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足並み揃えて の変更点


#include(第八回短編小説大会情報窓,notitle)

この作品には&color(red,red){ポケ×ポケ};、&color(red,red){産卵描写};が含まれています。

#contents

*足並み揃えて [#if9988e2]

  作者:[[COM]]

 ある所に大勢の人で賑わう街があった。
 多くの人が住んでるため、交通の便も良く、非常に近代的で発展した街だった。
 行き交う人々や彼らの連れているポケモンたちの声、そして車などの雑踏の音がよく似合う、とても賑やかな街だ。
 だが、その喧騒にも負けず劣らず、とても賑やかな場所がその街からそう遠くない場所にも一つ存在した。
 歩いておよそ数分ほど、たったそれだけの距離の場所には青々とした葉を風に揺らす草が生い茂った草むらが存在した。
 大きな街の近くにそれだけの草むらが存在することは我々の世界ではあまり考えられないが、彼ら、ポケモンたちの住む世界ではごく当たり前の光景だ。

「いけマッスグマ! でんこうせっかだ!」
「トリミアン! 躱すんだ!」

 そんな草むらの一角に、ひときわ賑わっている場所があり、その中心では二人と二匹の熱いバトルが繰り広げられていた。
 その大きな街では近々、街の外からも人が来るほどの大きなポケモンバトルの大会が開かれる目前だった。
 街中でのポケモンバトルは周りの人にも迷惑を掛けるため、あまり行えないが、草むらの中でなら迷惑を掛ける相手もいない上に、野生のポケモンを新たに仲間にしたり、聞きつけた新たなポケモントレーナーと情報交換を行ったりできるため、恐らく街中よりも賑わっていただろう。
 そんなちょっとしたお祭り会場のようになっている草むらの中に、一人の青年が期待からか、目を輝かせていた。

「誰か僕とダブルバトルしませんかー!」

 その青年は息を一つ大きく吸い込むと、周りの人々全員に聞こえるほどの大きな声でそう言った。
 それだけの声を出せばもちろんみんなの注意が向くため、彼の声に反応した何人かが彼の元へ集まってきた。

「ダブルバトル、俺でいいならするかい? 俺も丁度やりたかったところだし」
「待ってよ! ダブルバトルしてくれる人って案外少ないから私もやりたい!」

 元々対戦することを求めてやって来た人たちばかりなのであっという間に対戦相手が見つかった。
 早速、青年は集まってくれた人の中から一人にお願いし、バトルを行った。

「いけっ! ジュカイン! ラグラージ!」

 ボールを二つ取り出して投げると、中から勢いよく二匹のポケモンが飛び出してきた。
 同じく対戦相手もカエンジシとブロスターを繰り出してきた。
 タイプの相性は若干青年の方が有利な程度で、あとは二人のトレーナーとしての腕が試されるだけだ。

「先手必勝だ! カエンジシ! かえんほうしゃ! ブロスター! ハイドロポンプ!」
「ラグラージは守ってマッドショット! ジュカインはラグラージから回り込んでリーフブレードだ!」

 相手のトレーナーの指示を聞き、青年もすぐさま的確な指示を出した。
 どちらの技もラグラージに対してはあまり効き目がない。
 それを見越した上での非常に良い指示だったのだが……。

「ちょっ!? ジュカイン! そっちじゃない!!」

 言うが早いか、ジュカインはあっという間に相手の技とラグラージの間に滑り込み、全ての技をまともに受けて一撃でノックダウンした。
 それを見て青年は少しの間唖然とした後、がっくりと肩を落とした。
 対戦相手もそれは予想していなかったのか、驚きを隠せなかったようだ。
 その後結局、ジュカインの受けたダメージが大きすぎて、すぐにポケモンセンターに行く事になり、集まってくれた人たちに謝って、その場を離れた。
 それから暫くして、青年は深い深い溜め息を一つ吐き、青年はポケモンセンターを後にして、帰路に立っていた。

「やっぱり僕、トレーナーに向いてないのかなぁ……」 

 ジュカインとラグラージの二匹が入ったボールを手に取りながら、彼は独り言を呟いた。
 彼はまだトレーナーとしては新米で、まだまだバトルの知識もポケモンの知識も乏しかった。
 今までは彼と手持ちのポケモンの二匹はトレーナーとそのパートナーという関係ではなく、ただただ大事な友達のようなものだった。
 しかし、近々開催されるそのバトルの大会は、街だけではなく、世界的に見ても非常に大きな大会だったため、青年も自分の実力とポケモンたちと築いてきた絆を試してみたかった。
 彼らにあるのは絆と少々のバトルの知識だったため、今回の惨敗は青年にとっては精神的に大きなダメージだった。
 もう一つ溜め息を吐き、少し悩んだ後、ジュカインをボールから出した。

