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絆〜遠い日の約束 一日目 朝 の変更点


作者:[[COM]]
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絆~遠い日の約束

どこかから…声が聞こえる…
誰だろう…必死に誰かを呼んでる…
もしかして…僕の名前…?
目を開けると、とても綺麗な夜空が広がっている…
静寂、まさにその言葉が似合う、美しくも切ない一面の星空。
しかし、その声はまだ、名前を呼び続ける…
よく分からない…だけど…声をかけなくちゃ…あれ?左手が動かないや…
動く右手で…その名前を呼び続ける誰かに触れ、そしてこう言った。
「大丈夫だよ…もう、一つ目の約束は守れないけど…でも、必ず二つ目の約束は守るよ。」
あれ?約束ってなんなんだろう。分からないのに…でも、約束した気がする…
「生まれ変わったら…今度こそいっしょに…暮らそうね…」
なんで、ぼくはこんなこと言ってるんだろう。あれ?目の前がだんだん暗く…

僕の思いは変わらないよ…今も…この先も……約束だよ…キッシュ…

―――「ん…夢か?あれ?どんな夢だったっけ…まあいいか…」
窓から射す日の光を浴びながら一匹のレントラーが大きな背伸びをしていた。
彼の名はレイ。何処にでもいるような普通の、ただの野生のレントラーだが、
一つだけ違うところがあった。それは、わずかながら前世の記憶があるということ。
彼の記憶に残っている前世の記憶。それはポケモントレーナーだったということ。
とある田舎町で生まれ、育った前世の彼はとても優秀なトレーナーだった。
それもそのはず、なぜなら彼はポケモンと話すことが出来たからだ。
トレーナーとしては優秀だった彼は、その能力を恐れられ、疎まれ、蔑まれて生きてきた。
そのため、今の生まれ変わった彼にはある一つの思いがあった。それは…
「オラァ!どきやがれ!」
「くそっ!またレイが来たぞ…」
「なんだ?てめえは!文句があるならバトルしな!」
「くっ…なんでもない…」
「へっ、腰抜けが…」
彼の思い、それは前世のような惨めな生き方はしない。自分がやりたいようにやる…
そんな…歪んだ信念だった… 
「レイ!いい加減にしろ!俺が相手だ!」
そういって一匹のガーディが立ち塞がった。
「ほう…バトルを申し込んだってことは、分かるよな?」
野生のポケモン同士のバトル。普通はなにかしろの場所や物を賭けて戦う。
つまり、人間同士のバトルで言う賞金のようなものだ。
だが、レイは元人間。故にそのルールを上手く使う悪知恵も持っていた。
「お前が勝ったら、この森から出て行ってやってもいいぜ、だが、俺が勝ったら…」
「お前が勝ったらどうなんだ…」
「そうだな…今日は一日自由に暴れさせてもらうぞ。」
自分の森にするぐらい言えばよかったのに、その言葉は出ない。
レイも、分かってはいた…自分がやってることはいけないことだと…
「オラァ!行くぜぇ!」
そういって全身に薄く電気の帯が現れるほどの電気を流しだした。
体毛の一本一本がバチバチと音を立てているようだった。そして…
「喰らいな!十万ボルトォォ!!」
轟音とともに凄まじい稲光がし、一瞬で決着がついた。もちろんレイの勝ちだ。
「へっ、雑魚は引っ込んでな!」
そういって立ち去ろうとした時、
「あー!待って待って!今度はわたしが戦う!」
そういって一匹のアブソルが野次馬の中から飛び出してきた。
「キッシュ!今のを見てただろう?あいつには敵いっこない!」
そのキッシュと呼ばれたアブソルは
「へーきへーき!こう見えてもわたし強いんだからね!」
そういってこちらに近づいてきた。 
「言っとくが、俺はメスだからって容赦しねえぞ。」
そう言って体に電気を這わせるが、
「わたしが勝ったら、もう悪さしないこと!いいね!」
と、かなり強気のまま…
『こいつ…ホントに相当強いかもな…とりあえず、様子見だ…』
電気を少しだけ集め、キッシュに向かって放った。
弾速もかなり遅く、当たったとしてもさほど痛くない程度の電流を流したつもりだったのだが…
「きゃぁぁぁ!!」
見事命中。しかも、ピクリとも動かない。
「やばい!死んじまったか!」
まさかその程度で身動き一つしなくなるとは思わなかったため、かなり動揺していた。
胸に耳を当てると、ドクン、ドクンと狂いなく生きている証拠を示していた。
「失神しちまったか…しょうがねえな…」
そういって彼女を背中に乗せた。が、ガーディが
「お前、そのアブソルをどうするつもりだ!」
と言ってきた。
「どうもこうも…失神しちまったんだ、こんなとこに野ざらしは出来ねえだろ。家で目が覚めるまで看病するだけだよ。」
「お前!変なことする気じゃないだろうな!」
「バカか!するわけねーだろ!」
そういってゆっくり自分の家に向かった。
レイの家は森の外れ、かなり中心から離れた位置にある。
人間が住んでいる家をそのまま小さくしたような家だ。
ドアを頭で押し開け、そのまま寝室へ向かった。
もちろん、キッシュを寝かせるためだ。
ベッドに転がしてやったが、それでも起きる気配がない。
「うぅーん!疲れたし、俺も寝るか。」
とは言ったものの、一人暮らしのため、ベッドは一つしかない。
「しょうがない。ソファで寝るか…」
そういってリビングにあるソファに寝転がった。
眠りにつくまでさほど時間はかからなかった。
―――「化け物!こっちに寄るな!」
「恐ろしい…いったいあの子はなにを考えているのやら…」
「どっかいけよ!この化け物!」
皆から石を投げつけられたり…裏でコソコソ話したり…
僕には…もう…この村には…もう…居場所が無かった…
ただ、ポケモン達と喋れるというだけで僕は追い詰められていった。
『もう…死のう…』
そう思って…川に向かった時、ゼニガメが…僕を止めてくれた…
その時から…僕は…ポケモン達だけは…信じれるようになっていた…
―――ゆっくり目を開けると、もうだいぶ日が陰っていた。

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IP:125.13.180.190 TIME:"2012-07-01 (日) 02:10:25" REFERER:"http://pokestory.rejec.net/main/index.php?cmd=edit&page=%E7%B5%86%E3%80%9C%E9%81%A0%E3%81%84%E6%97%A5%E3%81%AE%E7%B4%84%E6%9D%9F%E3%80%80%E4%B8%80%E6%97%A5%E7%9B%AE%E3%80%80%E6%9C%9D" USER_AGENT:"Mozilla/5.0 (compatible; MSIE 9.0; Windows NT 6.1; WOW64; Trident/5.0)"

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