ポケモン小説wiki
私から離れて行く の変更点


作った人・[[satan]]

薄暗い夜の道を一人歩くオレ、今日は部活が長引いて帰りが遅くなった
オレの名前はナオト、極普通の高校生
「あいつ怒るかな?」
オレは色々呟きながら家に着いた
「はぁ~怒ってないことを祈るか」
ガチャ
ドアを開け家に入る(アパートだけど)
「ただいま」
いつも返ってくる返事がない。いつもなら「お帰り」って返ってくるんだけどやっぱり怒ってるからかな?とりあえず居間に行く
「おい、いないのか?」
オレは居間を覗く、そこにはちゃんとあいつがいた。あいつは作り置きのポフィンを食べていた
「いるのなら返事くらいしてくれよ?」
「・・・・」
なんで今日は何も喋らないんだろう?やっぱり怒ってるから?
「な~何か言ってくれよ。寂しいじゃん。な~リズ?」
オレは半分ふざけてそんなことを言ってみた。リズはシャワーズでオレの大切なパートナー
「五月蝿い!」
やっと言葉を出した。口調からするとやはり怒っている
「何怒ってんだ?オレが遅かったから?」
「・・・」
また黙ってしまった。
「喋りたくないならそれでもいいけど」
オレは自分の部屋に入った
ドアを閉め、椅子に座り考え込む
「なんで怒ってるのかな?オレ何かしたか?」
コンコン
考えている最中にドアをノックされた
「ん?入っていいぞ」
オレの家のドアには二つ扉がある。簡単に言えば人間用とポケモン用だ。リズみたいに四足のポケモンだとドアノブが届かないためオレがドアの一箇所をぶち抜いて新しくドアを作った
「どうした?」
入っていいと言ったのに入ってこない
「おい?入っていいぞ?」
ドアを開けてオレは言う。リズはドアの前にいた
「入るのか?」
オレが聞いても返事をしない
「?」
何をしにきたのか全くわからない
「何しに来たんだ?」
「・・・」
リズはそのまま無言で居間に戻っていった
「なんだ?あいつ」
オレは首を傾げた
「あっ!そうだリズ今日はいつ寝るんだ?」
オレはリズにいつ寝るのかを聞く
「・・・」
だが、答えてくれない。これだけは答えてもらわないと困る
「な~頼むからこれだけ答えてくれよ」
するとリズは
「もういい、寝る」
「そうか、なら来いよ」
リズはオレの近くまで歩み寄ってくる。そしてそのままオレの部屋のベッドまで行きベッドで横になる
「おやすみ、リズ」
オレは風邪を引かないように布団をかけてやった

「寒い・・」
あいつはいつも私に布団をかけて居間に行ってしまう。私はいつも思うあいつの成長を戻したい、私は幼い頃のあいつが好きだ。今も好きだけど幼い頃のほうがずっといい
私は自分の過去を思い出した

私は野生のイーブイだった。親もいない禄に食べるものもなかった。
ある日、食べ物を探しに森に行ったときの事だった。
「お腹が・・・空いた・・」
私は木々を見て木の実があるか探していた。だが木の実は見つからなかった私は諦め帰ろうとしたとき
「あっ!イーブイだ!」
私を見て大きな声を出す一人の人間が突っ立っていた
「かわいいなぁ」
人間は私に近づきしゃがんでそう言った
私は空腹の所為で意識を失った

