#include(第九回仮面小説大会情報窓・官能部門,notitle) ※注意。このお話には&color(white){男性同士の性交};の表現があります。&color(#fafafa){まぁ、タイトルで分からない人はいないだろうけれど}; 作者……[[あまりにも仮面が分厚すぎて正体を見破ることなんて不可能とすら思われるあの人>リング]] 寒冷地だが、豊富な餌となる海洋生物に恵まれた入江にて、多数の雌を侍らせているトドゼルガがいた。種族特有の逞しい体躯はさらに強調され、彼の肉体は腹と胸の筋肉は大きく発達している。それは泳いでよし、戦ってよし、攻撃を受け止めて良しの強靭な体だ。 同年代同士での戦いには生まれてこのかた負け知らず。トドゼルガまで進化してからは、無配を貫き続けている。群れたヨワシを相手にしてもその強さは陰ることなく、夥しい数の食料を手に入れて自分を慕う雌たちに振る舞ってみせる豪傑だ。 同年代同士での戦いには生まれてこのかた負け知らず。トドゼルガまで進化してからは、無敗を貫き続けている。群れたヨワシを相手にしてもその強さは陰ることなく、夥しい数の食料を手に入れて自分を慕う雌たちに振る舞ってみせる豪傑だ。 当然、豪傑の彼を慕う雌は多く、食料の確保を終えて浜辺や岩礁で休む彼の周りには、常に複数の雌がいた。皆、彼の食事のおこぼれに預かったり、彼の子供を孕み、強い子を産み落とすことを求めている。 文字通りのハーレムと言ったこの状況の中心人物であるトドゼルガのジオは、最近ずっと退屈していた。 「ジオ様、今日は私が相手ですよ。じっくり楽しんでくださいね」 なんて、いつも通りの言葉を投げかけられるところから始まるいつもの交尾。ジオはその強さに比例するように、食欲も性欲も旺盛で、食べた分だけ運動するし性も吐き出していく。それを繰り返す日々は変わり映えなく、不満というには大げさすぎるが、退屈すぎて変化を求めていた。 二人で海に飛び込むと、交尾は早速始まる。ジオが野太い鳴き声を上げると、それに合わせて相手の雌も鳴き声をあげる。お互いの気持ちが高まっているのを声色で判断すると、ジオと雌の体を値踏みするように鼻で撫でる。雌の体に走る快感は撫でられた首筋のみならず、その場所を起点にじんわりと体中を駆け巡るように興奮が走っていく。 縋りつくように添えられた雌の腕はジオをより強く抱きしめ、彼の体を感じたいと、歓喜で震えている。震えながらしがみつく雌の首筋や腹に自慢の巨大な牙を押し当てるようにして撫でると、雌の体は震えながら徐々に出来上がっていく。 対する雌は下半身をジオにこすりつけ、ジオの体から性欲を呼び起こしていく。互いに互いの気持ちを高め合うことで、気分も高揚して見た目にも準備ができたことが分かるようになれば、本番まで持って行くのは時間の問題だ。 ジオの立ち上がったペニスはその巨体に見合う剛直で、耐久力も大きさに見合うだけあって、雌を高ぶらせるにはひどく都合がいい。ペニスの大きさがすなわち子孫を残すことにおいて都合がいいというわけではないが、彼自身の強さに加えてその性器もまた彼の人気の秘訣であった。 ジオを抱きしめ、しがみつくようにして離さなかった雌は、彼の体から伸びた生殖器の感触を腹で感じている。かすかに脈動が感じられる剛直を分厚い毛皮越しに感じて、雌の興奮は加速度的に高まっていきもう彼を受け入れるだけの準備は出来ている。 最初こそ彼の剛直を受け入れるのは苦労したものの、卵をひりだす苦痛に比べれば太くても所詮はペニス、なんと言うことはない。すっかりこなれた彼女の膣はジオのペニスの形を覚えて、ぴったりと吸い付く。 そんな彼女の秘所に狙いを定めたジオは、互いに快感を得るべく一思いにペニスを突き入れた。粘液で満たされた彼女の膣を掻き分け、肉の壁に擦られ揉まれ、湧き上がる快感で本能的に腰が動く。泳ぎながら、彼女の胎内に滑り込ませたペニスを揺さぶるようにして暴れさせ、雌を孕ませる精液を吐き出す準備を整えていく。 それが決壊するのは早かった。雌が一足先に達して彼のペニスを搾り取るように締め付けると、それに呼応するようにジオも睾丸から精液を吐き出していく。ペニスの先端から噴出する白濁の粘液が膣内を流動する感触は、雌が身も心も酔いしれる媚薬となり、体内にとどまる。 粘性を伴ったそれが胎内にとどまる感触を恍惚に変えて雌が余韻に浸る中、彼女を抱きしめているジオは一足先に冷静になって、外敵の気配がないかに意識を割っていた。幸い、彼に挑んだり不意打ちをくらわそうという輩はなく、ほっと息をついたジオは雌が余韻から覚めるのを待って、他の雌たちを待たせている岩場へと舞い戻る。 「どうだった?」 ジオが雌に尋ねると、雌は考える間もなく。 「最高でした。ジオ様はいつもと変わりなく……」 雌たちはいつもそうだ。褒めてくれるのは嬉しいのだけれど、いつも最高だとか、そういった言葉しか言わない。しかも、言ってくれるのはいいのだが、彼女たちは大して気にしていないのだ。去年抱えていた雌が他の雄にくっついていたりすると同じセリフを言っていたりするのも聞いたことがある。要するにお世辞である。 「そうかぁ? 前にやった時と何か変わったところとかないか? 何かして欲しいことは?」 これでもジオは細かくやり方を変えてみて反応を確かめたりしているのだが、雌は変化を感じているのかいないのか。 「いえいえ、ジオ様にお相手していただいただけでも、この私は幸せですよ」 そんな反応しか返ってこないのだ。発情期に積極的に求めて来てくれるのは嬉しいが、そんなの関係なしに求めてくれる雌はいないものだろうか。ジオは常々考えていた。 「そうかぁ……まぁ、それならいいかぁ」 雌たちは、強い雄の子供を産みたいという事にこだわりすぎなのか、行為の細かな変化にあまりこだわりがないようだ。だから、雌はいつもジオの事を褒めるが、その褒め言葉は空虚なものばかり。つまらないし、何より発情期が終われば、はいさよならというのも寂しい。 ジオは狩りが上手いので食事に困ることはなし、喧嘩は負けないように鍛えているものの、最近は相手もめっきり来なくなっている。暇な時期も多く、せめてこういう発情期くらいは雌との交尾くらいは変化をつけてみたいのだが、しかしながらそんな気持ちを察してはもらえないようだ。 「なぁ、俺も色々変化をつけてみたいんだけれどさ」 と言っても、雌からは 「いやいや、今のままでジオ様は完璧でございます」 などと返ってくるのだから、どう言えば理解してくれるものか。 ある時、ジオは考える。そうだ、種族にこだわらなければいいんだ! 今まで、彼は自身と同じトドゼルガのみを相手にしていたが、種族にこだわらなければまだまだ変化は出るはずだし、発情期も違って長い期間楽しめると思い、思い切って宣言をする。 「あー、まぁ、なんだ。今までお前ら女たちを相手にしていたがなぁ……なんというか、あれだ。お前ら、俺のことを褒めてくれるのはいいんだが、そればっかりで代り映えしなくって飽きるからな。だから、これからは同族にこだわらないことにした。異種の雌も嫁に取ることにする」 「え? どういうことですの?」 「私達では不満なんですか?」 「精一杯ご奉仕いたしましたが、何か不手際でも?」 「不手際に不満……無い、が……強いて言えば何も変えようとしないことかなぁ? 発情期が過ぎるまでの短い期間とは言え、毎回同じような変わり映えのない交尾では面白くないし……あー、だからつまりだ。これからは別種のポケモンも俺の嫁候補にする。嫁になった奴の安全は保障するから、お前らに釘を刺しておこうと思ってな……同族じゃない奴が俺の嫁になったとして、その時絶対に仲間割れはするな? 嫌いあうくらいなら構わんが、暴力はもちろん執拗にちょっかいを出すようなら、お前らを追い出すことだって辞さないからな?」 ジオが宣言すると、彼が囲う九の雌たちからざわめきが漏れる。 「そんな、今更よそ者を入れるだなんて!」 「トドゼルガはトドゼルガと交わるべきですって!」 「きっと群れの調和が乱されます!」 「よその雌なんて貴方にふさわしくないです」 そんな声が雌たちから上がる中。 「最近雄も全然勝負を挑まないから退屈だし、少しくらい乱れてもいいだろ? それに、よその雌が俺にふさわしくないなら、いずれ俺も間違いを認めてお前達に戻ってくるさ。っていうか、そんなに嫌ならお前らが俺を満足させればいいだろ? 何も出来ないくせに文句を言うな」 ジオは全く彼女らの事を気にしていなかった。どうせ、代わりの雌なんていくらでもいるのだから。そのつもりで言い放った彼の言葉は全て正論なので、雌たちも感情論でしか反論が出来ない。 それからも雌たちはジオに色々言っていたが、あまりに五月蠅い奴は『それ以上騒ぐと追い出すぞ?』という脅し文句に負けて黙らざるを得なかった。 かくして、ジオは多種の雌を募集するべく、捕食関係にないポケモン達のもとを訪ねて、俺の嫁になる気はないか? と問いかける。多くのものはいぶかしげに彼を見た後、『デブに興味はないの』とか、『足がないではないか』とか言われ、何かと理由をつけて断られることも多かった。 タマゴグループが同じでも所詮は別種の生物、警戒や不信感はもちろん、美的な好みが合わないというのもあったのだろう。