ポケモン小説wiki
香り立つアプリコット の変更点


作:[[ハルパス]]

ポケモン×人です。 

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香り立つアプリコット 
*香り立つアプリコット [#f0bbf329]




「よし、行っけ、香乃(こうの)!」 
少年が紅白のボールを投げると、空中でボールが開く。直後、中から赤色光に包まれたポケモンが現れ、しっかと地面に四肢を着いた。 
黄緑ともクリーム色ともつかない体に、首の周りと頭から葉っぱを生やした、それはベイリーフという種族のポケモンだった。香乃と名付けられたベイリーフは戦意も十分に、ある程度の距離をとって相手のポケモン、水色とピンクの水玉模様の、ファンシーな色合いとは不釣り合いなふてぶてしい顔のブルーと向かい合った。 
「頼むぜ香乃!」 
「任せといて!」 
少年が声をかけると、香乃はブルーから視線を外す事なく、だが元気よく応えた。 
「先攻はこっちから行きますわよ、ブルちゃん、咬みつく攻撃!」 
相手のトレーナー、人の良さそうな婦人がまず指示を出した。 
「っしゃ!」 
ブルーは短い頑丈な脚でぐっと地面を蹴り上げた。鋭い犬歯の生えた口をいっぱいに開けて、勢いよく突進してくる。 
「香乃!」 
「わかってるってば!」 
ブルーの牙が突き刺さろうかという時、香乃は自然な身のこなしでひらりとかわした。直後、がちりと硬いものがかち合わさる音が辺りに響く。 
「てめ、じっとしてろよ!」 
攻撃を外したブルーは、怒りも露わに再度牙を剥く。しかし香乃は、微かだが口の端に笑みさえ見せ、無駄のない流れるような動きで全てを避けた。 
頭の葉を振り立て、しなやかな四肢をくねらせ、優雅でありながら鋭い動きで戦場を舞い踊る。それは剣の舞と呼ばれる技だった。剣の舞は独特の舞を踊る事で集中力と士気を高め、攻撃力を上げる技だが、応用次第で相手の攻撃をかわすのにも利用できる。かわされた本人には適当にあしらわれているようにも感じられるのだが。 
「どうしたのワンちゃん、掠りもしないわよ?」 
「このやろっ!」 
なかなか攻撃を当てる事が出来ず、苛立ちばかりを募らせていたブルーは、そんな訳で香乃の挑発に簡単に乗ってしまった。 
「ちょっとブルちゃん、落ち着いて!」 
完全に激昂したらしく、トレーナーの声さえ耳に入らないようで、ブルーは怒りに任せた強力だが単純な打撃を繰り返す。香乃の挑発に加え、剣の舞により周囲に振り撒かれたベイリーフの発する戦闘意欲を煽る独特の香りが、鼻の良いブルーには強烈に効いたのだろう。もはやブルーには、冷静な判断などできる筈もない。香乃を追い込んでいるように見えて、逆に自分が草むらの方へ追い詰められている事に。 
「今だ香乃!葉っぱカッター!」 
ブルーの行動範囲が狭まった所で、少年が指示を出す。 
「はぁっ!」 
気合と共に、香乃は研ぎ澄まされた無数の葉を放った。剣の舞によって威力が上がり、更に至近距離から放たれた緑の刃(やいば)が逃げ場をなくしたブルーに襲いかかる。はっとしたブルーが攻撃をかわそうとするが、背後は丈の高い草むら、跳びずさるスペースなどない。 
直後、ブルーは緑の渦に飲み込まれ、錐(きり)揉みしながら斜め上へ吹き飛ばされた。 
「ぎゃああっ!」 
やがて重力に従い、ブルーの体は地面にぼとりと墜落する。うつ伏せに倒れたブルーは頭だけを起こして悔しそうな目を向けるが、もう立ち上がる気力はないようだった。 
「…戻って、ブルちゃん」 
勝負はついた。婦人は残念そうに息を吐くと、ブルーに向けモンスターボールを翳(かざ)す。全身切り傷だらけになったブルーはボールに吸い込まれた。 
「やったな香乃!これで十連勝だ!」 
一方、バトルを制した少年は歓喜してガッツポーズをする。 
「ま、あたしと慧(ケイ)なら当然よ!」 
香乃は誇らしげに胸を張り、トレーナーとハイタッチを交わした。 




