**雪解け水 [#ec562146] この作品は、学園物です。 エロ・・・いと思います。 ---- 「ホーくんもぉいいよぉ!」 小さい身体を覆う痛みをこらえながら、必死に私は止める。でも、目の前のポケモン・・・友達の幼いホウオウは、それを止める気はない。 「ホーくんがいなくなったらやだもん!」 ホーくんはそっと私の痛みの原因に翼を当てる。白い毛並みに、真っ赤な血。傷が大きすぎて、自分の目で見ることもできない。 痛み以上に涙があふれて・・・大好きな・・・大切な友達を・・・失うことに・・・怯えて。 「レシは泣き虫だなぁ。」 私が叫ぼうとした瞬間、ホーくんはいつもみたいに優しく微笑んだ。 「いあっ・・・忘れたらやだからぁっ!」 私の悲痛な叫びは・・・ 「ぁぁ!・・・はぁ・・・はぁ・・・」 目覚めによってかき消された。また、あの”夢”を見た。忘れることのない、悪夢。忘れられないっていうのもある。忘れたくないってのも。 気付けば涙がぽろぽろと溢れて、頬を伝って流れてく。真っ白な毛並みをそっと拭えば、白い翼に、温かい涙が・・・浸みていく。 私は、レシラム。年齢=彼氏いない歴の・・・かなりダメな女の子かな。 ベッドから飛び起きたままの私は、そっと目覚まし時計を見た。 「もう6時かぁ。もうひと眠りしたいな・・・」 ぶつくさ言ってるけれど、ここは独り部屋じゃない。ルームメイトと二人で使ってる部屋だよ。 「んにゃんにゃ・・・」 隣のベッドで、ルームメイトのふーちゃんことフリーザーが気持ちよさそうに寝てる。 「るぎぁぁ・・・いいよぉ・・・」 ・・・ 何の夢見てるんだろう? ふーちゃんの彼氏のルギア君。ルギア君は私と幼馴染で、学校も一緒。彼氏・・・というのはふーちゃんがルギア君に猛アタックしたみたい。 「んふぁ?」 ふーちゃんが目を覚ました。むくっと身体を起こすと、私をじろじろ見てる。 「おはようむーちゃん。」 むーちゃん、とは私のこと。ふーちゃんとむーちゃん。かなりややこしいよね。 「今日も学校かぁ・・・ヤになっちゃう。ま、ルギアがいるから、ヤでもないけど。」 ふーちゃんは愉しそう。 「むーちゃんも早く彼氏くらい作ればいいのに。」 「わ、わたしはぁ・・・」 どうして彼氏ができないんだろうか。解らない。ふーちゃんはわたしのこと美人だっていうけど。性格が悪いとかかな。 「むーちゃんは処女ってことを押したらいいんじゃないのふふっ。」 ふーちゃんの煽りに、いつものごとく、私は顔が真っ赤になってしまう。 「なぁっ!なにいってんの!」 ふーちゃんは私を嘲り笑う。女の子同士じゃないと、こんな会話、出来ないよ・・・ 「処女って言ったら、みんな飛びついてくるよ?」 「そんなわけ・・・ないじゃんか。」 否定したい。ふーちゃんは自分がどうとか、言わないから、せこい。照れて熱くなった気持ちを沈めるのに、私は必死だ。 「ほんとだよ。ロム君だって。誰だって。男はみんなそんなもんよ。」 ふーちゃんはなんだか冷めた目で遠くを見つめてる。あ、ちなみにロム君っていうのは、ゼクロム君のことで、スポーツ万能、成績は・・・まあ、そこそこ。 クラスの女の子はロム君を理想の男の子にしてるみたい。 「さ、着替えて、さっさと学校行くよ。そういや今日、卒業アルバムの撮影あったよね。」 ふーちゃんは私を急かすと、するするパジャマを脱ぎ始めた。そしてシャツを着て制服を着ていく。 私もさっとパジャマを脱ぎ棄てると、制服に袖を通す。白い翼には、おもだるいけど・・・冬は仕方ない。寒いから。 Yシャツを着ると、鏡で自分の顔を見る。見なれた白い毛並みに・・・水色の瞳。寝ぐせも付いてなさそうだし・・・ま、いいや。 制服を着させられるけど・・・私みたいに尻尾が生えてると、スカートの方が楽で・・・でもハーフパンツ穿くから、ズボンとあんまり変わらないな。 朝ごはんを食べると、いつものように、寮を出てすぐにある学校へ向かった。 私は寮住まい。その寮は学校にすぐ近い。男女は・・・分けられてないんだなこれが。 風紀を乱すからってのは、誰も考えてないみたい。事実、学校もうまく言ってるし、そのまま結婚してしまうカップルも多いみたい。 ああ・・・そんな寮に住んでるのに彼氏ができないってのは・・・やっぱり私が変だからかな。 3時間目、歴史の授業が終わって、私は斜め前の座席のホウオウ君に声をかける。 「ホーくん。ノートコピーさせて?」 ホーくんはゆっくり振り返って、おねだりする私を不思議そうな目で見つめる。 「読めないよ?字、汚いし。」 私はホーくんの机に手、というか翼をついて、ホーくんに微笑みかける。 「読めるもん。ホーくんの字って、気持ちがこもってるから読めるもん。」 「そう?どこからどう見ても汚いけど。コピーさせて、って言ってきても、読めなくてみんな諦めるんだよね。」 渋るホーくん。ノートをぱらぱらとめくって、ホーくんに見せる。 「ほら、ホーくんの書くときの癖。先ばっかり見てるから・・・今書いてる字の形がふにゃふにゃになるんだよ。」 「ほぉ。やっぱりレシラムはすごいなぁ。」 嬉しそうにはにかんで、どこか感心したようなホーくん。素直にノートをコピーさせてくれた。 「テスト、また勝負する?」 「いいね。やろう。」 私もホーくんもニコニコ笑ってるけど、テストになれば、ライバルだ。この前はジュースを賭けて、見事に惨敗。 ノートのコピーを終えて、私はホーくんにノートを返す。お礼の言葉と、ホーくんが大好きな飴を添えて。 ホーくんは飴の方に夢中みたい。その飴が好きだってことを、ホーくんは同じクラスになってすぐの、テストの賭けで教えてくれた。 私とホーくん。この学校のクラスメートの♂のホーくんは、2年間、同じクラスなの。 歴史とかがホーくんは好きみたいで、学年で1,2を争うテストの成績を誇る。歴史だけね。 この学校で初めて出会って会話をした時、ホーくんはニコニコしてて、優しそうだなぁ・・・と思った。事実そうだし。 テストがあるごとに私は厚かましくノートを借りてはコピーし、テスト勉強をしてる。ホーくんは優しくて、基本的にはノーとは言わない。 この学校で出会った友達の中で、仲良しで、そして一番優しいのがホーくん。私は厚かましいよね。多分ホーくんはそう思ってるかも。 ・・・でも、本当は違う。 私とホーくん、本当はずっと幼馴染だった。幼稚園のころから仲が良すぎて、毎日、日が暮れるまで遊んで・・・怒られてた。 ふーちゃんの彼氏のルギア君もそう。 学校で久しぶりに会った時・・・ホーくんは私のこと知らなかった。何度か話しかけても、ちっちゃいころ、一緒に遊んでたころの面影はなかった。 原因は・・・私。私がホーくんから記憶を奪った。 ホーくんには不思議な力があった。怪我を治すという不思議な力が。 でも、ホーくんはそれを使うと記憶を無くすんだ、そうホーくんのお父さんが常々言ってた。 私が大けがをしなければ・・・私が崖から落ちて・・・怪我をしなければ・・・ホーくんは私のことを憶えているのに。 ホーくんが記憶をなくしたあの日、私たちは小学校の遠足で、有名な渓谷に行ってた。 ルギア君と私はふざけてるうちに、私は脚を滑らせて崖に身体を打ちつけながら川岸に落ちた。 とても痛かった。憶えて無いけど、多分生きてきた中で一番の大けがだったと思う。 すぐにルギア君もホーくんも降りてきてくれた。 よっぽどひどい怪我だったらしく、ホーくんは私の治療をしようとした。 記憶をなくすということを知っていたから、必死で止めたのに・・・ホーくんは治してくれた。 そしてホーくんは記憶を無くし、私の前からいなくなった。 ホーくんのお父さんは、ホーくんのことは忘れて自分の生きたいように生きてほしい、って言ってくれた。 ・・・でも、そんなことできるわけない。 「はぁ・・・」 ため息をついて、前を見ると、ホーくんとルギア君が愉しそうに話してる。ルギア君と私は、事件のこともあってか、そんなに仲が良くない。 ルギア君はホーくんが記憶を無くした後も、ずっと一緒にいたみたい。だから今でも仲がいい。私は後ろめたい気持ちを・・・今も持ってる。言っても許してくれるわけない、と。 ちょっと聞き耳立ててみる。 「あと4週間だけど、ホーちゃんクリスマスの予定ある?」 「無い。今年も中止。」 ルギア君はニコニコしてホーくんをからかう。 「俺はあるんだ。フリーザーと。」 自慢するようなルギア君の口調だけど、ホーくんは気にも留めず聞き入っている。だからルギア君は余計に自慢したくなるんだろうね。 「ホーちゃん、書店のバイト、辞めたの?」 「うん。クリスマスのラッピングが忙しくて忙しくて・・・それ終わったら年始の祝い用とか。疲れちゃったんだ。」 「ふーん。」 ちょっと残念そうなルギア君。 キーンコーン・・・今日の授業が終わった。 「あれ?むーちゃん、今日もバイト?」 「うんふーちゃん。アルバイト。」 ふーちゃんは勝ち誇った笑みを浮かべる。 「今日、デートなんだ。ルギア君とクリスマスのこと決めるんだぁ!」 「あ、そ。おめでとう。」 ふーちゃんはすっごく上機嫌でルギア君のところへ行く。悔しくはないけど、なんだか腹立つ。 学校が終わって、私は制服のままバイト先である文房具店に向かった。 文房具店っていっても、デパートの一角にある小さなお店だけど・・・ もちろん着替える。制服のまま行って、そこで着替えるって、やっぱりものぐさなのかな、私って。 「ふぁぁ・・・今日は暇ですね。店長。」 声をかけると、カイリューの店長も大あくびをしてた。 「そうだな。なんか暇だな。手帳もカレンダーも売れ行きがひと段落ってところか。」 店長はだるそうに問屋からの仕入れ伝票に目を通す。 「あ、そうそう、ちょっと整理行ってて。」 「わかりました。」 笑顔でレジから売場へ出る。 正直、文具店は万引きが多いから、店員は大変だ。アルバイトの私は通報くらいしかできないし。 シャーペン、ボールペン、ノート・・・と棚を整理しているうちに、見なれた制服のお客さんが手帳コーナーにいるのに気付いた。 ゆっくり近づくと、黄色いとさか。オレンジの優しい毛並み、見なれた姿・・・ 「ホーくん?」 そのお客さんはぷいっと振り返った。やっぱりホーくんだった。 「ああ、レシラム?ここでバイトしてるんだ。」 「うん。何を探してるの?」 挨拶ついでに聞いてみる。 「来年のスケジュールだけど・・・」 ホーくんは掛けてるカバンから手帳を取り出した。 「このサイズにあう、6穴の・・・このシリンダーに挟めるやつなんだけど・・・」 「ちょっと待ってね。」 私はガサガサと手帳のコーナーを探す。 「あ、あったよ。」 にこっと笑ってホーくんに渡すと、ホーくんも嬉しそうに受け取る。 「ありがとう。で、あとこれのメモノートある?」 「んーちょっと待ってね。」 