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辛いものは苦手 の変更点


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※注意※
当小説は&color(red){男性同士の同性愛・獣八禁};をテーマにしております。

また、この作品は上記のテーマに関してかなり直接的な表現を使っているため、お読みになる方の純情度によっては気分を害される場合があります。

苦手な方は閲覧をお控えください。

また、当然ながら版権元には一切関係はございません。

written by [[にょろ吉]]

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 ここは、とある地方の地下にひっそりと存在する、巨大な湖。
水面は鏡のように静寂で、見る者の心さえ浄化すると思わせるほどの力を湛えている。
天井はヨーロッパの大聖堂を連想させるように荘厳で高く、天井から差し込む青白い光のタペストリーが、その地底湖の雰囲気をより一層神秘的に感じさせていた。
誰一人として寄せ付けない神聖な雰囲気のする所だが、湖のほとりに唯一匹、厳つい顔をした巨大なポケモンがうずくまっていた。
その真紅の堂々とした体躯は、正にこの地底湖の主という称号に相応しい存在感を醸し出しているが、断続的に息を切らせている様子からして、どうやらこの洞窟にはいましがた帰ってきたばかりのようだ。
「おーい、カイオーガ、いるのか?」
通りで慌てた様子だったわけだ。
黒い模様の入った赤い鱗が特徴的なそのポケモンは、両腕一杯に木の実を抱え、どうやら誰かを待たせているようだ。
洞窟中に響く声で呼びかけてからしばらくすると、コイキング一匹すらいないと思われた水面がざわざわと揺れ、ゆっくりと、ゆっくりと、これまた巨大なポケモンが海色の頭を警戒するように覗かせた。
「カイオーガか?」
「……グラードン!!」
岸辺に佇むグラードンの姿を確認するや否や、カイオーガと呼ばれたそのポケモンは尾鰭と背鰭を優雅にかつ力強く振り動かし、彼の元へ泳ぎ寄る。
「遅いぞ、グラードン。俺はもう一時間前から待っていたんだからな」
「すまん、カイオーガ。これを採ってたらちょっと遅くなっちまって」
グラードンは腰を屈め、こんもりと山になった木の実を見せて平謝りに謝った。
「もう、俺だって仲間の監視の目をかいくぐって来てるんだから気を付けてくれよな。
でも嬉しいな、そこまで気遣ってくれて。ありがと」
「お、おう!!」
このまま帰ってしまうのではないかとドギマギしていた彼は、何か胸に霧がかかったようなもどかしさを感じたが、カイオーガの感謝の言葉は素直に嬉しく、軽く頬を朱に染めて口角を上げた。
「そういえばコレ、もぎたてだぜ。お前は辛いものが好きだろ?」
良いムードになった所ですかさず得意気に、グラードンは木の実を地面にドサリと置くと、その中から辛そうな木の実をいくつか選び、巨大な爪を器用に駆使して丁寧に皮を剥いでゆく。
「ほら、口開けろよ」
「あーん」
整然と尖った歯の並ぶカイオーガの口の中に、グラードンは先ほどの木の実を優しく放り投げた。
「ナイスキャッチだ、カイオーガ」
「ん……はひはほ」
どうやら『ありがと』と言いたいらしい。
彼は、人間一人くらい楽に飲み込めるほど巨大な口を規則正しく動かした。
しかし、グラードンにはその不明瞭な言葉でも気持ちが通じるようだ。
彼は「どういたしまして」と微笑むと、木の実の山から適当なものを選び、豪快に皮ごと口の中に放り込んだ。
「ところでさ、お前等は最近どうよ?」
互いに話の種は山ほど貯蓄してあるのだが、先に話しかけたのはカイオーガだった。
グラードンは大量の木の実を豪快に流し込むと、待ってましたとばかりに口を開いた。
「別に、今まで通りだぜ。みんな自由に生きてるから、互いの事なんて関心がねぇんだよ。だが、この事がバレたら黙っちゃいないだろうな。恋する相手が我が宿敵のカイオーガで、しかも男だなんてな」
「そんな、お互い種族同士が争ってるとか、男同士とか、そんな事関係ないじゃないか。俺達は愛し合っているっていう事実は変わりゃしないんだ。そうだろ、グラードン?」
自嘲的に笑うグラードンに、カイオーガが目尻を釣り上げて諭した。
「……その通りだ、カイオーガ」
グラードンは頷いたが、それでも顔には納得がいかないと書いてある。宿敵であり同性でもあるカイオーガを恋人に持つことに抵抗を隠せない様子だった。
「俺のことはいいからさ、そっちの方はどうなんだ、カイオーガ?」
グラードンとしては、 カイオーガの気持ちを落ち着かせるつもりの発言だったのだが、どうやら逆効果だったようだと直ぐに後悔した。
カイオーガの目が更につり上がったからだ。
「……正直さ、あまりいいとは言えないんだよね。元々、こっちは仲間同士の結束力がお前等と比べて強い方なんだ。長老もしょっちゅう早く結婚するように催促するし、毎回お見合いの誘いを上手くかわすのは正直しんどいよ」
彼等グラードンとカイオーガ達は、かつてはこの地球の存続に関わるほどの激烈な争いを繰り広げてきたが、時が過ぎるにつれ人間や他のポケモン達にその地位を奪われ、今では僅かな数がそれぞれひっそりと群を成して生きながらえているに過ぎない。
彼らは陸と海という全く別の場所で生涯を過ごす。そのため例えばこのグラードンのように、偶然縄張りであるこの地底湖に迷い込んだカイオーガを発見し、世話をすることがなければ、互いがどのような姿をし、どのような生活を送っているのかを知るものはまずいない。
しかし、例えその存在を伝説でしか聞いたことがなくても、骨肉の争いから数千年の後でも彼らの関係は変わらず、現在でも互いの族に対して会話をするだけでも厳しく罰せられるのだ。
いや、相手を知らないからこそ、ここまで憎み合い、恨み合うことができるのかもしれない。
互いの無知から偏見が発生し、助長されてゆくのはポケモンも人間も同じであろう。
「そうか……。すまないな、俺のせいで」
「お前のせいな訳無いだろ」
カイオーガは首を振った。
「俺はこうしてお前といれるだけで凄く幸せだよ。例え仲間全員を敵に回すことになっても……。
お前は俺と一緒にいるの、嫌かい?」
「何言ってんだよ。俺だってお前と一緒に過ごす時間が一番楽しいぜ」
グラードンはにっこりと微笑むと、カイオーガも口角を上方に歪ませた。
狭い縄張りで暮らすことを余儀なくされている彼らにとって、恋人とのつかの間の安らぎは大いなる心の支えであり、そして多少のスリルを味わわせてくれる。

