Writer:[[&fervor>&fervor]] &color(red){*官能小説です。そういった表現がいくつも含まれておりますので、お気をつけ下さい。}; ---- 遙か上を見上げれば、白く輝く光の束。天井に揺らぐ太陽が、一生懸命に天井の向こう、空のさらにさらに上で燃えている。 きっと今頃、彼女は天井の上で彼女の友達と仲良く喋ってるんだろうな。それを思い出すと、どうしても心の中が、胸の内がもやもやする。 僕の居る世界は広すぎる。日の光さえ届かないような奥底を見下ろしていると、僕の気持ちまで沈んでいきそうな気がして。 頭のちっぽけな丸い光で照らせば綺麗に見える、けれど。発光が終わればまた元の暗闇に元通り。まるで僕の心みたいだ。 彼女は別に僕の番でもなんでもないし、ただの友達だって事は分かってる。僕だけの彼女じゃないんだから、こんな事を考えるのはおかしいんだけど。 彼女と居られない時間が、独りぼっちの時間が淋しくて辛い。彼女は今頃、天井にでて島の砂浜で他の友達と仲良くやってるのかな。 羨ましかった。彼女が、彼女の友達が。皆はもっと沢山仲の良い友達がいるんだろうけど、僕にはそんな友達がいない。彼女を除いては。 だから彼女を頼るしかなかったし、彼女に依存してるんだと思う。ここまで分かっていても、やっぱり僕は彼女が居ないと駄目だった。 もちろん僕にも、昔は仲間らしい仲間が居たんだろうと思う。けれどこの世界には、全てを飲み込む流れがある。うねりに飲まれれば、あっという間に行方不明だ。 広い、ただただ広い青のなか、ぷかぷかと流されて気を失っていた僕を助けてくれたのが彼女だった。優しく、明るい声が聞こえたんだ。 ぺたぺた、と僕のお腹を触る彼女の柔らかな鰭。ぷにぷにとした僕のお腹の感触に味をしめたのか、その先端で今度はぐに、と押してきたところで目を覚ました。 『ねえ、ねえってば。あ、やっと起きた。君、名前は? 私はサテュミア、よろしく!』 何の屈託もない笑顔で、全ての状況を無視して自己紹介を始めた彼女。僕がどうして漂っていたのかだとか、どこから来たのかだとかよりも、まずは友達になりたかった、らしいけど。 その勢いに押されて、僕は状況を掴めないまま自分の名前を教えよう、としたんだけど。ここで僕は、ようやく僕を置いてきてしまった事に気づいた。 『僕? 僕は……僕は、えっと、あれ? あの、その、僕の、名前、は……』 あの時、僕は急に怖くなった。気づいたときに、昔からの僕はもうそこにいなくて、自分が自分じゃなくなっていて。考えても、考えても出てこなかった。 そんな様子に彼女もようやく事を理解して、少し神妙な顔つきになったかと思えば、今度はぱっと何かをひらめいた様な顔をして再び僕の方へ向き直る。 『じゃあ、君の名前はニーシュね! よろしく、ニーシュ』 勝手に名前を付けないでよ、だとか、僕のことも知らない癖に、だとか。喧嘩を売るような言葉は幾つか出てきたけれど、それを口に出せるほど僕は気が強くない。 それに、嬉しそうな様子で僕の周りをくるくると回る彼女を見ていたら、何も言えなくなってしまったんだ。無邪気で、可愛くて、そのうえ綺麗で。 う、うん、と曖昧な返事で僕は彼女の方へ自分の鰭を差しだした。ぷに、とお互いの鰭が触れ合う。彼女の肌は、冷たい水の中でも暖かかった。 『それじゃあほら、こっち! 色々案内するから、ついてきて』 後ろから彼女の身体でぐいぐいと押し出されて、僕は広い広い海原へ。振り返れば、僕たちのいた小さな窟はもう海草や岩陰に隠れて見えない。 この辺りがどこなのかは全く分からないけれど、とりあえず全体的に冷たいこと、そして他のポケモン達が見当たらないことは分かった。 食べられそうな海草郡の場所、流される危険がある場所、そして深い深い谷への入り口。日の光も届かない深淵は、見ているだけで吸い込まれてしまいそうなほど。 『こんなとこかなー。何か気になったこと、ある?』 これだけ案内されて回っても、やっぱり他のポケモン達には出会えなかった。餌もあるし、他に心配するような要素もない。あるとすれば谷で迷子になるくらい、じゃないかな。 それなのにどうして。気になってはいたけど、なんだか聞いちゃいけない気がして。暫く心の中で葛藤した後で、僕はとうとうサテュミアに声をかけた。 『あ、あのさ。ここ……サテュミアの仲間とか、他のポケモンとか、見当たらないね』 彼女の笑顔が一瞬揺らいだ、様な気がした。ものすごく寂しそうで、今にも泣きそうな彼女の顔が見えたのは、果たして僕の思い込みだったのだろうか。 瞬きしてもう一度見てみると、さっきと変わらない笑顔を湛えた彼女。ひょっとしたら、僕の不安が彼女に映って見えただけだったのかもしれない。 『あー、それね。ここ、どうやら普通には入ってこれないみたいなの。海流で遮られてるみたいで、君みたいに流されて運良く辿り着くしか無いって感じ、かな』 大した躊躇いもなくさらさらととんでもないことを口にする彼女。つまり、ここがまるで陸でいう離れ小島のような、隔離された空間だということ。 こんな広い海で、侵入さえ出来ないような海域が存在するはずなんてない、と言いたいとこだけれど。そんな不思議なことが起こるのが、この海という場所。 確かに、彼女と一緒にこの辺りを散策したときも、海流があちこちに見えた。それも、単に流れていくだけじゃなくて、渦巻いたり、谷底へ落ちていってたり。 この海流の流れに逆らって泳ごうとするポケモンなんていないだろうし、そもそも泳げそうなほど柔な水流じゃない。乗る分には簡単そうだけど。 全ての流れがこの海域から外へ外へと流れている。どうしてここに流されたのかは分からないけれど、普通に入ってくるのはかなり難しそう。 『本当は私もさっさとその辺の流れに乗ってまた別の場所に行こうかな、とか思ったんだけどね。案外住み心地悪くないし、いいかなって』 確かに、ここはここできちんと一つの環境が出来上がっている。餌もあるし、暮らせそうな場所もある。そしてそれを乱すような奴もいなければ、これからやってくることもない。 ある意味「楽園」とも言えそうな場所だ。彼女も自分独りで暮らしてきたぐらいだ、寂しさ以上に得るものがあるんだろう、と思う。 『流されたときはショックだったよー、友達も、家族もいないんだもん。ま、そろそろ独り立ちって感じだったし、友達も出来たし……』 『ちょ、ちょっとまって。他には誰もいないんじゃなかったの? 友達、って?』 『あー、それね。ほら、私、水面を泳ぐ方が得意じゃない? それで、あそこに見える島の周りを回ってたらさ、ちょうど色んな仔に会っちゃって』 彼女が目線を向けた先には、そびえ立つ山が。もちろんこれは中から見た姿だから、天井の先を突き破って、そこには小さな島があるんだろう。 僕はあの浅瀬にはちょっと上がれないけど、彼女ならそれが出来る。海流に囲まれた島だし、そこで彼女が興味の対象になるのはちょっと考えたら直ぐ分かること。 そっか、と呟いた僕は、なんだか裏切られた気分になっていた。別に彼女は裏切ったわけでもないんだけど、僕と彼女だけ、の世界が壊れてしまった気がして。 『ま、ニーシュの為にも、色んな土産話、聞かせてあげるからね! ずっとここじゃ退屈でしょ? 私だって最初は退屈だったもん』 彼女のハイテンションに引きずられて何も言えなかったけど、あの時からきっと僕の依存は始まってたんだと思う。 僕にとってはたった一つのかけがえのないもので、友達で、親友で、それからきっとこう思ってるのは僕だけだろうけど、恋する相手。 彼女はそんな様子を全く見せないし、別段彼女の友達達と付き合ってる訳でもないらしいから、たぶんそもそもそういうことに興味がないんだろうな。 だから、今更僕のこのもやもやとした心をぶつけることは出来なかった。臆病な僕に、今のこの幸せを壊すリスクを負うようなことが出来るはずもないし。 「ごめんねー、あんまりそう言うの興味ないしさ。友達のままで、これからも仲良くしていこっ!」なんて言葉で返されるのが関の山だ。 かといって、ここを独りで出て行って、どこか別の場所で生活する自信もない。彼女みたいに付き合い上手ならともかく、僕の性格じゃやっぱりなあ。 せめて記憶が取り戻せたら、昔知っていた場所へ旅して、元の仲間の足取りを辿って、感動の再会、みたいなのができるんだろうけど。 無くした記憶と引き替えに手に入れた、この豊かな生活。まさにここは楽園といった感じで、これを幸せと呼ばなかったら罰が当たりそうなほど。 だけど、この楽園と引き替えに記憶を手に入れたい、と思う自分もいる。サテュミアへの気持ちも何もかも捨てて、昔の生活に戻れるなら、それはそれでいい。 楽しみと苦しみの板挟みで、今日も悩み続ける僕。無くした記憶を取り戻すために旅に出るか、それともこの楽園でサテュミアと暮らしつづけるか。どっちも一長一短だ。 せめて、何とか彼女が振り向いてくれたら。それか、何とか記憶が取り戻せたら。そんな妄想をしながら、彼女が来るまでの寂しさを紛らわせる。 僕の寝床は、結局彼女が僕を拾って起こしてくれた窟になった。彼女曰く、日当たりもまずまずで岩の隙間だから海流の荒れに飲み込まれることもないよ、だそうだし。 