私は手帳のコーナーで、散々探す。けど・・・無かった。 「ごめんホーくん、無かった。」 「あ、そう・・・まぁ、いいや。ありがとう。」 「あ、そうそう。手帳見せて。」 私は何かを思い出したように、ホーくんの手帳を見せてもらう。12と書いてある月のスケジュール。けど、ほとんど空欄。 「予定・・・スカスカじゃん。」 「バイトももうないし・・・12月は寒いから、寮に篭っていようかな・・・とか思ってる。」 「何それ。ふふっ。」 笑ってしまって失礼かな、と思ったけど、ホーくんはそんなこと気にも留めず微笑んでくれた。 ホーくんは優しい、けど、そこが欠点だって、前に言ってた。優しいけど、他人に深く突っ込めないから、深く付き合えないんだって。 その後ホーくんのレジをして、その日のアルバイトは終わった。 「疲れたなぁ。」 とはいいつつも、充実を感じながら寮に帰ってこれた。 ぎぃぃ・・・自分の部屋のドアを開けた。 暗い。 「あれ?なんで豆電球なの?」 ぱち。暗い部屋の電気を付けた。 「きゃぁぁぁ!」 ふーちゃんが叫んだ。私はもっとびっくりした。 服を着てないふーちゃんとルギア君がベッドの上で抱き合ってたから。 「なにしてるの!?」 顔が熱いなぁと思いながら疑問を持って聞くと、ふーちゃんは恥ずかしそうに下着だけ身に着けた。 「うっ!うるさいわね!処女のむーちゃんには関係ないでしょ!」 ふーちゃんが怒る間にルギア君はパンツだけ穿いてそそくさと部屋を出ていった。 「さ、むーちゃん。お説教の続き、しないとね。」 「つめたいっ!」 ふーちゃんは私の脚を氷漬けにして、動きを止めてた。 「むーちゃん!」 以下3時間ほどガミガミ。 私はふーちゃんのお説教を散々食らったあげく、冬なのにざるそばを食べて、風邪をひきそうになりながら、結局そのまま寝てしまった。 ふーちゃんのお説教の中身は、♂と♀なんだからどうたらこうたら。結局よくわかんなかった。 次の日。 いつものように学校にいる。昨日の一件からルギア君は今まで以上に私を避けてるし、イライラしてるみたい、ふーちゃんは私に当たる。 私はノートをコピーさせてもらったお礼も兼ねて、ホーくんのところへ行っていた。 「ホーくん。字、読めたよ。」 ニコニコしてホーくんに言う。 「よかったじゃん。」 ホーくんの愛嬌のある笑顔。これだけは全く変わらない。 「メモノート、見つかった?」 私が聞くと、ホーくんはぷいぷいと首を横に振った。 「今日、学校が終わったら探しに行くんだ。」 「ふぅん。そうそうあのね・・・」 それからホーくんと私は、この学校で出会って以来、いつになく盛り上がってた。 ホーくんの記憶が無くなる前は、いっつもこんなのだった。まだ小学校に入学したばかりの時から・・・ 「はぁ・・・お昼ご飯何食べようかな?」 「レシラム?」 私が食堂で悩んでいると、ロム君が後ろに並んでた。 「あ、ああ。ロム君・・・何食べようかな・・・」 「俺カレー食うわ。レシラムはグラタンでも食えば?」 「うん・・・」 結局私はロム君の言うとおりに、グラタンを選んだ。ほかほかのグラタンを持って、空いている椅子を探すと、またロム君が声をかけてくれた。 「あそこで食おうぜ。」 「うん。」 椅子に座ると、ロム君は勢いよくカレーを食べ始めた。 「いただきます・・・」 「あ?」 ロム君はスプーンを止めてご飯の挨拶をした私をじっと見てる。 「まだそんな挨拶してんの?」 「別に・・・いいじゃんか・・・」 小ばかにするような口調をするロム君。みんなはロム君の欠点だって言ってる。 「あ、そう。」 我関せず、と言った感じでまたロム君はカレーをバクバク食べ始めた。会話はほとんど無かった。 ご飯を終えて、教室でボケっとしていると、ふーちゃんが私の前に来た。 「むーちゃん好きな仔いないの?」 好きな仔・・・か。いるにはいるはずなのに、ぱっと頭に出てくるのがいない。男子はいろいろいるのにね。 昔は好きな仔はいた。でも、その仔は私の前からいなくなってしまった。 「ロム君のこと好きじゃないの?」 ロム君か・・・みんな魅力的だっていうけど、どこがなのかなあ? 「ロム君は・・・わかんない。」 「好きじゃないの?」 ふーちゃんは厳しく問い詰めてくる。 「はい、かいいえ、かで答えたらいいのに。ロム君のこと好きな仔、いっぱいいるんだよ。口添えしてあげようと思ったんだけど。」 「好きじゃない・・・かな。」 私は断った。 「あ、そうなんだ。実は、エムリットちゃんがロム君のこと大好きだから、口添えして!って頼まれたんだよね。」 ペラペラ喋るふーちゃん。クラス内でもカップルがよく成立してる。 ・・・私は残ってるのかな?残されてるのかな? わかんない。 ふーちゃんは私の答えだけを聞くと、いなくなった。 「今日は金曜日か・・・明日はアルバイト。明後日は部屋にいようっと。」 教室のカレンダーを見て、私は呟く。そのまま外に目をやると、雲行きが怪しい。 「雨降るなんて言ってなかったのになぁ・・・」 あっという間に授業は終わった。 「もう卒業も近づいてる・・・みんな、風邪とかに気をつけろよ。じゃ、また来週。」 HRで先生がみんなとあいさつをして、今日の授業も終わり。 「むーちゃん。エムリットちゃん、告白成功したって。」 とても嬉しそうなふーちゃん。そりゃ自分が仲介して、うまくいったら、嬉しいだろうけどね。 「あと、今日はルギア君はくるから、早く帰ってこないでね。」 ふーちゃんの忠告。今日は素直に聞けそうかも。アルバイトして、どこかのファストフードのお店で時間を潰して・・・と考えると、少し愉しい。 私はいつもと同じようにアルバイトへ向かった。 その日はなんだかいつもと様子が違った。どこか店長の様子が変だし、社員さんの様子も変だった。 いつものように閉店作業の清掃を終えたところだった。 「あの、ちょっと来てくれる?」 学生アルバイトのみんなが呼ばれた。 「君たち・・・非常に申し訳ないんだけど、今日で解雇になった。」 「え?」 みんなざわめく。私はかなりショックだった。長くアルバイトしてたし・・・ 「今日休んでる人には電話で言ったんだけど、国の雇用に対する方針が変わってな・・・非正規雇用の人は正規にするか解雇かって。」 私たちのショックを横目に、店長は喋り続ける。 「君たちは学校あるだろ?だからどうしてもクビなんだ・・・すまんな。今日までの分と給料、あと気持ち程度ですまんが、割引券。すまんな。」 店長はそう言うと、お金の計算をまた始めた。 心にぽっかり、穴が開いたのを私は感じた。けど、私はその場だけ耐えると制服に着替えて、外に出た。 ザーザーと雨が降ってた。 「傘・・・無かったんだ・・・」 心に空いた穴と、そのショックの大きさに、私は動揺しつつもふらふらと歩きだす。雨は私を嘲り笑う。 私の身体を、雨が容赦なく打ち付ける。・・・けど、走る気にもならない。 あっという間に制服の上着に水が染み込んで、じわじわとセーターを通り抜けて、シャツ、下着と冷たい水が地肌に伝わる。 いつの間にかぶるぶる震えだした私の身体。白い毛並みも水に濡れて、重い・・・ ガクッ・・・ 「あっ・・・」 ビシャッ! 突然脚の力が抜けて、その場に立っていられなくなった。水たまりに脚を取られたみたい・・・制服のスカートは思い切り水をかぶり、重たくなった。 あっという間に、スカートの下のハーフパンツまで、ぐっしょり濡れて、冷たくなった。尻尾なんて冷た過ぎてあるかどうかの感覚すらわからない。 私はひざまずくと、今日あった嫌なこととか悩みが、一気に噴き出してきた・・・ 「もぉやだ・・・ふぇっ・・・えっ・・・」 このまま冷たくなってもいい・・・そう思い始めると急に涙が止まらなくなった。 温めてくれる存在なんて・・・なくてもいい・・・ 「ふぇぇっ・・・ふぇぇぇん・・えぐぇぐ・・・」 なんでこんなに悲しいんだろう・・・心まで冷たくなってたってことかな? 温かいだけの涙が私の頬を伝って、雨に打たれ・・・流されてく。 誰か・・・助けて・・・ 「ふぇぇ・・・」 ザーザーとまだ雨は降り続いてる。私もまだ泣いてる。服も、身体もびしょびしょ・・・服が私の身体にまとわりつく。 今、誰か知ってる人が私の顔を見たらどう思うだろう?もういなくてもいいのかな・・・ 「ぇぇぇん・・・ふぇぇぇ・・・」 目を閉じて、音だけ聞こえる。けど、雨の音以外、何も聞こえない。誰も通ってない。 身体が冷たい。心までも。 ざぁぁ・・・ 「レシラム?」 不意に私の耳に聞き覚えのある声がした。 「レシラムだよね?」 私は顔を上げる。視界が涙でぼやぼやしてたけど、すぐに誰かわかった。 「ふぇっ・・・ほぉくん・・・ふぇぇぇぇぇ・・・」 私はホーくんに泣きついた。ホーくんは傘を私にかけてくれた。 「どうしたの?傘無くしたの?早く帰らないと・・・風邪ひいちゃうよ。」 優しく語りかけてくれるホーくん。でも私はまだ泣いたまま。立つどころか、ホーくんに強く抱きついてしまった。 濡れた私が抱きついたもんだから、ホーくんの服まで少し濡らしてしまった。 「ふぇぇぇん・・・」 「レシは泣き虫だなぁ。さ、立とう。」 私に翼を差し出してくれたホーくん。私はホーくんの翼を取りながら、昔の思い出を多少フラッシュバックさせていた。ホーくんの憶えていない思い出を。 何分雨に打たれてたのか・・・もうどうでもよかった。 ホーくんは私の身体を支えながら、寮まで連れて行ってくれた。水で服も身体も重かった私を。 「送ってくれてありがとう。」 「僕も、寮住まいなんだけどな・・・」 まだ潤む目でホーくんを見る。ホーくんは苦笑いしてる。 涙はおさまったけど、服も身体もびしょ濡れだし・・・寒い・・・ 身体がブルブル震える。制服からは水が滴り、床にぽたぽたと跡が付けている。 「部屋の前まで送ってあげるから。」 「ほぉくんん・・・えっ・・・ふぇぇっ・・・」 また涙が出てきた。 「泣くんじゃないよぉ。」 「ほぉくん・・・」 ホーくんはにこっと笑って、私が歩きだすのを待ってくれている。 「ホーくんの部屋に連れてって・・・」 「え?」 私の意を決した言葉に、ホーくんは戸惑っている。 「♂だよ。僕。」 「ホーくん信じる。」 私がそう言うと、ホーくんは、あ、そう、とだけ言った。けどその時、思い出した。ホーくんのルームメイトは確かルギア君だったということを。 「僕の部屋に行く?」 「うん。」 もう元気のない私の返事に、ホーくんはそっか、と頷く。そしてすっかり冷たくなった私の翼を持って、廊下を進んでいく。 後で思い出したんだけど、私がびしょ濡れになってた時、ふーちゃんはやっぱりルギア君と、私とふーちゃんの部屋で一緒にいたみたい。 「さ、ついたよ。」 ホーくんは部屋のドアを開けて、私を中に入れてくれて、すぐにエアコンのスイッチを入れた。 