#include(第十一回短編小説大会情報窓,notitle) ※捕食表現があります。 母さんは、よく、獲物を仕留める役目を負っていた。仲間たちの中で、一番巧かった。 言葉での会話ができない分を、補う形だったのだろう。 仲間たちに認められて、仲間たちの中で最上位になって、父さんと結ばれて、そして、僕がいる。 母さんは、僕の憧れだった。 ---- 隣にいる仲間は、何の苦もなく、じっと止まっている。 僕にとっては、まだ、つらい。退屈で、退屈で、今すぐにでも飛び出したくなる。 それでも、気付かれている様子はない。――潜伏も、少しは、できるようになってきただろうか。 茂みの合間から、明るい草原へと視線を伸ばした。薄黄色く嵩のある被毛で胴体を覆い、毛の薄い四肢や顔には紺色の短毛を纏った生き物が、見えた。その群れが、あった。 彼らの額と尻尾に付いている球は、その姿が、頭を地面に下げて、のんびりと草を食む動きに合わせて、光を緩く反射している。穏やかな空気が流れている。 ――あの群れは、襲われると、襲撃者から距離を置くように逃げる。しかし、個としては、襲撃者から離れるのではなく、群れの中央へと入り込もうとする習性がある。 彼らは、他の誰かが捕らわれれば、自らは助かる、ということを知っている。だから、捕えやすい個体を炙り出すのは、簡単である。 健常な個体が、群れの中央に逃げ込み、群れの流れを作る。その群れが固まったまま走れるよう、わざと一方向への逃げ道を用意すると、病で弱った個体や、小さく力のない個体などが、ついていけず、はぐれる。 ただし、群れから個を切り離したら、すぐに仕留めること。 あの種族は、独りとなることを過剰に嫌う。群れから切り離した個体が、錯乱し、反撃してくることは少なくない、らしい。 仕留める役目は、担ったことがないから、その辺りはまだよく分からない。いつもと同じように、母さんが仕留める流れとなっている。 僕は、ただ、こっちの方向へと逃げられないように、ちょっと姿を現すだけ――。 暫く、頭の中で、これからやることを思い返していると、視線の先で、その生き物の群れが動き始めた。 「行くよ」 隣から、小さく声をかけられた。 胴体に黒い被毛を、鼻と腹部にかけてに橙色の被毛を纏い、後ろに流れるような角を持つ姿が、僕の隣から、前に出た。僕より二回りは大きい、仲間の姿だった。 ようやく、だ。 「うん」 僕は、前足で土をしっかりと踏み、後ろ足で草の地面を蹴って、すぐに、その姿を追い越した。力いっぱいに駆け始めた。 視線の先では、薄黄色い被毛の群れが、叫び、纏まり、走っていた。その群れの後ろからは、仲間たちが、既に群れを追い立て始めていた。 群れの進行方向から見て、僕は横から近付いていた。群れの何体かが、走りながら、横目で僕を見た。ひとりが、僕から姿を隠すように群れの中央へと入り込んで、続くように皆が動いた。群れの進行方向が、少し、曲がった。 面白くて、ずっと続けていたくも感じるのだけれど、僕がやることは、ひとまず、これだけ。 僕は駆け足を緩め、他の仲間たちと合流する。一緒に、その群れの後ろについて、追い立て続けると、やがて、一つの個体が、群れから離された。こちらへの距離を縮め始めた。 僕より一回り小さいくらいの、幼い個体だった。 仲間たちの中から、ひとりが、飛び出した。――母さんが、その個体を〝獲物〟に定めた。 母さんが、獲物の後方やや横から、前足を振り下ろす。薄黄色い毛がいくつか宙に飛び散る。獲物が草の地面に倒れ、母さんはその姿の横で足を緩める。 母さんが、顔を寄せる。