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紅き悪魔 1 の変更点


**紅き悪魔 1 [#ia2e38a3]
[[ギコニクル]]氏
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残酷ナ永遠ト言ウ苦イ毒ヲ喰ラウ覚悟ガ在ルノナラバ共ニ生キヨウ
…(歌「石畳の紅き悪魔」より)


ここはある国の城の一室、その部屋はとても広く、様々な家具や絵が並んでいた
朝焼けの明るくやさしい日が大きな窓から入ってくきてベットの上で寝ている一匹のイーブイを照らす
「…スゥスゥ……、ん…ふあぁぁ~、」
イーブイはまだ眠い目を擦りながらベットの上で大きく背を伸ばす
「…ん~、もう朝になったんだ…」
窓からうっすらと街が見える、他のポケモン達が見えないところを見るとまだ起きるのにちょっと早いようだ
ベットに残る暖かさが睡魔を呼び寄せる
「…もうちょっとだけ寝てようかな?……」
すると背後から声が聞こえた
「いけませんよ、イーフィ様、二度寝は身体に毒ですから」
そこには綺麗なサーナイトが立っていた
そう私の名前はイーフィ、この国の王女…といっても今は貴族王族制度はないのでただの夢見る少女だ(街の人々からは王女様と呼ばれているが…)
私が産まれるちょっと前に元国王の父様が「ポケモン平等政策」のために「貴族王族制度」を廃止、その後父様は国民の圧倒的支持で国の首相になり、この国を豊かにしてきたらしい。
そして、私の横に立っているのはサーナイトのメイド長のサーナだ
初期王政時代の頃からメイドをしていると言う一族の末裔である
「ちょっとだけでいいから、おやすみ~」

ガバッ

イーフィはベットの中に潜り込んだ、やはり睡魔には勝てない
「いけません!それに今日は大事な日でございましょう、ほら起きてください!」
サーナは腕を上げ指を動かす

ふわっ

「わわわ!」
サーナのサイコキネシスでイーフィの身体が空中に浮く
そして、サーナは器用に荒れたベットをきちんと直す
「わ、わかったから早く降ろして~」
サーナは軽く指を振るとイーフィの身体は床についた
「さあ、湯浴みをしてきて下さい、その後レイド執事が本日の予定を述べますので。」
サーナは入り口のドアを指差しながら言った
「…わかりました、メイド長のサーナ様…」
イーフィは軽くふてくされながらお風呂場へ向かった
お風呂場と言ってもカイオーガがゆったり入れるほどとても大きな大浴場であり、この城以外のポケモンも自由に入浴出来るようになっている
やはり朝の早い時間のせいか誰もいな…
「あ、イーフィ王女!おはようございま~す!」
訂正、一匹いた、この大浴場の管理等をしているヌマクローのマクだ
このマクも私が産まれる前からこの城に使えているらしい
眠気覚ましには大きすぎる声を出してこっちに向かってくる
「おはよう、マクさん、貴方っていつも元気ねえ、呆れるほどにww」
「へへ、それは褒め言葉としてとっておきましょう」
マクは鼻を掻きながら答えた
「それより背中洗ってくれない?私手が届かないから」
「ハイハイ、それじゃこっちへ」
イーフィとマクは大浴場の端っこにある洗い場へ向かった
マクはイーフィを座らせると背中に石鹸を着け洗い始めた

ゴシゴシ

「そういえば今日は確か王位継承の儀でしたよね?いやぁ、あんなに小さかったイーフィ王女がもう15歳だなんてね…(今も小さいけどw)」
「もう王政じゃないから正確にいえば一族継承の儀ね、母様の話によるとなにか渡されるみたいだけど…」
イーフィの一族は15歳になると大人として認めるための儀式が行われ、その際なにか大切な物が継承されるらしい

ゴシゴシ…

「はい、じゃあお湯かけますよ~」
イーフィは目をつぶった

ザパー!

イーフィの頭の上からお湯がかけられ、背中の泡が流された
「はい、これで終わりです。」
「ありがと、またねマクさん」

トットット

イーフィは脱衣所のドアを開け中へ入った

ふわっ

イーフィの頭の上にバスタオルがかけられた
「ありがとレイドさん」
そこには一匹のエルレイドが立っていた、執事長のレイドだ
メイド長のサーナと同じく初期王政時代から執事をしている一族の末裔であり、サーナメイド長と夫婦の関係だ
「では、お嬢様あちらへ、あまり時間もありません」
レイドは手のひらで鏡の前の椅子を指した
イーフィはその椅子に飛び乗りちょこんと座った
レイドはイーフィの頭のタオルで全身をやさしくふいていく
「レイドさん、このあとの予定を聞かせてくれる?」
「はい、このあと王の間に行き、そのあと儀の間へ行き継承の儀を終わらせ、その後朝食となります。」
「え?朝食の後じゃなの?」
「はい、朝食の前に継承の儀をおこないます」
イーフィは残念そうに耳を垂らせた
「ご心配なく、継承の儀は数分で終わりますので」
レイドはブラシを取り出しイーフィの背中を撫でていく
ブラシで撫でたところはキレイに整い輝いている
「はい、終わりました、では王の間へ参りましょう」

テクテクテク
トットット

「ねぇ、レイドさん、継承の儀って何するの?」
レイドはしばらく考えて言った
「すいませんそれは私でも存じません、継承の儀は一族のみで行われるようなので…」
「ふ~ん…」
しばらく歩くと上に王の間と書かれた扉があり、レイドが扉を叩いた