 「そう言えばさ、お前は辛いものが嫌いなんだろ?」
グラードンは、口一杯に木の実を詰め込んだまま頷いた。
「でもさ、俺は辛いものが好物だろ?」
グラードンはまた頷いた。
「それじゃあさ、少し大変になるだろうな」
何の事だか分からず首をかしげるグラードンに、カイオーガは真顔でさらりと言った。
「俺たちが結婚した時だよ」
途端にグラードンは噎せ込み、口の中の木の実を豪快に吐き出してしまった。
「なっ、何だよ、いきなり!!」
「何だよって、俺たちだってもう長いんだし、そういう事を考えてもおかしくない年齢だろう?」
顔にかかった唾液と木の実の欠片を不快そうに拭いながら、カイオーガがさも当たり前のように言うと、グラードンはそうではないと首を振った。
「年齢以前に、もっと根本的な問題があるだろ。ほら、俺たちの族同士は互いをあまりいい目で見てないし、それ以前に性別が……」
「けど、そういう問題は俺たちの愛に比べたら問題……」
反論しようとするカイオーガを、グラードンは巨大な手を振って遮った。
「問題あるって!!お前がやろうとしてるのは結婚だぞ!!ただ単に付き合うのとは違うんだ!!
そういうことは、俺はちょっと、まだ……」
最後のほうは、まるで自分自身に弁解をするように、彼は顔を真っ赤に染めて呟いた。
どうやらグラードンは、自分達の関係に余程後ろめたさを感じているようだ。
勿論、彼だってこれからの事を何も考えていない訳ではなかった。カイオーガと二人きりで一生暮らせたらどんなにいいだろうと夢想することもある。
しかし、彼の生まれたときから周囲によって植え付けられた価値観は、これ以上彼との仲を進展させることを躊躇させていた。
だが、それはカイオーガだって同じはずだ。いや、より仲間同士の結束が強い彼の方がもっと苦労しているだろう。
グラードンは、彼と自分との精神力の差をひしひしと感じ、自分の優柔不断さに対して少し情けなさを感じた。
「悪い悪い、ちょっとお前をからかってみたかっただけさ」
せっかく和やかなムードになってきたのに、これではまた数分前の状態に逆戻りだ。
面白くなさそうな顔で俯くカイオーガに、グラードンは罪悪感を感じた。

