ポケモン小説wiki
試験前夜は御用心 の変更点


ポケモンジム新設捏造注意
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「ねえ先輩、ここで雇って下さいよお」
あるポケモンジムの一室で、右腕に包帯を巻き、顔の右半分に冷却シートを貼った先輩に頼んでみる。
しかし、返事はなく先ほどの発言は壁にぶつかって消えてしまった。
「聞こえてますか?」
もう一度先輩に尋ねる。ちなみに本当の先輩というわけではなく、ただの敬称である。
この狭い部屋に、2人とお互いの手持ちを合わせた6匹のみ。ポケモンはボールの中なので、実際はこの部屋の半分を占めるほどの透明なガラス製のテーブルを挟んで先輩と二人きり。俺はテーブルに付けられた長いすに座って、先輩は立っている。本当は関係者以外立ち入り禁止だが、俺は特別にジムリーダーから許可をもらっている。
ようやく、先輩が口を開いた。
「だから、何度も言ってるように明後日のジムトレーナー就任試験に受かったらここで雇ってもらえるっての。受験票も渡しただろうが。第一俺はジムリーダーじゃないからそんなこと決められないし」
そう言って先輩はテーブルの上に置いてある煎餅の袋に手を突っ込む。テーブルの上は菓子やら雑誌やらで散らかっているているが、俺はそれを隅に押しのけて学校の宿題のプリントを広げる。
「ですよね、やっぱり。えっと……2(cosθの六乗+sinθの六乗)-3(cosθの四乗+sinθの四乗)だって? 解けるかこんなもん!」
「-1」
「……あってるんでしょうね」
「有名な問題だからな」
また先輩は煎餅の袋に手を伸ばす。俺の手持ちのハクリューがボールの中で呆れかえっているのがひしひしと伝わってくる。ばりばりと気持ちのいい音に刺激され、俺も煎餅の袋に手を伸ばす。
「なあ、お前は何でそんなにここに就職することにこだわるんだ?」
煎餅を囓りながら言葉を喋るものじゃないですよ先輩、と言ってしまいそうになったが、俺も囓っているので人のことは言えない。それにしてももっともな質問だと思う。
「いや、親父が病気で死にかけていて……とりあえず就職して安心させてから死なせてやりたいと思いましてですね……って前も同じ事言わせませんでしたか?」
「確かお前が今まで生きてきた二倍は年の差がある親父だったかね?」
「そうそう、今住んでいる家ももとはといえば親父の土地で……やっぱり前に聞いたことあるんじゃないですか」
ロッカーを開けて仕事が終わったため、自分の私服に着替え始めた先輩の耳には届かなかったのか、それとも聞こえないふりをしていたのかは分からないが、返事はなかった。もちろん、着替えは片手で。
右胸にレックウザだったかな? をかたどったエンブレムの付いた青地に赤いチェックの入った、上の制服。ぴっちりとした悪く言えば真っ黒、よく言えば漆黒一色の下の制服。(聞いたところによると制帽もあるらしい)純粋に憧れるわあ。
「時刻をちゃんと見て帰れよ。ジムはまだまだ開いてるけど、俺は帰るから」
ロッカーの上に掛けられた時計を見ると、もう短針が8よりも9の近くを指していた
もう一度、煎餅の袋に手を伸ばす。畜生、もう空じゃないか。
「いいのか? 試験は明後日だぞ?」
「当日に疲労を残すようじゃいけませんから……それじゃあさようなら」
「ああ、明日はリーダーがポケモン協会本部の方に行かなきゃならないからこのジムはお休み。じゃあ、さよならな」
先輩は、そのままジムの関係者以外立ち入り禁止と張り紙のしてある通路へと消えていった。
俺も、しばらくプリントの中の三角形とにらめっこしていたが、別の先輩が9時半過ぎたぞ、と教えてくれたため慌てて鞄にプリントを押し込み、ジムの職員用出入り口から出ていった。


