ポケモン小説wiki
闇夜の密会 の変更点


[[てるてる]]
久方ぶりの官能表現を含んだ小説です。
読むのは良いけど書くのがなあ。
官能シーンへの入り方が乱暴すぎる感がしてなりません。
そもそも自分は官能に向いてないのでは?
それを改善できるくらいの力量があればなあ、と思う今日ころごろです。


&color(red){この小説は男性同士の同性愛を主題にしております。};
&color(red){苦手な方はご観覧をお控えください。};

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大きさ、光、色のどれもが違う星たちの乱雑とした姿は、月と並んで無上の灯火であり、青白い光で闇を乱している。
風一つない、不気味なほど静まりかえった木々の沈黙が黒い湖面をひとたび凪げば、夜空を鏡のように映し出した。
太古より鎮座ましましている湖は、すべてを見ている。
小さな苗木が大きな大木へと成長していく姿と、それにつられるようにして集まってきたポケモンたち一人一人の幸せそうな表情。
夏の暑い日差しの中では楽しみを求めて湖水を引っ掻き回し、冬の寒さの中では凍った湖面を恐る恐るなで回した。
長いこと雨が降らないこともあった。
乾き、ひび割れた湖底は悲劇を知らない森の全体に影響した。
水を求めてやってきたポケモンの絶望に満ちた顔を、湖は今でも覚えている。
もと来た道を引き返していくポケモンもいれば、その場に崩れ落ちてしまうポケモンもいた。
死を目前に控えた彼らは、遠い記憶の中に昔の至福の時を探しに行くように眠りについていった。
太古より鎮座ましましている湖は、すべてを見ている。
交流の場でもある水辺は、惹き付けられた者同士の逢い引きの場所でもあった。
誰にも知られないためにと夜更けのころに巡り会い、じゃれ合い、そして確かめ合う。
愛し合うというのは生を持った者の誇るべき財産だが、境界線を引き、その内と外である特定の条件をもってして別けたとしたら話は違ってくる。
賞賛すべき正しき愛と、批判すべき間違った愛だ。
子孫を残し、未来への足がかりを作るめ一つになるのではなく、ただ己の愛情のまま一つになる行為だ。
太古より鎮座ましましている湖は、すべてを見ている。
正しき愛と間違った愛。
前者が大半を占めるが、後者もいることを忘れてはならない。
今日は面白くなりそうだと、そよ風に吹かれてなびく湖面の織りなす波紋はそう思っているかのように、映る夜空の星を静かに乱した。

** [#l065e8a0]

生い茂った木々のあいだから輝く星々を眺め、口を一文字に結んで無言のまま歩を進めるポケモンが一匹。
猫科を思わせるすらりとした体躯と純白の体毛の下に秘めた力強い筋肉は、あらゆる状況においてたぐいまれな能力を引き出してくれる。
黒い毛に縁取られた耳、筋肉質で大きな顎と、薄明かりの中で光りを反射する鋭い瞳と額の情熱に燃える赤い宝石。
背の高い茂みを飛び越えた先に広がるのは、この森に住んでいる者なら誰もが知っている大きな湖だ。
春の陽気に晒された草花の残り香がうっすらと漂う、凛とした雰囲気を帯びた水面に浮かぶものはない。
夜露に濡れた草の絨毯に腰を下ろす若いペルシアン。
頬の神経へ直接繋がる太いひげをピンと張り、辺りを探る。
 これからすることを誰かに見られるわけにはいかない。
一人きりで生きる自分はまだしも、群れで生きるあの子にはつらいことだろう。
視覚、聴覚、嗅覚を駆使しきょろきょろとせわしなく首を動かす。
頭上で、何かが幹をこする音が聞こえた。
慌てて顔を上げた彼の背中に向かってオレンジ色をしたポケモンが、飛び降りてきた。
突然の重圧に耐えられなくなったペルシアンはそのまま地に伏せてしまう。
冷たい夜露の感触に不快感をあらわにする。
そんな彼の耳に、あどけない笑い声が届いた。
「驚いた?」
幼げな容姿のガーディは、倒れたペルシアンの後頭部に自らの顔を擦りつける。
胸元のふさふさとしたクリーム色の体毛のこそばゆい感触に、彼は顔をゆるめた。
「こーら、いたずらっ子め。早く降りるんだ」
普段のペルシアンを知っている者なら、今の優しげな声に目を丸くしただろう。
いつもの人を寄せ付けない、冷淡で無愛想な彼の姿はどこにもなかったのだから。
ただ目の前のいとおしい存在に対しての思いやりに溢れていた。
それを知っているガーディは、いやいやと首を振りながら彼の背中に抱きついた。
ぎゅっと掴んだ手足に力を込めてはいるものの、所詮は子供の力だ。
ペルシアンがちょっと身体を斜めに傾けると、いたずらっ子は簡単に転がり落ちた。