その胴体に、被毛に包まれた脇腹に。殺すために。 その瞬間、空から影が降ってきた。 赤い水滴が、周囲に飛び散った。 その腕には、獲物の顔があった。頭があった。 獲物の胴体は、草の地面に倒れたまま。 分離した頭の、首がった場所からは、細長いものが垂れ下がっていた。 力任せに引きちぎられた、筋繊維。 その細長いものからは、赤い水が絶えず滴り落ちていて。 何が起こったのか、すぐには分からなかった。 母さんは、降ってきたものを避ける際に、獲物を捨てていた。仲間たち皆が、被毛を逆立てていた。警戒と威嚇を表していた。 〝怪物〟が、獲物を横取りしに来た。 三つの頭を持ち、一つは首の先に、二つは腕の先についている生き物。六つの細長い翼で宙に浮かぶ、大きな姿。黒い被毛を纏い、光を跳ね返さない目を持つ、捕食者。 僕たちより幾回りも大きい。僕たちが群れてかかっても敵わない、と、何となく、そう感じる相手。 「あのさ、僕たちの獲物……」 怪物は、僕たちに視線を向けることなく、ただ、空いている腕を地面に伸ばした。頭のない胴体を拾い上げ、自身の背中へと乗せた。 「ありがたく頂くよ」 一瞬の間にあったであろう修羅などまるで感じさせない、悠々とした様子だった。 母さんが吠える。その口から熱と光を出し、怪物へと吐き付ける。それでも――母さんの炎を浴びても、抵抗らしい動きさえしない。ただ、母さんを横目に見るだけ見た。 ――僅かに、その表情が歪んだようにも見えた。害意のない、しかし笑顔でもない、奇妙な表情で、母さんを見つめているように見えた。 数瞬の後には、怪物はそのまま翼をはためかせ、獲物を奪ったまま宙へと昇っていった。怪物が去っていく様子を、皆が皆、ただ、見つめ続けていた。 大きく息を吐く音が、仲間たちから聞こえてきた。 僕の口からも、その音が零れていた。 周囲を見渡しても、この草原に、僕たちが居るだけで、他の生き物は姿も見えない。 追っていた群れは、もう遠くへと行ってしまった様子だった。黄色い毛と、血の跡が、草の地面に散らばっているだけだった。 「また追いに行こうか」 仲間のひとりから、言葉が上がった。――父さんが、母さんに向かって話していた。 母さんは言葉なく、父さんの顔に自身の顔を寄せた。その頬に、自身の頬を押し付けた。母さんなりの、同意だった。 ふたりの、硬い角同士の触れる音が、かちり、と、小さく響いた。 ---- 結局、もう一度追い立てて、食事にありつく頃には、空が赤く焼け始めていた。 仲間たちが、獲物に、牙を差し、足爪を立てて、その内臓を引き抜いていく。僕も、その薄黄色い被毛を掻き分けて、皮の切れ目から、腹の中へと口を突っ込む。 まだ温もりの残る肉に、噛み付く。顔を左右に振って、四肢で地面を強く押して、強く引く。 食いちぎるのに少しだけ苦労しつつも、一口ではとても食べきれない程度の肉片を引き抜いた。僕はそれを咥えたまま、勢いよく、その場から離れた。 食事中は邪魔されたくない、というのが、最近、分かるようになった。 たとえ、相手に横取りの意思がなくても、一緒に居るのが、落ち着かないのだ。それが、仲間たちでも、父さんや母さんでも。 皆もそれを分かってくれて、好きにさせてもらっている。 草のない、土の地面がある場所まで来て、僕は、腹這いになるように座った。両前足で肉片を挟んで、ふっと、炎を吹き付けた。 軽く熱してから、顔を寄せて、肉を噛みしめる。 血の匂いが残り、柔らかく、美味。 視界が影に覆われて、暗くなった。 見上げると、それは、気配を削ぐことなく、堂々と降りてきていた。害意がないことを表していた。 