 しばしの間、湖水が岸壁を打つ音に耳を傾けていたところ、突然カイオーガがはっと顔を上げた。
その覚悟に満ちた顔を見て、グラードンは何か身に迫る危機を感じ、足にぐっと力を込めた。
「それより……」
それまでの申し訳なさそうな表情が、最後の言葉で180°変わり、グラードンにはそれだけでカイオーガは何を言わんとしているのかが何となく分かってしまった。
「とにかく、俺もあまり長居はできない。時間も限られてるんだし、ヤることだけヤってしまおうぜ」
「やっぱり……」
「やっぱりとは何だよ、元はといえばお前が遅れて来たから急がなきゃいけないんだろ」
「そりゃ、そうだけど……」
まるで幼児のように屈託の無い笑みを浮かべながら、子供は絶対に言わない言葉をさらりと吐くカイオーガに、グラードンは先程罪悪感に駆られたことを少し後悔した。
彼の顔は半分呆れていたが、残りの半分は、恥ずかしながらカイオーガのその言葉に心を躍らせていた。
勿論、恋人同士がそのように思うことは健全であるし当然だ。
カイオーガは豪快な水柱を立てて浅瀬に仰向けに寝そべり、その結果グラードンが水飛沫を全身に浴びてしまった事をも気にもとめない様子だ。
「何ボーッと突っ立ってるんだよ。早くしてよ、グラードン」
「おまっ……そんな事するとまた水がかかるだろうが!!」
待ちきれないとばかりに尾びれをパタパタと振り、バシャバシャと水を四方に飛ばすカイオーガ。
その尾びれの付け根では、数十センチはあろうかという巨大なスリットがぴたりと閉じられており、彼がまだ性的に興奮していないことを示していた。
カイオーガの下半身をチラチラと盗み見つつ、グラードンは岸辺に手をつけ膝をつけ、カイオーガに四つん這いに覆い被さった。
「グラードン、キスして」
「んっ……」
比較的首を自由に動かせるグラードンがリードして、彼はその口をカイオーガのそれへ接触させた。
カイオーガは待ってましたとばかりに、自らの舌をグラードンの口腔に割り込ませ、グラードンも負けじとカイオーガの美しく整った歯をなぞるように執拗に舐める。
互いの口の隙間から、二人の銀色の唾液が絡まり混ざり合い、水面に幾つもの美しい波紋を形作った。
互いの顔が興奮と酸欠で朱に染まる頃に、グラードンはゆっくりと顔を持ち上げた。
飲み込みきれなかった唾液がカイオーガの純白の首筋を静かに汚すが、二匹とも全く気にならないようだ。
「早く、続き、しようぜ……」
軽く息を切らせながらせがむカイオーガに、グラードンは羞恥心を拭えず、少し目を逸らしながら小さく頷くと、そのまま立ち上がり、今度はカイオーガの尾鰭に向いて四つん這いに伏せた。
彼の鼻の先数十センチで、獲物を誘うが如く揺れている『それ』は紛れも無い、カイオーガの生殖器。
絹のように白く清純で、重みと静寂を感じさせる腹と、生物の穢れの極みとも呼べる、断続的に脈動している真赤な『それ』とのコントラストは、美しく、グロテスクで、そして何よりもエロチックだった。
人間の子供の身長ほどもある、その桁はずれに長大なペニスの先端は、透明な雫が零れ落ち、ペニスから腹まで銀色の橋を形作っていた。
カイオーガの肉欲を素直に反映したそれを見つめるだけで、グラードンは全身の血液が泡立つほどの興奮を感じた。
「もう少し、後ろに下がってくれないか?……そうそう、そこだよ」
彼の言う通り、まるで人間の赤ん坊のように四つん這いで後退するグラードンに、カイオーガは残酷な言葉を投げかけた。
「だってお前のチ○チンって太いけど短くて、中々口が届かないんだもん」