僕自身住み心地は悪くないと思う。それに、彼女が来てくれたときの音が分かりやすい。入り口が窄まっていて中で音が反響するから直ぐに分かる。 水を掻き分けて、ちょっと岩をたたき台にしてすいっ、と加速する。勢い余って背中の甲羅のごつごつを岩にぶつけるのもいつものこと。 「おまたせー。ニーシュ元気ー?」 「サテュミア、いらっしゃい!」 今日もニコニコと元気そうなサテュミアの、柔らかで滑らかなクリーム色の肌。首元からお腹まで続くその部分めがけて、僕は一目散に飛び込んでいった。 ---- 「まったく毎日毎日ニーシュって甘えたがるよね。ま、生きてきた年数的にも私が上だし? しっかり頼ってくれて嬉しい限りだねーうんうん」 何をどう納得しているのかは知らないけど、サテュミアも満更ではないらしいので僕は大人しくその好意に甘えている。 他に誰も居ない分、肌の温もりがどうしても恋しくなる。最初、我慢できずに飛び込んだときには嫌われるかとも思ったんだけど。 どこかのお母さんの真似をして笑って見せたサテュミア。頼ってくれてる証だしオッケーだよー、と軽く了承されてしまったのには流石に僕がびっくりした。 けれども今では毎日の出来事。別にお母さんが欲しい訳じゃなくて、ただ淋しいだけなんだけど、サテュミアはその辺をちょっと誤解しているらしく。 「お母さんっていいよねー、私もいつかはなるのかな。でもここじゃ相手なんて見つからないかー……うーんどうしよ?」 なんて聞かれても僕には答えられるはずもない。そりゃ僕がその相手として一緒に暮らしてあげたいけど、そんな事が言えるほどの度胸はない。 結局この話は「まあいいや」の一言で終わってしまう。ひょっとしてサテュミアも自分を誘ってるのかな、でも勘違いだったら……。 まごついているうちに、サテュミアはさっさと次の話題へいってしまう。はあ、と自分の情けなさに落ち込みながら、僕はサテュミアから身体を離した。 「で、今日もちょっと面白い話聞いてきたんだよ! それがね、なんでも珍しい色違いのポケモンが飛んでたって」 僕はもちろん陸に上がったことはない。陸に何があるのかはよく分からないけれど、緑色をした草原と白い砂浜、そして茶色い幹が立ち並ぶ森、位は知っている。 見えない範囲に何があるのかはサテュミアの話を聞くしかない。今まで聞いた中では家が建ち並ぶ集落があったり、不思議な遺跡があったりするらしいけど。 前回は島の住民達でその遺跡とやらを探検する話だった。行ったことがないからもちろん想像でしかないけど、なかなかの冒険だったみたいだ。 海にもたまにそういう遺跡があったりするらしいけど、残念ながらこの辺りには見当たらない。冒険出来そうな所があれば退屈しないんだけどな。 そういえば家っていうのも僕は見たことがない。何やらあの茶色い木を切り倒して組み合わせて作るらしいけど。それは二足歩行のポケモン達の仕事らしい。 海とは違って暮らす場所も自分で作らないといけないなんて、随分と大変な生活だ。陸に住むポケモンは寝床が雨で濡れることを嫌うからそんな事になるみたい。 その点僕たち水の中で暮らすポケモンは年がら年中濡れてるんだから楽ちんだ。とはいえ行動範囲は決まっちゃうけど。水がないと生きていけないんだからしょうがないよね。 そして、今回の話題は陸でもなく水中でもなく、空を飛ぶポケモン達の話。空を飛ぶとはいっても、暮らしているのは陸なんだけど。 普段この辺りには決まったポケモンしかいない。島と海は隔離されてるから仕方ないけれど、鳥ポケモンも数種類しか見かけないのはちょっと不思議だ。 降りてきてくれないから僕は彼らと直接話したことはないけど、陸に住むポケモン達は結構交流があるらしい。スバメやオオスバメが島に飛んでいくのをたまに僕も見かける。 けれども今回は全く様子が違ったようで。サテュミアが言うには、目がカバーで覆われたポケモンと尻尾に炎を灯しているポケモンが飛んできたらしい。 尻尾に炎、というポケモンは島にも住んでいるそう。だから分かったんだろうけど、なんとその飛んできたポケモンが色違いだったそうだ。 色違い。ちょっとした奇跡で生まれてくる珍しいポケモン。見たことはないけど、なんか見ただけで幸せになれそうな気がするのは僕だけだろうか。 とはいっても黒い身体に赤い炎。何だかちょっと怖そうだけど、一体どんなポケモンだったんだろう。ふわふわと頭の中にイメージしてみるけどさっぱり分からない。 それから目がカバーで覆われたポケモンも気になる。サテュミア曰くそのポケモンも普通と色が違う気がする、らしいけど。目がカバーで覆われてたら見辛くないのかな。 青とオレンジと緑でなんか色とりどりな身体だったらしい。こっちも全然イメージがわかない。こんな時、陸のポケモンだったら絵、ってのを描くらしいけど。 「うーん、見せてあげたいけど紙に描いたところで水の中に入れたらふやけちゃうしなあ……ま、なんか考えといてあげる!」 そうサテュミアは言ってくれたけど、大体こういうときは数日もすれば忘れていることが多い。でも今回のは本当に気になるから覚えておこう。 「で、あと今日は島の回りを皆と一周してきたんだけど、これが結構楽しくって」 皆。サテュミアが言うその言葉が、僕の心に重くのしかかる。サテュミアの友達はたくさんいて、皆サテュミアの事を気に入っている、と僕は思う。 サテュミアぐらいの度胸と元気があれば、誰とだって友達になれる。きっとその中には気に入っている、以上の感情を抱いてる奴だっているだろう。 サテュミア自身は気づいて無くても、サテュミアが語る話の中で僕はそれを何となく感じ取ってしまう。それでまた独り悶々と苦しむ日々が続くのだ。 もちろん彼女が悪い訳じゃない。そして彼女を好きになったポケモン達にも非はない。彼女が海の上を泳ぐポケモンで、背中に誰かを乗せるのが好きだから仕方ないんだ。 そこまで分かってるのに、僕は彼女の友達を素直に認められなかった。だからいつも友達の話が出る度に、僕は笑顔を無理矢理作っている。 楽しそうに聞いてくれてる、とサテュミアは思ってるのかも知れない。思ってくれてるならそれでいい。だけど、この時間は僕にとって堪らなく苦痛。 話の内容を考えないようにしよう、と思ってもどうしても気になって聞いてしまう。今日は首元に抱きついてきたり、背中で首により掛かってうたた寝したりする奴の話だった。 嫉妬、だと思う。悔しくて、苦しくて、怖くて。サテュミアが自分から離れていって、僕よりも大切な相手が出来ているんじゃないか、そうやって考えてしまう。 そうやって考え始めればきりがない。サテュミアの話も自慢話にしか聞こえなくなる。大切な相手とこんな事をして楽しんだという当てつけのような。 だからといって楽しくない、なんて言ったらそれこそサテュミアに嫌われてしまう。いつか限界が来るんじゃないかとか思いながら、耐えて耐えて耐え続ける。 「で、戻ってきたって訳。浅瀬が多いから私でも大変だったけどね。本当はニーシュとも一緒に行きたいんだけどなー」 最後にこう付け足してにこっと笑ってくれるから、僕の心はますますサテュミアに引き寄せられてしまう。本当にサテュミアは僕に気があるんじゃないかな、なんて勘違いも。 サテュミア自身がそういうことに興味ない、って言ってたんだからそんなはずは無いのに、どうしてこうも期待してしまうんだろう。 「あ、そうだ。実は今日噂で聞いたんだけど、しょっぱい湖があるらしいんだ。ってことは、海とどこかで繋がってるのかも!」 「それって、僕も陸の内側へ行けるって事?」 しょっぱい湖。それが確かなら、たぶん海の水がどこからか流れてきてるんだろう。穴で繋がってたりするんだろうか。だとしたらどこにあるんだろう。 サテュミアがよく行く浅瀬の部分にそんな穴は無かったらしいから、もっと別の場所かも知れない。しょっぱく感じるくらいだ、結構な大きさの穴があるはず。 「そうそう。ただ、肝心の穴がどこにあるかは分かんないんだけど……良かったらニーシュも探してみたら? 私も帰り掛けに探してみるからさ!」 もし僕が島に行けるようになったら、サテュミアと僕とでずっと一緒に遊べるんだろうか。島の皆と上手く友達になったりできるのかな。 ちょっと不安もあるけれど、サテュミアが一緒に居ればたぶん大丈夫だろう。それに、サテュミアと僕がもっと長くいられるようになるし。 なんてまだ現実でもない出来事を考える前に、さっさとその穴を見つけて僕が仲間はずれの時間を無くさないと。これは明日から忙しくなりそうだ。 「さーてっと、そろそろ日も落ちてきたし、私は寝床に帰るね。ニーシュ、今日も楽しかったよ、ありがとー!」 すいっ、と鰭で水を掻いて出口へ一直線に進んでいくサテュミア。その横を僕も一緒について行って、窟の入り口でぴたりと止まる。 振り返ってひらひらと前鰭を揺らすサテュミアに、僕も鰭を振り返す。にこっと微笑んでから、サテュミアは茜色の天井へと向かってどんどん小さくなっていく。 やがて天井とサテュミアがぶつかって見えなくなると、一気に辺りの静けさが際立った。やっぱり、サテュミアがいないとこの辺りはちょっと寂しい気がする。 