[[opoji]]です。官能表現は入れる予定ですので、ご注意下さい。 それではどうぞ ---- ここは人間が立ち入る事のない、深い森の中。 そこにはポケモン達が自由気ままに暮らしていた。 そんな数多くのポケモンが住むこの森で、ある物語が始まろうとしている。 ---- 「ふぁぁ、、眠いぜ」 俺の名前はローチ。まぁあれだ、いつもと変わらない朝を迎えての開口一番なわけで。 今日もいい天気で、木漏れ日がとってもキレイだよ。いつ見ても良いもんだね。 さてと、こっから出ようかな。大木の根元にある空洞で寝泊まりしてるんだよ、俺は。 今日はどこに行こうかね~。とりあえずお腹が空いたから、いつもの木の実が取れるとこに行くかな。 「おいローチ、どこに行くんだい?」 トコトコと歩いてると俺に喋りかけてきた一匹。姿は見えないがこの声は俺の友達だな? 「トーシャか?隠れてないで出てこいよ~」 「たぁっ!」 「のわっ?!」 あぁ…またやられた…トーシャはいつも茂みから出てきては飛びついて来やがる。んでお決まりの… 「このモフモフ、やっぱたまんねぇよ!うぅー」 「毎度の事だけど、やめろって」 俺のチャームポイントでもあるこの胸元のモフモフした毛をコイツがいっつも顔を埋めてくるから… そう、俺は種族で言うとブースターって名前らしいのさ。 んで、親友のトーシャはリオルって言うらしい。・・・てかそろそろ離れてくれないかな? 「おーい」 「おっと、、ごめんごめんあまりにも気持ち良すぎてつい、ね」 「俺の気持ちも考えろよな」 「で?どこに行こうとしてたのさ?」 「ん~?腹減ったから木の実取りに行こうと思ってさぁ」 「おっ!俺も行くぞ!」 「まぁいいけどさ」 トーシャとは長い付き合いで、俺がイーブイの時から仲が良かったんだ。 何かといつも一緒に居たもんなぁ、、。 「なぁローチ?」 「ん~?」 「今日さ、もし良かったらちょっと森の奥地に行ってみない?」 「バカ!やだよそんな物騒なとこ。確か言語が通じない奴らがいるんだろ?」 そう、この森は一つに統一されてるわけじゃ無いんだ。 やっぱりある種族だけのテリトリーなんかも存在するし、その中に入ろうとならば命だって落としかねない。しかも運が悪ければ、俺達が話しているこの言葉じゃない言葉を喋る種族がいるらしいし… トーシャがそんな所に行きたがるなんてな。しかし何でだ? 「思えばほら、俺たち冒険的な事してないじゃん?いつも同じ場所でさぁ?」 「安全が何よりじゃない?」 「いやぁ男たるもの、一度や二度冒険しないとなぁと思って」 「ん~、、、まぁ行ってみてもいいけどさ、あんま奥には行かないからな?!」 「わかってるって。んじゃ、決定~」 はぁ…悪い事が起きなきゃ良いがね。 「おっ!今日はオレンの実じゃん!やったね♪」 なんやかんやで着いたみたい。木の下には数個実が落ちてる。 「それじゃいただこうかね」 「うん」 早速トーシャは両手で掴んでほうばってる。いつもうまそうな喰い方するよな、本当。 俺も身をかがめて適当にオレンの実を口に運ぶ。2、3個食えば十分かな。さて… 「食べた?トーシャ」 「うん、ローチはもういいの?」 「十分食ったよ」 「それじゃあ、行く?」 「行くか」 「じゃあこっちだよ」 こうしてまだ行った事がない地域へ向かいだす。時たま吹く風がとっても気持ちが良いよ。 しばらく歩いて行くと、若干森の雰囲気が変わったような気がした。 「へぇ、結構広いんだね。何処まで行けるんだろう?」 