「うっ、うるせぇッ!!短いは余計だ!!」
カイオーガが無邪気に発した言葉に、グラードンは顔を真っ赤にして怒鳴り散らす。
彼は自身の長さに不満を持っていたのである。
グラードンのペニスだって十分威圧感のあるのだが、確かにこれほど立派なモノを毎回見せ付けられては、少しは自分のモノも気になるというものだ。
「何だよ、自分のチ○ポが馬鹿に長いからってさ、そんな事言わなくてもいいじゃねぇか」
「分かった分かった、悪かったよ。でも、俺は本当にお前のチン○ンが好きなんだけどなぁ」
そう慰めるや否や、早くもカイオーガの理性はとうの昔に崩れ去ったようで、グラードンのペニスをペロリと舐めた。
グラードンは突然の刺激に呻いたが、それが自身への号砲となり、グラードンも徐にカイオーガの自身を口で包み込んだ。
仄かに薫る深海の味。
体格差は大きいが、カイオーガのペニスが無駄に、いや有用に長いため、69も楽に行える。
巨漢の二匹がこうして頬を朱に染め、互いの性器を必死に愛撫する姿は何処となく滑稽にも見えるが、彼らはいたって真剣なのだ。
カイオーガのその長いペニスは、確かに69も楽に行えるという利点もあるのだが、反面根元まで咥える事ができず、うっかりカイオーガが快感の余り腰を突き出そうものなら、たちまちグラードンを窒息させてしまうという、言わば諸刃の剣でもある。
それでもグラードンは、やや荒っぽいが、あまり喉の奥まで突っ込まないように慎重に咥え、先端部分を中心に裏筋から根本まで、まるで母乳を欲しがる赤ん坊のようにように舌を使い、熱心に吸い付いていた。
「おいしい?俺のチ○チン」
グラードンのあまりの必死さに、カイオーガが満足げに顔を上げると、グラードンはペニスをしっかりと咥えたまま夢中で頷いた。
「全く、普段は厳つい顔して、エッチの時には子猫みたいになるんだから……。
でもさ、ありきたりかもしれないけど、俺はお前のそういうギャップが大好きだよ、グラードン」
カイオーガは愛しげにグラードンの性器を見つめると、ゆっくりと巨大な口で包み込んだ。
腔内の粘膜と生殖器の粘膜が触れ合う、くちゅりという音が広大な地底に反響し消滅する前に、また次の水音が地底湖を包む。
「うぅん……」
グラードンは切ない声を上げると、負けじと厚い舌をペニスに巻き付かせた。
 カイオーガの的確な攻めに、グラードンは早々に絶頂感を感じていた。何しろ先程まではこちらから相手を感じさせるばかりで、自らは肉欲の熱い炎が体の中でくすぶり続けていたのだ。カイオーガの熱を持った口がペニスを包み、滑らかな舌に軽く刺激されるだけで、彼は下腹部に何かたぎるものを感じていた。
今や地底湖に響くのは、互いの獣らしい息づかいと、舌とペニスが触れ合う、くちゅくちゅという淫らな水音のみであった。
 しかし最初に限界に達したのはカイオーガだった。
彼が胸鰭をばたつかせて絶頂が近いことをグラードンに知らせると、グラードンは頷き、止めとばかりに力一杯尿道口を吸い上げた。
「んんんっ!!!!!」
彼はグラードンのペニスを咥えたまま呻き声を漏らすと、熱く、濃厚な白濁液を彼の口に噴出した。
さすが海の王者を自称するだけはあり、その量、濃度、勢いは並みのものではない。
身体中の痙攣に合わせてびゅるびゅると咥内に叩きつけるように吐き出される精液は、十秒ほどかけて吐き出され、グラードンの口の隙間から一本の白い軌跡を残し、湖岸を白く染めあげた。
「あの……まだ俺は終わってないんだが……」