「げ、大雨」
外はまさにバケツをひっくり返したと呼べるような大雨が降っていた。傘は持ってない。ジムは傘貸してくれないんだよなあ。
天気予報は見てこなかったから、自業自得だ。仕方が無いので全速力で自宅までダッシュ。またハクリューがボールの中で呆れているようだった。勢いの強い雨が身体に当たって痛い。その上秋の雨だから当たるたびに体温を奪う。鞄を頭の上で傘の代わりにしてみたが、何の効果もなかった。
幸い、自宅はそこまで離れていないので、すぐにたどり着くことが出来た。
「あーあ、びしょ濡れ……」
この時間なら服を脱いでも誰にも見られないだろう。上の服を脱いで徹底的に絞る。玄関先にだばだばと絞り落とされた水は、そのままどぶの中へ。
水が流れていくのを目で追っているうちに玄関先に居るのは俺だけじゃないことに気付く。
所々泥がはねて鮮やかな橙色の体毛が汚れていたが、確かにそれはブースターだった。首回りのもふもふの毛が、雨を吸って重苦しく感じられた。じっとバケツをひっくり返したような雨を見つめている。
まあいいや
俺は、玄関の鍵を開けると、そのまま扉を閉めた。脱いだ上の服を洗濯かごに投げ入れる。……ビンゴ。
ハクリューをボールから出して、そこら辺に置いておいたお徳用のポケモンフーズを容器に入れてやる。ハクリューらしく優雅に、お行儀よく……がっついた。
それにしてもあのブースターは寒い雨の中どうするんだろう。炎タイプにとっては最悪と呼べる天候だ。無性に気になる。風邪でも引いてなきゃいいけど。
……こんなに心配するならいっそ入れてやるか。
玄関を開け、例の橙色の毛玉に手招きをし、声を掛ける。
入っておいで
この雨の中では、俺の声がかき消されてしまうのではと疑問に感じたが、どうやら聞こえたらしく、トコトコと中に入って来た。

「ちょっと上がらないで待っててね。ハクリュー、風呂のお湯張って」
このまま上がられたら、せっかく艶々の光沢を持つ自慢のフローリングの床に真っ黒な足跡が付いてしまう。ハクリューは空中に浮けるからいいけど。第一今日は一日中ボールの中だし。
「自分でそれぐらいやりなさい。手持ちポケモンは召使いではありません。あと半年で卒業でしょう」
「いいじゃないか、それぐらい。卒業とそれとは関係ないって。電源入れなきゃハクリューも洗ってやれないでしょ。頼むよ」
渋々といった感じで彼女がようやく風呂場に向かってくれた。ブツブツ文句を言っていたが、無視無視。構えばそこで試合終了ですよ。
で、ブースターはというとじっと大人しく玄関に座っていた。寒いはずなのに、身震いひとつせず。雨を吸った体毛から、ポタポタと雫が垂れていくのはとても寒々しい。
風呂にお湯が張られ始めた音がしてきたので、ブースターを抱えて直行。これほど大人しい仔も珍しい。ハクリューにこれが終われば呼ぶからと伝え、タオル二枚を持って戸を閉める。ズボンは今日洗ってしまえばいいだろう。
「ブースター、大人しいんだね。あのハクリューなんかミニリュウの時はもー暴れて暴れて風呂の蓋とか桶とかが粉々になったことも……」
「はい、無くなりかけてた石鹸」
戸が開いたかと思うと、後頭部に鈍い衝撃が走り、真っ白の塊がタイルの上に転がる。気の利くことするなあ、と思ってもこれでは台無し。
彼女の声はいつもと同じだったが、飛んできた石鹸には多少なりとも怒気が含まれていた。
「うわあ、瘤が出来た……」
こんなやりとりを見ても、ブースターは全く表情を変えない。呆れられているのか親しみやすそうだなと思われているのか判断できない。さっきから鳴き声も上げないし。
湯船からお湯を掬い上げ、ブースターにかけてやる。湯気が立つほど暖かければ大丈夫だろう。
頭からお湯をかぶって一瞬だけ気持ちよさそうにしたが、すぐにまた、あの雨をじっと見つめているときの表情に戻ってしまった。悲しい、と表現するのが一番妥当な表情。
「どうしたの? そんな悲しい顔してさ? 何かあったの?」
首を横に振る。笑顔になったが、無理に笑っているようにも見えた。
「無理しなくていいよ。あの顔が楽ならあの顔でいいし。俺はあの顔が嫌いじゃないからさ」
もう一度お湯をかけてやる。手のひらにポケモン用の液体石鹸を広げ、ブースターの背中につける。
くすぐったかったのか冷たかったのか、今度は自然な感じに笑ってくれた。
「ハクリュー、ブースター洗うの手伝ってぇー」
タオルでブースターの首筋から背中にかけてをこすりながら、戸の外でご飯を平らげ、普段通りぐうたらしているであろうハクリューに応援を求める。別に難儀な訳ではないが、もしブースターが雌だったら俺が全身を洗うのはちとまずい。雌は雌に洗って貰うのが一番。雌が雄を洗うのは……まあ、アリでしょう。うちのハクリューは雌だけど、小さい頃から一緒に入ってたりするわけだから彼女は例外。最近は胸がでかくなりやがって……うぼあ
「手伝いに来まし……ご主人様、何を馬鹿なことを……」
彼女の開けた戸が、俺の背中に直撃した。素直に来たかと思えば、こんな事をしでかす。馬鹿なのは俺じゃない、ハクリュー、君だ。いや、この場合は天然か?
「もういいです。ブースターは私が洗っておきますから、ご主人様は絆創膏でも貼って休んでて下さい」
そう言われて、俺は半ば強引に彼女の尻尾に巻かれて外に引きずり出される。彼女と入れ替わりに。
あ゛ー、背中がひりひりする。身体をひねって傷の確認。幸い皮は剥けてなかったし、血も出てなかったので、ほったらかしにしておいた。
それにしても、まさか上半身裸の全身が濡れた状態で風呂場から引きずり出されようとは。ハクリューとブースターが出てくるまで、俺はひたすら寒さに震えるしかなかった。