それでも探せば物好きはいるが、やはり別種と交わろうとするもの好きは、それなりに変わり者ばかりなのであった。 「貴様が別種の雌を探しているという男か」 体中傷だらけで、やけに威圧的に話しかけてくるダイケンキの雌。名をニーナというらしい。 「そうだが……嫁、候補か? なんか殺気がすごいけど……」 「……私は、私よりも強い雄を探している。それが貴様だというのならば、嫁でも何でも好きにするがよい」 ニーナに話しかけられた時点で変な奴が来てしまったなぁとジオは若干後悔もしたが、雄に挑まれることもなくなって久しかったのだ。ジオは久しぶりに闘争本能がうずくのを感じて、『いや、むしろこれでいいか』と開き直る。 「要は勝てばいいんだな?」 ジオが身構え、久々の喧嘩に備えれば、呼応するように雌もまたアシガタナを抜いて戦闘態勢を取る。 「これで……いいのかい?」 武者修行を繰り返してきたダイケンキの実力は、それはもう今まで戦ってきた雄が馬鹿らしくなるくらいに強いもので、生涯負け知らずだったジオもてこずる相手であった。 「あんた強いね……ようやく私の旅も終わりか」 しかしながら、彼女はジオには一歩及ばず、のしかかられたまま首筋に鋭い牙をつきつけられてようやく負けを認める。 ジオもクタクタで、そこかしこが鮮血で染まっているためすぐに交尾というわけにはいかないが、オレンの実を食べて休んでいれば明日にでも体調は良くなることだろう。 他に訪れたもの好きな雌は、生息環境も近く、前々から異種の雄に興味があり、子供には強くなってもらいたいったというジュゴンや、戦うのがあまり得意でなくいつも危険にさらされているカラマネロなど、ジオの強さにひかれ、強い子供を産みたい雌や安全を保障するという言葉に惹かれて集まった体が弱く小さい雌などが多い。 ジュゴンとカラマネロは血まみれのジオを見て本当に強いのか? 守ってくれると聞いたけれど大丈夫なのかなと疑ったりもしたが、ダイケンキと死闘を繰り広げた岩場の損傷具合を見て、削られた岩からその攻撃力を察し、まぁ問題なさそうだと納得して群れに入ることが決まった。 元々囲っていた九人の雌トドゼルガと比べれば貧相だが、三人来てくれれば気分転換にはちょうどいいくらいか。ハズレの雌でないことを祈りつつ、ニーナとの激闘による怪我が治った二日後から、新たに囲った雌との営みを始めるのだが…… ダイケンキの雌。ひたすら強い雄を求めてさすらっていたニーナは、いい年していまだに処女であったせいか、最初は痛みに歯をくいしばって耐え、体をこわばらせながらの交尾となり、痛みに耐えるために力を込めているせいかやたら締め付けが強かった。その締め付けの強さは悪くはなかったが、あまりに歯を食いしばった表情がひどすぎて見るに堪えない。 ジオは余裕のある男なので、無理せずゆっくり行こうかという申し出もしたのだが、ニーナは意地っ張りで譲らなかった。具合は悪くなかったが、相手も楽しめないと意味がないのになぁと、すこしばかりもやもやの残る交尾となってしまったが、慣れてくれば逸材になりそうな可能性も秘めている。 特に気持ちよくしている様子も見えなかったというのに、交尾が終わったあと、満足そうな顔をしていた彼女は戦っている時よりもある意味怖かったというのが彼の感想だ。一体どれだけ強い子供を産みたいというのだろうか? ジュゴンの雌アイリ。体が弱く食料の確保にも後れを取って、脂肪も薄めで小柄な彼女は、体長こそジオよりわずかに上回っているものの、種族的にトドゼルガよりも細身なのに加え、彼女自身食料不足で輪をかけて細い。そのためジオの巨体にのしかかられると苦しそうにしていたため、これはいけないと水中での交尾を行うことに。 互いに光も届かないくらいに海の深くまで潜って食料を得るポケモンだけあって、交尾も息継ぎに気を遣う必要もなく、広い海の中でゆったりと行える。 アイリは弱気でおどおどしており、こちらが楽しんでいるかをしきりに訪ねてくるような心配症で、こちらに気を遣うあまりか、彼女自身の動きもぎこちない。もっと自由に動いていいんだぞとアドバイスをしても恐る恐るなので、慣れてもらうまではもう少しかかりそうだ。しかしながら、素直な点は評価できるし、何よりこうやって相手を気遣ってくれる女は、まさしくジオが求めていた女だ。 具合もトドゼルガとは違って、細身な分、優しく吸い付くような膣の味がとても心地よい。彼女は経験済みなのかあまり痛がるようなこともなくスムーズだから、ジオへの警戒心や緊張などが解けてくれればそれなりに良くなりそうだ。 カラマネロのユラ。彼女は力は弱いが、それでもたくさんの触手を用いた包容力、というよりは抱擁力に優れていて、巻きつかれるとジオでも逃げ出すことは難しい。当然、ユラは力いっぱい抱きしめるだなんて下品なことはせず、そっと抱きしめつつもとらえて離さない、心地よい密着感を与えてくれる。 一方で、本番に入る前にその触手でペニスをしごいてはあっけなく射精させてしまうほどに手技がすごく、それでいて手癖が酷い。下手な雌の膣なんかよりもよっぽど早く気持ちよくさせてくれるその技術は眼を見張るものがある。 ただし、これはこれであっけなく終わってしまってもったいない。改善の余地はありだけれど、上手く意思疎通ができるようになれば期待はできる。 「ふーむ……やはりいつもの雌と違っていい感じだねぇ。お前らが来てくれてよかったよ」 持ち帰ったヨワシを雌たちに振る舞い、自身も胃袋に大量に流し込みながら、彼女たちの具合を反芻してジオが呟く。トドゼルガの雌たちはジオの言葉を聞いて憎しみを込めた目で新入りを見つめている。目を光らせておかないと、トラブルは避けられなさそうだ。 ジオとしては雌同士仲良くしてくれた方が余計な気を使わなくて済むし、女たちも笑顔の方が交尾していて気分もいい。気分も具合もどっちも良くならないことには、楽しく交尾なんて出来ないのだが。雌たちにとっては、雄を横取りしてきたよそ者は敵という認識がぬぐえないようであった。 今まで、トドゼルガの雌同士でも『私が一番彼を愛している! だから私にやらせなさい』だの『彼が一番好きなのは私よ!』というような言い争いは日常茶飯事であったから、こうなることは予見できたことだが。それにしても、そんなに好きなら発情期以外も一緒に居て欲しいものである。 「おや、そこにいる奴、何もんだ?」 そんな険悪な雰囲気をさらに険悪に険悪にする訪問者が現れる。それは、岩場の影からこちらを覗いているアシレーヌだった。青く長い鬣や、同じく青く美しい下半身。そしてヒレというよりは腕と呼ぶべき器官など細部の特徴は異なるが、泳ぎに特化したヒレ付きの陸上グループを兼ねたポケモンという特徴は一致している種族だ。 違うことと言えば、ジュゴンやトドゼルガと違い氷タイプがついているわけでも無く、暖かい海に生息する種族であることか。あまり寒い海には出張してこない種であるが、はぐれるようにしてこの寒い海に現れたあたり、物好きである。異種の雄を求めることも含めて、二重に物好きのお嬢さんようだ。 彼女はこちらの様子を窺うようにひょっこりと顔を出していて、その険悪なムードに物怖じしている。 「なんだ、お前も俺の雌になりに来たのか? こっちにこいよ。大丈夫、この女たちに手出しはさせないさ」 ジオは新しい雌を見て、笑顔になって語り掛ける。彼の笑顔を見て安心したのか、アシレーヌはトドゼルガの雌たちの視線に肩をすくめながらジオのもとに近づいていく。 「あの……異種の雌を探している雄がいるって聞いてきたんですが……」 「おう、俺のことだ。なんだ、もっと近くによれ。少し休んだし、今からだって交尾も出来るぜ?」 「え、はい……いや、交尾できるのはいいのですが……」 「うん?」 アシレーヌはおずおずとジオの元へと近づいていく。ジオがどんな匂いのする雌だろうかと鼻をひくつかせて見ると、それはそれは不思議な匂いがした。 「お前、男みたいな匂いしているな?」 「いえ、男です……」 しばし、状況がつかめずジオは硬直する。 「ほほう、そうかなるほど。俺の雌を奪いに来たというわけか……なるほど、俺に挑むやつは久しぶり……でもないか、男より厄介な奴が来たし」 ニーナが眉を顰める。 「ともかく、女を抱くのはもちろん、喧嘩も嫌いじゃないぜ? やるならちっと場所を移して……」 雄となれば、もちろん喧嘩だろう。そんな思い込みに任せてジオは饒舌に勝負を急ぐ。周りの雌トドゼルガ達も『ジオ様に挑むだなんて、身の程知らずね』だとか、『あら、今回は何秒持つかしらね?』などと、勝手なことを言っている。 「いえ、そういうんじゃなくってぇ!」 あんまりな空気に、アシレーヌは声をあげる。 「僕を雌として扱って欲しいんです……」 最後は、消え入りそうな声で。 「あぁ、なるほど。つまりお前は雄だが、雌として扱って欲しいというわけだな?」 「え? えぇ、そうですけれど……理解が早すぎて逆に驚きます」 「いや、言葉では理解できるけれど、頭が追いついていないというかなんというか……ちょっと意味が分からない」 ジオは言葉にしながら思考を整理する。それでも、理解には時間がかかりそうだったが。 「お前は雌にあぶれた雄か……? そういうのは雄同士で慰め合うこともあると聞くが、その中でも弱い雄はあぶれた雄たちからも蔑まれるそうだな。雌扱いして欲しいなどと、お前は雌にあぶれた雄の中でもさらに落ちこぼれたそのなれの果てか?」 