「ねえジュカイン。僕とジュカインってちゃんと信頼関係築けてるよね?」
「ジュア!」

 青年は思わず一番不安だったことをジュカインに聞くが、ジュカインは当然! とでも言わんばかりに元気に返事をした。
 そのジュカインの反応がますます彼を落ち込ませた。
 ジュカインは間違いなくトレーナーである青年に従順そのもので、とても仲良しだ。
 彼の言うことを聞いていないわけではないのなら、単純に彼が指示を出すのが下手だということになってしまう。
 そこで少年はもう一度がっくりとうなだれていた頭を起こし、もう一つの可能性を考えた。
 もしもジュカインとラグラージの相性が悪いのなら、彼らの相性を良くすればいいのだ、と。
 青年は半分やけくそだった。
 二匹はずっと前から一緒に暮らしているため、まず相性が悪いはずがない。
 だが、それでも素直に自分にトレーナーとしての才能がないとは認めたくなかった。
 そのため、すぐさまラグラージもボールから出した。

「ねえラグラージ。ジュカインとは仲良しだよね? バトルでも何か不満とかあるわけじゃないんだよね?」
「グゥ……」

 青年はラグラージも同じく元気に返事をすると思っていたが、どうも様子がおかしかった。
 そこで青年は少し驚くが、それと同時に少しだけ元気を取り戻した。

「な、なんだ……二人とも普段仲良さそうだったから、バトルでも大丈夫だと思ってたけど、バトルでの相性はそんなに良くなかったのか。それなら良かった! すぐに解決できるよ!」

 そう言って青年は二匹をすぐにボールに戻し、いつもの帰路とは別の方向へ少し小走りで向かった。
 彼はあまりそういったバトルにおける相性などは分かっていない。
 だが、誰からか聞いた情報を頼りに、二人の息を合わせようと思ったのだった。
 それから歩くこと十数分、彼はとある施設にたどり着いていた。
 その施設とは育て屋だった……。



   ◇   ◇   ◇   ◇   ◇   ◇   ◇   ◇



 二匹は『育て屋に預ければ、その二匹の相性が良くなる』という根も葉もない、勘違いの噂を信じた青年のせいで預けられることになった。
 トレーナーを目指す者なら誰でも最初に覚えることのレベルだが、育て屋はその名の通り、相性を良くする場所ではなく、預けたポケモンをトレーナーの居ないところで育ててくれるというとても便利な施設だ。
 そしてもう一つ、育て屋には利用方法がある。
 相性の良い二匹のポケモンのオスとメスを預けると、卵が見つかることがある。
 エリートトレーナーを目指す者や、ポケモンたちはこちらの利用方法をよく知っている 。
 勿論、この二匹も例には漏れなかった。

「全く……。うちのご主人様は何を考えてるのかしら……」

 そう言ってラグラージはやれやれといった調子で、首を振りながら小さく溜め息を吐いていた。
 それを見て、ジュカインは楽しそうに笑っていた。

「なに言ってんだ? ご主人が預ける時に言ってただろ? 『二人とももっと仲良くなってくれよ』って」
「だからよ! ワタシもアンタもご主人も長い付き合いだってのに! これ以上、何の仲を深めるのよ!」
「何のって……。そりゃあ、ここに預けてもらったんだ。もっと親密になろうぜ?」

 そう言ってジュカインはラグラージの後ろから、ゆっくりと優しく抱きついた。
 ラグラージは嫌というよりは恥じらいの感情からか、体をくねらせて少しだけ抵抗するが、ほとんどジュカインのなすがままだった。
 僅かな抵抗に対し、ジュカインは腰の辺りをがっしりと掴み、上から少しだけ体重をかけてその僅かな抵抗も遮った。
 するとラグラージはそれに反応して艶のある声を出した。

「あっ……! んもう……。もう少し雰囲気を作ったりしてくれてもいいんじゃないの?」
「何言ってんだよ。お前はちょっと強引にされるのが好きなんだろ?」
「そうだけど……。がっつき過ぎじゃない?」
「仕方ないだろ? ここ最近、ご主人がバトルの練習で張り切ってるから、お前疲れてすぐ寝るし、これでも結構我慢してたんだぜ?」