流石に年頃の雄と雌が一緒に寝るわけにもいかないから、僕も一緒に住みたいとは言い出せなかったけど。サテュミアもいつか、ここに住んでくれたりしないかな。 窟の中へ戻って、海草が揺らめく寝床で僕は目を瞑って考える。サテュミアは、僕のこと、一体どう思ってるんだろうなあ。 ---- 「んー、遅いなあ」 窟の外、天井を見上げれば、きらきら眩しい日の光があちらこちらで乱反射している。この具合からするとたぶんもうすぐ夕方のはず。なのにまだサテュミアが現れない。 いつもならもうこの時間には来てくれるはず。それなのに、今日は全く来る気配すら感じられない。海も至って静かで、だだっ広くて、そして寂しい。 朝起きてから適当に海草をつまんで、あとはその辺りをぶらぶらしながら時間をつぶす。お昼を過ぎて暫くすればサテュミアとの夢のような時間、のつもりだったんだけど。 いくら待っても現れないサテュミアがちょっと心配になってきた。ひょっとして、どこかで怪我でもしたんじゃないだろうか。あるいは具合が悪いとか。 だとしたら一大事だ。この海域には僕とサテュミアだけ。怪我や病気をしたとして、それを助けられるのは僕しかいない。迷ってる暇なんかありはしないじゃないか。 サテュミアがいつも僕の所まで来る道を辿って、僕はサテュミアを探しに出かけることにした。逸る気持ちを抑えながら、慎重に辺りを見渡しつつ。 岩場の影、海草の奥、眩しい天井、透き通る海の奥の奥まで。くまなく見渡しても、サテュミアの蒼い身体と灰色の甲羅はさっぱり見当たらない。 少しずつ日は傾いていく。反射する光達も、心做しか弱く色づいてきたような気がする。このままじゃ、サテュミアは……。 もしかしたら、を考えては否定する。もしサテュミアがいなくなってしまったら、僕は独りぼっちになってしまう。それだけは嫌だ。サテュミアがいなくなるなんて。 しかし見えてきたのはサテュミアの寝床。遂にここまで来てしまった。となれば、どこか遠くに流されてしまったんだろうか。陸の方まで行く途中で怪我をした、とか。 サテュミアが寝床で寝ている、なんて普通考えられないけど。一応全てくまなく見ておかないと、と思い天井に向かって一気に海中を駆け上がる。 ひょこり、と天井を突き破って顔を出す。空を直に見たのはいつ振りだろう。あんまり長くいると辛いから、普段は絶対に海の中にしかいないんだけど。 サテュミアの住んでいる浅瀬に目を向ける。当然サテュミアがいるはずもない。と思っていた僕の考えは、どうやら外れてしまったようだ。 見ればサテュミアは、浅瀬の陸側に向いてじっとしている。ちょっと遠くて見えないけれど、その奥には何やら動く物体が。 あれは、ひょっとしたらサテュミアがいつも言っている「友達」だろうか。だとしたら、サテュミアはずっとあいつと話していただけ、って訳か。 その「友達」とやらが、サテュミアの身体に近づいていき、そっと手を伸ばしている、ように見えたけど。それ以上は、もう僕には見ることが出来なかった。 久々の空を後にして、今見た光景から逃げるように僕は自分の寝床まで泳いでいく。嘘だ。嘘だ。そんな、サテュミアは、僕のことより……。 出来ることなら忘れたい。けれど、遠くに見えたサテュミアともう一匹は、見間違いなんかじゃ絶対にない。やっぱり、彼女は僕よりもそいつを選んだんだろう。 僕の所に来ることも忘れて、あいつと話して、親しい仲になって。嫌な想像を振り切ろうとして、僕は暗い闇の底へと全速力で沈んでいく。 行きとは違い、寝床まであっという間に辿り着いてしまった僕。一番奥、いつも僕が寝ている海草のベッドへダイブして目を瞑る。 夢だ。これは夢だったんだ。きっと、起きたら全部、何もかもが嘘なんだ。今日はまだ始まったばっかりで、サテュミアはまだ遠くにいて。 目をもう一度開いて外を見ても、変わらない光の色と角度。はっきりと残るあの景色が、場面が、空想の世界のものであるはずもない。 怖かった。サテュミアが、段々自分から離れて行きそうな気がして。あの「友達」が、僕の大切なものを、僕の全てを、奪い去っていきそうな気がして。 「サテュミア……僕よりも、あいつといる方が、楽しい、の?」 か細く消える声。誰に問いかけたわけでもない。ただ、自然と声が漏れていた。海に溶けて紛れていく、もう一つの塩水と共に。 けれども、彼女がそれを選んだなら。僕といることよりも、あいつといることを選んだなら。それなら、いっそ来てくれなくてもいい。 それが、サテュミアにとって一番幸せなんじゃないだろうか。僕にとっても、変にサテュミアの事を思って辛いことになるくらいなら、その方が良い。 きっと、僕とサテュミアはこのまま出会わない方がいいんじゃないか。明日にでも、僕が外へ出て行けば全部解決だ。誰も辛い思いをする事なんか無くなる。 生きられるかは分からない。いや、いっそ生きていられない方が良いかもしれない。これ以上生きていたって、どうせ辛いことしかないんだから。 水を掻き分けて、岩を鰭で叩いて泳ぐ方向を変える音。背中の甲羅を岩にごつんと当てながら、僕の方へと向かってくるのは。 「ニーシュ、お待たせー! 遅くなっちゃってごめんごめん」 いつもと変わらない笑顔、いつもと変わらない身体。違うのは時間と、迎える僕の心持ちだけ。いつもは喜んで飛び込んでいっていたけれど、流石に今日はそんな気分になれない。 「それでさー、聞いてよ。何でも陸ではもうすぐお祭りってのをやるみたいなんだけど、その内容がね」 そうやってサテュミアがどんどんと話を始めていくのも普段と同じ。見る限り、彼女は何もさっきのことについて話すつもりはないみたいだ。 それはひょっとしたら僕に対しての配慮なのかもしれない。一応僕とも友達でいてくれて、一応ここにも来てくれるつもり、なんだろう。 でもそんな上辺だけの優しさは要らない。僕にとっては余計に辛いだけだ。真実を知っている僕にとって、その優しさはただの棘でしかない。 それに、サテュミアの話す物語が、今日は何やらおかしい。全部どこかで……というよりも、前にサテュミアから聞いた話だ。 毎日のようにサテュミアは陸に行って遊んでいたはず。なら今日もその内容について喋ってくれればいいのに、何故か前と同じ話になっている。 きっと、ずっと寝床であの「友達」と話していたんだろう。そして、それを僕に話すつもりはないってことだ。そうなんだよね、サテュミア。 友達が、友達と、友達の、友達を。さっきからサテュミアの話に出てくるその単語が、僕の心をどんどんと苦しめていく。 そんなにその友達達が大事なら、僕なんか放って置いてくれたらいい。僕は、そんなサテュミアのお情けが欲しいんじゃなくて、僕は、僕は。 「もういい! ……もういいよ。僕よりその仔達の方が大事なんでしょ」 話を途中で遮られたサテュミア。普段大人しい僕の叫びに驚いたのか、ぽかんと口を開けたまま僕の顔を見つめている。そんなサテュミア相手に僕は続ける。 「見ちゃったんだ。今日、サテュミアが自分の寝床に友達を連れてきてるとこ。僕のとこに来ないから、心配してたのに……それなのに」 あっ、と小さな声を上げたサテュミア。思い当たる節は当然あるはずだ。だって、僕は実際にその光景を見ているんだから。 知られたくなかったのかもしれないけど、もう遅い。それは、と言い訳しようとするサテュミアを遮って、さらに僕は怒りをぶつける。 「言い訳なんて聞きたくない! 僕は……僕は、サテュミアも僕との話を楽しみにしてるんだと思ってた。だけど違うんだよね、ただの同情なんだよね」 違うの、と首を振るサテュミアだけど、それでも一度あふれ出した僕の思いは、言葉は留まることを知らない。目から溢れる塩水と共にどんどんと流れてくる。 いつもにも増して潤んだサテュミアの瞳を睨み付けながら、僕は捲し立てる。その迫力に、さすがのサテュミアも怯んでいる様に見える。 「僕、本当にサテュミアのことが好きだった。けど……サテュミアが僕のことをどうでもいい、って思ってるなら、それなら僕は……独りで良い。独りが良い」 普段なら絶対に口にしないような本音。全くベールに包んでいない、僕の心からの叫びは、彼女にどう響いているんだろうか。 もう僕の声を遮ろうともしない彼女に向かって、掠れた声で、消えてしまいそうな音で、震える口で、最後の一言を投げかける。 「もう二度と……来ないで」 その一言を言い終えた瞬間、今まで堪えていた色んな気持ちが僕の心の中に溢れてきて、とうとう喋ることさえ出来なくなる。そのまま声を上げて、わっと泣き出してしまう。 自分でも情けないと思ったけれども、どうしても涙が止まらない。悲しくて、寂しくて、悔しくて、辛くて、怖くて。どうしようもなくなって、ただその場で浮かびながら嗚咽を繰り返す。 「……やだ。絶対、絶対に、やだっ!」 窟の中を反射して、海の中を駆け抜けていくほどの大声。止まらなかった僕の涙を一瞬で止めたのは、普段聞いた事のない、彼女の渾身の叫び声だった。 ---- 海の中で涙を流したところで、周りの水に流されていって何も分からない、はずなのに。僕にははっきりと、彼女の涙が見えた気がした。 「私、やだよ……だって、だってっ、ニーシュのこと、私も好きだもん!」 