新年で張り切る系[[GALD]] とりあえずR-18タグという事で ---- 時間 いつも部屋だった。3階から外の光景はよく見える。外ではしゃぐ光景をうらやむように白いシーツの上から眺めている。今にも走り出しそうなその足をのばして窓際に前足をかけている。 何だかんだで外が気になり期待してしまう子供じみた一面の後ろ姿を黙っているのは性格が悪い。何事もなかったようにベットに後ろ足で立ちながら、前足で器用にしている体勢をこちらに合わせて解除させてしまったのに結局悪気を覚えた。 「また来たんですか……。」 「そんな言い方はないだろ。」 「一応はトレーナーなんですから、やる事やってください。」 見た目以上に棘ある言葉も随分慣れて受け流せるようになってしまった。尖った目は黒いけれども光で反射してむしろはっきりと光景が映って見える。代わりに首元が白く前進は黄色で色使いが派手なことだ。そんな見かけだからすぐにわかる分便利だ。 会いに来たこっちを迎える素振りもなく怪訝そうな振る舞いはこちらを追い返すような勢いだ。それを何故続けているかと言われても、トレーナーとしての責任を果たしているとしか答えられない。 それを見透かしてか彼女は他のやるべき事をやれといってくるのだ。嫌いだと言われないだけマシなのか、それとも本当に思いやりなのかわからないでいた。もしかすると、その真偽聞きたくてこんな遠回りしてしまうのかもしれない。 「これだって、その一つだと思ってるんだけど。」 「別に私は頼んでません。」 「つれないこというなって。」 ベットの隣に座って頭を撫でた。進化する前はいつもこうしていたんだけれども、進化してからは手に刺さりそうで避けていることは多かった。その抵抗も今となっては薄れてしまった。 タイミングが悪そうに言葉を詰まらせて黙った彼女は唇を尖らせた。ぐしゃぐしゃに毛並みが乱れることをよしとしないわけではなく、複雑な心境に悩んで立ち尽くすことでしか返事を返せないのだろう。昔は撫でると喜んでいた彼女はただの反抗期なだけなのは何となく知っていた。 気に食わないなら電流でも流せばいい、それぐらいは彼女にとっては朝飯前だのだから。殺意はなくても電流に直撃した経験ぐらいはある。ただの家の様に折れるわりに、記憶合金みたいにもとにぴょんとはねる。 「面白い毛してるよな、お前。」 「それが感想ですか?馬鹿にしてるんですか?」 「相変わらずいい毛並みしてるよ。」 「そっ、そうですか。ならいいです……。」 変に照れ隠しをしているのが面白くてからかってしまう。視線を合わせようとはしないくせに、逃げ出そうともしない。何を考えているのは定かではなくても、概要だけ掴めていれば問題ない。この時間だけでも時計の針が止まればいいぐらいの平和な時間。 いつまでこうしてればいいのかわからないでいた。リアクションがないこの空間の終わりがいつかみえないのだ。どこできっていいのかわからない。ただ、動作をしているのがこっちだからこっちからやめなければならなかった。 手を離すとあっという声は耳に届くことはなかった。そのままそっと立ちあがる。このままこうしているわけもいかずに、立ち上がる。彼女を置いていくことしかできないのだから。 「あの、一つだけお願いがあります。」 最後に呼び止められた通りに次に行動に移した。日をまたいで鎮まる闇の中を歩いていた。昼間は大人数が行き来しているエリアも人影がいない。彼女が見下ろしている憧れのフィールドも観客は誰もいない。 そんな貸し切りのただ広いだけの空間を走ることもなく歩いていた。毛が靡くのも風のせいで、彼女がはしりだしているからではない。彼女の種族なら駆けるにが取り柄ではあるけれども。二人で並んでうける風は程よく冷たく、散歩にはちょうどいい具合だった。 「ありがとうございます、わざわざ。」 「いつもそれぐらい素直ならなぁ。」 「私だって礼ぐらい言えます。子ども扱いしないで。」 真面目な所は真面目だけれども、常識があるだけで感性はまだまだ子供なのだ。すたすたと一人で率先して歩いて出るのに続いた。別に会話なんてなくて、ただ歩いているだけだった。 そんな空気が都合が悪く、耐えかねたのは彼女のほうだった。言い出すタイミングを計っていたけれども、何のアクションもない事に耐えかねたのだ。