writer is [[双牙連刃]] この物語は、[[想い重ねて、心繋げて]]のある一幕のライト以外の視点の物語となります。話の繋がりもありますので、もし良ければ先にそちらをご一読下さい。 なお、新光の物語ではありますが官能表現がございます! それはダメだと言う方がいらっしゃいましたら、ご覧頂く前にバックボタンをお押し下さいませ。 では、これより始まりとなります。お楽しみ頂けましたら何より! では…… ---- ……衝撃的な邂逅から15分、俺達5匹はリビングで寛いでる所だ。まぁ、二度寝する気も起きないし、そもそもレンは朝飯の用意もあるしな。 「それにしても、お前達がねぇ……」 「な、何よ。まぁ、急だったし? 最初はそんな気も無かったけど、なっちゃったんだから仕方ないじゃない。そ、それに、他の牡なんかよりレオの方が遥かに良いって思っちゃってたし、その時は」 「おんやぁ? 俺は別に何も聞いちゃいないぜ? いつになく饒舌じゃねぇか、お嬢さん?」 「な、ば、バカ! あんたが意味深に喋るのが悪いんでしょ!」 「そいつぁ俺の癖みたいなもんなんでねー」 上からペシペシと頭を小突かれてるが、恥ずかしいからか抵抗は弱いな。いつもなら飛び降りながら吹雪でも照射してきてるだろうしな。 「でも、本当に一気に関係が発展しちゃいましたよね。今まで脈絡なんて、ほぼゼロでしたよね?」 「んまぁ、お互い進化する前からの仲ではあったしね。今まではこう、居るのが当たり前だったと言うか、ね?」 「それはレオ側もそうだったと。実際どうなんだ?」 「ぅあ、ま、まぁ……意識して無かった訳では無いが、その……フロストに見合いが来て、この家から居なくなるかもと思うと、上手く言えない気持ちになったのは、確かだな」 お熱いこって。と思っても口にしないのは俺もレオの事を言えないからだがな。はいリーフ、目から怪しい輝きを放ちながら俺を見ない。 「レオ君もフロストちゃんも、私が此奴に来る前から一緒だったんだもんね。羨ましいな、ずっと一緒に居て、そういう関係になれたんだもんね」 照れてるなぁレオの奴。レンは朝飯の準備が終わったらしく、いつものコーヒーを持って来てくれた。今日は珍しくフロストも居るから、カップは五つだな。 「そう言えば……昨日私達が部屋に戻った直後って、少なくともそんな雰囲気では無かったですよね?」 「ん? あぁー……そうね、確かに」 「そこからどうしてああなっちゃったか、私的に興味あるんですけどー、その辺、何があっちゃったんですか?」 「き、聞きたいのか? その、大して面白みは無いが……」 「私もちょっと気になるなぁ」 「ま、暇潰し程度にゃ聞いてやるよ」 で、全員から言われてまた少しお互いの顔を見合わせて恥ずかしがってる2匹ですよ。完全に新婚なノリだな。 それでもどうやら話す気になったらしい。そんなら、後学の為にも聞いてやるとするかね。 ---- ……3匹の足音が遠ざかっていき、静かになったリビングには俺とフロストだけが残された。リビングに2匹きり……ただそれだけな筈なのに、妙に落ち着かない。 「あー……えっと、その……ま、全く困っちゃうわよね。言いたい事だけ言ってさっさと退散するなんて」 「あ、あぁ。別に2匹きりになりたい訳では無かったんだけどな」 静かに痺れを切らしたのか、フロストがそんな風に切り出してくれた。参ったな、こういう雰囲気には慣れていないし、何を言えば良いかよく分からないな。 「……でも、本当に久々じゃない? こうして私達だけになるなんて」 「そう、かな。言われてみると確かに。完全に2匹きりになるのは何時ぶりだ?」 「ゼンやミサが出て行ってからだから……まぁ、ざっと8年ぶり?」 「ゼンやトキコが出て行ってからだから……まぁ、ざっと8年ぶり?」 「そんなにか?」 「レオが『ハヤトのポケモン』としてじゃなく、『バクフーンのレオ』として、ならね」 痛い所を突いてくる。