ここは…、何処だろう? 先が見えない真っ暗闇。 自分が今、此処に立っているのも実感が湧かない。 その中に、1つ、光を見つけた。 薄紫の体に二本に分かれた尻尾。 その光はただ輝いているわけじゃなく、俺にとっての希望の光だったのかもしれない。 その光がどんどん遠のいて行く。 まるで、つけたマッチが消えるように。 呼び掛けようとするが、声が出ない。 追いかけようとするが足が動かない。 それどころか、体全体が金縛りにあったように1ミリも動かない。 ただ、眼で追うことしか出来なかった。 ----彼女の影を---- ー彼女の影をー ---- 次に意識が戻ったのは寝床の上だった。 今、俺が此処にいるということはあいつらは最低一匹は無事ということになる。 できれば、全員生きていてほしいが。 だが、そうだとしても、何故、あいつらは居ないのか? 思考を巡らせていると、その疑問の答えを示す足音がした。 「あ、兄さん、起きたんだ!」 弟だ。今すぐにでも生きていたことを喜びたいが、今はそれよりも大切なことがある。 「リーフィア達は?」 「此処にいるよ。」 ちょっと不機嫌そうな、聞きなれた声が聞こえ、自分の考えが杞憂だったことが分かった。 後ろにエーフィの姿。これで不安は消えた。 「全く、無茶しやがって…。」 毒々玉を横目で見ながら、リーフィアが言う。 「…、心配かけてすまなかったな…。」 「心配なんかしてねぇよ。」 リーフィアのその言葉も彼女の嬉しそうな顔を見ると祝福の言葉に聞こえる。 「あ!そういえば、今日からしばらく私達、此処に住むことになったから。」 「はぇっ!?」 思わず間抜けな声をあげてしまった。 理由は分かる。外は危険だからだ。 でも、だからって、そんなことって…。 「さっきと同じこと言うけど、エーフィが可愛いからって襲うなよ?」 「煩いな。そんなことするわけねぇだろ。」 さっきと同じってことは弟にも聞いたってことかよ…。 あいつ、多分慌てて返事したんだろうな。……、情けない。 「お前は慌てないんだな。」 「当たり前だ。」 「でも、それってエーフィが可愛くないってこと?」 「そ、そそ、そんなことは言ってねぇよ!」 …、慌ててしまった。なんという不覚。 「やっぱり兄弟だな!」 嬉しそうにリーフィアが言う。 後ろでエーフィが笑ってる。 …、何か、悔しい。 「とりあえず兄さんは休んでて。」 「何言ってんだ。このくらい何とも、ぐぅっ!?」 立ち上がろうとしたとき、足に激痛が走った。 「大人しく休んでろよ。これ以上悪化されたらこっちが困る。」 「分かったよ…。」 しばらくは動けねぇな…。 ---- #pcomment(追憶の免罪符コメント) IP:116.65.248.27 TIME:"2012-05-13 (日) 13:47:09" REFERER:"http://pokestory.rejec.net/main/index.php?cmd=edit&page=%E8%BF%BD%E6%86%B6%E3%81%AE%E5%85%8D%E7%BD%AA%E7%AC%A62" USER_AGENT:"Mozilla/5.0 (Nintendo 3DS; U; ; ja) Version/1.7498.JP"