とりあえず彼女たちは俺が凍えるまでには身体から湯気を立てて出てきてくれた。俺も入って、ブースターにもポケモンフーズをやり、洗濯機を回して早々に布団の中に。
ブースターもどうやらポケモンフーズを食べ終わったらしく、布団の側に寄ってきた。流しから、ハクリューがポケモンフーズの容器を洗う音が聞こえる。
ブースターは今の今まで一言も喋っていない。それでも無理に喋らせる事には抵抗を覚えるので、触れない。
「今日はもう泊まっていくといいよ。どこで寝る? どこでもいいよ」
ブースターは申し訳なさそうに頭を下げ、前足でちょいちょいと立っている場所を指した。ここでいい、と言っているのだろう。
「ご主人様、容器洗うの終わりました」
「ああ、有り難う。ブースターはそこで寝ていいよ」
「私はもう寝ますので」
戻ってきたハクリューはそのまま布団のすぐ傍らで寝息を立ててしまった。某アニメの瞬眠主人公も真っ青なスピードである。ブースターも首のもふもふの毛に自らの頭を沈め、身体を丸めて目をつぶった。
「ん。分かった。じゃあ、お休み」
電気を消し、家中が真っ暗になったところで俺も布団に入った。



朝。完全に閉まりきっていない雨戸から朝日が差し込み、どこからともなくポッポの鳴き声が聞こえる、そんないつも通りの平凡で平和な朝。いつもと違うのは、側にブースターが寝ていることと……ハクリューの尻尾が俺の首に巻き付いていること。よく窒息せずに朝まで生きられたものだ。
頑張ってハクリューの尻尾をどかし、雨戸を開ける。
「起きな。朝だよ」
ハクリューもブースターも目をこすって眠そうにしていたが、朝の日差しを浴びて一気に目が覚めたようだ。
朝食も終え、テレビの前に一年中出しっぱなしにしてある炬燵に手足を突っ込み、机に当たる部分に顎を乗っけてくつろいでいた。今日は何もすることがない。学校は休み、ジムも休み、ハクリューは明日頑張って貰わないといけないから休み。どうしようかと思案に暮れていると、一緒に炬燵に胸辺りから尻尾までを器用に曲げながら入っているハクリューが話しかけてきた。
「あの、ご主人様。ジムトレーナー試験に合格したらどうなるんですか?」
「ああ、卒業まではアルバイト的な感じで雇ってもらえるよ」
「私は?」
「ハクリューには頑張って貰うよ。バトルしなきゃいけないからね。何、嫌がることはないよ。お休みはちゃんと取れるし、一日に何回か交代があるから」
リーダーは交代なしのうえに、色々チャレンジャーとのバトル以外の仕事があるからそれなりにキツイらしいけど。この事実を教えると絶対文句を言うから教えない。
ハクリュ-はふーんとだけ言って、また黙る。ブースターも一緒に炬燵に入って机の上に頭を投げ出して耳をだらりと垂らしてリラックスしていた。雄にしろ雌にしろ可愛い……じゃなくて、とりあえずリラックスしてくれて安心した。あ、一応いっとくけどイーブイ系統のポケモンを顔だけで雄雌判断するなんて本気で難しいからな。都市伝説にはジョーイさんになるための試験にイーブイの性別を見分ける問題もあるとか。
「……もしかして、喋れないの?」