……確かに俺は、父上や母上から主殿を任されてから、優秀なパートナーであろうとしてきた。主殿が、他のトレーナーに遅れを取るような事が無いように。誰にも負けない、優良なポケモンで居ようと。 けど、今の俺は……優良なポケモンで居るよりも、自分として此処に居る。誰にも負けない、いや、負けられないと自分を追い込む事も無く、毎日を楽しんでいる。……変わった、んだろうな。 「最近の貴方を見てると、帰ってきたって思うのよね」 「帰って、きた?」 「えぇ。ハヤトが立派なトレーナーになれるようにって、それだけを最優先に考えてた。そんなお利口なポケモンから、私が知ってるちょっと泣き虫だけど優しいヒノアラシ、それが進化して成長したバクフーンに、ってところかしらね」 「……なら、ただいま、と言った方が良いのかな」 「ふふっ、お帰りなさいって言ってあげられるのは、ヒノアラシの頃を知ってる私の役得かしらね」 思えば、こうしてフロストと話す事も、ヒノアラシから進化してからは無かった。ただいま、か……本当に、そうだな。 「ねぇ、覚えてる? 私がグレイシアに進化して、フロストになる前の名前」 「忘れる訳無いだろ? コノミお姉ちゃん」 「ぷっ、あははは。今の貴方からそう呼ばれるの、違和感しか無いわねー。これ、エーフィに進化してたらなんだったのかしらね」 「さてな? しかし懐かしいな。確か主殿が、どんぐりに似てる色だからと、コノミと呼んだのが始まりだったかな」 「そうそう。貴方はずっとヒノだったわよね。レオになったのは、マグマラシの時だっけ」 「あぁ。主殿がバクフーンの事を知って、首回りに燃える炎がそれらしく見えるから、ってな」 思い出すと、思い出の中にはいつもフロストが居た。ちょっとした事で泣いてる俺を慰めて、泣き止むまでいつも付き添ってくれた、姉のようなイーブイ。側に居る事が当たり前で、そんな大事な思い出さえ話す事も無くなっていた。……あいも変わらず、馬鹿だな、俺は。 「ふふ……またこうして、思い出話なんかを出来るようになるとはね……」 「あぁ……」 「……本当は、ね」 「うん?」 「今でこそ言うけど、少し……寂しかったわ。しっかりして強くなっていく貴方を見てて、ヒノアラシの時の姿から様変わりしていって、私の知らない誰かになっちゃった気がして」 「フロスト……」 「お互いに進化して、成長して。変わっていくのが当たり前って分かってるつもりだった。けど、ハヤトに付きっ切りで、優秀なポケモンになろうとして、なったレオを見て、貴方にとって私は、必要無い存在になっちゃったんだなぁって、思っちゃったのよ」 「そんな事は! ……そんな事は、無い。けど、フロストが居る事が当たり前で、当たり前だからこそ、見えなくなっていて……済まない」 「……昔の貴方なら、そこはごめんって言ってたでしょうね。でも、泣きそうになった顔は全然変わらないんだから」 不意に、頰にひんやりとしたものが触れた。そちらを見て気付く。触れたのは、他でもなくフロスト自身で、所謂フロストからのキスだった。 「フロ、スト?」 「ん……落ち着いた?」 「あ、あぁ」 「そ。……時間、遅くなってきたわね」 「え? あ、もうこんな時間だったか」 話し込んでいて気付かなかったが、22時半を回ろうとしていた。時間も忘れて、話に花を咲かせていたようだ。 「ねぇ。続き、私の部屋でしない?」 「え? いや、これから寝るんだろ? 俺が行ったら邪魔に」 「しないから。昔はよく一緒に寝てたでしょ? 懐かしついでに、そのまま寝ちゃってもいいから、ね?」 いつもは見せない甘えたような仕草や言動に、少しだけ胸が高鳴る。こんなフロストは、流石に俺も初めて見たな。 「なら……お邪魔させてもらって、いいか?」 「私から誘ったのよ? ダメなんて言う訳無いでしょ。