「暖房付けるから、ちょっと待ってて。」 「うん・・・さぶいよぉっ。」 ぶるぶる身体を震わすと、水を飛ばしてしまうので、私は玄関で待つことにしようと思った。 「入ってきたらいいのにって。」 ホーくんはそう言ってくれるけど・・・ 「ホーくんの部屋、びしょびしょになっちゃうよ?」 「でも、風邪ひいちゃうって。」 私は、ホーくんの優しさに甘えることにした。絨毯を濡らすとわかっていたので、洗面所で、入ってくる暖気に、身体をさらす。 「早く身体乾かしなよ。着替えあるなら、お風呂でも何でも貸してあげるんだけど。」 あ、そうだ。だからホーくんは私を自分の部屋に連れて行こうとしてくれたんだ。ホーくんの部屋だったら、びしょ濡れの服を脱ぐことすらできないし。 優しい心遣いが嬉しかったけど、ちょっと私は大胆に出てみた。 「ここで制服も全部脱ぐ。お風呂貸して。」 「えっ!?」 ホーくんはかなりびっくりしたみたい。きょろきょろあたりを窺っている。 「ルギアは帰ってこないから大丈夫だと思うけど・・・着替えどうする?」 私はにこっと微笑んでホーくんを見た。 「貸してほしいなぁ。」 「・・・えー・・・と・・・サイズちょっと大きいよ。お風呂準備するから、ちょっと待ってて、」 しばらく固まったけど、しばらくして事態を理解できたホーくんは、短パンとTシャツを貸してくれるみたい・・・ 「パンツ貸して?」 「だぁっ!だめだって。」 悪乗りする私に、大慌てのホーくん。私もほかの男の子だったら服ですら借りないかもしれない。けど、ホーくんだから、ちょっと恥ずかしいことでも我慢できる。 「・・・ホントに貸してほしい?」 「んー。」 念押しで聞いてくれたホーくんに、一応貸してほしい意思はあったので、借りることに。 「トランクスしかないよ。」 「私、体型が特殊だから、そっちのがうれしい。」 「はぁ・・・仕方ないなぁ。」 ホーくんは顔を真っ赤にしながら、赤いドット迷彩のトランクスを貸してくれた。 「じゃ、お風呂、借りるね。」 まだ不快に濡れた制服を着ていても、すっかり上機嫌の私。ホーくんも嬉しそう。 「ごゆっくり。あ、服、乾かしたいなら、ハンガーで洗面所に干しときなよ。」 「ありがとう。」 私は洗面所とホーくんのいる居間兼寝室を遮るドアを閉めた。 ホーくんとの愉しいひと時の間は、私はホーくんが記憶を無くしたことに対して感じていた負い目を感じなかった。 「うにゃ・・・重いっ。」 濡れた服はとてつもなく重く、私が翼をぶんぶん振っても、毛並みにへばりついてる。 服を全て脱いでも、雨にさらされた毛並みは艶がなく、元気がない。ホーくんが貸してくれたハンガーに、服を全て掛けた後、お風呂場に入った。 ばしゃぁぁん・・・ 身体を石鹸で洗うと、少し毛並みにつやが出た。私もどこか、気持ちがいい。 「はぁぁ。」 浴槽に浸かると、毛並みがふわふわとお湯に浮かんで、白い毛玉みたいに私はなった。 「ふぅ。」 私はふと思った。 「ホーくんは優しいなぁ。」 今日の出来事で、とっても距離が近くなった気がする。私も・・・ 私は本当はホーくんのことが好きなんじゃないかな・・・だからホーくんの前であんな風に悪乗り出来たのかも。 アルバイトを首になったこと、雨の中ずっと泣いてたこと・・・いろんなことを振り返りながら結局ホーくんのことばっかり考えてた。 「レシラム?タオル置いとくよ。」 ホーくんが洗面所から声をかけてくれた。そう言えばタオル借りるの忘れてたなぁ・・・ 「ありがとー。」 「うん。」 私が返事をすると、またドアが閉まる音がした。 曇った鏡にシャワーをかけて、映った私の顔。疲れてるのかな・・・何度か頬を触ったりしたけど、どこか瞳に力が無いなぁ・・・ あれ? そう言えば・・・ホーくん。私に声かけてくれた時、レシ、って私のこと呼んだ。 聞き違いかな?雨も降ってたし。・・・でもそんなことないと、信じたい。 ホーくんは私のこと、昔はレシって呼んでくれてた。私はレジみたいでやだ、って何度か言ったんだけど。もう10年くらい前かな・・・記憶が無くなる前まで。 お風呂場から出て、身体を乾かすと、ホーくんが何してるかな?と外を覗いた。 「あれ?」 ホーくんがいない。私は服を着ることも忘れて、居間に飛び出す。 「ホーくん?」 「なに?」 すぐに返事がきた。台所にいるみたいだ。 「お風呂出たよ。」 「ありがと。晩御飯作ってるから、待ってて。」 「ホーくん。お礼を言わないといけないのは私だよ。ありがとう。」 台所から来る声に、安堵して服を着る。やっぱり私って女の子っぽくないのかな。 ホーくんと晩御飯を食べた後、しばしまったりした時間が訪れた。 「ルギア君が帰ってくるまで、自分の部屋に帰れないよぉ。」 「そうだよね。」 ホーくんは苦笑いしてる。は、なんだか鼻がむずむずする・・・ 「はくちゅ!」 唐突にくしゃみをしてしまった私。恥ずかしくてホーくんから目をそらす。 「風邪ひいたのかな?」 ホーくんはそう言うと、翼を私の額に当てる。 「ん~・・・わからん。」 「ホーくん。」 私は近づいてきたホーくんを翼でギュッと抱いた。疑問に思ったことを聞こうと思ったからだ。 記憶を無くしたことを聞いて、ホーくんと仲が険悪になってしまえば、私は素直に謝って、なんでもする!と言うしかない。けど、私は信じた。私の想いと、ホーくんを。 「レシラム?どしたの?」 「ほっ・・・ほぉくん・・・」 でも聞こうと思ったとたんに、涙があふれてきた。 「ほぉくんは・・・なんでうそつくの?」 「へ?」 ホーくんはきょとん、としてる。私は溢れる悲しい気持ちと、ほんのちょっぴりの期待を抑えて、言葉を続けた。 「ほぉくん・・・さっき私のことレシっていったじゃんかぁ・・・」 「うん。」 涙で視界がぼやけてたけど、ホーくんの目が、いつになく真剣なのに気付いた。 「それって・・・ホーくんがちっちゃい時に私をそぅ呼んでたんだよぉ・・・」 「・・・」 ホーくんは押し黙った。 ほんの少しの沈黙のあと、ぎぃぃ・・・ドアが開いた。 「ただいまホーちゃん!」 ルギア君が嬉しそうに部屋に入ってきた。 「れ・・・レシラム・・・」 私を見ると、すぐにルギア君は黙った。 「ルギア・・・もう言ってもいいよね?」 ホーくんが口を開いた。 「ホーちゃん・・・ホーちゃんがいいなら・・・」 ルギア君も戸惑いが表情によく出てる。 「レシラム。お前はホーちゃんを裏切ったりしないよな?」 強い口調で私に迫るルギア君。私は後悔したくない一心で、首を縦に振った。 「僕は・・・本当は記憶を無くして・・・なんてない。」 「ホーくん・・・」 嬉しさと、ほんのちょっとの悲しみと、私に芽生えた2つの感情は、ホーくんを強く抱く、という行動で解消しようとしてる。 「レシ?暑苦しい。」 「ごめん・・・」 私はホーくんをすぐに離す。そして私を見たままのホーくんは、目を閉じて、ほほ笑んだ。 「僕は、怪我を治す力がある・・・それはレシが一番よく知ってるよね。」 「うん。」 ただ聞き入っているだけの私とルギア君。 「でも、レシの前に僕がその力を使った時だった。」 悲しげなホーくんの口調。 「僕は化け物扱いされた。おかしいよね?破壊する力なら認められて、癒す力が認められないなんて・・・」 ホーくんの一言一句に、私もルギア君も、頷く。 「だから父さんは、僕がその力を使うことで、恐れられることを嫌った。だから・・・」 「記憶喪失に?」 「うん。」 ルギア君はさっきから目を潤ませてる。 「そうして、みんなの前からいなくなれば・・・傷つけられることはない、そう思った。レシラムのことも忘れた・・・つもりだった。」 「ホーくん・・・」 「でも、神様はごまかせなかったよね?結局高校で一緒になるなんて。勉強の甲斐があったな。」 てへ、と笑うホーくん。 「ほぉぉくぅんっ!」 「ほーちゃん!」 気付けば私もルギア君も涙をぼろぼろこぼし、ホーくんに抱きついてた。 「うぁぁ・・・あ・・・苦しいって!」 悲鳴を上げたホーくんを離した後、ルギア君はずっとニコニコしてる。 「ホーくん、レシって呼ばないでよ?」 「レシラム、の方が呼びやすいかな?今は。」 思い出話に、懐かしい気持ちと、砕けた後悔で、私はいつも以上に羽目を外して喜ぶ。 「ふぁぁ・・・」 喋り疲れた私は、大あくびをした。 「もう帰る?」 ホーくんがにこっと笑う。 「やだ。」 私は断る。ホーくんは苦笑いする。 「お二人さん、仲良く寝れば?俺はフリーザーの部屋にいってくるから!じゃ!」 ルギア君は空気を呼んだつもりなのか、なぜか部屋を出てった。 「ホーくんっ・・・けほけほ・・・」 やっぱり風邪ひいたみたい・・・寒いし。 「風邪ひいてるじゃん。早く寝よう寝よう。」 ホーくんは私をベッドに引っ張り上げると、布団を何枚も重ねた。疲労はピークだったみたい・・・すぐに眠くなった。 「ホーくん・・・す・・・き・・・」 私は薄れゆく意識の中で、ホーくんに何か呟いた気がした。 「僕も・・・」 でもホーくんの返事を聞く前に、私は寝てしまった。 冷たい朝の太陽が、部屋に射しこんだ。 じゅるじゅる・・・お味噌汁をすする音が、ホーくんの部屋に響く。 「おいしいかな?」 「とっても。」 おでこに濡れタオルを貼りつけた私はにこっと笑う。ホーくんの手料理、お粥とお味噌汁ををごちそうになっているところ。 「ホーくん料理うまいじゃん。」 「寮生活する前に、必死に覚えたの。」 「勉強熱心だよね。」 私の言葉に、嬉しそうにホーくんは微笑む。ホーくんの笑顔・・・やっぱり可愛い。 「さ、風邪薬だよ。」 「ありがとぉ。」 ぐいぐいと薬を流し込むと、また身体を横たえた。 「あのさー。」 しばらくして、退屈な私はホーくんに声をかける。台所で食器を洗っているホーくんはあわてて私のところに来た。 「どしたの?」 心配そうに私の顔を覗きこむホーくん。 「クリスマス・・・予定ある?私アルバイトクビになっちゃって・・・予定ないから・・・」 私の問いに、ホーくんは困ったような嬉しいような表情を浮かべてる。 「ないと言えばない。」 「なにそれぇ。」 戸惑う私にホーくんはにこっと笑って言う。 「クリスマスは中止だから。」 「もぉそういう意地はやめたらいいのにぃ・・・」 ホーくんは去年も同じこと言ってた。クリスマスは中止だって。 「だよね。」 やや頑ななホーくんの心を一気に解かす方法を、私は知ってる。 「ホーくん・・・私、ホーくんのこと好き・・・ホーくんは?」 告白・・・上手くいくかは、もういいや。私も彼氏いないし。失うものはないし。 「すっ!・・・好きだよ。」 ホーくんは照れくさそうに言ってる。声が上ずってたからすぐにわかった。 「レシ・・・僕はレシのことが好きだった・・・だから嫌われたくなかった。