夜露に濡れた草を背に、仰向けに倒れ込んだガーディはすぐに起き上がろうとはせず、夜空を見上げる。
「綺麗だね」
黒く、いとけないその目は湖面同様、空の星々を映していた。
「そうだな」
彼のつぶやきに同意したペルシアンだったが、視線は上を向いておらず、真っ直ぐガーディに注がれていた。
幼げな丸っこい体つきに見合った大きな目。
頭と胸元と尻尾のふさふさとした毛はとても清純な色をしていて、黒いラインの入ったオレンジ色の短い体毛によく映えていた。
無意識のうちに、ペルシアンの心臓の鼓動が早まる。
彼がそれに気づいたころには、不足した酸素を求めて荒い呼吸を繰り返していた。
「本当に、綺麗だよ」
悪い熱病にかかったように、うっとりとした口調を彼は何とか吐き出した。
ガーディは視線を年上のペルシアンに転じる。
絡み合う二つの眼差し。
にっこりとほほえみ、起き上がると、石像のように固まってしまったペルシアンの鼻に、自らの鼻を背伸びをしてくっつける。
互いの荒く熱い吐息が混ざり合う。
「また夢を見させてほしいな」
鼻を離したガーディの声は、先ほどのペルシアンに負けず劣らず、うっとりとしていて熱を含んでいた。
ぺたんと伏せられた耳に愛らしさを感じる。
彼は身をかがめ、ガーディのと同じ目線になる。
もう一度、鼻と鼻をくっつけ合う。
ただし今度はガーディからではなく、ペルシアンからだ。
冷たく濡れた鼻先は、互いの求めているものを伝えあった。
一つになりたい、と。
本来は異性とのあいだで起こる感情であるという常識は、二人の前では役に立たない。
背徳の罪悪感は高まりゆく感情を前にして少しずつ霧散していく。
「良いとも」
興奮に頬が赤く染まる。
股間の分身に、熱がこもるのを彼は感じた。
「夢を見よう」
言うが早いが、ペルシアンはガーディの顔を横に傾け、彼の口に舌を押し付ける。
少年は目をつぶると抵抗の欠片も見せず、受け入れた。
猫科のポケモン特有のざらざらとした舌が火傷してしまいそうなほど熱を帯びた口腔をくまなくなぞる。
ガーディの小さな舌も、負けじとペルシアンの中に進入する。
十分すぎるほどに長い時間をかけてお互いの歯を舐めあい、双方の口内が犯されていく。
口を離すと、夜空の明かりの中で青みがかった透明な橋ができあがった。
ペルシアンはそれを片手で振り払うと、とろけきった表情をしたガーディをまじまじと見つめた。
両頬を赤く染め、ぎゅっと目をつぶり、荒い息を吐くその姿は、ちゃんとにおいを嗅がない限り女の子としか思えないだろう。
実際、年齢的にも成長しきっていないその未熟な肢体は、男女の差をほとんどかもし出していない。
 ペルシアンとガーディが初めて出会ったのは、ほとんど偶然によるものだった。
数ヶ月前に起こった連日連夜の大雨で地盤の緩んだ崖が崩れ落ちた事件で、真下にいたガーディが生き埋めになりかけた。
ちょうどその場に居合わせたペルシアンが、腰が抜けて身動きがとれなくなっていたガーディを咥え、大量の土砂が覆い被さる前に崖下の洞穴に逃げ込んだのだ。
結果、水を含んだ土砂が入り口を覆い、閉じこめられてしまった。
ガーディの親たちが土砂を取り除き、外に出られるようになるまでの四日間は暗闇の中では永遠に感じられた。
その間、二人は足下に溜まった水の凍てつくような寒さと、空腹を互いに励まし合うことで乗り切ったのだ。
助けられたあと、ペルシアンとガーディの交流はおおやけの上ではなくなったが、事実の上ではそのあとも度々出会っていた。
その時は、他愛のない世間話などのおしゃべりが主であったが、回数を重ねるごとに変化していった。
ガーディの命の恩人に会うという行為は、その趣旨のもとで愛する人へ会う行為へとすり替わった。
ペルシアン自身は、同性との恋愛に最初こそ躊躇したが、共に危機を乗り越えた者の望みを拒むことが出来ず、相手の望みをかなえてやっている内に、彼自身もまた、ガーディを求めるようになっていた。
危険な状況下で生まれた関係は、そのまま愛へと進化したのだ。
「ねえ、まだあ」
ガーディの物足りなさげに揺れるか細い声が、ペルシアンの意識を現実に戻した。
涙ぐんだ上にとろんとしたその目は、次の行為を待を待ちわびているかのように揺れる。
すまん、と心の中で謝ると、彼は少年の身体をそっと横ざま倒にした。
抵抗感なく寝ころんだ。
横たわる目の前の情人の一方の後肢を持ち上げると、柔らかい毛に覆われた腹と尻尾のあいだに小さな突起が見えた。
にょっきりと顔を出した赤身は、産毛に覆われた毛皮の筒を中頃まで引き下ろしている。