「ここは?」
私が目を開けると私は寝かされていた
ガチャ
ドアが開きさっきの人間が入ってきた
「起きた?よかった」
人間は私見て嬉しそうに笑う
「ここどこ?」
私は思ったことをそのまま口にした
「ここは僕の家だよ。そしてここは僕の部屋だよ」
「そう」
「いやぁ~びっくりしたよ、君が急に倒れたから」
そうか、私は倒れたんだった空腹のあまり
ぐうぅぅぅぅ
それを思い出すとお腹が鳴った
「///」
「お腹空いてるんだね?今何か持ってきてあげる」
そう言って人間はまた部屋を出て行く
私は暫く天井を見つめていた
ガチャ
「お待たせ、食べ物持ってきたよ」
人間は木の実を5,6個抱えてやって来た
「ありがと・・・」
また、私を見て人間は笑う
「あんた名前は?」
「え?あ、僕はナオト」
(ナオトか)
「ねぇ?木の実食べないの?」
ナオトが聞いてきて、はっとなった
「食べる」
私はナオトが持ってきてくれた木の実を取り、齧る
「美味しい」
「よかった。口に合ったみたいだね」
木の実を食べ終えた後、少しの間沈黙が続いた
「ねぇ?イーブイは体調が戻ったら森に帰るんだよね?」
ナオトが私に悲しそうな声で聞いてきた
「どうしたの?」
「僕、ポケモンが欲しくて今日森に行ったんだ。そしたら、君がいて」
要するにナオトは私に此処で住んでほしいと言っているのだろうか?
「いいよ、ここにいても」
「え?」
私には帰る場所なんて最初からない。だから、ここに住んでも私は問題ない
「本当?」
「うん、いいよ」
「やった!ありがとうイーブイ、そうだ名前付けようか、いつまでもイーブイじゃ嫌でしょ?」
「名前?」
「そう、君の名前」
なんて名前になるのかな?と、考えていた
ナオトは唸りながら私の名前を考え出した
「そうだな~?」
かなり考えてくれているみたいだ
「リズ・・リズなんてどうかな?」
「リズ?・・・」
「そう、君の名前」
私は正直名前なんてなくてもよかったのだがリズという名前を私は気にいった。
私は頷いた
「じゃあ、これからよろしくねリズ」
「こちらこそよろしく」
この時、私はナオトと一緒に暮らすことになった
そうして、月日が経った。ある日それはナオトが小学3年だった頃
「リズちょっと来てくれ」
私はナオトに呼ばれナオトの許へ向かった
「何?ナオト」
「お前に聞かないといけないことがあって」
「聞かなきゃいけない事?」
「うん」
何かな?
「お前って進化したい?」
ナオトが聞いてきたのは進化の事だった。私はイーブイ私には7つの進化系がある
「進化したいなら、この中から選んでくれるか?」
ナオトは私に7枚の写真を見せた。そこには進化系の姿が映っていた
「えっ?」
イーブイの進化はどれも特殊で簡単に進化できるものじゃない
「進化しないなら選ばなくてもいいぞ」
私は少し考えた後ナオトに言った
「私、シャワーズになりたい」
私はシャワーズを選んだ
「わかった。オレお前をシャワーズに進化させてやる。でも、もし違うのになったらごめんな、そのときは謝るよ」
私は嬉しかった。私が望む進化系に進化させてくれると言ってくれたナオト
その夜、私はベッドで寝ながら進化のことを考えていた。
「私、シャワーズになれるかな?」
しかし、正直、不安の方が強かった。もしシャワーズになれなかったら
ナオトは私に謝るって言ってた。だけど、その後ナオトが私の前からいなくなるんじゃないかって考えた。シャワーズになれなかったら、そう考えると体に寒気が走った
「さ、寒い」
私は布団の中で蹲って寒さをしのごうと思ったが寒さが消えることはなかった。体が震え寒気が増してゆく
「寒い、寒いよ」
ガチャ
布団の中で震えていると部屋のドアが開いた
「リズ?」
入ってきたのはナオトだった
「ナオ・・・ト」
体を震わせながらも私はナオトの名前を呼んだ
「ん?」
ナオトは私の声に気づき布団を除けた
「リズどうしたんだ?」
体を震わせている私を見てナオトは驚く
「寒い、寒いよナオト」
すると、ナオトは優しく私を撫でてくれた。そして私の寝ているベッドに入ってきた
「!!」
さっきまで寒かった体がすぐに温まった
「嫌だったら言えよ?」
ナオトは優しく私を抱きしめてくれた。さっきまで寒かったのが嘘のように今は温かい
それから、私は寒いと感じた日はナオトを呼んで一緒に寝ていた
その1年後、私はナオトのおかげでシャワーズに進化することができた
シャワーズになっても私はナオトと一緒に寝ていた
とても心地よくナオトの腕の中はとても安心できた
でも、ナオトが中学に上がってから頼んでもしてくれなくなった何度も何度も頼んだ
でもナオトは「もう一緒に寝なくても大丈夫だろ?お前はこんなに立派に成長したんだから」
と言って寝てくれなかった。そして私は「立派」という単語が嫌いになった
頼んでも頼んでも「立派」という単語一つで断られるから