今思えば基本受け身な彼女の出方を待っていたのは少し性格が悪いかもしれない。 立ち止まって振り返ってくる表情は言葉にしずらそうなのを待った。聞く姿勢をちらつかせると、目線だけを逸らして独り言のように話し出す。 「その、向こうでいいですか?」 道を外れて人目に付かない端までずれた。浅く伸び茂った草の上に容赦なく座り込んだ。彼女との目線の高さが同じぐらいになる。彼女は前足と後ろ足で歩行するのだから、こうしないと目線が合わせられない。視線が交わることでどこか彼女は極まりが悪そうだった。 「他の子に手を出したりしてませんか?」 「してないって。」 「ふふっ、そうですよね。」 一瞬楽しそうに笑ったのに、すぐに悲し気にため息をついた。何だかんだで真面目なので、ようやくこの場にきて本音を曝け出す。 「ごめんなさい、私のせいで……。」 「俺が好きでやってることだから、気にするなよ。」 「でもっ、んっ。」 目の前に振り返って何かを叫ぼうとした口を、聞かずに塞いだ。これ以上御託を並べても意味はないし、彼女も納得しない。故の実力攻守でもあった。口の造りが違うために突き出ている彼女相手では上手くいかないけれども、彼女自身が力を抜くことでそれを可能にする。 何もしてこないで、ただ彼女は受け入れていた。ある意味では安心しているのかもしれない。絡め合う舌だけがうごいているだけで、彼女の下の裏側のざらつきの感触まで鮮明に伝わってくる。お互いが確かめ合えるこの安心感に彼女自ら飛び出そうともしない。頭を撫でるといつもの針のある耳もペッシャリと倒れ込む。 前足が肩にかかるのに合わせて、顔をもっとこっちへと引き寄せる。互いに歩み寄っているはずなのに更に引き寄せ合う。重力などの自然現象ではなくて生物としての本能が駆り立てる。何分か、時計が刻む時間も忘れて、もしかすれば針を進める事さえやめてしまいたかったのかもしれない。離れると物寂しそうに彼女が舌を出したまま目を細めていた。 「がっつきすぎじゃないですか?」 「お前だって楽しんでるじゃないか。」 「それは……。」 都合が悪そうに恥ずかしさを隠そうと目線を逸らす。その彼女をそのままこっちに抱き寄せる。刺さることなく毛の一本一本からの温もりが温かい。 「当たってます。台無しにしないでください。」 「仕方ないだろ。」 「本当に私がいないと駄目なんだから……」 そういって彼女が腕がら離れると自然と彼女の前につきだしてみせる。今更怯えることもなく彼女はそのまま口の中へとそれをいれる。抱き合っている時とはまた違う温度だ。こっちの方が生という感じがする。 音のない空間のせいか、少しでも物音が立つと随分大きく聞こえる。ぐちゅりと鈍い水の音が響いていく。学校で蛇口を締め忘れたかのように、大した音でもないのに拡散していく。ざらつきある舌が、それを研ぎ澄ませるかのように更に大きく硬度を増していく。 硬度のましたそれをメッキを塗るように彼女の唾液がコーディングしていく。この瞬間を愛おしく、感情に浸った表情で。ゆったりと、彼女の口を使って丁寧に。 「あんまり無理しなくてもいいんだぞ。」 「これぐらいできます、子ども扱いしないでください。」 などと離れようとしない。根元まで咥えこめなくても行ける所まで口に詰め込んで、健気にも舌を使ってごまかす。そこまで必死な姿に無粋な真似はできずに見届けるしかない。彼女が気のすむままに。 不格好とはいっても、行為とは成立していて快楽は確かにある。そういう意味では乗り出してきたところだけれども、そんなタイミングで彼女口元を離す。襲ってくる不満が歯がゆい。 「自分一人で満足しないで、私にもしてください。」 「素直に言えばいいのに。」 「そういうのは女性から言わせるものじゃないんですよ。」 そういって前足を肩にのせて身を預けてくる彼女を受け止める。そして、彼女の秘所に指を入れる。舐めるだけでも興奮を抑えられないのか、今でも問題ないような感じだった。 けれども、ほぐすように指を中に入れる。指に絡まる液体が粘り強く、洗い流さなければ取れない。それを指にぬりつけるかのように彼女の秘所で指を動かす。涎を垂らすぐらいに腹をすかせてるここは、指だと知らずに食いつていくる。 