コンコン

「レイドです、お嬢様をお連れしました。」
「入って良いぞ…」
「失礼します」
レイドはゆっくりと扉を開け中へ入り、そのあとをイーフィが追う
王の間は天井が高く、豪華なシャンデリアが吊り下げられ広さはちょっとしたパーティーがひらける程だ
扉の反対側に二匹のポケモンが椅子に座っていた
この二匹こそイーフィの両親であり元国王現首相であるブラッキーのクロとその妻のエーフィのエフィーである
二匹の片手には蒼い金属の輪が輝いている
レイドは二匹の前に片方の膝を着き、手を胸に当て一礼した
「おはようございますクロ様、エフィー様」
「おはようございます父様、母様」
「おはよう」
「おはようございますイーフィ、レイド」
挨拶が終わるとクロが椅子から降りた
「よし、早速だが継承の儀を行おうか、イーフィこっちに」
イーフィはクロのもとへ来た
「ではレイド、誰もここへ入らないようお願いします。」
「はい」
「では行こうか」
クロは椅子の後ろ側にいき一つだけ形の違う装飾を押した

ガチャン!ガガガガガ…ドゴン!

椅子の後ろの壁が競り下がり地下へ続く階段が現れた
階段はかなり深いらしく底が見えない
「行くぞ」

トットット

クロは足早に階段を降りていく
「さぁ、行きましょう」
イーフィはエフィーに連れられ共に階段を降りていった
約3分程降りてやっと階段が終わりとても広いところに出た
大浴場やもしかしたら城一つ入る程の広さだ
「わぁ~」
イーフィは天井を見上げた
天井もかなり高いらしく漆黒の闇が広がっていた
「さぁ、イーフィあの円の中心に」
クロが指を差したところには大きな円が描かれており中心には更に小さい円が描かれていた
イーフィはその円の真ん中に座り、クロとエフィーはイーフィを挟むように円の端に立った
「じゃあ、始めようか」
「ええ、」
クロとエフィーは目をつぶった
その瞬間、円が輝きだした。暗く良く見えなかったがどうやらその円は魔法陣らしい
「我、コノ一族ノ末裔ヲ終エ、新タナル末裔ヘト永遠ナル時ヲ托サン」
「我、コノ末裔ニ、ーーノ護リヲ与エ、永遠ナル一族ノ繁栄ヲ望マン」
クロとエフィーが言い終わると二匹の片手の蒼い輪と魔法陣がまばゆいく輝いた
輝きがおさまるとイーフィの両手首にその蒼い輪が着けられ、クロとエフィーの輪は消えていた
「ふう、これで私達の代は終わりか…」
クロはしみじみと蒼い輪が元着いていた片手を見ていた
「これがその代々継承される物ですか…」
イーフィは両手に着いた蒼い輪を触ったり舐めたりしていた
そしてエフィーが答えた
「そう、その輪は一族の永遠の証…、そしていかなる危機の時も貴女を護る盾となり、貴女の望みを叶える剣になる、と伝えられているの。そして…」

グラッ!!ドドドドドド!

不意に地響きと激しい揺れが三匹を襲った
「な、なんだ!この揺れは!」

パラパラ…ドスン!

天井が崩れたのか大きな石が落ちてくる
「母様!」
イーフィはエフィーのもとへ駆け寄る
「大丈夫、すぐにおさまるから…」
しかし、揺れはおさまらず、ますます大きくなっていくようだった。
「駄目だ!ここはもう崩れる!上にいくぞ!」
三匹は降りてきた階段へ向かう、しかし…

ドスン!ガラガラガラガラ!!

「なっ!」
階段は土砂と岩で塞がれ原形を留めていなかった
「くそ!これじゃあ出れないぞ!」
「クロ様!エフィー様!イーフィ様!こちらです!!」
声のする方向を見るとそこにはレイドが立っていた
「おお!レイド助かった!」
三匹はレイドのもとへ駆け寄った
「レイドさ~ん!(涙)」
イーフィは涙目でレイドに抱き着いた
「もう大丈夫ですよお嬢様、では上にテレポートしますのでしっかり捕まって下さい!」
クロとエフィーはレイドの足にしっかり捕まるとレイドはテレポートした。