昼間にも見た、怪物の姿だった。それは、言葉なく、僕の隣に降りてきた。 「……あげないよ」 僕から投げ掛けた言葉は、どちらかというと、儀礼的だった。 今食べている肉片や――あるいは、僕そのものを狙っている様子もなく、そう警戒する必要もなかった。 「いらねぇよ」 ――食事中に来るのは、気に食わないけれど。 「じゃあ何だって言うのさ、嫌味でも言いに来たの?」 「かもな。昼間は世話になったよ、ご馳走様」 三つそれぞれの口からは、血の匂いが漂っている。奪った獲物を完食してから、まだそれほど経っていないのかもしれない。 「ま、適当にぶらついてただけだよ」 怪物は、真ん中の顔で欠伸をしながら、そう言葉を放った。その視線は、僕を見ず、草原の、離れた仲間たちのほうへと向いていた。 いつものように、ただの暇つぶし相手として、僕を選んでいた。 「ふーん……」 僕は、適当に返事をしつつ、視線を彼から外して、頭を下ろす。両前足で挟んでいる肉を、食む。 抵抗しようがない面もある。けれど、邪魔さえされなければ、食事中に隣に居座られることに、妥協はできる。 ――彼との会話は、つまらない物でもないし。 「最近どうだ。もう獲物仕留めたりもするようになったか?」 「そういうのは、まだ」 肉に牙を刺すと、液体が染み出し、口の中に広がる。これが、また、美味しい。 「今は、まだ追いかけてるだけか」 「うん。そろそろ、仕留める役やらせてもらいたいなって、思ってるんだけどね」 繰り返し噛みしめながら、やや言葉になっていない声を、彼へと返す。 「俺に言って大丈夫か? その話」 肉を小さく食いちぎって、一欠片を口の中に収める。数度噛んで、飲み込む。 「別に、いつやる、とかの決まった予定じゃないし――」 僕は、言葉を紡ぎながら、今一度、彼のほうへと視線を向けた。 「――僕の成長を楽しんでくれるのなら、知ったとしても邪魔しないで欲しいんだけど」 ――誰が仕留める役だったとしても、怪物が獲物を奪いに来たら、抵抗しようがないことには変わりない。 母さんは頑張って逆らう様子があるけれど、それでもとても敵いそうには見えない。 せいぜい、捕らわれないように気を付けるくらいしか、やれることはない。 「その辺は、その時の腹具合による」 これからの予定を話したところで、利敵にしかなりはしない。それは、恐らく、彼自身も理解している。 ただ、もちろん、素直に襲撃されるわけにもいかないし、〝役に立たない話〟しか、するつもりはない。 「お前も美味そうだしな、中々」 「はいはい」 怪物の腕が、僕へと寄った。その小さな口を開いて、僕の首筋を、軽く、噛んだ。 喉が少し圧迫されて、肉を飲み込むのが苦しかった。顔を揺すり、その顔を、腕を、振り払った。 そうしていると、仲間たちのほうから、一つの姿が、駆け寄ってきた。母さんが、僕の隣を――怪物を睨んでいた。 「よ、元気か?」 張り詰めた空気の母さんに対して、怪物は、のんびりとした言葉を向けた。それは、以前からの関係を示すものだった。 「……知り合い?」 怪物にも認められるくらいのことがあったのか、と、一瞬、思った。 「昔から、競合してるしな」 怪物がそう答えるのに対して、母さんは、唸り声をあげながら怪物を睨むばかりだった。 母さんにとって、この怪物は、あまりいい存在ではないのだろう。――競合相手として、当然なのだろうけれど。 「お前のきょうだいに当たるヤツを〝頂いた〟こともあるし、こいつが俺を敵視するのは妥当だろ」 怪物は僕にそう言いながら、母さんを見る。 「変わったよな」 何が、とは、言わなかった。