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遥か全てを超えて BEFORE EPISODE 序 の変更点


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 そこにはイソギンチャクがうねっていた。
 そこには木々が生い茂っていた。
 そこにはマグマが流れていた。
 矛盾した3つの要素は互いに違えることなく、同時に在った。
 空気はよどんでいた。いや、空気なのか?
 海水とも、噴煙ともいえた。
 いずれにしても
 ドミニュス山は既に見えていた。


「ったく、なんてカオスな世界だよ」カイガが呆れ顔で言った。
「うわ、マグマだ!泳いでるところにマグマがあるって、変な気分だよ・・・」チャルコが言った。
「そして、そのマグマが木に当たってもなんともないっていうのも、変な気分だ」アレスが言った。
 3体は驚きを顔にだしながら進んでいた。
 前方に見える山は見た目からしてそんなに高くなかった。普通に進んでいるだけで進めそうだった。
 空は夕焼けにそまり、混沌とした世界をさらに秩序なく見せていた。
「なんだ、これ?」カイガがイソギンチャクを鎌で指しながら2体に聞いた。
「こんなの、おれの世界にはなかったな」アレスが答えた。
「僕も初めて見るよ。海に住んでるのかな?」チャルコはまじまじとイソギンチャクを見ている。
「森には住めそうにねえな」カイガが言う。「ま、おおかたどこの世界にもいなかったんだろうぜ」
「え?」「なんだって?」チャルコとアレスは同時に声を発した。
 カイガはそれを無視して先に歩いていた。
「ま、待ってよカイガ!」チャルコはあわててカイガを追う。
「どういうことなんだ!?」アレスも猛スピードで駆ける。
「ふん」カイガは表情を変えず歩いている。「今は進め。どうせ侯爵やジノンにも話すことになる。オレは、二度三度手間は好きじゃねえ主義だ」


 3体はふもとに着いていた。近くで見ても、ドミニュス山はやはり低かった。
「来てないね、侯爵とジノン」チャルコは辺りを見渡しながら言う。
「んじゃ、ちょっくら待つとしようぜ。どうせ侯爵がいねえと入れねえしな」
 カイガはいうと、その場にあぐらをかいて座る。
 チャルコとアレスは互いの顔を見た後、それぞれの休憩のとりかたをした。
 
 周囲はやはり混沌としている。

「本当に世界は消えるのかな?」と、チャルコ。
「ああ。オレたちがなんにもしなかったら、確実にな」と、カイガ。
「それはあくまでもカイガの考えじゃないか?」アレスが聞いた。
「何言ってやがる。オレの考えは100パーセント当たるんだぜ?知らねえのか?」カイガが不適に言う。
「その自信と根拠はどこからくるんだよ・・・」アレスはあきれている。
「オレが考えた。だから、だ。それ以上でも、それ以下でもねえ」カイガは当然のように言った。
「カイガは頭がいいんだね。すごいなあ」チャルコが感心して言った。
「ったりめえよ。オレを誰だと思ってやがる」カイガが言った。
 アレスはあきれてものも言えない様子だ。
「第一、どんな脈絡からそんな結論がでるんだよ」アレスは納得がいかない様子だ。
「自分で考えろ。その頭があんだろ?オレなんか、侯爵から話し聞いただけでほぼ全部分かっちまったぞ?侯爵が証人だ」カイガは見下した態度で言った。
 アレスは悔しげに歯軋りいていた。


「あ、侯爵だ!侯爵ー!」チャルコがうれしげに体をよじらせる。
 遠くの空からゆっくりと侯爵とジノンが飛んできていた。2体はほとんど音をたてずに着地した。
「おいおい、おっせえーぞ?いったい何してたんだよ。待ちくたびれたぜ」カイガが呆れていった。
「すまなかったな。私から呼び出しておいて遅れてしまった」侯爵は申し訳なさそうに言った。
「侯爵!こんな奴に謝る必要ねーですよ!侯爵だって急がしいんすから!!」ジノンがフォローした。
「なにぃ?いまなんつった??」カイガがジノンに目を向けた。
「あ?聞こえなかったか?ナルシーつったんだよ!」ジノンは馬鹿にしていった。
「そうだぜ?オレはナルシストだ。そしておまえは、そのナルシーに''なぜか''負けてる弱小カモネギ。オレは飛行ダメージが4倍にもかかわらず、だ」カイガは顔を至近距離近づけてゆっくり言った。
「黙れ。離れろ。ナルシストがうつる」ジノンは言う。
 2体はしばらく見つめ合ったあと、同時に笑い始めた。
「本当に、仲がいいですね」チャルコが侯爵にいった。
「うむ」侯爵は短く答える。
 カイガとジノンは互いに肩を叩き合っていた。
「カイガ、結論は出たのだろうか?」侯爵は聞いた。
 カイガはジノンとのじゃれあいをやめ、侯爵のほうをむいた。
「・・・ああ」カイガは答えた。「とびきり最悪の答えがな」
 カイガの声は元気なさげだった。さっきとは大違いだ。
「その前に、だ」
 カイガは再びあぐらをかいて座った。
「侯爵、ジノン、体を休めようぜ?」
 侯爵は無言で体を地面に置いた。ジノンはクキを気にしながら座る。
 カイガはアレスとチャルコのほうをむいた。

「チャルコ、アレス、お前たちのことを話してくれねえか?」
「え?」と、チャルコ。
「話、か?」と、アレス。
「ああ。もちろん、オレも話す。オレと、おまえらのいた世界のことだ」
「僕のいた世界って・・・&ruby(すいぜ){水世};のこと?」
「おれのいた世界・・・&ruby(えんぜ){炎世};のことか?」
「ああ」カイガは答えた。
「オレたちがたどった道。オレたちの体験したこと。その全てだ。実を言うとな、オレはいまだに『火』がなんなのかいまいちわかんねえんだ。だから、互いに話そうってわけだ」
「時間はあるのだろうか?」侯爵が聞いた。
「全然だ。だから、ま、手短にな」カイガは答えた。「オレから話させてもらうぜ。つまり、&ruby(そうぜ){草世};のことだ」
「でも、どうして急に?」チャルコは聞いた。
「・・・後で分かる。ただ、な。信じてえんだ」カイガは静かに答えた。
 カイガは一同を見渡した。全員が全員、カイガに視線を注いでいる。
「無駄だとは思うが、信じてえんだよ。オレたちの『現実』をな」

 



 混沌とした世界は、5体のポケモンたちを静かに包み、時間が止まったかのようだった。

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 中書き
 限りない駄文です。
 物語の構成上、こういう風にさせてもらいました。
 念のため
 今回の話は、前回より過去です。そして次回から、さらに過去へとまいります。
 3体は、その3つの話で種族を明かします。もう決めてます。
 ゲームのしすぎか、とあるPSソフトに似ている感じがします。
 では、長い長い物語になりますが、おつきあいいただけるとうれしいです。
 なにかあれば
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