 そう言うと、既に怒張しきったジュカインの立派な赤い棘をラグラージの股間の柔らかな谷間へ擦りつけていた。
 先程のラグラージの言葉とは裏腹に、彼女の方も既に彼のその刺を受け入れる準備は整っていた。

「おや? お前の特性ってしめりけだっけ?」
「五月蝿いわね! 我慢してたのがアンタだけだと思うわけ? ワタシだって交尾したかったわよ! でもご主人、最近すごく張り切ってたし、あんまりバトルに支障が出ないようにしてたのよ!」

 ジュカインがそう憎たらしい笑顔を浮かべながら、ラグラージの顔を横から覗き込むと、彼女は顔を真っ赤にしながらそう答えた。

「隙あり!」
「ひゃい!?」

 彼女の意識が後尾から逸れた一瞬の隙を突いて、ジュカインはその膣内へとぐいっと陰茎を滑り込ませた。
 不意打ちだったからか、それともずっとご無沙汰だったからか、ラグラージは可愛らしい声と反応を見せた。
 それに呼応するように彼女の膣はキュッと締まり、彼の陰茎を包み込み、優しく締め上げていた。

「うおっ!? タンマタンマ! そんなに締め上げられたらすぐに&ruby(で){射精};ちまう!!」
「あっ……ん! アンタが……久し振りだっていうのにそういうことするからでしょ!?」

 自業自得なジュカインに対し、ラグラージは既に少し息を荒くしながらそう答えた。
 幼い頃から一人と二匹はずっと暮らしていた。
 そのため青年もポケモン達も、お互いのことは知り尽くしていた。
 無論、ポケモンである二匹はお互いの体のことも含めてだ。
 久し振りの感触と急な快感で思わず暴発しそうになったため、ジュカインは一度ラグラージから彼の陰茎をゆっくりと引き抜いた。
 そこで一度ジュカインは座り込んで興奮を沈めようとしたが、今度は逆にラグラージが振り返って彼の股間に顔を近づけた。
 そしてそのまま彼の陰茎を舌で絡め取りながら口に含んだ。

「ちょ!? おまっ! やめろって!」

 ジュカインのそんな声が聞こえていないかのように執拗に舌で彼の陰茎を舐め回し、元々既に射精寸前だったということもあり、あっという間にラグラージの口内に大量の精液を出してしまった。
 それをラグラージは手馴れた様子で、次々と湧き出す精液を飲み干していった。

「ハァハァ……。お前……やめろって言ったのに」
「いっつもやってることでしょ? それにそんなに溜まってたのなら一回出した方がスッキリするでしょ?」
「それは卵ができないようにするためだろ! 今はいいんだよ!」
「バ、バカじゃないの!? 産ませる気なの!? ただでさえご主人、お金がヤバイって言ってたのにこれ以上ご主人を困らせる気!?」
「そういう施設なんだからいいだろ!? というかそろそろ俺だってお前との子供見たいんだよ!」

 いい雰囲気からあっという間に口論に発展したが、喧嘩するほど仲がいいとでもいうのか、そのままジュカインは半ば強引にラグラージを押し倒した。

「いいだろ? ご主人ご主人って……。俺のこと好きなんだろ? せっかく育て屋に来れたんだ。こんな公認のチャンス、この先二度と来るか分かんないんだよ。頼む!」
「……アンタのことはそりゃあ大好きよ……。でも、ご主人も好きなの。二人とも大きくなって食費とかも掛かるようになっちゃったんだから、これ以上あんまり迷惑かけたくないのよ……」
「ポケモンバトルの大会だっけ? それで優勝すればいいんだよ。それに、お前だって本気で抵抗してこないだろ?」
「……好きにすればいいじゃない」

 結局、話が堂々巡りしているからか、ラグラージが諦めるように最後にそう呟いた。
 子供が欲しくないかと言われれば嘘になる。
 そのためか、ラグラージの頭の中にも、『育て屋だから仕方がない』という言い訳の言葉が浮かんでいた。
 そのまま今度はジュカインが上からラグラージに覆い被さるような形になり、あっという間に元の元気さを取り戻した陰茎をゆっくりと彼女の膣へ挿入していった。
 ラグラージは小さく嬌声を上げながら、久し振りの快感を味わっている様子だったため、一度出して余裕のできたジュカインも腰を振る速度を早めた。
 一番奥まで挿入し、ラグラージが押し殺したような嬌声を出して体をくねらせる度に、グチュッという卑猥な水音も聞こえた。
 リズミカルに腰を打ちつける音が響き、それに混ざってラグラージの嬌声と、二人の少しずつ荒くなっていく息遣いだけが部屋に響いていた。

