*紅き雫、伝う黒鎌 其の参 [#t627c352] [[スペード]] [[紅き雫、伝う黒鎌 其の弐]] ---- ** 全ての真実 [#b9848b1f] &color(#e06bad){──愛する人を、誰かの手によって失ったら、貴方は相手を許すことが出来ますか?}; &color(#890abc){──もし、貴方が人を殺めてしまったら、どんな気持ちになりますか?}; &color(purple){──貴方は自らの為に、人を殺める事が出来ますか?}; …突然おかしな事を聞いてすみません。この1つの物語を観察していたらつい… 私は世界を渡り、起こりうる数々の物語を見てきました。その中で、このような復讐劇も多々ありました。そして、どの物語にもそれを“悪”とみなす者が存在しました。 しかし、ふと考えてみれば、復讐というのは善なのか悪なのか、はっきりとは解らないものです。 だからこそ、復讐を悪だと考える彼等に、聞いてみたくなったのです。 ──愛する人を、誰かの手によって失ったら、貴方は相手を許すことが出来ますか?と… 勿論、復讐が善であると主張している訳ではありません。只、愛する人を殺された者の心の傷は、計り知れない程深いものでしょう。 悪だと考える者達は、その気持ちを理解しているのでしょうか? またどの物語も、復讐者は実際に復讐を遂げてもその後をずっと悔やみながら生きていくという結末は同じでした。つまり、復讐者も本当は辛くて堪らないのだと思います。 やり遂げたすぐはきっと喜ぶでしょう。しかし、何れ自分達がしたことが、復讐相手と同じことだったと気付かされるのです。また、彼等にとっては復讐相手でも、その者を大切に想う者がいれば、復讐は復讐を呼ぶことに繋がってしまうだけかもしれないのです。 …結局のところ、何が言いたいのか自分でもよく解りません。 只1つだけ言えることは、復讐をする者も、心の何処かでは必ず復讐を拒んでいる筈です。だからこそ、その意思を理解し、道を踏み外しかけている彼等を救い出してやる事が、最善なのでは無いでしょうか? 何故なら復讐は、復讐しか生み出さないのだから── 訳の解らない事をここまで聞いて下さって有り難うございました。 3つ目の質問は、復讐劇の中に含まれていた1つの内容を見て、ふと疑問を抱いたものです。 自らの為に、人を殺める事が本当に出来るのでしょうか? 例えば誰かに脅され、人を殺めなければ自分が殺される、という事になればどうでしょう。自分にとって一番大事なのは自らの命。別のものだと考えている者もいるようですが、根本的に考えれば命がなければ何も出来ないのです。その命を奪われるとくれば… 私が今まで見てきた物語では全員が殺人を犯しました。そして間の長さは区々(まちまち)ではあっても、何れ捕えられるという結末が待っていました。 そう、今の今までは、自分の身に害が及ぶのなら、意外と簡単に人を殺す事は可能だったのです。 ──しかし、この物語は違っていました。 この物語の中でも、人を無理矢理殺めさせられ、殺し屋にされてしまった者がいました。 しかし、その者は途中で自ら手を引いたのです。 つまり、自らの命を危険に晒す覚悟で、殺し屋から脱け出したのです。 私の中では、一つ一つの物語を何度も繰り返す事が出来るのです。 もしかしたら違った結末が待ち受けるのでは、と興味本意で繰り返した事も多々ありました。しかし、やはり同じ物語は同じ結末しか迎えられないのだと悟らされました… 私の中では、既に『自分が絡めば人は他人を殺さざるを得ない』という考えが定着しつつありました。しかし、この物語により決まりかけていた考えを覆(くつがえ)されたのです。 ならば、もっと多くの者の考えを聞けば、今までの私の中の“当たり前”が揺らいでくるのではないか?と思ったのです。 …さっきから何を言っているのでしょうね。一体私は何を求めているのでしょうか… おかしな話ですが、私の考えは、私はこの世で物語を形成する者達の事を観察し面白がっているのでしょう。 だからこそ、貴殿方にも自らの物語を楽しんで頂きたいのだと、私は考えているのだと思います。 最後まで訳の解らないお話をお聞きくださり有り難うございました。 ──では、お礼にこの物語の真相を、詳しく話して差上げましょう… 「そっちは何か解ったか?」 「いえ…全く手がかり無しです。」 目を覚ましたのは森の中だった。帰りの遅い私を案じ、駆けつけた部下達が倒れた私を見付けたのだ。しかし、私が目を覚ました音無しの森は、その名が廃る程、賑かな森へと変貌していた。 微かに明るくなってきた空を鳥達が楽しそうに舞い、虫達が美しい音楽を奏でている。頬を撫でる優しい風の音が、私を包み込んでいた。 そう、音が、声以外の音が聞こえるのだ。そして、誰もが寄り付かなかった筈なのに、沢山の獣達がいる。 