著者 [[パウス]] -------------------------------------------------------------------------------- Prologue こんな偶然があるだろうか・・・。 これは・・・運命というものなのか? だとしたら・・・・彼女を失いたくは無い。 絶対に・・・。 やっと・・・自由になれたのだから・・・。 ――――――― 逃亡者 -------------------------------------------------------------------------------- **~story1~ ―逃亡― [#kf6a1d49] 今は真夜中。 森の木々も生き物も、そして俺をも暗闇が支配していた。 かろうじて見えるのはすぐ近くに生えた木と奴らの持っている懐中電灯の発する一筋の光だけ・・・。 しかし、奴らの光が俺―――名はガレナといった―――をとらえることは無かった。 「畜生!!・・・見失った・・。」 「どうするよ・・。この前のイーブイだって取り逃がしただろ?頭領に何て言われるか・・・。」 暗闇で奴らの姿は見えないが、俺とは反対方向を照らしていることは分かる。 やがてため息と共に遠のいていく足音。 どうやら逃げ切れたようだ。 「ふうっ・・・」 安心した俺は奴らが退散した方向とは逆方向に向かって歩いた。 あいつらから逃げ切ったのはいいが・・・、これからどうしよう・・・。 これからのことに頭を悩ませていた。 足元さえもよく見えないというのに地面に気を配るということをしなかった。 そのことが不幸を招く・・・。 昨日は大雨の日だった。そのせいで地面がよく滑る。 「ふぅ・・ん?・・・なっっ・・!」 地についた足が横に滑り、前後足が宙に浮いた。 しかし、地面に転倒するはずの俺の体はなぜか空中に投げ出された。 ―――崖・・・・!! 「うわぁああぁあぁぁあ!!」 落下して数秒で体が地面に叩きつけられる音と共に、激しい衝撃が俺を襲う。 あまり大きな崖ではなかったらしいが、それでも相当な激痛が全身を貫く。 元々暗かった視界が、徐々に周りからさらに暗くなっていく。あまりの激痛に体を起こすこともできない。 「うぅ・・・」 痛みに耐えかね、発したうめき声が森の静けさに吸い込まれていく。 とうとう視界が自分の上瞼に塞がれ、意識が遠のいていった・・・。 -------------------------------------------------------------------------------- **~story2~ ―崖の洞窟― [#fef1958f] 気がつくと俺は全く知らない場所で目が覚めた・・・・ということは無かった。 もう木々の隙間からは朝日が差し込んでいる。どうやら一晩中気絶していたということらしい。 それにしても気絶している間、誰かが見つけてくれた・・なんてことは無かったようだ。 気絶する前に微かに見えた景色と同じ景色が目に映る。 ふっ・・・現実とは厳しいものだな・・・。 「ふぅ・・・あっっ痛ぅ!?」 起き上がった瞬間、強烈な痛みが襲ってきた。 昨日の痛みはまだ感覚が麻痺していた時に襲ってきた痛みだったらしく、感覚が覚醒した今となっては昨日より数倍辛い。 上を見上げると昨日落ちた崖が目に入る。 やはり・・・夢では無いようだ。奴らからは逃げ切れたのは嬉しいが、全身に回る苦痛は勘弁して欲しい。 全身を貫く痛みと共に左後足を引きずりながら崖に寄りかかって歩いた。 全身を打って、左後足を骨折でもしたんだろう。 まぁ、これだけですんだのだから幸いか、となるべくプラス思考するようにした。このままどうなるんだろうなどと考えてたらきりが無い。 痛みに耐え、崖に寄りかかりながら歩く事十分ぐらいだろうか、やはり激痛は耐え難くまた意識は薄れかけた時、一つの洞窟を見つけた。 そり立つ崖にぽっかりと開いている洞窟は、中は暗くて少し寒い空気が漂っている。 中に何かの気配を感じる・・・が、そんな事を警戒している場合じゃない。 俺は早々に中に入った。 「誰かいるか!?すまないが崖から落ちて全身に怪我を負った。少しここで休ませてはくれないか!?」 