「さぁね~。…なんか音してない?」 「そういえば聞こえる気がする。川の音かな?」 「行ってみよう」 そのまま俺とトーシャは川に向かう。こんなとこまで繋がってるのかな? 「おお!綺麗な川だ!」 やっぱり川だった。 「すごいな、俺らが居たとこまで繋がってるのかな?」 「そうなんじゃない?」 「だよなぁ。…ちょっと休憩~」 俺は川のそばで、いわゆる ふせ の態勢になって欠伸をする。結構な距離歩いたもんなぁ…。 「ふぁぁ」 トーシャも俺の横で座る。 「思えばさぁ~」 「ん~?」 「この先に俺らとはまた違う生活をしている集落があると思うと不思議だよね。周りの環境とかさほど変わってないのに、住む奴らは全然違うんだもんね」 トーシャにしてはまともな事を言ってやがるな。 「そうだな。やっぱり共存できない何かがあるのかも」 「ローチもそう思う?」 「うん」 それでも、世界が一つになれば良いだなんて思わないけどね。やっぱりその部族だからこその幸せってあるだろうしね。 「ああぁぁ」 「どうした?」 いきなり横で叫ばれたらビックリするって。んで仰向けになってるし。 「カワイイ子居ないかなぁって思ってさぁ」 「いきなり何言ってんだよ」 「なんかさぁ、他の友達とかカワイイ女の子と一緒に歩いてたりイチャイチャしてたりするのを最近見るわけでさぁ。なんか悲しくなるよなー」 なんだ、恋愛の話か。 「そんなん気にするなって。これからなるようになるさ」 「はぁ・・・」 「落胆するなって」 さてと、ちょっと喉渇いたから水飲みに行くかな。 「どこ行くの?何か可愛い子でも居た?」 「居る訳ねぇよ。ただ喉渇いたから水飲みに行くだけ」 「なぁんだ。・・・俺も行こ」 冷たい水が身体にしみてくる感じがたまらない。…水は嫌いだけどね。 「どうする?このまま引き返す?」 「いや、もうちょっと先に進もうよ!何か新しい発見があるかもしれないし」 まだ行く気だったのか・・・。元気だね~。 「お前は探検隊かって。じゃあまだ日が上がってるし、行くか」 ---- 喉を潤わせ、再び歩き出す。 くだらない話をしながら宛もなく森を突き進んでるわけだが、俺らもよくやるよな。目的も無く出掛けるのは関わりたくない事件に巻き込まれる可能性が高いって言うしさ。 ズドドーン… バサバサバサバサ! 「うわっ?!何?!」 うわー・・・なんか急に森が騒がしくなってきたよ・・・何かと思ったら大量の鳥ポケモン達が一斉に騒ぎながら木から飛びだってったんだけど、、。こういうシチュエーションって良からぬ事が起こる前兆だよね?思ってた矢先にコレだもんな。嫌な予感しかしない。 「なんか煙出てない?」 本当だ・・・俺らの正面側に立ち込めてる。 「ん?!何か来る?」 そして何か走ってくる足音…木々が生い茂てるから何かは確認できないけど・・・ん?かすかに見える・・・俺と同じ体型っぽい。 「誰か来るよ、ローチ!」 「トーシャ・・・逃げる準備しろ!」 「う、うん!」 うーむ…あんまり威圧感が無いポケモンっぽいけど… 「はぁ、はぁ、…!誰か居た!」 走ってくる正体が見えた!赤い身体の・・・ 「た、助けて!お願い!!」 「えっ?」 「追われてるの!」 追われてる?・・・おっと、後ろにやべー奴がいっぱい走って来てるんだが… 「ローチ・・・やばいかも」 「あぁ…なんかいっぱい連れて来てるな」 「走って!走って!捕まっちゃう!」 「ちょ、ちょっと!」 「ヤルキー!ヤルヤルキー!」 「ヤルキー!!」 