さ、行きましょ」 成り行きでフロストの部屋に行く事になってしまった……いいんだろうか? いや、ライトの奴もレンと同室で過ごしているのを考えれば、一晩くらいならどうと言う事は無い、か。 リビングの照明を消して、部屋に向かうフロストの後に続く。フロストの部屋、か……進化する前には、よく行ったものだったかな。 扉を開けて中に入ると、記憶にあるそれとは内装が変わっていた。水色や青を基調とした室内は、見ているだけで涼やかなくらいだ。炎タイプの俺では、少々場違いな気もするな。 「立ち尽くしてどうしたのよ」 「あぁいや、記憶にあるフロストの部屋とはやはり変わっているなと思ってな」 「貴方が覚えてるのって、私がイーブイだった頃のでしょ。流石に模様替えくらいするわよ」 「それもそうだ。っと、椅子なんて無いよな」 「ベッドでいいわよ。ほらほら、座りなさいな」 「じゃ、じゃあ、失礼する」 「お堅いわねぇ。知らない間柄でもなし、遠慮なんか無しでいきましょ」 「とは言っても、その、異性の部屋なんて、意識してからは入った事なんて無かったから、少し落ち着かないと言うか……」 そわそわとする俺の様子を見て、フロストはくすくすと笑った。それを見て、自然と頰が緩んでいく。笑った顔、昔と殆ど変わらないんだな。 「そう言えば、言いそびれてたわ。レオ、今日は助けに来てくれてありがとう」 「どういたしまして、か。ライトが出張ったのだから、余計だったかもしれないが、な」 「そんな事無いわよ。来てくれて、姿を見て、私は……本当に嬉しかった」 腰掛けた俺に、フロストはそっともたれかかってきた。……いつの間にか、こんなに体の大きさも変わっていたんだな。 「……居るのが当たり前だった。けど、いざ居なくなるかもしれないと思うと、じっとなんかしていられなかった。馬鹿だよな、こんなにも離れたくないと思っていた事に、土壇場まで気付かないなんて」 「レオ……」 「側に居て、同じ屋根の下で暮らしていて、それが当たり前で、幸せで……当たり前過ぎて気付かないでいて、それに今更気付いて、躍起になってさ。本当に、大馬鹿だよ俺は」 「でも、手遅れにはならなかった、でしょ?」 「あぁ。今もこうして、フロストは此処に居る。当たり前が、ちゃんと続いてる。それが今は、嬉しい」 「なら……」 フロストの方を向いていた俺に、フロストの顔が近付いてきて……そのまま、触れた。頰じゃなく、本当にお互いの口が触れ合うキス……。 「当たり前が、これからも続いていくように……してくれる?」 「それは……その……」 「もう、お互い子供じゃないもの。意味は、分かるでしょ?」 当たり前がこれからも続いていく。それは、お互いが離れる事が無いと言う事。側に寄り添い続けると言う事。……番いになる、という事……。 「いい、のか? 俺で……」 「貴方は私に、他の誰かを選んで欲しい?」 「そんな事、ある訳が無いだろ……」 「なら、その気持ちが答え。そして、私が選んだのは……貴方よ」 フロストの体を抱き寄せて、俺の方から口付けを交わした。触れさせるだけじゃない、フロストの番いになる誓いであり、これからする事への準備となる深い口付けだ。 意図をフロストも察したのか、お互いの舌が触れ合って、絡み合う。夢中に貪るように。 続ける内に、身体中が熱を帯びていくのが分かる。これも、炎タイプの性なのか? だがフロストは氷タイプ、炎を出すようなヘマはする訳にはいかない。フロストに夢中になっても、理性は手放さない。 「ぷはっ、はぁ……レオの舌、熱い……火傷しちゃいそう」 「その、大丈夫か?」 「……もう、冗談半分なんだから、そんなに心配そうな顔しないで」 「あっと、辛かったりしたらすぐに言ってくれよ? 無理はさせないから」 「大丈夫よ。私は貴方を受け入れるって、もう決めたんだから。