     ☆ 




「はい、こちらがお部屋の鍵です。寝る時は戸締りをしっかりして下さいね」 
「ありがとうございます」 
慧は礼を言って、受付の女性からカードキーを受け取った。モンスターボールがデザインされたそれを手に、ロビーで待っている香乃の元に戻る。 
「お待たせ香乃。部屋取れたから行くよ」 
ベンチの前で、行き交う人やポケモン達をぼんやりと眺めていたベイリーフに呼びかけた。 
記念すべき十連勝目のバトルの後。彼らは近くの町のポケモンセンターに来ていた。外ではもうヤミカラスの、どことなく哀愁を漂わせる声が響いていて、まもなく夜になる事を告げていた。 
ポケモンセンターの宿泊施設側の廊下に出ると、左右にずらりと並んだ部屋のドアが目に入る。これだけの部屋数があっても、ちょっとしたイベントなどがあるとすぐに満室になってしまうらしい。 
二人は案内板を頼りに、割り当てられた部屋へと向かった。目的の部屋は、廊下の突き当たりにあるようだ。 
やがて『18号室』と表記された部屋の前に辿り着くと、二人は歩みを止めた。カードキーに記された部屋番号と間違いがないか確認してから、慧がドアを開ける。 
中に入るとまず目に飛び込んでくるのは、一般的だが清潔なベッド。その横には小さな棚とベッドスタンドが置かれている。反対側にはパソコンが設置され、預けたポケモンの状態などがチェックできるようになっていた。尤も、慧の場合手持ちは香乃一匹だけなので、あまり利用しないが。 
「ふう。今日は久々にベッドで眠れるな」 
背負っていたリュックをばさりと放り投げると、慧はベッドの端に倒れ込むように腰を下ろした。ベッドはスプリングを少し軋ませて、彼を柔らかく受け止める。香乃も続いて入ってきて、静かにドアを閉めた。 
「さて。何もする事ないけど、どうする香乃?ちょっと早いけど飯食いにいくか?」 
上着を脱ぎ、伸びをしながら慧が問いかける。香乃は入口に備え付けられたマットで足の土を落としている最中だったが、慧の問いに顔を上げた。 
「あたし、お風呂に入りたいわ。さっきのバトルで汗も掻いたしね」 
「ん、わかった」 
慧は頷くと、香乃と一緒に部屋の風呂場へ向かった。 
浴槽にお湯を張り、タオルなどの用意をする。一通りの準備を終えた慧が脱衣所を出て行こうとすると、後ろから香乃が声をかけた。 
「ちょっと。何処に行く気?」 
「え?何処って、部屋に戻るけど…?」 
唐突でわけのわからない質問に、慧は間の抜けた声で振り返る。香乃はじれったそうに身を揺らした。 
「そうじゃなくて。今日は慧も一緒に入りましょうよ」 
…慧が彼女の言葉を理解するのに数秒かかった。 
「んあぁ!?おま、何言って…」 
「変な声出さないの。あたしがチコリータの頃はよく一緒に入ってたじゃない」 
呆然と突っ立ている慧に対し、香乃はけろっとした様子で続ける。 
「それに、あたし達長い付き合いじゃない。今更恥ずかしがる仲でもないでしょ?」 
「け、けどさ…」 
尚も渋る慧に、香乃はぴしゃりと言い放つ。 
「あーもう!さっさと用意して!服脱がないならあたしが脱がすわよ?」 
首から蔓を伸ばして、脅すように振りかざした。 
「わかったよ!入れば良いんだろ!」 
半ばやけを起こしたのか、慧はほとんど叫ぶように言った。香乃は勝ち誇ったような笑みを浮かべると、「すぐ来なさいよ」と言い残して、浴室に消えた。後に残された慧は、勢いで香乃の誘いに乗せられてしまった事に僅かな敗北感を覚えつつ、そそくさと服を脱ぎ始めた。 
別に彼女と風呂に入るのが嫌だとか、そういう訳ではない。ただ、気まずいのだ。相手はポケモンとはいえ異性。向こうは元々が裸なのであまり気にならないかもしれないが、やはり異性の前に裸体を晒すのは気が引ける。 
あまり気乗りしない様子で服を脱ぎ終えた慧は、もう一つタオルを取り出し、腰に巻いた。いくら彼と香乃の間柄とは言え、これは最低限のマナーだろう。 
覚悟を決め浴室に入ると、そこでは香乃がタイルの床に腰を下ろして、彼を待っていた。 
「香乃、湯加減は見たか?」 
「ええ、丁度良いわよ。それより早く流してくれない?お風呂に浸かれないでしょ」 
「それぐらい自分でやれよ…」 
