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黒き軆と白き志第9話 の変更点


*黒き軆と白き志 第9話 [#i72ea068]
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**〜海の使い〜 [#m95e2a5c]


そのミジュマルは、疲れきった2人の前で跳び跳ねている。 何とまあ落ち着きの無い…

「ねえねえねえ!君達は何者なの!?何でモノズなのに気合い玉使えたの!?そのペンダントは何なの!?2人はd…」

「分かった分かった!!
分かったから落ち着けぇぇ!!」

息継ぎをしているのだろうか、途切れない質問が飛んできて、耐えかねたウォルが抑える。
取り敢えず大人しくなったミジュマルにホッと一息つくと、レノが話しかけた。

「僕達の事が知りたいなら、まず君の事を教えてよ。いきなり現れて、質問を投げ掛けてくる人に、簡単に教えられる?」

目を耀かせたミジュマルに静かにそういうと、ミジュマルはハッとした顔をした後、てへへと小さく笑った。

「ごめんごめん。僕興奮すると抑えられなくて…
僕はユキマル。
イッシュ地方を旅して廻ってるんだ。
偶然この山のふもとを通り掛かったら、山の頂上が光ってるのが見えてね。凄く興味が湧いたんだ。何か面白い事が起こるんじゃないかって!」

ユキマルと名乗ったミジュマルは自分の事を話していているのに、溢れる感情を抑えきれないのか、短い両手を顔の少し下辺りで固く握り、目を先程よりもキラキラと耀かせていた。

「いや…起こることは起こるけど…」

「何何何何!!!???」
興奮が絶頂を越えたのか、顔をずいと押し付けるようにして聞いてきた。

「…世界の崩壊だよ?」

レノの言葉にユキマルの笑みが少しずつ消えていく。ぼーっとその場に立ち尽くしたようになってしまった。 それをみたウォルがレノの肩を右翼でつつく。

(何やってんだよ、いくらそうだとしてもいきなりそんな事言ったら駄目だろ!)

(わ…分かってるよ!今どうするか考えてるんだよ。)

「ぅ…ぅ…」

「「!!!」」

2人は絶望しているであろうユキマルを何とか励まそうと小声で話していたが、突然俯いたユキマルが悲しそうに声を上げたので、慌てて励まそうと、無理矢理笑顔をつくる。

「大丈夫大丈夫!!これから僕達が世界を救うために旅に出るところなんだ。」

「そーそー!オイラたちが絶対世界をs
「ぅおもしろそおぉぉぉぉぉ!!!」 

……は?
今面白そうって言ったよね? 世界壊れるんだよ?
面白そう…って……

落ち込むどころか喜んでいるユキマルに、逆におどおどするレノ達。

「あ…あの…ちょっと…」

「しかもこれから世界を救う!!もう黙ってられないよ!僕にも一緒に行かせて!!」

「ええ!?それは流石に…」

「そうと決まれば速く行こー!」

…駄目だ。全然此方の話を聞いてない。
ウォルでさえ、呆れて黙り込んだ程。 2人の手を引いて急かしているユキマルに、レノが慌てて言った。

「駄目だよ!闇の黒影よりずっと強い敵と沢山闘う事になるんだよ!?
君じゃ無理だよ。僕達は、特別な力を持ってて…」

「馬鹿、お前簡単に口に出すな!」

勢いで力の事を喋りかけたレノはウォルの言葉に慌てて口を噤む。
しかし、ユキマルは聞き逃さなかったようだ。
不思議そうに首を傾げて

「特別な力って何?」

と聞いてきた。
知られてしまったのなら仕方がない。レノ達は午前中の出来事を話した。

   ―数分後―

「そっかぁ〜山の上でそんな事があったんだ!やっぱりここまで旅をした甲斐があったなー。」

「じゃあ、そう言うことだから、僕達行くね。」

染々しているユキマルを他所に、立ち去ろうとするレノ達。 闇の黒影の一件で既に集合時間を大幅に過ぎてしまっている。速くしないとロアに悪い。 それに世界の崩壊まで後3ヶ月しかない。兎に角急がなければいけなかった。