ニーナが厳しい眼差しでそのアシレーヌを睨む。軟弱な雄には用はないどころか、軽蔑するとでも言いたげな厳しい目だ。 「それすらも逃げ出したのか、お前? 男の出来損ないの中の更に出来損ないで、しかもその役目からも逃げ出すとは……出来損ないの三乗じゃないか?」 ニーナは軟弱な雄がとことんまで嫌いなのか、容赦なく彼を罵倒するが、アシレーヌは苦笑する。 「いえいえ、男達の相手をするのは嫌いじゃなかったんですけれどね、でも、僕を舐めている奴ばっかりだったので、もっと尽くし甲斐のある方を探していただけです」 アシレーヌがそう反論すると、ニーナは怪訝な表情で彼を睨みつけた。 「むしろ、僕はあんまり女の子に興味がなくって、自然と雌にあぶれた雄たちの群れに飛び込んでいったんですが……その、あまりに人数が多くってさばききれなくって。一応、そんなに弱くはないと思うんですが……」 「下らん、結局は敗者の言い訳に過ぎないな。私は貴様を雄だとは認めんぞ」 「いやだから認めないでいいんですって。僕は雄として扱われるよりは……その、雌扱いしてくれた方が嬉しいので」 何が気に食わないのか、やたらと突っかかるニーナに対してアシレーヌはなだめるのに必死である。弱くはないと言われても、線の細い体はいとも簡単に手折れてしまいそうなほど頼りない。そんなアシレーヌをニーナは眼の敵にしている。 「あぁ、そう……まぁ、別にアレだな。雌を募集したが、その種は俺の子を孕める奴に限定した覚えはないし、経験があるなら雌として扱ってもいいけれど……。それとほら、ニーナもそんなに突っかかるなって。何もお前や他の雌を狙ってきたわけじゃあるまいし、それなら問題ないだろ?」 「むぅ……分かっているが、軟弱な雄を見るとイライラしてだな……」 ニーナがアシガタナを抜きたそうにうずうずしていると、トドゼルガの雌たちも声をあげる。そんな雄なんて放っておけだとか、そもそも雄なんかに私達のジオ様を横取りされてなるものかとばかりに雌は必死だ。 ニーナやアイリ、ユラだけでも雌たちにとっては不満なのだが、その上子供を孕むことすらできない雄までジオの嫁候補に参戦など、雌のプライドまで崩されてしまう。ニーナは別のところでイライラしているようだが、ともあれこの険悪な雰囲気は良くない。 「まぁまぁまぁお前ら。そんなにいきり立つなって。というか、まだ自己紹介もしてないだろ? 俺はジオ……こっちの乱暴そうなダイケンキはニーナ……こいつには気を付けろよ」 「おい、乱暴そうなとはなんだ!?」 「失礼、狂暴なダイケンキはニーナ。こいつには警戒しておけ」 「あんまり変わってないじゃないか!? むしろ悪化しただろ!?」 ジオに勝手に紹介されて、ニーナは声を張り上げる。しかし、ジオもこれには笑って誤魔化すばかりであった。 「ご丁寧にありがとうございます。僕の名前はトラといいます。えと……名前を名乗ってくれたということは、僕のことを受け入れてくれたということでよろしいのでしょうか?」 「まー……保留かなぁ? 一回やってから考えるさ。男は未知の領域だしなぁ、ダメだったらこれっきりだ」 「ははぁ、男は未知の領域ってことは、ジオさん相当お強いってことですねぇ? 子供の頃でさえも雌にあぶれたことが無いってことじゃあないですか。男同士で慰め合ったこともないわけだ」 「そーよ。他の雄は雌たちがやる気になっている間飲まず食わずだから痩せ細っちまうけれど、俺はこの時期もまだまだ脂肪が蓄えられているだろ? 雌がやる気になっている間も、俺には飯を食うだけの余裕があるってこったよ」 「すごいですねー。この時期にまだそれだけ太っているってすごいですよほんと。噂だけでも惚れちゃいそうですが、ますます惚れちゃいますよ」 「おー、そりゃうれしい……のかな? やっぱり雄に好かれてもなんだかなぁ……」 ジオがトラから贈られる褒め言葉に疑問符を投げかけると、雌たちの安堵の息が漏れたような気がする。 「まぁ、でもやってみなきゃわからないよな。今日は雌たちもお休み、こいつに相手をしてもらうよ」 だがその安堵もむなしく、ジオはトラを受け入れる心の準備が出来てしまう。この迷いのなさや包容力も、彼の強者としての余裕というものか。雌たちは落胆し、トラへの憎しみのまなざしを向ける。 その視線のあまりの痛々しさに、トラは委縮してしまうが、安心しろとばかりにジオが黙って肩を叩くので、トラも無言でうなずいて笑顔で応えようとするも、ひきつった笑みを浮かべることしか出来なかった。 「しかし、男とやるのは流石に初めてだな……」 二人は岩場から離れ、雌たちの群れを観察しつつ、よほど大声を出さない限りは声が届かないくらいの場所で二人きりになる。 「流石にって、本当に小さい頃も他の雄に負けたことはなかったんですか? 負けて雌を取れなくなったら寂しい雄たちで慰め合うなんてのはうちの群れじゃよくあることだったんですが……尊敬しちゃうなぁ」 「さあなぁ? さすがにトドゼルガに進化する前は、俺も不覚を取ったことはあるけれど。けれど、進化してからは無敗だよ」 「へぇ……憧れちゃうなぁ。僕は勝ったり負けたり、強い方の相手は厳しいですねー」 ジオの自慢話は雄が聞いてもただの嫌味にしか聞こえないのだで、普通の雄に向かってこんな話はしないのだが、ここまで手放しに尊敬されると、トラが本当に雄なのか疑わしいくらいだ。 匂いは間違いなく雄だし、彼自身が自分のことを雄だと自称しているために疑う余地はないのだけれど。 「勝ったり負けたりできるなら……なんだ、それなら雌の一人や二人くらいならば囲めるんじゃないのか?」 「囲むこと自体は余裕ですよ。普通は、それなら囲むんでしょうけれど。ですが、僕はなぜか雌に魅力感じないんですよね。あなたの、そう……逞しいペニス。僕と比べて結構大きいですけれど、そういうのがなんというか、どうしても魅力的なものに思えてしまって。 雌の割れ目が、普通の雄には魅力的なんですよね。ジオさんもそうでしょう?」 「そりゃあ……うん、そうだろ? 俺は男のものを見ても魅力的になんて思わないけれどなぁ」 「普通はそれでいいんでしょうけれど、僕はどうも普通じゃないみたいでして。雌が魅力的に思えないのですよ……まー、そういうわけで僕は変わり者なんですよ。けれど、そんな変わり者の僕でも雄ならなんでもいいってわけじゃなくって、だからジオさんみたいな逞しい方を探していたんです。雄の相手をするのは好きですが、弱いくせにつけあがる雄は嫌いで……ジオさんも横暴な奴だったらともかくですけれど、割と人当たりの良い方だと伺いまして」 「自分好みの雄を探して……それで、こんな寒い海まで? お前さん、もっと温かいの海の出身だろう? 物好きな奴だな」 「えり好みしていたら、ずるずると、こんなところまで来ちゃいましてね。引き返すに引き返せなくなって、もう寒くて大変ですよ。まー、でも僕、雌を囲う必要がないから、その分飯を食うことに専念できますし、同種の仲間と比べたら太っているから案外大丈夫なんですけれどね」 そう言って、トラは自身のお腹を見せる。蓄えられた豊かな脂肪は、確かにこの寒い海でも乗り切れそうなくらいに厚い。 「ほう、それはまた……こんな遠くまで俺に会いに来てくれたと思うと……なんだか感慨深いねぇ」 「僕が旅をしてきた場所に貴方がいただけですよ。まだ決まったわけじゃないけれど、僕の旅がここで終わればいいんですが……」 「旅が終わればいいって台詞、ニーナも言っていたが、それはお前次第だな。男とやるのは本当に初めてだから良し悪しなんかもわからないけれど、つまらなかったらわざわざお前と付き合う意味もないしな……」 「大丈夫です。みんな、僕の奉仕の腕前はどんな雄よりもいいって言われていますから」 「……それ、自慢になるのかな?」 自信満々に主張するトラを見て、ジオはどう反応するべきか戸惑う。 「確かに、自慢すべきことじゃないかもしれませんが、今は言っておいて損はない事だと思います。だって、貴方を期待させることが出来るでしょう?」 「期待……うむ、ここは期待するべきことなんだな、うん。それよりも……お前が男だって思うと全然チンコ立たないんだが、どうするべきかね? いつもなら女と雑談しているうちに、期待と匂いで自然と立ち上がってしまうものなんだけれど……お前は男の匂いだし、どう期待すればいいかもわからんで、全然だ……」 「そうですねー。じゃあ、痛くしないように気を付けますから、少しだけ僕に身を任せてもらえますか?」 「むぅ……まぁ、そうだな。これに関しては俺も素人だ。男ってのがどんなもんか確かめさせてくれ」 「よしきた。僕頑張りますよ」 トラは微笑み、ジオを抱きかかえて水中に潜り込み、左腕で彼を抱きながら、残された右手で彼の頬を包む真っ白な産毛へと手を伸ばす。 「手、か。泳ぎ方も変わってしまいそうだが、便利そうではあるな」 「ですね。トドゼルガは、手というよりはヒレですからね。僕達アシレーヌは進化するとヒレが発達して手になりますし、それに生殖器の位置も変わるんですよ」 「生殖器はへその下にあるんじゃないのか?」 「雄はそうですね。と言っても、オシャマリのころよりも大分上に来た感じはします。まぁ、あとで見せますよ……と言いたいところですが……多分、押さえきれなくなるかも」 照れ笑いしながらトラは彼の頬を撫でるのを続けた。 