物を絞め殺そうとしているようだ。彼女は俺の肉棒を尾で拘束すると、そのままゆっくり上下に動かし始めた。

しゅっ……ちゅぷ……

「……あが……!」

ボーマンダは俺を見下ろしながら肉棒を扱いていく。彼女は口を半開きにさせ、鋭い視線で俺を見つめている……。唾液でべちょべちょになった舌をだらしなく出し、俺に手加減なく快感を送ってくる。

闇の空間にねちょねちょとした嫌らしい音が響き渡る。射精を我慢する粘液と赤尾が何度も擦れ合っているのだ。我慢汁は射精を促すように滑りをよくし、スムーズに上下運動が行われるようになっていた。
俺は激しい快感でもがき苦しみ、足をばたつかせていた。

「は、離せ!この!がぁ……!」

しかし彼女はフフンと笑い、俺の声を一切耳に入れてくれない。彼女は同じリズムでゆっくりと雄を可愛がる。消して焦らず、捉えた雄を確実に絶頂へ導くつもりなのだ。彼女は恐らくセックスの時間を長く楽しみたいが為に簡単にいかせようとはしないのだ。それは俺が苦しんでいる時間を長くすることにつながる……それが彼女の狙いなのだ。彼女はとんでもないサディストだ!

赤尾は捉えた獲物を逃がすことはない。柔らかいムチっとした尾が、肉棒を優しく包み込む。

「ふふふ、どうかしら?レイラ様に犯されるなんて幸せ者ね♪」

彼女はもはや俺を人間として見てくれていない。ただのおもちゃとみなしているようだ。
俺は雌に力で負ける悔しさと、表現し難い中途半端な屈辱で苦しめられていた。
そんな事を思っていても時は遅し……俺は既に彼女の餌となっているのだ。俺は彼女に強制的に犯されるのだ……

「くそ、もう無理だ!止めてくれ!!」

「凄い快楽でしょ?雄竜もあたしの攻めには瞬殺なのよ。人間であるあなたがあたしの攻めに耐えられる筈がないでしょう?」

彼女は尾で俺の限界を感じたようだ。レイラは扱くスピードを上げ、射精へと導く。俺は彼女の言ったようにあっけなくいかされる羽目となった。

「ああ!もう……限界だ!!」

「おーほっほっほ!観念しなさ~い♪」

レイラは女王のように笑う。尾をもの凄い速さで動かし、俺を射精させようとしている。
俺は渾身の力をこめて耐えようとしたが流石はレイラ……俺の敏感ポイントを全て知り尽くしているようだ。ちょうどいい力加減とスピードを調整し、激しい快感を送ってくるの。人間である俺が耐えるなんて無理な話だった。

「うぁあああ!!」

どぴゅぴゅ!びゅるるるる!!

俺は精子を彼女の尾や背中にぶちまけてしまった。しかしレイラはS……俺が射精するのを心待ちにしていたようで、更なる快感で襲ってくるのだ。より多くの精子を搾りだす為にペニスを力強く締め上げてくる。

ぶしゅ!びゅるる!

「がは!もう止めてくれ!」

「ふふふ、ダメよ……。もっともっと苦しみなさい……」

レイラは雄を締め上げながら、上下運動を激しくする。射精中でもやめてくれることはなく、俺はひたすらおたけびを上げることになった。


  ****


「はあ……はあ……」


大体2分経ったぐらいであろうか……レイラはようやく搾乳を中止した。俺の太ももや彼女の尾は精液でぬるぬるになっていた。レイラは不気味な顔で俺を見つめていた。

ちゅぷ……

「んふふ……濃いわね……。雄人間の精液はやっぱり美味しいわね♪苦さと甘さのバランスがいいわ。特にアルのは濃厚でドロドロしているわね……」

レイラは尾先を自分の口へ運び、精液を舐めとる。レイラは俺の精の味に大満足のようだ。レイラは大きな舌を使って隅の隅まで綺麗に舐めとった。舐める姿もまた一段と嫌らしい……

「はあはあ…………こ、この変態竜!いい加減に目を覚ませよ!!」

そう言うと近くにある引き出しをあさり始める。その引き出しが拘束したままでも道具を取り出せるちょうどいい場所にあったのだろう。
レイラは中から鉄の鎖を取り出した。彼女は鎖を俺の腕や腰に巻きつけてきた。俺は抵抗してレイラの腹を殴りつける!

