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砂鮫 の ほしがる! の変更点


三度目の投稿となります[[けん]]と申します。
もしご連絡などある場合は、Twitter (@DEADTIRED__)までよろしくお願いいたします。

前作 「[[キーの実畑で摑まえて]]」 の続作品になっております。
そちらも含めて、性的描写 など読み手を選ぶ要素がございます。
閲覧ご注意お願いいたします。

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 どことなく吹き抜ける風が心地よかった。
静まり返った森はヤミカラスの鳴き声と羽ばたく音だけが響く。
腰が抜けちゃってと苦笑する彼女を抱きかかえながら、己は川へと向かう。
そうか、きっと今は丑三つ時。
ゴーストタイプのポケモンが活発に活動する時間帯に、森を歩くことなど何十年ぶりだろうか。
 「そこをまっすぐ行くと川が近いよ」
 ありがとう、とぶっきらぼうな返事しかできなかった。
先ほどまでの行為がどうしてもフラッシュバックしてしまい、己はひどいことをしてしまったと思うのだ。
痛がってても彼女は表情一つ崩さずに腕の中にいてくれたのだ、なんと申し訳ないことをしてしまったのだろう。
綺麗だった彼女を汚してしまったことに、罪悪感が止め処ない。
そして難しい顔をしているとすぐに釘を刺されてしまう、俺はどうすればいいんだ。

 歩くと数分ちょっとで着く渓谷沿いの川には、幸いにポケモンの姿は見当たらなかった。
汗やら体液やらで汚れてしまった体を早く洗ってしまいたい、おまけに俺のこのもやもやした気持ちも取っ払いたいなどという思いで。
彼女を下すと、早く早くとせがまれてしまい、渋々後を追う。
彼女はあの行為のこと、なんとも思っていないのかと気になって仕方のない自分は彼女をまっすぐに見据えることなどできなかった。
気になっても彼女に聞くことすらできなくて、そんな風にくすぶる己がどうも嫌で。
彼女の思いが知りたい、悶々する気持ちをひたすらに抑えながら。
 「ガブくんがガバイトの時のことを、ちょっと思い出してて」
 彼女が顔を洗い終わり、こう切り出す。
 「やっぱり昔からガブくんのこと好きだったんだなあって」
 嬉しそうに言う彼女の姿に、開きかけの口を閉じてしまう。
昔のことは忘れたかった、是が非でも思い出したくはなかった。
皆からあれこれ言われるビブラーバの彼女が愛おしくて、つい突き放してしまったワンシーンが呼び起こされて。
酷いことを言ってしまった後悔が尾を引き、彼女の顔すら見れなくなってしまう。
 「あの時の言葉、まだ忘れてないよ。でもあれは貴方のやさしさだって自負してる」
 貴方は悪くない、という言葉が少しずつ己の良心を絞めていく。
もう少し、俺が他人の気持ちを考えられるような野郎だったらなという切ない気持ちだけが露呈していく。
 「馬鹿だよなあ」
 独り言はきっと彼女には届いてない。
すると彼女は俺の背中に触れて、小さい声で囁いた。

 「ガブくん、私まだ物足りないよ」

 一回だけじゃあ足りない、と言う彼女に俺は素っ頓狂な声を漏らす。
この言葉を言うタイミングを見計らっていたかどうかは知らないが、彼女は恥ずかしそうに身を竦める。
 「こんなこと言うと、私は浅ましい牝に思われるかなって思って言えなくて……」
 そういった欲に良心に掠め取られる思いに、彼女はきっと震えていたことであろう。
密着した洗ったばかりの体はもう先ほどのように火照り始める。
ここは野外だ、もしかしたらポケモンも足を運んでくるかもしれぬ場所だ、どうすればいいと混乱した頭を抱える。
 「岩陰だったら大丈夫、少しだけ、ちょっとだけガブくんがほしい」
 ワガママな目だった。
渋々、というよりは喜びの笑みを漏らしそうになりながら首を縦に振る。
それから早速、と待ちわびたように彼女の手が俺の体に回り始める。
周りの状況に無頓着になりつつ、彼女の手を受け入れた。
 「こうすれば気持ちいいかな」
 実のところ彼女はあまり知識がないのかもしれない、手探りで股ぐらを探し始める。
じれったさに新たな気持ちよさを呼び起こされそうになりながら、歯を噛みしめた。
小汚い音が漏らしながら、彼女の手は着実に敏感な部分へと到達しつつある。
要するに、それに触れながら彼女は「それ」だとわかっていない。
彼女の知識はなさ過ぎたせいか、その無知が確実に俺を窮地へと追いやっていく。
 「ま、待ってくれ」
 俺はつい切羽詰まった言葉を漏らす。
彼女は目を丸くしながら、驚いた様子を見せる。
やはり彼女を汚したくない、少しでも意地の汚い知識を埋め込むのは抵抗があった。
そそり立ってしまったそれを目の前にしながら、彼女はきっと焦らされた気分であっただろう。
好き故に彼女を汚すことなどできない、なんてどの口が言えた言葉だろうか。
岩陰に寄り添いながらであったから、恐らく不信に思われはしないだろうが怪しまれるのは確かだ。
でも、ここまで呼び起こされてしまったのならと欲求はきっと俺の理性を踏み倒していくことだろう。
不安そうな彼女の顔を後目に、俺の言う言葉はたった一つ。
 「続けてくれ」
 ついつい彼女までもを欲しがってしまう、己の浅ましさに背筋がゾクゾクしてしまう。

