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黒き軆と白き志第3話 の変更点


*黒き軆と白き志 第3話 [#i72ea068]
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**〜謎のポケモン〜 [#wbec86dd]



──オノノクスは、2人をひと睨みすると、突然鋭い爪を突きだして襲い掛かってきた!

「うわぁっ!」

「ひえぇ〜!」

オノノクスが放った“ドラゴンクロー”は、2人の足元の岩を粉砕した。

「何だよレノ〜!
なんでアイツオイラ達に攻撃してくるんだよぉ〜!」

「お前がぶつかったからだろーッ!だから慎重にって言ったんだ!やっぱり罠だったんだよー!」

2人は大声で叫びながら、必死で出口へと向かう。

「逃がさん…」

オノノクスは2人を逃がすまいとその大きく、重量感のある足を持ち上げ、そのまま勢いをつけて地面を踏み込んだ!
その直後、地面が大きく揺れる。

「っ!?」

「レノッ!?」

突然の事に対象出来ず、足を取られたレノはその場に転倒してしまった。(ウォルは飛んでいる)
それを見たウォルは旋回し、レノの側に降りると、レノをくわえて再度飛び立った。
しかし──

「!っぅおっとぉ!」

丁度、ウォルが飛んでいた位置から、天井が崩れ始めた。幸い、素早さの高かったウォルはなんとか落下してきた岩をかわせたが、出口が岩で完全に塞がれてしまった。

「くそっ、こうなったら戦おうレノ!」

「た、戦うったって…
僕たちじゃまるで敵わない相手だよ…?」

ウォルは気を奮い立たせ戦闘体勢に入ったが、レノは動こうとしない。

──はっきり言って、
このオノノクスに勝てる確率は万に一つもない。

一発目の“ドラゴンクロー”の破壊力、二発目に動きを封じるために使った“地震”から“岩雪崩れ"の合わせ技。
 たった二発でこれだけの力を持った相手に、
戦闘経験の薄い自分達が敵うはずがない──

 そう思い逃げ腰になるレノに苛立ちを感じたのか、ウォルはとうとう敵に向かっていった。

「なら、レノは其処で黙って見てろよッ、
アイツを倒すくらいオイラ1人で十分だッ!」

そう叫び、連続で“エアスラッシュ”を放つ!
 しかし、オノノクスは避けるどころか、防御しようともしない。
“エアスラッシュ”はそのまま真っ直ぐにオノノクスへと向かう。

 しかし次の瞬間、ウォルの予想を遥かに越えた事態が起こった。

「うっ嘘だろ〜!?」

何と、オノノクスの強靭な身体に逆にエアスラッシュが弾き飛ばされてしまったのだ!
 オノノクスは激しく動揺するウォルを太い尻尾で弾き飛ばした。

「うわあぁッ!」

「ウォルッ…!!」

“ドラゴンテール”をまともに喰らったウォルはレノのすぐ側に転がって来た。オノノクスは軽く弾いた程度だったようだが、体の小さいウォルにとってはダメージは大きかったようで、気を失っていた。

「よくも…よくもウォルを傷付けたなッ!!」

血は繋がっていなくとも、自分の兄弟的存在であるウォルを傷つけられたことに大きな怒りを感じたレノは、体にドラゴン特有の覇気を纏い、オノノクスに勢いよく突進した!

──ドラゴンタイプの攻撃では高威力を持つ
“ドラゴンダイブ”。

これは、レノの捨て身の賭けだった。

 レノの一族は◆ストアー・レイデイション◆と言われる能力を持っている。
普段戦わないでいると体内に力をどんどん溜め込んでいき、技を使うと物凄い威力になるのだ。
しかし、“ドラゴンダイブ”を使うと、そのあり得ない威力に、自分にもダメージが返ってきてしまう。

──つまり、これで決めなければ次はないかもしれない。

「うおぉおぉぉおッ!!」

レノは咆哮を上げ、オノノクスに物凄い速さで突っ込んだ!!
 辺りに衝突の轟音が響き、爆煙が上がった。

「ッ…。」

──確かに手応えはあった。レノは自分に返ってきたダメージに苦しそうにしているが、攻撃が当たった感覚はあった。
 注意深く、立ち込める煙に目を凝らす。

もうもうと立ち込める煙の中に、オノノクスのシルエットが少しずつ浮かび上がってきた…!