「やめろ!離せ!このっ!!」

「うるさいわね……。罰としてもっと残酷なことしちゃおっかな~フフン♪」

「!?」

俺の思考回路が停止する。彼女は牙を見せつけながら爪先を胸に押し付けてきた。“抵抗すれば殺すぞ!”……そう言っているように感じる。俺は竜の怖さを改めて味わった。

こ、怖い……!なんてオーラだ……
コイツはもっとキツイお仕置きをするのか!?そんなの酷い……酷すぎる!
そんなの嫌だ!!畜生!

俺は素直に抵抗するのを止めた。いや、止めさせられたのだ。
彼女は獲物が静かになると笑顔で、拘束を再開する。尾を振りながら、鼻歌を歌いながら鎖で俺を締め上げる。俺はあっと言う間に床に貼り付けられてしまった。


「ふふ……あなたはちょっとあたしに歯向かいすぎね。罰として優しい竜のお姉さんが、おちんちんを痛みつけてあ・げ・る♪あなたの雄叫びも聞きたいしね。さあ……いい声でなくのよ……!」

「なっ……!?」

ちょっと待て!話が違うぞ!
俺はちゃんと大人しくなったぞ!それなのに……!クソ!

レイラは俺の反応を見て嬉しそうにする。そう、彼女はどっちにしろ、俺を痛みつけるつもりだったのだ。彼女は「ふふふ……」と密かに笑いながら体を後ろに向ける。

レイラは顔だけをこちらに向ける。その顔は意地悪そうで、明らかに嫌がらせをするつもりだ。俺は全く動けない体を動かそうとする。

「くそぉおお!こんなの反則だ!きたねぇぞ!!」

俺の抵抗は簡単に鎖に吸収されてしまう。俺は怒り狂い、彼女に暴言を吐く!しかし彼女は全く俺の話を聞こうとしない。レイラは赤尾を右に大きく振り、俺のいきり立った雄を力強く縛いた!

「うがぁああ!!」

地面でムチを叩くような痛々しい音が鳴り響いた。俺はその激痛に耐え切れず彼女が求めていた雄叫びを上げてしまった。
しかしこれはまだ序の口だった……。彼女は赤尾を今度は左に大きく振り、再び雄を強引に縛く!

「ぐあああ!!」

俺は再び情けない声を上げてしまった。俺は何もかもがボロボロになり、遂に涙を流してしまった。彼女に騙され、雄のプライドを傷つけられ、挙句の果てのには逆強姦……。俺は大好きな彼女のおもちゃにされる屈辱感と羞恥心を痛いほど味わった。

俺は痛さのあまり吐き気まで生じた。俺は一刻も早くここから逃げたい気持ちでいっぱいだ。しかし鎖が俺を逃がしてくれない!
俺が必死で抵抗すればするほど、逆に彼女の罪悪心を濃くしていくのだ……
彼女は徐々に叩く力を強めていく。

「おほほ!!さあ、もっとその可愛い声を聞かせてちょうだ~い♪」

彼女は舌をだらしなく出しながら、さっきのように尾を左右に大きく振る。
赤尾を左右に振る度に激しい雷音が闇界に響き渡る。彼女の“叩きつける”攻撃は全て急所に当たった。


  ****


「うが……く、クソ……」

20回ぐらい縛いただろうか……ようやく彼女はペニスを叩くのをやめてくれた。俺の陰茎は赤く腫れあがり、赤色に染まっていた。目も充血し、口内には一滴も唾がない……。俺は吐き気を抑え、なんとか雄叫びと涙だけで抑えた。

しかし彼女は残酷な5竜のリーダー。俺の心をえぐりだし、地獄の激痛を与えてもまだ逆レイプを続けるようだ。彼女は恐らく俺が気絶するまで痛みつけるのだろう。いや、気絶しても犯せれ続けられるかもしれない……

そんな俺の心情を知らないレイラは、次の行動へと移る。
俺は息をはあはあ吐いていると、彼女は俺の顔を舐め回してきた。

ねちょ……ちゅるじょり……

「あがが!やめろ!!」

「ふふ~ん、しょっぱい♪」

青竜は俺の顔をペロペロ舐め回し、苦の雫を味わっていく。俺の涙は彼女の生臭い舌によって拭い取られた。
彼女はもはや淫竜となっていた。愛もなく、ただ相手の反応を面白がって自分の心を満たすだけ……そんな冷たい竜だ。俺の愛だなんて彼女の残酷な笑みに直ぐ打ち消され、ゴミのように投げ捨てられる。俺の心は傷だけではなく、無数の釘まで刺さっていた。