レイド達が去るまでの一部始終を物影で見ていた者がいた…
「やっぱりあの一族の血は絶えないのですね…」
その者はまばゆい光を出して消えていった

シュン!
レイドとイーフィ達はテレポートで城下が見渡せる城のテラスについていた。
「なっ!」
「ひ、ひどい…」
そこから見えた城下はきれいな町並みではなく廃墟と化し、そこらじゅうから煙りと火の手が上がっていた
「入っている情報によりますと、突然連続した巨大な地震が3分程続き、建物の9割が全壊、それと町と城を囲むように[じしん]や[マグニチュード]を連続して撃った跡が多数発見、この震災は作為的なものと断定、現在町のポケモンの救助とその犯人を捜索中…、以上がテッカニン部隊の報告です。」
レイドは報告書に書いてある事柄を述べた
「作為的だと!…だとしたらこのやり方は…」
「…父様?」
イーフィは心配そうに考え込むクロを見る
その瞬間クロは、ハッとした
「もしや奴が…いや、間違いない!レイド!いますぐテッカニン部隊に伝令しろ!国民すべてにこの国から出るようにと!!」
「ハッ!」
レイドはテレポートで消えていった
「クロ、もしかしてあの人が…」
「間違いないだろう、サーナのテレポートで我々も脱出しよう…、なに、国民がいれば国は再建できる…。」
「まだそんなに甘っちょろいこと言ってるんですか?」
突然上から声が聞こえ、見上げると黒いフードコートを着込んだ者が屋根に立っていた
「やはり元凶は貴様か、元暗殺部隊長…マニューラのマニュ!!」
マニュと呼ばれる者はフードを脱ぎ顔を表した
その顔は邪悪そのものを表すように殺気と笑顔を見せていた
「おぉ、覚えているとは光栄です、元王様のクロ…」
マニュは手を胸に当て深々と礼をした
「お前の目的はなんだ!?政策の為に部隊の解散を命じた私への復讐か!」
「いいえ、むしろその逆ですよクロ、規則や法律に縛られることが無くなりましたからね、解散後我々元暗殺部隊は再結成し、力を蓄えてきました。ある目的のために…」
「その目的はなんだ!」
「…この国を手に入れること……」
「なにっ!!」
イーフィ達は驚きを隠せなかった
「そうです、この国を我が手中にてに入れることです!クロ!あなたの活躍の数々は見てきましたが、あれほどヘドがでるものはありませんよ!なにが平等ですか!?なにが貴族王族制度廃止ですか!?国とは支配者と奴隷によってできるんですよ。国民?それはただの飾り言葉にすぎません、そのほとんどは奴隷に成り下がるのですよ。そしてこの私マニュがこの国の支配者、王として君臨するのです!!」

シュシュン!

レイドとサーナがテレポートで現れた、二匹とも満身創痍だった
「はぁはぁ…、申し訳ありませんテッカニン部隊は突然の侵入者に倒され町への避難伝令は不可能、その後侵入者と交戦し連絡が遅れました、はぁはぁ…」
クロはマニュを睨んだ
「相変わらず手際がいいな…」
「当たり前です、元々住んでいたのですから。」
レイドとサーナもマニュを睨んだ
「やはり貴方でしたか、侵入者がすべてニューラだったのでもしやと思いましたが。」
「ふん、あんな手下にここまで手こずるとは、あんたも腕が落ちたか?」
マニュは挑発するように手招きした
「く…、このおぉぉ!!」
レイドはマニュに突撃しようとした
「待てレイド!マニュの思うつぼだぞ!」
クロはレイドに一喝いれレイド達に近づく
「ボソッ(サーナ、我々が隙を作る、その間にイーフィと安全な場所へ行ってくれ)」
「!?(しかしそれではクロ様達が!)」
「(大丈夫、後から追うから行ってくれ!頼む!!)」
「(…わかりました、御武運を)」
クロ達はマニュを再度睨んだ、
「その目、覚悟が出来たようですね、いいでしょう…」
マニュは屋根からテラスへ飛び降りた

スタッ!

「…お相手をしてあげましょう!!」
マニュはフードコートを脱ぎ捨て戦闘態勢に入った
「行くぞレイド!」
「はい!」
クロはマニュに向けてシャドーボールを放った
「甘いですよ!」
マニュはシャドーボールを片手で難無くはじく
そこへすかさずクロがマニュの腕にかみつく
(普通ならばここでひるむはずだが…)
「…なんですかこれは?」
「!!」
マニュはまるで何事も無かったかのように涼しい顔をしている
「次は私からいきますよ…」
「くっ!」
クロはとっさに口を離したが遅かった
「いわくだき!」
マニュの強烈な一撃はクロの腹付近にヒットした
「ぐふあぁぁ!…い、いけぇ!レイド!!」
「なに!?」
レイドは待っていましたとばかりにマニュに突っ込んできた
「きあいパンチ!!」

ドッゴォォォン!!

レイドの攻撃で砂埃が舞い、二匹の姿が見えなくなった
そして先程受けた攻撃でぐったりしているクロが叫んだ
「今だ!サーナ行けぇ!」
「はい!」
サーナはイーフィを抱き抱えた
「まさか!父さm…」
イーフィはサーナのテレポートによって消えたいった…

シュン!

イーフィ達が着いたのは一面花畑のとても綺麗な場所だった
サーナはイーフィを地面に降ろし、イーフィは涙ながらに怒鳴った
「もどって!今すぐ父様達の所へ!もどってよ!!」
「残念ですか…それは出来ません。」
「どうして!?なんでなの!!」
サーナは地面に腰を降ろした
「これはクロ様の願いでもあるのです。」
「いやよ!だって父様達は私の大切な…」
「私だって最愛のレイドを残して来ているのです!!」
「あっ…」
そう、戻りたいのはサーナも同じであった、しかし、今もどったらせっかく逃がしてくれたクロ達の思いを踏みにじることになる
イーフィは耳を垂れさせ、悲しい表情をさせた
「ごめんなさい、私自分勝手な事ばっかり…」
サーナはイーフィの頭を撫でた
「いいんですよ、それよりクロ様達を待ちましょう、暗い顔をしていると笑われますよ。」
イーフィは涙を拭い、いつもの笑顔がもどった
「はい!」

カサッ…

「ん!?」
サーナは急に立ち上がり辺りを見渡した
「どうしたの?サーナさん…」
「静かに!」
サーナはより慎重に辺りを見回す
イーフィも辺りを見回すが見えるのは綺麗な花畑だけだった