──ああ…
こんなところで死ぬのか。 昔から災難な事ばかりだとは思っていたけど、まさかこんなに早くに命を落とすなんて。
…でも、これで良かったのかも知れない。
 この能力のせいで周りにいる人達に迷惑をかけてしまうし、人を護ることも出来やしない。

──僕なんて消えてしまえばいいんだ──

 そう思いレノはふっと目を閉じた。

……でも、今の状況はどうなるんだ?
このままだとウォルまで殺される。
それでは死のうが生きようが同じ事なんじゃないか。
──ウォルを巻き込むなんて絶対嫌だッ…!
まだ、死ぬわけにはいかないッ!!

「ううッ…」

レノは痛む身体を無理矢理起こした。

「ぅ…、!?レノ!?」

気が付いたウォルは、フラフラになったレノを見て酷く驚いている。
 レノはオノノクスに近付こうとするが、途中で力尽き倒れてしまった。
それを見たウォルは、倒れたレノを庇うように、オノノクスとレノの間に入った。

「やめろ!これ以上レノを傷付けたら容赦はしないッ!」

ウォルは必死で叫ぶ。

 自分が弱いばっかりに、レノを傷つけてしまった。もうこれ以上、誰も傷つけさせないッ!
この身が滅ぼうとも、必ず守り通す!

──アイツみたいな奴が、もう出ないために…!

その一部始終を観ていたオノノクスは、突然声を上げて笑いだした。

「?、??」

突然笑いだしたオノノクスを見て、キョトンとするウォル。

「成る程。確かにティニ様が目をつけただけの事はあるな…。」

オノノクスはそう呟くと、ゆっくりと後ろを向き、ついてこいと合図をすると、洞窟の奥に入っていった。

「……?」

オノノクスの意図が読めないがこの状況だ、取り敢えず従うことにした。
 歩いている途中にレノも目を覚まし、3人は奥へと進んでいく。

──やがて、洞窟の一番奥に着いた…のだが、ただ岩壁が広がる何もない場所だった。
 こんなところで何をするのか、と不安感を抱く2人だったが、オノノクスは2人に気にせず壁に近づくと壁に向かって話し始めた。

「ティニ様、例の2人をつれて参りました。」

「りょーかいッ!
ありがとうバノン♪」

そんな声が聞こえた直後に、今まで壁だった正面の岩が、サー…っと消えていった。
そこには、薄い黄色をベースとした身体に、大きなオレンジ色の耳と青く透き通った目が印象的なポケモンと、狐のような身体に全身灰色の体毛に覆われ、一部の部位の毛が赤い色をしており、白い目に青い瞳をしたポケモンがいた。
しかし、普通のポケモンと違い左耳が無かった。

 ふと、レノはその全身灰色のポケモンに見覚えがある気がしたが、思い出せない。

 そのポケモンは先程の岩壁の事から幻影を操ることが出来るゾロアだと分かったが、もう1人は今まで見たこともなかった。
 その澄んだ青い目は、見ていると何だか不思議な感覚になる。

バノンと呼ばれたオノノクスはそのポケモンの前に立つと跪いた。
と、そのポケモンがいきなり話し掛けてきた。

「やぁ!待っていたよ!
レノにウォル!」

「その声は…!
君が僕達を呼んだの?
それに何で名前を…」

「細かいことは気にしない気にしない!
それより、これから話す事は真剣に聞いてほしいんだ。もう時間がないんだよ。」

明るい声で話し始めたそのポケモンはレノの問い掛けを軽く受け流すと、真剣な表情になって迫ってきた。
「良い?
凄く唐突で悪いんだけど、驚かないで聞いてほしいの。実は…」

「??」


「今から3ヶ月後に…世界は崩壊する。」

to be continued…


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IP:202.229.176.17 TIME:"2012-03-10 (土) 17:59:15" REFERER:"http://pokestory.rejec.net/main/index.php?cmd=edit&page=%E9%BB%92%E3%81%8D%E8%BB%86%E3%81%A8%E7%99%BD%E3%81%8D%E5%BF%97%E7%AC%AC3%E8%A9%B1" USER_AGENT:"DoCoMo/2.0 P02C(c500;TB;W24H16)"

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