ポケモン小説wiki
FREEBIRD 01 の変更点


 この作品は私、[[TAO>TAOの作品置き場]]の初作品となります。
いたらない点が多いかもしれませんが、これから上手くなっていきたいのでアドバイスや批評はどんどんお教えください。

 この作品には、&color(Red){ポケモンの着衣、ポケモンが人間の道具を使用、オリジナル設定、他ゲームや他作者様のオマージュになる表現};等がございます。
そういった物がお嫌いな方は閲覧されると不快になる恐れがありますのでご注意下さい。

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 かつて、この世界にはヒトと呼ばれた生き物が存在した。
ヒトはこの世界に巨大な都市を建造し、技や自らの力を使わずに空や海を進む術を生み出し……。
果てには、この青く広がる空の向こう側へも飛び出していったとされている。
しかし、今この世界に、ヒトは存在しない――――

 伝説は多く残されている。
進み過ぎた技術が神々の怒りに触れ、大いなる災いを引き起こし……。
または、空の向こうから降ってきた巨大な火の玉が地表を飲み込んで……。
どんな伝説でも、ヒトは……滅んだとされていた。

 しかし、ヒトそのものが滅んだとしてもなお、残されたものは多かった。
そう、彼らが暮らしていた都市である。
ある都市は、遥かな長い歳月の中で崩れ去り、またある都市はその身を母なる海に沈め、砂塵荒れ狂う砂漠に消えていったものもあるそうな……。
それらの都市の名残は『遺跡』と呼ばれるようになり、その中に過去の英知を内包したまま、世界中に散らばるように存在している。

 今この世界に暮らす者達……ポケモンと呼ばれる者なのだが、その者達の中に、遺跡に挑戦する者達が現れだしたのは何時の頃の話だったか……。
彼らは、遺跡を渡り歩き、その中に眠る遺産と呼ばれる英知をまた世界へと解き放っていった。かつてのままとはいかないまでもだが。
そんな風に自由に世界を渡っていく彼らを、世の者達はその自由さから何時しか、『Free Bird』、自由な鳥と呼ぶようになったという。

 これは、とあるフリーバードの青年が、この世界を駆け抜けていく物語である――――――

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 暗いな……明かりが無かったら絶対に進めないよここ。はぁ……ランタンの明かりじゃ何とも寂しいなぁ。早く探索を終わらせて日光を全力で浴びたいよ。

「兄貴ー。ここって『枯れた遺跡』だって言われてきたじゃんかー。もう何にも残ってないって! 早く帰ろうよー」
「自分の目で見てもいないのに枯れてるって決め付けるな。いつも言ってるでしょディル。はい、我慢して進むよ」
「え~……」

 正直、後ろの俺のパートナー、ディルからの甘い誘惑に乗っかりたかった。もうかれこれ四時間くらい……時計が無いから正確じゃないけど、そのぐらいここの探索続けてるんだよね。
収穫は……石、石、石! ただの石ころばっかり。幾ら遺跡の一部だって言っても石ころに価値なんか無いんだもん。まいっちゃうよ……。
でも此処で引き返しても待ってるのは悲しい現実のみ。お金も食料も底を尽きかけてるっていうね。
明日から木の皮でも食べろって言うの? 生きる為なら食べるけどさ、正直冗談じゃない。

「明日から木の皮生活したくなかったらディルもちゃんと探してよー。……遺産のジャンクくらいなら落ちてそうなもんだけど、それすら無いなんて……『枯れた遺跡』恐るべし」

 枯れた遺跡……別に植物で出来た遺跡って訳じゃない。探索がされ尽くされて、もう何も残ってない遺跡の事。危険は無い分実入りも全く無い。

「木の皮!? あれ、苦くて不味くてとても食べる気にならないよ!? ロディの兄貴、あれ食べれるんだから舌おかしいんじゃない?」
「俺だって美味しいと思ったことは無いけどさ、栄養は一応取れるんだから食べないとね。って、そうじゃなくて! それが嫌だったらクリスタルの一つでも見つけなくちゃでしょ? もう」
「は~い。クリスタル~! 出てこ~い!」