「あっ……あんまり焦らさないでっ!」 早くしてと急かされているのに、彼女の中をいたずらに触りまわる。肉壁の凸凹の感触を確かめるようにゆっくりと指を中で動かしたりして、わざとらしくゆっくりに速度を調整する。 「わかりましたからぁっ!くださいっ!」 耐えるのがつらい年頃の彼女はもう限界だった。割と大きな声で叫んでいるのは理性がすり減っているからだろう。そんな彼女の秘所から指を抜き出して口をできる限り広げる。彼女のほうもみえなくてもわかっているので、こっちの体に強くしがみついてくる。 広げた入り口にある程度入るとそのままゆっくりと彼女の体を落としていく。強く抱き寄せて内面的のも外面的のも密着する。横にある彼女の息が荒くなり、雰囲気がより濃くなる。 「大丈夫か?」 「だっ、大丈夫です。これぐらいやれます。」 今から先に対する不安がないわけはなかったが、、彼女の体を抑えた。緊張しているのか少し毛先が鋭くささってくるけれども、構わずに体を抑えて彼女を突き上げた。彼女の丁寧な扱いがあってか、それとも欲望が液体となって彼女の秘所があふれているせいか滑りは良い。 液体の音と体のぶつかる音が周辺に立ち込めていく。彼女との体格差も存在しているからか、狭く締め付けが強い。それは彼女にとっても同じだった。快楽を互いに味わっているせいか息が上がっていく。体力を使っている動作による面もあるが、快楽による面のほうが圧倒的である。 彼女のほうも強くしがみついてくる。突き上げられた振動で振り落とされないように、不向きな前足でこっちの肩や首に手を引っかけている。 「はげしっ!」 「あんまり……強く締めるなっ!」 無意識のうちに彼女には力が入り締め上げてくる。流石に焦るけれどもブレーキが踏めない。走り出してしまっては止められずに、彼女を打ち付ける事しかできない。背化の毛に上でを突き刺すぐらいに強くか抱える。彼女のほうも体重をすべてこちらに預けて腹部同士がぶつかる。 そこまで密着して目の前にある彼女の顔を見逃すわけもなく唇をもう一度重ねた。今度は彼女のほうも舌を動かして気を紛らわせているのか、激しく絡め合う。そんなことをしても何も軽減できないのに、絡み合う舌に集中するほどに体が動くのが速くなっていく。彼女の中から零れてくる液体がズボンを濡らしていたが、後先を考慮する余裕もない。 互いに発散できない快楽を発声させながら閉鎖された時間を楽しんだ。この時間だけを続けれるものなら、時計を素手で殴りつぶしているだろう。 「出るッ!」 「中にっ、離さないんだからぁっ!」 わざわざ宣言した事なんて建前だ。抱き寄せた彼女を弾くなんてことできないし、限界に達した瞬間に合わせて彼女の中に強く押さえつける。元からそのつもりだったが計算が狂ってしまう。彼女の方が先に達してしまって抜け落ちそうになる。 それを抱えて支えながら、彼女の体を良いように扱った。いくら欲望をぶつけても、力のない彼女はただされるがまま。そのまま彼女の奥に向かって欲望の塊を吐き出した。彼女も入ってくる温度を確かめながら深く息を吸ってはいた。互いに走り切った満足感と、体勢を立て直すために息をと唱えながら向かい合った。 「最後に、一つ良いですか?」 「いつものことじゃないか、なんだ?」 「夢を掴んでください、いつまでも私に構ってないで。私だって子供じゃないんです……だから!」 願いと言っておきながらも振り絞るのが精一杯なだけで、本当の所は感情の整理がつかないのか彼女はただ泣き叫んだ。それを抱きしめる事しかできなかった。 その日が終わらなければ、ここには立っていなかっただろう。あの日の事を鮮明に覚えながらも、心を彼女のもとに置いたままにしておけなくて彼女の言われたようにひたむきに進んだ。色々あったけれども、それは彼女には映らない。そんな思い出を彼女に見せびらかせる日がようやく来たのだった。 「見てくれよ。夢を掴んできたんだ、ほら。」 抱えたトロフィーやアクセサリーのような色々な形や色をした8つの小物を見せびらかせた。いつものように反射して確かにもってきた思い出の数々が反射していた。 思えば長かった。あの頃に閉じ込められていたわけではなかった。けれども、砂時計の様に外に出れずに同じ動きを繰り返すだけの砂をと変わりない生活のサイクルだった。