ポケモン小説wiki
親より厄介な奴等 の変更点


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珍しく早起きだ。これからこれが日常になると思うと面倒で仕方ない。目をこすりながら真新しいカーテンを開けると、薄暗くもなければ金属光沢のように眩しくもない日が昇ってきたばかりだった。大学に通うために親に無茶を頼みこんで家をでた、正直なところ親の元を離れたいというのが一番の理由。
手始めに電気をつけようとボタンを押すが反応がない、電球を買っていないのを忘れていた。引っ越してきたばかりなので買いそろえなければならないものがたくさんある。
冷蔵庫や電子レンジといったような大型の生活に必要な電気製品はあるが細かいものが足りない。朝飯もセルフサービス、買いに行くのも、というかすべて自分でするしかない。
手始めの新聞を玄関までとりに行く、ここまではよくあるパターン、しかし今朝は不思議なことに扉の口から抜き出せない。必死に引っ張ろうと試みるが抜ける気がしない。
朝詰まって出てこない新聞ってなんだよ。仕方なく扉を開けて外へ出ると気温が上がりきっていないため寒さに身震いするがそれ以上に目の前の現実に凍りつきそうになる。
手を放してしまいドアがバタンを音を立ててしまる。扉周辺の壁に黒い変な塊がへばりついているではないか、それだけではない出てこない新聞の原因はこの黒いやつらの連れらしい。
新聞と仲良く詰まっているではないか。へばりついている仲間達が奇妙な一つ目で俺に期待のまなざしを向けてくる。
えたいのしれない黒文字を引っ張り出すと新聞も玄関に落ちる、これで一件落着というわけにはいかなさそうだ。まだ何かが不満なのだろう、俺を視界から外そうとしない。
厄介事は御免、何も俺は見なかった。これは夢だ、きっとそうに違いない。
抜いたやつをその場に置き捨てて、急いで扉を開き高速で駆け込んで閉めるはずだった。
開けた瞬間にそこらじゅうの黒い奴らのラッシュにより俺は入ることを妨ぐどころか、逆に自分が入ることさえ許されないように思えた。
俺の借りたアパートの部屋はやつらの占領下になり下がってしまい、恐る恐る入ってみると以外にも部屋の中央におとなしく集っている。
俺を見るなり今度は規則性があるのだろうか何やら横に並び始める。謎だ、もともとポケモントレーナーになる気なんて全くなく勉強ばかりしていたのでポケモンに関してはその辺の小学生にも劣るかもしれない。
見ればこいつらローマ字っぽくないか、いやたぶんそれだろう。ということはこれは文字の横書きと同じようなものなのだろうか、だとすればNAK次は空いている。
慌ててAの文字がKの次に入り込むどうやら空きがある所まで読み終えたのを察したのだろう、これによりNAKAまで読める。この調子で次はMそしてまた空白、ということはまたAがせっせと動く。
こいつ見かけによらずまじめで苦労するやつなのだろう。NAKAMA、つまり仲間ということなのか。続きはFにI、NそしてD。今度はスムーズに並んだ。さて日本語ではないことは確かだろう。クイズ番組ではないのだから伝えたいことがあるのなら真面目に的確にやってほしい。
が、勉強なら多少は自信がある、これはつまりfind、見つける。つまり順番でいけば仲間がfind、仲間が見つけるということか。
「仲間が見つける、それがどうしたんだ?」
すると文字たちは再びさっきと同じように並び始める、ようするに間違っているからよく見て考えろと言ったところだろうか。それにしても真剣なのは数匹だけのようだ、7匹で文字を作って伝えているがあと20匹遊んでいるやつらがいる。と言っても飛び回ったりへばったりで遊んでいるのかどうかも定かではない。結局悩みに悩んだ末見出した答えが、仲間が見つけるではなく逆にしているだけで実は見つける仲間、仲間を見つけろということではないのだろうか。
仮にもこれが正解だとしたらこいつら仲間に対する思いやりがなさすぎる。
「仲間を探してほしいのか?」
何語かわからないが高い声が響き、やる気のないやつらまで奇声を上げる。さりげなく耳に響くのでやめてほしい、しかも新聞と仲良く挟まるような訳のわからないのと同じのを探すわけだから苦労しそうだ。どこにいるか見当もつかない。
「なんかさ、お前らわかないの?少しぐらい仲間の居場所とかさ。」
淡い期待である、こいつら見たいなあまり強そうじゃないやつらに仲間の場所が分かるなんて便利な力あるはずがない。
「この建物の近くにいるであってるのか?」
今度は全員で協力して並び始めた、団結力はあるのに仲間を思う心があるのやらないのやら。けど、場所さえわかれば探すのなんて簡単だ、範囲はさほど広くはないすぐに見つかるだろう。
後は一人はぐれている、これだけ分かれば楽にいけそうだ。着替えることはせずに再び寒い外へ出る。まだ寒い、そんなすぐに暖かくなるわけがない。
アパートは二階立てで一つの階に部屋が3個と大変小さい。
この周辺にいるとしたらだれかの家の中かあるいは新聞と仲良くしているどちらかだと思っていた俺は馬鹿だったようだ。見渡すとちょうど2階ぐらいの高さの木が数本生えている。
その中の一本に妙な影が見える、というより黒いだけのさっきまで俺が多用していた文字。?がハンガーのように引っかかっている、それも結構上の方で。
あれは浮くことのできる仲間に頼んでさっさと帰ってもらおう、なぜあんなところにいるのに気付かないのかはあまり触れないでおこう。