カサカサッ…

「そこですか!!」
サーナは意識を集中し腕を振り上げると一匹のポケモンが花畑から勢いよく浮かんできた
緑と黒の体で腹辺りに顔のような模様が特徴のイトマルだ
「げげ!見っかっちった!!」
そのイトマルは足をばたつかせるが、ただ空を蹴るだけだった
「あなた、盗賊団[黒蜘蛛]の団員ですね…」
「えっ!」
盗賊団[黒蜘蛛]は小さな町や村を襲い、金品や女子供を奪い去りその村町は跡形も残らない程無惨な光景になると言われている極悪非道な盗賊団だ
更に違法輸出入やポケ販売(人身販売)など何でもやってのける裏世界の大企業でもある
「なんで黒蜘蛛の団員がこんな所にいるのですか?」
「へへ、ばれちゃしょうがねえ、それは俺達、黒蜘蛛もマニュ様の傘下に入ったからさ…」
「なんですって!?」
サーナは驚きを隠せなかった、なぜならば黒蜘蛛は一匹狼と同じで、団員以外とは決して手を組まず信頼もしない、必要がないからだ
「マニュ様は約5年前にいきなり現れてこう言った「俺達に勝てたら俺の暗殺部隊すべてくれてやる、もし負けたらこの企業の全権限を渡してもらう…」とな、俺達はただのチンピラ戯れ事と思いその勝負に乗った、結果はうちの団員のほぼすべてがたった一匹のマニュ様に倒されちまったんだから驚きだよ、その後マニュ様の計画が発表された、もちろん俺達黒蜘蛛全団員大賛成だ、何故ならば裏世界でひっそりやってた事が表で堂々と出来るんだからな。」
サーナは驚きながらも続けた
「随分とお喋りなイトマルね…、でもまだあなたが何故ここにいるのか聞いてないんだけど?、ここは町からずいぶん離れている秘密の花園、あなたの望む物は無いと思うけど?…」
「へへ、それは身をもってわかるよ…」
「サーナさん!」
「!?」
サーナは周りを見渡すとそこにはどこに隠れていたのか大勢のイトマルに囲まれていた
「い、いつの間に!?」
「そう、俺達の命令は「ここに来ると思われるイーブイを捕まえろ。」だ!」
「くっ!!」

ブォン!!

サーナはこのお喋りイトマルをサイコキネシスで遠くの空へ吹き飛ばした
イトマルは捨て台詞を言いながら飛んでいった
「うわあぁ!!兄弟!あとは任せたぜぇ~!!…」

ビュビュビュン!!

イトマル達は一斉にサーナ達に向かって糸を吐いてきた
「イーフィ様伏せていてください!ハアァァ!!」
サーナはむかってくるすべての糸をサイコキネシスで跳ね返した
しかし、糸は次から次へと向かって来る
「はぁ…、ハアァァァ!!」
サーナの闘う姿はまるで乱舞を踊っているようで美しかった
しかし、防戦一方の戦いでサーナの疲労の色は隠せない
「はぁ、はぁ…、ヤアァ!はぁ、はぁ…ハアァ!」
しかし、とうとうサーナのサイコキネシスの隙間をつき侵入した糸が片腕を拘束した
「しまった!!」
集中力が欠けた為、他の糸も次々と流れ込んで来る
(すいません…イーフィ様、守れずに…)
しかし、糸はサーナに触れる寸前で跳ね返っていった
「え?」
サーナは足元を見るとイーフィがサーナの足を支えている
「私も守られてばっかりじゃいや!!だからてだすけするの!!」
イーフィの[てだすけ]のおかげでサーナの欠けた威力を補い糸を跳ね返したのだった
「イーフィ様…、一気にいきますよ!」
「はい!」
サーナは腕を大きく広げ集中力を上げた
「メイド長代々伝わる大技…[サイコインパクト]!!」
サーナとイーフィを中心にイトマル達が淡く紫色にひかり、空高く打ち上げられた。そしてサーナが勢いよく片腕を下げると打ち上げられたイトマル達がまるで隕石のように落ちてきた

ドドドドゴンドゴン!!