この時の自分の声はきっと震えていたに違いない。耐え難い痛みに耐えるという無謀な事をしているのだから。 これで奥から出てきたのが気性の荒い奴だったら・・・俺は終わりだな、とかなりの不安が過ぎる。せっかく逃げられたというのにその代償として命を差し出すなんて冗談じゃない。 しかし、奥から出てきたのは優しい目をした、九つの尻尾に金色の体毛を持った美しい雌のキュウコンだった。 「大丈夫ですか・・・?あなたは・・・マグマラシですね。私も炎系なので、他のタイプだとちょっと私の住処は適さないんですが・・・あなたは大丈夫ですね・・・。」 キュウコンは優しく俺を背中に乗せると、洞窟の奥へと歩き出した。どうやら奥がこのキュウコンの住処らしい。 暖かい背中の上で少し痛みも和らいだ気がした。これほど心地よい暖かさは初めてなような気がして、思わず涙腺が緩みそうになった。 そして俺はキュウコンの親切さに感謝しながら、いつの間にか深い眠りに入った。 -------------------------------------------------------------------------------- **~story3~ ―偶然の再会― [#kbfff9f8] う・・・ん 俺は・・・どうなったんだ・・。 あぁそうだ、キュウコンに介抱してもらってるんだ・・・・。 小鳥の鳴き声が聞こえる・・・もう朝なのか? 目を開くと目の前に金色の体毛に瞑っている目、可愛らしい寝息が聞こえた。 (何だぁ!?) それはキュウコンの顔だった。俺の口と彼女の口との距離はなんとわずか数センチ。自分の心の中の叫び声で俺は飛び起きる。遅れてキュウコンも目を擦りながらゆっくり起きる。 「ふぁぁ・・・・お早うございます・・・。もう体のほうは大丈夫そうですね・・。」 体・・・?そういえば痛みが引いている・・・と気が付いたのは今更になってからだった。あの痛みは一晩二晩横になっていた程度では到底回復し得ないものだったはずだ。 「オレンの実か?」 「はい、この辺ではよく取れるんですよ。」 オレンの実――それを食べると少しだが傷が癒え、痛みも引く。いわば自然界の薬だ。~ キュウコンはもう一度大きなあくびをし、その際に滲んだ涙を拭った。昨日会ったばかりの者の目の前で緊張感も無く、しかも警戒心も無しに目の前に座っている。何処の馬の骨かも分からない俺に対する態度が自然すぎて逆に不自然に思えた。 ――このキュウコン・・・どこかで見た事あるような・・・。 よく見ると彼女の後足の付け根に体毛に隠れて小さな切り傷のようなものがその姿をのぞかせていた。 この傷は見た事がある。デジャビュなどではない確かな記憶が蘇って来た。あれは四年前のこと… 「お前・・・。」 「気づいたぁ?」 キュウコンが極上の笑顔になって起き上がった。この笑顔も、今思えばあのあくびの仕方も見た事がある気がする。 「・・あの時の・・・お前・・・ネフェリンか。」 一昨日、追いかけてきた奴らに捕まる前、俺はジョウト地方にいた。 その時、一番の親友だったのがこのネフェリン。あの時はまだ進化する前、ロコンだった。俺もまだヒノアラシで・・・とても楽しかったという記憶が鮮明に蘇る。 でもある日、つまらないことで喧嘩してつい傷を負わせてしまった。それから仲直りもせずに別れてその日から・・・彼女は姿を消した。彼女がいなくなったのは俺のせいだと自分を何度も責め立て、恨めしく思ったことだろう。 もう・・・十年も前の事だ・・・。 「久しぶりね、ガレナ!私ね、あのあと人間に捕まってシンオウまで連れてこられたんだけど・・・そこで捨てられたんだ・・。」 ネフェリンは一瞬悲しい表情を見せるが、すぐに元に戻った。 「俺もあの日から一週間ぐらい後、人間に捕まった。四年間、チャンスを待って脱走したんだ。」 俺がまだ立ち直れずにとぼとぼと歩いている時だった。完全に落ち込んでいた俺は回りに対して警戒感を持つほどの心の余裕が無かった。周りから見れば警戒心ゼロの全くのむほうびで隙だらけだったことだろう。それをチャンスと捕まえられた。 「それにしても何故に俺だとわかったんだ?それに・・・どうやって俺にオレンを食べさせた?無理矢理口に入れたのか?」 