「見つけたぞ、向かい側の木にぶら下がってるぞ。」
扉を開けてそう叫ぶと中から黒い小さな群れが飛んでいく、もちろんはぐれた仲間のもとへ。
今度こそ一件落着、感動の再会も果たせたことだし地味に自分自身もいいことをしたような気がするしよしとしよう。これで電球を買いに行ける、安心して新聞を拾い上げて朝ごはんに入る、つもりだったのに何回この文字共は計画を狂わせるんだ。
再開したクエスチョンを連れて俺のもとまで猛進して高速で並び終える。
「お礼に一回願いをかなえてやる?・・・」
これは何かの冗談だろう、でもまて本当だとしたらここは欲張ったら公開するよくある話とおなじじゃないのか。
だとすればなんか金とかそんな欲が出ているものではなく善人がいいそうな事を言うのが無難だろう。一人暮らしも暇でさびしいわけだからな、親みたいにうるさくなくて、俺の相手してくれるのが欲しいよな。
「何でもいいからさ、俺にポケモンくれよ。」
これならその辺のチビッ子がいいそうなことだし罰も当たらないだろう。はたして俺の願いを受け入れてくれるのだろうか、文字たちは球を描くように循環し始める。
大きさは小さい、それでもなんだか頑張ってくれているように思えた。必死さなんて顔色一つ変えない奴らからなにがわかる方と言われても何も分からないかもしれないが、ローマ字の集合体はボールを一つ残して消えてしまった。
一見普通のボールだがもしかしたらあいつらのことだ何らかの仕掛けがあるかもしれない、慎重に刺激を与えないように手を伸ばして・・・・・
「初めまして。」
ボールから勝手に赤い光が出てきて中から無断で出てきた、今日は俺の思い通りにいかない日らしい。美しいというべきなのだろう9本の先がオレンジであとは白っぽい尻尾を綺麗に見せつけ赤い目で睨んで惑わせる妖子のようなポケモンだった。
こいつが俺の初の手持ちか、中々好さそうなものをくれたな、やはり恩をあだで返すようなやつらではなかったようだ。
「俺はキュウコンっていう種族だ、名前はお前が決めてくれよ。」
口調から判断するに雄か、これなら惑わすのは厳しいかもしれないな。これが雌ならそれなりにその辺のポケモンを誘惑できたかもしれない。
「名前は思いつかないから後でいいよな、朝飯食いたいしさ。」
「それじゃ、さっさと家の中に入ろうぜ。」
世の中見かけによらないものである、扉の前での立ち話も朝から文字共の相手をしていたというのもあるが疲れたので部屋にはいる。
朝飯を食う以前によく考えれば米を炊くことすら行っていない、インスタントの米をレンジで温めることにしした。
ビニールのカバーをここまでと書いてある線まではがし、それをレンジに入れてあとはタイマーを設定して準備完了あとは待つだけ。
「お前って雄だよな?」
温めているうちに決めてしまおう、どうせ雄なら適当でもそこまで気にしないだろうと判断したが、本当に俺の思う通りに物事が進まない。
「俺の乙女心に少しひびが入ったかもな。」
「それじゃお前、もしかしておかま・・・・。」
「そんなことあるわけなだろうが、俺は雌だ。流石にここまで言われたら落ち込むぜ。」
このままではまずい、初日からこんな様では今後手持ちとして気まずすぎる、ここは何とか改善の手を探さねばとレンジが止まっていることも忘れて悩みこむ。なぜここまで必死に考えることができるのかは自分でもわからない。
「何すれば許してくれるんだよ。」
何にも思いつかない俺はそういうしかなかった、それを聞くなり耳はピンと立ちさっきよりも機嫌がよくなったように見えなくもない態度をとる。
なんだか怖い、さっきまでとはまるで別人のようだから余計に警戒してしまう。
「こうすればいいんだよ。」
俺は立っているからキュウコンよりは高さはあるが全長同士で競えばあまり変わらない、悩む俺のように微笑みながら近寄ってきて頭を下げろと命令するので頭を下げると軽く唇を重ねて離す、たったこれだけのことがしたかったようだ、一瞬のことだが俺の最初の相手は狐になったというわけでありどうも刺激的すぎた。顔じゅうが厚い、体温計で測れば高熱だと叫びそうな温度がある位にまで沸騰した。
「今度からは間違えるんじゃないぞ。後、俺今の初めてだからな。お前顔赤くしすぎだろ、そんなにうれしいなら夜一緒に寝てやろうか?」
それは断って頭を冷やした、頭の温度が下がる頃にはレンジのご飯も冷たくなっていた。あの文字共俺をどこまで困らせるんだ。
もらったものは育てるしかないが、いろいろ用心して育てねばならない、余裕で親よりややこしいやつと暮らすことになってしまった。

IP:202.253.96.230 TIME:"2012-06-23 (土) 13:02:56" REFERER:"http://pokestory.rejec.net/main/index.php?cmd=edit&page=%E8%A6%AA%E3%82%88%E3%82%8A%E5%8E%84%E4%BB%8B%E3%81%AA%E5%A5%B4%E7%AD%89" USER_AGENT:"SoftBank/2.0/001SH/SHJ001/SN353012043858651 Browser/NetFront/3.5 Profile/MIDP-2.0 Configuration/CLDC-1.1"

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