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雪のように積もる想い の変更点


[[GALD]]

**序章 [#y9fb34e5]
私はあいつのことがどこまで好きなのだろうか。少なくとも行き過ぎた関係ではないが、トレーナーと手持ちとしての仲はそれなりのものだ。私自身があいつを思ってなければ、あいつが私をちゃんと育てなければ、身体の数カ所に月の輪のような模様が浮き出ることはなかっただろう。雪が降り積もっていく様を窓から見下ろしながらも、ここのところこればっかりで悩んでいる。明日もクリスマスにあった色に染められているな。

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**本編 [#q7400f6f]
「起きろカシリアス。」
また来たか、私は狸寝入りして話しを聞き流す。
「その手にはのらねぇからな。」
毎朝同じ状態が続くと読まれてしまうのだろう。ならば、起こしに来なくなるようにするしかない。
「五月蠅いな。私を起こすんじゃない。」
私は突然起きあがり私を呼んだ人間に方に飛びかかるが、またそれかと余裕の表情で私の動きに合わせて身体を反らす。計算内、単純なやつだ、かわされるなんて分かり切ったことだ。
人間の手前で急に着地して再び床を蹴り上げて跳躍する。だましうちは相手をひっかけて当てる技だ、掛かれば相簡単には避けれる技ではない。すぐに反応できるはずがないのだが、私の赤いガラスの様な目に写ったのは、あいつの顔は焦るどころか余裕でにやついていた。
「それにも、もう掛からねぇぞ。」
はったりだ、たまたま反応できただけで身体は追いつかない、かわせるはずがない。怯むことなく攻撃を続行するが、ねらう場所まで見切られて腕が標的を覆って受け止められた。見事にガードされた、避けれないなら誘って防御に出たというのか。手の内を見切られているどころか完全な対抗策まで立てられていたなんて、今日は朝からへこむ日だ。無論だましうちは失敗に終わった。
「やっと起きたか、朝から戦闘に入るんじゃないぞ。」
叱っているくせに、嬉しそうに笑っている。いつもならひっ掛けて私の思う通りになるはずだったのだが。なんだか悔しい、負けたままでは終われない。
「そんな目で睨むな、向けられている方は痛いんだぞ。」
「今日はたまたまだからな。お前に見切れるはずがない。」
「お前じゃなくて名前があるだろ。昔はちゃんと呼んでくれたのにな。」
私にそう言って部屋を出ようと振り返って歩き出すが、足は止まり固まって部屋を出て行かない。いや出て行けないのだ、簡単に逃がすわけがない。睨んだのはたんに悔しいからだけではない、くろいまなざしをかけておりたのだ。これを使用すれば相手は私と一定範囲以上から離れれなくなる。
「カシリアス、進めないんだが、何した?」
「お前が勝ち誇った罰だ。」
足に打撃を与えて姿勢を崩させ、一気にたたみかける。跳躍してのしかかり床に身体を押し倒した。
あいつを踏みつけているこの優越感、これがないと一日が始まらない。
「降りろって、これ以上乗っていたら容赦しないからな。」
「へぇ、でかい態度だな。私に命令出来る立場なのか?」
「昔は可愛かったのに、腰を踏まれる俺のみにもなりやがれ。」
「知るか、ちょっと防げたからって調子に乗りやがって、覚悟しろ。」
後ろ足を全力で振り下ろして腰を踏み潰した。起こされたときのストレスはこれで解消、叫んでいるのを上から見下ろせる、これ程気が晴れる事はない。
声が止むとまた足を上げる、一度ぐらいで終わらせて安心感を与えるつもりはない。2~4回踏み直してそれでやめる。あいつも身体を鍛えれて一石二鳥と思っている。
「もう起こしに来るなよ。私は寝ていたいんだ。」
飛び降りて、しんどそうな顔を見下ろして鼻で笑った。起こされたからには仕方ない。残念だが部屋を出て行った。
「ちょっとは加減しろよ。しかも11時だぞ、これじゃ昼飯になるじゃないか。」
「まだ早いな。とにかく飯準備しろよ。」
嫌そうな顔をしたので睨むと、すぐに立ち上がって準備をしに向かった。待っている間と言えば二度寝、これに限る。最近はなかなか眠れなくて睡眠不足に陥っている。悩み事のためである。
私が恋の病にかかるなんてありえないことだ。ましてや、あのお気楽者だぞ。ありえない、現実離れしている。素直じゃないだけか、本当にありえないかの二つだが、どうであれ私は認めない。
それでも結局あいつの事で頭がいっぱいで落ち着けずに眠りにつけない。だから、毎朝起こさないで欲しいのである。
あいつが皿を片手に、また寝ているのかとため息をついて皿を置いた。