「交尾の前に毛づくろいだなんて随分とマメだな? 早く気持ち良くなりたくないのか?」 「少しくらい我慢したほうが気持ちいいんですよ? 腹が減っている時の方が食事はおいしいでしょう?」 「うーん、確かに、雌を囲っている季節は飯を食える時間も限られているからな……そういう時は、確かに飯が美味しい」 「雌を囲っている間に絶食する必要がないって相当ですよそれ。普通の雄はやつれますし」 「そりゃ、俺の雌に手を出したらどうなるかってのが周りの雄も分かってるからな。あんまり長く時間を空けたらその隙に手を出されることもあるかもしれないが……飯を食いに行くくらいは訳ないさ。他の雄たちもいつ戻ってくるかわからない俺に怯えて手も出せないのさ」 「すごいですねー。僕なんて中途半端な強さだから、敵なしなんて豪語できる強さには憧れちゃいます」 「お前、雌扱いして欲しいとかいう割には、そうやって強さに憧れるところはきちんと男なんだな」 「そうですねぇ。性分なんでしょうか? 私を雌のように扱って欲しいとは思いつつも、だからと言って道具のように扱われるのは嫌なんですよ。喧嘩に弱いと雄同士でも序列の下に入れられちゃいますから……本当に最下層なんて道具扱いですし。 だから、なんというか貴方みたいに強いだけじゃなく気遣いも出来る男性に惹かれちゃいます。実はジオさん、異種の雌たちからも評判なんですよ。だから僕も会ってみたいと思ったんです」 「だろうな。そうじゃなきゃ異種の雌が三人も集まるわけないし。でもまぁ、雄が来るとは思わなかったが……」 目の前のトラを見てジオは苦笑する。 「予想外の僕みたいなやつでも受け入れてくれるジオさんが素敵ですよ」 トラは笑顔で言ってジオの喉に口付けをする。軽く触れる程度の軽い口付けだが、手で行われるのとは違う感触に、会話に集中していた意識が体に引き戻される。 喉元への口付けは回数を経るごとに濃厚で、押し付けるようなものになり、数度繰り返すころには唇でつまむようにジオを弄っている。いつくしむようなその手つきに、眼前の相手が雄であることを忘れて次第に下半身には熱が集まっていく。 へその下のあたりに感じた違和感は時間が経つごとにその強さを増している。呼応するようにトラが口付けをする場所は少しずつ下へと降りてゆき、収納されたスリットから顔を出した生殖器へと手を伸ばす。 トドゼルガにはない『手』で生殖器を握られて、初めての感覚にジオも思わず緊張する。目の前のトラは敵ではないとはいえ、他人に急所をさらけ出しているのだ、緊張するのは当たり前だ。しかし、緊張とは裏腹に撫でつける手は優しく丁寧で、強張った体をほぐすように揉み解していく。 それによってジオの体はある一点を除いて力が抜けている。 「なぁ、まだなのか?」 今まで、雌の準備ができるや否やすぐにいきり立ったペニスを突っ込んでいたジオは、じらされ射精を待つのは、初めてのことで耐えがたい。何ならこのままトラを組み伏せて無理やり犯してしまいたいのだが、雄を相手にどうやればいいのかもわからないから困ったものだ。 「そうですねー。我慢できないなら、一回済ませてしまいますか?」 「そうしてくれ……なるべく早めにな」 苦し気にジオが告げる。その余裕のなさにトラは面白がって笑みを浮かべる。 「分かりました。いきますよ」 ジオが言い終わるか終わらないかのうちにトラの手つきは激しい物へと変わる。ジオは欲していた決定的な刺激に反応して本能的に腰を前に突き出した。トラは握り締めたペニスをぐっと揉みしだき、ジオの快感をこれでもかとばかりに引き出していく。 「いい感じだ……もっと頼む」 「はいはい、焦っちゃだめですよー」 雌の膣とはまるで違う緩急の付いた刺激は、未知のもので対処を知らない。本能的に腰を動かしても、トラはその動きをあざ笑うかのようにのらりくらりとマイペースにペニスを弄り、ジオの思い通りにはいかせない。 「なんだよ、もっと……」 「焦らないでって。もう限界近いんでしょ? 気持ちよくさせてあげますから」 「限界近いからこそだって……」 「んもぅ、仕方ないなぁ」 悪戯っぽく微笑みながら、トラが手に力をこめる。今まで意地悪に焦らしていたけれど、ジオの中には確実にこみ上げるものはあって、気付けば抑えきることが出来ないところまで高まった快感でジオは爆発した。 海水の中に放たれた精液は、粘性をもって広がることなく海中に漂う形で放出される。いつもは雌の中に吐き出していたため、こんな風に海中を漂うなんてのは初めて見る光景だ。そうして吐き出されたものを面白げにみつめて舌なめずりをするトラの視線が煽情的だ。 浜辺に流れ着くガラス片を組み合わせたような桃色の瞳が輝いていて、細い顔の小さな口元が笑みで染まるのがたまらなく胸をくすぐる。こんな煽情的な顔で雄だというのだから信じがたい。 「とりあえず、満足しました?」 「あぁ……じれったかったけれど……最後は良かったよ」 「おやおや、さっきも言ったでしょう? お腹が減っている時の方が食事はおいしく感じるものですよ。同じく、じらしたほうが気持ちいい。その証拠に。ジオさん満足そうな顔をしていますよ?」 「意地悪だなお前……」 「男同士じゃ、工夫しないと女の子と交尾するのに負けちゃいますもん。負けないためには、僕独自の価値を作らなきゃ」 「あぁ、言われてみれば確かにこういうのも悪くないけれど……戸惑うぜ?」 トラがにっこり笑みを浮かべて自分の強みを主張すると、ジオもその強みに納得して頷いた。確かに、意地悪でじれったいけれど、我慢した分出しきった時の快感は増幅されている。 「しかし、あれだけ雌に恵まれている貴方が僕を受け入れてくれるとは思いませんでしたよ。その上僕を褒めてくれるなんて嬉しいです」 「あぁ、まぁ……色々マンネリだったからな。だから変化があるなら雄でもいいかなって思ったんだが、悪くない」 「ふふふ、それじゃあまだまだ僕に付き合ってくれるってことでいいんですね? まだまだ貴方に試していないことはたくさんありますから、期待していいんですよ?」 トラは口元に笑みを浮かべ、ジオに軽く抱き付きながら囁くようにして尋ねる。 「あぁ、少し休んだら頼むよ」 射精の余韻に浸りつつ、ジオは囁き返す。 「気に入ってもらえたようで何よりです。あ、その……抱きしめてもいいですか? 下半身がこんな状態ですけれど……」 ジオはトラの下半身を見る。アシレーヌの生殖器は本当に尾びれの部分ではなく腹に見える部分にあるようで、真っ青な腹からは綺麗な桃色の肉棒が顔を出している。使用された機会も少ないのだろう、綺麗で無垢な色をしている。 「あぁ……まぁ、いいさ。うん、いいと思う」 男に抱き付かれることに抵抗はあったが、しかし自身のペニスを触らせ、あまつさえ射精までさせられた後では今更の話である。相手のペニスを体に押し付けられることになるが、射精させるまで好きにさせた相手ならば受け入れられる。 「じゃあ、遠慮なく」 そう言って、トラは微笑みを浮かべて体を密着させた。ジオは萎え始めの自身のペニスとは対照的にそそり立ったトラのペニスを感じて、少しだけ身構える。 しかしながら、最初こそ不思議な違和感があったものの不快感は感じない。他の雄だったら恐らくは嫌悪の一つもあったろうが、トラのように敵対心もなく仲良くしようとしてくれる相手ならば、性別なんて関係なく受け入れることは難しくないようだ。 「まったく、男に抱き付かれるだなんて思いもしなかった……」 「大丈夫ですか? こういうの、気持ち悪いって言ってくる雄もいるんですよ。だから、もし気持ち悪かったら僕も我慢しますが……」 「いや、悪くない。他の雄なんて戦っても弱いし、かといって戦わない奴も俺の雌を隙あらば持って行こうとするだけの卑怯者くらいだったから、あんまり良くは思っていなかったんだけれどな……なるほど、こういう交流もありなのか」 「そう言ってくれて、何よりです」 しみじみと口ずさみながら、トラがジオの胸に顔をこすりつける。その仕草に、ジオは雄が相手と分かっていてもなんだかときめいてしまう。 「強者の余裕って奴ですかね? 弱い雄は、雄同士で慰め合っているのに、なんというかギスギスしていますよ。どっちが上だ、どっちが下だって決めたくってたまらないんですよ。基本的に立場が下の者がこうやって強い者に奉仕しなくっちゃいけないから、僕みたいに進んで奉仕すると相手がつけあがって、僕の事を都合のいい道具みたいに扱い始めるんですよ」 「感謝も出来ないのか?」 「やつらそんなのしませんよ? 弱いくせに調子に乗りやがって、見るに堪えません」 「きっと雌にありつけずに余裕がないんだろうなは。そういう雄はマウントできる相手を探してるんだろ? 余裕がない奴はトドグラーの若い雌を襲うような奴もいるしな」 「ですね。むかつく態度を取ったら、僕も最初は言葉で反論しますけれど、それでも聞かないようなら喉で言うことを聞かせます」 「喉? それ、言葉で言い聞かせるのとどう違うんだ?」 「僕達アシレーヌは喉が武器なので。耳元でハイパーボイスやったら気絶もんです」 「言うことを聞かせるって……文字通りだな」 「はい、僕結構強いんです。だから、僕は僕より弱いくせに態度がでかい奴には奉仕する気はないですよ。