そのすぐ下では、申し訳程度に膨らんだ毛玉が二つ、先端からの透明な粘液に濡れていた。
ペルシアンは片手をガーディの分身の上にかざすと、毛皮の衣を全て下ろした。
根本まで外気に晒されたピンク色の棒が歓喜するかのように小さく震えた。
幼い性器には汚れの一片もなく、においもない。
親から清潔に保つよう言われているか、よく自分で弄り回しているかのどちらかだろう。
ペルシアンは、ゆっくりと口を近づける。
湿気を含んだ息づかいが、硬く熱を帯びた若芽に降りかかる。
薄く平べったい彼の舌が触れるか触れないかのところで、彼は動きを止め、ガーディの顔を見上げる。
これから流れ込んで来るであろう荒波のような強い快感に備えて少年は目を閉じ、歯を食いしばっていた。
引き結んだ口の端から小さな犬歯が顔を覗かせている。
ほどなくして、いつまでも襲ってこない快楽を不審に思ったガーディが目を開け、ペルシアンの方へ転じる。
彼の視線に捉えられたペルシアンは、にやりと笑ってみせた。
「そんなに舐めてほしいのか?」
という冷やかしを含んだ問いかけに、ガーディは興奮して赤色の浮かんだ頬をさらに紅潮させる。
ふんと鼻を鳴らすと顔をそらした。
「そんなことないもん」
顔は明後日の方向を向いてはいたが、くりくりとした可愛らしい目だけは、様子をうかがうようにしきりにペルシアンのほうを向いていた。
ペルシアンは小さく首を振るとそっぽを向いた少年の脇の辺りに前足を置き、首筋に舌を這わせる。
ぞわりとした感覚に、ガーディは震え混じりの声を上げた。
ペルシアンはその可憐な響きを味わうように、いったん口を離した。
「お子様はお子様らしく、もっと素直になれ。自分の気持ちに正直に、だ」
彼の舌は体毛を濡らし、めちゃくちゃにかき乱しながら首筋から胸へと下っていった。
そのまま下腹部へと縦断するあいだも、少年は物足りないほどに微弱な快感に息を弾ませ、不満そうに成り行きを見守る。
あと少し進めばガーディの望む位置に舌が到達するというのに、彼はまた行為を中断し、まっすぐにガーディを見つめなおした。
確認し合うようにうなずきあったあと、ペルシアンはガーディの期待に濡れそぼった分身を咥えた。
唾液とは違う、粘度の高い液体が舌に絡みつく。
彼は表面からそのとろりとした粘液を取り去るようにして舌を動かす。
舌上の味蕾のざらざらとした感触に、最初こそ痛みを感じて顔をしかめていたガーディだったが、しだいに追いついてきた快感が痛みを上回り、喘ぎ声を漏らすようになった。
熱を帯びた赤身をなぞり上げるたび、全身がしゃっくりをするように四肢が跳ね上がる。
先端から止めどなく染み出す液は、さながら快感に対しての喜びの涙のようであった。
這わせた舌を先端から根本へ、裏から表へと移動させると、それだけの反応をガーディは返した。
彼の小さな身体では対応できないほどに強い快感の途切れることのない波を受け流そうと、媚声に合わせて前足が虚空で揺れる。
幼いながらも男として本能か、舐められているだけだった赤く焼けた矛を雌の割れ目に出し入れさせるがごとく、ペルシアンの口内を犯そうとばかりに彼は無意識のうちに腰を振っていた。
いつのまにかガーディの四肢に頭を抱きかかえられるようにして押し付けられる肉棒を、彼は不平一つ言わずに出来る限りの快感を与える。
これのお返しは、あとでたっぷりと時間をかけてやればいい。
少年のだらしなく開いた口からよだれが伝い、首筋辺りで涙の筋と合流する。
悲鳴ともとれる喘ぎの声は、波一つない漆黒の湖面を伝い、眠りに落ちた森に広がる。
静かな環境の中では甲高い音は恐ろしいほどよく届く。
ふいにその甘い音色が止んだ。
ペルシアンの放った根本から先端までの一舐めが、彼を絶頂へ誘ったのだ。
汚れのない色をした白い子種は、痙攣的に揺れる生殖器の先端から吹き出す。
かすれた声で、何かをうわごとのように口にする少年のガーディ。
勢いのある精液はペルシアンの口内を満たしていく。
脱力したように、持ち上げていた頭をかくんと後ろに倒し、緑の絨毯に横になるガーディ。
射精した時に突っ張った腕に引っかかれ、血のにじんだ頬を気にしながらペルシアンは口の中に溜まったねばつく精液を吐き出す。
草の上へ落ちた樹液のようにどろどろした精液は、それだけ濃度が非常に濃いことを物語っていた。
仰向けのままぼうっと宙を見上げるガーディの性器は、力なくうなだれている。
精液と唾液の混合液に覆われたされたそれは、月の光をぬるぬると反射していた。