突然の告白に、僕は暫くの間、ただ呆然とサテュミアの顔を見つめるしかなかった。言葉は聞こえていても、それを理解するまでが遠い。 好き? 僕のことを、サテュミアが? でも、彼女は今日……いや、だけどサテュミアが嘘を付くはずなんて無い。その涙が、叫びが、嘘だったなんて思えない。 彼女の震える口元から目を移せば、やや力のこもった鰭も同じように小刻みに震えているのが見て取れる。いつもは決して見せない、彼女の本気で、真剣な気持ちが伝わってくるよう。 「今日のこと、全部話すから。絶対に嘘は付かないから、だから、聞いて欲しいの。……ニーシュに」 彼女の目がしっかりと僕を捉えている。その瞳は僕に向かって、彼女の真剣さや、抱えている不安を伝えているような気がして。 ここで拒否する理由もないし、断れるはずもなかった。だって、何のかんの言ったって、僕は彼女のことが好きなんだから。好きだからこそ、離れたくなった。 だけど、もしもあれが僕の勘違いなら。あるいはちょっとしたすれ違いなら。きっとまた戻れる気がする。いや、戻りたいんだ。サテュミアと笑いあえる日々に。 「今日ね、いっつも遊んでる友達……ルカリオの仔がいるんだけど、その仔に……告白されたの」 『今日はほんとに突然ごめんな。……その、今更だけど、言いたいことがあったから、さ』 彼女の元に歩み寄る影。蒼き波導を纏ったポケモン、ルカリオ。今日は彼女の元に急にやってきて、ずっと話し込んでいたのだが。 何やらずっと言いたいことがあった様子で、改めて彼は彼女の方へと向き直る。力を感じる目線に、思わず彼女も改まってしまうほど。 『ど、どうしたの、レクレイン、いきなりそんなにかしこまっちゃって』 そんな彼は、少し伏し目がちになったかと思うと、ぐっと拳に力を込めて、大きな声で、はっきりと、一言叫んだ。 『俺と……付き合ってくれっ!』 えっ、と硬直するサテュミア。その後段々訳が分からなくなってきて、何故だか彼女は辺りを見渡してしまう。けれども当然誰かがこの空気を打破してくれるはずもなく。 お互いに気まずい沈黙が流れたまま。彼も返事を今か今かと、気が気でない様子で待っている。彼女はまとまらない考えをまとめようと必死だ。 確かに彼は端から見てもかっこいい、という部類には入るだろう。好きだ、と言われて嬉しくないわけではない。ただ、彼女には何か引っかかるものがあった。 彼氏、という訳ではない。今はただの友達、と言う関係で、特にそんな意識をしたこともなかった。それでも、彼女の頭の中には何故かあの顔が浮かぶ。 楽しそうに笑って、小さな子どものように甘えてきて、一緒にいるだけで幸せになれる。そんな一匹のポケモンが、彼女に向かって微笑んでいた。 彼女は思う。自分にとって、海中の窟に住まう彼はいつの間にか、友達以上のものになっていたのかもしれない、と。自分は、いつからか恋をしていたんじゃないか、と。 『……うん、ありがとう。その気持ち、すっごく嬉しいよ。ただね、私、たぶん、だけど。好きな仔がいるみたい、だから……あの、えっとね』 彼のことも嫌いじゃない。寧ろ好きだ。けれども彼女にとって、彼はあくまで友達としての好きに留まっている。なにより、それ以上に気になる相手がいたことに、彼女は気づいてしまった。 しどろもどろに取り繕う彼女。その必死な様子に、最初は少し傷心気味だったレクレインも、思わず少しクスリとしてしまう。 『分かった、分かったよ。ったく、サテュミアには本当に敵わねえなあ。いいよ、俺、なんかすっきりしたし。ただ……』 彼は一歩、二歩とサテュミアの元に歩み寄る。細波揺らめく浅瀬に足をちゃぷんと踏み入れて、彼はサテュミアの首元にそっと手を回し、抱き寄せる。 そんな彼の気持ちを察したのか、サテュミアも彼に抵抗することはせず、ただじっと身体を委ねる。彼女が感じた彼の温もりは、何だか少し優しかった。 『あのさ、これからも……友達でいてくれる、よねっ?』 彼女から手を離し、そのままくるりと振り向いてサテュミアの住処を後にしようとする彼を呼び止める彼女の声。 彼は振り向くことはせず、片手を上げてそれに応じる。淋しそうで、それでもなんだか晴れやかな彼の背中に、彼女はそこはかとなく男気を感じたのだった。 そんな一部始終を彼女から聞かされて、僕はなんだか急に馬鹿馬鹿しくなってきて、大きな声で笑いだしてしまう。 さっきまであれだけ悩んでいた自分がとてつもなく滑稽に見えてきて、どうしても笑いを堪えることが出来なかったんだ。 「に、ニーシュ?」 前触れもなく笑い始めた僕を心配して、サテュミアが僕に鰭を伸ばしてくる。他のポケモンが見たら、確かに僕が突然壊れたようにしか見えないだろう。 「ごめんね、なんか可笑しく思えて来ちゃって。なんで僕はこんな事で悩んでたのかな、って」 もちろんこれは今だから言えること。本気でサテュミアとぶつかって、本当の気持ちを伝えられたからこそ、今のすっきりとした気分があるんだから。 サテュミアも心做しか晴れ晴れとした様子で、そんな僕を鰭で小突いてきた。その顔にはもう、さっきまでの涙は見えない。 「ね、ニーシュ。私、改めて言おうと思うんだけど、えっとね……」 次の言葉が出る前に、僕は慌ててサテュミアの言葉を遮る。ここで言わなくちゃ、いつまで経っても僕は引っ込み思案のままな気がしたから。 「ま、待って! やっぱここは、雄である僕が言わなくちゃ。えっと、サテュミア。僕と……その、付き合ってくれない、かな……」 ただ、こういう言葉はいざ言うとなると恥ずかしい。結局最初の威勢はどこかに行ってしまって、語尾がふにゃふにゃと水の中を揺蕩ってしまう。 最初と最後の勢いの差に思わず苦笑するサテュミア。ニーシュらしいね、と言われてしまって、ちょっとショックではあるけれど。あるいはそれが僕の良さ、なのかなあ。 「気にしなくっていいの。だって、ぴりっとしてるニーシュなんて、ニーシュっぽくないもんねー。よしっ、それじゃあカップル成立って事で!」 やっぱりサテュミアには敵わない。せっかく雄らしい所を見せようと思ったのに、結局いつも通り僕がサテュミアに引っ張られる形に。 しかも、思ってたよりあっさりとサテュミアにOKを貰ってしまった。想像してたのとなんかちょっと違うなあ。まあ、僕たちらしいのかも。 「でもさ、なんか不思議だなー。昨日まで、ニーシュはただの友達のつもりだったのに。いつの間にか、ニーシュが私の中でちょっとずつ大っきくなってたんだよね」 僕がサテュミアに抱いてた気持ちと同じだろうか。最初は寂しさから、でもいつからか、サテュミアのことをずっと考えるようになっていて。 ただ、僕とサテュミアで違ったのは、それが恋だって気づいたかどうか。僕は気づいたからもやもやとしていて、サテュミアは気づかなかったからさばさばとしていて。 サテュミアがもしも気づいてくれなかったら、きっと僕は、ずっとこの想いを心の底にしまい込んだままだったんだろうなあ。 そのルカリオには悪い気がするけど、そのおかげで、今僕たちはこうやってお互いに好きって言い合うことができたんだから、感謝したいな、と思う。 すっかりサテュミアとの話に夢中になっていたけれど、ふと窟の外を見ればもう天井からの光はほとんど届いていない。いつの間にか、すっかり日が落ちてしまったみたいだ。 日の落ちた海は本当に暗い。慣れていても下手をすれば迷ってしまうほど。海流に飲み込まれてしまったらお終いだ。 今は僕の頭の光のおかげでサテュミアの姿もしっかりと見えているけれど、外となると流石に暗い。サテュミア、独りで大丈夫かなあ。 そんな僕の目線を感じ取ったのか、サテュミアも僕と同じ窟の外を見やる。深い紺色に染まった海を見て、そして僕の顔を見て苦笑い。 「あっちゃー、暗くなっちゃったなあ。うーん、いいや、今日泊まってく! そういうことでニーシュ、よろしくねー」 サテュミアが帰れるかどうかを心配していたけれど、どうやらそんな心配は杞憂だったようだ。尤も、寧ろ別の心配しかないんだけど。初々しいカップルがいきなり一夜を共に、って。 きっとサテュミアのことだから、なんにも考えてないんだろうけど……でも、ひょっとしてこれってそういうことなんだろうか。ちょっと待ってよ、僕にだって心の準備が。 いやだけどこれ間違えてたらとんでもなく恥ずかしいし。一体どっちなんだろう、と僕は頭の中でぐるぐると思考をかき回す。駄目だ、まとまらない。どうしよ、どうすれば良いんだろう、僕。 「海の中で寝るなんてひっさしぶりだなあ。あ、ニーシュの寝床借りるからねー。そこそこ広いみたいだし、ニーシュも一緒に寝られるでしょ」 こんな思わせぶりなことを言っておきながら、そのまま爆睡しそうなのがサテュミア。流石にそこまで鈍くない、と信じたいんだけどな。 思い切るべきなのか、そうせざるべきか。悩みながらも、サテュミアの側まで近づいていく。サテュミアの笑顔が、僕をますます悩ませているなんて、当事者は全く気づいてないんだよなあ、これが。 ---- とりあえずたわいのない話で何とか間を持たせようとしてみるものの、ずっと寝ないと言うわけにもいかない。正直なところ、近づいたらそれはそれでまた眠れない気がする。 