地面に打ち付けられたイトマルはまるで業火に焼かれたように黒ずみ、落ちた周辺の花が散った
サーナはほとんどの力を使い果たし、膝を地面につけた
「大丈夫!?サーナさん!」
「はぁ、はぁ…、ありがとうございますイーフィ様…大丈夫です……はぁ、少し疲れただけです…はぁ、はぁ…」
サーナはよろめきながらも立ち上がった
その時、後ろ側から声がきこえた
「ほぉ、とてもつよいサーナイトとは聞いていたが、まさかこれほどとはな…」
「!!」
サーナが振り向くと焦げたイトマルを蹴飛ばし近づいてくるポケモンがいた、
体型はイトマルと似ているがとても大きい、イトマルの進化系のアリアドスだ!
イーフィは恐怖でサーナの後ろに隠れた
「おかげさまで、一個中隊全滅か…ここまでボロボロにされちゃ、もう使い物にならないな、そうだろ?そこのサーナイト」
「くっ!貴方、黒蜘蛛の団長アドス…そうでしょ!?」
「ほぉ、おれの事を見抜くとはなかなかだな、まぁそんなことはどうでもいい…、お前の後ろで小さくなってるイーブイを渡してもらおう、そうすればあんたは見逃してやる。どうだ?悪くない取引だと思うが…。」
「だったら…交渉決裂ね!!」
サーナはシャドーボールをアドスに放った
シャドーボールはアドスに命中し砂埃をたたせた
「イーフィ様逃げますよ!」
サーナは後ろで震えているイーフィを抱え集中力をたかめていく
「テレポートか、そんなことはさせんよ!!」
砂埃から勢いよく出てきたアドスはサーナの背中に向かって攻撃をしかけた
「シザークロス!」
「くはっ!!」
アドスの攻撃は無防備なサーナを確実に捕らえた、すでに倒れる寸前のサーナを倒すには十分な攻撃だった
「サーナさん!!」
サーナはイーフィを抱き抱えたまま地面に倒れ、周囲の花が散った
イーフィはサーナの下敷きになったが這って抜け出した。そして何度もサーナに呼び掛ける
「大丈夫!?サーナさん!!サーナさん!!!」
「イ、イーフィ様…は、はやく…逃げて…ください。はぁ…はぁ…」
サーナは意識はあるものの身体がもう動かなかった
「ほう、あそこまで攻撃を食らって気絶しないとは…」
アドスは何事もなかったかのように悠々と近づいて来る
「キッ!このおぉぉ!!」
イーフィは涙を流しながらアドスに突っ込んでいった
「今度の相手はお嬢ちゃんか」

どかっ!

アドスはイーフィのたいあたりをよけずにそのまま受け止めた
「よくもサーナさんを!!」
イーフィはかみついたりひっかいたりしたがアドスは平然としている
「はぁ、はぁ…くっ!」
「お遊戯は終わりかい、嬢ちゃん?だったらこっちから行くよ」
アドスはイーフィの後ろに回り込みのしかかった
「きゃ!お、重い…早くそこどいて!」
「イーブイは傷つけず持って来いって言われてるからな、これでも嗅いでな。」
アドスはハンカチのようなものでイーフィの口と鼻を塞いだ
「ンッ!ンン~!!」
「パラスから採ったねむりごなだ、そのまま寝てな」
イーフィの意識は虚ろになっていき、そのまま深い眠りに入っていった……


「…ん、…ここは?」
イーフィが目をさますとそこは花畑ではなく、どこか古びた城の中だった
目の前の天井には多くのクモの巣が張っている
イーフィは必死で記憶を掘り返す
「…確かサーナさんと一緒に花畑にきて………サーナさんは!?」
イーフィは身体を起こそうとするが…

ギシッ!!

「えっ!?」
イーフィは顔を上げて自分の身体を見ると、ベットの上に仰向けに寝かされ更にすべての足が糸で拘束されており、文字のXのような体勢に縛られていた。
「このぉ!くっ!」

ギシギシギシ!!

イーフィは力を入れ糸を引っ張るが糸は切れる様子はなかった
「お、ようやく目が覚めたか…」
声のする方向を見ると一匹のイトマルが近づいてきた
「いや!来ないで!来ないでよ!!」
イーフィは抵抗するが縛られているので言葉の抵抗しかできない
「まぁ、聞けよ。率直に言うとあんたの国は陥落したぜ。」
「!!」
「これを見な。隣の国の新聞だ」

バサッ

イトマルはイーフィによく見えるように新聞を広げた
そこには大きな写真が掲載されており、間違いなく自分の住んでいた城と町が写っていた、唯一違うのは写っている城と町がほとんど崩れ落ちていることだった
イトマルが記事を読み上げる
「[隣国陥落!!突如襲った巨大地震により隣国が直撃を受け、その後何者かの手によって隣国は陥落しました。その正体は不明、更に首相とその家族が行方不明になりその安否を問われています。]だってよ」
「あなた達のせいでしょ!早くこの糸ほどいてよ!」
「お嬢ちゃん、まだ自分の立場がわかってないみたいだね」
イトマルはベットに乗りイーフィの股下にきた

クチュ…

「ひゃう!!」
イーフィは何事かと下を見るとイトマルがイーフィのあそこを弄っていた
「や!…ひゃん!……や、やめて!そ、そこは…」
「なんだ?もう濡れてきたぜ」
「だ、だめ~……あぁあん!!…そんな所……や、やめて…はぁ、はぁ…」
イトマルは更にイーフィのあそこに爪を入れ責める
「ぁん!…ひゃん!は、はや……んん!!…だ、だめ!」
「駄目って言っといてしっかり感じてるじゃねえか、ここも完全に濡れてるしな」
イトマルはイーフィの小さな乳首を捜し当てそこも責め始めた
「きゃん!!…ぁん!………ひゃう!…んんん!」
「どうしたもう逝くのか?」
イトマルは更にスピードを上げる
「い、いやあぁぁ!…な、なんか来る!!……きゃぅううぅう~!!」

ビ、ビク!プシャー!!