「ちょっと~もう終わり?次はとっても気持ちのいいことしてあげようかと思ったのに……。ほら、おちんちんに元気がないわよ!あまりにも直ぐにギブアップするのならもう一度尻尾でしばくわよ?」

「……!!そ、それだけは勘弁してくれ!!」

「あ~ん、その泣き言が女の子みたいで可愛いわ……///……冗談よ。あたしはとっても優しい雌竜様だから許してあげる♪」

レイラはクスクス笑いながら俺の股に顔を近づける。宝石のようなキラキラした目で雄の象徴を凝視される。俺はそれだけで、肉棒がむくむくと巨大化してしまった。精子は残り少ないのに、彼女の目力のせいでペニスがそそり立ってしまった。

「ふふふ……ここからが本番よ……。これは“尻尾叩き”を耐えたご褒美よ……。さあ、たっぷりと味わいなさい!」

じょりじょり……!

「ぬあ!?」

レイラは俺の肉棒を舐める。彼女の舌は熱い唾液が含まれており、ペニスを心地よく愛撫してきた。大きな舌で肉棒全体をねっとり舐め、俺に激しい快感を与えてくる。舌先でカリ首や鈴口をつつき、雄を容赦なく痛みつける。

「は……あ……」

「ふふ……気持ちよさそうね……」

俺はレイラの極上の舌使いに、善に満たされていた。彼女の愛撫は悲しみや激痛を癒してくれた……
レイラは自慢の瞳で俺を上目遣いで見つめてくる。意地悪そうな視線がかえって嫌らしくて雄を興奮させる。俺は簡単に性的絶頂を迎えそうになった。

「はあ……!レイラ、これ以上舐めると出ちまう!!口を離せ!!」

「ふふん、あ~ん♪」

パクッ……!!

「!!」

彼女は俺のペニスを咥えてきた。俺はまだ意識がある為、彼女の前で情けない射精をしたくないという思いがあった。そういうわけで俺は彼女に愛撫をやめさそうとしたが、止めてくれなかった。
彼女は口内で俺の裏筋を中心に攻めてくる。ざらざらとした舌が肉面を滑らかに刺激する。精子達は早くも精巣から開放されたいようで、激しく動き回る。レイラはその事に気がつき、扱くスピードを徐々にあげてくる。

じゅぷ……じゅぷ!

「ああ出るぅうう!!」

どぴゅぴゅ!びゅるる!

「んふふ♪んく……んく……んく……」

俺はレイラの口内に射精してしまった。さっき放ったのにもかかわらず、精液は高い粘度を誇っていた。
レイラは悦の表情を浮かべ、喉を鳴らしながら嬉しそうに精液を飲み干す……。何千億個の精子達は全て彼女の餌食となってしまった。レイラは鼻で笑いながら精子を残酷な肉壁で歓迎した……。

じゅるじゅるじゅる~!!

「す、吸うのはなしだ!!うわあああ!!」

彼女は射精中にもの凄い吸引を加えてきた。気持ちいいを通り越して、俺は激しい快感に苦しむようになっていた。俺は激しく暴れ、吸引を止めさせようとするが鎖達が俺の抵抗を許さない!俺は彼女に好きなだけ精子を奪われる羽目となった。

「んく……んく……ごっくん♪ふう~美味しかった!」

彼女はようやく吸引を止めてくれた。肉棒が彼女の口内から解放されると、既に俺の肉棒は元気をなくしていた。俺はもう体力的にも精神的にもしんどかった。俺はもう生きる気力を失い、“死にたい”とまで思うようになってしまった。

しかし彼女は俺のこれを狙っていたのだ。絶望した相手に屈辱と微かな希望を与えるのがレイラの楽しみなのだ。彼女はさっきよりも大声で笑い出し、完全に魔竜となっていた。

「おほほほほ!辛そうね。でもまだまだここれからよ~ん♪まだあたしは精液を飲みたいの。満足するまであたしの自慢のフェラチオを喰らいなさい」

レイラは再び俺の肉棒を加えてきた。しかし今度はいきなりもの凄い速さで頭を上下運度させてきたのだ。既にさっきまでの心地よさはどこかへ消え去り、地獄へと変わっていた。

じゅぽ……じゅぽ!!