そのガラスを突き破っていまもう一度のその時へと回帰してきた。 あの彼女のワンフレームがなければこの未来には辿りつかなかった。彼女のワンフレーズだけが、夢を捨てないでといつの日も体を動かしてくれていた。ポケモントレーナーとしての資格がある程度の領域にまで上り詰めるほどにまで。 「俺はやったんだ。お前が言ってくれた通りに……なのに!」 どれだけ叫んでも同じだ。あの日に何も言えずに抱き返すことしかできずに一緒に泣いた。今の彼女も特に返事を返してくれない。俺だけの叫びが響いた。 輝かしい実績も、俺の涙さえも冷たく彼女の名が刻まれた壁画が反射していた。彼女の時計の針はとっくの前に止まっている。 ---- 想像を超えて 「はぁ、やっぱりいいですね……」 馬鹿な事を一人の世界に入って呟いている。そういう危ない奴だから極力関わりたくないでいたかった。 「やっぱり炎の呪文を出して、剣で戦う……これが勇者ですね!ね?!」 気持ちがもろにぶつかってくる。こういう馬鹿な世界をぶつけてくるからめんどくさいのだ。しかも、こいつは特性上そういうものが伝わりやすい。 伝わるというのには語弊があるかもしれないが、雰囲気みたいなのができやすいのだ。心が躍っていると言わんばかりのこの空気を肌に通して伝えてくる。 きらきらと額の宝石を輝かせてそれ以上に機体の眼差しをこっちに向けてくる。尻尾を立てて、私は感動してると全身で表現している。 「どうして私は炎が出せないんですか?」 「勝手にお前が進化したからだろ。」 炎を出すよりぶつかる方が強いかもしれないが、炎を出せるという選択肢を与えてやることだってできた。炎の石をぶつけるだけで随分と毛のすごい姿に進化するらいしのだ。 しかし、それを確かめるより先に貧弱そうな紫色に進化の分岐を歩いてしまった。しかも勝手に、石どころか気が付いたらこうなっていたのだ。もちろん、条件を見たいしているからなのだけれども。 「いやでも、進化したのは仕方がないというか……ですね?」 急に気恥ずかしそうにちらちらしてくるし、また感情を押し付けてくるから考えが駄々洩れなのだ。故にこいつの相手がめんどくさい。兎にも角にも馬鹿正直だし、ある程度ならば隠してもこっちに漏れ出してくるから意味がない。 俗にいう信頼などと、はっきりわからないもので進化するらしいのだが、それはこいつがこんなにも甘ちゃんだからだ。答えを期待している馬鹿な面の額を軽く指で突いた。 「お前が馬鹿なだけだろ。」 「ひどいです!」 「知るか、俺は出かけるぞ。」 「いいですよーだ、私は本と暮らしてますよー。」 露骨に拗ねて本を手元に手繰り寄せる。こいつの知識源はこういう本やゲームなのだ。いわゆるこちらの私物を明後日身に着けた知識のせいで色々と歪んでいる。エスパータイプと言われるだけの事はあるのか、頭はそれなりに切れるみたいだ。 手繰り寄せるのも、手ではなくてそう念じるだけで本が歩いてくる。別に本がこいつが好きで酔っているわけではなくて、そういう能力が使えるだけの話なのだが。 勇者などとファンタジーに憧れるのも良けれども、感情を図って超能力を使えるだけでも十分のその素質はあるのではないかと思う。本人曰く派手さに欠けるらしいが。 でも剣を握ることは叶わないのでどの道剣を極めるのは無理なのだが。扱えるのはゲームだけである。コントローラーも握れないくせに操作できるのだから、一見すれば意味が分からない。 物を掴むだけではなく、物に力をかけたりなど無抵抗な無機物何て尚更。能力を扱えるぐらいに慣れたこいつは本のページさえ自分の手でめくったりはしない。本が風にあおられる様に捲れていく光景は不思議だ。 今日はそんな調子でゲームをしているわけだが、こいつはそこまでうまくはない。反応が遅れているのではなくて考えが浅いので。 「回復してくださいよ!回復!」 「あぁもう、わかったよ。」 こいつは剣に魔法と使うキャラクターが攻撃面に振りすぎなのだ。勇者なら回復魔法の一つでも覚えろといいたくなるが、たくさんの種類の技を使いたがるこいつは回復など二の次だった。 画面だけを睨んでいるだけでボタンが動いていく。ボタンがカチカチと音だけが響いてステックがぐるぐる回っている。