イーフィのあそこから大量の愛液が噴出しベットを濡らした
イーフィの目は虚ろになり涙がこぼれていた
「はぁ、はぁ、……だ、だめ…はぁ、はぁ…」
「いくらなんでも早過ぎじゃねえか?、まいいか、今度はこっちを気持ち良くさせてくれよ」
イトマルは下半身をイーフィの目の前に突き立て、雄の象徴をさらけ出した。
「……!!」
イーフィはそのモノを見て驚いた。
見たのは初めてではないが、それは教科書に載っている絵であり、イーフィの目の前にあるような硬そうでピンと上をむいている、まさに肉棒と呼ぶに相応しいモノであった
「さ~て、奉仕してもらおうか、その口で…」
イトマルはモノをイーフィに更に近づける
イーフィの鼻にはすっぱく、つんとした臭いがたちこめた
「いや!そんな汚いもの近づけないで!!」
「汚いとは無礼なお嬢ちゃんだ、自分だけ気持ち良くなって、他の奴には奉仕しないとは」
イーフィは顔が赤くなった
「そ、それは貴方が無理矢理やってくるからで…」
「だったら途中でやめてもよかったんだぜ、逝く寸前でやめても」
「………」
「下の口は欲しがってるみたいだけどな」
そういいながらイトマルはイーフィのアソコに手を突っ込む

クチュクチュ…

「ひゃん!!」
イーフィのアソコはすでにたっぷりとぬれていて、先程よりイトマルの手がすんなり入った
「上の口が言うこときかないんだったら、下の口で言うこときかせるしかないな」
「…え?」
イトマルはイーフィの足元まで下がりモノをイーフィのアソコにあてた
「いっきにいくぞ」
「い、いや…」

グググ…ズボ!!

「きゃ、きゃううぅぅぅうう!!」
イトマルのモノはイーフィのアソコにきっちり収まり少し血が滲んでいた
「くっ、やっぱり少しきついか…、だが締まりが良いな」
「ああ、あううぅぅ…い、いやあぁ…抜いてえぇ」
「動くぞ!」

ズッズッズッズン

「ひゃああぁ!!」
「こりゃあ良い穴だ!締まりも良いし滑りも逸品だ!!」
「ひ、ひゃん!ああん!い、いくうぅぅ…」
「はぁ、はぁ、くっ…、まだ逝くなよ…俺がまだ楽しめてないからな!」

ズッズッズッズッズン!

「きゃん!ひゃん!ああん!!」
イトマルは更に追い討ちをかけるようにイーフィの胸をいじる
「だ、だめ!!胸は!そこは~!!」
「胸がどうしたって!?まだまだ時間はあるぞ!」
イトマルは更に激しく徐々にスピードを上げイーフィの身体を突く

ズッズッズッズン!

「も、もうだめ~!!」
「おっと!まだ逝かせないぜ!!」

ズルッ

イトマルはイーフィのアソコから自分のモノを勢いよく抜いた
「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ…な、なんで?」
イーフィはまるで玩具を取り上げられた子供のような顔をした
「言っただろ俺はまだ楽しめてないって、逝かせてほしいんだったらその口でこれを舐めな」
イトマルのモノはイーフィの愛液でぬれており、先程より大きくなってた
「まだ、いやってんだったらまた逝く寸前で止めてやるが?」
イーフィは身震いした、あの行為を何度もやられたら自分の身が持たないからだ
イーフィは涙目になりながらも小さく頷いた
「……わかりました」
「それでいい、ほら舐めな」
イトマルはモノをイーフィの顔に近づけた

ピチャ

イーフィの小さな舌がイトマルのモノを丹念に舐めていく
「なかなかうまいじゃないか?ここまで淫乱だったとはな…、ほら、先だけじゃなく全体的になめな」
「うぐっ」
イーフィはモノをさきっぽから根元まで丁寧に舐めていく
「…はぁ、はぁ、そろそろその口に入れてもらおうか…」
「えっ!」
「なんだ、わからないのか?こうすんだよ!!」
イトマルはイーフィの頭を抑え自分のモノをイーフィの口へ突っ込んだ

ガボッ!!

「ふごッ!!んんー!!」
イーフィは吐き出そうとするが頭を押さえ付けられ放す事が出来ない
「しっかり舐めろよ、動くぞ!!」
「んんんー!!」

ズッズッズッズン

「んっ、んぐっ!んんー!!」
「はぁ、はぁ、下の口もよかったが、はぁ、上の口もいいな!!」
イトマルは突くスピードを徐々に上げていく
イーフィの目には涙が浮かんでいた
「はぁ、はぁ、そ、そろそろだすぞ!しっかり飲めよ!!」
「んんんー!!」

ゴボボボ!!

「んぐっ!んん!!」
イーフィの口の中に粘質で苦い味が広がりまだまだ流れ込んで来る
イーフィは吐き出したいがイトマルのモノで塞がれているため飲み込むしかなかった

コクコクコク…

「へへ、しっかりのんでるぜ、そんなにうまいのか?へへへ。」
「んんん!」
イーフィは反論したいが口を塞がれているため出来なかった
「そろそろ抜いてやるよ」
イトマルはモノをイーフィの口からゆっくり抜いた

ズルルッ

「けほっ!はぁ、はぁ、」
イーフィの口から飲めきれなかったイトマルの白い精液が流れ出ていた
「はぁ、はぁ…も、もう許して…はぁ、」
イーフィは涙を流して懇願する
しかし、イトマルの顔はにやけている
「なに言ってんだ、まだ本番やってないだろう?」
イトマルはイーフィの足元へ下がり、また、イーフィのアソコへモノを当てた
「今度はちゃんと逝かせてやるぜ」
「い、いやー!!」

その時、イーフィの足にはめてある蒼い輪が紅くまばゆく輝き始めイーフィの視界を奪った、そしてイトマルの叫び声が聞こえる
「な、なんだこれは!?き、貴様一体どこから!?うわああぁぁぁ!!」

ドゴン!!