逆にジオさんは強いのに余裕があって、全然偉ぶったところがなくって、親しみやすいから奉仕していて僕も楽しいですよ。本当、僕が理想としていた雄ですよ」 「そうなのか? だが、楽しんでくれるのは嬉しいが、今のところ、お前が気持ち良くなる要素も特になかったようだけれど……そんなんでも楽しんでもらえるのか?」 「いえ、相手が喜んでもらえることそのものが、僕には嬉しいんですよ。確かに、僕はまだ気持ち良くなっていないですけれど、それは後で考えればいい事なので」 ジオの疑問にトラは満面の笑みで応える。 「でも、何度だって繰り返しますが、相手が喜ぶのが嬉しいからと言って、相手がつけあがるのは嫌ですからね?」 「わかったよ。じゃ、俺もお前が望むことをやるようにする。俺ばっかり楽しんでたらそのうち調子に乗っちゃいそうだしな」 「本当ですかぁ? そんなこと言ってくれる雄なんて初めてですよぉ?」 「雌たちは俺の子供を宿したいばっかりで、それ以上は望まないからなぁ。やってる最中は気持ちいいんだけれどそれっきりなのが寂しいんだ。 個人的には、もっと子供とかそういうのを抜きにしても楽しんでほしいって言うのが本音なんだけれど……ほら、さぁ。ここだけの話、雌ってさー……その、初夏のやる気になった季節は積極的ですごーく魅力的なんだけれどさ。なんというか、それが終わるとやたらと冷たいというか、子育てに専念しちゃうからそれっきりじゃないか? だから、季節が過ぎても楽しませてくれる相手が欲しいと思っていたんだけれど……それで発情期の時期が違う種の雌でも来ればいいなと思っていたが、雄が来るとは……」 「発情期を過ぎても一緒に居て欲しいというのならば、お任せくださいよ。雄はいつでも発情期ですから」 ジオが誰かに盗み聞きされているわけでも無いのに小声で漏らす愚痴を、トラは解決の手段はここにありとばかりに微笑み返す。 「そうだな、雌にそれを求めるのが無理なら、雄でも……」 ジオが、雄を性的対象と見始めた瞬間である。 二人はずっと水中にいたが、さすがに苦しくなってきたので深呼吸をするために水面へと顔を出す。そこで目一杯深呼吸をしつつ、岩場においてきた雌たちに他の雄の手が迫っていないことを確認して、二人はもう一度海中へ。 その頃にはジオの下半身も復活していたが、さすがに雄を相手にして、むらむらと自然に立ち上がるというのはまだ難しかった。 「じゃあ、次はお互いに楽しめるようにしましょう」 「と、いうと? 俺も、まだお前のチンコを触るのはちょっと抵抗があるぞ……」 「そうですかぁ? まぁ、いずれはそういうのもやってみたいですが、無理強いは出来ませんしね。だんだん慣れて行けばいいですよ。次は、そうですね……」 トラはジオの体を抱き寄せ、口付けをする。ただ口を重ね合わせるのみならず、桃色の鼻を、トドゼルガの潰れた鼻に押し付け、開いた口から舌を伸ばして鋭い牙の並ぶジオの口に侵入する。 ジオがどうしたものかと戸惑っているとお構いなしにトラは舌をうごめかせ、口をぽかんと開けてあっけに取られているジオはされるがままだ。だけれどこれが存外気持ちいい。雌たちはジオが楽しんでいるかどうかなんてほとんどどうでもよく、口ではジオの事をほめちぎってはいても、彼のことは優秀な子種を与えてくれる相手くらいにしか思っていない。 真剣に楽しませようという殊勝な心がけで以ってジオの相手をしてくれる雌なんていなかったから、トラのように楽しませようとして、こういう行為に興じてくれるのは、意外なことに初体験だ。 それでも、脳裏に浮かぶのは『こいつが女だったらなぁ』という想い。男だという色眼鏡をかけてさえ見なければ最高なのだが、こいつが男だという事実が足を引っ張ってしまう。 そうして目の前の行為への集中力が途切れていると、好きありとばかりに性器を握られる。そっと無造作に握られたということは、知らぬうちに勃起していたらしい。 「準備万端ですね? 楽しんでくれているようで何よりです」 トラはジオのペニスを軽く握って上下にさする。手で行われる愛撫は変幻自在で、滑らせるような擦るような雌の膣を貫く感触とはまるで違って飽きが来ない。 「う……俺、楽しんでいたのか……? ちょっと複雑な気分」 そのまま身を任せていたくなるような感情も芽生えてきて、ジオはこのまま流されても良いものかどうか不安になる。トラはまだ全然手の内を見せていないようだし、このまま彼の深みにはまってしまえば、いつか雌と交わるのが馬鹿らしくなってしまいそうだ。それがいいことなのか悪い事なのか分からない 「雄が相手じゃ不本意ですかぁ?」 「そうかもな。まだ吹っ切れていない」 「いずれそんなことを考える気も起きなくなりますよ」 このまま雌から心が離れてしまいそうで、トラの問いに頷いてしまうも、トラはその答えを見越していたように頷く。 「最初は僕もそうでしたよ。男なのに、自分から進んで男の相手をするだなんて恥ずかしくって死にそうなくらいで……でも、いずれ慣れます」 「慣れちゃっていいのかなぁ?」 笑顔で断言するトラを見て、ジオは苦笑を浮かべる。 「慣れましょうよ。吹っ切れたほうが楽しいですよ?」 言いながらトラはジオに口付けをする。二度目のそれは先程以上に不意打ちだが、今度は先程よりかは驚きも少なく、トラの動きに合わせて舌を絡めて返すだけの余裕も出来た。 ジオが舌を絡めて返すと、トラは嬉しそうに彼の事をひしと抱く。そうして密着することで生まれる満足感に後押しされて、口を離したトラは流れるようにジオの尾びれへと口を寄せる。何をするのかと心配しながらも、ジオはトラを信頼して身を任せる。 口を開いた時は流石にペニスに噛みつかれるんじゃないかとぞっとしたが、だが実際は赤ん坊が乳を吸うように唇で触れるだけだ。やわらかな唇と、自在に動く肉厚な舌でペニスを包まれると、その温かみに思わず神経が鋭敏になる。 「俺と出会う以前はいっつもこんな事してたのか?」 口が塞がれているから声を出せず、トラは、無言でうなずいた。 その舌技は見事で、思わず体を曲げてトラの頭を掴み、尾びれを前後に動かしてしまいたい衝動に駆られるくらいだ。しかし、ここでがっついてしまって、へそを曲げたトラに噛みつかれでもしたらたまらない。衝動をぐっとこらえて為されるがままにしていると、射精へ導く快感が早くもこみあげてくる。 「この調子じゃ、すぐ出しちまうぞ……」 雌の膣内をかき回すそれよりも穏やかな快感の昇り具合だが、かといって無視できるようなものではない。警告のようにジオが発した言葉も、トラにとっては警告の意味をなさないようで、無言を貫いていた彼はそのまま彼を射精まで導いていった。 トラは全く躊躇うことなく口の中に射精され、喉の奥で噴出する精液の味、勢い、粘り気、匂いを堪能する。ジオは射精の際に無様に声を上げることはせず、微かに歯を食いしばりながら無表情で射精する。 「今のは……悪くないな」 「ジオさん楽しんでもらえました?」 「まあ、な……しかしあれだ、今回もお前はあんまり気持ち良くなかったと思うが、それで大丈夫なのか?」 「大丈夫です。気持ちのいいだけが、交尾じゃありませんし。最初は相手に楽しんでもらうことを考えるのも大事ですよ」 「……そうか。まぁ、あれだ。俺も楽しませてもらってばかりじゃなんだし、やってほしいことがあったら言えよな……出来る限りのことはするから。あ。でもお前のを今みたいに咥えろと言われたらちょっと……流石に、無理だ」 「そうですか? でしたら、次やる時は僕を気持ちよくしてもらいたいですね……今すぐに、ではないですが」 そう言ってトラはジオの尾びれを見る。突き出ていたペニスは萎え始め、しぼんでいっている。しばらく待てば復活するだろうが、今すぐには無理だ。 「っていうか、お前のチンコものすごく張ってるけれど本当に大丈夫か? 俺だったらその辺の雌を引っかけたくなるくらいにこう……そそり立ってるが、そのまま放置は辛いだろ? なにか、した方がいいんじゃ」 「いやですよぉ、じろじろ見ちゃって。それとも僕のに興味あります? 触ってみます?」 トラの言葉にジオはしばらく絶句する。 「いや、興味があるわけじゃないけれど……まぁ、それだけパンパンにはれ上がっているのに一回も射精しないのはなんというか気の毒というか……」 「ふふふ、ご安心を、慣れていますので。というか、そういうことが分かるくらいには観察してくれるんですねぇ、ジオさんよく気の利く方のようで」 「いや、まぁ……その、観察力は優れている方だからな。戦いとなれば敵がどういう風に動くかを見るにも観察力は必要だし……でもこんなものを見ることになるとは思わなかったが……」 「どうせなら見るだけじゃなく触ってみます?」 「いや、その……それはちょっと」 触るかと聞かれ、ジオは戸惑う。抱き付かれた時にペニスを押し付けられた時はそれほど悪い気はしなかったが、自主的に触るとなるとまた違う。短いヒレでは触るにもトラに体を密着させなければならない。自分から抱き付けるほど雄を受け入れていいものかどうか。 ただ、彼が踏みとどまり、戸惑う理由は大半が外面に関するものである。『雄のそれが気持ち悪い』とか、『触りたくない』というよりは、『触ってしまっていいものか?』などという、思いが彼を躊躇させている。誰に媚びる必要もないくらいの豪傑であるジオには必要のない心配事だ。 