「あがが!!壊れる!!止めて!!」


びゅるる!!ぴゅ……ぴゅ……!

彼女の殺人的なフェラチオに俺は二度も絶頂を通り越してしまった。レイラは吸い出せなかった生き残りの精子を全滅させようと、しつこく吸引を加えてくる。俺は快感地獄でひたすら泣き叫ぶことになった。


  ****


「はぁ……ぐあ……」


再び夜が訪れた。彼女の交尾時間は既に7時間を超えていた。結局俺は彼女に肉棒をしゃぶられ続け、合計6回の精を放ってしまった。俺の肉棒は赤く充血し、精子を放つこともできない壊れた性器となっていた。

「あら?ウォーミングアップで終わりなの?情けないわね~。これからは最後の仕上げに入ろうとしていたのに……。もっと頑張ってよね!雄でしょ?」

人間である俺にレイラは容赦なく愚痴を言いまくる。俺は身も心も粉々に粉砕されていた。それは当然だ。俺は7時間彼女にひたすら犯され、更には心を抉りとるような愚痴まで言ってくるのだ。
しかし彼女は俺をまだ開放してくれない。レイラは再び引き出しをあさり出した。1分くらい経つと彼女は一本のペットボトルを持ってきた。その中身は透明な液体が入っており、見ただけじゃ何かわからない。見た感じ普通の水のようだ。

彼女はその“水”を自分の口に含む。そしてそのまま俺に口移しで飲ませてきた。

「……!!んぐ~!!」

俺は無理やりその水を飲まされた。俺は乾ききった喉に初めての潤いが与えられ、気持ちが楽になった。
しかし彼女はニヤニヤと俺の方を見ている。俺は疑問に思いながらも彼女の顔を見ながら何を考えているのかを想像する。
しばらくすると俺は体に異変があることに気がつく!

「な……なんだ!体が熱いぞ……!レイラ、お前……何を俺に飲ませたんだ!?」

レイラは息を荒くしながら舌で口の周りの精液を舐めとる。彼女の顔は酔っ払ったようにだらしなく舌を出し、顔が赤くなっている。
しかし俺もなぜか彼女に反応して、肉棒が元気にそそり立つ。ペニスは彼女に舐められて、力ないはずなのに元気を取り戻し、立派に天を向いているのだ。
酔っ払った彼女は強気な口調で俺にのしかかる!

「はは!興奮してきたでしょ!?これはあたしの漢方薬よ!これを飲んだあなたはまた射精できるようになるわ。出したばっかでおちんちん痛いかもしれないけれど、精液はちゃんと出るわ。さあ……あたしを楽しませて頂戴……!」

ぐばあああ!


レイラの二つ目の口が大きく開いた。真っ赤な花びらは、俺の肉棒に狙いをつける。
人食い花は雄を丸呑みにしようとする……

「わわ!!た、タイム!!レイラ、落ち着け!!」

俺は彼女に驚異的な膣を見せつけられ、思わず怯んでしまう。竜の膣と人間の雄とではあまりにも相性が悪すぎる……!
あの膣に俺の雄を入れると……精だけでなく命まで奪われるのかもしれない!
いつも一緒にいるレイラでもこのような隠し武器を持っていた事を知ると鳥肌が立つ。
あんな性器に俺は捕食されるのか!?レイラは俺を殺すつもりなのか!?


「ふふふ……どうしたの?そんなにレイラと交尾するのが嫌なのかしら……?大人しくあたしの言う事を聞いていれば手加減してあげたのに……。ふふ、あたしに逆らった罪としてとっても苦しい交尾をおみまいするわ♪」


……俺は顔色が真っ青になる。それに比べ彼女は情を更に燃やし、より赤くなっていく。
俺は彼女の行動を拒絶したのを後悔する……しかしもう遅いのだ。
俺はレイラを怒らせてしまったのだ。竜である彼女は邪悪な牙と爪を見せつけ無言で伝えてくる。
“次歯向かえば……貴様を引き裂いてやる!!”……と……


獲物が静かになると彼女はニッコリと微笑む……。彼女は腰を一気に落とし、俺の雄を根元まで丸呑みにする!