 呼んで出てくれば苦労しないってディル……。
俺達が今主に探してる物は、パワークリスタルって呼ばれてる結晶体。遺産の中でも一番手に入れやすい部類の物。
これは、ポケモンが技で消費するパワーポイント、PPを生成出来る結晶。結晶自体の生成方法とどうやってPPを生成してるかは不明。遺跡やその周辺からしか見つかってないからヒトが生み出した物であるって言われてるね。
遺跡の色々な物の動力として使われてたみたいで、壁とかに普通にあったりするんだよね。照明の動力にでもされてたのかな? それを俺達みたいなフリーバードが頂いてるって事。

 あぁ、紹介が遅れたね。俺の名前はロディンス。ロディンス・アーミティッジがフルネーム。牡のミミロップだよ。さっき呼ばれたロディって言うのは愛称ね。
ついでに紹介すると、後ろに居るのはディルティム・コルボナー。俺の相棒にして弟分のニューラ。愛称はディル。いちいちディルティムって呼ぶのは疲れるからさ。

「ん? どしたの兄貴? おいらの顔に何か付いてる?」
「あぁごめん。なんにも付いてないよ」
「そうなの? ビックリするからじっと見ないでよー」

 話し方なんかは子供っぽいけど、ってか子供なんだけど、結構頼りになるんだよ。物探しなんかは俺より上手いし。

「でもさでもさ、この遺跡そんなに通路が壊れてないから歩きやすいよね! 転ぶ心配も無いし! ズボンも汚れない!」
「それでも足元気をつけないと転ぶよ? 暗いんだから」

 そんな話をしながら、遥か昔にヒトが作ったであろう通路を進む。此処を昔はポケモンじゃない生物が歩いていたと思うと感慨深いな。
ヒト……か。どんな生き物だったのかな。
こんな建物を残せたくらいなんだ。きっと、知識や技術も俺達なんかよりずっと凄かったんだろうなー。
フリーバードやってるとどうしてもそんな事考えちゃうんだよね。普通に暮らしてるポケモン達より歴史的な物に触れる機会、多いから。

「あれ? 兄貴ー。行き止まりみたいだよ」
「え? うわっ、本当だ。……これは、本格的に木の皮生活決定かな」
「うっそぉ! やだやだー! おいらまだ子供なんだよ!? ちゃんとした物食べさせろー!」
「って言われてもねぇ? 何にも無かった以上、買い物なんか無理無理。お金無いし。避けられないんだなーこれが」

 なんせ、遺産が何にも無ければ収入ゼロ。それが遺跡探索を生業とするフリーバードの性だから。俺は遺跡探索はしても泥棒はしたくないし。

「くっそー! せめてクリスタルの欠片とかでも無いかなぁ? あればリンゴくらい買えるよね?」
「よっと。大きさによるけどね。小石くらいの欠片があればパンがおまけに付いてくるかな」

 近くの割と大きめの瓦礫に座って一休みっと。ここまで来るのに歩きっぱなしだからちょっと疲れた。
ディルはせかせか瓦礫の隙間とか壁を調べまわってるよ。そんなに膝擦ったりしたら後で穿いてるズボン洗うの大変になるのに……。ま、頑張ってるからほっとこう。
俺達は、ヒトが身に付けてた服って奴を身に付けてるんだ。理由は体の保護。流石に毛だけじゃ遺跡に入ると擦り傷だらけになるんだよ。尖った瓦礫だったり、不安定な足場が多かったりしてね。
その点この『服』を着てれば、体の前に服の方が破けてくれるからダメージを軽減出来るって事。擦り傷とかで弱ってたら、奥が深い遺跡なんかの探索は出来ないよ。先にまいっちゃうから。
もちろんこの服も遺跡から発見されたヒトの書いた本に載ってたものを元に作られてる。本来ポケモンは服なんて着てないのであしからず。
一応説明しておくと、ディルが着てるのは、灰色のハーフパンツって言うのだけ。転んだりした時の膝や脚なんかを守るのにはばっちり。
で、俺は、赤いベストに青いジーンズ。おまけに頭にはゴーグルに手にはグローブの全身セット。こんなに着込んでるのは体の保護ってだけの理由じゃないんだけど……それは、後々ね?