だから・・・」 悲しげに話すホーくんの頭をそっと私は翼で撫でる。するとホーくんはにこっと笑ってくれた。やっぱりホーくんはホーくんだ。 変わらないホーくんの優しさの”軸”を感じた。 また少し時間がたって、ホーくんは自分の服を洗濯してる。 「服、洗うから。乾いたら、レシラムが畳んでね。♂の僕は・・・恐れ多くて触れない。」 「うん。ありがとー。」 ホーくんは生乾きの私の服を、一気に洗濯機に放り込んだ。昨日雨に打たれてた私の服はもうヨレヨレ。アイロン当てないとなぁ・・・ 「なんかさ、夫婦みたいだよね。」 私の言葉に、ホーくんは持ってた洗剤をぼとっと落とした。動揺したみたい。 「僕は、レシラムの夫になれそうかな?」 「私の理想はホーくんだよ?」 ばちゃぁ・・・ホーくんは落とした洗剤を蹴飛ばしてさらにぶちまけた。とても動揺してる。 「そ!そんなこと・・・今言わないでぇぇ・・・」 とっても動揺してて可愛い。もうちょっと追い込もうかな? 「ホーくん可愛い。」 あれ?・・・反応がない。聞こえてなかったのかな?心配になった私は起き上がって、洗面所を覗いた。 「ホーくん!」 ホーくんはぶちまけた洗剤の上で、気絶してた。 「ごめんホーくん!」 「いいって。じゃ、クリスマスはどこか行こうか。」 洗剤の付いた服をまた洗濯したホーくんはニコニコほほ笑んでる。ホーくんとデート・・・身体が熱いなぁ。 「うんっ!」 嬉しそうに頷いて、また布団をかぶった。 ところで、ルギア君は、ふーちゃんと部屋で何してるのかなぁ・・・ホーくんに聞いてみようっと。 「ホーくんっ。」 「ん?」 「ふーちゃんとルギア君って、部屋で何してるのかなぁ?二人っきりで。」 ・・・。また返事がない。布団を剥がして、身体を起こすと、ホーくんは顔を真っ赤にしてうつむいてる。 「どしたの?」 「いや・・・レシラムって、意外に世間知らずなんだなぁって。」 世間知らず・・・まぁ私は、彼氏もいないし、友達から付き合って何してんの?とも聞けないし・・・ 「ま、いずれ分かるよ。これだけ言っとく、僕はまだしたことない。」 「ふぅん・・・」 私はまた布団をかぶって、ホーくんとクリスマスどこ行こうか、とかそんなことばっかり考えてた。 その日1日中、風邪の私の看病をホーくんはずっとしてくれてた。すっごく嬉しくて・・・ホーくんの優しさが心に沁みた。 あ、そうそう、ホーくんと話しあって、初デートじゃさすがに困るってことで、次の週の土曜日にデートすることになっちゃった。 緊張するなぁ。 初デートの日。私はふーちゃんのアドバイスをもとに、私服の中で一番よさそうな奴をチョイスした。 寮で待つ私は、とてもドキドキしてる。 「むーちゃん初々しいなぁ。あはは。」 ふーちゃんは私をからかうけど、私は緊張して相手をするどころじゃない。 ピンポーン。 チャイムが鳴った。 「ふぁぁ~どきどきする~。」 玄関の扉を開けると、ホーくんが立ってた。 「お待たせ。」 「う!うん。行こう行こう!」 ホーくんの横を歩く私。でもドキドキで、ホーくんの翼を掴むこともできない。 「今日はどこ行く?」 「え!えーとぉ!」 私の緊張を見抜いてか、ホーくんはにこっと笑う。 「そんなに緊張しなくていいって。別に命かけてるわけじゃないんだから。」 「うん・・・」 勢いで私はホーくんに寄り掛かる。ホーくんはとくにびっくりもせず、私の身体を支えてくれてる。 「行きたいところある?」 「ゆ・・・遊園地かな・・・」 無難なチョイスかな?と私は思ったけど、ホーくんの表情は少し曇った。 「ゆ、遊園地ね。行こう行こう。」 アトラクション一発目。 「うぁぁぁぁぁ!ふぎゃぁぁぁぁぁぁ!!!!」 私の隣でホーくんが目を白黒させながら絶叫してる。 「うげぇぇ・・・」 「ホーくんごめん。」 ジェットコースターから降りたホーくんはベンチに突っ伏して、とても気持ち悪そう。 「だいじょうふ。つぎ、いってみよ。」 ホーくんを心配するけど、ホーくんは私を思って、我慢してくれてるみたい。 「いいんだよ。ゆっくりしててもぉ。無理しないで・・・」 「んー!いこいこ!」 私の翼を引っ張って、歩き始めたホーくん。ここまであからさまな強がりも面白いよね。 アトラクション二発目。 「うぎゃぁぁぁぁぁ!!!もおしぬぅぅぅぅぅぅ!!!!あ・・・・」 声が途絶えたと思ったらいつの間にか私の隣でホーくんが気絶してた。 「・・・」 救護施設で気絶してるホーくん。 「無理しないで、って言ったのに。」 「んー・・・うぁ・・・」 ホーくんは少し唸った後、ぱちっと目を覚ました。 「よく・・・気絶しないね・・・」 「ホーくんのリアクションが大きすぎてそれどころじゃなかったんだって。」 「ごめん・・・」 なんで謝るかなぁ・・・私のほうが気絶しなくてむしろ感謝したいくらいなのに。 「もう一二時だよぉ。何か食べに行こうよぉ?」 「うんっ。」 ホーくんは気を取り直して、私を近くのレストランに連れて行ってくれた。 やっぱり気分が悪いのを引きずってたみたいで、そして私も実は気分悪くなっていたみたいで、落ち着くのを待ってたらご飯に2時間もかかっちゃった。 「もう3時だね・・・次は・・・・」 「観覧車!」 私はホーくんを引きずって観覧車に乗った。 「はぁ・・・ごめんなレシラム・・・僕が絶叫マシン、苦手なばっかりに。」 「いいのぉ、私だって苦手だってこと忘れてた。」 すっかり沈んだムード。挽回するなら今かな?と私はホーくんの隣に座る。 「レシラム・・・」 「ホーくん、目、閉じて。」 ホーくんは私の言葉どおりに、目を閉じた。私はホーくんの頬にそっと唇を・・・ むにゅ・・・ すぐ離したけれど、ホーくんはやっぱりびっくりしてた。 「キスしちゃった。」 「レシラム・・・」 今度はホーくんからアプローチをかけてきた。ゆっくり私も・・・ ホーくんは嘴だからキスしにくいかな、とか思ってたけど、そんなことなかった。 「んっ・・・んふっ・・・」 私はホーくんと舌を絡ませて、ぴちゃぴちゃと深くホーくんを貪った。 「んふぁ・・・」 気付くと、もう観覧車も地上に近づいてた。ホーくんと、透明な絆が結ばれてた。見えないけど・・・そこに確かにある。 観覧車を降りても、ちょっと頭がぼーっとしてる。ホーくんもどこか瞳が虚ろだし。 「帰るか?」 「うーん・・・もうちょっとゆっくりしたいけどなぁ・・・」 時計をみると3時半。ふーちゃんは、初めてのデートは欲張らないほうがいいって言ってた。 「じゃ、帰ろうか。」 「うん。」 私は自然にホーくんの翼を握ってた。ホーくんも繋いだ翼を軽く振って、恥ずかしそうに私を見てる。 私の部屋の前で喋るホーくんと私。 「今日、すっごく楽しかった。次は・・・クリスマス・・・再来週の金曜日だね。」 「うん。じゃ、ばいばい。」 「ホーくんばいばい。」 繋いだ翼を解くと、ホーくんはニコニコしてた。 べしっ!部屋に入ったとたん、ふーちゃんが私にクッションを投げつけてきた。 「何してんのよぉ!もっと積極的に行きなさいよ!」 「ふぇっ?」 ふーちゃんが欲張らないほうがいいって言ったから・・・と言おうと思ったけど、さらに何かされそうなので、言わない。 「欲張らないほうがいい、って言ったけど、何も夕方の4時半に帰って来いってことじゃないわよ!」 「へ?」 ふーちゃんの話の糸がさっぱり分からない。でもふーちゃんはとても怒ってる。 「肉体関係には行かないほうがいいってことよぉっ!」 「にくたい・・・かんけい?」 何のことかさっぱりだ。よく良く思い出せば、私って、恋に無頓着だなぁ・・・ 中学校の時はひたすら勉強と部活に明け暮れてたし・・・部活で友達同士で話すことも・・・競技のことばっかりだったし。 「もうっ!!」 「いだいだい!やめてよふーちゃん!」 怒るふーちゃんは私の頬を引っ張った。痛くて頬が赤くなってた。 「お風呂、一緒に入るよ。教えたげるから。」 「は、はぁ。」 私は少しおびえながら、お風呂の時間を待った。 お風呂の時間。 一糸まとわぬ姿でお風呂場にいるふーちゃんと私。 「むーちゃん。子供ってどうやって作るか知ってる?」 「えっ?」 保健体育で聞いたことはあったけど、なんだかよく知らない私。 「えっと・・・」 「むーちゃん・・・そこまで知らないと、ホームラン級のバカだよ。」 「・・・」 反論できない。 「はぁ・・・それ。」 「きゃぁん!」 ふーちゃんは私を無理やり風呂場のマットに倒した。これから何が起きるのか・・・やっとこさ恐怖を持った。 「いい?女の子はポケットを持ってるの。」 そう言ってふーちゃんは私の股間の毛並みをまさぐり始めた。鏡に映し出された姿は、ふーちゃんが恥ずかしいところをべたべた触っている、痴態とでも言うべきものなのかも。 「やめてよぉ・・・」 「ふーん・・・」 嫌な笑みを浮かべるふーちゃんに、私は尻尾も身体もぷるぷる震えてる。翼も動かせない。 「それ。」 「いあぁぁぁっ・・・」 ふーちゃんは私の何かに触れた。けど、なにかわからないけど、電気が来たみたいにびくびく身体が震えた。変な声も出たし・・・ 「男の子にここを突いてもらうんだよ。」 「ふぇ・・・?」 ふーちゃんは私の顔を持ち上げると、私の一本筋を見せた。鏡越しに、白い毛並みと割れ目の全てが見える。 「ここ・・・おしっこの穴じゃないから。」 「・・・」 恥ずかしいことをおしげもなくベラベラ喋るふーちゃん。 「まぁよくバカな男に引っかからなかったよねぇ。知らないままされると気持ち悪いだけだから。」 「・・・」 自分の無知に、言葉が出ない。 「男の子は自分の気持ちいいところを、女の子のここに突っ込むの。」 「ふぁぁぁん!」 また電気みたいなのが来た。ふーちゃんは私の割れ目をちょいちょいついてる。 「ホウオウ君と、うまくやりたかったら、慣れた方がいいよ。」 「なにがぁ・・・?」 バカにするような目で私を見るふーちゃん。翼の両端で私の割れ目の両端を引っ張る。 「なにしてんのよぉ・・・」 恥ずかしくて目をそらしたいけど、ふーちゃんが許してくれないだろな・・・ 「綺麗なピンクじゃん。毛並みに負けないくらい肌も白くて綺麗だし。自分で見る?」 私はぶんぶん首を横に振る。 「じゃ、これは見ようか、って見なさいって。」 ふーちゃんに唆されて、私は割れ目の上端についてる豆みたいなのを見た。 「なにこれ?」 ふふふ、とふーちゃんは笑う。 「これ?こんな風になるの。」 ふーちゃんは豆に触れた。 「ふぁぁぁ・・・」 さっきとは少し違うけど、また電気みたいなのが来た。 「イっちゃったほうが早いよね。」 ふーちゃんはそう言うと豆をぐいぐいと触り始めた。 「やめぇ!・・・ふーちゃぁ!やめてぇ!