「ああっ!!」

膣は竜の本能に従い、獲物を確実に捉える。雌独特の香りが鼻をつんと刺す。
俺はすぐに雄叫びを上げてしまった。俺は壊れた機械のように暴れ狂っている。しかしその抵抗は無意味……全て鎖に邪魔されるのだ。
彼女は官能的な世界にどっぷりと浸かる……。レイラは自分の自慢である肉壁で雄を締め上げていく。

「ほぉ~ら、あたしの中は気持ちいいでしょう?ぐへへ……」

下品な微笑みを浮かべながらレイラは腰を前後左右に動かす。彼女は捉えた雄を逃がさず、同じペースで腰を振る。ゆっくりとしたリズム感を保ちながら徐々に雄を絶頂に導くのがレイラの好みのようだ。

「ふふふ、残り交尾時間は約3時間……必死に耐えないとあの世行きよ♪」

「があ!!止めてくれ……!」

彼女は地獄宣言をする。レイラは先に交尾時間を言い伝えることによって相手の絶望感を味わっているのだ。膣に雄をぶちこんだままの3時間……人間にとっては“死”を称しても過言ではない。彼女は雄を肉洞から解放するつもりは一切ないようだ……

グリュ……グリュ……

だめだ!!さっきと桁が違いすぎる……!
こ、こんなの耐え切れるはずがない!!

俺は既に精を放つ寸前にまで達していた。肉棒は精を開放して、役目を果たそうと震えだす。俺は全てが「善」で善がり狂っていた。しかしこの善はただの数分間……後は全て地獄と変化するだろう。今は特殊な水のせいで精を放てるがどうせすぐに空となって「苦」になるに決まっている。その為俺はここで放ちたくはなかった。しかしその我慢は直ぐに打ち消される。
俺はレイラの顔を見てしまった。艶かしい表情で目を細めながら凝視してくるのだ。俺は彼女のトロンとした嫌らしい視線で我慢を打ち砕かれてしまった!

「く、くそぉおお!うわあああ!!」

ビュルル!ビュル!

「あら~もういっちゃったのね♪よっぽど気に入ってくれたのかしら……嬉しいわ……」

彼女は美声で俺に魔の囁きを与える。彼女は放った精を一滴もこぼさず、全部飲み込んだ。レイラの膣はもはや底なし地獄……全ての精子を喰らい尽くすのだ。
彼女は一度放った俺の肉棒を開放せず、さっきと同じリズムで腰を振り続ける。

ぐりゅ……ぐりゅりゅ……

「もう、無理だ!さっき出したばかりで体が持たない!!」

「後残り2時間55分よ。あら、もう少しで交尾が終了するわね~」

ふ、ふざけるな!もう10分も持つかどうかどうか分からないんだ!
頼むレイラ!もう止めてくれ!このままじゃ……意識が……!!

彼女は俺の言葉を無視し、腰を前後に動かす。肉壁と粘着精のある熱い愛液が俺の雄を刺激し、じっくりと雄槍を痛みつける。腰を動かすたびにぬちゃぬちゃとした嫌らしい水音が鳴り響く……

ぐりゅ……ぐりゅ……ぐりゅ……

「がはっ!し、死ぬぅうう!」

びゅるる……!ドピュ……!

「はぁ~ん、また来た……。2回目は早かったわね。でも第3ラウンドからはレベルアップよ……あなたはどこまで耐えきれるかしら?」

レイラは腰をさっきよりも激しく動かす。更に上下運動まで加えてきて快感が2倍、3倍も上昇した。レイラは涎をだらだら垂らしながら俺を見つめてくる。息も徐々に荒くなっているのが分かる……

ぐりゅ……ぐしゅ……ぐしゅ!

「が……は……!!」

レイラはもはや相手を考えず自分だけの世界に入っていた。性欲に飢えている彼女は、ただひたすら腰を振り続ける。彼女が腰を動かす度に俺は情けない声を上げることとなった。

「アルの声可愛いわぁん///レイラ興奮しちゃう!特別大サービスにボーナスをつけてあ・げ・る♪」

「んむ!?」

レイラは俺の乳首に手を摘んできた。唇を奪いながら、爪でコリコリと刺激する。俺は雄叫びを上げるのも許されず、涙を流しながらもがき苦しんでいた。
しかしこの行動が彼女を更に興奮させる。同じリズムで動かしていた腰も一段と激しくなった。赤尾も善の荒らしで竜そのもののようにうねり動く。尾を振っているのは彼女の“幸せ”を表す一番のサインなのだ……

クリクリ……コリコリ……
ゴキュゴキュ!グジュ……!

