黒物語 第1章 1話 [[Glacier]] 廃墟の中で1匹の獣がすやすやと寝息をたてて寝ていた。 その獣は体は黒く額や耳など、からだのところどころに黄色いリング状の模様がある。彼の種族はブラッキー、名前はクロという。クロはとても長い時間を生きてきた。彼の進化前の種族、イーブイがこの世に生まれて間もない頃から生きている。具体的な数字にすると1億……いや、2億年は生きている。だが、彼はとても若い見た目をしている。その答えはとある神話にあるのだが。まぁ、この話はまたの機会にしよう。彼もそろそろ目覚める頃だ。 「んんん……」 僕は寝起きの重たい身体を起こして伸びをした。 今日の目覚めはあんまり良くない…。 そんなことを考えていたらのどが渇いていることに気が付いた。 僕はお腹が空いて死ぬ、いわゆる「餓死」なんてことは無いんだけど、食べた時と食べてない時ではやっぱり動きや気分なんかも変わってくる。 ぼーっとしながら木の実でも探しながら歩いていると、少し高いモモンの木を見つけた。鳥ポケモンに食べ尽くされているのか見た目では実があるのかはわからない。こうなったら… 「まぁ、食事前の運動にはちょうど良いかな」 なんて、誰も聞いてはいないだろう独り言をぼやいてから、 僕は爪を立てて木を登っていく。ブラッキーがこんなふうに気を登るなんて普通じゃ考えられないだろうね、まぁ、僕は普通じゃないんだけど。 そんなことを考えていたら、見つけたよモモンの実、少し小ぶりだけど外から見えない位置に結構実ってるね。5こ程頂戴していこう。 木を降りてみたら、なんかガラの悪い集団に囲まれてて… 「なんだい、僕になんか用?」 ま用なんて無いだろうけど、僕を襲うのが目的だろうし。 「死ぬやつに答えるもんはねぇなぁ」 見るからにしたっぱのグラエナがこんなこというもんだからさ。 答えるもんは無いって、「…答えてるし。」 あ、口に出ちゃった。 「っの野郎…」 やっぱり怒るよね。 「引き裂いて食ってやる」 すごい物騒なこと言い出した。 「死ね!」 飛びかかってきた。飛びかかる火の粉は払います。とりあえず軽く殴ります。軽ーくね。 尻尾を硬化させて攻撃する技アイアンテール、凡庸性が高いんだよね。 バキッ 「ォギャンッッ!」 悲鳴を上げてぶっ飛んだね、5mくらい。死んちゃいないとは思うけどね。 「ぶ、ブラッキーのくせになんて力だ……」 「したっぱとはいえあのグラエナも結構強かったはずだ……」 「だれだ弱そうなヤツがいるから襲って食おうとか言ったヤツ!」 「待て、まだアイツは1発しか技を使ってない、マグレかもしれん」 「なら全員でかかれば」 「行けるかもな」 フラグかな。 「僕、戦いは好きじゃないんだけどなぁ。」 僕はそう言って、後ろ足だけで立ち上がる。普段は疲れるから四足歩行なんだけど。 「「「「「死ねぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!」」」」」 そう叫びながらかかってくる連中の攻撃をとりあえず引いて避けたんだけど、その時 「やめろ」 突然、上からレントラーが、結構強そう。 「お前らが何匹いたってこの野郎を仕留めるのは無理だ」 「ボ、ボス……」 なるほど、このレントラーがボスか。 「お前らの目にはこの野郎はただのブラッキーに見えるかもしれんが、俺の目からみたらとんでもないバケモンに見える。」 「化け物とはひどい言われようだね」 よく言われるから慣れてるけど。 「おまえが何者かは知らんが、あの吹っ飛ばされてのびてるやつを殺さないでくれたことには感謝する。」 「殺しは好きじゃないんで。」 レントラーはニヤッとして 「お前ら!帰るぞ!」 助かった……。ほんとに戦いは好きじゃないんだ。 そんな時、レントラーが帰り際に近づいてきて。 「今度あった時は俺と戦え。」 突然こんな事言われるもんだから 「へ?あ、うん」 なんて適当に了承しちゃったよ。 「合わない事を祈りたいが、2回も見逃すのはボスとしてどうか問われる。」 小声でこんなこと言われるし、このレントラー自体はそこまで悪そうではないし、仕方ないか。 「わかった」 「感謝する。」 レントラーは浅く頷いて去っていった 「さて、モモンの実でも食べて寝るか」 僕は元の廃墟の方に歩いていった。 〜2話に続く (1話1話は短めですが、その分長くなりそうです) #comment()