疑問に思うことが何個かあった。まさか普通は傷だらけで倒れこんできた馬の骨が自分の親友だった者だったなんて疑いもしないだろう。それを一晩で解るなど奇跡に近い。もう一つは完全に熟睡していた俺の口の中にどうやって木の実を入れたのか。それに一回も噛み砕いた覚えなど無いのに、何故痛みが引いているのか。 何故かの疑問に戸惑う俺を一瞥し、ネフェリンは莫迦にしたような笑みを浮かべる。 「だぁってぇ、あんた雄の割には声が高いのになんか・・・小生意気っていうかぁ、特徴的な口調してるからすぐわかるんだもん。っで、オレンの実はぁ・・・」 キュウコンはずいっと顔を寄せ、俺は反射的に顔を仰け反らせた。 「く・ち・う・つ・し♪」 何故か一瞬、沈黙に包まれる。 「お前・・・ためらいも無く俺に口付けする・・・・癖?・・直ってないんだな・・・。」 今さっき顔を仰け反らせたのも、反射的にそれを警戒しての事だ。幼き頃も突然口付けされたことも覚えている。悪い気はしないのだが、外でするのは勘弁して欲しかった。 「そうよぉ?別にいいじゃん、今してあげよっか?」 ネフェリンは突然俺に飛び掛った。だが俺はそれをひらりとかわす。傷も癒えていないのに飛び掛られるなんて溜まったものではない。 「いや・・・・断る。」 「なぁんだ、つまんなぁい。」 ネフェリンはわざとらしく頬を膨らませた。 驚いた・・・まさかこんな偶然が存在するなんてな・・。 それに声もあのころと比べて雌特有の色気を含んだ声になってるし、体も雌っぽくなってる。 顔も雌っぽくなって・・・・・全くわからなかった。 崖から落ちた事といい十四年越しの再開といい、俺は運が良いのか悪いのか・・・。 崖から落ちた事といい十年越しの再開といい、俺は運が良いのか悪いのか・・・。 まぁ、どうでもいいことだがな・・・。 -------------------------------------------------------------------------------- **~story4~ ―片思い?― [#hcfd2959] これ夢じゃないよね?とまだ信じられない。 ガレナにまた会えたことが物凄く嬉しかった。 あの時は結局伝えられなかったことがある、それは私の想い。 ガレナが目を覚ましてから数時間が過ぎていた。もう日は傾き始めて、緑色のこの森も夕暮れ色に染まり始める。 今から夕食も採りに行く事になった。本当は朝食を採りに行った時に今日一日分の蓄え分も採ったのだが、ガレナが殆ど昼食で食べつくしてしまい結局もう一度採りに行く事になった。 「じゃあちょっと夕飯探してくるね。」 立ち上がった時、ガレナの痛々しい傷がまた目に入る。何度見ても思わず目を蔽ってしまうような傷口が、彼の四年間の人生を物語っているような気がした。実際はつい一昨日に付いた傷らしいが…。 今度は下心無しでガレナの傷を舐めると、急に立ち上がった。 「ん?いや、俺が行こう。もう暗くなってきたしな・・。」 「えぇ、でもまだ傷が・・。」 今にも血が吹き出そうな傷を負っているガレナにそんな苦労をさせるのは忍びない。 だがガレナは首を横に振った。 「・・・・気にするな。もうすでに痛みはない。 それに・・・。」 「それに・・?」 会話が数秒間途切れ、ガレナは顔を赤らめて私から目線を逸らしながら言った。 「その・・・・雌一匹で行くのは・・・・・危険だろう?」 ガレナが私の心配をしてくれるのは珍しい事だった。雌に気遣う事が出来るようになった彼は、心も成体に近づいているんだなぁと感心した。 「へぇ・・・心配してくれてるんだぁ。やっさしぃ!!」 わざと大袈裟に喜んでみると、彼はますます顔を赤らめる。 その恥ずかしさを吹き飛ばそうとしたのか、尖がった強い口調で怒鳴り始めた。 「う、五月蝿い!!と、とにかく行ってくるからな!」 彼は暗い森の中に消えていった。 しばらくすると、彼は大きな赤いリンゴやオレンの実をたくさん抱えて帰ってきた。あまり大きいとは言えないあの体であれ程の量を運べるようになっている姿で、今度は体も成体に近づいているんだなぁと感心した。 「あ、おかえり~。早かったね。」 「ふぅ、これだけあれば十分だろ。」 