私の知る音無しの森は、何故かは不明だが声以外の音を感じられず、それ故気味悪がられて誰もが近よりもしなかった森だった。なのにも関わらず、昨晩の間に音を取り戻し、これだけの獣達が…一体何があったのだろうか? ──あの時、バルジーナとキリキザンを捕える為に、犯罪者の協力者だったグラエナと組んだ。が、私はバルジーナに不思議な技を受け、知らぬ間に気を失ってしまったのだ。 気が付いた場では部下達と鳥や虫以外は近くに確認出来なかった。グラエナだけでなく、バルジーナやキリキザンも居なくなっていたのだ。 そしてこうして部下達と音無しの森で捜索をしているのだが、一向に見付かる気配は無かった。 更に、指名手配の暗黒の翳一同、マニューラ、アブソルも、全くの行方不明だということが判明した。 血眼になって手掛かりを探したが、情報も全く無く、我々は一年程森の近辺を含め隈無く捜索したが、結局見付からなかった。 この事件は迷宮入りし、月日が経つごとに獣達からも徐々に忘れ去られていった… そして、事件から数年の時が流れた── 寒い冬の始め頃。停年を向かえた私は、静かな場を求めて無限の山の山頂に住んでいた。 私は毎朝山からの景色を楽しみつつ瞑想をするのが日課になっていた。何時ものように、特等席の大岩の上に座ると、眼下に拡がる樹海が見える。 あれ以来、音無しの森は喧(やかま)しの森と呼ばれる程にまで賑かになった。あの森が何故音を取り戻したのか、調査している者もいるようだが、未だに解っていない。彼らも行方知れずのまま。 「本当に…一体何があったのだろうか…」 久々に思い出した過去に、私は1人呟いた。 &size(8){「…たいか?」}; 「んん?」 微かだが、声が聞こえた気がした。見回してみるも誰もいない。気のせいだろうか? &size(8){「真実を…知りたいか?」}; また聞こえた。気のせいではない筈なのに、やはり誰もいない。 が、私は何を思ったか、気が付けば天に向けて言葉を掛けていた。 「ああ、知りたいさ。何故、あんな不思議な現象が起こったのか… 私が気を失っている間に、一体何があったのか…」 私が言い終えた途端、眩い光が私に降り注ぐ。堪らず目を閉じ、再度開いた時、私は驚愕した。 私の目の前…つまり、宙に現れたのは、透き通ってはいたが、紛れもなく紅い身体を持ったアブソルだったからだ。 彼には見覚えがあった。停年の少し前に、音無しの森事件と関係がある事が判明した、更に昔の事件。暗黒の翳の存在が知れ渡った事件だ。その時殺害されたのはマニューラと、色違いのアブソルの夫婦だった。 そのアブソルは無差別に人(獣)を殺し、多量の血を浴び続けた為に“薔薇咲きの黒鎌”と呼ばれた大犯罪者の母を持ち、『身体が紅くなったのは母親が浴びた血が染み着いたからだ』と恐れられ、母と同じ二つ名で呼ばれていた有名な獣だった。しかし、薔薇咲きの黒鎌の死に際に産み落とされた彼はとても純粋で、母親とは大違いだったという。 その性格故に妻を儲け、子も儲けたらしい。その子供というのが、あのレナというマニューラだったのだ。両親を殺された娘が、犯人である『暗黒の翳』を怨む理由は幾らでもある。彼女が何故奴等の処へ向かったのか、彼のお陰でそのことだけは謎が解けた。 …その他にも、彼があの事件の鍵を握っていると言われていて、私も彼が生きていてくれれば、と悔やんだ事があった。まさか、現実になるとは思っても見なかった… 彼は私を緑色の瞳で見つめてきた。その瞳は何故か哀しそうに見える。 「俺の娘が色々と世話になったようだな。礼を言っておく。」 そう言うと、彼は眩い光を放つの珠へと姿を変えて、私に言い放った。 「今から俺が話すことは、全て真実だ。信じる信じないはお前次第だが、俺には関係無い。只、奴等の事を何も知らないで犯罪者扱いはして欲しくないんでな。お前には、知ってもらいたくて来たって訳だ。」 ずっと求めてきた真実。そして、彼等の知られざる過去。 この謎が解けるのならば、人生が終わる時、私は安心して逝ける。いつの間にか、私の中の感情は、それ程大きくなっていた。 「…判った。私も全てを受け入れたい。教えてくれ」 1人の警察官が呟くと、辺りに穏やかな声が響いた。 「…良いだろう。これが…これが、全ての真実だ。」 光は突然大きくなり、年老いた警察官を包み込んだ。 暫くして光の消えた先には、誰も居なかった。 白くなり始めた空にうっすらと残る一片の欠けもない有明の月。その月は、どんな真実を語るだろうか? ──それは、誰にも解らない。 E N D ---- **−復讐篇を終えて 雑談篇 其の壱− [#bde49a8c] ※取り敢えず修正したので書いてみました。あと、其の壱とか付いてますが、弐回目参回目があるかは判りません。 猫「取り敢えず修正されて少しはましな終わりになったわね。