「さーてと、話しててもきりがないし、とりあえず寝ようよニーシュ。明日起きれなくなっちゃうよー?」 ぽんぽん、と鰭で僕の頭を数度叩いてくるサテュミア。すーっと僕の寝床まで移動して、ぷかぷかと漂っている。海草揺らめく天然のベッドと戯れながら、僕を誘ってくる。 こんな状況で意識するなって方が無理な話だ。さっきの話を忘れてるのかな、と思うほどに大胆なサテュミアの行動。でも僕たち、まだ付き合ったばっかりだし。 いやいやここは覚悟を決めて行かなくちゃ。雄として、きっちりやれることはやっておかないといけない。そう思ってはいても、やっぱり気後れしてしまって。 「う、ん……そ、そうだね。よし、寝よう、サテュミア」 ああもう僕の馬鹿。思い切りの悪さ、引っ込み思案なとこが自分の駄目なとこだって分かってる。分かってても、そう簡単に直せるものじゃない。 サテュミアとちょっと距離を置くようにして、同じく海草と戯れつつ静かに眠りに入ろうとしてみる。それでもサテュミアの体とは随分と近い。 鼓動の音までは聞こえないにせよ、息遣いぐらいは伝わってくる。呼吸と共に震える水が僕の体を、心を揺さぶる。こんなにもサテュミアが近くにいるんだ。 寝よう寝ようと思っても、到底出来そうにもない。何だか周りの水温まで上がっているような気がする。これがサテュミアの温もりなのかな。 落ち着くどころか早くなっていく僕の鼓動。駄目だ駄目だ、と目を瞑って息を整えてみる。瞼の裏に浮かぶのは、そこで寝ている彼女の姿。 僕を優しく抱き締めて、見つめ合って、気がつけば僕はサテュミアのお腹に、普段間近に見る事なんてないはずの、雌の証に近づいていて、それから。 「ニーシュ」 サテュミアの声。僕のすぐ側で聞こえたその声に驚いて、とっさにその場から跳ね起きてしまう。彼女は僕の方を見ながら、少しくつくつと笑っている。 そしてすいーっと近づいて来たかと思うと、僕の頬を優しく撫でてくれた。それだけじゃなく、軽く僕の頬に口元をくっつける。これには僕もただただ驚くばかり。 「いいよ、私。ニーシュがその気なら、やってみても」 何のこと、と言おうとして、ようやく僕は今の自分の状況に気がついてしまった。サテュミアにばかり気を取られて気づかなかったけど、僕のスリットがちょっと広がっているのが感覚で分かる。 普段はぴったりと閉じていて、じっくり見ないと分からない様なただの縦筋。だけどもちろん色んな刺激があれば、雄として自然にそのスリットから肉棒が顔を出してくる。 そのちょうど中間、といった感じで、青いお腹とは対照的な、ピンク色の肉壁がぴくん、ぴくんとその存在を示している……んだと思う。僕自身には見えないけど。 「あっ、あの、これは、その、だから、いや、違、わない? そうじゃなくって、えっと」 考えろ考えろ考えろ。とはいっても、今更どんな言い訳が通じるとも思えない。かといって、いきなりサテュミアの体に興奮してました、なんて言えるわけもない。 火照る体と揺れ動く目線。言い訳どころか言葉すら上手く出てこない。上下左右に助けを求めても当然誰かが助けてくれるわけでもないのに、目だけはきょろきょろと回っている。 「お、落ち着きなよニーシュ。私は別に気にしないけどなー、寧ろ私で興奮してくれてるんだから、それはつまり私のこと、良い雌だなーって思ってくれてるって事だよね!」 そんな僕に助け船を出してくれたのは、結局目の前の彼女だった。余りにも困り果てていた僕を見かねたのだろうか、と思ったけど何だがちょっと違う気がする。 一連の痴態のことを彼女はポジティブに考えているけれど、実際その通りだから言い返せない。サテュミアのことが好きだし、実際にそういうことをしてみたい、と思っているのは事実。 とはいえ、いつか良い感じになったときに僕の方からサテュミアに切り出すつもりが、まさか初日に、しかもサテュミアの方から言い出されるとは思わなかったけど。 「で、でもさ、ホントに良いの? 僕、初めてで、まだ自信もないし、第一まだ付き合って間もなさ過ぎるし……」 「いいじゃん、初めて同士、一緒に楽しもうよ! ね? だいじょぶだいじょぶ、何とでもなるって!」 何かこれ、僕の痴態をダシにして誘われている気がする。でも、既にやる気満々なサテュミアを止められるとは思わないし、止めるのはもったいないし。 どっちもその気なんだから、ここは流れに身を任せてやっちゃってもいいんじゃないかな、と自分の中で勝手に結論づけておくことにした。うん、間違ってないよね。 「……うん、そうだね。それじゃ、その……えっと、どうしよっか」 お互いに顔を見合わせて、少しどうするか考えてみる。いきなり本番に臨むのが不味いことは何となく分かる。やっぱり色々前戯ってのもやってみないと駄目だよね。 ちらちらと気になるのは互いのそういう部分。特に僕のその部分はますます自己主張が激しくなっている気がする。若干大っきくなってるような。 「よし、じゃ、まずはニーシュのからにしよう! そのあとはニーシュ、よろしくね?」 よろしくって言われても、という僕の言葉は、短い悲鳴にかき消されてしまう。僕の下へと潜り込んだサテュミアが、長い首を僕のスリットへと近づけて、いきなり舐めてきたのだから。 最初だし、たぶん鰭でつついてみるくらいのことかと思っていたんだけど、サテュミアの行動は予想以上に積極的だ。もちろん舐められるなんて、僕にとって初めての経験。 スリットの内壁、そしてそこに埋もれている僕の肉棒。若干存在を誇張し始めていたそれ全体に、サテュミアの温かな舌が這わされる。 ひんやりとした海水と、解けてしまいそうなほど熱いサテュミアの舌。緩急のついた舌遣いに、ざらざらとした感触も加わって、正直ものすごく気持ちいい。 普段自分で岩とかに擦りつけてする時よりも、格段に快感は上だ。きっとこの甘い雰囲気や気分に飲まれている所為もあるんだろうけど。 時折聞こえるあっ、と言うような小さな声は、どうやら自分の物らしい。押さえたくても抑えられない衝動が、僕の肉棒を通じて全身に回ってくる。 「はぁ、っ、ぁ……」 揺れる肉棒に何かを感じたのか、サテュミアは少し舌を離してくれた。正直、こんな調子じゃとてもじゃないけど保たない気がする。ひょっとして僕、早いほうなのかな。 いやいやまだ頑張れる、と持ち直したところで、サテュミアは再び舌の動きを再開させてきた。それも、さっきよりも激しく、速い動きで。 さらに追い打ちをかけるように、僕の肉棒全体がサテュミアの体温に包まれていく。サテュミアが僕の雄を咥えてきたんだろう。 「ひゃっ、だ、めっ……!」 何かを求めるように執拗に吸われ、舐られ、さらには首を曲げて胴体を近づけ、鰭まで使って僕のスリットや肉棒を攻め立ててくるサテュミア。 堪らず悲鳴を上げる僕が、サテュミアには果たしてどう見えているんだろう。それは分からないけれど、たぶんサテュミアは今の状況を楽しんでいるに違いない。 もともと好奇心の強いサテュミアのこと、やれることは全部やってくるはず。というか今実際にやられているわけだけれど、はっきり言ってもう耐えられる気がしない。 「はうっ、あっ、で、でるっ……あああぁぁぁっ!」 出る、としか言えずに、結局僕はそのままサテュミアの口の中へ精をばらまく結果に。とくん、とくんと送り出される白濁の感覚、そして絶頂特有の快感に暫く浸る僕。 思わず笑みまでこぼれるほどのつよい快楽が、ぼうっとした頭の中にふわふわと漂っているような、そんな感じだ。 その間もちゅく、ちゅくと僕の肉棒を吸ったり、あるいは舐めたりしているサテュミア。飲みきれなかったのか、その分の精が海中に漂って、サテュミアの体にひっついてひらひらと靡いている。 ようやく収まった僕の肉棒の動きを眺め追えた彼女は、変わらない笑顔で僕の顔の前まで戻ってきた。白い物を多少体にひっつけたままだけど。 「ふはー、雄ってこんな感じなんだねー。精液って結構変な味したよ」 無邪気にそう話すサテュミアが、何だかちょっと微笑ましい。やってることはわりととんでもないことなんだけど、不思議と許せてしまう。 「じゃ、次、ニーシュの番ね!」 そう言ってサテュミアは僕の頭の輝きの下へ。くるりと体を半回転させれば、サテュミアのクリーム色のお腹が曝け出される。まじまじと、しかもこんなに近くで見つめるなんて初めてだ。 その尾びれや尻尾の近く、クリーム色とは明らかに違う色をした、ピンク色の縦筋。粘液がそこから海水に吐き出されているのが、きらきらとした光の反射ではっきりと分かる。 サテュミアはサテュミアで、結構準備はばっちりらしい。さあ、ここは僕が頑張らなきゃ。せめて一回は仕返しがしたいところだ。ひくつく割れ目も、きっとそれを期待しているはず。 ここからが雄の意地の見せ所だ、と独り勝手に気を引き締めて、僕はサテュミアの元へと、海水をぐい、と掻いて近づいていった。 ---- 近づいて改めて見てみると、随分と柔らかそうなお腹だ。普段抱きついていた首元と同じような感じだけど、面積が広いせいかよりぷにっとして見える。 背中の甲羅とは明らかに感触が違う。鰭で軽くなぞってみれば、サテュミアの温かさがじわじわと伝わってくるような。 そしてその鰭をそのまま下の方までずらしていく。