イーフィの足元で鈍い音がした、その後視界は開けた
イトマルは足元からきえていて反対側の壁にめりこんでいて、ベットのよこには誰かが立っていた
「あ、あなたは…」
「私はおまえを護る者だ」
「……ありがとう…」
イーフィはイトマルから解放された安心感と疲労でそのまま深い眠りに入っていった


「 …スゥスゥ……う、う~ん」
イーフィは眠い目をこすりながら身体を起こした
見渡すとそこは薄暗い城の中ではなく、広い草原だった
すでに日も落ちはじめ周囲は紅く染まっていた
「ここは……」
「ようやく起きたか…」
いきなり後ろから声が聞こえイーフィは振り返った
そこには一匹のポケモンがいた
青と黒の模様で二本の足で立ち、頭に四つの房が付いていて、両手と胸付近に棘が付いていた
左目には包帯が巻かれている
「…あなたは?」
「私はルカリオ、さっき城で言った通りおまえを護り、望みを叶える者だ」
「…私を護り、望みを……」
イーフィは腕に着いている輪を見ると、右足の輪が紅く染まっているのにきずいた
「輪が紅くなってる…」
「その輪は私の力を封印し、主人と私を繋ぐもの、紅くなったのは私の封印が解かれ始めている…」
「私とあなたを…」
「…では、行くぞイーフィ」
ルカリオはイーフィに背を向け歩き始めた
「…行くってどこへ?」
イーフィはそのあとをついていく
「望みはわかってる、両親と他の者を助けたい、そうだろう?…だから観測者(ふうしゃ)に会いに行く」
「…ふうしゃ?」
「過去と未来を見ることができ、神と称されるポケモンだ」
「…ありがとう、私のために助けてくれて…」
ルカリオは不意に立ち止まった

ドンッ

「痛っ!!」
イーフィはルカリオの足に頭をぶつけてしまった
「先に言っておくが、これはおまえのためじゃない…俺のためだ!」
そう言うと早歩きで先へ進んでいった
「…私のためではなく…、あなたのため……」
しばらく考えていると、先に行ったルカリオがすでに遠くにいたため、イーフィは駆け足で追い掛けて行った


その頃イーフィの捕まっていた古城では…
「…これは一体どうなってる!?」
アドスはイーフィを連れて行くため古城に来たのだが、そこには城はなく、代わりに城の残骸と瀕死状態のイトマルの山があった
アドスは近くに転がっていたイトマルを掴み上げた
「おい!ここにいたイーブイはどうした!!」
「…す、すいません……アドス…様…い、いきなり現れた……ルカリオに…やられまs……ガクッ」
「ちっ!役立たずが!」

ブンッ!

アドスはイトマルを投げ捨てた
「ルカリオだと!そんなやつ俺が叩きのめしてやる!!」
アドスは憤怒した様子で歩くと後ろから声がした
「でも、場所が分からないんじゃ、意味ないよね。」
アドスが振り向くとそこには一匹のニャルマーがいた
「ルマーか、そんなら聞くがおまえは知っているのか、そのルカリオの場所を?」
「ええ、知っているわよ、私の助手が追ってるから、それと…」
「それと?…」
ルマーは笑みをこぼしながら言った
「ふふ…、あのルカリオ、波導が使えないみたいなのよ」
「波導を?ルカリオなのにか!?」
アドスはビックリした様子で答えた
「ええ、それも証拠に助手が木に化けて待ち伏せしてたんだけど、1m近づかれても、気づかなかったらしいのよ」
「ハハハ!それは傑作だな!!波導使いなのに波導が使えないとは!!」
アドスはルマーを背に歩き始めた
「ふふ、でも油断は禁物よ、あなたの城と部下達をここまでした奴だから…」
「わかってる…、マニュに伝えとけ!イーブイとボコボコにしたルカリオを土産に行くとな!!」
アドスはそのまま暗い森の中へ入って行った。


「はぁ、はぁ…ルカリオさん、まだ着かないの?…はぁ、はぁ…」
ルカリオとイーフィはかれこれ約3時間歩き続けていた
日はすでに暮れていて月明かりだけが道を照らしていた
「あとあの山を越えれば町がある、そのさきに観測者がいる」
「…はぁ、はぁ、も、もうだめです…歩けない…お腹すいた…」
イーフィはその場に座り込んでしまった
朝からなにも食べておらず、よくここまで持ったほうだろう
ルカリオはイーフィが座り込んだのに気づきイーフィに近づいた
「…しかたがない、背中に乗れ…」
ルカリオは自分の背中にイーフィを招いた
「…え?で、でも…」
「こんなところで止められても困る、ぐだぐだ言わず乗れ…」
「…は、はい…」
イーフィはルカリオの背中に乗った
ルカリオはイーフィが落ちないようにやさしく後ろで抱えた
「…しっかりつかまってろ、振り落とされるなよ…[しんそく]!!」

グン!!

「きゃあ!!」
ルカリオは[しんそく]で目にも写らない速さで山を駆けて行く
「…す、すごい…」
イーフィは[しんそく]の速さに驚いた。目の前に写った物が一瞬で後ろにとんでいく
「…あと10秒で町だ…」
ルカリオが言い終わると山の頂上に着いた
山のふもとには町の明かりか、まるで火の着いたキャンドルの束のように綺麗だった
「……きれい…」
イーフィが感傷に浸っているとルカリオがとんでもない事を言い出した
「……跳ぶぞ…」
「…え、いまなんて……きゃあぁ!!」
ルカリオはいきなり地面を大きく蹴り、空中へ飛び出した
下には町が広がっているがその高さが半端なかった、町のポケモンが砂粒のように小さく見えるほどだ
「きゃああぁぁぁ!!お、落ちるうぅぅぅ!!」
地面がぐんぐん近づいて来る

…スタッ!