 興味津々で硬くなったそれを撫でるフライゴン。
ねぶるような刺激に体を震わせる。
 「進化したとき、やっとガブくんと一緒になれるかなって思った時あってね」
 握ろうとしながら、言葉を絶え絶えに吐く彼女に俺は目を細める。
彼女の手は上下に擦り、俺は呻き声を漏らす。
それからというもの、彼女は口を閉じ行為に没頭した。
声を漏らしながら、彼女の稚拙な刺激に少しずつ性的な興奮は頂点へと近づきつつある。
出る、と俺は言葉を発しながら彼女の手の動きにこらえきれずに吐精する。
体液のかかった両脚を舐めながら、彼女は一区切りついた様子で俺を眺める。
精液を出したばかりなのに、己のそれはまだ硬さを保っている。
しばらく禁欲したいせいもあるだろう、彼女が顔を紅潮するぐらいにはまだ衰えてはいなかった。
嗚呼、恥ずかしさが背中を這い寄ってきて気色が悪いと思うほどに。
 「お前の口がいい、フライゴン」
 すまないと言いつつも、俺は無理やり彼女の頭を抱え込んでしまって。
強引な形で先っぽを咥え込む彼女を見やり、俺はまた目を細める。
 「好きだ、お前が好きだ」
 ちゃぷちゃぷと咥える彼女に余計に興奮を覚えながら息を荒げた。
欲求に漏らした声も呼吸も、彼女にとってはどうでもいいのかもしれない。
俺に抑え込まれてしまい、ここが野外で岩陰などということもどうでもよくて、涙目で強要させられるフライゴン。
異質な水音はきっと川のせせらぎにかき消されてしまうだろう、なんて思う。
嫌と首を横に振らない彼女のせいか、余計に行為が捗ってしまって仕方がなかった。
ほどなくして、彼女の口内へ体液をぶちまける。
きっとこの後、自分は彼女に怒られてしまうのかなと思いながら口を閉じることしかできなかった。
けほけほ咳をし、口から精液をこぼす彼女。
嗚呼、取り返しがつかない。
急に冷えた頭で、俺は己の仕出かしたことにようやく後悔を催してしまうなんて。




 しばらく口を利くことはなかった。
再度体を洗いながら、俺は彼女の背中をじっと見つめる。
きっと怖かっただろうな、俺にあんなことされて嫌いにならないはずがないと思ってしまう。
彼女からの愛が欲しくてと言いたくなるが、こんなの愛ではないということはわかっていた。
よく考えてみても、いつも謝るのは彼女で俺は自分から謝ったことなどほぼなかった。
 「フライゴン、本当にごめん」
 遅い、なんてことはわかってる。
昔から謝れなくて、今もまだ謝れてない。
 「お前のことが好きだった、俺はお前が好きで仕方がなかった、でも俺は」
 言葉に詰まる。
語尾を濁して、彼女を見据えたときは一人目を潤ませていた。
いつからは俺はこんなにも涙もろくなってしまったのか、謝罪の気持ちだったのか否か。
 「ああもう」
 言い訳ばかり思いついてしまって、もうそしたら口を閉じてしまえばいいんだと言い聞かせる。
彼女の不安そうな顔に俺は迷いながら、帰ろうとだけ俺は言う。
早くしないと夜が明けてしまう、と彼女が言う通り、もう太陽の陽が顔を出し始めていた。

 「ガブくん、もう謝らなくていいよ」

 彼女の独り言でさえも、俺には届くはずなんて無くて。
今はただただ、彼女の優しさだけが痛かった。

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前作 「[[キーの実畑で摑まえて]]」の続作品と考えていただければ幸いです。
誤字や脱字、その他についてはコメント欄でお受けいたします。


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