ぁぁ・・・ぁぁっ・・・やめぇ・・・」 必死に訴えるけど・・・気持ちが変・・・頭がぽわぽわするし・・・身体があついよぉ・・・ 「やぁぁぁ・・・やめぇぇ・・・ふぁぁぁ・・・」 ふーちゃんを見ようとしても、熱い変なのが、どんどんあたまにくるし・・・なんで・・・きもちへんだよ・・・なにかおおきな波をほしがってるみたい・・・ 「まだまだだよぉ!」 「ふあぁぁぁん!あぁぁっ・・・やめぇ・・・いぁぁぁ・・・」 あついよぉ・・・ほーくぅ・・・たすけぇぇ・・・あぁ、なんぁくるよ・・・ 「喘ぎ声すごい可愛いじゃん。」 「ぁん・・・ぁぁ・・・なんぁくぅよぉ・・・ふーちゃぁっ・・・ふぁぁぁ・・・」 ふーちゃ、なにか言ってる・・・ぼんやりして・・・なにもみえない、なんかきたよぉ・・・あつぃのがきたよぉ・・・ 「ふぁぁぁ・・・なんぁきあぁっ!あぁぁっっ!ぁぁぁっ・・・ぁぁっ・・・ぁぁぁっ・・・」 身体がびくびくふるえてるよぉ・・・ああ・・・なんぁでた・・・からだにちから、はいんないよ・・・もぉ・・・だめぇ・・・ 「ぁぁ・・・ぁー・・・ぁぁっ・・・ぁぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・」 あったかいの・・・きた・・・おしっこしたのかな・・・つめぁぃ・・・ 「あ・・・イっちゃったんだ。今度はホーくんにやってもらうんだよ。」 ふぁ・・・ふーちゃんが何か言ってる・・・ほーくんい・・・やってもあう? 「今出たのは愛液って言うんだよ?」 「ひゃぁ・・・」 ふーちゃんの翼が・・・あそこにあたってりゅ・・・もぉにぇみゅたいよぉ・・・ 「・・・ちゃん・・・むーちゃん?」 ん?どこだろう・・・ 「ふぁぁ。」 大あくびをして、起きてみると、ベッドの上で寝てた。 「よっぽど気持ちよかったんじゃんか。愛液吹いてたよ?」 「な・・・何が・・・あっ。」 風呂場であったことを思い出した。 「あれ、おしっこじゃないから。」 「ふぇ!?もういいよぉ!思い出したくない・・・」 恥ずかしくてそっぽを向く私。そう言えばパジャマ着てるし、身体も石鹸のいい匂いしてるし・・・ 「私が洗って着換えさせたんだよ?むーちゃん寝ちゃったし。」 「ありがとう・・・」 私がお礼を言うと、ふーちゃんはにこっと笑った。 「これでホウオウ君にしてもらっても、大丈夫だよね?」 「え・・・あー・・・」 ホーくんにこんなことされちゃったら・・・わかんない。私が子供なのかな・・・ 「ホウオウ君なら、優しくしてくれると思うから。クリスマスの夜、狙っちゃいな!」 ふーちゃんは私の身体をパンパン叩くと、寝るしたくを始めた。 「ねむたい・・・ふぁぁ。」 私はもう耐えられなくて・・・そのまま寝ることにした。 ふーちゃんはその日から夜な夜な私に性の知識をばんばん詰め込んできた。といっても変なことをしたのはこの日の1回限りだけだったけど。 そこから時間が過ぎるのは早くて、あっという間にクリスマスイブになっちゃった。デートにも何回も行ったし、学校の帰りもいつも一緒。世界が変わったみたいに楽しい。 ホーくんが貸してくれた服・・・まだ返してないなぁ・・・ 「次は年明けなー。んじゃばいばーい。卒業近いから頑張れーなんつってー。」 ハイテンションな先生の終業式も終わり、私とホーくんは教室でなにやらごそごそしてる。 「成績しょーぶ!」 ホーくんと通知表を取り換えっこしてる。 「ホーくんの勝ちかなぁ・・・」 数字をみてると、どうも総合で私は負けてるみたい。 「じゃ、今日のデートは、ホーくんに任せるね。」 「もう行く?」 「うん。」 ふーちゃんとルギア君も制服のままデートに行っちゃった。私も負けじとホーくんをそのまま連れ出す。 ホーくんは着替えたい、って言ってたけど、私は無理やりホーくんの服を引っ張る。 私、ちっちゃいのに結構パワーある、ってホーくんに言われた。まぁ、中学校の時の部活が水球だったからね。 溺れても、生き残れる。 「あいたた・・・襟掴まないでって。」 「早く行くの!」 「はいはい。」 今日ばっかりはスピード勝負。って・・・ホーくんにどこに行くか全然聞いてないけど。 「どこ行くの?」 「公園!」 「どこの?」 「えー・・・親水公園!」 ホーくんもパニックになってるよね。12月に親水公園って・・・人はいないけど。絶対適当に言ってるし。 私たちは電車の駅に向かって歩く。ホーくんは制服で出歩くのがあんまり好きじゃないみたいで、どこか恥ずかしそう。 電車のボックス席で揺られながら、ホーくんの翼を私の翼と重ねあう。ホーくんはずっと私を見てくれてる。私はホーくんに身体を寄り添う。 親水公園に着いたけど、やっぱり人はいない。学校の周りにもあるファストフード店があるだけ。 「ごめん・・・適当に口走っちゃって。」 「そんなことないよぉ!クリスマスなんだから。楽しめたらいいじゃんか。」 謝るホーくんに、私の言葉が良く響いたみたいで、ホーくんはてへっと笑う。 「お昼ごはん食べよっか。」 「うん。」 いつもと変わらないお昼ご飯。特別な日だなんて、どうでもいいや。 ホーくんがいて・・・優しくしてくれる。喧嘩は・・・してないなぁ。 「ホーくん、ホーくんが怒ったら、どうなるの?」 私の問いに、ホーくんはハンバーガーを食べる手を止めた。そして首をかしげる。 「怒ったら?うーん・・・わかんないなぁ。我慢の限界になったら・・・なったことない。」 「ふーん・・・」 「レシは?」 ホーくんの切り返しに、私も困って首をかしげてしまう。 「私・・・怒ったら・・・ふーちゃんにビンタされる。」 寮住まいのうちに、怒るとふーちゃんがそれ以上に怒って私をビンタする、というへんな習慣が付いてしまった。 「大変じゃん。」 ホーくんは私の話に、苦笑いして、ちょっと同情してくれた。 なんでもない日常なのに・・・ホーくんといると退屈じゃない。昔からすごくよく知ってるはずなのに。 「さ、次どこ行こうか。」 ホーくんはハンバーガーの包装紙をくしゃくしゃに丸めて、私をじっと見つめてる。 「ちょっと散歩したいな。」 「よっし。」 急いで食べ終えた私たちは、お店を出て、親水公園の水路沿いをてくてく歩いている。 寄り添う私たち。私の方がホーくんより背が小さいし・・・でも私にはその差が心地いい。ホーくんに守られてるってのを、とっても感じる。 「寒いね。」 「冬だからね。」 身体をぶるぶるふるわせてホーくんの胸に私は飛びこむ。 「ちょ・・・レシ?」 「いいじゃん・・・誰もいないしさ。」 私の言葉に、ホーくんは戸惑いを捨てて、私にぎゅっと抱きつく。 「あったかい・・・ほーくん。」 とっても気持ちいい。あったかくて・・・守られてる気分。撫でてくれる翼の毛並みが柔らかくて・・・子供のころに戻ったみたい。 「レシ・・・愛してる。」 ホーくんがこんなこと言ってくれるなんて・・・ちょっと意外な気もしたけど、それよりも嬉しい。 「ホーくん・・・私も愛してる。」 あったかくて、眠たくなりそう。ホーくんの優しい気持ちが、すごく良く分かる。 「このままずーっと一緒にいたいな。」 私たちはホーくんの気が済むまでずっと抱き合ってた。私はもうちょっとそのままでいたかったけどなぁ・・・ 公園を出ると、もう3時過ぎてた。 「どこ行きたい?」 「うーん・・・買い出し。」 私の言葉に、ホーくんは一瞬、固まる。 「あ・・・ああ。買いだしね。ケーキとか・・・ケーキとか・・・ケーキ?」 「う、うん。」 なんかまずいこと言っちゃったかなぁ?ホーくんがパニックになってる。 「ごめん・・・」 「ん?いいんだって。レストランに行きたいとか言うのかな?って思ってたから。」 レストラン・・・なんだか落ち着かなさそうだなぁ。 「いいよぉ・・・制服のままなんだし。」 「そっか。」 ホーくんは頷く。 「じゃ、その前に行きたいところある?」 「えーっと・・・」 買い出しに行くにはまだ早いよね。 「前から行きたかったところ、あるんだけど・・・」 おっかなびっくりで、私は隠してた希望を言ってみる。 「ん?どこどこ?」 「学校近くの駅にあるアクセサリーショップ。」 「ほぉ。じゃ、行くか!」 ぎゅっと、ホーくんは私の服の袖を掴んだ。私もぎゅっとホーくんに抱きつく。 「ぬぁぁ・・・歩けないって。」 「がんばって。」 ホーくんは呆れたように言うけど、照れてるみたいで頬はとっても赤い。 アクセサリーショップに着くと、ホーくんが入るのを躊躇ってる。高級感があるからなのか。 「入ろうよ。」 「うーん恥ずかしいなぁ。」 仕方なくホーくんの翼を引っ張る。 ”いらっしゃいませ” スイクンの店員さんが私たちを迎えた。 「えっとー・・・ネックレス探してるんですけど。」 「はいどうぞ。」 門前払いも覚悟したけど、店員さんはいたってにこやかに接してくれる。 「ホーくんホーくん。綺麗だよね。」 「うん・・・」 ホーくんはじろじろ見ている。 「レシラムはどんなのが好きなの?」 「え?えっとぉ・・・」 目移りしそう。でも、1つだけ、ぐっと来るのがあった。 「これ、いいなぁ。」 月と太陽とがモチーフになってる、エンブレムが付いた奴だった。 「じゃ、これ下さい。」 ホーくんの言葉に私はびっくりした。 「えええ!?いいの?」 「うん。レシラムがほしいんでしょ?」 「ま、まぁそうだけど・・・」 値段を見たホーくんの表情を窺っても、そんなに高くはなかったみたい。 「じゃあホーくんはどんなのが好きなの?」 「えっ?えー・・・」 ホーくんは押し黙ってしまった。 「じゃ、同じのください。」 「レシ!?」 私はえへへと笑う。ホーくんもかなりびっくりしてる。店員さんはさすがにクスクス笑っていたけれど、快く応じてくれた。 アクセサリーショップを出たあと私たちは近所のスーパーで買い出しを済ませて、寮に帰った。 「もう6時だよぉ。」 「そーだなぁ。」 ホーくんの部屋で、ホーくんと私はすっかり疲れきって、着替えをすることすら忘れてる。 「着替え・・・また貸そうか?」 「お願い。」 ホーくんのベッドの上で、私はホーくんに覆いかぶさるようにしてのびてる。制服のまま。 「レシラム・・・眠いなぁ・・・クリスマスどころじゃない眠さだ・・・」 「私もねみゅたい・・・」 ムードもへったくれもないほどに疲れ切った私たち。食べ物をすべて冷蔵庫に入れただけで、何もしてない。 「お風呂だけ入るか?」 「うんっ・・・」 ホーくんは私を起こそうとしてくれるけど、肝心の私にその気がないから。 「起きろーって。」 「むりぃ。」 「お風呂入るの?」 「入る。」 「じゃあ起きないと。」 「むりぃ。」 烏賊、もとい以下エンドレス。ホーくんの困った顔を見てると、可愛いからなんだか余計に起きる気になれなくて。 「うりゃぁぁ!」 「ひゃぁぁぁん!」 ホーくんが怒った。軽々私の身体を抱っこして洗面所に連れてってくれた。 