あれと思考とのタイムラグはどれぐらいあるのだろうか。 そんなこいつのためにサポート面に振り分けた面を存分に生かせるようにコマンドを入力する。こういう時にはあいつみたいに瞬時にボタンを押せるほうが得かもしれない。 「はぁー勝てましたね。」 「お前がそんな極端な育て方するからだろ、苦労するのは。」 「えぇ!だって、雷に剣ですよ!憧れるじゃないですか!」 雷を飛ばせる未来も確かに存在していた、けれどもそれもこいつが自分でやめたのだ。こいつがそうでない道を勝手に走って行ってしまった。それこそ、勇者の様に派手な黄色にとがったかっこいいフォルムだったのに、こんな丸いちょっと知的な賢者みたいに進化した。 お馴染みの様にこいつの感情が漏れ出して触れてくる。ここからうまくあしらうことも一貫だった。 「やっぱり、私達って息が合ってませんか?!」 身を乗り出す勢いでぐいっと踏み込んでくる。こいつは意外と素早い。 「ゲームでならそうかもな。でも、それは俺とお前じゃない。」 「これだけ言ってもわからないんですか?!」 圧力のような物がのしかかってくる。わかる、これがこいつのものなのだと。苦しくはないけれども、ただ動けない。何かに乗られているというよりも、その場に固定されている感覚に近い。手足も動けずにゲーム機を手に座ったままで口だけが動かせた。 「何してるんだ……?」 「私は勇者なんですから。姫君……じゃなくて王子のために尽くすんですよ!」 わかっていたんだ、こいつがそういう思いで進化したのも。こいつが日頃向けてくる気持ちの色合いがこういうことだってことも。けれども、分かっていて蔑ろにしてきた。いつかは諦めてくれると期待していたからだ。それがここまで強引な行動に出させてしまうことに繋がってしまった。 貧弱なこいつに力負けすることはありえないが、見えない力に捕えられてはこうも無力なのか。相手が今もこうして触れてきているのに、振り下ろすどころか暴れようとも動き出せない。勇者が強引に唇を奪うなんて話は聞いたことがなかったが、不器用なりにもしつこいキス。 今までのためていた不満が爆発したのか全力で顔をぶつけて離れる気配がない。短い舌で必死にこっちの気を引こうとこじ開けてくる。そういう所に能力を使わないあたりには愛などと現を抜かすのだろうか。ロマンチストの枠から抜け出せずにこいつは意志を伝えようと、顔を前に前に密着させる。 まるで感情が流れ込んでくるかのようにこいつの感情の昂りが能力越しに伝わってくる。こいつの行為にのせられて本能がそうさせようとしているのか、こいつシンクロさてきているのかわからないでいた。感情をぶつけられるだけだ。 「ちょっとは嬉しいんじゃないんですか?私にだってある程度は読めるんですよ?」 二つに分裂している尻尾が股間を撫で上げる。先の二本が歩いているかのようにその中にある物の上を這いあがっていく。なぞっている物が何か分かっていて、子供のくせに余裕の笑みを浮かべる。こんな子供に欲情させられるなんて溜まったものではない。 そこまで見透かしての余裕なのかはわからないけれども、ずり降りていくズボンを見届けるしかない。できたものを尻尾をの二本で撫でながら煽ってくる。挟んで両面をなぞってくる。 「こんなになってますよ?」 「勇者がそんなことしていいのか?」 「悪いやつを成敗するのも勇者の務めですから。えっちな事ばっかり考えてるのはいけないんですよ?」 ツンツンと指先で突いてこれが悪いんだとしらしめてくる。そしてそれをペロリと舐めて視線が歪ませているのを見下ろしてくる。どっちが悪なのかわからない。日頃の鬱憤でも晴らそうと知りもしないくせにぽい感じになめ上げてくるが雑である。テクニックというほど物はなく、所詮実戦経験がなくて知識だけなのだ。 けれども、他人にされるというだけでこうも違うのか、それとも自分でしている時には自然と加減してしまっているのか、自分でするよりか幾分も良い。それに加えて、こいつはこっちの快楽を知る由もなく子供っぽくぺろぺろと舐め続けてくる。ペースが落ちることもなく、刺激だけが走ってくる。 「気持ちいいんですか?」 「五月蠅い、下手くそ。」 「あー、またそんなこといって!」 ちょっと言われただけですぐに余裕を失う。