やっぱり興奮はしているんだろう、ぴく、ぴくと震えているのがよく分かる。 クリーム色とは明らかに違うピンク色が僅かに顔を覗かせている。もちろん僕のモノを欲しているんだろうけど、それにはまだちょっと早いよね。 まずはその部分を鰭でなぞってみると、サテュミアがくぐもった声で反応する。いつものサテュミアからは想像も出来ないような、艶めかしい声。 その反応が面白くて、もう一度なぞって、軽く今度は鰭で押してみた。ぐにゅ、と凹むその部分は、明らかに粘り気を帯びている。 「んっ、ぁ」 やっぱり雌はここを触られたら気持ちいいんだろうか。僕には想像つかないけど、きっと雄が肉棒を触られるのと同じ様な感覚なんだろう。 今度は鰭で押したまま、その割れ目を開くようにずらしてみた。ピンク色の肉壁が、早く早くと僕を呼んでいるかのような拍動をしている。 「そ、そんなまじまじ見なくたっていいでしょっ!」 サテュミアといえど、僕に色々見られるのは恥ずかしいんだろうな。僕からは見えないけど、サテュミアもきっと顔が火照っているに違いない。 まあ、ずっと見ているだけじゃサテュミアとしても些か物足りないはず。まずはどうしてみようか、と考えてみる。このまま鰭を押し込んでみても良いけれど。 少し考えている間に、鰭が割れ目の中にまで入っていってしまった。うーん、やっぱり舐める前にまずはこれかな。でも、どれくらい奥まで入れていいんだろう。 加減が分からない以上は慎重に行くしかない。サテュミアも初めてだって言ってたし、ゆっくり入れて行った方が良さそうな感じ。 先端を少し入れただけで、早くもこれ以上入りそうにないほどきつきつだ。サテュミアの荒く、辛そうな息が、こんなに離れていても分かるほど。 きっと彼女もそれなりに我慢してくれているんだろう。慣れるまで少し待って、それからさらに少し奥へ、の繰り返し。ん、なんだか良い感じに入ってるかも。 鰭はもちろん僕のモノよりも大分太いから、三割ぐらい入れば十分……だよね。長さで言えばもっと奥まで行きたいけど、こんなに太いときつそうだし。 とりあえずは入るところまでで抜き差しを繰り返してみることにしよう、と思ってするりと鰭を抜いてみる。さっきまで入っていた部分がぽっかりと穴になっている。 そしてまた同じ所までぐぐっと入れていく。今度は抵抗もなくするりと入った。さっきより海中に靡く粘液の量も多い様な気がする。 「はぅっ、ふぁっ、んっ」 サテュミアの声からしても、たぶんこれで間違ってないんだろう。鰭やお腹が震えているのもこの近距離だとよく分かる。何より割れ目が鰭を離すまいと吸い付いてきてるし。 少しずつその抜き差しを早くしていくと、それに比例してサテュミアの声も荒くなる。僕の鰭で感じてくれているんだな、と思うと何だか少し嬉しい。 ふと割れ目を見てみると、割れ目の上の方に何やら小さな突起が。雌ってこんな風になってるんだ。ただ入れるための穴があるだけかと思ってたんだけど、どうもそうではないみたいだ。 とりあえず抜き差しは一度中断して、改めて割れ目の様子を確認する。あふれ出る蜜と、揺れ動く内壁。そして張り詰めた様な感じのする突起。うーん、何だろう、これ。 「ひゃあっ!」 少し鰭で触れただけなのに、サテュミアは悲鳴にも似たような声を上げて大きく跳ねた。ここ、ひょっとして感じやすい所なのかな。これはお楽しみに取って置くことにして。 それじゃあ、と僕は次の行動に移る。抜き差しは十分だろうし、後はさっきやられたのと同じように舐めるだけだ。割れ目に顔を思いっきり近づけて、舌を伸ばしていく。 溢れる蜜が海水の味と混ざる。苦い訳ではないけど、別に甘いわけでもない。ただ、気分的にはとにかく高ぶっていく。これがサテュミアの味、なのかな。 不思議ともう一度味わいたくなって、執拗にその割れ目をなぞる僕。時にはそこから蜜を吸うようにしてみたり、舌を奥まで突き入れてみたり。 内壁をぺろりとなぞってみれば、サテュミアも堪らず声を上げる。いつものサテュミアからは想像もしないような声が、どうしようもなく愛おしくて。 びくびくと震える割れ目の様子からしても、たぶんそろそろ限界のはず。あとはさっきの突起を攻めていけば、きっとサテュミアもイってしまうんじゃないだろうか。 「ふああっ、だめ、だめえぇぇっ!」 今度は突起に重点を当てて舌で舐めてみると、案の定限界だったのかサテュミアの割れ目から蜜がじわじわと溢れてきた。これが雌の絶頂、で良いのかな。 激しく動く割れ目に口を当てて、溢れてくる蜜を執拗に吸い、そして舐める僕。気づいたときにはもうそうしていた。きっと、これが本能って奴なんだろう。 「ひああっ、あっ、あああぁぁっ!」 その刺激でさらにがくがくと体を揺らすサテュミア。絶頂の間の攻めはやっぱり雌でもきついんだろう。流石に可哀想なのでここらへんで終わり、かな。 一度離れて、今度はサテュミアの顔を伺ってみる。恍惚とした表情で、体を震わせながら笑みを零すサテュミアは、いつものあの快活な感じとは違って、とても妖艶。 気づいてみれば、僕のスリットからも大きく張り詰めた肉棒が顔を覗かせているようだ。赤い肉壁がぱっくりと口を開け、その奥から伸び出した棒からは、透明な粘液がじわりじわりと溢れていて。 「う、わぁ……これ、入るのかなー?」 ようやく落ち着いたサテュミアが、僕のモノを見て素直な一言を。凄いなーと言いながら鰭で感触を確かめて、さらにまじまじと近くで見つめられる。 「だ、大丈夫じゃないかな。その、サテュミアも、大分慣れてきたみたいだし」 サテュミアの好奇心も中々ぶっ飛んでいるような気がする。けど、それがサテュミアの良いところだと思うし、そんな活発なサテュミアが僕は好き。 やがて決心もついたのか、サテュミアは再び僕にお腹を見せる体勢に。割れ目はさっきよりも開いていて、僕の棒を待ちわびて蠢いている。 「ね、本当に……本当に、僕で良いんだよね。サテュミアの、その、初めての……相手」 「今更何言ってるのー、ニーシュが良いの! 私、ニーシュのこと、大好きだもん。恋の相手として、ね!」 やっぱり、僕はサテュミアに引っ張られる側なんだなあ、と何だか自分で笑ってしまう。僕の要らない心配も、不安も、全部サテュミアが吹き飛ばしてくれる。 そしてサテュミアの寂しさは僕が吹き飛ばしてあげられる。お互いに、足りないモノを埋めながら、これからも生活していけるんだろうな、と思ってる。 無くした記憶よりも、幸せなあの独りの生活よりも、やっぱり僕はサテュミアの近くに、隣に居たい。記憶でもなく、楽園でもなく。僕は、サテュミアを選ぶんだ。 「ほら、早くー。番になるんでしょ、だったらここはニーシュがびしっとしてくれないと!」 考えに耽る僕に、サテュミアが催促の声をあげる。ひょっとして、案外サテュミアはこういうことも好きなのかな、なんて考えてしまうけれど、たぶんサテュミアのことだから単純に「やってみたい」んだろう。 まあ、僕としてもやってみたいわけだし、あんまり待たせるのも良くないかな。僕のモノも、サテュミアの秘所も、随分と待ちわびてるみたいだし。 先端を割れ目に少しくっつけてみる。それだけでサテュミアが僕を飲み込もうと動いてくる。その割れ目の動きに逆らわず、少しずつ、少しずつ。 ぐちゅり、ぐちゅりと入っていく僕の肉棒。決して細くはないし、短くもない……と思うんだけど。案外すんなりと入っていってしまう。ただ、それも途中まで。 初めての証が最後の砦。ここを通り抜ければ、いよいよ後戻りは出来ない。もちろん、ここで後戻りするなんてあり得ないけど。 「それじゃ、サテュミア……いくよ」 「うん。良いよ、ニーシュ、来て」 ぐっ、と力を込めてサテュミアの方へ動く僕。水中に浮いた状態では、それだけじゃ到底破れはしないけれど。サテュミアも僕に向かって動いてくれる。 数度のチャレンジ。やがて、何かを突き破ってさらに奥へと肉棒が入っていった。割れ目と肉棒の間からは、濁った液体が海中へと流れていく。サテュミアも少し苦しそうな息遣い。 「これで、ニーシュと、ずっと一緒、だよねっ!」 それでも、明るい声で僕にそう話しかけてくれる。そんなサテュミアに、僕はもちろん、とだけ答えて、サテュミアの肌に身を寄せる。やっぱり、サテュミアの温かさは格別だな、なんて思ってみたり。 くるくると回りながら、窟の中をゆらゆらと漂う僕たち。サテュミアの痛みが引くまでの間、僕たちは暫くお互いに繋がったまま、体を寄せて抱き合っていた。 ---- 「ねえ、サテュミア。もう、大丈夫かな」 どれ位の間そうしていただろう、大分サテュミアも落ち着いてくれたようだ。その間も温かなサテュミアの中で固さを保っていた僕の雄。 流石にずっと待ちぼうけは可哀想なので、僕の方からサテュミアに切り出してみた。サテュミアの方もそれなりに準備は出来ているみたいだったし。 「うん、大丈夫! それじゃあとりあえずがーっとやってみようよ!」 がーっと、と言われても一体どう頑張ればいいのか想像が付かない。陸のポケモンなら手を使ったりして結構がしがしやれるのかも知れないけど、僕たちだとそうはいかない。 抜いて差してという単純な繰り返しの動き。それをバランスを保ちながら水中でやるのはなかなか難しいもの。