小声で反論しながらも、慧はシャワーを手に取った。ノズルを捻り、まずは床に向けて水を放出させる。手で温度を確かめてから、慧は香乃にシャワーの先端を向けた。 
「熱くないか?」 
「うん。…やっぱり他人にして貰う方が楽でいいわね」 
呑気に笑って香乃は答えた。 
…こいつ。まさかこの為に俺を呼んだのか。 
さっきまで変に緊張していた自分がどこか悔しいが、香乃の嬉しそうな様子を見ていると、それもまぁ良いかとも思えてくる。慧は構わず彼女の体を流した。 
「じゃ、先に浸かってるから」 
軽く体を流し終えると、香乃はさっさと浴槽に浸かった。途端に彼女の体積分水位が上がり、内いくらかは縁から溢れて流れ出す。首までお湯に浸かった香乃は、気持ち良さそうに目を細め、悦に入っていた。 
広くはない浴槽は二人で入るには狭いので、慧はまず体を洗う事にした。 
自身もざっとシャワーを浴びると、香乃に背を向けるようにして風呂の椅子に座り、石鹸を手に取った。畳んだタオルにごしごしと擦りつけ、泡立ててから全身を洗い始める。体が終われば、次は頭を。 
慧が泡だらけになった頭をシャワーで流している時だった。それまでさり気なく様子を窺っていた香乃は、そっと気づかれないように浴槽から上がった。シャワーの音に紛れて、慧の背後に立つ。 
「ねぇ、慧…」 
「うわっ!?」 
洗い終えた慧に声をかけると、案の定慧はびくりとして振り向いた。 
いつのまにか背後に回っていた香乃に驚いた慧だったが、それ以前に自分が何も纏っていない事に気づくと、その辺に置いたままだったタオルを取り、慌てて下半身を隠した。やけに心臓が脈打っている気がする。 
「な、何だよ香乃…」 
香乃は何も言わず、妖艶に微笑みながら彼に擦り寄った。その色っぽい仕草に、思わず慧の喉が鳴る。顔に血液が上ってきて、頬が赤らむのが自分でもわかった。 
無言のまま香乃は前脚を慧の肩にかけると、ゆっくりとタイルの壁に押しつけていった。自然な動きで馬乗りになって、彼の抵抗を封じた。 
「Hしましょうよ」 
低い声で囁くと、ちゅっと慧の頬に口付けた。 
「…え!こ、ここでか!?」 
慧は焦りの為か、つい大きな声を出してしまった。その声は決して広くはない風呂場に木霊する。 
「せめて風呂から上がってから…」 
「嫌。あたしは今、ここでしたいの」 
きっぱりと宣言し、香乃は唇を重ねた。紅い舌をちろりと出し、慧の口元を突いて、口を開けるように促す。彼が諦めたように従えば、すぐさま口内へと舌を差し入れた。 
くちゅくちゅと音を立てて、互いの舌を絡ませ合う。香乃の積極的な舌遣いに、慧は翻弄されるばかりだった。すぐに頭が霞みがかったようにぼうっとなって、抵抗する気持ちなど失せてしまう。 
熱心なキスの最中。ふと、甘い香りが慧の鼻を掠めた。甘いけれど、どことなく刺激的な香りは、ベイリーフの発する香りの一つか、それとも香乃独特の香りか。頭の隅でぼんやりとそんな事を考えてみたが、下半身から来る刺激に彼はすぐに現実へと引き戻された。 
ようやく口を離した慧が見てみれば、香乃は前脚で、タオル越しに彼の下腹部を撫でていた。足先でやわやわと緩い刺激を送り込んでくる。 
「これ邪魔ね」 
一言呟くと、首から蔓を伸ばし、慧の唯一身に纏っていたタオルを引っぺがしてしまった。その下からは顔を擡(もた)げ始めた慧自身が露わになる。 
「キスだけでこんなになっちゃったの?ふふっ。かーわい…」 
「か、可愛いはないだろ…っっ!」 
言い返そうとするも、香乃が蔓を彼自身に巻きつけ、上下に扱き始めた為にそれどころではなくなった。 
力加減を調節しながら、香乃は蔓を動かした。何度も繰り返したその行為は、慧の感じる部分もそうでない部分も知り尽くしている。どの部分を擽(くすぐ)れば彼が善がるかも、どの程度力を入れれば彼が我慢の限界を迎えるのかも。濃い緑の蔓は慧の先走りの液を纏(まと)い、動きも合わさってテラテラと妖しい輝きを放っていた。 
「どぅお?気持ち良い?」 
耳元で、どこか幼さの残る、それでいて低く艶のかかった声で問うと、蔓の動きはそのままに慧の首筋を甘噛みした。ちくりとした感覚が走ったのは、彼女が印を付けているからだ。 