射精による疲労感と、そもそも子供が起きているような時間ではないことが相まって、いささか呼吸の落ち着いてきたガーディはうとうとと眠りかかっている。
しばらくは様子を見ていたペルシアンは、起きる気配のない彼の頬をつねり上げる。
弾力のある柔らかい頬を横へ引き延ばされ、閉じられない口であやふやな文句の言葉を言いながら目を開けた。
「寝るな。おれのことを忘れるな」
起き上がり、痛みの残る頬をさすりながらあくびをするガーディにペルシアンは言った。
「気持ちよかったか?」
問いかけに対して頷く少年の素直な態度に、彼は満足げに目を細めた。
「そりゃ良かった。ならおれにも頼む」
言うが早いか、ペルシアンは今しがたのガーディのように寝転がる。
 本来野生で仰向けにという行為は、死に直結する。
柔らかい毛皮の向こうにある内臓を晒すのは、それだけの危険を伴う。
同時に、自分が相手のことを極めて信頼しているということを無言のまま伝える意思表示でもある。
痛々しいほどに張り詰めた雄の証が反り返る勢いで屹立している。
夜の青みを帯びた光は、雄々しい輪郭をきわ立たせた。
興奮に早鐘を打つ心臓の動きに合わせて脈打つそれは、ガーディの視線を釘付けにするには十分だった。
生唾を飲み込むのが、生えそろっていないたてがみ越しにもわかった。
粘り着くような目つきを向けていた彼は、思い出したように頭を振る。
「わかった」
ペルシアンの顔をほとんど見ずに言ったガーディは腰を上げると、何の躊躇もなく肉棒を口に含んだ。
小さな口では、咥えると言うよりも頬張るに近かった。
彼は咥えこんだ赤身を軸にくるりと身体を動かして、仰向けのペルシアンの上に乗っかる。
びっしょりと汗で濡れた体毛が触れ合う。
早鐘を打つ心臓の鼓動を相互に伝える。
ペルシアンの顔の上に、ガーディの綿菓子のように柔らかい尻尾が被さる。
少年の舌が、熱を帯びた表面をなぞる。
小さなそれが最大限の快感を与えようと、忙しく動き回った。
穂先からの粘液と唾液が絡み合い、いやらしい音色をかなでる。
最愛の人からの快感に、喜悦のうめき声が自然と漏れ出た。
声に気づいたガーディは刺激を中断して、肉棒から口を離す。
先走りの液と唾液の混合液が口辺と先端で糸を引く。
はち切れそうなほど堅く尖った肉色の濡れそぼった槍を、じろじろとくまなく視線を動かす。
行為の中断を不満に思ったペルシアンは、文句を言う代わりに身体を揺すった。
振り返ったガーディは、尻尾を振ってペルシアンをなで回す。
「そ、そんなに舐めてほしいの、か?」
咳払いをしてうつむき加減に口を開き、仰向けになったペルシアンの声を真似た低い声で詰まり詰まりに言う。
先ほど焦らした仕返しのつもりなのだろうとかと独りごちたペルシアンは、目の前の尻尾を押しやりながら顔を伏せて見せ、詫びの気持ちを無言のまま伝える。
満足げに微笑んだあと、刺激を再開するガーディ。
硬い木の実をなめ回すかのようにして、根本から先端と隅々までしゃぶる。
ぴちゃぴちゃと水気の多い音は口腔に阻まれていないため、今しがたよりも大きく辺りへ響いた。
次第に強くなっていく快感に、歯を食いしばって耐えるペルシアン。
相手よりも年上だということと猫科特有のプライドが、彼に容易に喘ぎ声を上げさせないでいた。
不規則な呼吸音と声を押し殺すように歯ぎしりをする彼に、ガーディは子供のいたずら心をくすぐられたのか一方の手を根本で揺れる大きな膨らみに手を伸ばす。
ふやけたように柔らかいそこを最初こそ遠慮がちに撫でるだけだったが、それでペルシアンの反応がいつにもまして大きくなったのを知ったあとは、硬い芯の感触がわかるくらいに揉みしだいた。
「気持ちいい?」
口の周りを唾液混じりの粘液で汚したガーディが問う。
応えようと口を開きかけたが、上ずった声を聞かれること恐れてペルシアンは何も言わなかった。
 だがこのまま何も返答らしい返答をしなければ、行為を中断されかれない。
それにガーディを悲しませることになるかもしれない。
前者はまだ良いとして、後者はなんとしても避けたい。
彼はガーディの尻尾を持ち上げ、首を前に曲げてその根本に舌を這わせた。
予想していなかったのであろう刺激にびくんと少年の身体が跳ねる。
ペルシアンが続けて舌で舐めると、ガーディは目の前の逸物を愛撫しつつ声を震わせた。
やめて、と言いたげに彼は腰をくねらすが、喘ぎながらのその振る舞いは誘惑しているようにしか見えない。
入り口付近だけたった舌は次第に内側へと愛撫の範囲を広げる。
異物感からか、性的な快感からか、ざらざらした舌に撫でられるたびにガーディの腰が振れる。