ブースターは頭を少し持ち上げて首を横に振った。だったら何で話そうとしないんだろう?
「なにか喋ろうよ。あ、どこから来たとか教えてよ」
「じゃあ……話しましょうか」
ようやく話してくれた。ずっしりとのしかかっていた肩の荷が下りた感じ。
「何から話しましょう」
「じゃあ、どこから来て、何でうちの玄関に居たのかから」
しばらくの時間つぶしにはなるだろう。聞けば、名前は知らないけど遠くからトレーナーにゲットされてここまで来たが、そのトレーナーが気に入らなかったから宿で眠っているうちにボールをこんがりと焼いて逃げた所、雨に降られて偶然うちの玄関先で雨宿りしていたのだという。
「雄なの? 痛てて、痛い痛い痛いってば、御免御免」
雄なの、尋ねれば耳を噛まれた。確かに雌に“雄なの”と尋ねるのは失礼だった。謝ればすぐに離してくれたが。



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さて、“げに恐ろしきはこの無情なる時の流れにてなるめり”に言われるように、ただブラブラと何もしなくても時だけはせっせせっせと前にだけ進み、戻ることを知らない。
既に太陽も地平線深くへと沈み、夜の闇が世界を支配しようとしている今日という日も、残り僅か。
すなわち、彼にとっての試験前日も残り僅か。
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あーあ、あと半日と少しで就任試験かあ……難しいのかなあ
一人、風呂場で半分のぼせながらぼんやりと考えてみる。このテの試験は相手がどの程度かで大きく難易度が変わってくる。怖い、とかワクワクする、とかの感情じゃなくて、ただ不安だなあ、としか頭に浮かんでこないのは俺にアクション漫画の主人公としての素質が無いから……ではなくて今まで試験なんて右手に入りきるほどすら受けていないから。
いいさ。なるようになる
半ば投げやりにこれまでの結論を纏めて、風呂場から出る。

着替えのおいてある寝床まで到着。
「どーん」
ここでブースターの身体を張った奇襲が胴体に直撃する。後ろ側に大きく傾いた重心によって、そのまま床へと仰向けに叩き付けられた。
「ブ……ブースター……俺、何か悪いことでもしたかな?」
「さあ? 自分の胸に聞いてみて?」
思い当たる節といえばアレしかない。雄と間違えたこと。
「だから、本当に悪かったってば」
「うん。それはもういい」
「じゃ、いい加減どいてくれない? 服着たい。寒い」
何より腰に大事な部分が辛うじて隠れる大きさのタオルしか巻いてないんだよ。で、目の前の此奴は雌なんだろ……。
「服着なくていーの。寒いなら暖めてあげる。一泊数食付きの料金、身体で払うからね」
「払わなくていいから。キモイ童貞だから」
「まだ貴方をマスターと呼べる立場にないからには、料金払わないと気が済まないの。どーてーだろうがどんと来い」
「よし、今日からお前は俺のポケモンだ。ボールは明日用意する」
「何でも良いから、大人しく襲われなさーい!」
必死の抵抗もむなしく、両手両足を封じ込まれてブースターの顔が目の前に……。