でも初めてなんだから、出来ればそのまま……優しくしてね」 「あぁ、分かってる」 フロストを仰向けに横にすると、気恥ずかしそうにしながらも大人しくしている。こんな姿や仕草は見た事が無いから、なんだか新鮮だな。 艶やかな腹回りの毛を撫でると、呼吸と共に僅かに隆起する柔らかな感触が手に返ってくる。こうしてまじまじと見ると、薄っすらと光沢を纏うフロストの体は、これまで見たどんな物よりも美しくて愛おしく感じる。現金なものだな、俺も。 「あまりまじまじと見られると、その、ちょっと恥ずかしいんだけど?」 「済まない、あまりにも綺麗で見惚れていたよ」 「も、もぅ……いきなりそんな事、言わないでよ」 「嫌だったか?」 「嫌、じゃないけど、急に言われたらなんと言うか、ドキドキしちゃうじゃない」 ふいっと顔を背けるのは、いつものフロストらしいな。まぁ、言動はいつもとはかけ離れているが。 ふと思い、撫でる手を止める。最終的にする事は変わらないんだろうが、それまでをどうするか、だ。一応俺だってそう言った行為についての知識もある。まぁ、基本的に主殿の学友のポケモンに聞かされた話が根幹だが……。 で、だ。当然俺はこれが初体験であり、それはフロストも然りだ。その初めてが苦痛だったと言うのは論外として避けたい。とは言え、知識不足なのも否めない事実。此処からどうしたものか? 「……なーに難しい顔してるのよ」 「ぅえ、あっとその……此処からどうしたものかと思ってしまってな」 「そんなの、考えてするものじゃないでしょ。……どうせ、私が苦しかったりしないようにするにはどうしたらいいか、なんて考えてたんでしょ」 「うっ、お見通しか」 「当然。貴方らしいと言うかねぇ……遠慮なんてしないで、好きなようにして。今日は貴方の全部を受け入れてあげる」 「し、しかし……」 「無条件じゃないわよ? 私は貴方を受け入れるから、貴方は私を受け止めて。離さないように、ね」 「……これから先も、か?」 「当たり前、でしょ」 参ったな、口じゃこれから先も勝てそうにないな。けど、それでこそフロストだな。 ならまずは、少し収まってしまった熱をまた上げさせてもらうか。ついでに、フロストの体の方の慣らしもさせてもらおう。 フロストに笑い掛けて、そっと後ろ脚の間に手を伸ばす。本来なら誰にも触れさせないし、晒さない場所。そこに……触れた。 「ひゃっ……」 「怖い、か?」 「……少し」 「なら、ゆっくりするから、ゆっくり慣らそう。な?」 「うん……ならレオ、お願い、していい?」 「なんだ?」 「キス、して欲しいな、なんて……」 それくらいならお安い御用だ。触れた片手はそのままに、首を伸ばして口付ける。さっきのように夢中にではなく、宥めるように舌を絡め合わせ、口の中をなぞる。あぁ……これだけで心が満たされていく。フロストを、強く感じられる。 「んぁ……レオ、もっと……んっ」 フロストの口から漏れる甘い声で、じわり、じわりと頭の中が埋められていく。今この時だけは、フロストだけを見ていたい。もっとこの声を聞かせて欲しい。 キスを続けたまま、触れていた手を動かす。触れているほんのりと湿り気を帯び始めた割れ目を撫でる度に、ぴくりとフロストの体は跳ねる。それがまた可愛らしくて、誰も見た事の無いフロストをもっと見たくて、割れ目に当てがった中指を内側へと差し込んだ。 「ふぁ、ぁ……なんか、あそこが熱くて、ふわふわする……」 「そうか……痛くはないか?」 「ぅん、気持ち良い……もっと、やって」 「分かった。力、抜いていてくれよ」 言うまでも無く、フロストの体からは余計な力は抜けていて、うっとりとしたような表情で俺の成す事に身を預けているけどな。今のところ、上手く出来ているかな。 混ぜ合わせた唾液を飲み込む度に、甘い嬌声を聞く度に、心が、体が、フロストに染められていく。より深く、フロストを知りたい。感じたい。愛したい……。 