「うーん……何にも無いよぉー!」

 まだ頑張ってる。欠片は数があってやっと価値がある程度だからなぁ……必死に探してもメリット少ないんだよね。
欠片じゃないパワークリスタルの需要は凄いんだ。
見つかった当初は持ってると自分のPPを回復してくれる便利な石って程度の認識だったんだけど、研究が進んだり、遺跡から色々遺産が回収されたりしてるうちにPPに利用する方向性を与える事が出来る様になったのさ。
それからは、ポケモンの技と同じように水や火、電気なんかを生み出せるようになったのさ。専用の装置がそれぞれ必要だけどね。
俺達が使ってるランタンもその一つ。まぁ、これに使われてるのは欠片だけどね。セットされてるクリスタルのPPを炎に変えて明かりにしてるんだよ。
あ、クリスタルそのものは壊れない限りPPを生成するけど、割れて欠片になると生み出したPPを内部に溜め込む性質があるんだ。ランタンはそれを使ってる。だからこれは有限だよ。
こんなに便利なパワークリスタルだけど、メリットが大きい分デメリットも比例して大きくなる。仕方ない事だけど……一気に全部説明するとこんがらがるからね。(俺が)デメリットについてはまた今度で。
今は明日からの生活の心配をしなきゃなぁ……。木の皮焼いて食べるのもしんどいんだよなぁ……。

「お? 兄貴兄貴ー。ちょっとこっち来てー」
「ディル? 何か見つけたの?」
「これ。兄貴ならどうにか出来るんじゃない? その『イグニッションガン』で」

 これは……トリガーホール! へぇ~気付かなかったな。ただの壁にこれは無いし……もしかしてこれ、壁じゃ無くて扉……かな? それなら大分大きいな。俺の身長の三倍はあるぞ?
まぁそれはいいや。これなら俺が腰に吊ってるこれで……よし、銃口は合うな。それなら後は差し込んで、ひねって、後はトリガーを引くのみ!

「これで……どうだ!」
「う、うわわわわ……揺れる揺れる~」

 重々しい音を上げながら壁だと思ってた馬鹿でかい扉が開いた。
なんでこんな事が出来るかって? 俺にも良く分かってないんだけどさ、鍵……らしいんだよね。俺の持ってるこの、イグニッションガンが。遺跡の。
何時から持ってるかは俺も分からない。気が付いたら持ってたっていうかなんていうか……とにかく、これは俺の傍にあったんだ。ずっと小さい頃からね。
そういえば、ヒトが使ってたらしい武器ってゆうのが載ってる本に似てるのがあったな。確か……ハンドガン。
それはトリガーを引くと、金属の弾を撃ち出してたらしいけど、このイグニッションガンはそんな物騒な物じゃない。
さっき言ったとおりこれは鍵。遺跡の中にある一部の物を動かせるんだ。
やり方は簡単。この銃の銃口が合う穴、俺はトリガーホールって呼んでるんだけど、それに銃口を差し込んでひねる。止まったらそこでトリガーを引けば、それに反応する物が動くってわけ。
他のフリーバードはこんな物持ってない筈……つまり、この扉の先は、誰も入った事が無い筈だ! 

「うわぁ~……結構広い部屋だね」
「あぁ、凄いな」

 損傷が殆ど無い。この部屋はずっと……開かれる事無く守られてきたんだ。それはつまり、それだけ大事な部屋って事!

「あっ、兄貴あれ! 部屋の真ん中!」
「分かってるよ。行こう、ディル」

 さっきからずっと見てたさ。この部屋に唯一ある物だからね。

「うわぁ~、おっきなクリスタルだ!」
「……此処は多分、この遺跡の中枢部だね。このクリスタルがこの遺跡のエネルギーを供給してたんだ。本当に多分、だけどね」

 俺達の目の前には、小型のポケモン一匹分くらいの大きさのクリスタルが機械の中で浮かんでる。はっきり言ってかなりの大物だ。滅多にお目にかかれるサイズじゃない! 当面の生活の心配はしなくて済みそうだ。
でも透明なケージが邪魔してるな……どうやって開けるのかな?
開けるような仕掛け……あ、ラッキー。トリガーホール見っけ! これで殴ったりして無理矢理割る必要は無くなったよ。

「ディル。これからこのケージを開けるから周囲の警戒してて。これだけ部屋が完璧な状態で残ってるんだ、十中八九、ガードシステムも生きてるだろうから」
「わかった! 兄貴、気をつけてね」
「了解了解。よし、いってみようか」