「きゃっ」
小さな悲鳴とともに、ブースターの身体が俺から引きはがされる。助かったのか新たな敵のお出ましなのか……
そんな危機を救ってくれたのは、まさかのハクリューで。
「新入りのクセに……私を差し置いてご主人様と交わろうなどと……不届き千万!」
「あら、私のテクニックでもう今日中の復活は無理だと思っていたのに」
「私は雌にイかされる雌ではございません」
この後もギャアギャア言い争っていらっしゃったが身体の自由を取り戻した俺はその隙に着替えに手をのばす。が、その手はハクリューのすべすべした龍鱗で覆われている尻尾に捕まる。
「さて、今日は私の相手をして頂きましょうか?」
「あはは……嫌と言おうと回避は出来ないんでしょ?」
「よく分かっていらっしゃる。流石ご主人様」
「じゃ、後はごゆっくり~後かたづけは任せてね」&color(white){年功序列};
そうですか。意地でも俺を落とす気ですか。ハクリューから逃れようとしてもスリップしてばかり。もがけばもがくほどツボにはまるということを初めて理解した。
「ご主人様は私とヤりたくないんですか……?」
不意に、悲しそうな声をハクリューがあげる。ヤりたくないかって?
「そんなことは……ないけど」
「だったら私を拒まないで下さい。ぐすっ」
「あー、女の子泣かせたー。ご主人様ひっどーい」
「だーっ、どこから湧いてでたんだ、ブースター! あっちいってろ! ハクリューは泣かせないから……」
「分かりました~えへへぇ……」
謀ったような笑いをあげて、どこからともなく現れたブースターは再びどこかへと消えていった。
「じゃ、じゃあ、本当に良いんだな?」
答えは分かっているけど、一応確認を取る。礼儀として。
「ご主人様の嫁としてならどんな雑用でもやります」
「よし。んじゃあ早速」
倒されたまま、腰に巻いてあったタオルを取り去る。そこで、俺とハクリューの視界に否応なく入るのは、勿論俺の肉棒。あら~、いつの間にこんなに大きくなってたんだろう。痛々しいほどに肥大し、勃起し、目の前のハクリューが言葉を失っている。
「これを……舐めるんですか?」
さすがに抵抗があるのか、俺に尋ねてくる。
「いや、尋ねるなよ。別に舐めなくていい……ってうぼあ」
舐めなくていいと言った矢先、ちろちろと控えめに舐め始めた。先端から付け根まで、丁寧に。
やめろ。いや、やめないで。でもやばい。ちょ、うおい!
肉棒から出てくる我慢汁まで丁寧に舐め取って……汚いからよせといってもどうせやめないだろうけど。迫り来る快楽の波は止めようがないってか。この調子で行けば白濁液なんてすぐ出してしまう。そんなことになったら、確実に嫌われるな。
「っと……ここまでにしとこ」
が、ここで快楽の波は止まる。嫌われることは無くなったとはいえ、複雑な気分。
「もうやめるのか?」
「まだ精液飲み込む覚悟までは出来ていないので……御免なさい」
「いや、謝ることはないよ」
「さあ、次はご主人様の番ですよ」
ハクリューは俺の前で、自分の一番弱いところであろう場所を俺に晒す。
うわあ、雌だとか女だとかの性器ってこうなってるんだ……
「で、どうすればいいの?」
「好きなようにどうぞ。雌は何回でも絶頂は迎えられますので」
初めて見るものを好きなようにと言われて少しとまどったが、どうも本能というのは博識なようで、俺は迷わず穴に指を入れてみたり突起を舐めてみたりと弄ってみる。既にブースターのおんがえしで濡れていたが、そこは気にしない。
身体が勝手に動いたんだよ! 悪かったな童貞で!
「ひぅ……ご主人様……あっ」
とりあえずいったん止めてみる。痛かったりしたら大変だと心配して止めたのだが、当の本人はどこかもの足りなさそう。
「あ、気持ちよかったの?」
「……はい……」
「それは悪いことをした」
もうちょっと強い刺激を与えても良いだろうと、性器の突起を噛んでみる。
ま、これも身体が勝手に動いただけだけどな!
「ご主人様……うああっ!」
「おわっ」
ぷしゃっと勢いよくハクリューの愛液が顔にかかる。さすがに刺激が強すぎたらしい。
文句は男性の本能に言ってくれよ。
「ご、御免なさい……」
「謝るのはこっちだと思うけどな」
顔にかかった愛液を舐め取る。何とも言えない味だけど、毒じゃないらしいから、あや、何でもいいや。どうもこれも礼儀らしいから。