一応腹も減ったし食べることに専念して、後は寝るベストな選択肢だろう。
皿の上に乗っている物をすべてたいらげると、その場で目を閉じる。
「外に行こうぜ。雪積もってるぞ。」
雪が積もっていることぐらい夜から見ているので知っている。だからといって外に出たいとも思わない。全く理解できない、こんなやつのどこにひかれたのか自分でもはっきりしない。
「おまえだけで、いってこればいいだろ。」
断ったのだが、しつこく頼まれ続けたあげくに外にほっぽり出された。
日が出ているのにも関わらず、寒いし足が何と言っても冷たい。家の外には至る所が薄い白いペンキで塗られたような光景が広がっていた。家の屋根からその辺に止めてある自転車や車、目にする物のどこか一部が白くなっている。
歩いている人も厚着だけに外は寒い、家の中に戻りたくなるぐらいだ。鍵を掛けられてしまったため戻ることは出来ないんだがな。そういえば、朝から見かけていないやつがもう一匹いるんだが、朝早起きだからな、私の場合は昼になって帰ってくるのを待っているんだが、今日は違うようだ。
あいつとじゃれ合っている紫色、たぶんソレイユだろう。あいつは元気だから、しょっちゅう二人で騒いでいるが、私は騒ぐつもりもない。今回も寒い中で行動するつもりもなく、吹き抜けていく風に凍えながら固まっていると、風よりも温度の低いのもが命中した。あまりにも冷たいので飛び起きて、大まかに投げたと思われそうな奴がいそうな方向を確認すると、やはりあいつらか、しかもこっち向いて笑っていやがる。頭を振って雪落とすと、真っ白な地面を寒さと共に踏みしめながら駆けていった。笑いを絶叫に変えてやる。相手も無策ではない、エスパー技が効果ないと言っても私に対しても話しであり、他の物を浮かべたり投げ飛ばしたりすることだって出来る。大きな物なら集中しなければならないが、少量なら連続投球が可能である。額の宝玉が一瞬輝き目の色が変わると、無数の雪玉が私めがけて向かってくる。最低限のダメージに減らすためにも避けれるだけ避けて、後は捨て身で突っ走った。確実に間合いを縮めていく。
「観念しろ、ソレイユ。」
「カシリアス、ストップ。タイムだよ。」
問答無用、能力を発動しているときは、そこまで集中していなくてもやはり、素早さは通常に劣ってしまう。つまり、距離をつめたじてんで私の勝ちである。と思ったのもつかの間、横やりにトレーナー雪玉を投球して見事にヒット。あいつの存在を忘れていた。その隙にソレイユは能力を中断して逃げ出す。振り出しに戻った感じがするが、諦めずに追い続けて、日が沈み始めるぐらいには終戦を迎えた。最後は捕まえたが、ほとんどやられっぱなしであった。
「帰るぞ、今日はクリスマスだからな。色々あるぞ。」
「イエイ、クリスマスだぁ。」
こんな年頃にもなってはしゃぐなよ、ソレイユ。私と同じくらいの年なのにこの差は何なのだろうか。家に入ったら早速、ストーブの前で放置、時間を忘れて追いかけたとは言え、寒さまでは忘れられない。ぼーとしていてふと思ったのだが、ソレイユもエーフィに進化したわけだが、私みたいな感情をあいつも抱いているのだろうか。のうてんきで明るい奴だがいったいどうなのだろうか。ストーブからの熱風に当たりながら考えたがすぐにやめた。ソレイユの心がなかなか読めないからである。
「お前ら、飯出来たぞ。」
やったーといって走っていくソレイユ、無論私は無言で歩いていく。
「そこの無言。トレーナーとしての愛がこもっているんだからな、喜べよ。」
何を言ってるんだ・・・今なんて言った?
「おい、もう一回いってみろよ。」
「愛がこもっているっていてるんだよ。」
「どの位だ?」
「そりゃ、お前らのことは誰・・いや忘れろ。」
顔を赤くして、黙りこんだ。ソレイユが耳元で今日はうれしいねと囁いたのに同情して素直に頷いてしまった。やはりこいつも、私と同じなのか。出された飯は流石はクリスマス、なかなか豪華である。それよりも嬉しいプレゼントが聞けて悩みも解消できると思ったのだが、今度は私が覚悟を決めないとと思うと、結局新しい悩みの種が芽吹いた。思いを伝えれそうにないと思うとため息が出る。
まぁ、少しでも進展があっただけ良かったことにしよう。今年は楽しいクリスマスになりそうだ。

END

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一応クリスマスネタです。なんとか間に合わせれました。よくあるキャラの組み合わせなので微妙ですが、書かせていただきました。それでは最後に、今年は寒いですが、皆様よいクリスマスを。

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