そして今に至る
「どうして・・・」
あんなにいっぱい接してくれたナオトはもういない
私は寒さを堪え眠った


「ふわぁ~もう朝か?」
オレは重たい体を何とか起こす
「準備しないと」
オレは急いで着替えて朝食を作る
「あっリズ起こさないと」
オレは一旦火を止めてリズを起こしに自分の部屋へ向かった
「おい、朝だぞ起きろよ」
「・・・・」
反応がない、不思議に思ったオレはドアを開ける
「なんだまた寝てたのか・・・」
心配して様子を見たがただ寝ているだけだった
オレは起こさないようにベッドまで近づいた
「やっぱり、寝顔もかわいいな」
そんな事を言ってリズの頭を優しく撫でる
ふと目の下辺りを触ると
「あれ?湿ってる夜中に泣いたのかな?」
湿りがどうも疑問に思うがそろそろ時間がやばいのでリズを起こす
「リズ、リズ起きろ朝だぞ」
リズを揺すりながらオレは声をかける
「ん~」
前足で目を擦りながらリズは目を開ける
「おはようリズ」
「・・・」
思った通り何も返してこない
「はぁ~今朝ごはん作ってるから少し待ってな」
オレは居間に戻り朝食の準備を再開する
居間に来たリズはテーブルに飛び乗り朝食ができるのを待っていた
「よしできた」
オレは皿に盛った朝食をテーブルに運びすぐさまリズのポフィンを用意する
「やば!早くしねぇと遅刻だ!」
オレは急いで朝食を食べる
オレは食い物を押しこみ飲み込む
「じゃあオレ行くな、留守番頼むぞ」
オレは家を出てダッシュで学校まで走った

行ってしまった。あいつといる時間は短すぎる
ナオトと過ごせるのは朝の朝食、帰ってきて寝るまでの時間しかも小中高と学年が上がるごとに学校に行く時間が早くなり帰ってくる時間は遅くなる
ナオトがいないこの時間が私にとって一番辛いときだ
「もう嫌!・・・」
私は涙を流し残ったポフィンを食べる
ポフィンを食べ終えるとナオトの部屋へ行った
部屋には私専用の伝言板がある。私は字は書けないが物を貼ることはできるので
ナオトは私のために文字の形をしている磁石を買ってきてくれた。最近あまり使ってないけど今になってまた役に立つとは
私は文字を一文字ずつ貼っていった
「これでよし!」
全部貼り終え私は部屋を出て玄関に行った
「さよなら」
そう言って私は家を出て行った

数時間後
「ただいま」
オレは靴を脱ぎ捨て居間へ走った
実は今日オレは部活をやらずに帰ってきた。理由はリズのため、結局一晩考えてオレは昨日帰りが遅くなったから怒っているとオレは思い今日は早く帰ってリズを驚かせようと思ってたのに、そのリズがいない
「珍しいなあいつがオレのいない間に出かけるなんて」
オレは自分の部屋へ入り机にカバンを置いて辺りを見回した
すると目にしたのはリズの伝言板だった
伝言板を見た瞬間オレは驚いた
書いてある文章にオレは目を疑った

