&size(22){1. The First Day}; 隕石の災厄から1か月。ヒノアラシとパートナーのチコリータは、 いつものように救助と探検を続けていた。今日は『あらしの かいいき』 へあおいグミを採りに行っていた。メンバーのワニノコに渡すためだ。 「よし、こんなものかな。チコリータ、帰ろうか」 「うん! それにしても、めずらしくたくさんあったね」 ヒノアラシは頷いて同意する。救助隊に渡されるケースの中には、 あおいグミが6つほど入っていた。 「それじゃ、『だっしゅつ』だ」 そう言って、ヒノアラシはケースの中にあっただっしゅつだまを使った。 2人は自分たちの基地の前に戻ってきていた。 「お疲れさま。今日も頑張ったね」 「うん。チコリータ、ワニノコにあおいグミを渡してきてくれる?」 チコリータは力強く頷く。 「いいよ。わたしもそのつもりだったから」 チコリータはケースをくわえた。ケースがなければ1個しか持てないからだ。 チコリータが早速ワニノコのところに行こうとしたとき、 「ちょっと待って」 ヒノアラシが呼び止めた。 「ん?」 チコリータが振りかえる。そして、ヒノアラシを見て、表情が少し違うことに気づいた。 「今日の夜…基地に来てくれ」 さっきまでと若干違う口調で、ヒノアラシは言った。 「…………」 それを聞いたチコリータは少し顔を赤らめ、こくり、と頷いた。 2人の間をそよ風が吹きぬけた。時間はまだ昼だ。 夕方、チコリータはとっておいたわかくさグミを食べていた。 チコリータのかしこさはもう上がらない。それでも、小腹がすいたのを満たすぐらいには 十分だった。だが、今は小腹を満たすだけが目的ではなかった。 今はもっぱら気を紛らわせるのが目的だった。やはり、自分が頼られているのは 確かに嬉しいのだが、その時間が夜だと、逆に恥ずかしくなってくる。 なんというか、自分の性格に合わないというか、とにかくそんな感じだった。 いつからだったかな、とチコリータは思う。そして、思い出す。 「……そうだ、確か隕石を壊してすぐだった……」 隕石を壊した後、ヒノアラシは人間の姿には戻らず、こちらの世界で救助隊を続ける ことに決めていた。街のみんなからお礼を、夜遅くまで聞かされた後、チコリータが 帰ろうとするのを、ヒノアラシが今日のように呼び止めたのだった。 そして、その時の夜、基地に行って、したことといえば……。 「ダメだ……」 チコリータはため息をついた。ふと空を見上げると、もうだいぶ日が落ちていた。 どうしてもあの時のことが頭から離れない。忘れることができない。 最初に忘れようとしたあの日は、不思議な気分だった。 ――忘れたくない……―― なぜかそう思ってしまう自分がいた。忘れることに抗っている自分がいた。 今までなら、嫌なことや信じられないことは、絶対に忘れることができた。 今回のことも信じられない出来事のはずなのに、チコリータは忘れるのを拒んだ。 なぜなんだろう? そう思うチコリータだったが、答えが出ることもなく、夜は次第に更けていった。 その頃、ヒノアラシも隕石を壊した後のことを、チコリータと同じく思い出していた。 「…………」 ヒノアラシのモノは、まだ理性が残っているのか、たっていなかった。そして、ヒノアラシの その顔は、どこか憂いを感じさせるものだった。ヒノアラシは、災厄後のことを少し悔やんでいた。 自分はいったい何をしているんだろう、と。何がしたかったんだろう、と。 嫌悪感にさいなまれて、最近ではそんなことを考えるようになっていた。 しかし、己が欲求を満たすには、1人では物足りなかった。せめて、誰か相手が欲しかった。 今のヒノアラシには、その思考を押さえつけることができない。 ヒノアラシは窓際の棚を開けた。中にはリンゴがいくつかとふしぎだま、そして1つの瓶が入っていた。 「…………」 ヒノアラシは無言でそれを見つめた。中には白い粉と銀色の粉が混じりあっている。 …ヒノアラシにはチコリータに黙っていることがあった。 ――人間の姿に戻る直前、少しだけ、人間だった頃の記憶が戻った、ということ―― だが、それはその時の知識を取り戻しただけだった。人間の頃の自分がどんな人間だったのか、 それまではとうとう思い出せなかった。 ヒノアラシにとっては、知識が戻っただけで十分だった。