でも、やっぱりやるならそうするしかないわけで。 鰭でバランスを取りつつ、とりあえず肉棒を一度ギリギリまで抜いてみる。ずるり、と大分大きくなった僕の棒が粘液と共に吐き出される。 そして今度は遠慮なしにサテュミアにぶつかっていく。パン、と肌同士が勢いよくぶつかる音。僕のスリットとサテュミアの割れ目が、ちょうど貝合の様に張り付いた。 ひんやりとした水と、サテュミアの中との温度差が激しい。熱く滾るサテュミアの割れ目は、僕の雄から何かを搾り取るようにぐちゅぐちゅと蠢く。 そんな動きに逆らって、僕は再びサテュミアから肉棒を抜き取る。冷たい水、その刺激も今では快感でしかない。これが行為の気持ちよさ、なんだろうな。 大分動きのコツを掴んだ僕は、遠慮なくサテュミアに向かって腰を振る。もちろんサテュミアも僕に合わせて動いてくれるから、行為が中断されることもない。 「ひっ、あっ、あぁっ」 さっきまでの元気なサテュミアとは全然違う、雌らしい、艶やかな嬌声。僕に善がってくれているんだ、と思うと嬉しくなってしまう。 ただただ快感を求めて動き続ける僕とサテュミア。誰も居ないこの海の中、僕たちだけの世界の中で、止めるものなんて何もない。 僕の顔にサテュミアの顔が近づいてきた。少し無理な体勢ではあるけれど、サテュミアは頑張って首を僕の方まで持ってきてくれたらしい。 何も言わず、僕はサテュミアの唇を奪う。動きは続けながら、さらに舌と舌でも僕たちは繋がり合う。サテュミアの味、サテュミアの熱、何もかもが愛おしくて。 「んっ、むぅぅっ」 口を塞がれては声は出せない。行き場のない叫びをあげるサテュミア。とろんと惚けたその目が、快感に浸っているのがよく分かる。 かくいう僕も、たぶん同じような目をしているんだと思う。悦楽に浸る僕もまた、彼女と同じように、もはやまともな考えなんて出来ていない。 ぬちゅり、ぐちゃりと粘液をかき回す音が海を震わせている。あふれ出る粘液は、果たして彼女のものなのか、それとも僕のものなのか。 「っはぁ、あぁ、あう……にー、しゅっ、もっ、だめぇっ」 離れた口から、絞り出すような僅かばかりの声。ぐに、と押し込んでくるサテュミアの割れ目。搾り出す動きで僕の棒が少しずつずれていく。 やがてびくんとひときわ大きくサテュミアの体が跳ねる。外れそうになる僕の雄を、遠慮なく突き立てる僕。堪らずサテュミアは悲鳴を上げた。 「ひああっ、んああああっ!!!」 ぷしゅ、と大きく液体を噴きだしたサテュミア。それと同時にサテュミアの秘所が、僕の雄を止めとばかりに攻め立ててきた。きつい内壁に擦られて、いよいよ僕も耐えられなくなって。 さらに奥へ、と僕の中の本能がそうさせたのか、サテュミアにより一層くっつく形になって、僕もサテュミアに続いて声を上げた。 「さ、てゅみ、っあああああああっ!!」 ぶるん、と僕の肉棒がサテュミアの中で震える。それと同時にぴゅっ、と弾ける僕の精が、サテュミアの中へとどんどん流し込まれていく。 その間も僕の雄には絶えず刺激が走り続ける。少しでも多く、とばかりに僕の雄を搾り取るサテュミア。これがきっと雌の本能、ってやつなんだろう。 絶頂の悦に浸る僕とサテュミア。視線の定まらない瞳でお互いの顔をぼんやりと眺めて、そのまま深く舌を絡ませるキスをする。 とくんとくんと送り込まれる精を、気持ちよさそうに受け入れるサテュミア。その姿に、いつものサテュミアとは違う魅力を感じる僕。 「はぁ、んっ、これ、にーしゅの、あったかいよ」 少し落ち着いた僕の雄。割れ目の内壁の隙間からは、白く濁った粘液が海中へと流れている。ゆらゆらと流れていくそれを、ぼうっと眺めるサテュミア。 ずるり、と抜け落ちる僕の肉棒からも、まだ微かに白濁がにじみ出ている。今日二回目の絶頂だというのに、ずいぶんな量を吐き出したものだ。 サテュミアの呼吸音も大分落ち着いて来た。僕も二回目の絶頂を終えて、ようやく一息と言ったところ。何ならこのまま寝られそうな勢いだ。 「ね、ニーシュ。楽しかった……っていうのも変だけど、楽しかったよね? 私は楽しかったし、嬉しかったよ!」 けれど、サテュミアのこんな笑顔を見せられたら堪らない。不覚にもかわいい、と思ってしまったばっかりに、現金な息子は再びぴくん、と反応してしまう。 それを見たサテュミアが、少し笑いながら僕の顔に軽くキスをしてくる。ひょっとして馬鹿にされてるのかな、と思ったのもつかの間、彼女はとんでもない行為に。 「そう、だね、楽しかった……ひぁっ!」 間抜けな声を出して飛び上がった僕。絶頂の後で敏感になっているスリットの内壁。まだ外に出ている息子共々、サテュミアに舐められたのだから堪らない。 しかもその動きは止まることなく、それどころかどんどんと加速していく。僕の悲鳴が聞こえているのに、全くサテュミアはやめる様子も見せてくれない。 「だめっ、や、ああっ、さてゅ、みっ、ひうっ」 そんな刺激にもきっちりと僕の雄は反応してしまう。結局、臨戦態勢まで大きくなった僕の肉棒。再び入れるべき穴を待ちわびてぴくぴくと震えている。 サテュミアはそんな肉棒を鰭で挟んで、今度は撫でるように、優しく上下に擦っている。もちろん絶頂など迎えられそうにはない微弱な刺激。 「ほら、だってニーシュも楽しかったんでしょ? なら、もう一回ぐらいやろうよっ、ね?」 弱い刺激とそそる声。あ、うう、と答えに詰まる僕。確かに楽しかったのは事実だし、今までの自慰なんかよりも遙かに気持ちよかったのは否定しようがない。 ただ、まだ僕たちは付き合って直ぐのはず。こんなに乱れてていいのかな、と若干の良心が僕を躊躇させている。あんまりこういうのはよくない、様な気もしたりする。 サテュミアの物欲しげな顔を見る限り、純粋に楽しかったから、気持ちよかったからもう一回やりたいだけなんだろう。こういう子どもっぽい所がサテュミアのかわいい所、なんだけどね。 そうこうしているうちに、サテュミアの割れ目が僕の雄を飲み込んでいく。濡れそぼった秘所は、大した抵抗もなく僕の肉棒を再び包みこんでいく。 結局断り切れないまま、僕の雄は完全にサテュミアに飲み込まれてしまった。熱い内壁が僕の息子をなぞる度に、僕の中で何かがかき消されていって。 動き始めたサテュミア。段々と強くなる快楽に、僕もまた溺れていってしまう。サテュミアがやり始めたことだし、お互いにやりたいんだから、きっと悪いことじゃない。 自分自身にそう言い聞かせて、僕は襲い来る刺激に身を任せることにした。どうせなら、サテュミアにとことん付き合ってやろう。何ならサテュミアを鳴かせるくらいに。 サテュミアも案外好き者なのかな、と思っていたけれど、どうやらそれは自分だったようだ。サテュミアはたぶん、純粋な好奇心でやってるんだろうし。 ただ、ここで断ることなんてきっとほとんどの雄は出来ないはず。僕だってきちんと雄だし、今までやってこなかった分、ここでがっつりやってみたい気持ちもある。 ぐちゅぐちゅと飲み込まれては吐き出される僕の雄。その動きに合わせて、僕もまたサテュミアとぶつかっては離れ、を繰り返す。 お腹周りはお互いの蜜やらなんやらでねちょねちょだ。ぴちゃ、ぬちゃとぶつかる度に、湿った音が海へと響き渡る。 止められない動き、終われない行為。僕たちの初めての夜、初めての目合。乱れきった僕たちは、悦楽に染まった瞳でお互いを見つめて、いつまでも繋がり合っていた。 ---- -Writing now.... 書くのもヤるのも勢いって大事。一度付いた勢いは止めちゃ駄目です。ニーシュ頑張れ。 &color(white){ラプラスがえろいのは種族柄だということに落ち着きました。つるぷに。}; 「ほらニーシュ、こっちこっち」 鰭を振りながらひたすら僕を急かすサテュミア。きらきらと降り注ぐ何本もの光に差されながら、僕たちは島の周囲を回っている。 昨日いきなり僕の住処に押しかけてきたかと思えば、やっと池に通じる洞穴を見つけたから、と暗がりの海中へ僕を引っ張り出そうとされたときには流石に焦った。 幾ら何でもこの暗闇の中を当てもなく彷徨うのは少々恐ろしい。もちろん僕の明かりである程度は照らせるものの、行ったことのない場所へ行って帰ってこられる保証はない。 何とかサテュミアには落ち着いて貰って、僕は今日こうしていよいよその抜け穴へと向かっている訳だ。昨日も色々あって寝不足なんだけどなあ。 「サテュミア、ちょ、ちょっと急ぎすぎだって」 サテュミアだって疲れてるはずなのに、あの元気は一体どこから沸いてくるんだろうか。それとも僕の耐久力が無いだけなのかな。比べる対象はいないからわかんないけど。 ともかく見失わないようにと必死でサテュミアを追いかける僕。いつもならなんてこと無いこの水がとにかく重くて仕方がない。やっぱり明日にした方が良かったかな。 けれどもサテュミアがあんなに楽しそうにしているんだから、その期待に応えないわけにはいかない。僕にだって雄としてのそれなりのプライドはある。 勝ち負けではないと思うけど、昨日だって僕が勝ったとは言い難いし、たぶんこれからも勝てないような気はする。だから、こういう別の部分でひとつかっこいいところを見せてみたい。 