「あ…ああ。良いよ、香乃…」 
慧は努めて冷静な口調で答えたが、内心は僅かに残っていた理性を掻き集めようと必死だった。香乃はそんな彼の努力を嘲笑うかの如く、蔓の動きを速めた。裏筋の辺りを集中的に擦り上げ、全体を軽く締め付ける。自身から電流のように快感が駆け上った。 
「…うあっ…出る…!」 
とうとう刺激に耐えきれず、慧が達しようとした時だった。 
「だめよ」 
「――っ!?」 
急に香乃は慧の根元をぎゅっと絞って圧迫してしまった。根元から堰きとめられた熱は行き場を失い、逆流する。達したくても開放できないもどかしさに、慧が弱々しく睨み付けると、当の香乃はにんまりした。 
「忘れたの?こういう時のお約束」 
なんとも嗜虐的な笑みを浮かべて、香乃は早くしろとでも言うように、根元を引き絞ったまま先端をちろちろ舐め始めた。舌先を尖らせて、尿道口の辺りに突き立てる。 
とっくに限界を越え、過敏になっている慧にその刺激はきつすぎた。 
「わ、わかった、言うから…」 
どうしても涙声になってしまう自分に情けなさを覚えつつ、慧はその言葉を口にした。 
「香乃…い…イかせて…下さい…」 
例えここで虚勢を張ったとしても、結果自分が苦しくなるだけだという事を慧は十分過ぎる程に知っていた。反抗すればする程、加虐嗜好のある彼女の責めはますます厳しくなってしまうのだ。自分のポケモン、それも雌に良いようにされて、彼のプライドが甘く軋んだ。 
「ふふっ、よろしい。イっていいわよ」 
彼の心中の葛藤さえ見越したように、香乃は満足げに微笑む。強く絞っていた蔓を解くと、先端を激しく吸い上げた。 
「うっああっ…!」 
今度こそ。慧は射精感に抗う事なく熱を吐き出した。一度堰き止められたせいか、いつもよりも快感が大きい気がする。心なしか精液の量も多いようだ。 
香乃は勢い良く出されたそれを、心底嬉しそうに全て飲み干した。こくりと喉を鳴らす音が、慧の耳に届いた。 
「ごちそうさま。おいしかったわよ。…それじゃあ次は本番ね」 
最後の一滴まで、ちゅうっと吸い取ってから、香乃はようやく顔を上げた。体ごとずり上げ、秘所を慧の真上まで持ってくる。 
「ちょっ…今出したばかり…!」 
射精の余韻に浸る間も与えてくれないのかと、慧は抗議の声を上げる。 
「だって、あたしはまだイってないもの」 
しかし香乃はお構いなしに、どこか噛み合わない答えを返した。ある程度の形は保っているとは言え、まだ完全に復活しているわけではない慧自身の上に、狙い定めてゆっくりと腰を下ろしていった。慧は気づいていなかったが、彼のものを愛撫している間に、香乃は自分の秘所も蔓で弄り続けていたらしい。十分に濡れたそこは涎を垂らし、物欲しげにひくひくと震えていた。 
「くっあ…」 
しとどに濡れた香乃の秘裂が慧の先端を捉えた。そこはまるで別の生き物のように怪しく蠢き、彼を奥へ奥へと引きずり込もうとする。快感に顔を歪める慧の顔を見下ろしながら、香乃は更に腰を進めた。達したばかりで普段よりも過敏になっている慧自身に、彼女の秘裂は執拗に絡み付き、締め付ける。慧が全て香乃の中に飲み込まれた時には、自身は完全に大きさを取り戻していた。 
「さ、動くわよ」 
間髪入れず、香乃は腰を動かし始めた。慧を撫で上げながらずりずりと腰を引き、先端以外を外気に晒す。と、思う間もなく再び腰を下ろし、より深く自身を咥え込む。その一連の動きを、緩急をつけて繰り返した。 
「あっ…あぁん…んあっ」 
厭らしい水音を立てる度に、香乃は艶めかしい嬌声を洩らす。頭の葉があちらこちらに揺れ、自ら腰を振るベイリーフは何とも言えず淫らで、ひどく扇情的だった。おまけに彼女の喘ぎ声や結合部から発せられる水音は、狭い風呂場に反響してエコーがかかって跳ね返ってくる。それらが余計に情欲を煽った。 
さっきまでは香乃に押されていた慧だったが、今度はお返しとばかりに彼女を突き上げていた。香乃の中は蕩けるように熱く、確かな柔らかさを感じさせながらも彼をぎゅうぎゅうと締め付けていて、とても気持ちが良い。 
だんだんと互いの息も上がり、動きも速くなってきた。風呂場には二人の発する卑猥な音と、甘ったるい独特の香りが立ち込めていた。 