腰が前へ動くごとに、いつの間にか元気を取り戻した幼い穂先がペルシアンの腹に押し付けられ、先走りの液が毛を濡らす。
固く閉ざされてされていた後ろの穴がだいたいほぐれたであろうと判断したペルシアンは舌を離す。
一方の前足を少年のいきり立った象徴に持って行く。
先端から根本、その下の小さな膨らみと先走りの液に指を滑らせながら下降させる。
 舌だけでもじゅうぶんだと彼は思ったが、やはり念には念を入れなければ。
ペルシアンのずんぐりした指が、今まで舌が幅を利かせていた穴に沈み込んだ。
出し入れを繰り返しながら、徐々に奥へ押し込んでいく。
指の反復運動による刺激は排泄にも似た感覚で、ガーディの薄れ消えかけていた羞恥心の火勢を再び強めるには十分だった。
声に出して行為の中断を求めるガーディ。
振り返ったその顔には、ありありと羞恥心の赤が頬に色を付け、不快感に瞳を濡らしていた。
何度も繰り返されるその声がわずかに震えている。
 それはやめようとしないペルシアンに対する恐怖によるものか、普段触られない場所を晒すことによる含しゅうの現れか、これからする行為に対しての期待のためか。
彼は指を動かしながら考えた。
自身に恐怖を感じているのなら、今すぐにでも中断するべきか。
いいやそんなことはない。と首を軽く振っていらない思惟を振り落とす。
ペルシアンは、安心しろと心の中で少年に話しかけると、根本まで挿入した指を腹側へ曲げる。
爪を出してない指先が、腸壁の膨らみを捉えた。
ガーディの口から小さな喘ぎ声が漏れた。
波紋のようにじんわりと広がる快感の波を受け流すため閉じていた目を開けると、ペルシアンの顔を遠慮がちに見つめる。
赤く染め上げた頬に、いつ涙が流れてもおかしくないほどに潤んだ瞳はよく映えていた。
そこに嫌悪の色は浮かんでいなかった。
彼を覆っていた不快感はほとんどなりを潜め、代わりに今までは小さかった感情が幅を利かせていた。
期待感を読み取ったペルシアンは、にやりと歯を見せて笑うと入れたままの指で前立腺をぐにぐにと刺激する。
情けない声を伴ってガーディは腰が抜けたようにへたり込み、次から次へと追い来る快感に喘いだ。
「女々しいやつだな。男じゃなく女に生まれてくれば良かったんじゃないのか」
そんなこと言わないで。と、途切れ途切れに否定の言葉を吐き出すガーディ。
震える四肢のせいで動けないらしく、ペルシアンの下半身の体毛に顔を埋めたままだった。
熱い呼吸と甘い声の湿り気を感じながらペルシアンは指の動きを一旦止める。
「言われたくないんならおれのを舐めてくれよ」
快感が突然ストップしたことに、不満げに腰を振る少年にペルシアンの言葉は一種の条件のように感じられだだろう。
言われるが早いか、ガーディは今だ精を放っていない雄に舌を伸ばす。
浅い水たまりから水を飲むようにして、先端から広がった粘液を舐め取っていく。
久々の快感にじんわりと快感が背骨をさかのぼる。
このまま快感に身を任せておきたいと思ったが、約束は約束だ。
前立腺の上で静止させていた指を円を描くように動かす。
指が膨らみの上を通過するたびガーディが悲鳴に似た声を上げる。
それでも舌を止めないあたりに、ペルシアンは彼の種族が持つ忠実心の強さを改めて思い知らされた。
命じられたことをしっかりとこなし、自分よりも相手を優先する。
はたしてこれからもそれが出来るであろうか。
ペルシアンが指の動きを激しくする。
呼応するようにガーディが喘ぎ声を上げる。
うなだれた頭を持ち上げようとするが、その都度襲い来る快感に阻まれていた。
強い快楽に押し流されたガーディに、身体を震わせて叫ぶ以外の行動は出来なくなっていた。
 もうそろそろだろうか。
ペルシアンは指を引き抜くと、脱力しきったままのガーディを鼻で押す。
 はやく一緒になりたい。
自分勝手とも取れる欲望の渦が腹の中でとぐろを巻いている。
それを我慢できるほどペルシアンは忍耐強くなかった。
ガーディは肩越しにその欲心に囚われた目を振り返った。
純粋な少年の輝きに満ちた瞳には、一片の汚点も見あたらない。
口を開けて舌を出し、荒い呼吸を繰り返すその姿にペルシアンの理性を保つ綱は切れかかる。
「良いか?」
ガーディと同様に荒い息づかいを繰り返す彼の声は、乾いた喉を通したためひどくしわがれていた。
唾を飲み込んで喉を潤す。
肺をそっくり入れ替えられるくらいに大きく深呼吸する。
続きを話そうと開きかけた彼の口を、ガーディのもさもさの尻尾が撫でづけた。
言わなくてもわかる。
と、そう言っているかのように、尻尾の陰からガーディは微笑んだ。