うわー・・・ついに会っちまったよ、何言ってるかわからない奴ら。白い毛に赤も混じって…… 「ローチ何やってるの?!とりあえず逃げるよ!」 「ああ!」 なんだかわからないけど、三匹で逃げ始めちゃった。 「ちょっと君、何か凄い怒らせる事でもしたの?!」 俺は走りながらこの赤い毛の子に問う。 「はぁ…はぁ…話は…後で!…」 「ローチ!後ろ!」 トーシャに言われて、走りながら後ろを見ると例の集団が何か技を出すモーションに・・・ ジュゴゴーン! 「「「うわぁぁぁぁあ!」」」 何か球状の物体が来たー!と思ったら吹っ飛ばされるー!!どうなんの俺?!あぁもう泣きそう… どうやら直撃はしなかったけど、付近に着弾した衝撃で吹っ飛ばされたみたい。 「いってぇ…」 思いっきり地面に叩きつけられた感じ…あれ?トーシャが居ない。居るのはあの赤い毛の子。 「大丈夫か?」 「いったぁ・・・う、うん!」 まだ追っ手が来てるな…とりあえず奴らが本気なのがわかった。勝てないとわかったら逃げるべし!! 「走れる?」 「大丈夫!」 なかなかタフなんだな。声からして…メスかな?まぁいいや。 「ヤルキーィ!」 「きゃっ!」 予想とは反して、結構接近されてた…ここは足止めにでも・・・ 「離れて!」 「えっ?あっ、うん!」 よぅし、行くぞう! 「ふんえん!」 「?!」 よし、動きが止まった!今のうちに! 「さぁ、行くよ!隠れられるところまで逃げよう!」 「凄い…!わかった!」 とりあえず奴らから逃れるために、俺とこの子だけで走りまくる。トーシャ、大丈夫かな…。 ---- はぁ、はぁ、はぁ・・・すごい疲れたよ。かつてないぐらい走りまくったし… そろそろ追っ手も諦めただろう…俺は走るのをやめると、一緒に居たあの子も同じようにやめた。 「はぁ、はぁ、…ふぅ~…ここまでくれば大丈夫だろう。疲れたぁ…」 「はぁ、はぁ、はぁ・・・ごめんなさい」 「まずワケを聞かせてくれないかな?歩きながらで良いからさ」 「うん・・・」 「あっ、その前に自己紹介しなきゃね。俺は、ブースターのローチってんだ、よろしく」 「私は、ロコンのリィって言うの!よろしくね」 ロコンのリィちゃんか。こう改めて見ると結構可愛いなぁ。・・・いや、変な意味で言ってるんじゃないんだからな?! 「じゃあ、リィちゃんって呼んでいいかな?」 「いや、リィって呼んで?そのかわり、私もローチって呼んでいい?」 「あっ、うん。構わんよ?…じゃあリィ?追われた理由教えてくれる?」 どこの方向に向かってるかわからないが、とりあえず話を聞きながら歩いてる。追っ手から少しでも距離を置くためにね。いや、それでリィがおわれた理由なんだが、どうやらあの得体のしれない奴らのテリトリーに侵入しちゃってたらしく、しかもそこに成ってた木の実をおいしく頂いてた最中に、後ろから ヤルキー! って叫ばれたらしい。なんともお粗末な話さ。運が悪いというか、なんというか。 「災難だったな」 「うん…言葉も通じないし、攻撃されちゃうし、ローチを巻き込んじゃうし…」 リィの顔を見ると、だいぶ落ち込んでるのがわかる。 「まぁ、気にするなよ。そんな時もあるさ」 「ありがとう…そういえば、ローチと一緒にいたあのポケモンは?」 「うーむ…あの爆発のせいで、別れちゃったみたいだね。しかも無我夢中に走ったから、今ココがどこかもわからないもんね・・・」 「そっかぁ…ローチのお友達?」 「親友ってとこかな」 「お~、仲が良いんだね」 仲が良いのは幸いなんだが、あのモフモフいじりは何とかして欲しいよな。 