パラスやパラセクトの粉で薬を調合する ことができるようになった。今までの冒険で、その薬が幾度となく役に立った。 このことから、ヒノアラシは自分がパラスやパラセクトを連れていたことを予想することができた。 それでも、あまりいい気分ではなかった。昔の自分は薬の調合に関しては優れていたようだった。 だからこそ、今ここに『薬』がある。もちろん、パラスやパラセクトでさえ、この薬が作れることは 知らなかった。知りえなかった。 「まあ…いいか……。ここまで来てしまったら、もう、引き返せないんだ……」 ヒノアラシは過去を悔やむのをやめた。と同時に、自分でも信じられないほど、 不敵な笑みが口元に浮かんだ。理性を保つのは昼だけにしよう、そうも考えていた。 遠くでホーホーが鳴いている。もう夜もかなり更けていた。 もうすぐチコリータがやって来る……。そう思うと、ヒノアラシはいそいそと準備を始めた。 そして、夜遅くになった。もう何も動いている者や鳴いている者はいなかった。 ときおり、風がザワザワと吹いているだけだった。 ヒノアラシは窓を閉め、扉には取っ手が付いた木の板でドアを作っておいた。 「これでいいかな……」 準備を終え、寝床に腰を下ろすヒノアラシ。しかし、突然立ち上がる。 「そうだ、『あれ』を忘れてた……」 そう呟いて、窓際の棚から瓶を取り出す。例の粉が入った、あの瓶だった。 「今日言った物、忘れずに持って来るかな……」 ひとりごとが終わった後、ヒノアラシはその瓶を寝床近くの干し草の中に隠した。 そのまま、チコリータがくるのをじっと待つ。 10分と経たないうちに、チコリータはやって来た。首には袋を提げていた。 「よし。持って来たみたいだね」 ヒノアラシは納得したように、うんうん、と首を振った。 「…今日はこれ使って何するの?」 チコリータが少し遠慮ぎみに尋ねる。ヒノアラシが答える。 「別に。食べてもらうだけだよ。…ただし、オレ特製の薬をかけてからね」 「ヒノアラシ特製の薬…? …ヒノアラシって、薬…作れたの?」 チコリータの当然の疑問に、ヒノアラシは言葉を詰まらせた。だがすぐに、 「…うん。実は前から薬作りの本を読み漁っててね。それで作れるのさ」 「へー……。すごいね、ヒノアラシって。もしかして何でもできるんじゃないの?」 「ま、まあそうかもね」 ヒノアラシはごまかすのに必死だった。いずれ話さなくてはならないが、今はどうしても 話す気にはなれなかった。ヒノアラシはチコリータの気をそらすために、本題を切り出した。 「…じゃあ、そろそろ袋の中身を使おうか」 チコリータはヒノアラシに袋を渡した。ヒノアラシは袋を受け取ると、中に入っていたものをつかんだ。 袋の中身はわかくさグミ1個だけだった。ヒノアラシは、隠しておいた瓶を取り出した。 ふたを開け、中の粉を振り掛ける。わかくさグミは、見た目はおいしそうになった。 だが、チコリータにとっては、それだけに怪しさを感じさせるものだった。 「その薬…大丈夫なの?」 チコリータが不安げに訊く。 「大丈夫大丈夫。別に死にはしないから」 ヒノアラシが自信満々に答える。その様子を見て、チコリータは信じることにした。 白と銀の粉に包まれたわかくさグミがさし出される。チコリータは一瞬ためらったが、すぐに食べた。 「…………」 わかくさグミはいつもと味が変わらなかった。だがすぐに、変化が表れた。 「…………!!!???」 「へえ…即効性の薬とは知ってたけど、ここまで早いとはね」 「な、何…これ……?」 「性欲求や性感覚を強める薬……。…つまりは媚薬さ」 媚薬。聞いたことのない薬だった。チコリータはそれからのヒノアラシの言葉を、一言一句聞き逃してはいなかった。 「これを使えば、異常なくらい敏感になるんだ」 ヒノアラシは淡々と説明した。――――学校の教師が生徒に指導するように。 そして、普段となんら変わりない笑顔で言う。 「さあ、その快感を体験させてあげるよ」 ヒノアラシはまず、動けないチコリータを壁に寄りかからせた。 次に、脚を開かせ、その先にチコリータのアソコを捉えた。 そこへ手を伸ばす前に、ヒノアラシはボソッとチコリータに言った。 「始めるよ。…先に言っておくけど、かなりキツいよ?」 ヒノアラシが手を伸ばす。