「さ、服を脱ぎなさい!」 「むりぃ。」 床に寝そべった私に、ホーくんは呆れてポリポリ頭を掻いてる。 上着だけ、ホーくんは脱がしてくれて、ハンガーにかけてくれた。 「このまま風呂に突き落としてもいい?」 「えっ?」 戸惑う私。突き落とすって・・・でも私は意地を通す。 「嫌なら自分で脱いで。」 「やだ。」 「ほーぉ・・・」 ホーくんの私を見る目に力が入った。 「スカート脱がすよ。」 「うん・・・」 スカートのホックをはずすと、するするとホーくんは脱がしてくれた。私はYシャツと紺のハーフパンツだけの姿になった。白い尻尾がぴょこん、とハーフパンツから飛び出している。 「ほんとに服脱いでって。」 「やだもん。ホーくんが恥ずかしそうに脱がしてくれるのを見てるのが愉しいもん。」 えへへ、と私が笑うと、ホーくんは照れくさそうな表情を見せた後、呆れた表情を作った。 「ホントにお風呂に突き落とすよ。」 「やれるもんならやってみたまえ。」 私は正直どっちでもよかった。洗濯すればいいし、もう来年まで制服は必要ないし。 「うりゃ。」 「すごいすごーい。」 またホーくんは私を抱っこしてお風呂場へ入る。ホーくんも制服のYシャツに制服のズボンをはいて、ホーくんはお風呂に入る気ないみたい。 浴槽が後少しまで迫っている。湯気が背中を伝って、毛並みと地肌を温める。 「落とすよ?」 「できるもんならやってみたまえ。」 私はホーくんを巻きこもうと、さっきからニヤニヤが止まらない。 「じゃ、落とすね。3、2、1、」 ホーくんのカウントダウンが0を告げるその寸前、私はホーくんの首根っこを思いっきりつかんで引きずり込んだ。 「ぜ・・・うぎゃ!!」 ばしゃぁぁぁん。 激しい水しぶきを立てて、私はホーくんとともに浴槽に落ちた。 「うはぁ!なにするんだよぉ!」 ホーくんのYシャツが透けて下のTシャツと、毛並みのオレンジの色がよく見えてる。ズボンも水を吸ってふにゃふにゃのワカメみたいになった。 「怒った?」 にんまりと笑ってホーくんに聞いてみる。ホーくんは浴槽に落ちてからずっとバシャバシャお湯を掻いてる。 「怒る・・・怒りたいけど・・・レシラムは自分がどんな姿になってるか、見た方がいいよ。」 ホーくんは顔を真っ赤にしてそっぽを向いている。ぷかぷかシャツの中にたまっていた空気がポコポコ泡を立てて出ていく。 私の真っ白な毛並みはゆらゆらゆられてる。ハーフパンツも、Yシャツの下のTシャツも、あっという間にお湯が入ってきて、なんだか変な気分。 頭がぼーっとしてきた・・・ 「レシラム?」 「ほーくん・・・」 私を呼ぶホーくん。水面に顔を出して、ホーくんと向き合ってるけど・・・なんだろう・・・すごく変。 「大丈夫?」 ホーくんはびしょびしょの服を脱ぐこともせず、私と同じように浴槽に浸かってる。 濡れた服がまとわりついてきて・・・しかも・・・ゆらゆらゆられて身体のあちこちにくすぐるように当たってすごく・・・動揺してる・・・変な気分・・・ 「レシラム?」 「なんか・・・変な気分だよぉ・・・」 「変?」 「うん・・・」 ホーくんはそっと私の口に顔を近づけてきた。とっさのことで避けようとしたけど、ホーくんの優しい言葉が心に響く。 「大丈夫・・・」 「んっ・・・」 拒むことなく、私はホーくんのキスを受け入れた。 「ん・・・ん・・・」 ぴちゃぴちゃとホーくんの唾液と私のが入り混じって・・・でも・・・飽き足りずにホーくんの舌は私を貪っていく。 「んふっ・・・んっ・・・」 ホーくんとのキスで、私はこの変な気分が、ふーちゃんに恥ずかしいところをいじいじされた時と同じ気分だということに気付いた。 ってことは・・・私はホーくんを求めてるってことかな・・・なんだか嬉しい。 弱い電気がしびしび流れて、身体がマヒしていく・・・そんな感覚にすっごく近い。 「んっ・・・んん・・・」 ホーくんも私も角度を変えて、何度もしつこくキスを続けている。 気付けば涎はおさまりきれずに、私の口からとろとろと垂れて流れてる。 「ん・・・んふぁ・・・」 ホーくんがゆっくり私の口を離す。 綺麗な透明の糸が出来てた。私はしばしうっとりしてる。ホーくんもびしょ濡れのまま私の顔をじーっと見てる。 「レシラム?」 「なぁに?」 「エロいなぁ。」 ぶくぶく・・・私はホーくんの言葉に気を失いそう。水面から身体を起こしたら、服に私の形がついちゃってるもん。 男の子にここまではっきり言われると・・・恥ずかしいのか、誇らしいのか・・・ 「ホーくん・・・」 何だろう、瞳がうるうるしてきた。 「ずっと・・・ホーくんが好きだった。今もだけど・・・」 「僕もずっとレシラムが好きだよ。」 バシャバシャ。ホーくんはお風呂に沈んだ私の身体を引き上げた。けど、寒くてすぐに身体が震えてくる。 「寒いよぉ。」 「あ、ごめんごめん。」 ホーくんは私の身体に覆いかぶさってきた。 「レシラム?」 「なぁに?・・・ひゃぁん!」 ホーくんはいきなり私のハーフパンツの中に翼を突っ込んできた。 「なにするのよぉ・・・」 「ん?あったかくなってから、お風呂から出た方がいいかなって思って。」 「ふぇ?ひゃぁぁん!だめだよぉ!」 頭がぼーっとして大して抵抗する気力のない私。ホーくんも見抜いてるみたいで、ハーフパンツを下着ごとずらした。 「脚動かせないじゃんかぁ。」 「ん?脱がしてほしいの?」 「ふぁん!そ・・・そうじゃなくて・・・」 ホーくんはちょうど私の両足首にハーフパンツをずらしている。 「感じやすいのかな?それ。」 ホーくんはふーちゃんがやってきたよりも優しく、私の割れ目周辺を探っている。 「ふぁ・・・ほぉくん・・もお・・・やぁぁ・・・」 ふーちゃんにやられたときよりも、冷静になってる私。言葉では止めつつも、身体は何か、欲してる。生ぬるいシャツが拘束具みたいになって、動揺と興奮を余計に誘ってる。 「ひゃん!」 「うーん・・・どうしよっかな?楽しみはとっとくほうだっけ?」 「へぇ?」 楽しみって何のことだろう・・・ 「ひゃぁぁっ・・・」 ホーくんは私のマメに触れた。ふーちゃんより優しくて、でもずっとよく感じる。 「ひゃぁぁん・・・・ぁぁん・・・」 「敏感なのかな?」 ホーくんは羽で撫でるようにマメを弄ってくる。上半身が疼いて、きもちいいよぉ・・・ 「ふぁぁん・・・ぁぁっ・・・あぁん・・・」 「どう?気持ちいい?」 私はまた頭の中が真っ白になりそう・・・でも、気持ちいいのが・・・欲しい・・・ 「ぁぁん・・・いぃ・・・ぁん・・・やぁん・・・」 ホーくんは次第に翼の動きを速めて、私も熱いなにかが身体を突き抜けそうになってる。口元からよだれが垂れて、シャツの襟を汚した。 「ほぉくぅっ・・・すきだよぉ・・・はぁぁんっ!あぁぁん・・・」 なんだかむず痒くて、上半身がぴくぴく動くんだけど・・・んぁ・・・またあつぃのくる・・・からだ・・・あついよぉ・・・ 「えいっ。」 「やぁぁぁあぁ!!!」 強く熱い何かが膣から身体をぶちっと突き抜けた。身体全体をマヒさせた電撃に、私はあまりの気持ちよさと、そのエネルギーにびくびく震えてる。 「ああぁぁぁぁっ!やぁぁ!ゃぁぁぁぁ・・・ぁぁん・・・ぁぁぁ・・・ぁぁ・・・あぁ・・・」 イったんだ・・・そう思った時にはホーくんに鯉みたいにびくびく震えた下半身から透明な液体をかけてた。ぷるぷる震えてるだけじゃなくて、涙もぽろぽろ出るし・・・ 「はぁ・・・はぁ・・・ほぉくん・・・ごめんなさぃ・・・おしっこかけちゃったかも・・・」 頭はまだ快感がぐるぐる巡ってるよぉ・・・・ホーくんは私をじっと見てる。 まだ熱いのが頭をぐるぐる巡ってるよぉ・・・・でもホーくんは私をじっと見てる。 「レシラム?これはおしっこじゃないよ。」 「ひゃぁぁ・・・」 ホーくんはそう言うと、私の割れ目を撫でて、着いた液体をペロッと舐めた。触れられるごとに私は変な声を出しちゃう・・・とっても恥ずかしい。 「きっ・・・きたないよぉ・・・」 「何言ってんの?汚いわけないじゃん。あったかくなった?」 「うにゅ・・・」 「まだひくひくしてるね。」 「ふぇ?」 ホーくんは私の身体を起こすと、呼吸してるみたいにぴくぴく震えてる膣を私に見せた。割れ目からは透明な液体がトロトロ溢れて、ホーくんはそれを嬉しそうに見てる。 「恥ずかしいよぉ・・・」 自分のこんな変な姿を見て、顔も身体も熱い、たぶん真っ赤になった私と愉しそうなホーくん。 「ごめんごめん。」 「はぁぁ・・・あぁぁ・・・」 疲れた私は、息を切らせてぼーっとしてる・・・ 「動ける?」 「わかんない。」 意思を伝えることも満足にできない私に、ホーくんは優しく微笑んで、身体を支えてくれる。 「風邪ひいちゃうよ?」 「うん・・・」 ホーくんは私の濡れて重くなったシャツのボタンを外して、Tシャツを脱がせると、ちっちゃくなった私を丁寧に拭いてくれた。 「ぐぅ・・・」 ベッドに寝かされてる私は、もう動く気力もない。もちろん服も着てない。 ホーくんも私を抱くように寝てくれてる。 「ほぉくん・・・昔と一緒で・・・いつもあったかい・・・」 なんてことを思い出しながらそのまま私はホーくんと夢の世界に落ちた。 「・・・らむ?れし・・・らむ?」 ん?誰か呼んでる? 「ほぉくん?」 ぱちっと目を覚ますと、蛍光灯が付いた部屋に、ホーくんが起きてる。起こそうとしてとんとんと私の身体を叩いてたみたい。 「どしたの?」 いつの間にか、私はホーくんに覆いかぶさって、布団みたいになって寝てた。時計を見ると・・・朝の4時。 「いやぁ・・・トイレ行ってくる。」 「ああ・・・行ってらっしゃい。」 ホーくんはトイレから帰ってきても、なかなか寝ようとしない。 「ホーくん!」 私は仰向けに寝転がってるホーくんに、また覆いかぶさろうとする。 「ストップストップ!」 ホーくんは私を止める。 「なに?」 「服。」 あ。そう言えば、お風呂場を出てから、二人とも服を着てない。 「べつにいいじゃん。」 もう恥ずかしくはない。 「風邪ひくって。」 「温めてあげる。」 私はいいアイデアを思いついた。ホーくんの身体にぎゅっと・・・ぎゅっと・・・あれ?なんか硬いものが私の脚の毛並みに当たって・・・ 「レシラム・・・見るんじゃない。」 「おっきくなってるじゃん。」 ホーくんの♂の象徴はそそり立っている。ふーちゃんはここからせーえきが出るって言ってた。子供が生まれる種だって。 「レシラム?悪ふざけはよくないよ。」 「ホーくんだってさっき私に・・・」 ちょっぴり怒った声で言ってみる。 「わわ・・・わかったって。」 ホーくんは取り乱して、すぐに私にぎゅっと抱きついてきた。 しばらく身体を起こして抱き合ってると、ホーくんが口を開いた。 「レシラム?」 「どしたのホーくん?」 「僕のこと・・・好き?」 