ルカリオは町の入口に華麗に着地した、審判員がいれば10点満点もらえるだろう
「ほら、町についたぞ…、ん?」
「…きゅ~ん…」
イーフィは目を回して気絶していた
「まったく、しかたがない主人だ…」
ルカリオはイーフィを抱えたまま町の中を歩いていった


「…う、う~ん…こ、ここは?」
イーフィが気絶から覚めると町を見渡せるちょっとした丘の上にいた
横には茶色の紙袋が置いてあり、中から甘く香ばしい匂いがした
中を見ると小さいポフィンがたくさんはいっていた

…ぐ~

「あ…、」
イーフィの胃はすでにすっからかんで、早く食べ物を入れてとせがむ
「食べてもいいよね…?」
イーフィは自問自答して1つポフィンを取り出し小さな口へ入れた
口の中に甘い匂いと味が染み渡り、やさしい食感が食を進ませる
「はん…もぐもぐ…ふん…もぐもぐ……」
イーフィは次々と口に入れ袋のポフィンを減らしていく
そして、袋の最期の一個を食べようとしたとき手が止まった
「…ルカリオさんの分残さないといけないよね…」
イーフィは手に取った最期のポフィンを袋に戻した
そして、今まで起こった事を振り返った
「父様、母様、レイドさん達は大丈夫かな…」
そう思うとイーフィは突然不安感に襲われた
果たして自分とルカリオだけでほんと助け出せるのか
そんな考えが頭の中を駆け巡った
「…父様…ぐすっ…、母様……」
イーフィの目からは涙が溢れ、滴り落ちる雫が地面を濡らした
「…泣いているのか」
イーフィが顔を上げるとそこにはルカリオがいた
「…ぐすっ…ねぇ、ホントに父様達を助けられるの?」
「なにっ…」
ルカリオは不服な表情でイーフィを睨んだ
「だって!私の国は一日とかからず滅んだのよ!…そんなの相手に勝てるの!?」
ルカリオはイーフィに近づき横に座り込み、袋の中のポフィンを取った
「…大丈夫、絶対助ける…それが彼女の願いだから…」
ルカリオはポフィンを食べながら答えた
「…ぐすっ…彼女?…」
「私を認めてくれたポケモンだよ…」
「それって一体…」
ルカリオは立ち上がり歩き始めた
「行くぞ…」
「行くってどこへ…?」
「何度も言わせるな、観測者(ふうしゃ)の所へだ…。その話しも奴がしてくれるだろう…」
ルカリオのあとをイーフィはついていった


「ここだ…」
ルカリオとイーフィが着いた先は野原の真ん中にある家だった
家はレンガ作りだが所々蔓や草で侵食されていたおり、煙突からは煙りが立ち上っていた
「ここがその観測者さんの家?」
「…そうだ」
「その観測者ってどういうポケモン?」
「入ってみればわかる…、だがイーフィはまだ入るな」
「どうして?」
「見てろ…」
ルカリオはドアノブに手をかけドアをゆっくり開けた
ドアの先は殺風景で家具など一つも置いておらず反対側にまたドアがあった
ルカリオは慎重に部屋の中へ入っていくと、その時

ガパッ!!

「くっ!?」
ルカリオの立っていた床がいきなり開いた
「はぁっ!」
ルカリオは瞬時に跳び上がり落ちることはなかった、しかし、ちょうど跳んだ先に無数のボールが飛んで来てルカリオを狙う
「なに!」

ドガガガガ!!

「くはっ!!」
「ルカリオさん!」
ルカリオはボールを避けることができず、全てのボールがルカリオに命中した
ルカリオは空中でバランスを崩し、床に倒れてしまった
そこへ、向かいのドアが開き一匹のポケモンが出て来た
「はは♪ルカリオ昔より身体が鈍ったんじゃないの?」
そのポケモンはまるで妖精のようで黄緑色をしていた
「…うるさい、それは貴様が呪いをかけたせいだろう…」
ルカリオはボールの当たった所をさすりながら立ち上がった
「ルカリオさん!大丈夫!?」
イーフィはルカリオの足元に駆け寄った
そこに妖精のようなポケモンがイーフィに近づいてきた
「へ~、あなたがあの娘の子孫の子ね…、誓いの輪をはめてるし間違いないね♪」
イーフィはルカリオの足元に隠れながら聞いた
「…あの、貴女は誰ですか…?」
「私?私はセレビィのセレ、よろしくねイーフィちゃん♪」
セレは笑顔でイーフィに答えた

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コメントどぞ!!

#pcomment(コメント/紅き悪魔 1)

IP:133.242.146.153 TIME:"2013-01-30 (水) 14:42:18" REFERER:"http://pokestory.rejec.net/main/index.php?cmd=edit&page=%E7%B4%85%E3%81%8D%E6%82%AA%E9%AD%94%E3%80%801" USER_AGENT:"Mozilla/5.0 (compatible; MSIE 9.0; Windows NT 6.1; WOW64; Trident/5.0; YTB730)"

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