 ケージ……オープン! ……ん~、今のところ何も起こらないな。

「おぉ~!」
「やっぱりこんな風に守られてただけあって、保存状態もバッチリだな。曇り一つ無い」
「やったー! これならハムとか野菜とか……あっ! 魚とかミルクも買えるよね!」
「ははっ、買ってもお釣りがくるのは間違い無いでしょ。お腹いっぱい食べれるよ。さっ、取り外すよ。まだ何が起こるか分からないんだから油断しないでね」
「オッケー!」

 遺跡のトラップは様々。とりわけ、こういった大事な物がある場所にはより厳重なガードがあると思って作業しないとならない。じゃないと、命を落とす可能性もある。
うーん……この目の前にあるクリスタルには、無限にエネルギーを作り出す力があると思うといつもながら少し触るのが怖いな……。
よし、行くか!

「せぇ~、の! やっ!」

 クリスタルを両手で掴んで、そのまま掲げる様にして取り外す。
う~わ~、取り外した途端に部屋にサイレンが鳴り響く。やっぱりな……何かあるのは覚悟済み。さぁ、どう来る?

「! うわわ! 兄貴、ゴルーグだ! いっぱい出てきたよ!」
「ディル! 部屋の入り口まで走れ! 早く!」

 ディルが慌てて走りだした。
ざっと見ただけでおよそ七体。1、2体はディルと協力すれば倒す事が出来るけど数が多すぎる。追い詰められるのがオチだ。
あんなのの一撃を食らえばそれだけで致命傷になりかねない。あいつ等は自分の意思じゃなく命令を完遂する事だけが目的で動いてるんだからね。
ミミロップとニューラのコンビに重量級のポケモンが追い付ける訳は無い。難無く部屋からの脱出に成功。でもこのままじゃゴルーグが俺達を追って遺跡から出てくるかもしれない。それならやる事は一つだね。

「ちょっと持ってて」
「へ? うわっととと……」

 ディルがクリスタルを受け取ったのを確認して、腰のホルダーからイグニッションガンを引き抜く。
開けた扉は……閉めないとね!

「遥かな過去からの警備お疲れ様。これからもその部屋を守って、ね!」

 もう一度扉を操作して、ゴルーグ達を閉じ込めよう。
断面から見ればかなりぶ厚い扉みたいだし、これなら突破してくる心配は無いでしょ。
また地響きと共に扉が動く。ゴルーグは1体も出さずに済んだし、これで安心出来るよ。

「ふぅ、もう大丈夫だね」
「わーい! あんなの出てきた時はびっくりするよねー。あ、これ、おいらが持ってると落としちゃうかもしれないから兄貴に渡しておくね。はいっ」
「はいはい。さ、大物も手に入ったんだ。外に戻ろうか」
「うん!」

 俺達は来た道を戻る。これ、幾らぐらいになるかな。町へ行くのが楽しみだ♪

「それにしても枯れてるなんて嘘っぱちじゃんね。こーんな凄いクリスタルが残ってたんだからさ!」
「いや、他のフリーバードにすれば枯れてるさ。道中は何も無かったし。俺達は中枢部に入れたからこうして収入あったけど」
「……それ本当に凄いよね。あーあ、おいらにも使えたら良かったのにー。兄貴にしか使えないなんてズルイや」
「そう言うなって。これが何で俺にしか使えないかは分からないけどさ、ディルなら俺と一緒にこれが起こす事見られるんだから」

 手に持ってたイグニッションガンを腰のホルダーに戻す。実はこれ、トリガーホールに差し込んでひねるまでは俺以外の奴でも出来るんだけど、最後の起動は俺がトリガーを引かないといけないみたいなんだ。(ディルは出来なかったのを確認済み)
理由はさっぱり分からない。俺がずっと持ってたのも関係してるのかな?