少年はぐったりと力の入らない四肢を無理矢理に奮い立たせた。
艶めかしい音を立てて、汗に混じった先走りの粘液が二人の体毛のあいだに幾多もの透明な糸を紡ぎ上げ、音を立てずに切れていった。
緑の絨毯の上で横ざまに寝ころんだガーディは、股ぐらを見せつけるように尻尾をくねらす。
括約筋で痙攣的にひくつく孔はひどく凄艶で、物欲しげな雰囲気を漂わせている。
それはガーディ自身のしどけなさと相まってペルシアンの理性のたがをゆっくりとゆるめていく。
ペルシアンは起き上り、長いこと仰向けでいたせいでじんわり痛む腰を伸ばす。
横たわったガーディをちゃんと見るため、顔を上げた。
葉の隙間から覗く月の青みを帯びた光に照らされた少年は、だまってペルシアンを見上げている。
ペルシアンはガーディに覆い被さるような位置に移動する。
顔を上げた少年の、熱い吐息が彼の胸にかかる。
徐々にと足を曲げ、腰を下ろしていく。
今だ達していない槍が、濡れそぼった孔の入り口に当たる。
ひっと短い悲鳴を上げて目をつぶったガーディの頭を、ペルシアンの一方の前肢がかき乱す。
「安心しろ」
穏やかな口調を心がけられた優しい声に、ガーディは頷いた。
手を離し、四つ足すべてを地面に下ろすと、ゆっくりと肉棒を沈めにかかった。
肛門は舌や指と比べものにならないほど大きなものを飲み込んでいく。
その際の痛みを手元の草を掴んで苦痛のうめき声を押し殺すガーディ。
じわりじわりと焦れったいほどに長い時間をかけて、ようやく根本まで挿入された。
炎ポケモンの熱い体内に迎え入れられたペルシアンはとろけそうなほどの快感にため息を漏らす。
「入った……ね」
痛みに歯を食いしばりながらも、ガーディは最愛の人と一緒になれたことを再確認するように言った。
ああ、とペルシアンも返事を返すと尾を引く感覚を楽しんだ。
染みこんでくる快感は物理的なものからではなく、大切な者との感情の共有という精神的な繋がりからだった。
しかし、いつまでもそれで満足できように身体は出来ていない。
ペルシアンが欲望のままに動きたいという気持ちを抑制しながら、ガーディを振り返った。
――動いても大丈夫か。
欲と理性の交差した彼の声はえらく聞き取りづらいものに違いなかったが、少年は目を閉じたまま頭を縦に振ってうべなった。
待ってましたとばかりにペルシアンは一旦腰を引く。
粘液質ないやらしい音を立ててぎりぎりまで引き抜くと、また根本まで押し込むという動作を繰り返し行う。
出し入れされる抜き身が、そのたびにガーディの前立腺をえぐるように圧迫する。
最初こそ痛くて痛くてたまらないといった感じであった彼の表情もだんだんと和らぎ、結局は快感に喘ぎ声を上げるのみに徹した。
豪雨のあとのような静かな湖のほとりで混じり合った息と、抜き差しの淫らな音が静かな湖面を伝い響く。
脳を焦がされるような快感に次なる快感を求めて腰を振るペルシアン。
精を吐き出していない肉棒は限界まで張り詰め、解放を待ち望んでいる。
「ガーディ」
上ずった声をなんとか絞り出した。
呼ばなくてもそこにいることはわかっている。
ただ単に返事をしてほしい。実感がほしくてのことだった。
最愛の人と繋がっているという実感がほしくてたまらない。
ガーディは横ざまのまま顔を上げた。
――ペルシアン。
たいへん小さく、聞き取りづらい声だった。
もしかすると聞き間違いだったのではと思わせるほどだった。
しかし、たったそれだけでもペルシアンの興奮をさらにせき立てるには十分だ。
身体の芯がカッと熱くなるのを感じた。
背骨から広がったそれは、外へ出ようと出口を探し回る。
「すまん。も、限界だ」
うめき混じりのかすれ声に、ガーディがもどかしそうな視線を返した。
たとえどんなに快感が強かろうと、前立腺への刺激だけで達することは出来ない。
横ざまに倒されたガーディの下半身の幼い芽が、快感を与えられることを望んでいるかのように透明な先走りを垂れ流し続け立ている。
ねばつく液が、透明な糸を地面とのあいだに紡ぎ上げた。
とろけかけた思考の中で、なんとかペルシアンは彼の射精を手伝うべきだと導き出した。
身体を無理矢理よじって前肢を伸ばせば届くだろうか。
実際に彼が実行に移すより早く、ガーディは行動を始めていた。
ピストン運動で断続的に流れ込む快感に突っ張った身体を徐々にずらしていく。
毛づくろいの要領で背中を丸めると、彼は自らの口で快楽を待つ分身を咥えた。
ペルシアンのうめきと抜き差しする肉の棒の音に加えて、ガーディの舌の水音と喘ぎが被さった。
少年の舌が表面をなぞるたびに、太い槍をくわえ込んだ括約筋が呼応するかのように締まる。