顔を上げればトラは微笑んでいる。どうぞ触ってくれとでも言わんばかりの表情だ。 「わかった、お前がそうして欲しいのなら……」 しばらくすれば、ジオも周りがなんと言おうと気にすることはないのだと思い直し、トラに体を寄せて彼のペニスを握る。冷たい海水に冷やされて熱は感じないが、内部に巡る血の脈動はかすかに感じる。触れると嬉しそうにピクリと跳ねるのが分かる。 しかし、それ以上は軽く握るくらいのことは出来ても、トラのように器用な手を持たないトドゼルガの手では、このままさするのは難しい。かと言って先ほどのように口に含むのは流石に抵抗がある。 ペニスは汚いという感覚は今のところまだ抜けそうになく、ここまで雰囲気でトラに流されてきたジオも流石にペニスを咥えることは出来なかった。だからと言って、トラもそれを責めはしない。彼が触ってくれるぐらいまでは、雄同士の行為に抵抗がなくなってくれたのだ、一日でこれならばこれからもっと大胆になってくれるだろう。 焦ることはない、今までずっと待っていた理想の雄に出会えたのだから。 その日の二人の営みは、ジオが二回射精したところで終わりを告げた。その気になれば三回戦も出来ないことはなかったのだが、トラは『独り占めしたら雌に恨まれそうですから』という理由で自重した。 何より、トラには雌にはない強みがある。雄であるが故に、例え発情期が過ぎてもその気になればジオと楽しみ合うことが出来るという事だ。だから、雌たちが発情期の今、むやみにジオの時間を占有する必要はない。むしろ、今彼と一緒に楽しんだところで、自分の価値は売れないのだ。気が向いたとき、ジオと交わればいい。トラはそう考えて、のんびりと雌たちの発情期が終わるのを待っていた…… のだが。 「おい、そこの軟弱者」 トラは岩場に腰を掛け、歌を歌って狩りの獲物を集める練習をしていた。この歌は耳に聞こえる音とともに、ごく聞こえづらい低周波の中に恐怖や不安感を取り除く危険な声色を混ぜ込んだものである。周囲にいる群れの仲間を落ち着かせたりすることも出来るが、これは主に不安で怯えているヨワシなどの被食者をおびき寄せる効果を期待して使うものだ。 だというのに、なぜか誘われてきたのは殺気立ったダイケンキ。無粋にもほどがある。 「え、僕の事ですかぁ?」 大人しくしていても、トラが目について仕方ない雌もいる。ダイケンキのニーナがそうであった。トラにとっては何ら思い当たることもないのに、彼女はなぜか怒っている。 「お前に決まっているだろ! 雌がこれだけいるというのに、闘志も見せずにジオにこびへつらってばかり! 貴様のような雄を見ていると反吐が出る!」 「いや、こびへつらうどころか、互いに求め合ってますよ」 「それはお前が都合のいい存在だからだろう! 雌の真似事をして男を喜ばせていれば満足か!?」 「そうですけれど……何か問題でも?」 「ええい、貴様は話にならん! その腐った性根を叩きなおしてやる!」 「えぇ!? 話してるつもりですのに!?」 まるで話が通じない。トラとしては、ジオの時間を奪ってしまうと他の雌に目をつけられるし、本格的にジオを惚れさせるのは雌が去った後の女日照りの時期かなと思っていたのだが。ニーナは、トラが雌に対する意欲を見せず、のんびり気ままに狩り淘汰の練習だけをしながら過ごしているところが非常に腹立たしいようだ。 「お前も獲物を抜け!」 「ダイケンキじゃないんだから武器なんて持ってませんて」 「知ったことか! 問答無用!」 「……困ったなぁ」 ため息交じりに言いながら、トラは一目散に逃げだした。 「待てこら! 戦え!」 「なんで腹が減る事しなきゃいけないんですか?」 トラはニーナの憤りなどまるで無視して泳ぐ泳ぐ。アシガタナを構えたまま、修羅の形相で追い立てるニーナだが、アシガタナを構えたままでは効率が悪い。ならばと彼女もアシガタナをしまって追い立てる。ニーナはその頃には光も殆ど届かないような深い場所まで潜っており、追いかけるのも必死である。 「まて……お前、逃げるなんて卑怯だぞ……」 「え、準備も出来ていない相手に一方的に勝負を挑むのは卑怯じゃないんですか?」 逃げた先は深海。当然、えら呼吸も出来ない二人は酸素の供給も叶わないわけだが、アシレーヌは自身の声で泡を操ることに長けた種族だ。体中の酸素を使い切ったあとも、水上から持ち込んだ大きな泡を使って深海の中で深呼吸。対するニーナはもう浮上しなければ危ないくらいには酸素を消費しているとあれば、一気に勝負を仕掛けるしかない。しかし…… 「問答無用だ!」 と、アシガタナで切りかかっても、アクアジェットでのらりくらりとかわされて水を切るばかり。疲れている、酸欠だというのもあるが、それでもこの回避の技術はトラが意外にも戦いなれた証。 「ほらほら、苦しそうな顔をしていますけれど大丈夫ですかー?」 「お前、逃げてばかりで勝てると思ってるのか!?」 「思ってますよー。というかそろそろ僕も攻めますよー」 そんな風に挑発されるとますますムキになって切りかかりたくなるが、さすがにもう限界だと悟ったニーナは浮上しようと試みる。 「言ったでしょ、攻めるって?」 ようやく、トラも牙をむく。まずは『ワーッ』と叫んでハイパーボイス。一度喰らってからは口から空気が漏れそうになるのを堪えながら逃げようとするニーナへと、何度も何度も執拗に行う。 それで弱ったところへ、彼女の背中に張り付いてから耳元でチャームボイスを繰り返す。遠くで聞けば魅惑的で、思わず近寄って聞きたくなるような声も、耳元で聞かされればそれは騒音以外の何者でもない。 意識が遠のくほどの騒音で頭が弱ったところで、トラはニーナの脇腹に尾びれで蹴りを加え、挙句なみのりに巻き込んで海の深みへと戻していく。このままでは息が続かなくなり、死んでしまう。 「……命と誇り、どっちを優先するか聞きますよ。このまま死ぬか、謝って落ち延びるか、どうします?」 挑発されたとはいえ、完全に手玉に取られたニーナは悔しさで歯を食いしばるが、命には代えられない。まだ強い子供を産まなければならないのだ。そんな大事な時だというのに、こんな馬鹿な真似をするのはどうかとは思うが、彼女に選択肢はなかった。 「で、なんで僕を襲ったんですか?」 トラはニーナを水面まで引き上げ、アシガタナを没収して問う。正直に答えないようならば、海底のクレバスにアシガタナを捨てると脅されてはニーナも従うしかない。 「私は、代々海の守り神に仕え、先陣を切って守る一族なのだ……」 「それが僕と何の関係があるんですか?」 トラはアシガタナを尻に敷いて岩の上に座り、ニーナには簡単には奪わせないようにしている。進化した時から連れ添っていた大事な武器をぞんざいな扱いにされて、明らかに苛立っているようだが、負けたうえに情けを懸けられた相手に逆らうほど彼女も馬鹿ではない。 「本来その任務は男しか付けないのだが、私を産んだ母は難産の末に病に倒れてしまい、代わりに私が男児を産むようにと申しつけられたのだ……私は、好きな男との恋愛も禁じられ、水中で活動を出来るポケモン以外との生殖を禁じられて……狙っていた陸の男との関係も切らされたんだ」 「じゃあ、僕はどうでもいいですね。無関係ですし」 ため息をこれでもかとばかりに見せつけ、トラは肩を落とす。 「だから、お前みたいに種族どころか性別すら気にせずにいちゃついている奴を見ると、お前だけ得していて、何だかイラつくんだ!」 「それ八つ当たりじゃないですか? 確かに子供を産むことを強制されるとか、いい話じゃないですけれど、そんなことでイライラして子供を流産でもしたら骨折り損じゃあないですか。ジオさんと交尾してお眼鏡にかなう子供を産めたならば、遅まきながらもその恋仲の男性と恋愛すればいいわけですし……。 それに、僕は貴方に迷惑をかけていません。あなたの個人的な感情の問題を、他人に押し付けるのは卑怯だと思います」 「私がふさわしい男を探している間に、狙っていた男を他の女に取られたんだよ、察しろ!」 「察しろと言われましても。あなただって私の強さを察していなかったじゃあないですか。僕、結構強いんですよ?」 「あれはお前が逃げたから疲れて……」 「言い訳はやめてくださいね。そんな見苦しい性格だから恋人も待ってくれなかったんですよ」 「この、言わせておけば好き勝手に!」 トラの発言が逆鱗に触れたのだろう、ニーナは大声を上げて激昂するが、トラは無言でアシガタナを投げ捨てる。ご丁寧に二つは真逆の方向に投げている。 この辺の海域はすぐに深くなっているので、本気で投げれば光も届かない海底に沈んで中々見つけるのは辛いはずだ。 「あー!! 私の獲物が!!!」 「もう、無茶言わんでくださいなー! 男なんてそんなもんです。きちんと捕まえておかなかったあなたも悪いんですからねー!!!」 トラは良く通る声で、海中を急いで行くニーナへとアドバイスをする。それを彼女が聞いていたかどうかは定かではないが。 「……全く、迷惑な人だなぁ。ちょっとジオさんに相談しておくか」 翌日。 「貴様、告げ口とは男らしくないぞ!」 「別に僕、男らしさとか自分に求めていませんし」 結局、トラがジオに相談したことで、ニーナは次トラブルを起こしたら群れから追放という通告を受けて、激昂している。 