尤も、もう既にサテュミアに引き離されてる僕が今更そんなことを言っても遅いんだけれど。まともに泳いで勝てたことも無かったな、そういえば。 「ほら、ここここ。私でもくぐれるぐらい大きな穴にしといたんだ。大変だったよー岩を削るの」 ようやく追いついた僕が見たのは、明らかに最近開けました、といった感じの大きな穴。元の穴もそれなりには大きかったんだろうけど、それにしても削りすぎだ。 どうよ、とばかりに自慢げな笑顔を見せる彼女。そのにこにこが僕には若干恐ろしくも感じられる。とりあえず彼女に逆らう事なんて出来やしないな、とは思ったり。 「あのさ、これ……全部"つのドリル"で削ったの?」 「うん、そうだけど? とりあえず思いっきりやってみたから、ちょっとやり過ぎたかもしれないけど……ま、だいじょぶだよね!」 こんな彼女の大胆さに僕は惹かれていたし、今もこんな彼女を可愛いな、と思う気持ちはきちんとある。ただ、もしも喧嘩するようなことがあったら。 その時は果たして無事でいられるのだろうか、とか色々考え出してしまって。結局僕は、彼女に対して引きつった笑いを返すことしかできなかった。 穴はそんなに長いわけでもなくて、少し進めばもう行き止まり。上からは光が差し込んでいて、その先にはきっと、サテュミアの友達たちが。 「それじゃあみんなを集めてくるから、ニーシュはその辺で待っててねー」 くい、と鰭をはためかせて、天井へと上がっていくサテュミア。クリーム色のお腹が光を遮って、その下に陰を作っている。 岩場に生えた苔のせいか、このあたりの水は海よりも少し緑がかって見える。別に汚い水、という訳でもなくて、なんだか不思議ときれいな色だ。 上ではサテュミアが天井の縁でばちゃばちゃと前鰭を叩いている。波打つ天井に光が揺らされて、時折空がちらっと見えてくる。 いくらサテュミアがいるとは言っても緊張してしまう。初めて出会うたくさんのポケモンたち相手に、僕はどうしていればいいんだろうか。 自己紹介、なんて言っても話すことなんてないし、まず僕の姿はみんなから見て変に思われたりしないだろうか。変な顔、って訳じゃないと思うんだけど。 覚えている限りでは、今までサテュミアとしかまともに喋ったことはないわけだし。これから長いつきあいになるんだから、第一印象って大切だよなあ。 うまく喋れる自信もないし、話題だってまだ思いつかない。サテュミアみたいにがんがん喋ることができれば楽なんだろうけど、僕にはそんな技術もないし。 しかも、たぶんサテュミアに告白したって言うポケモンも、サテュミアのことだし呼んでるに違いない。ますます気まずくって仕方がない。 ああもうどきどきしてきた。いくらなんでも、いきなり冷たく当たってきたりはされないだろうけど、一応恋敵なんだよなあ、僕とその仔。 僕が勝った、とは言ってもその仔だってきっとまだ未練はあるはず。僕だったら絶対あきらめきれない。まあ、そもそも告白する勇気ないんだけどね。 ちらり、と上を見やるものの、まだサテュミアがこっちに来る様子はない。まだぷかぷかと天井で揺らいでいる。じっと眺めれば、お腹としっぽの付け根に一本の筋も。 ふっと脳裏によぎる昨日の夜の様子。昨日も大変だったけど、気持ちよかったなあ……じゃなくて。今こんなこと考えちゃいけない。 あの日以来、サテュミアがたまに僕の住処で一晩泊まっていくことが結構あったけれど、その度に体を重ねていたような気がする。 僕としてはもうちょっと節操を持って和やかに、なつもりだったんだけど、サテュミアはなんだかんだでそういうことを気に入ったらしく。 疲れた、といって断ることはできたんだろうけど、サテュミアにあんまり情けない雄だと思われたくもないし、僕だって誘われればそれなりにそういう気分にはなるし。 ただ昨日は僕も一応やんわりやめといたら、って言ったつもりだったんだけどなあ。いつの間にかサテュミアのペースで行為が始まっていて、止められなくなって。 その割にサテュミアは今日も元気だし、やっぱりすごいなあ、と改めて思う。雌ってみんなこうなのかな、どうなんだろう。 僕は当然サテュミア以外の雌のことなんて分からないからさっぱりだけど、たぶんもっと僕みたいな雌のポケモンだっている気がする。 そんな仔となら仲良くなれそうな気がするんだけど、きっかけがないと難しいんだろうなあ。僕自身がそうだから、それはとってもよく分かる。 今日はそんな仔とも会えるのかな。サテュミアもいるし、きっと今日なら仲良くなれそうだなあ。なんて思ってみたり。 でもあんまり雌の仔と仲良くしてたら、サテュミアになんか変な風に思われたりしちゃうのかな。サテュミア、結構いろいろ考えちゃうみたいだし。 そんなことにならないようにしたいなあ、って今から考えるのはちょっと早すぎるかな。仲良くなれる保証がまだないし。 またどきどきしてきた。やっぱりまた明日とかにしたいなあ。焦らなくたって日はたくさんあるし、そんなに多くの仔を一度に呼ばなくたってよかったのに。 ざぶん、と大きく波が立つ。揺れる天井から、サテュミアの陰がどんどんと近づいてくる。おーい、という声。いよいよご対面、ってことかな。 「だいぶ集まってくれたよー。なんてったって私の彼氏の紹介だもん、みんな興味津々みたい!」 と、嬉しそうに笑うサテュミア。僕はもう笑うこともできないくらいにガチガチに。胸から何か飛び出してくるんじゃないだろうか、というぐらいの鼓動。 「あ、あのさ、やっぱ今日じゃなくって、もっとほかの日に、もっとこじんまりと……」 「今更そんなわけにもいかないでしょっ、ほらほら、行った行った」 返す言葉もない。でもやっぱりここから進む勇気が少し足りない。仲良くなれるだろうか、上手く喋れるだろうか、何を喋ればいいんだろうか。 こんな状況だって初めてだし、こんな大舞台だって初めてだ。というと大げさかもしれないけど、少なくとも僕にとってはそれぐらいの出来事。 そんな僕の緊張が伝わったのか、サテュミアは僕の体を数度鰭で叩く。そりゃサテュミアは大丈夫だろうけど、僕はやっぱり、――!? 「大丈夫。みんなニーシュのこと、好きになってくれるよ。だって、私が好きになった相手だもん」 首を巻き付けるようにして、サテュミアは顔を僕の顔のすぐ側へ。いつもの声とは違った柔らかい声で、僕に向かってそう囁いた。 「さ、胸張って行こうよ。しっかりしてもらわないと困るよ、私の旦那さん!」 やっぱり、サテュミアには敵わないな、と思う。出会いからずっとそうだったけれど、サテュミアはとにかく心が強い。 サテュミアは群れを、僕は記憶を無くしてこの場所に辿り着いた。境遇は似ていたはずなのに、サテュミアと違って僕は独りではきっと生きられなかった。 今だって僕にはサテュミアみたいな行動力もないし、相手を励ますこともできないし、度胸だって持ってない。でも、それでいいんだと思う。 そんな僕のことをサテュミアは好いてくれているんだし、そんなサテュミアに僕は心を引かれたんだから。きっと、この関係でいいんだろう。 記憶が戻らなくても、この平和な場所、楽園を離れることになったとしても、僕はサテュミアといることを選びたい。そうしないと、僕は死んだも同然になる。 だって、僕がたった一つ誇れること。たった一つサテュミアに敵うこと。それは、サテュミアを誰よりも大切に、愛せるってことなんだから。 ---- -あとがき 怒濤の忙しさで全く更新できませんでしたが、何とか年内に終わらせることができました。ぎりぎりセーフです( つるぷに水中で書きたいなあという欲望から書き始めましたが、本番以外が長くて非常に大変でした。 特にニーシュ君が一切合切動かない仔なので、なんとかサテュミアちゃんに引っ張ってもらわないといけない始末。 最後までそんな関係の二匹でしたが、きっとこれでいいんだと思います。やっぱり♀×♂ですよ。 なぜ、といわれると困るんですが、ラプラスはきっとそこそこそういうことが好きだと思うんです。 それからつるぷにだとスリットは欠かせません。巷ではスリットにナニをどうするプレイがあるそうですね( またそのうちつるぷにな仔も書きたいなあと思います。スフュールに兄弟とかいないんでしょうかねえ。 それではまたそのうち次回作でお会いしましょう。まだ忙しそうなので、ひょっとしたら次は大会とかの作品になるかもしれませんが。 ではでは、ここまでお読みくださってありがとうございました。 ---- #pcomment(無くした物か、楽園か/コメントログ) IP:119.239.159.113 TIME:"2012-12-31 (月) 03:29:28" REFERER:"http://pokestory.rejec.net/main/index.php?cmd=edit&page=%E7%84%A1%E3%81%8F%E3%81%97%E3%81%9F%E7%89%A9%E3%81%8B%E3%80%81%E6%A5%BD%E5%9C%92%E3%81%8B" USER_AGENT:"Mozilla/5.0 (Windows NT 6.2; WOW64; rv:17.0) Gecko/20100101 Firefox/17.0"