子供っぽく自分の力を誇示したいのか、次の瞬間にはこいつは次の行動に出ていた。小さい口を無理やりにでも開けて先からねじ込んでいく。根元までとはいかなくても、口の中に入って頬が少し膨れ上がる。 それだけ一杯にほおばっているのだから中はきつい。大きくは動けなくても圧力が強いせいで吸い取られそうになる。吸い上げられそうな感触を振りほどきたくてもできず、交渉する以外の選択肢がない。 「流石にっ、きついっ……」 勿論叫んでもやめてもくれない。意地なのか辛そうにも懸命に咥えこんで離さない。舌さえも圧死しそうぐらい逃げ場もなく、ざらつきでそこにあるのだけはわかる。なめ上げというよりも、ただ口で擦っているだけというのに近い。力技というか、無理やりにそうさせられているというか。 一途な奉仕に限界にも達しそうになってくる。それを読み取れるのかは知らないが、唯こいつはもともと勘のいい方ではなくてゲームは下手だ。だから、こんな歯がゆいタイミングに合わせて動作を止めてくるなんてありえない。こいつは口から離して、どや顔を見せつけてくるのかと思えばどこか気まずそうに目線を逸らしてくる。 「その、私も……したいんですよ……?」 「今更遠慮するのか。」 「だって、やっぱり大事じゃないですか!相思相愛みたいなの……。」 恥ずかしくなって横目で話してくるようなことをよくもくちにできたものである。 「いいよ、お前なら。」 「えっ。」 「だからいいって言ってんだろ、二回も言わせるなよ。」 「それなら元々言ってくれたよかったじゃないですか!」 うるさいと再び突っぱねると膨れ上がる。寸前まで膨れ上がったそれを解放してもらわなければ困るのに。 それは勝手に彼女がしてくれるのだ。こっちの上に乗ってきて、触れなくても能力で固定できるせいで肉棒に圧力がかかる。もともとこれを使えばいいんじゃないかという野暮な話はしてはいけない。 ゆっくりと入っていくのはこいつの自力のせいだからか、こいつ自身のペースでじっくりと内部へ入っていく。体格差もあるせいかそう簡単には入りきらず、徐々にゆっくりと押し込んでいくような形になる。吐き出しそうな大きさをなんとか飲み込もうと、体を寄せていく。 足がぺったりと着いた時にはそれなりの時間を有していた、けれどもここからなのだ。この接続されたままでは何も始まりはしない。 「いけるのか?」 「大丈夫です、やっとここまでこれたんですから……。」 そういって重い腰を上げだす。動くのには若干動かすのが辛そうだが、それはこっちも同じだった。こんな締りの強い空間でさっきまでの蓄積もある中でどれだけもつのか自信がなかった。 それは経験のないこいつも同じで飛び跳ねる尻尾と共に声を休めることもなく、荒げて泣叫んでいる。おちてくる体重が軽いので気にはならないけれども、何度も体を打ち付けてくる。 「あっ、んっ、これぇっ、すごぁんっ!」 「あんまり、無茶をっ!」 動き出してブレーキが外れてしまったのか、体が慣れだすといよいよ止まる気配がなくなる。小柄な体形を明一杯動かして、耳や尻尾がぴょんぴょん跳ねる。止まらずに音をまき散らしても、舌をだらしなく出して行為を続けていく。漏れ出す液体が体にかかってくるけれども、そんなことは何の気にもならない。 お互いが快楽で頭が一杯で、他の事は気にならない。締りが強くてすぐに押し出されそうになるのを、腰を無理やり瞬時に降ろすことでその抜け落ちるのだけは避ける。そんな感じでぎりぎりのラインを走っていく。 そんな調子でも快楽だけは確かなもので不慣れなりに、初めての経験にはただ溺れていくことしかできない。そんな調子で突き進んでいき最後にはこいつが思いっきり体をねじ込ませて擦りつけた。中に入っている異物の先には液体の感触があり気持ちがあまりよくはなかった。ただ広がり切っていないこいつの秘所にはほぼ隙間がなく、中で受け止める事しかできないでいた。 「はぁっ、やっと……手を取れたんですね。勇者としての使命を王子のために。」 「本当にうるさいな、お前は。」 見えない力から解放されていた手を動かして、額の宝石突くと少し指先が痛んだ。これは現実なのだと。 ---- お約束、文字数少ないと悪目立ちしそうなのを気にしてとかじゃないです。 ---- #pcomment