私はここを出て行きます進化させてくれてありがとう。ここまで育ててくれてありがとう。
さよなら

「なんだよこれ?」
オレはまだ驚きを隠せなかった。嘘だと思いたかったでもあいつはオレに嘘をついたことはない。これが本当だとしたら・・・
オレは何も考えず家を飛び出した
「はぁ・・はぁ・・・」
オレはあいつの行きそうな場所を探し出した
「リズ!リズどこだ~!」
大声で名前を呼び辺りをくまなく探す
丁度オレの目の前に人が通った
「すみませんこの辺りでシャワーズを見ませんでしたか?」
「シャワーズ?あぁシャワーズならさっき向こうの河原で見たよ。」
「ありがとうございました」
オレはその人にお礼を言って言われた河原へと向かった

河原
今日からここで私は生きていくこの河原には橋も架かっているから雨などに濡れる心配はない。水タイプの私にはどっちでもいいけど
ふと頭にナオトの顔が浮かぶ今頃なにしてるかな?まだ部活だよねいつも遅いから
「ダメだ・・・ナオトの事は忘れなきゃ・・・・」
私は首を左右に振り頭の中の考えを消す
次はどんな人間に拾われるだろうか?ナオトより優しい人間それとも悪い人間それとも・・・
「もう夕方か・・・」
顔を上げると太陽が沈みかけていた
「これからどうしよう?」
これから暫く自分だけの力で生きていくことになる。運が良ければ人間に拾われるだろう
拾われるまでの食料をどうするかが問題だ。ここは川だから水の心配はない
私はとりあえず食料の事だけを考えることにした
「食料が問題ね・・・」
「その心配はいりませんよシャワーズのお嬢さん?」
「え?」
私が考えている最中に後ろから聞きなれた声がした。私が振り返るとそこには・・・
「ナオ・・・ト・・・」
私の前にはナオトが立っていた

リズはオレを見て驚いていた
「み~つけた!」
オレはリズにそう言った
「なんでここにいるの?まだ帰ってくる時間じゃあ・・・」
「さぁ~なんででしょう?」
オレは一歩ずつリズに近づく
「近づかないで!」
リズは叫ぶように言い放った。その言葉にオレは一度立ち止まる
「これ以上近づかないで!あっち行って!」
リズは今にも泣きそうな表情だった
「もう私なんてどうでもいいんでしょ?だからほっといて!」
「どうでもいいと思ってるんならオレは探しに来ないと思うぞ?」
「だ、黙れ!何も知らないくせに何も分かってないくせに!」
リズの表情は既に涙を浮かべていた
「泣くなよ・・・お前はもう立派な雌じゃないか?」
オレの言葉にリズはオレを睨みつけてきた
「また・・・」
「ん?」
「またその言葉!」
リズはまた大声で怒鳴りだす
「あんたはいつもそうだ!立派、立派って・・私は立派だったらあんたと一緒にいたいなんて思っちゃダメなの!?
立派だったら一緒に寝たいなんて思っちゃいけないの!?
悲しいときも辛いときもずっと一人でいないといけないの!?」
「べ、別にそういうわけじゃあ・・・」
オレは言い返すことができなかった
「だったら何で?何で私を突き放すの!」
「つ、突き放してなんか・・!」
「突き放してるよ!私を拾ってくれた当時のあんたは私を本当に大切にしてくれた。怪我したらあんたが手当てしてくれた。
遊ぼうって言ったら一緒に遊んでくれた。でも今はそんな事何一つしてくれないじゃない!」
リズは顔を俯かせ涙を流した。オレはバカだリズのためだと思いなんでもしてきた、だけど逆効果だったことのほうがたくさんあるだろう・・・リズがこんなにも悲しんでいるのだから
オレはリズに近づき言った
「リズごめん!オレが悪かった」
オレはリズに頭を下げて謝った
「・・・・」
「帰ろうぜリズ」
「・・・・うん・・・」
リズの返事を聞くとオレはリズを抱き上げ家へと帰った