「うん。」 嫌いになるわけないじゃん。 「ずっとずーっとホーくんのこと好きだよ。」 「そっか。」 どしん。ホーくんは私を押し倒した。ベッドのシーツに柔らかく倒れた私・・・でも怯えも何もない。 「ひゃぁ。」 仰向けに倒れた私は覆いかぶさるホーくんをじっと見つめる。 「ホーくん・・・」 「痛くないようにだけ、するから。」 優しい口調で言うホーくん。そっとまたお腹の下の方がくすぐったい感覚に襲われた。 「ひゃん!くすぐったいよぉ。」 「ああ、だよね。いま羽根でちょっと撫でたから。まだちょっと濡れてる。」 今の私には、ホーくんの一言一句がとっても恥ずかしい。濡れてるとか、敏感とか。 「ひゃぁぁ!きゃぁん!」 じゅるじゅるという、何かが液体を吸う感触とともに、お腹・・・割れ目の方から何かが入ってくる感触がした。 「ふぁっ・・・なにしてんのぉ?ふぁぁっ・・・」 顔を起こして、見てみると、ホーくんが私の割れ目に、翼の先端を少し、挿していた。私の白い下肢と尻尾はもうプルプル震えてる。 「ん?痛くないようにしてるんだって。ほれほれ。ん~、だいぶほぐれてるかな。」 「やぁっ・・やぁぁぁん・・・」 ずいずいと私のナカにホーくんの柔らかい翼の先っちょが入ってくる・・・ 「気持ち悪くない?」 「んー。だいじょぶ。ふぁぁん・・・」 やっぱり自分の体の中に自分じゃないのが入ってくるっていうのは、変なのかな?でもホーくんだから、気持ちいい。 柔らかい毛先がくすぐったくて・・・またさっきみたいに少しずつ頭がぼやぼやしてきた・・・ くちゅくちゅ・・・ホーくんは膣に入れた翼を2,3度出し入れする。 「ぁぁ・・・ぁっ・・あんっ・・・」 ちゅぷぷ・・・ホーくんは毛先をゆっくり引きぬいて、意識がぼんやりしてきた私に見せる。 「ほれほれ。これがレシラムの蜜だよ。」 少し粘っこい液体みたいで、ぺろっとホーくんは濡れてるところを舐めると糸を引いた。 「やぁ・・・もぉいいじゃんか・・・」 私は恥ずかしくてぷいっとそっぽに顔をそむける。 「脚・・・ちょっと開くね。」 「う・・・うん。」 さっきのむずがゆいので閉じかけていた私の脚を、ホーくんは軽々開いた。 「さて・・・」 ホーくんは私に覆いかぶさって、全身をゆっくり接近させてくる。 「痛かったら言って?」 「う・・・うん。」 初めてのことに、怯えつつも、ホーくんの優しさだけに、私のすべてをゆだねる。 「ひゃっ!」 熱く、敏感になってる私の膣の割れ目に、ちょっと硬いなにかが当たった。たぶんホーくん”の”なんだろうけど・・・ 「挿れていい?」 「う、うん。」 すっごくドキドキしてる・・・ じゅぶ・・・じゅぶ・・・ 「キツいなぁ・・・」 「ひゃぁぁ・・・」 うぅん・・・なんか・・・今までのとぜんぜんちがぁ・・・あっ!痛っ・・・ 「いあぁっ!」 「痛かった?」 ホーくんはすぐに止めてくれた。痛いのはあるけど・・・でも、なんだかホーくんの気持ちに応えられないみたいで、やだ。 「だいじょぶ。」 大丈夫だって言う私を見ても、少し深刻な表情を浮かべるホーくん。 「血・・・出てるよ?」 「だいじょぶだって。」 ふーちゃんが初めての時は血が出るかも、って言ってた。痛い時と痛くない時とあるって。聞いてなかったら絶対取り乱してたな。 「ホントに?」 すごく心配そうな瞳でずっと私を見つめてる。 「だいじょぶだから・・・」 「あ・・・じゃさ、深呼吸して。」 ホーくんの言うとおりに深く息を吸って・・・吐いて・・・ じゅぶぶ・・・ 「ふぁぁぁ・・・ぁぁぁ・・・ぁぁ・・・」 ずぶずぶと、ホーくん”の”が奥まで進んでくるよ・・・ほーくんの・・・温かくて、ちょっと硬いのがゆっくり進んでくる・・・ 「あぁぁ・・・きてるよぉ。」 まだ止まらないのかな・・・進んでくればくるほど頭がまた真っ白になりそう。もう脚も尻尾も力が抜けて入んない。しびしびしてる。 「レシラム、もうちょっとだから。」 ずちゅちゅ・・・ずぶっ。 「うん・・・やぁっ、ふぁぁん!」 ホーくんは一気に深くホーくん”の”を突きさした。緊張と、気持ちよさで、急に息が荒くなってきた。 「はぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・」 「はぁ・・・レシラム?はぁ・・・だいじょぶ?」 コクリ、と頷くと、ホーくんはにこっと笑った。ホーくんが挿れてくれたところ、お腹がすっごくあったかい・・・ちょと痛いけど。 「だいじょぶ・・・はぁ・・・はぁ・・・」 「入った・・・柔らかいし、とってもあったかいよ。」 「ばかぁ・・・なにいってんの・・・」 ホーくんも変なことを嬉しそうに言ってる。恥ずかしがってる私が変なのかな。私に覆いかぶさるホーくんは満足げに私と繋がったところを見てる。 「見なよ。」 私はホーくんに促されて、繋がった部分を見る。ホーくんの白い下腹部から出てる”の”が、開いた私の脚の間の薄ピンクの割れ目にすっぽり収まってた。 ホーくんとの”つながり”を感じて、ホーくんを一度失ったときに感じた気持ちを思い出した・・・もう失いたくない。大好きなホーくんを。 「動かしていい?」 「はぁ・・・はぁ・・・うん。」 腰を上げたホーくんは、翼を私の首を通して、抱くように丸めた。 「じゃ・・・」 「ふぁ・・・」 ホーくんの腰が動けばちゅぷちゅぷと、淫らな音がする。それに合わせて私の頭の中も真っ白に洗われてく。もぉ目の前もぼやぼやし始めてるし・・・ 「はぁぁん・・・あんっ・・・ぁぁっ・・・ぁっ・・・」 水音とともに、私とホーくんは高みに登っていく。ふーちゃんが言う愛液がじゅくじゅくと噴き出されて、お尻を伝ってる・・・ホーくん”の”が激しく動いてるのに・・・ 「ぁぁぁ・・・いいよぉ・・・ほぉくん・・・やぁぁぁ・・・」 「レシラムっ、なんか、布団にどんどん、染みが、ついてるぞ。」 「いわぁっ!ないでぇ・・・ふぁぁっ・・・」 ホーくんの恥ずかしい言葉・・・ホーくんがくれる快楽に、私は身を震わせて受け入れてる・・・ 「あっ・・・あん、あぁ・・・あぁんっ!」 次第に早くなってくホーくんに、私は身体を揺らされて、またイきそうになって・・・いつしか汗だくになってた。 「レシラム・・・今の顔すっごい可愛い。」 「ひやかさなぁ、あぁぁっ・・・ひゃぁぁん!」 じゅぷじゅぷと私の愛液とホーくんのすれる音と私の喘ぐ声だけが耳に響いてる。尽きそうにない快楽・・・しびれて身体がベッドから浮いてるみたいに感じる。 「レシラムっ!?」 私は最後の力を振り絞ってホーくんの片方の翼にぎゅっと抱きつく。じゃないと・・・頭がおかしくなっちゃう・・・ 「やぁぁ、あっ、ぁぁっ・・・ぁぁっ・・・ふぁぁっ・・・」 ホーくんの私のなかをごしごしする動き・・・快楽と合わさって・・・私から力をうばってく・・・こわれちゃいそう。 「レシラム・・・外に出すから・・・」 「だめぇっ・・・ぁぁっ・・・あぁん!ぁっ・・・ぁっ・・・」 ホーくんを失いたくない・・・大好きなホーくんを・・・迸る熱と快楽にもう抵抗できない・・・けどこれだけは伝えたい・・・ほーくんがほしい・・・ 「ほぉくんがぁっ、すきだからっ・・・もう・・・みうしないたく、ないかぁぁ!」 涎をぽたぽた垂らして快楽に押し流されそうになりながら言ったセリフは・・・つぅじたかな・・・からだにまたあついのがきた・・・ 「れしらむ・・・中にだすよっ・・・」 「うんっ・・・」 嬉しいはずなのに、なんでかぽろぽろなみだがでてきた・・・ 「やぁぁん!・・・もぉだめぇっ!イっちゃいそぅだよぉ!」 ホーくんのうごきにあわせて、あたまとからだにあついのが・・・ながれてくる・・・もうちからはいんない。 じゅぷじゅぷっていってたのに、なんだかぐちゃぐちゃ・・・ねばっこい音になって・・・あたまがふわふわ・・・じんじん熱いよ・・・とけちゃうよぉ・・・ 「僕も・・・もう限界だからっ・・・」 「わたし・・・おかしくなっちゃぃ、いあっ!いやぁぁぁぁっ!ぁぁぁ!ぁぁぁっ!あぁぁ・・・」 身体を支配してた熱いのは・・・一気にはじけ飛んだ。からだは言うことを聞かなくなった。 びくびくと身体がふるえて・・・私の意識は・・・すっごく遠くに飛ばされていった。がくがくとホーくんの動きに合わせてシーツの上でゆられてるだけ。 快楽の余韻に涙があふれて、ぽろぽろ私の頬を流れてる。でもホーくんは、まだ快楽にマヒして涎を散らす私を突きつづける。 「あぁぁ・・・ぁぁっ・・・ぁー・・・ぁぁぁ・・・」 「レシラム?・・・もう出るっ・・・」 ホーくんのそのセリフを聞くと、膣の中のホーくんのが、びくびく震えだした。 「あっ・・・あついよぉ・・・」 なんだかどくんどくん熱い液体が私の中で暴れ回って・・・奥まで熱いのが・・・ 「なんぁ・・・あついのきた・・・」 じんじんと膣の中のあったかい感覚を覚えながら、ホーくんのはまだ中でびくびく震えてる。私の身体もホーくんのに合わせてぴくぴく震えてる。 「ホーくんの・・・せーえき・・・あったかいの・・・」 突くのをやめたホーくんは、まだ私のなかにあったかいのを丁寧に送ってくる。 「ごめん・・・結構我慢してた。」 ホーくんの謝るような声に、ぷいぷいと頭を横に振ってみた。私のなかにあったかいホーくんが満たされていく・・・嫌なんかじゃない。 「レシラム・・・気持ちよかった?」 「うん・・・ホーくんの・・・よかったよ。」 恥ずかしそうで、でもとっても嬉しそうなホーくんを見てるうちに、ホーくんのから出たせーえきが私を満たしたみたい。 「ん・・・抜いていい?」 「うん・・・」 じゅるっとホーくんは自分の♂を引き抜いた。ふと、おしっこした、みたいにあったかい感覚が恥ずかしいところからしてきた。 「ほらレシラム、見なよ。」 重い身体を起こして、私は濡れて生温かい感触のある割れ目を見た。 ぷくぷくとピンク混じりの白い粘液が割れ目から溢れて、とろとろ尻尾を伝ってぽとぽと布団に落ちてる。白い毛並みにお似合いとは言えない私の血が混じったホーくんのせーえき。 温かくなった身体に、温かい粘液。まだちょっと快楽の余韻で身体が震えてる。 びっくりするくらい、ホーくんのが溢れてる・・・いっぱいでてる。 「触っていい?」 「ふぇっ?」 ホーくんの聞いてきたことの意味がわからなくて、答えに詰まっちゃった。 「ちょっと触るよ。」 「やぁぁ・・・」 そう言うとホーくんは私の割れ目の両端を翼で抑えた。 くぱぁ・・・ 「あぁん・・・」 ホーくんが引っ張ると、今まで以上に白くて、粘っこい液体が私のなかの奥からどろっとあふれ出てきて・・・私はぷるぷる震えてる。恥ずかしくて身体も熱いし・・・ 「どう?」 いじらしいホーくんの言葉に、さっき以上にすっごく顔も身体が熱くなった。 「ふぇっ!?