「さて……そろそろ本番、大丈夫?」
一度絶頂に達したハクリューの呼吸が正常に戻るのを待って聞いてみる。
何が今更恥ずかしいのか、顔を赤くして首を縦に振るのみ。空中に浮く体力もないのか、それとも俺に気を遣っているのか、床にぐったりと寝そべっている。
さあて、本当に大丈夫なんだろうか
「来るなら早くして下さい」
「俺にも心の準備ってものが」
「よく言うわ自分から本番大丈夫? とか聞いてたクセに」
俺の言葉に切り返したのは、ブースター。
「またお前か! いい加減あっちいっててくれよ! は……ずかしいから……」
尻つぼみになっていくのが自分でも分かる。
ああ、情けない。
「りょ~かい。フィニッシュはちゃんと叫んでね」
三度、どこかへと消えるブースター。
「さて、邪魔が入ったが……挿入るよっ」
言うが早いか、自分の肉棒をハクリューの膣内にぶち込んだ。潤滑は申し分なし。
「ご主人様……ああっ……ひぃぃ……」
ただ、彼女も初めてなのか、締め付けが凄い。入れた途端にイってしまうかと思われたが、意地とプライドで耐え抜いた。無理に押し広げて、奥に。その間、俺もハクリューも喘ぎまくっていたが。
先ほどの予想が当たっていれば、もうすぐその証にたどり着くんだが……あった。
肉棒の先端に、何かが当たった。
「痛いぞ……我慢しろよ」
「ご主人様のためなら……やああああ!」
我慢できるような痛みではないらしく、叫び声が部屋中に響く。
隣近所には聞こえないでくれよ。頼むから。

「はぁ……はぁ……」
「もう大丈夫か?」
「ん……何とか」
「ならば、いくぞ」
「ひぎゃああああああ」
中断されていた行為を続きから再開する。俺が腰を振るところから。
もう痛みもないらしい。ハクリューの顔は、快楽そのもの。
「ご主人様……初めてなのに……あっ……凄い……」
「初めてって……ハクリューもでしょ?」
お喋りもそこそこに、行為に、快感に集中する。
ハクリューが腰を振る。俺が応える。多分この家のどこかに居るであろうブースターなど、既に忘却の彼方だった。
「それはそうと……もうっ……っはっ……」
「あー、初めてだと……ふうっ……早いのが難点だな……」
初めてだといくら本能が働こうと快楽に耐える術は知らないようで。
いくら何でも早すぎるが、俺もハクリューも限界。
「もうダメだ。膣外で射すから……」
「えっ……」
ハクリューは悲しそうな顔をしたが、さすがに膣内射精はまずい。
「分かってくれ」
「はい……」
諦めきれないという感じだったが、こういうケジメだけははっきりつけておかないと。
抜くのと同時に二人で絶頂に達する事が出来るように調節し、
「はくりゅ……二人で……イくぞっ……」
「ご主人様……あああああああっ」
「くっ……うわあああああっ」
上手い具合に、二人同時に果てることが出来た。肉棒を引き抜いたところから血と愛液の混ざった液体が床を汚し、肉棒から出た白濁液はハクリューの鱗を汚した。
あーあ、きれいにしとかなきゃ。
と、思っても身体が動かない。瞼が重い。意識が朦朧とする。
迫り来る眠気に、俺はあっさりと敗北した。

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「あらら……これだからどーてー君は」
どこからともなく、ひょっこりと現れたブースター。
「もう、後片付けは任せなさいって言ったのに」
彼の頭を前足でつつく。
「さーて、一仕事して、寝ますか」
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時はかわって場所は変わらず。太陽の光が夜の闇を駆逐し、人もポケモンも、夜行性でなければ活発に活動し始めて、最初に入る小休止のころ。