「ただいま」
家に着き私は抱かれたままナオトと中に入る
「それじゃ夕飯にしますか」
そう言って私を降ろし台所に行った
ナオトは少し考えて調理を始めた
私はただナオトが調理するのを見ていた
「よしできた」
料理が出来上がりナオトは私のポフィンと一緒に料理を持ってくる
「それじゃ食べるとするか」
私とナオトはいただきますの挨拶なしにそのまま夕食を食べ始めた
「自分で言うのもなんだけど美味いな」
ナオトは独り言を言って自分の食器を片付けた
「リズ、ポフィン美味いか?」
ナオトは椅子に座り問いかけた
「・・・」
私は無視してポフィンを食べ続ける
「はぁ~答えてくれないか・・・あ~あ残念だな答えてくれたら一緒に寝てやろうと思ったのに・・・」
私はその言葉に反応しナオトの方に振り向く
「そんじゃオレは部屋にいるから」
そう言って居間を出て行ってしまった
「はぁ~」
私は深くため息をついた
私は最後のポフィンを口に入れナオトの部屋へと向かった

オレはまた考えていた。どうしたらあいつはまたオレと会話してくれるだろう?
コンコン
ドアをノックする音が聞こえた
「入っていいぞ」
オレはまた入ってこないと思ったが今度はちゃんと入ってきた
「どうした?何か言いたいことでもあるのか?」
「あの・・・その・・・」
リズは顔を少し赤らめてモジモジしている
「なんだ?」
「ぽ、ポフィン美味しかった」
リズは呟くようにそう言った
「そうか、それなら」
オレはリズを手招きする
リズは不思議そうな顔をしてオレ近づいてくる
「何?」
オレはリズにわかりやすいように膝辺りをポンポンと軽く叩く
「え?いいの?」
リズの顔が嬉しそうな顔に変わっていく
「嫌ならいいぞ?」
「嫌なわけないよ!」
リズはオレにそう言ってオレの膝の上に乗ってきた
オレはリズの頭を優しく撫でる
「ねぇ?」
「ん?」
「今日、本当に一緒に寝てくれるの?」
「寝てやるよ。お前が嫌だって言うんなら別だけど?」
「そんなこと言うわけ無いでしょ!」
リズは少しムスッとした顔をしていた
「もうこんな時間か、そろそろ寝るか?」
「うん」
リズを抱きかかえベッドまで行きベッドの上にリズを降ろす
「じゃあ先に寝ててくれ、オレは宿題と食器洗ったら寝るから」
オレはリズにそう言って部屋を出ようとした時だった
「ん?」
オレはリズに服を引っ張られた
「どうしたリズ?」
リズはオレの服を引っ張り決して離そうとしなかった
「リズこれじゃあ居間に行けないよ?」
リズは服を引っ張りながら強く首を横に振る
きっとオレが居間に行ったら戻ってこないと思っているのだろう
「大丈夫だ。ちゃんと戻ってくるから・・・な?」
リズを安心させるように言葉をかける
それでもリズは首を振る。
いつものリズなら「うん、まってる」とか言って待っててくれるのに?
ふと、あることを思いそれをリズに聞いてみた
「一人が嫌なのか?」
するとリズはコクンと頷く
やはり、リズは一人でいるのが嫌みたいだ
「絶対!ぜ~ったい戻るから・・・な」
リズにとってオレといる時間はとても貴重な時間だろう
だから、なおさら離れたくないんだろうか?
「本当だって、少しの間だ食器洗いも宿題もすぐ終わるよ」
何度戻ると言っても首を横に振るリズ
オレはこれ以上何を言ってもダメだと思い諦めた
「しょうがない、洗い物と宿題は朝にでもするとしよう」
オレはそう呟いた。
するとリズが嬉しそうに横にずれてスペースを空ける
「まったくお前は・・・」
オレは苦笑してベッドに横になる
「おやすみ、リズ」
「おやすみ」
オレはリズを抱きしめゆっくり目を閉じ眠りについた