「もうそろそろ……限界だっ……! &ruby(だ){射精};すぞ……!」

 ジュカインがそうラグラージに伝えると、ラグラージは両腕で彼の体をギュッと抱き寄せた。

「頂戴……&ruby(なか){膣内};に一杯……」

 ラグラージは恍惚とした表情を浮かべたまま、ジュカインの目を見てそう言った。
 途端にジュカインの中のたがが外れたのか、更に腰を激しく振った。

「ああぁっ!!」
「くうぅ!!」

 途中で暴発しそうになったが、一気に一番奥まで滑り込ませ、二度目の射精を今度はラグラージの膣内奥深くで迎えた。
 何度もジュカインの陰茎は大きく脈打ちながら精液をラグラージの中へと送り出していった。
 射精も収まったのを確認しながら、もう一度息を荒げ、陰茎をラグラージの膣内からズルリと抜き出した。
 すると、ラグラージの中に収まりきらなかった精液が、僅かに彼女の肌を伝って溢れ出した。

「大好きだ。いや、愛してるよ」
「知ってる。ワタシもおんなじだもの」

 そう言って二匹は少しくたびれた様子ではあったが、しっかりと指を組み、舌を絡めてキスをした。
 それから数十分と経たない内に、ラグラージはまた顔を赤らめ始めた。
 少しずつ息を荒くしながら、ゆっくりとお腹を撫でた。

「だ、大丈夫か!? 俺、何か出来ることあるか!?」
「んっ……! なら、ちょっと静かにしてて。別に騒ぐようなことでもないし」

 慌てるジュカインにラグラージはそう言うと、ゆっくりと力んだ。
 すると彼女の股の間からゆっくりと卵が顔を覗かせ、そのままスルンと飛び出した。

「産まれたー!!」
「ハァハァ……。だから五月蝿いって……」

 喜びで狂喜乱舞するジュカインをよそに、ラグラージはようやく大仕事を終えて、今度こそぐったりと地面に横たわった。
 そしてある程度息が整うと、ラグラージは深い溜め息を吐いた。

「この卵……。ご主人のことだから許してくれそうだけど……この先、どうするのかしら……」
「大丈夫だって! 俺とお前のタッグなら怖いもの無しだ! それに子供も産まれたんだ! 尚更カッコ悪い所は見せられないからな!」

 先の不安を口にするラグラージに対して、ジュカインは随分と能天気なことを言っていた。
 それを見てラグラージはまたやれやれと首を横に振るが、その表情はどこか嬉しそうだった。

「そういえばそのバトルの事なんだけど……」
「なんだ?」

 ラグラージがそう言ってジュカインの方を向くと、彼は卵を大事そうに抱えてラグラージの方を向いた。

「どう考えてもご主人の言う通り、ワタシの方が耐久力も高いし、あの程度の攻撃凌げるのに、なんでアンタがいっつも前に出るの?」
「なんでって……。そりゃあ、俺の大事な人に怪我させられるかっての! 俺が守ってやるから安心しろ!」

 ラグラージの質問に対してジュカインは少しだけ不思議そうな顔をした後、当たり前とでも言いたげなほどの満面の笑みを見せてそう言った。
 それを見てラグラージは苦笑いを浮かべて小さく溜め息を吐いた。

「調子のいい奴……」

 結局、大会ではジュカインが勝手に突っ走って、見事に予選第一回戦で撃沈しましたとさ。

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**あとがき [#abfd803f]
皆さん大会お疲れ様でした。COMという者です。
今回の大会は「ちょう」ということで、やはり蝶が題材になることが多かったようですが、
自分はそこでなんとかひねりを入れたくて「調」子のいい奴なんて所までは閃いたものの、
展開は王道になってしまうというオチを書き終わった後に気が付きました。(´・ω・`)<ナニヤッテンダイ
大会の結果は同率5位、得票数は2票という結果でした。
投票してくれた方々、どうもありがとうございます。


育て屋はお約束。結局揃わない足並み。

>>大会作品は癖の強いものが多かった中、王道作品を選んでいただき、ありがとうございます。


良かったです

>>ありがとうございます。

暇を見つけてはちょこちょこ書いていますので、また機会があれば何処かで。

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IP:125.13.176.58 TIME:"2015-09-22 (火) 20:15:43" REFERER:"http://pokestory.dip.jp/main/index.php?guid=ON" USER_AGENT:"Mozilla/5.0 (Windows NT 6.1; WOW64; Trident/7.0; rv:11.0) like Gecko"

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