「待ってよ!僕にもその力を分けてよ!そうしたら、僕も一緒に闘えるでしょ?」

歩き出そうとした2人の尻尾を掴んで、ユキマルがとんでもないことを口にした。

「何言ってんだよ。さっき言っただろ!この力は特別な存在じゃないと使いこなせないって。 お前じゃ無理だ。」

ウォルが呆れた様子で言うと、ユキマルは2人の尻尾から手を離し、頬を膨らませる。 2人はそのまま立ち去ろうとするが…

「…僕だって特別だよ?
僕が普通のミジュマルだと思ったら大間違い!
 僕の一族は“海の使い”なんだよ。」

ユキマルは胸を張って誇らしげに言った。

「「海の使いぃ!?」」

2人は仰天する。

“海の使い”とは、イッシュではまだ伝説としか伝えられていない、“ケルディオ”というポケモンの子孫ではないかと言われている一族。
 ケルディオは体格はユニコーン、タイプは水・格闘と言われているが、詳しい事はまだ知られていない。 昔、ポケモン達が戦争を起こした時、強力な水の力で戦いを終わらせたと、伝えられている伝説のポケモンであり、今では幻のポケモンとなったケルディオ。
それ程の力を持ったポケモンの子孫なら、確かに力になるかも知れない。
しかし…

(どうする…?オイラ達じゃ力分けられないぞ…)

(そんな事言ったって…)

レノ達は力は使えても、力を分け与えられる訳では無い。 ユキマルは2人の答えを期待しているらしく、ニコニコと笑っている。

「ごめん。悪いんだけど…」

【大丈夫だよ!】

仕方無くレノが本当の事を話そうとしたとき、レノ達の頭に声が響いた。

「ティニ!?」

「何処にいるんだ!?」

「? どしたの2人共。」

2人の頭に聞こえた声は紛れもなくティニの声。
レノ達はティニを探すが、何処にもいない。
何も知らないユキマルは2人の様子に首を傾げている。

【今は遠い所に居るんだけど、君達の様子はペンダントから解るようにしたんだ。しかもそのペンダントは、純粋な心を持ったポケモンが触れた時だけ、勝利の力を分け与えられるんだ!】

2人の頭に直接流れてくるティニの声。
このペンダントにそんな機能があったとは…と驚いている2人。 しかし、引っ掛かる事を見つけたウォルは空に向かって言う。

「でも、未来で見たのは3人だったんだろ?そんなにちょくちょく増やして平気なのか?」

「…?」

突然意味の解らないことを言ったウォルに、ユキマルは困惑し始める。
暫くしてティニが答える。

【確かにそうだけど、運命って言うのは変わる事も有るでしょ?それに僕的には人数が多い方が有利だと思うし。】

ティニはそう言った。
それなら大丈夫だ。

「分かったよ。ありがとうティニ。」

【お安いご用だよ♪何かあったら心の中で僕を呼んでね。…あ、あとユキマル君だっけ? 暫くしたらペンダントをバノンに送らせるから、色々伝えておいてね。じゃあねー!】

そこで声は途切れた。
レノ達は改めてユキマルに向き直った。

「分かったよ。じゃあこのペンダントに触ってみて。」

「???」

ユキマルは何が何だか理解出来ていないようだったが、後で話すと言うと、納得したらしくペンダントに触れた。

突如ペンダントが輝きだし、その光がユキマルの身体に吸い寄せられていく…!やがて光が止むと、ユキマルは目を一層耀かせて言った。

「凄いよ…身体の中から力が沸き上がってくるみたい!!」

感動しているユキマルに、レノ達は近付き、手を出した。

「オイラはウォル。暴れまわって迷惑かけるなよ?」

「僕はレノ。これからよろしくね!ユキマル!」

「うん!」

ユキマルは嬉しそうに2人と握手を交わした。

「じゃ、早速しゅっぱーつ!」

「おー………って」

「「あ………」」

「どうしたの2人共?」

2人は慌てて空を仰ぐ。
その時は既に、ほのかに輝く月が架かっていた。

「「うわあぁあぁぁああぁ!!!」」

「うわっ、えっちょっ…」

2人は同時に駆け出した。片手ずつユキマルの手をとって。

to be continued…


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IP:202.229.176.18 TIME:"2012-03-10 (土) 18:03:23" REFERER:"http://pokestory.rejec.net/main/index.php?cmd=edit&page=%E9%BB%92%E3%81%8D%E8%BB%86%E3%81%A8%E7%99%BD%E3%81%8D%E5%BF%97%E7%AC%AC9%E8%A9%B1" USER_AGENT:"DoCoMo/2.0 P02C(c500;TB;W24H16)"

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