ただ、母さんは、それへの返事として、唸り、怪物へと火を吐き付けた。 「ま、怖い顔してるうちに帰るさ」 その姿が、赤い上空へと浮かび上がっていく様子を、見上げた。 「ああ、そうだ。お前らの中に、怪我してるやつとか、病を患ってるやつとか、居ねーか?」 「居たとして、教えるわけないでしょ?」 去り際に、何の期待もないであろう言葉を向けられて、その後ろ姿へと、適当な返事をする。 「そりゃそうだわな」 そう言い残して、彼方へと去っていく姿を、僕は、母さんと共に見送った。 ――とりわけ、あの怪物との相対は、苦労してきたのだろう。 母さんが見せた警戒の強さは、そのまま、精神的な負担として表れている、ような気がした。 僕は、残っていた肉を噛み、気持ち早めに飲み込んだ。 「母さん」 怪物が去っていった方向を見たまま動かない、その姿へと、声を投げ掛けた。 何か、僕にできることがあれば、いいのだけれど。 楽をさせてあげたい、というには、僕は、まだ、未熟、だけれど。 「――今度の狩り、僕が仕留める役をやって、いい?」 これはこれで、多分、母さんに苦労させてしまうだろう。 でも――いつか教わらなければならないことだから。 早く獲物の仕留め方を身体で覚えて、そうすれば、母さんは楽ができる、から。 言葉が返ってくることはない。ただ、母さんは頭を下ろし、僕へと向き直った。 誘われるがままに、僕は母さんの頬へと自身の頬を当てて、ゆっくり、擦り付けた。 ---- 父さんや他の仲間たちにも話を付けて、次の獲物を仕留める役は、僕もやっていいことになった。 任されるわけではなくて、あくまで、母さんと一緒に動く形だけれど。 追い立てるところはともかく、本来、獲物を捕えて仕留める段階は、母さんはひとりでできてしまうから――僕という仲間と一緒に動く、という形になったのも、母さんひとりの負担に関しては、軽くなった、かもしれない。 ――あるいは、却って邪魔なだけかもしれないけれど。 日が沈んで、昇って、また沈んで、また昇った頃だった。 母さんが、じっとしている隣で、僕も一緒に潜伏していた。退屈なんてことはなかった。いくらでもじっとしていられた。 茂みの合間から、明るい草原へと視線を伸ばした。薄黄色く嵩のある被毛で胴体を覆い、毛の薄い四肢や顔には紺色の短毛を纏った生き物が、見えた。その群れが、あった。 彼らの額と尻尾に付いている球は、その姿が、頭を地面に下げて、のんびりと草を食む動きに合わせて、光を緩く反射している。穏やかな空気が流れている。 ――いつもと変わらない風景があった。 母さんが、横目に、僕へ視線を向けてくる。目配せをしてくれる。僕は、一呼吸して、前足に重心を乗せ、後ろ足を少し引く。 直後には、ふたり揃って、地面を蹴って、茂みから草原へと飛び出した。力いっぱいに駆けて、止まっている群れへと迫った。 薄黄色い被毛の群れが、叫び、慌てふためき、走り始める。その後ろから追い立てて――誰かしらがはぐれるのを、待つ。 仲間たちが、横から、群れの進行方向をずらすように迫り、合流する。程なくして、ふたりが、群れに付いていけず、はぐれる。そのどちらも、僕と同じくらいの大きさだった。 どちらを獲物とすればいいんだろう、と、一瞬考える間に、母さんが飛び出して、そのふたりの間に割って入った。それぞれを切り離して、うちひとりを完全に孤立させた。 ――獲物が定まった。 僕が〝獲物〟に迫る間に、母さんは、先んじて、獲物の正面から、その顔を噛んでいた。どちらも足を止めていた。ただ、ぎいい、と、言葉にならない声が、響いた。 