彼は方前足で額の汗を拭った。それからゆっくりと背中の食料をボトボトと落とす。果実の表面には傷一つつかなかった。 「お疲れさん。んじゃご褒美に・・・。」 私が彼に飛びかかろうとした瞬間、頭に痛みを感じた。 「やめろと言ってるだろうが。」 「だからって殴る事ないじゃん・・。」 とりあえず外に木切れを集めて火を着けようとした。でもなかなか着かない。炎を操る炎タイプにもかかわらずこんな事にいつも苦労している自分が少し情けなく思えた。 私は戦闘の能力はほとんどない。だからすごくちっちゃい〝火の粉″しか使えないので、火が着かない。 「・・・お前、それでも炎タイプか?」 ガレナは呆れている様子。私はムゥっとしてガレナに突っ掛かった 「私、こんなんだから人間に捨てられたんだよ?」 「仕方ない、ちょっと退いてろ。」 ガレナは私を後ろに下がらせると、大きく息を吸う。その息を吐きながら体に力を入れると、彼の頭とお尻のところから炎が立ち昇った。その熱は炎タイプである私も熱く感じるほどだった。 そして彼は口から丸い球状の炎を吐いた。一瞬で木切れの山は燃え盛る炎と化す。 「うわぁ、すっごぉい。それ何て技?」 「・・・・〝火の粉″だ・・。」 〝火の粉″は炎技で一番威力の無い技で知られており、私の場合はそれが極端だった。 「うそぉ!?あれが〝火の粉″!?」 私のそれとは大違いだ、と感心する。 前足を叩いて拍手したけれどガレナはあんまり嬉しそうではなかった。何故かは分からない。 私たちはゆっくりと夕食をとった。 いつも一匹だけだったからか、いつもより格段に楽しい時間だった。食事をしながら笑顔になるなど久方振り。最後に笑いながら食事をしたのは一ヶ月ほど前だ。 そしてその後・・・。私はひとつ決心した。その決心とは・・・・ ――――彼に自分の気持ちを伝える事。 「ねぇ、ガレナ・・。」 「何だ?」 ガレナは燃え尽きた木の後片付けをしている最中だった。背中に炭と化した木を乗せたままゆっくりと近づいてきた。 一瞬決心が弱まったが、今言わないと一生後悔すると心の中で勝手に決めて口を開いた。これ程唇が重いと思ったことは無い 「私・・・ガレナの事が・・」 言い終える前にガレナは即答した。 「あぁ、俺も好きだぞ?」 え?それって・・・と心の中が花が咲き乱れるように明るくなった。 「何今更言ってるんだ?昔から言ってたじゃないか、十年前に。」 ――――え゛!? それは友達としての事で言った昔の子供の時のことであり、英語で言えば『like』の方だ。決して恋愛感情を持って言った訳ではない。 「ち、違・・・」 「さぁて、寝るか。」 あくび交じりの声が私の決死の否定を打ち消した。 いくら何でもそりゃないでしょ・・・・・ってもう寝てるし!!ガレナはすでに寝息を立て始めていた。 「はぁ・・・結局駄目か・・・。」 静寂の中、ため息をついた。結局今日は何も伝えられなかった。ガレナの鈍感さには時々呆れる。 「・・・でもまぁいいか。まだチャンスはあるし、次こそは・・・。」 私は心の中で誓った。明日こそは・・・絶対に伝えよう、と。 私も寝ようと彼の横に添い寝しようとした。今は一匹で暮らしているが故、寝床は一つしかないというのにガレナに占領されている。 その時、洞窟の外から誰かが近づいてくる足音が耳に入った 「誰・・・?・・・・・まさか・・・!」 彼を起こさないよう、私は声を殺して驚いた。 その足音は茶色い大きな体にまるい模様が入っているポケモン、リングマ――グランスのものだった。 -------------------------------------------------------------------------------- **~story5~ ―偽りの姿― [#ifcabb04] グランス・・・?まさか・・・。動揺で一瞬目の前が真っ白になった。 しかしこの重量感のある足音、そして外に薄っすらと見える大きな二足歩行のシルエット。 彼しか考えられない。 すでにグランスはこの洞窟のすぐそこまで迫っており、私はとりあえず外に出て彼にゆっくりと近づいた。 「・・・・何の用・・?」 グランスは低い声で小さく笑い、私と視線を合わせた。 「『何の用?』とはご挨拶だな。