「んぐぅううう!!」

びゅるるるる!!


俺は上半身と下半身、ダブルの激しい攻めであっけなく精を放ってしまった。青竜は雄の素を搾り取ろうと強く揉みしだく……。彼女は大量の精を己の秘所で全て受け止める。彼女の反則技によって放たれた精子達はあっけなくレイラの餌食となってしまった。
俺はその攻撃で遂に意識を失ってしまった……


  ****


穏やかな日が差した。風は心地よく吹いており、霧もすっかり晴れている。
ここはトーダ塔の最上階である。最上階では既に5竜達が集まっており、会議が開かれていた。クリムガンやリザードン達は朝から嬉しそうに騒いでいる。

「レイラ様、例の人間はどうでした?」

「ふふん、大満足よ♪でも気絶するのが早すぎたわ。毎日きっちりと交尾して体力をつけてあげないとね!」

サザンドラはレイラに笑顔で質問する。5竜達は最愛なる“ペット”とお楽しみの時間を分かち合い、「幸」を感じているようだ。Sウイルスによって性欲を“脅威”に変えさせられた彼女達はペット達をこれからも可愛がっていくだろう。

5竜達の欲望は決して消えることはない……。彼女達は死ぬまでトーダ塔でペットを飼い続けるだろう。
アル達は雌竜間でまだ眠っている。彼らの未来はもはや彼女達の手の中にある……
人間も雌竜もどちらも“欲”は満たされていない。これからも竜と人は中途半端な狭間を歩んでいくことになるだろう……

しかしアルはまだ希望を捨てていない。アルは立ち上がりの早い鋼の男だ。
彼は出口のない空間でまだ戦っている。最愛のパートナーを死ぬまで愛し続ける彼にならいつか5竜達に大きなしっぺ返しを与えることがあるかもしれない。
アルは恐らく死ぬまでレイラを諦めない。彼は一人でも勇敢に立ち向かっていく勇敢なる戦士だ。

雄の心を知らない雌竜を救えるのは不可能に近い……
しかし可能性は0じゃない。アルは死んでもレイラを追いかける……
彼はいつか……本当のレイラと愛を分かち合うのだ!
それまでアルは戦い続けるだろう。たとえ自分の身が滅びようとも……!


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&size(20){&color(blue){後書き};};
※ネタバレに注意してください

長い小説読んでくださってありがとうございました。今作は「[[Dragon Inside]]」を執筆させて頂きました。前よりも多少手を抜いて楽に執筆しましたが、やはりバッドエンドのような作品は多少物足りませんね(笑)(誤字がありましたらすみません)
 今回はあるお方が「捕食(Vore)」が好きだとお聞きしたので「Softvore」に挑戦してみました。その為続きを執筆するのかどうかはまだ考えていません(/ω\)また逆レイプは音楽(デスメタル)の影響で、再度描写させて頂きました。
 自分はこれで取り敢えず目標にしていた「10個作品を作る」を達成することができました。本当にありがとうございます。11作目からは単編を執筆したり、ちょっと違ったポケモンを登場させたいと考えております。どんな作品になるのか分かりませんが時間があり次第、書いていこうと思います♪駄文でも機会があれば絵と並行して頑張っていきたいです。 By[[プテラン]]

・アルについて
 自分は人×ポケモンをまだ執筆していないということで主人公を人間にしました。私はファンタジーが好きなので作品のベクトルは“ドラゴンと戦う”ことになってしまいました。また、人間であるにもかかわらず竜と戦う事に魅力を感じたからのも一つの理由です。その為勇敢な彼を主人公とさせて頂きました。

・レイラについて
 本当は悪役として登場させようと考えていました。しかし“残酷さ”を強調したい為、自分のパートナーといった設定にしました。また、彼女はどんなポケモンにしようか迷いました。自分としてはプテラやアーケオスがベストですが、「[[Scaretale]]」での執筆が物足りなかったので「ボーマンダ」を登場させることにしました。レイラはサフィラに負けず、美人です///(笑)

・コメント頂けると嬉しいです
#pcomment(コメント/Dragon Inside,,above);

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