「お前はそうやって言い訳ばっかりだ」 「貴方はそうやって突っかかってばかりですね」 ニーナが何を言おうと、トラはニーナの言葉を笑って受け流す。 「お前、闘争心はないのか!?」 「いえー、最低限の狩りと自衛が出来れば、無理に自分から挑む必要はないかなーって。それより、これ以上僕に突っかかってくるようならば、ジオさん呼んじゃいますよー」 トラも、これ以上構っていられないのでそんな安っぽい脅し文句をするが、ニーナはまだきちんと子を為すことが出来たかもわかっていないため、強い子を宿すためにも、発情期が終わり、懐胎を確認できるまではジオと交わる必要がある。 「くっ……お前は運が良かったな」 「もう、またアシガタナ奪って捨てますよ? それか、ジオにもう一度言ってもいいですし……」 「卑怯者め!」 「はいはい」 魔法の言葉を手に入れたトラは、今度突っかかってきたら問答無用でジオに言ってしまおうかと考えていた。 その後、ジオは雌との交尾を終えた後、休憩のために一人たたずんでいたところを、トラに話しかけられる。トラは黙ってジオの隣に座り、体を寄せる。岩場で二人、腹ばいになると、トラはジオの手を握って昼間またもやニーナに襲われたことを話し出す。 「とまぁ、こんなことがありまして」 「ニーナの奴、トラブルメーカーだなぁ……」 トラから聞かされた顛末に、ジオは頭痛の種が増えた気分だ。 「でも、ニーナのは極端にしても、こんなもんです。僕は昔っから雄が好きな性分のせいで男からも女からも馬鹿にされて、だから僕は誰にも負けないようにと鍛えたんですけれどね。 あいにく、僕なんかより強い奴は、ジオさん含めていくらでもいましたが、そういう強い方ほど、僕のような者にも寛容でしてね。とはいえ、雌に恵まれた方は、男の僕に価値を見出してくれる物好きはいませんでした。ジオさんはようやく見つけたそういう物好きですよ」 「そりゃ、その男達がお前の価値を分かっていないだけだ。もったいないな」 トラの愚痴にジオが励ますと、トラは嬉しそうにはにかんだ。 「僕の価値とか、そう言ってくれるのもあなただけですよ。まぁ、でも……あれです。僕のように、普通とは違う生き方を否定する奴って、結局は自分の人生が不満だから、他の誰かが幸福でいるのが許せないだけなんです。それで、ジオさんみたいな分かりやすく強くて、分かりやすく完璧に近い人は叩けないから、叩きやすい僕みたいな……普通じゃない、少数派を叩こうとするんです。 例えばそれは、『軟弱者』、『情けない』、『落ちこぼれの雄の、さらに落ちこぼれた腐った奴』、『出来損ない』、『子供を残すことも出来ない失敗作』、『生まれてきたのが間違い』、そんな風に、僕を罵倒する言葉はいくらでも浮かんできますが、ジオさんを罵倒する言葉ってそうそう思い浮かばないでしょ?」 「確かに、俺を罵倒する言葉は聞かねーな……なるほど。だけれど、他人をこき降ろすよりも、自分が頑張って幸福になったほうがいいのになぁ。トラを馬鹿にしたところで自分が幸福になれるわけでもあるまいに、無駄なことをする奴らだ」 トラの言葉に、ジオは不思議そうに首をかしげる。 「自分が頑張ることを出来ない奴が意外と多いのですよ。僕を格下だと思って偉そうにこき使う奴も、自分に不満があるから誰かを見下したかったんです。そして、僕を馬鹿にする奴も、誰かを見下したいんです。けれど、ジオさんみたいになるために、努力することが出来ないヘタレなんですよ。 この前も、ここで泳いで餌を狩ってたら、そうやって馬鹿にする奴に出くわしましたし」 トラはジオという気の置けない相手を得て、饒舌に愚痴を語る。 「ダサい奴らだな」 「ええ、一発大声で黙らせてやりましたとも」 ジオに相槌を打たれて、トラは得意げに言ってたまった鬱憤を吐き出した。 「そんな扱いばっかりで辛くなかったのか?」 「そりゃー、辛かったですよ? 僕はそういうのが嫌なので、馬鹿にして叩いてくる奴を叩き返せるだけの強さが欲しくって、鍛えてきました。僕みたいなはぐれ者や物好きは、強くないと生きていけないんです。辛い生き方ですよ、本当。 今の強さなら、ジオさんほどじゃあないですが、何人もの雌を囲うくらいはできますけれど、その強さも馬鹿にされなければ身に付かなかったでしょうねぇ」 「ふむ……弱い奴の気持ちは俺にはわからんが、俺はお前の事が嫌いじゃないからな。もしも辛いんなら、守ってやってもいいぞ?」 ジオがなんの気なしに放った言葉で、トラは表情を変える。 「おやぁ、そこまで僕を気に入ってくれているんですかぁ?」 ジオはその表情の変化を見ることは出来なかったが、声色は若干上ずっていて、注意深く聞いていれば嬉しそうにしていることが分かったろう。 「あぁ、お前は発情期が終わっても俺と一緒に居てくれるんだろ? それでまぁ、俺といろいろ楽しんでくれるなら……その辺の代わりがいくらでもいる雌よりか、代わりの利かないお前の方がよっぽどいい」 「ありがとうございます。でも、頼りすぎないように、自分で自分の身を守れるように頑張りますよ」 「そうか。頑張れよ」 ジオはそう言ってトラに肩を寄せ、その勢いのまま口付けをする。不器用なキスであったがジオから積極的になってくれるのが嬉しくて、トラは思わず顔がほころんだ。 そのままトラは手で体制を変えて、正面に向かい合ってジオを見る。 「これから、もう一回できます?」 「うーん……雌の相手が疲れて休んでいたんだが……まぁ、たまにはお前も相手にしないとな」 「お願いします」 言うなり、トラは先に海の中に飛び込んで、水面から顔を出してジオを誘導する。 「ちょっとこっちに来てください」 「どうした? どこか行きたい場所でもあるのか?」 「行きたい場所というか、使いたいものがあるんですけれどね」 ついて来ればわかるとばかりにトラは先導する。ジオは彼の後をつかず離れずついてゆく。そうしてたどり着いた場所は、赤紫色の海藻が生えた場所。 「これこれ、これが欲しかったんです」 「なんだこれ、美味いのか?」 「いや、食べても美味しくないですよ。これですね、口の中で噛み砕くとヌルヌルする液体が出て来てですね。これを使いたいんです」 「へぇ……」 ジオはおもむろに海藻を口に含むトラを見る。トラは口の中でドロドロになるまで海藻を噛み砕くと、それを腹にある排出孔へと擦り込んでいく。 「今日はですね、以前よりも僕を雌として扱って欲しくって」 「具体的にはどうするんだ?」 「ぼくの中に、ジオさんのおちんちんを入れて欲しいんです」 「んー……入れる穴が無いんじゃないか?」 ジオが何も考えずに口走ると、トラはそんな彼をくすくすと笑う。 「ま、そうなりますよね。お尻の穴に入れるんですよ。こうやって」 言いながらトラは自身の肛門を粘液まみれの手で弄り始めた。 「……痛くない?」 「はじめはそうでしたよ。最初はもう、雌のようになりたい一心で、痛みに耐えながら、歯を食いしばりながらやっていましたけれど、この海藻を見つけてからは、ちょっとずつ気持ち良くなれるようになったんですよ。この海藻、この海域にも生えていてよかったです」 「そんな場所に入れられて気持ち良くなるんだなぁ……よくまぁ、そんなの発見するもんだ」 ジオは彼のヌメついた腹を見る。雌が発情した時よりもよっぽどはっきりと見える粘液は、相手が男だと分かっていても何故だか興奮する。トラはジオに見せびらかすように腹を突き出しており、縦に割れた穴からペニスが飛び出していても、気にすることなくそのまま肛門を指でほぐしていく。 あまり使いこんでいないペニスは綺麗な桃色。その張り詰め方はトラの興奮具合が手に取るようにわかるくらいにパンパンだ。 「えぇ、最初はもう諦めたいと思っていましたけれど、続けてみるもんです。ただ気持ち良かっただけでもうれしいですけれど、こうしてあなたに喜んでもらうことも出来ると思うと頑張った甲斐もあったというもので。さぁ、私の方は準備も大丈夫ですが……貴方も問題なさそうですね」 「あぁ……割と行けそうだ。男も悪くないな」 見れば、話している間にジオのペニスもいきり立っている。使いこまれたジオのペニスはトラのものとは違う赤黒い色。今まで雄を見てこうなることは皆無だったが、それは機会がなかっただけだ。トラのような存在を目の前にすれば、本来の役目とは違う状況でも準備が整うのは難しいことじゃない。 「じゃあ、いれますね。はじめてでしょうし、僕がリードします」 「頼む」 雌のそれとは明らかに違う穴に入れるのだ、異種のポケモンに挿入するときもドキドキしたが、今回はそれ以上に好奇心が湧く。トラがジオの下腹部にあるペニスを掴んで自身の肛門に導くと、ジオの腹に触れるトラのペニス。胴体を柔らかな感触押し返すのが、雌には決してありえない感覚で面白い。 肝心の自身のペニスはと言えば、トラの中に飲み込まれて温かい。その穴が本来どんな用途に使われているかはあまり考えなようにしていれば、割ときつめの締め付けが心地よい。主に横から挟み込むような締め付けの雌と違って、全方向からまんべんなく締め付けられるような感触もまた一味違う。 そんな雄の感触を楽しんでいると、トラは腹に来る感触で砕けかけた笑みを浮かべながらジオの体を抱きしめる。密着することで当然ジオの体にもペニスが押し当てられる。 もはやジオはそれに不快感などなく、それどころか愉悦さえ感じていた。