精を出しきった幸福感と倦怠感から、鰭を大の字に伸ばし、グラードンのペニスを吐き出して荒い息を吐き続けるカイオーガに、グラードンはさも恥ずかしそうに、切なげに囁いた。
「分かってるさ。でも、少しぐらい余韻に浸っても構わないだろ?」
「そりゃそうだけどさ、俺だって寸止め食らって爆発しそうなんだぜ……」
グラードンは頬を紅潮させ、急かすように甘えた声を出すと、カイオーガもようやっと文字通り重い腰を上げた。
「もう、やっぱりムッツリだなぁ、グラードンは」
「う、うるせぇよ!!」
巨大な牙を見せつけながらグラードンが唸ると、カイオーガはケラケラと笑った。
「そんなムッツリ怪獣の為に、俺がイイ事してやるやるから有り難く思えよな」
カイオーガは突然、先走りと唾液で妖しげな光を放つグラードンのペニスを咥えると、今まで以上の激しさで、寸止めにより爆発寸前であったグラードンを遂に昇天させた。
「あがっ、ああっ、そんなにされたら俺もう我慢できないって!!ああああっ!!!!!」
身体が一瞬キュッと縮こまるような感覚に包まれた後、内部に溜まったものが断続的に放出される感覚に耐えがたく、巨体がブルリと痙攣した。
「濃いのがいっぱい出たね、グラードン」
グラードンの水晶玉のような瞳には、乳白色の精液を口から一筋垂らしながら微笑むカイオーガの妖艶な顔が映った。
そのつぶらな瞳に紅潮した頬を見つめられながら、胸鰭の先端を巧みに使い、まるで大切な宝物を扱うように肛門をすうっと撫でられる。
「は、恥ずかしいから止めろよ」
「なぁ、そろそろ本番に移らないか?」
「お前、そんな時間あるのかよ」
「お前が素直に言う事を聞いてくれたらな」
そう言いながらも、グラードンの肛門にはカイオーガの胸鰭が遠慮なく挿入されてゆくが、グラードンは軽く息が乱れこそすれ、痛みはあまり感じなかった。
「前に比べたら、大分締め付けが緩くなってるな。自分で解したのか?」
「ううっ……さあ、どうだろうな」
喘ぎ混じりの返答を肯定と受け取ったカイオーガは、背鰭を乱暴に引き抜くと、己の股間に跨るように顎で指し示した。
「……なるほど。今回は騎乗位としゃれこむ訳だな」
尻尾と尾鰭を重ねる。これぞ、正に交尾。
グラードンは肛門と直腸を傷つけないよう、慎重に腰を落としてゆく。
菊門に熱くて硬いモノが触れるのを感じ、彼は中腰の姿勢のまま動きを止めた。
「じゃあ、行くからな」
「あんまり締めないでくれよ、痛いから」
分かってると苦笑いをしながら、グラードンは一気にカイオーガの巨根を飲み込んだ。
「ううっ……」
「苦しくないか、グラードン?」
「……大丈夫、平気だ。そっちは痛くないか?」
「いや、中々良い締め付けだよ」
カイオーガの巨大なペニスを受け入れるのは、これで一度や二度ではない。しかも自らの手で頻繁に拡張しているのだ。
それだけに、グラードンの肛門と直腸は、比較的あっさりと彼の巨根を受け入れた。
カイオーガのペニスはまるでそれ自体が生き物のように、グラードンの直腸内を動き回り、グラードンの前立腺をコリコリと愚鈍に刺激した。
「ああっ、あうっ、い、いい感じだっ、カイオーガ」
彼らカイオーガ族のペニスはただ長大なだけでなく、己の意志に従い、まるで触手のように自由自在に動かせるという特徴を持っている。
これは本来、雌の子宮に精子を的確に送り込むためであるのだが、雄同士の彼らがそれ以外の目的で使用しているのは言うまでもない。
「それなら、もっと気持ち良くなるために、自分で動いたらどうだ?」
「いっ、言われなくても、ううっ、そうするに決まってんだろっ!!」