「これからどうしようっ・・・」 たしかに・・・右も左もわからないこの場所だからなぁ・・・。 「ひとまずさ、夜になりそうだしどっかで一晩過ごさないと。うかつに夜出歩くと悪ポケモンに狙われるかんね」 「ローチって…頼もしいねっ!」 「っ!!」 最高の笑顔で言われると、かなり照れるというか・・・ 「どうしたの?」 「い、いや、何でもない。とりあえず寝れる場所探そっか」 「?…そうだね!」 感づかれたら恥ずかしいからな…なんとかバレてないみたい。 ---- 探しているうちに、本格的に夜が近づいてきた。 「そろそろ見つけないとやばいな…」 「うん」 俺、平然としていると思うだろう?実は心臓が口から出そうなぐらい緊張してたりするわけなのよ。なぜかって?リィがなんか知れないが近くで寄り添って歩いて来るからさ…そりゃ夜暗くなってくれば怖いのはわかるけどさ、こんな近い距離で異性と歩くのは慣れてないというか、経験が無いんだよね。・・・えぇそうですよ、彼女一匹つくれないいくじなしのオスですよーだ。 「ローチ大丈夫?どっか痛い?」 「えっ?な、なんで?」 「なんか歩き方がぎこちないよ?」 「えっ?!そうに見えた?何でもないから安心して?」 「そう?…わかった」 うわっやべー!俺そんなにぎこちない動きだったか?! 「あそこなんかどうかな?」 俺は立ち止まって該当箇所を見る。見つけたのは、周りは木に囲まれてるちょっとした広場の端の方。 「ローチが良いのなら、私も良いよ?」 …何かちょっと照れるかも。 「ん、ありがとう。じゃああそこで一晩過ごそう。ちょっと待ってて?」 枝を適当に集めないとね。寝る前に火を起こさないと。 手際良く枝を咥えて、一箇所に集めれば、はいOK!後は火をしばらく出してれば着火するよね。こんな作業してる間、リィはじーっと俺を見てくるんだ。なんだろう? 「よしっ」 カチカチカチ… 着火したよ。暗闇からほんのり暖かい赤みに照らされはじめる。 「暖かいね」 「そうだなぁ」 カチカチカチ… 俺の隣にお座りするリィ。二匹でじーっと火を見つめてる。 「ふぁぁ、、、」 不意にリィは欠伸をした。疲れたもんね、眠いのかな? 「疲れたね。もう寝よっか」 「…うん。もうちょっと私、話したかったけど、身体がもうヘトヘト~」 「あはは!また明日、いっぱい話できるよ。じゃ、ゆっくり休んで」 「ローチは寝ないの?」 「もうちょい起きてるよ。見張りの意味も込めて」 「…あ、あの・・・ぜ、絶対、どこにも…その…行かないでね?」 「!!」 や、、やばい…可愛過ぎるかも…上目遣いに目をウルウルさせられちゃったら…照れるよ! 「も、もちろん!大丈夫、リィのそばにずっといるから」 ッカァーーー////何俺柄にも無い事言ってるんだろ…顔がやばい熱いぜ… 「ありがと…」 リィが後ろ向いちゃった。俺が恥ずかしい事言ったからかな?ごめんよぉ… 「じゃ、おやすみ!」 「うん。おやすみ、ローチ」 こうしてリィが完全に眠るまで、俺は火のそばでずっと起きていた訳さ。寝てるリィの顔…呼吸する度に揺れる身体…なんかもう凄いカワイイよ… はっ!いかんいかん!ガン見しちゃった。こんな所見られたら何を思われるか、、 さてと…そろそろ火も消えるし、そろそろ寝よっかな。 …トーシャ、無事で居てくれよ?…ふぁぁあぁ… ---- まだまだ続きます。 執筆中… 第二話[[立ち入る事のない森で 2]] ---- #comment()