「あっ、兄貴。出口見えたよ」
「みたいだな。早く太陽を拝みたいな。もう暗いのは十分だ」
「だね。ランタン消すよ」
「頼んだ」

 ひょひょいと俺とディルは外に出た。迎えてくれた太陽の光と木々の緑が目に沁みるなー。

「あててて、目が痛いよぉ」
「本当に暗かったからね。ゆっくり瞬きしてれば直るよ」
「うん。……うわっ、ズボン埃だらけだよ。はらっとこ」
「おまけに毛もね。これは一回どこかで水浴びとかしないと駄目だな。後、洗濯」

 ま、掃除なんてされてない遺跡の中を行くんだ。当然だよね。

「そだね。じゃ、早くドラグニールまで戻ろうよ」
「ん、そうだね」

 ドラグニールって言うのは……一言で言うと俺達の『移動出来る拠点』の事さ。どんな物かは、本物があるところで話そうか。

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 さっきの遺跡近くの茂み。一応隠そうと思ったんだけどやっぱり目立つな……。

「ドラグニールただいま~。ってまだ起動してないか。兄貴早く起こしてあげてよ~」
「分かってるって。今やるからさ」

 ここで、俺達のもう一人……一人って言うのか微妙だけど、仲間を紹介しよう。
白く塗装された鋼鉄のボディに、頑丈なキャタピラ。そして突き出たキャノン砲。ヒトがつけた呼び名は戦車。俺達がつけた名前はドラグニール。遺跡の遺産の中でもかなりレアな遺産、兵器。
俺が別の遺跡で見つけて以来、拠点兼移動手段になってる。遺跡には入れないけど、旅をする身の上ではかなり助けてもらってる。
中は大体俺と同じサイズのポケモンなら5匹くらいまで乗れると思う。
こんな大きな物まで作ってたんだからやっぱりヒトは凄かったんだろうな。
因みに、本来の使い方も遺跡に残されてた本で知ってる。使うことは無いだろうけどさ。
遺跡に潜ってるとヒトの恐ろしさを伝えてる物も見つかる事がある。やっぱり世の中良い事だけで出来てる訳じゃないからね。
使い方を間違えたら俺も……。いや、そんな事考えないさ。俺はフリーバード。自由である為に、他の奴の自由を脅かすような事はしないよ。こういうのは心の持ちようだからね。
さてさて、ディルにも急かされてるし、早くドラグニールを動かすとしますか。

 ドラグニールに乗り込むにはボディ上部にあるハッチを開いて乗り込む。
中は機械の塊さ。4席の椅子と、一番前にある操縦席を除けばね。各席にも役割があるらしいけどそれはまだ『聞いてない』。俺とディルしか居ないからね。
誰に聞くかって? ちょっと待っててよ。ドラグニールもイグニッションガンで動かせるんだ。ガンをホールにセットして……行け!
うん、モニターにも動力が行ったみたいだな。そろそろいいかな。

「ただいまドラグニール。システムに異常は?」
「お帰りなさいませ、マイマイスター。システムに異常無し、各起動系統オールグリーンです」

 ……驚いた? ドラグニールは『意思を持つ戦車』なのさ。モニターとかキャタピラとか、ドラグニール関係の知識は全部ドラグニール本人に聞いたの。
まぁ、本人は意思じゃなくて『学習型究極AI』とかって言う奴だって言ってるけど、自分で考えたり誰かの心配出来るのはもう心とか意思って言えるよね。

「オッケー。起きて早々で悪いんだけど、近くに川とかないか探してくれないかな? 遺跡で埃まみれになっちゃってさ」
「了解しました。今回の探索は如何でしたか?」
「なかなか大物を見つけたよ。あ、遺産の換金したいからさ、川の後で良いから町も探しといてくれると助かるな」
「それは何より。町かどうか分かりませんが、動体反応の多い場所をサーチしておきます。流体反応のある場所は発見しましたが、すぐに移動なさいますか?」
「流石ー。仕事が速いね。ディル呼んでくるからちょっと待ってて」
「了解しました」

 ドラグニールには様々な物を探せるセンサーって言うのが付いてて、こっちのお願いした物を探してくれるんだよ。
これは本当に助かる。フリーバードは未開の地を進む事なんてしょっちゅうだから。それに、オートマッピングって機能で今まで行った場所は地図化してくれるし、俺達は良いサポーターに恵まれたフリーバードだと実感するね。

「ディルー、ドラグニール起きたよー。ついでにもう川っぽい所も見つけたって。出発するから乗りなー」
「分かったー! 今行くー!」

 さて、川で一休みしたら次は町だな。……近くにあると良いんだけどなぁ。

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第一話はここまでになります。お楽しみ頂けましたでしょうか?
第一話はここまでになります。お楽しみ頂けましたでしょうか?   次話出来ました! [[こちら>FREEBIRD 02]]
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