変則的なその刺激に耐えきれなかったペルシアンは、開きっぱなしの口から初めて喘ぎ声を漏らした。
夜に瞬く星よりも明るく、月よりも強い光が視界にちらつく。
溜に溜めていた熱が一気に下半身に集中するのがわかった。
最後の追い込みに、ペルシアンは肉棒を全て引き抜くと、一気に奥深く突き刺した。
堅く尖った先端が前立腺に食い込んだ。
早鐘を打つ心臓が二回ほど律動したあと、これまで以上の快感の荒波が神経を伝い、背骨から脳へと轟いた。
吹き上がる間欠泉のような快楽に、二人の身が震える。
二重の喘ぎ声が木霊した。
ペルシアンの穂先から飛び出した精液は瞬く間に腸を満たしていく。
遅れて絶頂に達したガーディは、悲鳴じみた喘ぎ声を上げ肉棒から口を離した。
脈動しながら放たれた自らの精液で、少年の顔が白く染まった。
感覚的には長く、時間的には短い射精の終わった二人は、強い開放感と倦怠感に意識を手放しそうになる。
ふとペルシアンが下に視線を向けた。
自分の肉棒で顔を白く塗りたくられたガーディが上気した頬を撫でながら顔を上げた。
繋がりあった二人の視線が、熱く重なり合った。
ペルシアンはガーディから肉棒を引き抜く。
精液まみれになった分身とガーディの孔を見比べる。
「気持ちよかったか?」
倒れたまま顔を動かさず、耳だけをこちらに向けていたガーディはその問いに対して、大きくかぶりを振った。
「うん」
元気の良いその声には、まだ幼さが残っていた。

** [#u1937bfa]

湖に浸かったペルシアンは、体毛をかき分けて染みこんでくる水の不快な感触に身震いした。
水を浴びること自体抵抗感があったが、それ以上にあの土砂崩れの冷たい四日間を思い出しそうで怖いのだ。
身体中に付着した、二人分の混じり合った体液がゆっくりと水中に剥離していく。
薄い半透明の帯のようなそれは、彼を中心に伸びていき暗い湖に霧散していく。
ペルシアンは顔を上げ、浅い部分にぎこちなく佇んでいるガーディに顎をしゃくった。
「入らないのか。毛づくろい位じゃそれは落ちないぞ」
うん、と曖昧な返事を返したガーディはペルシアンのいる深みと自分のいる浅い部分の境界を見つめた。
上から見ればほとんど気づかないが、近くで見るとその湖は岸から数歩分行くと急に落ちくぼんでいるのだ。
浅いからと言って安心して歩こうものなら、落とし穴のような深場に足を滑らせて全身ずぶ濡れになってしまう。
ペルシアンは今、その深みの斜面に腰を下ろしていた。
そのため、二人の目線の高さは同じだった。
顔にこびり付いた精液がよく見える。
どうした? と一方の手をガーディに伸ばす。
水の滴る前肢を見て、少年はいやいやと首を振った。
炎ポケモンに水を浴びろというのは酷だ。
しかし、だからといってこのまま帰らせればどうなるか火を見なくてもわかる。
ぼさぼさに乱れきった体毛は、水に浸かっている四肢の関節から先以外、互いの体液で汚れている。
独特の生ぐさいにおいもあった。
群れに戻れば、たちまち鼻を突く臭気についてとがめられることになるだろう。
ため息交じりに腕を引っ込めたペルシアンは深場から這い上がると、ガーディのうなじの毛皮を傷つかない程度に噛み付いて引っ張った。
腕を突っ張ってガーディは必死の抵抗を試みてはいるが、細かい泥を巻き上げるだけで何の効果もなかった。
深みまで引き込んだところでペルシアンは口を離した。
あっ、と短い悲鳴と共にガーディの姿が水の中に消える。
すぐに少年は顔を出し、荒い呼吸を繰り返しながらペルシアンにしがみついた。
水を含み、肌に張り付いた体毛で彼の姿は恐ろしく貧相だった。
ペルシアンが笑うと、ガーディはむっとした表情で睨め付けた。
「我慢しろ。ばれたりしたら大変だろ、嫌なことはちょっとだけだ」
そう言って、ペルシアンはまた少年を頭まで沈め、全身を撫でくり回した。
ぱりぱりにこびり付いた跡が、ふやけて次々に剥がれ落ちていく。
彼の手を振り解いて再び水面に浮かび上がったガーディは、後肢でペルシアンの身体を挟み込み、頬のヒゲに伸ばされた前肢を思い切り横に引いた。
痛みに自然と口が開く。
抗議の悲鳴を上げるが、ガーディは手を離さない。
「沈めるんならそう言ってくれたって良いじゃんか」
手をヒゲから離し、浅瀬へ駆け上がった少年は、身体を振って水分を飛ばしながら言った。
「言ったら素直に沈めさせてくれたか?」
頬に残る痛みの余韻にじんわりと熱を感じながら、ペルシアンは少年にあとに続いた。
「綺麗になったじゃないか」
びしょびしょに濡れているとはいえ、精液や唾液の落ちた姿は無垢そのもので、もとのけがれのない少年に戻っている。