只…やっぱりラストで主人公の私が空気なのは納得いかないッ!!」 白獣「まぁまぁ、作者が復帰後にまた始めから一人一人詳しく真実篇をやるみたいだし、レナは比較的目立ってたからいいじゃんか。」 狼「だな、俺なんか殆どサブみたいな扱いを受けてるんだ。読んでくれたお前達に言っとくが、俺は決してサブじゃあ無い!!結構重要な役なんだぞ!真実篇は期待しててくれよ!」 犬「あの…私の出番については何もナシ…?」 狐(R)「てめぇの出番はもうねぇだろ、だが、どうやら俺の出番はまだあるようだぜ(ドヤ顔」 白獣「うわっ、なんか沸いてきてるよ!?」 翳一同「忘れて貰っちゃ困る!我らも無理にでも登場してやるぞ!!」 猫「ふん、あんた達は登場出来ても死体かセットでしょ。精々頑張りなさいねぇ〜」 龍(R)「な、何だとこの化け猫ぉ!!今すぐぶち殺されてえのか!?」 白獣「おっと、ならお前の相手は僕でしょ?」 鷲(A)「ならば、私達も決着を着けようではないか、ハウンドよ。」 騎士(B)「★アーチェ様☆!私もお手伝いなさいます!一生着いていきます!!」 狼「いやちょっと待て、これ雑談篇なのに乱闘は不味いだろ…いやだから待てってっ!!」 猫「こうなったら自棄よ、決着篇にしちゃいましょ!!覚悟しろ狐野郎!!」 狐「よかろう!掛かって来るがいい!!」 犬「ちょちょちょ、ちょっと…こんな事したら皆さん出番無くなりますよ!?」 ?「やめなさーい!!」 一同「!!!???」 ?「全く何よッ!折角あたし達とコラボってるのに、喧嘩なんかすんじゃねーよッ!光栄に思いなさい光栄に!」 ?2「お、おいミナモ、勝手に来てよかったのか?それにここは控え室なんだし…」 ミナモ「うっさいわねルーク、私達は共演“してやってる”のよ。こんな体たらくじゃ、付き合ってらんないでしょ!」 ルーク「してやってるだなんて…そんなに言うなよ。」 にゃー「あ、あの…何て言うか、ごめん…ミナモ…」 白いの「僕たちも大人げなかったよ…ご免なさい…」 大女将「俺達も登場させて頂いたっていうのに、すまない…」 水面「あ…判りゃいいの。そんな落ち込まないでよ。まだコラボ続くんだし、こっからしっかり頑張ろう?」 鼠駆除専門「…うん、有り難う、ミナモ。」 城「ふぅ…取り敢えず一件落着なのか…?」 陰険軍団「だな…ん…?」 わんわん(皆さん…名前おかしくなっている事に気が付いてください…だ、だワン) &size(20){完}; 翳「ちょっと待てっ、俺達途中からホントにかg まず、春風様… &size(40){すみませんでしたあぁッ!!};&size(8){(来て下さってたらだけど)}; やっぱり「Memory」と「紅黒」のコラボとして、紅黒でミナモ達を登場させるべきだと思い考え付いたのがこの方法でした… ミナモ御本人からもあった様にかなりの体たらくです…しかもミナモ達完全にキャラがおかしい…(泣)御免なさいorz よろしければ弐回参回目をやる事になればまた登場させて頂こうかと生意気にも考えています。本番(存在意義)でのコラボを失敗してしまわないように特訓したいと思っていますので、どうかお願い致します。 そして、閲覧された方々… 有り難うございました!こんな訳の解らない作品を読んでいただけて誠に光栄です! 始めの語りみたいな部分は気にしないで下さい、なんか適当に考え付いただけなので…(真面目にやれよ)正体も皆様のご想像にお任せ致します。 そして、ある意味続篇となる真実篇は復帰後に成るべく速く仕上げるつもりです。↑の雑談篇弐もやりたいですし。 はい、ふざけてばかりですみませんでしたm(__)m 改めまして有り難うございました!気を付けてお帰り下さい。 [[マンホール>トップページ]] [[紅き雫、伝う黒鎌]] ---- 宜しければアドバイスやコメント等をお願いします。 #pcomment(コメント/紅き雫、伝う黒鎌其の参,,above); &counter(total); IP:125.192.34.95 TIME:"2014-10-09 (木) 04:39:46" REFERER:"http://pokestory.dip.jp/main/index.php?cmd=edit&page=%E7%B4%85%E3%81%8D%E9%9B%AB%E3%80%81%E4%BC%9D%E3%81%86%E9%BB%92%E9%8E%8C%20%E5%85%B6%E3%81%AE%E5%8F%82" USER_AGENT:"Mozilla/5.0 (Linux; U; Android 4.2.2; ja-jp; F-04E Build/V10R41A) AppleWebKit/534.30 (KHTML, like Gecko) Version/4.0 Mobile Safari/534.30"