差し込んだ指の動きを速める。けど指じゃ、深くには届かない。それがもどかしい……もっと深くに触れるには、触れる方法は、一つだ。 「ぷぁ、はぁ……レオ……足りないよぉ……奥が、切ないの。もう大丈夫だから、貴方を……頂戴」 「いいんだな? 俺ももう、我慢が少し辛い」 「おっきぃ……んっ」 見えるように持って来た俺のものにフロストはキスをして、ゆっくりと丁寧に唾液を塗していく。それだけでも達してしまいそうなんだが、ぐっと我慢した。出来る限り、ある限りをフロストに捧げたい。その一心で。 「熱くて脈打って、凄い」 「もう俺も大丈夫だ。フロスト……」 「うん、来て……レオ」 仰向けに寝そべって、自分から後ろ脚を開くなんて、本当に普段のフロストからは想像出来ないな。けどそれは、それだけフロストが今の俺と居る時間に夢中になってくれていると言う事でもある。それは純粋に嬉しくて、幸せだ。 ヒクヒクと動く割れ目に自分のものを当てて、少しづつ押し込んでいく。入っていく、俺が、フロストの中へ。 「うっ、んん!」 「だ、大丈夫か?」 「大丈夫……もっと、挿れて。あったかい……」 頷いて、また腰を下げていく。締め付けながら絡み付いてくるフロストの中の気持ち良さに、少しでも気を抜けば我慢と言う栓が抜けてしまいそうだ。 それを必死に堪えながら、なんとか三分の一程が入った頃、それまで拒まずに進めていたものが何かに当たり止まる。フロストの、純潔の証だな。 「……力むと痛みは増すだろうし、力はなるべく入れないようにな」 「なら……抱き締めて。そのまま、一気に挿れていいから」 「いいのか?」 「うん。じわじわ痛いより、その方が良い」 了解して、体を起こしてフロストを抱えるような体制になる。一つ大きく深呼吸したのを確認して……抱き締めるように、一気に強く押し込む。 「くはっ! あっ、ぅ……」 「大丈夫……じゃないよな」 ぎゅっと目を瞑って痛みに耐えているフロストの負担を少しでも減らそうと、優しく背中を撫でる。俺の腹に顔を埋めている辺り、相当に痛んでいるんだろう。 暫く痙攣のように体を震わせていたが、次第に落ち着いてきたようだ。 腹の毛が少し濡れているから、泣いていたんだな。 「……痛、かった」 「うん、よく頑張った」 涙目で見上げるフロストの頭を撫でると、目を細めて嬉しそうにしている。参ったな、こんなに甘えてくるフロストをお目にかかれるとは、夢にも思わなかった。 「もう平気か?」 「まだヒリヒリするけど、多分大丈夫」 フロストの顔を見ようと、お互いの体の間に隙間を作った。フロストは、落ち着いた笑顔で俺に笑い掛けてくれている。それくらいには、落ち着いたみたいだな。 そこから視線を落とすと、俺のものは完全にフロストの中に収まっていた。それをフロストも見ていて、俺を受け入れた自分の腹を愛しそうに撫でている。 「一つに、なれたね」 「あぁ……」 また身を寄せて、ぎゅっとフロストは俺に抱きついた。俺も、それを受け止めるように抱き寄せる。少しひんやりとしていて、でもほんのりと温かくて。どんなものよりも大事にしたい、そんな風に感じる。 「レオの鼓動、あたし今……体いっぱいに感じてる。幸せ……」 「俺も、フロストの鼓動を感じてる……一つになってるって、感じる」 お互いの鼓動が重なって、合わさって、一つになるような感覚……。 暫くそれを堪能して、また、フロストをベッドに横にする。まだ終わりじゃない、もう一つのものもフロストに捧げて、交わりは完遂になるのだからな。 「じゃあ、動くぞ」 「うん。もっと感じさせて」 ゆっくりと腰を上げて……一気に戻す。擦れ合う感触が快感となって身体中を駆け抜ける。何度も続けるだけで、理性なんて吹き飛んでしまいそうだ。 「ん、はっ! はげ、し! レオ、好き、好きぃ!」 「気持ち、良い! フロ、スト! 好きだ、好きだ!」 