二人が寝て数時間後
私は目を覚ましてしまった
「あれ?」
いつもならナオトが起きた後に起きるのに、私は部屋の時計を見た
「まだこんな時間」
時計は深夜の時刻を指していた
私の横にはナオトが寝ていた
私はナオトの手をすり抜け、ナオトの寝顔を覗き込む
「ふ~ん、こんな顔なんだ?」
はじめて見るナオトの寝顔を私はじーっと見ていた
私は無意識に自分の顔をナオトの顔に近づけていった
「ナオト・・・」
そして・・唇が触れ合った
私はすぐ離し一度ベッドから降りて少し距離を置いた
「やっちゃった・・・」
触れ合ったのは一瞬だけだとゆうのに唇には感覚が、かなり残る
ナオトは未だに寝ている
「もう少し、もう少しだけならいいかな?」
私はもう一度ベッドに乗りナオトの唇に自分の唇を近づける
「んっ」
今度はそのまま舌をナオトの口の中に入れる
舌を入れた瞬間、柔らかい感覚が私を支配する
(柔らかくて心地いい)
私は夢中でナオトの口の中を味わった
自分の中に「ナオトが起きてしまったらどうしよう」などとゆう考えは既に頭にはなかった

どれくらい経っただろうか?かなり長い間ナオトの口内を味わっていた
そろそろマズイと思い、私は確認のために閉じていた目を開いた
「!!」
目を開けた瞬間、私はすぐさま口を離しベッドから降りて距離をとった
全く気づかなかった。まさか!まさか!ナオトが起きてたなんて!
ナオトはベッドから体を起こす
「・・・」
ナオトは私をじーっと見ている
私はただ泣く事しかできなかった。そして捨てられてしまうと思っていた
泣いたってナオトは許してくれない誰だってそうだ、あんな事したんだから
するとナオトがベッドから立って私の方に近づいてきた
私は強く目を瞑った
すると私の体が持ち上がった
「リズ?」
ナオトの声に私は反応して俯いていた顔を上げる
「!!」
顔を上げた瞬間・・唇が触れ合った
ナオトはすぐ離しもう一度私を見る
「・・・」
無言で私を見つめる
私はまた俯いて口を開いた
「何で?何で怒らないの?」
「なんだ?怒ってほしいのか?」
ナオトは少し、からかい口調で返してきた
「だって!私はナオトのファーストキスを勝手に奪ったのよ!」
「だから?」
「だ、だからって・・・嫌じゃないの?ファーストキスを奪って挙句にディープキスまでしたのに何で怒らないの!」
がなり散らすように私は言った
「嫌じゃないさ・・・だってオレはお前のこと大好きだからな・・」
「えっ?」
私は一度耳を疑った
「だからオレは目を覚ましてお前がキスしていても抵抗しなかった」
ナオトは私を強く抱きしめてくれた
「ナオト・・・・大好き・・・・・」
私はナオトの腕の中で涙を流しそう言った
ナオトは私を抱いたままベッドに戻りもう一度私達は眠りについた

夜が明けて
「おはよう、ナオト」
「おはよう、リズ」
私達は互いにあいさつを交わした
「今日も留守番頼むな」
「うん・・あのさナオト?」
「ん?」
朝からこんな事を言うのもなんだが今しかないと思い私は言った
「今日の夜なんだけどさ・・・その・・私の・・・・初めてを・・」
体が熱くなるのが分かる
「わかったよ」
ナオトはそれだけ言って頭を撫でてくれた
「それじゃオレはもう行くからな勝手にどこでも行くんじゃないぞ?」
「うん」
「じゃ、行ってくる」
「行ってらっしゃい」
私はナオトを笑顔で見送った

その日の夜ナオトの部屋には私の喘ぎ声とナオトの喘ぎ声が部屋中に響いていた








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