トラが楽しんでくれているのが分かる、気持ち良くなっているのが分かる。それが嬉しく感じる程度には、トラの事を愛おしく思うようになっていた。 「ジオさん、楽しんで、ます?」 「あぁ、お前こそどうなんだ?」 「もちろんですよぉ。僕は、こうやって…………積極的に僕と絡んでくれる方を、初めて見つけて、嬉しくって……興奮しちゃってますから」 「そうか。あぁ、俺もお前みたいなのは初めてだよ。なんだかんだ自分本位な雌と違って、お前は俺と一緒に楽しむことを目的にしているからな……」 二人は海中で揺さぶり合いながら愛の言葉を重ね合わせていく。動き続けている事や、腹を小突かれているのもあってトラはとぎれとぎれに、ジオは彼の事を気遣いながらゆっくりと語り合う。 どちらも話すことがなくなったら、激しい動きの最中で視線を揺らしながらのたどたどしい口付けをして、上半身も下半身も、心も一緒に繋がることで興奮を高めた。そうなればもう、あとやることは射精することだけだ。 口付けをしたまま、相手の口内をむさぼり続けて二人は絶頂へと上り詰めようと一心不乱に腰を動かした。先に達したのはジオで、彼はトラの中に滑り込ませたペニスがトラに導かれるままに射精する。肛門内で放たれた精液は、トラの肛門の中にその感触を確かに残していく。 「あぁ、感じますよ……ジオ」 「そりゃ、どーも……でもお前、気持ちいいのか?」 「えぇ、ちんちんみたく目に見えやすい変化が出ていないだけで……今、最高に気持ちいいです。何なら、僕が射精するところも見せましょうか? 実はもう、出ちゃう寸前で」 「構わないよ。俺の気分が萎えないうちに」 「じゃあ、遠慮なく……」 よっぽど我慢が出来なくなったのか、トラはジオの前で初めて自身のペニスを撫ぜた。ジオのそれとは違う長いヒレは手と呼んでも差支えないもので、それを器用に操りペニスをしごけば、肛門から直腸まで突き抜ける刺激によって昂り、暴発寸前だったペニスはあっけなく決壊する。 解放された精子は、雌の役目をしていたがために長い間ため込まれたもので、量も質もこればっかりはジオより上だ。その派手な射精に、ジオも目を丸くする。 「すげえ出るな……」 いまだ二人は繋がったままだったため、その一部は水中を漂い、ジオの体にかかってしまう。だけれどジオはそんなこと気にせずに、相手も楽しんでくれていたことに安心していた。 「長い事ため込んでいましたからね」 その一発で精魂尽き果てたように、気の抜けた声でトラは言う。へたり込むようにジオに抱き付いたトラの満足げな表情に、ジオは思わず微笑みをこぼしながら海面へと浮上した。二人で深呼吸をして、射精後の倦怠感の余韻に浸りながら向かい合ってほほ笑みあう。 「今日は付き合っていただいてありがとうございます」 「あぁ……だが、今日は本当に疲れたし、もう無理だからな……」 まだまだ余裕のありそうなトラの笑顔に、ジオは苦笑して釘を刺す。分かってますよとトラは笑い、雌の発情期が終わるまではしばらく待つと伝えて、再度の口付けを交わした。 そうして雌たちの発情期が終わると、ジオの周りにはほとんど誰もいなくなる。これが毎年のことだったのだけれど、今は隣にトラが寄り添っている。邪魔者がいなくなってからも、焦る必要はないとばかりにそう頻繁に体を重ね合わせるわけでもなかったが、食料が十分に取れた日は、元気な体を程よく運動させるがごとく、二人交わるのが彼らの日課であった。 いまだに変わり者だなんだと陰口を叩かれることはあったが、それを羨ましいと思う者も少なからずいる。ジオとトラのように堂々と付き合う者こそ少なかったが、その海岸では陰でこそこそと逢引する種族や性別の壁を越えたカップルが、ちらほらと見かけるようになっていた。 そのおかげか、少しずつトラとジオへの風当たりも弱くなっていったのだが、もともと周りの声を気にしていなかったジオとトラは、互いに毛づくろいや子作りの真似事をしながら、ずっと寄り添うようにして過ごしていくのだ。 **あとがき [#V1uvUPv] **あとがき [#AJTx3tu] 新ポケモンのPVを見て、久しぶりに一目ぼれをしたのがこの子、アシレーヌでした。なんかもう、キスは上手そうだし、顔も細身ながら丸みを帯びてかわいらしく、全体的な造形からして好みで、一瞬で交尾したいと思うくらいには惚れたポケモンです。 作者はバイセクシャルなため、雄雌どちらも魅力的に思って、薄い本なんかもアシレーヌの性別がどちらであろうとも購入するほど好きになってしまったので、過去の大会にてヒロインとして登場させましたが、どうせなら逆の性別も欲しいと思い、今回のお話を書きました。 本作を書くにあたって、ジオは特筆することはありませんが、ニーナさんについて少し語りますと、彼女は『同性愛をむやみに反対する誰かさん』の代表的存在であり、ある意味ステレオタイプな人物ですね。 同性愛に対して嫌悪感をもったり、見せつけられると気持ちが悪い……という感情が湧くのは仕方がありませんが、彼女みたいにもっともらしい理由をつけて攻撃するものは(直接攻撃はしないにしても)人間にもたまに見かけられますね。 本作でもトラ君がこぼしていますが、そういう人は現状に不満があったりして、誰かが得をするのが許せないから攻撃していることは勿論、『自分が気に食わないから』という理由を口にせず『子孫を残せないのは悪!』みたいにもっともらしく世間のためを思って発現している風を装ってくるので厄介です。 ただしそういうのは、トラ君みたくのらりくらりと受け流せば問題ありません。何か嫌がらせを受けたら、真っ向からやり返すでも、法に則って粛々と罰を与えるでもいいのですが、そういうことが出来るのは心や体や、頭が強くないと無理なことです。トラ君が割と喧嘩に強いのも、そういった誹謗中傷や、自分を変人だと嘲る者達の声に負けないように鍛えた結果なんです。 この点に関しては現実でも一緒で、周囲の圧力に負けてしまって心を壊されてしまう同性愛者の子もいますから、そうならないように心も体も強く鍛えていってほしいという思惑で、トラとニーナの関係が出来上がりました。 また、肝心の性行為についてですが、チャットルームでの感想会で、ちょっと物足りない、もっと過激なのがいいという意見もあったのですが、このお話は非日常が日常になっていく過程のお話です。そのため、ある程度現実的で、慣れるまでじれったいくらいに時間をかけるくらいがちょうどいいと思うのです。 同性愛というのは、すぐそこに身近にあってもおかしくない、愛の形なのですから、日常的でいいと思うのです。 ・こんな感じの♂が欲しい (2017/06/28(水) 00:47) >こんな感じの♂が欲しい (2017/06/28(水) 00:47) 現実の男の娘もクオリティ高い人はいるよ! ・ホモは至高( ̄▽ ̄) (2017/06/28(水) 00:54) >ホモは至高( ̄▽ ̄) (2017/06/28(水) 00:54) 男同士というのもたまには良い者なのです ・トラくんいいね! (2017/06/29(木) 16:37) >トラくんいいね! (2017/06/29(木) 16:37) 島キングからこんな子を貰いたいです ・雄もいいねぇ (2017/07/02(日) 11:18) >雄もいいねぇ (2017/07/02(日) 11:18) どちらの性別でもイケてこそのポケモントレーナーです ・アシレーヌは雄雌問わずえっちですね (2017/07/02(日) 19:28) >アシレーヌは雄雌問わずえっちですね (2017/07/02(日) 19:28) 否、すべてのポケモンは生きるためにエロいのです ・男の娘いいです! (2017/07/02(日) 22:35) >男の娘いいです! (2017/07/02(日) 22:35) 可愛さと、男が持つ性欲への素直さを兼ね備えた存在だと思います!(なお現実の男の娘はホルモンの関係で性欲が消える模様) ・普段傲慢な態度を見せるポケが想いポケの前で優しくなったりデレるのはやはりいいですねぇ… (2017/07/03(月) 20:01) >普段傲慢な態度を見せるポケが想いポケの前で優しくなったりデレるのはやはりいいですねぇ… (2017/07/03(月) 20:01) ジオは傲慢なのではなく、余裕すぎるだけであって気は優しく力持ちという言葉を体現したような存在なのですよ。だからこそトラ君も惹かれるんです。 ・このガラスの仮面ぶり投票します。 >このガラスの仮面ぶり投票します。 ♂♂ですが描写が良かったと思います。 (2017/07/04(火) 18:55) 擦りガラスかな? 雄同士でも愛があれば大丈夫ですね。 ・余裕のある態度のジオに惚れた。 (2017/07/04(火) 20:51) >余裕のある態度のジオに惚れた。 (2017/07/04(火) 20:51) 強者は焦らないのです ・アシレーヌが男の娘になるのは宿命なのでしょうか……w (2017/07/04(火) 22:21) >アシレーヌが男の娘になるのは宿命なのでしょうか……w (2017/07/04(火) 22:21) 男の娘以外にも美青年キャラでも行けると思うのですよ ***コメント [#CPaKci6] ***コメント [#y75DcZk] #pcomment(,,below);