声を抑えようともしないで互いに喘いで、腰を打ち付けあって……俺の我慢が、ようやく解き放たれる瞬間が近付いてきた。 「もう、出そう……!」 「出し、てぇ! イッ、あぁぁ!」 「ぐぅ、んんん!」 フロストからの一番強い締め付けを受けて、俺の中の栓が、弾けた。 勢い良く吐き出された俺の精液はフロストの中を満たしてもなお溢れる。溜め込んで一気に出したのだから、当然だったのかもしれないな。 「お腹、いっぱい……!」 「うっ、ん! はぁぁ……」 ……著しい脱力感と共に、俺の射精は収まった。 見てみると、フロストの中から溢れ出した精液で、俺達の腹も脚も白く染められていた。そして、それだけ溢れ出したにも関わらず、目に見えてぽっこりとする程にフロストの中には俺の精液が収まり、満たしているようだ。 「はぁっ、はぁっ……お腹いっぱいで、あったかい……」 「す、済まない、今抜いて……」 「待って。今日は、このまま……眠らせて」 「え? いやでも、そのままじゃ」 「平気。だから、ね? お願い」 そう言われてしまうと、断れないかな。言ってそっと目を閉じてしまったフロストを抱き直して、お互いに横になる体制になった。……このまま眠るのも、悪くはない、か。 少しだけ片付けの事が頭を掠めたが、眠ってしまったフロストを見ていると疲労感も助力して、瞼はそのまま閉じてしまった……。 ---- 「……生々しいなおい! 語り過ぎだろ!」 「き、聞いてきたのはそっちだろ!」 「だからってフルボリュームで話すなよ端折れよ。朝から胃もたれするわ!」 「ご、ごめん、ちょっと水飲んでくるね」 「れ、レンさん、お伴します」 あーぁ、レンもリーフもオーバーヒートしちまったよ。なんでレオもそういう加減が出来んもんかね? いやまぁ途中から幸せ満開! みたいな顔し始めたから、おっとぉ? とは思ってたけんども。 ならなんで止めなかったって? リーフもレンも目を爛々とさせて話に夢中だったからでござりますよ。口挟む暇が無かったんよ! あ、因みにフロストは話を聞きながら自分の痴態を思い出して盛大に照れ爆死して俺の毛の中に埋没しました。もうレオの方に放ってやろうか畜生め。 「ったくどうすんだよ、レンもリーフも後から大変だぞこれ」 「うぐ……そ、その、なんでお前はそんなに普通なんだ」 「あぁん? こちとら旅から旅への根無し草だぜ? 自分の経験は無くとも、嫌でも話が耳に入ったり、出会しちまう事もあるさぁな」 「な、なら別に俺に話をさせる必要も無かったろ!」 「アホ、元々話を振ったのはリーフだろが。俺ぁ前もって暇潰しに聞いてやるっつったろ」 あっ、とでも言いたげな顔して固まりやがったよレオの奴。全く、出来立ての番いなんて厄介なもんだねぇ。リィにゃ今の話は絶対聞かせられんな。 さて、なっちまったもんはしょうがねぇ。なんとかレンとリーフのフォローでもしてくっかね。……正直なところ、俺ぁまだレオ程過激にファイヤー! 出来る自信はねぇや。今晩一悶着ありそうな気もするが……ま、なんとか収めるかね。 ---- 後書きぃ! という事で、作者的には久々の、新光的には初のがっつり官能話でございました! いやー……久々過ぎてなかなか悩まされました。 実際レオフロサイドを書かないのかい? という要望も強く頂いておりましたので着手したのが今作だったのですが、如何だったでしょうか? 普段は見せないパーフェクトデレモードのフロストをお送りさせて頂きましたが……なんだか凄くスイートになってしまった感! 普段のクールさが行為中は意味消失! まぁ、レオはそんな一面を見せられる唯一の存在だという事で……ハヤトはって? 彼には……荷が重過ぎたんや……。 とにかく、あまり語っても仕方ないので、今回の後書きはこんなところと致します。お読み頂きました皆様に最大の感謝を! ありがとうございました! #pcomment