「おーい……返事がないな。既に屍か?」
誰かが俺の頬を叩いた気がする。眠いんだよ。寝かせてくれよ。
「私が知らないうちに窒息死させてしまったのかも……えーん、ご主人様あ~」
「大丈夫。脈はあるみたいだから」
えーっと、今の二匹はハクリューとブースターか。
「いい加減起きろ。何をだらけとるか……」
「だあ! もう! 五月蠅い! し……ず……か……に………」
「おはようございますご主人様」
再び頬を叩いた何かをつかみ上げ、怒鳴った先には……
右腕に包帯を巻き、顔の右半分に冷却シートを貼ったエンブレムの付いた青地に赤いチェックの入った、上の制服。ぴっちりとした悪く言えば真っ黒、よく言えば漆黒一色の下の制服。
「せ……ん……輩?」
「他に誰がおるか。今何時だと思っている」
今何時……? 今日は何かあったっけな? ハテ?
時計に目をやる。が、その隣に掛けてあるカレンダーを見て、俺の眠気は空の彼方に吹っ飛んだ。
現在、集合時間三分前。
「あ゛あ゛っ。就任試験! 逝くぞハクリュー! ブースター、留守番は任せた!」
「逝ってどうする。燃え尽きる気か」
「とにかく行かないことには……せえい!」
いつ服を着たのか記憶に無いが、この際どうでも良い。俺は、ハクリューをボールに戻すと、そのまま窓から飛び出した。

----
一人と一匹が残された部屋で、一人の方が歩き出す。
「あーあ、やっぱり忘れて行ったか、受験票」
彼は、制服のポケットにそれを入れると窓の外にボーマンダを繰り出した。
「じゃあ、戸締まり留守番は任せた」
「マスターを宜しく」
ボーマンダが、そのマスターの下へと飛び去った。

----
&color(white){久しぶりに思い出した。男性限界(弾性限界)};
それにしても駄文と呼べるかすら微妙な文だな……
どうすれば上手に文章をかけるようになるんだろう……
特にえちい所             &color(white){by[[辺境のモノカキ]]};
----
↓何かありましたら


#comment(below);
- >>勇氏
こちらこそ初めまして。時間が経ったなんてとんでもない。いつでもどうぞ。褒め言葉、有り難く頂きます。

ブースターは一応猫被ってたんですよ。ただ、何故話そうとしなかったのかが入りきらなかったのがいかんかった。
官能はまだまだまだまだまだまだ練習中ですので、冷めた目で見守って頂けると幸いです。

お互い頑張りましょう。辺境にお越し下さって有り難うございました。
――[[辺境のモノカキ]] &new{2010-10-28 (木) 16:52:09};
- 初めまして。勇という者です。こんな時間の経った後の米に現れてすみません。
ブースターの書き方が急に変わりすぎた気はしますが、
文章構成としても目立った失敗が無く、私的には上手いと思いました。
官能表現は私も練習中ですので、書くと言う行動が出来るのが凄いと思います。私に書くだけの力が無いだけかもしれませんが…。
私も、まだまだ新参者なのでこれからも頑張っていきましょう、お互いに。生意気だったら御免なさい。
――[[勇]] &new{2010-10-27 (水) 18:47:52};
- 設定を気に入って頂いて有り難うございます。
――[[辺境のモノカキ]] &new{2010-10-06 (水) 20:53:44};
- オリジナルジムというのがいいですね。
―― &new{2010-10-02 (土) 18:45:30};

IP:202.253.96.230 TIME:"2012-06-23 (土) 14:09:06" REFERER:"http://pokestory.rejec.net/main/index.php?cmd=edit&page=%E8%A9%A6%E9%A8%93%E5%89%8D%E5%A4%9C%E3%81%AF%E5%BE%A1%E7%94%A8%E5%BF%83" USER_AGENT:"SoftBank/2.0/001SH/SHJ001/SN353012043858651 Browser/NetFront/3.5 Profile/MIDP-2.0 Configuration/CLDC-1.1"

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