「はあっ…香乃っ……もう…」 
荒い息で、慧は終わりの近い事を告げる。自身から伝わってくる快感に、次第に頭の中が白く塗り潰されていく。 
「あたしもっ…そろそろよ…一緒にイきましょ……!」 
香乃は最後に一際大きく腰を振り下ろすと、結合部をぐっと強く密着させた。内部が急激な収縮を始め、慧を余すところなく締め上げた。 
「慧っ、慧っ…ふあああぁっ!」 
「くっ…あああっ!」 
二人はほぼ同時に達した。香乃は前脚で慧にひしとしがみつき、自分の中を満たしていく恋人の熱を感じていた。 
「ああっ…あたしの中…慧でいっぱいだよぅ…」 
恍惚とした表情で、うわ言のように呟いた。そんな彼女に、ふいに愛しさが込み上げてきて、慧はしっかりと彼女を抱き締めてやった。自然と、唇が重なる。深いものではなく、軽く触れ合うだけのキスだ。 
「はぁ…香乃…愛してる…」 
「あたしも…」 
行為後の心地良い倦怠感に飲み込まれ、二人はしばらく抱き合っていた。 




     ☆ 




翌日。 
「ふぇっくしょん!」 
「どうしたの慧?風邪引いちゃった?」 
「お前が風呂場で襲ってくるからだろーが!…ずる」 





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アプリコットの花言葉:乙女のはにかみ、誘惑 


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