命の恩人に・・。」 そう、私と彼との関係は、私が人間に捨てられてこの森に迷い込んで行き倒れているときに彼に救われた。 確かに私にとって命の恩人ではある。 「どうしてここが分かったの?」 「ふん、こんな小さな森、少し探すだけですぐに見つかるさ。それより・・・どうして逃げ出したりした?」 私が彼に助けられ、彼の住処に住んでいたのは一週間くらい前のこと。 人間のところにいたのが一年間くらいだから、だいたい三年間くらい一緒に住んでたのかな? 私が彼のもとから離れたのには理由があった。 あのころ、私は彼の住処に住み着いていた。 森に入ってここのポケモンたちを捕まえにくる人間たちを追い払い、守ってくれる彼はまさに森の守り神。 そう皆に言われ、尊敬されていた。いや、今も尊敬されている。 でも私は彼の秘密を知ってしまった。 彼の企み。そして本性を・・・・・私は知ってしまった。 「グランスさん、ご飯採って来ましたよ。」 「おぉ・・いつもすまんな。」 「いえっ、あなたは私の命を救って下さいました。これくらい当然ですよ。」 このころの彼はとても優しくて格好良くて・・・・彼に対して尊敬という気持ちを通り過ぎて恋心さえも芽生えつつあった。 一日中一緒にいて、話をしているだけで幸せも感じた。 しかし、そんな生活も長くは続かなかった・・・。 私が彼と暮らし始めて三年が経とうとしていたある日の夜。 この日の夜はいつもより寒い夜風が吹き、木々をざわめかせている。 私を含めた森のポケモンたちの殆どが寝床に就いているというのに、外から誰かの声が耳に入った。 私は彼の住処である木の中を見回すと、いつも彼が寝ている私の隣の寝床に彼の姿が無かった。 その囁くような小さな声に耳を澄ますと、確かに彼の声だった。 さらによく聞くと、彼は誰かと話している。 そのもう一匹・・・・・いや、もう一人は人間だった。 「・・・で、どうだ?今のところは・・。」 「そうだな・・・・順調かな。」 「なるべく早くしてくれよ。」 何の話をしているんだろう・・?『順調』・・?『なるべく早く』・・?どういうこと? 何の事だか見当もつかなかった。 しかし次の瞬間、彼――グランスは信じられない言葉を発した。 「あぁ、この森のポケモンたちは純粋でな、このままいけば支配するのにそう時間はかからないだろ。 俺とあんたで少し演技をすれば皆俺を尊敬し、崇めるんだもんなぁ・・・・・ククク・・。」 この言葉が聞こえた時、私の目の前は真っ白になった。 頭の中で何度も響き、目からこぼれるほどの涙が噴き出してきたのを覚えている。 今まで私に見せてきたあの笑顔も嘘。 あの凛々しくて格好いい姿も嘘。 人間に臆することなく、立ち向かっていったあの勇敢さも全部全部嘘。 所詮その本性を隠すための偽りの彼だった。 彼はこの森に踏み込んできた人間たちの手持ちだったのだ。 今までこの森を守ってきたのはこの森に住むポケモンたちを支配下に治めるための演技だった。 だから私はそれから数日後、彼のもとからこっそりと逃げた。 それから約一週間後、彼――ガレナと再会したのだ。 そのグランスが今、目の前にいる。 あのころの彼とは全く違った雰囲気を漂わせていた。 少なからず怒っているようで、彼の怒気が体に突き刺さる。 どうやってこの場を凌ごうか・・。私は頭の中で懸命にその方法を捜していた。 -------------------------------------------------------------------------------- 皆さんの投票の結果 両方・・・それもいいんじゃない? 24票 強姦だけのほうが・・・ 1票 皆さんありがとうございます!! しかし・・・・強姦の相手がキュウコン・・っていうのは難しく、書けないかも・・。~ 何度でも謝ります!すいません!! -------------------------------------------------------------------------------- ネフェリン「ほら、早く!」 ガレナ「わかったよ・・・・ コメント・・・ください。」 ネフェリン「何赤くなってんの?可愛い♪」 ガレナ「う、五月蝿い!!」 #comment