獲物は顔を強く揺さぶり、それでも母さんの顎を振り払うことができない様子だった。 後は、抵抗できないよう、仕留めさえ、すれば、いい。 僕が。 顎を大きく開けて、その脇腹へと噛み付く。 牙を刺して、顔を引く。 表皮に届かず、柔らかい被毛だけが、破れて、剥がれる。 顎に残る被毛を吐き捨て、被毛の破れ目に再び噛み付く。 表皮へと牙を刺して、引く。 内臓に届くだけの穴が、簡単にできあがる。 そのまま身体の中へと口を突っ込み、肉の塊を、噛む。 獲物の衝動が、牙を伝って、顎を揺らす。 食い破れ。 身体から沸き立つ言葉そのままに、強く鼓動するその肉を、引く。 顔が、熱を帯びる。 音が聞こえる。 獲物の声。 それは心地が良くて。 僕は。 仲間たちに寄り添われるまで、呆然と立ち尽くしていた。 「――大丈夫か?」 仲間のひとりが、横から、鼻で、僕の頬をつついた。 「あ、うん――」 何気なく言葉を返して――咥えていた肉を落とした。食い破った臓物の欠片だった。 落としたすぐ先には、その持ち主であったはずの生き物が、亡骸が、食糧があった。 そう、目の前に倒れている獲物を、最終的に殺したのは、僕だ。 僕も、もう、獲物を仕留めるくらいはできるのだ。母さんを含めて、仲間たちみんなの役に立てるのだ。 「大丈夫」 それだけ言って、頭を下ろし、落とした肉片を咥えなおした。 今一、食べる気になれなかった。 父さんが、褒めてくれた。母さんが、頬ずりしてくれた。 仲間たちが、それぞれ、動かなくなった獲物の一部を千切って、食み始めるのが見えた。 黄色い被毛の群れは、もう辺りには見られない。 獲物を仕留めた後は、いつも通り、の、はず、なのに。 何かが、頭の中にひっかかっていた。 獲物の言葉ならぬ声が、心地よかった。 被った血が、心地よかった。 獲物の被毛から、ぱち、ぱち、と空気を焼く光の音が聞こえたのも、動きのある内臓に牙を刺したのも、獲物の動きが小さくなっていく様子を見るのも、どれもこれも、気分が高揚する心地よさがあった。 獲物を仕留めるのは、生きるため。 それは、僕であって、それは、僕ではなかった。 獲物の肉を噛みしめた。妙に苦々しくて、美味しいと思えなかった。 食べ慣れた獲物の味なのに。僕が初めて仕留めた獲物なのに。僕が殺した生き物なのに。 ――死ぬというのは、こうも簡単で、殺すというのは、こうも簡単で――恐らく、それは、僕も同じなのだ。 母さんが、僕に目を合わせてくれた。 獲物の足を咥えているその顔には、いつもと違うものが見えた。普段はあまり感情の見えない顔に――哀れむような感情が浮かんでいるような、気がした。 獲物と、僕を。 「母さん」 口を開くと同時に、咥えていた肉が再び落ちる。 「――これでよかったんだよね?」 僕が尋ねるのに対して、母さんは、黙ったまま僕を見ていた。少ししてから、小さく頷いて、身を翻し、僕から離れるように歩いていった。 この妙な感覚を、母さんは知っている。 そして、僕がこの感覚に違和を感じていることにも、気付いてくれている。 ――なら、教えてよ。 頭の中でぐるぐると巡るものを振り払うために、母さんは、どうしたのか。僕は、どうすればいいのか。 それとも。 これは、僕ひとりで解決するしかないの? 母さんは、よく、獲物を仕留める役目を負っていた。仲間たちの中で、一番巧かった。 獲物を仕留めることに躊躇している様子も、それを楽しむ様子も、何もなく、淡々とこなしていた。 僕もいずれは、あのようになるのだろうか。 それが、僕にとって、いいことなのか、悪いことなのか、分からなかった。 ---- ---- #pcomment()