は、恥ずかしいょ・・・」 じっとみてると、自分の身体だってことを忘れそう・・・それくらい疲れた。でも・・・気持ちよかったけど。 「僕とレシラムが交わった染みだよ。」 「う・・・うーん。」 魂が抜けた、みたいな私たち。よっぽどホーくんのせーえきが多かったのか、まだじゅくじゅく溢れて、ぽたぽた言ってる。なんだかくすぐったい。 ばさっ。 「ひゃぁ。」 ホーくんは私を抱くと、私たちの汗とせーえきと血が付いたままのシーツに寝転がる。 「もう服着なくていいよね。」 「うん・・・」 ホーくんは自分を布団代わりに、私を抱いてくれた。あったかくて・・・ちょっとせーえきの匂いのするベッド・・・ 「レシラム、世界で一番好きだ。僕もレシラムを無くしたくない。」 「ホーくん・・・」 大好きなホーくんの告白の言葉・・・あっという間にまた涙が出てきた。心地よい疲労と、うれし涙ですぐに眠たくなっちゃった。 「ホーくんおやすみぃ・・・」 「レシラムも、おやすみなさい。」 すっごくあったかかったほーくん・・・むにゃむにゃ・・・ 「れし!・・・れし!」 ん?・・・身体を揺さぶられてる・・・ 「ふぁぁ・・・」 目をさましてみると、ホーくんがにこっと笑ってる。 「お目覚めはどう?」 「すっごくいい。」 「そっか。」 私の返事を聞くと、ホーくんは私をぎゅっと抱きしめる。 「ホーくん・・・」 「お風呂・・・入ろっか?昨日のままだしね。服も着てないし。」 昨日のことを思い出しながら、私はあくびをした。全身をじろじろ見回しても、白い翼、白い身体、白い尻尾・・・何の変化もない。 「ごめん・・・クリスマスプレゼント・・・渡し損ねてた。」 そう言うとホーくんは小さな紙袋をくれた。昨日のネックレスだ。 「じゃ、私からも。」 私もホーくんにネックレスを渡した。 「ごめんね。」 「もう一個プレゼントくれたじゃん。」 「え・・・そ・・・そう?」 謝るホーくんに言葉をかける。しばらくしてプレゼント、の意味に気付いたホーくんは顔を真っ赤に染めた。 「わ!わ!お、お風呂入るよ!」 動揺でばたばた慌てて着替えを準備してるホーくん。 ベッドから起きようとした私は、ホーくんにおんぶされながら、まだ少し言うことを聞いてくれない身体を引きずって、風呂場へ行った。 「さきにお風呂、入ってて。」 「うん・・・」 ホーくんを覗いてみると、シーツを洗濯機に放り込んでた。私はホーくんの言葉通り、お風呂場で昨日の汗を流す。 ガラガラ・・・ホーくんがお風呂場に入ってきた。 「お待たせ。じゃ、昨日のところから洗おうか。」 「ふぇっ!?」 いつの間にかホーくんは石鹸とタオルとを持ってた。水を吸った毛並みで少し重くなった身体を、私は浴槽の縁に腰掛ける。ホーくんは翼で私の脚を開く。 ホーくんはシャワーをそっと私の割れ目にかけてきた。 「ひゃぁぁ・・・」 昨日の行為の跡を、ホーくんはゆっくり、洗い流してくれてる。敏感なところにシャワーを当てられてる私は、くすぐったくて身体をばたばたさせてる。 「こらこら・・・暴れるんじゃないよ。」 「むりだよぉ。」 「やっぱり。」 わかってるならやらないでよ・・・とかそんなセリフ、もう出ない。かといって恥ずかしくないわけでもない。好きだから、ホーくんの前では恥ずかしくてもいい。 「ふいー・・・」 ホーくんは浴槽に浸かってのんびりしている。私は白い毛並みをゆっくりと洗ってる。 ”ホーちゃん?いるの?” ルギア君の声が居間からした。 「いるよー!」 ホーくんは元気よく答える。私はホーくんとルギア君のやり取りなど、お構いなしにブラシでシャンプーを付けて身体を洗っていた。 ガラッ・・・唐突に風呂場のドアが開いた。びくっとした私は音のした方向を向く。 「ほーちゃ・・・れ・・・レシラム?」 ルギア君が相変わらずセンスのいい私服を着て私の身体をじろじろ見てる。 「えっち!」 途端に恥ずかしくなった私は固形せっけんを投げて、ルギア君の頭に命中させてしまった。 「ごめっ!ごめんレシラム!許して!」 すぐに閉じたドア。ルギア君は謝罪の言葉を述べながら洗面所からいなくなった。 「はぁ・・・ルギア君に謝ったほうがいいよね?」 「その必要はないよ。」 浴槽に仲良く二人、浸かっておしゃべりをしてる。ホーくんは照れくさそうだけど、すごくうれしそう。そんなホーくんを見てると、私まで笑顔になれる。 「あのさ・・・」 「なに?」 ホーくんは私のことをじっと見つめてる。とても真剣なまなざし。 「け・・・結婚しよう。」 「うん。」 即答で応えた私に、ホーくんは顔を真っ赤にした。 「い・・・いいの?」 「ホーくんのこと、好きだから。」 ばしゃっ。ホーくんはまた気絶した。 「仕方ないなぁ。」 わたしよりちょっと大きいホーくんを湯船から引き揚げると、ホーくんは目を覚ました。 「ごめっ・・・ありがと・・・」 「いいよぉ。夫婦なんでしょ?」 「レシ・・・」 ホーくんはにこっと笑って私に抱きついた。風呂場のマットの上でオレンジの翼に抱かれたまま、私はうとうとしてた。 会話は無いけどとっても楽しい時間が流れてる。 「くしゅんっ!」 「あ、れし、風邪ひいた?」 ・・・もちろん、風邪はひいたけど。二人とも。 「レシラムあーん。」 「あーん。」 食べそびれたクリスマスケーキを、ホーくんと一緒に食べる。ホーくんはスプーンをひょいっと差し出して、ベッドに座ってる私に食べさせてくれた。 ホーくんから借りた服は、やっぱり少し大きい。でもホーくんは私のこと、余計にちっちゃくなったみたいですっごく可愛いって言ってくれる。 「ふぁぁ・・・」 ちょっと眠くなってきちゃった・・・ 「ひと眠りする?」 「うん・・・」 ホーくんは私の頭を撫でて、布団をかけてくれた。私は優しく微笑むホーくんを見つめながら・・・いつの間にか瞳を閉じる。 私たちはこの後ずっと一緒に暮らしてた。ルギア君がふーちゃんのとこにいっちゃったから、ちょうどよかったし。 あっという間に3学期の卒業テストも終わり、卒業式を待つだけに・・・待つだけに。 ホーくんと私は、結婚を正式に決めて、苦労はしつつも、愉しい生活に・・・そう、ホーくんと私の生活・・・ #hr 「レシ!レシ!」 「ん・・・」 私は目を覚ました。ホーくんが心配そうに私を見てる。 「大丈夫?」 「うん・・・」 きょろきょろとあたりを見回すと、学校の保健室にいるみたい。 「卒業式もう終っちゃったよ?」 「あ・・・そっか。」 卒業式の真っ最中に気分悪くなって倒れちゃったんだ・・・今までそんなことなかったのにな。 身体だけが資本って、お母さんにもよく言われてたし。身体を起こした私はそっとYシャツ越しにお腹をさする。 「父さんにレシラムと結婚するって言ったら、やっぱり、って言われたんだよ。」 嬉しそうなホーくん。私も心から喜べる。 「レシラムと14年越しの結婚だねって。」 「ホーくんと出会って・・・もう14年経つんだ・・・」 私たちは幼稚園に入園してすぐに友達になった。出来の悪い私を、ホーくんはいつも支えてくれた。時には私が支えたりしたけど。 それがもう結婚するんだ。 窓の外を見れば、綺麗な桜・・・ そっとホーくんは私の額に触れた。 「どうかな?」 「えへへ・・・」 私はホーくんの頭をぐいっと手繰り寄せて頬にキスをする。 「レシ・・・」 顔を真っ赤にしたホーくんはキリッと顔を整えてかっこつけてる。 「なんでかっこつけたの?」 「え?いや・・・面白いかなって。」 そんなの似合わないよぉ、と私が言うと、ホーくんはやっぱり、って言って普段の愛くるしい表情に戻した。 「はいこれ。卒業アルバム。先生が渡してって。」 ホーくんは赤い布張りの分厚い本を私に渡す。 「重い。」 ずしん、と私の翼にアルバムの重みが伝わる。 「ごめ、これは僕が持って帰るよ。家に置いとかないといけないしね。」 そっか・・・もう卒業だから寮も引き払わないといけないんだ。ふーちゃんはホーくんが私の荷物片付けてた、って教えてくれた。 アルバムはホーくんが掛けてるカバンの中に入れられた。 「もう起きれる?」 「うん。大丈夫だよ。」 ホーくんの助けを借りず、私はベッドから降りようとする。 「ひゃぁ!」 降りようと思ったら、ホーくんは私の身体をいとも簡単にお姫様だっこして持ち上げた。 「ほーくん・・・」 「レシは軽いから。ちっちゃいし。これくらいなんともないよ。」 ホーくんはそう言うと、私を抱っこしたまま保健室を後にして、卒業式の喧騒とは無縁な校舎裏の桜並木の庭に連れて行ってくれた。 移動する間、私はだれにも見つかりませんように、って願ってずっと顔をホーくんの胸に埋めてた。先生に見つかったら恥ずかしいもん、さすがに。 「やっほー!ホーちゃん!」 「むーちゃん卒業おめでとう!元気になった?」 見つからない、って思ってたのに先客がいたみたい。ルギア君とふーちゃんだ。 ホーくんは顔をあげた私を見つめる。 「降りる?恥ずかしい?」 「重い?」 気を遣ってないかな?と私はホーくんに確認する。ふーちゃん達の前だったら、もう恥ずかしいことなんてない。 「重くなんてない。ずっと・・・ずっとこうしていたいくらい。」 「ホーくん・・・」 ホーくんの瞳を覗きこむと、なんだかうるうるしてる。 「じゃぁ・・・ずっとこのままでいてほしい。」 私のお願いに、ホーくんは大きく頷いて、庭の木漏れ日のかかる芝生に腰掛けた。空を見ると、桜の花びらがひらひらと舞い落ちてる。綺麗だなぁ・・・ 「綺麗・・・ん・・・」 ホーくんの首に翼を回して、私は身体を起こす。 「レシラムの方が綺麗だよ・・・と言いたいけど、レシラムと桜は違う。」 「へ?」 話の意図がつかめない私はホーくんの顔をじっと見つめる。 「レシラムは桜みたいに儚くあってほしくない・・・ずっと僕の傍にいてほしい。」 ホーくんはそう言って私をギュッと抱きしめる。私もホーくんに身体をゆだねて、桜と、ホーくんに見入った。 「お~い~、見せつけるなよ~。」 ルギア君が私たちを茶化してる。でもホーくんも私もお構いなしだ。 「ルギア~、私たちもギュッと抱き合う?」 「いいけど・・・」 「いいけど何よ~。」 ふーちゃんとルギア君の問答が私の耳を通り過ぎて桜の舞い散る風景に消えていく。 私とホーくんは桜が舞い散る温かい木漏れ日に包まれながら・・・冬に押し固められた雪が春に溶けて水になり、川を自由に下って喜ぶように・・・お互いの幸せを祝っている。 ---- 呼んでいただいてありがとうございます。この作品の悩みどころは学園物にしてしまったところです。 しかも、鳥ポケモンの股間からモノをブラブラさせたくなくて、服を着せてしまいました。 転載3度目。 下手で失礼しました。なんかまったくエロく感じませんね。 猛反省するところであります。 #pcomment()