チコリータは、ヒノアラシの直前の言葉を肝に銘じ、きゅっと目を閉じた。 ヒノアラシの手が最初に触れたのは、アソコではなく太ももだった。 「!! ひぅぅ!」 しかし、それだけでも十分なぐらい、チコリータの感覚は鋭敏になっていた。 何かで刺されるような感覚――しかし、それはそれで気持ちいい何か。 チコリータは、これを嫌がるべきなのか、それとも喜ぶべきなのか考えた。 だが、すぐに考えるのをやめた。考えていることがいやらしく思えたからだ。 そして、できる限り、与えられる快感に抗うことにする。が、 つーっ… 「ひっ!?」 ヒノアラシが次に太ももをなぞり始めた瞬間、その考えはすぐにかき消えてしまった。 ヒノアラシは、そのまま太ももをなぞり続ける。 「ふ…わぁぁっっ!! いひゃぁぁぁ!! くっ…あ……や、やめてぇ! ああぁぁぁっ!!」 すると、ヒノアラシがぴたりと手を止めた。 「やめてほしいの?」 一言だけ放たれる言葉。だが、ほとんど感情がこめられていなかった。 「やめていいの?」 ヒノアラシは無表情で、無情に言い放つ。ヒノアラシの言葉には冷たさがまとわりついていた。 チコリータは涙を浮かべて、悲鳴じみた声で必死に訴える。 「い…いやっ、やめないで! もっと気持ちよくなりたいの!! だから…お願い……」 嗚咽するチコリータに対して、ヒノアラシは驚きを隠しつつ、にっこりと微笑みかけた。 「わかった。じゃあ、もっとしてあげるよ」 ヒノアラシの手が、ついにチコリータのアソコへと伸びる。 ピチュ… 「っっ……」 もうすでに、チコリータのアソコは愛液であふれていた。媚薬の効果は予想以上の働きをしたようだ。 ヒノアラシは、自分のモノを利き手で扱き出し、反対の手でチコリータのアソコを擦り始めた。 コシュコシュ… 「ふあっ! いっ…ひぁっ! やぁぁん!!」 コシュコシュコシュコシュ… 「うああぁぁぁっ! い、いやぁ…壊れちゃう! 壊れちゃうよぉ!! やぁぁっ!!」 「それなら、もっともっと気持ちよくしてあげるよ!?」 荒く息をしながら、ヒノアラシがそう告げた。ヒノアラシも相当つらいようだった。 ヒノアラシは自分のモノを扱きながら、チコリータのアソコを擦る手を速めた。 シュシュシュシュシュッ! 「んきゃあああぁぁぁぁっ! にゃあぁぁぁっ! も…もうダメっ! イ、イっちゃうぅ!! あ…ああ…いやああああぁぁぁぁぁぁ!!」 シュウウウゥゥゥゥッ! シュ、シュウッ!! チコリータは盛大に潮を吹いてイった。ヒノアラシは、チコリータがイく直前に 側面に回りこんでいたので、飛び散る愛液はかからなかった。 「はぁ……はぁ……はぁ……はぁ……」 ぐったりしているチコリータを後目に、ヒノアラシはなおも自分のモノを扱き続ける。 「んっ……!」 ピッ……! ビュッ!ビュゥッ!! そして、チコリータに背を向けたまま、白く粘った液体を外に出した。 ヒノアラシは、自分とチコリータの体を、近くの草で軽く拭った。チコリータに言う。 「帰るときは、途中で人気のない川で体を洗っていけばいいよ。そのままだと、匂いでわかっちゃうから」 「…………」 「?」 チコリータは返事をしなかった。ヒノアラシがチコリータの顔を覗き込むと、 「すぅ…すぅ…」 「…………」 チコリータは疲れてしまったのか、うたた寝をしていた。それでも、まだ眠りが浅いようだった。 そんなチコリータに、ヒノアラシはポツリと、呟くように告げた。 「…この薬は少し効き目が強くてね……。3日くらいは効果が続くんだ……。また…明日の夜も……」 そして、ヒノアラシは自分の炎で、体についた粘り気と匂いをかき消した。 自分の寝床に戻り、眠りにつく。もう、外の空は白み始めていた。 IP:133.242.146.153 TIME:"2013-01-30 (水) 14:34:41" REFERER:"http://pokestory.rejec.net/main/index.php?cmd=edit&page=Cyndaquil%20%C3%97%20Chikorita%201.%20The%20First%20Day" USER_AGENT:"Mozilla/5.0 (compatible; MSIE 9.0; Windows NT 6.1; WOW64; Trident/5.0; YTB730)"