グラードンは、その凶暴な顔立ちからは想像もつかないような嬌声を上げながら、グラードンを焦らして楽しむカイオーガに軽いいらつきともどかしさを覚え、自ら積極的に足腰を使ってカイオーガのペニスを自らの肉壁で刺激し始めた。
恐らく、カイオーガの計画通り。
「ううっ、良いよ、グラードン」
「カイオーガ、俺も、きもちいっ!!」
グラードンは、先程の口淫よりも激しい快感に、理性が芥子粒ほどに縮小されてゆくのを朧気に感じていた。
マグマのように熱く、地面のように硬直したペニスの先からは、先走りが玉を作り、ただ突き上がる本能のみを拠所に腰を振るグラードンは、淫獣と呼ぶ他はないだろう。
そして、自らを酔わせ、狂わせているのが、眼下で色欲を帯びた笑みを浮かべている、あの最愛の愛しいカイオーガであるという幸せな事実が、彼の精神を満たし、興奮と快楽を確固たるものにしていた。
グラードンは、いつもの理性的で穏やかな瞳ではなく、自らの痴態を肉欲と支配欲に混ざった獣の目で見つめるカイオーガに、胸が締め付けられるほどの興奮を覚えていた。
カイオーガだってきっと、猛々しい表情で腹の底に響くようなバスで話しかける普段のグラードンとは違い、感じきった雌のような顔で、音程の外れた声で悦がり狂う彼に、全身がぞくりとするような感覚を抱いているに違いない。
グラードンが腰を振り、カイオーガが顔を真っ赤にしてそれを受け止める。
巨大な二匹の交尾によって発せられるその音は、もはやパンパンという穏やかなものではなく、地底湖中の空気を震わすような、誰が聞いても怪獣が暴れていると感ずるに違いない爆音だった。
「ぐっ、グラードン、俺、そろそろイキそうッ!!」
「おおっ、俺も、もうダメぇ!!」
二匹の性的興奮は最高潮に達し、グラードンはラストスパートとばかりにより一層激しく腰を動かした。
「うおおおおおっ!!!!!」
グラードンは、今回の行為で断トツの快感を感じ、地に響く声で大きく唸り声をあげた。
ペニスからは白濁液が湧き水のように溢れ、裏筋を伝ってポタポタとカイオーガの腹に小さな水たまりを形成した。
「くうっ……!!!」
一方カイオーガも、グラードンの吐精に呼応する肛門の収縮に耐えることは到底不可能であった。
直腸にカイオーガの熱い愛の印を感じ、グラードンは幸福感に包まれて、己の下腹部を愛しげに擦った。
グラードンがゆっくりと腰を上げると、直腸からは乳白色の流動体がドロリと流れ落ちた。

 「……ふぅ。気持ちよかったぁ……」
グラードンは、岸辺にどっかりと腰を下ろしたかと思うと、そのままドシンと仰向けに寝ころんだ。
「おいおい、今の衝撃で地割れができたぞ」
カイオーガは胸鰭で、放射線状にひびの入った地面を差して笑うと、グラードンもつられて、巨大な牙の生えた口を歪ませた。
「なあ、グラードン」
「ん、何だ?」
後戲も兼ねて、グラードンの身体に付着した汚れを優しく擦り落としながら、カイオーガが甘い声で話しかけた。
「大好き」
「俺も、カイオーガのことを愛してるぜ」
ずい、と身を乗り出すカイオーガに、グラードンは期待通りに応えてやった。
先ほどまでは気付かなかったのだが、カイオーガの腔内は仄かにピリリと痺れる。
カイオーガに口が辛いと怒鳴りながら、二人の関係に横たわる最大かつ唯一の問題は木の実の嗜好であると、グラードンは冗談交じりに考えた。


 終わり

by[[にょろ吉]]

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