先の行為での彼とは全く違うガーディがそこにいた。
純粋な可憐を前にしてペルシアンは内心、なぜ自分が行為に及んでしまったのか自身をとがめた。
冷静さを取り戻した彼はふつふつとわき上がる背徳の罪悪感をかみしめる。
何をどう追求しても、自分自身が墜ちに墜ちたとしか答えはでない。
たとえそれが最初に相手から求められたとしてもだ。
どこまでおれは最低なやつなんだ。
「ペルシアンこそ」
岸に上がり、振り返ったガーディの質問にペルシアンの意識は現実に連れ戻された。
ああ、とうめきに似た不確かな返答を送ると、背中の毛づくろいに手こずっている少年の背中に舌を這わせる。
感謝の言葉を背中越しに伝えたガーディは身をかがめ、腹の毛づくろいを進めた。
ペルシアンのざらざらとした舌は的確に背中の水をかすめ取り、乱れた毛を整えていく。
「ねえ」
唐突な呼びかけに、彼は舌を止め顔を上げる。
体温が高いこともあってか、毛づくろいをしていない部分をあらかた乾いていた。
「このまま一緒にいられたらなあ」
ガーディの言葉にペルシアンは視界が揺らぐのを感じた。
無意識に振られるゴムのようにしなる尻尾が、地面をさする。
「悪いがそれは無理な相談だ」
喉を締め付けられたような痛みの中、感情を押し殺した平板な言い方を心がける。
そうしていなければ、彼の声は震えていただろう。
「なんで?」
身体ごとペルシアンに向いた少年の問いは、たとえそんなつもりはないにしろ、ペルシアンに追い打ちをかけた。
吐き気に似た感覚が喉をつつく。
うつむいたペルシアンの頭のを中を禁忌という言葉が右往左往する。
許されない行為ということは言うまでもなく心得ていた。
説明しようと口を開くが、その事実を認めてしまうのに恐怖を感じてしまい言葉が出ない。
かすれたうめきのような声に、ガーディは首をかしげた。
かわいらしいその仕草は、痛ましいほどペルシアンに突き刺さった。
普通のあどけない少年の姿。
それを先ほどのように狂わせてしまった自分に憎らしさを感じた。
ペルシアンはうなだれていた頭を上げ、真っ直ぐにガーディの瞳を望んだ。
「わかってくれ」
――わかってくれ。
念仏のように何度も繰り返しながら、ペルシアンはガーディに半ばもたれ掛かるように自らの頬を押し付けた。
まだ濡れたままの頬の感触に、ガーディは眉をひそめた。
不平そうに喉を鳴らす少年に気づいたペルシアンは顔を離し、濡れてしまったガーディの頬を前肢でさする。
「夢から覚めたら、おれが目の前にいてはならないんだ」
つかのま、ガーディの瞳が揺らいだ。
いつもの冷静なペルシアンの姿を探し求めるように、上から下まで視線を動かしていく。
視線が再びペルシアンとかみ合う。にっこりと微笑むと一方の前足が、彼の頬に乗せた手に重ねられた。
じんわりと温かみが伝わる。
「夢から覚めても、また夢の中なら良いのにね」
手を引っ込め、手の甲に残った感触に愛おしさを感じながら首を振って否定する。
出し抜けにガーディの前肢がペルシアンの頬に伸ばされた。
「でもまた夢は見られる。でしょ」
肉球からの熱が、頬を伝って全身に行き渡るような気がした。
気がつくとペルシアンは自らの手を、ガーディの手に重ねていた。
「……ああ」

** [#g069c4f4]

太古より鎮座ましましている湖は、すべてを見ている。
交流の場でもある水辺は、惹き付けられた者同士の逢い引きの場所でもあった。
誰にも知られないためにと夜更けのころに巡り会い、じゃれ合い、そして確かめ合う。
愛し合うというのは生を持った者の誇るべき財産だが、境界線を引き、その内と外である特定の条件をもってして別けたとしたら話は違ってくる。
賞賛すべき正しき愛と、批判すべき間違った愛だ。
子孫を残し、未来への足がかりを作るめ一つになるのではなく、ただ己の愛情のまま一つになる行為だ。
太古より鎮座ましましている湖は、すべてを見ている。
正しき愛と間違った愛。
前者が大半を占めるが、後者もいることを忘れてはならない。
誰が為に愛は存在するのか。決して答えのでない問いを投げかけるかのごとく、そよ風は映る夜空の星を静かに乱した。

終わり
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うおぉぉぉらあぁぁぁ。
何とか今年のうちに完成したぞー。
と、言うわけでわたしも布団とじゃれ合ってきます。
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