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長いお手紙のコメントログ の変更点


[[「はいけい」ではじまる長いお手紙]]

-4話まで読みました。
難しい言葉を理解する年頃でもないジャランゴくんの兄さんへ対する盲信を柔らかな文体で表すの、難解な言葉を使うよりかえって難しいんじゃないかと思います。特に漢字の習熟度的なところで。島の一族の期待を一身に背負って旅に出た前途洋々なジャランゴくんなんですけど、その末路には破滅が待っているのだとあらかじめ教えられているのがね……。兄さんとの修行風景を読んでも、これから裏切ってしまうのだよな……、といたたまれない心地になりました。寝ていた兄さんのそれに釘づけになってしまったあたり、やはり鍛錬ばかりに心血を注いでいては、そういう思春期的な誘惑に負けてしまうのでしょうか……。友達っぽいルガルガンが登場して、さてどうなることやら……続きが気になります! -- [[水のミドリ]] &epoch{1605713806,comment_date};
-ここまでお読みいただいてありがとうございます!
ジャランゴもそうですが、ジャラランガ系統は漢字が弱いとかわいいなあと思います、からのあの文体。詳しくは完結したら後書きで話すつもりです。作者としては、やっとジャランゴくんを旅に出させられたので一安心。ですが、兄さんのあれはともかく、ルガルガンを登場させたのはまったく思いがけないことで……なんとなく先の展開は頭にあるけど、さてさてどうなることやら……続きはゆるりとお待ちください。 -- [[群々]] &epoch{1605776197,comment_date};
-最後まで読みました。
兄さんを一途に慕い修行に明け暮れていたジャランゴが、島巡りをすることで己の性自認に煩悶し、向き合い、堕落していく物語。気づきから葛藤、そして決別までが丁寧に描かれていて、長いお手紙ですがスムーズに読み切れました。ワルビアルに襲われるが辛くも逃れる、 バクガメスに秘密が露呈し辱めを受ける、エンニュートに誘われるが振り払う……etc。物語の構成力というか、こうしたひとつひとつのエピソードの配置がちょうどいい塩梅でした。
サンムーン本編でも、島巡りからドロップアウトしたスカル団のことを思い起こさせます。彼らは同じ者同士で寄り集まっていましたが、ジャランゴとルガルガンははてさて……。
ジャラランガの兄さんやポニの大峡谷のみんなへの裏切りに、カプ・コケコへの冒涜を重ねて御神体の石像へぶっかけるの、最高に冒涜的でアゲインスト(?)でした……! ルガルガンの叫びがまた凄まじい。彼も彼なりに思い詰めていたのですねえ……。
手紙には書かれなかったこと――肉体関係を持ったルガルガンとふたりしてアーカラへ赴きガラガラを誘拐したこと、もしくは快楽堕ちした彼らのこれからについてが一切記されていないのがね……いたって興味深い。強姦されるガラガラの嗚咽や喘ぎを耳にして、『俺たちの生きるべき現実そのものの音が、世界から隔絶したかのようなこの洞窟を満たしていた』ように思うジャランゴの心うちが気になります。手紙の最後で兄さんへ向けて『あなたになら、おれはどんなばつを受けてもいいと思っているし、殺してくれたら本望です。』と書かれていましたが、その裏には〝そうでもしないと俺はアローラ中の雄を襲いますよ〟とほのめかしていそうな意思の強さが私には垣間見えました。お手紙が小学校漢字までで書かれていたのに対し最終章の独白が漢字なのも、実直だったジャランゴが成長して得た暗い二面性を覗き見ているようでぞくりときました。ともかく泣きついたルガルガンも理解者でよかったね……あれだけ掟やら修行に縛られていたジャランゴくん独りだったら思い詰めて自らの命を断つことまでしそうだな……と思っていたので最後ハラハラでしたよ。己の生き方を見つけられた、という点ではしっかりハッピーエンドしてましたね! -- [[水のミドリ]] &epoch{1608726088,comment_date};
-ミドリさん、これほどまでに長いお手紙を最後までお読みいただき、しかも細部まで読み解いていただきありがとうございます! 返信するこちらも身が引き締まります……
想定したよりも遥かに長いお話になってしまったのですが、これは当然の帰結、とでも言うべきものがありました。これが手紙であり、告白録であり、小学生が書いたような文章で綴られる以上、やたらと細かく、無駄に丁寧に来し方が語られる必要があったのでした。それに、禁欲的で性に疎いジャランゴが自分の嗜好を自覚するには、かなりの紆余曲折を織り込む必要がありました。なにせ「ペニス」とかそれに相当する単語を知らないのですから……結果的に本格的なエロへの導入にかなりの字数を費やすことになりました。
この修行の旅というのは、コメントの通り、原作の島巡りを踏襲したものなわけですが、スカル団に象徴される暗い側面というのも、物語を進める上で重視していたところです。物語上、ポータウンをスルーしたこともあって、深堀りはできませんでしたが、スカル団の心理とジャランゴの堕落には、重なるものがありました。
twitterの方でもお話があった「神への冒涜」は「神の懲罰」というモチーフの裏返しでもあります。ジャランゴは、自分に降りかかった災難を、一貫してカプ神の思し召しだとみなしています。ですが、それに対してはルガルガンの言葉にあるように、「そこには善意も悪意もない」のだから「うらみっこはなし」なのでした。しかし、スカル団の面々同様に、修行の旅から落伍せざるを得ない状況に追い込まれたジャランゴが、それでも生きていくためには、ルガルガンに誘われるままに、神を冒涜するしかありえなかったのでした(残念ながら、ルガルガンがジャランゴと同様に葛藤を抱えていたことまで語ることはできなかったわけですが、その叫びから少しでもそれを感じ取っていただけて幸いです)。
ジャランゴとルガルガンがこれからどうなるのかは、杳として知れない、といったところです。迷いはあるのでしょうが、退路を絶ってしまった以上、ジャランゴは兄さんの影を追い求めながらルガルガンと共に雄を求め、交わり続けるのかもしれません(ミドリさんの作品で言えば、テッカニンがレディアンに対して抱くような)。
つまるところこの手紙に書かれた物語は、実直なジャランゴの思弁のために引き起こされたものとも言えます。自分の抱いている想いは兄さんには受け入れられないだろうと、兄さんに直接聞いてもいないのに思いこんでしまうところが、掟にがんじがらめにされたジャランゴの弱さです。ルガルガンがいなければ、きっと命を絶っていたでしょう。
「手紙」を書いたことで、少なくともジャランゴはそうした自分と決別し、歪んだ形ではあれ、生き方を手にしたわけです。とはいえそれは、誘拐して強姦しているガラガラ(とヤトウモリ)の嗚咽と悶絶の声に満ちた、悪意と良心が混濁し歪曲されたような得も言われぬ錯乱した世界なわけですが。とはいえ、これもまたはっぴいえんどです。めりいばっどなのです。
自分で書いたくせに、すごく考えさせられてしまいました。繰り返しになりますが、丁寧かつ細やかなご感想、ありがとうございました! -- [[群々]] &epoch{1608745600,comment_date};


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