作者→[[kzt]] この小説は&color(red){官能的表現};を含みます。苦手な方はご注意ください。 ---- 全ての事の始まりは、あの一本の電話だった。それまでは特に意識さえもしていなかったが、あの電話がきっかけで再び彼女と会う事になった。もしもあの時、親父の意見を押し切っていたら、彼女とはどうなっていたのだろうか。 最初は唯の物臭な親父とか何とか思っていたけど、今では感謝してるよ、親父。親父のお陰で俺は今、こんなにも幸せなのだから……。 とある退屈な日曜日の午後。部屋の左の窓から差し込む太陽の光が眩しいほど、こんなに良い天気なのに、どこかへ行こうと思っても行く当てがない。だからと言って、家でも何もする事がない。学校で週末に出された課題も終わらせた。親父に暇を潰す相手をして欲しいと頼んでも、あの親父の事だから俺を相手になんかしてくれない。 遂には欠伸も出て、布団に潜り込んで昼寝でもしようと思ったその時だった、ふと、部屋の外から電話が鳴る音が聞こえた。こんな真昼間に電話を掛けてくるのは、俺を遊びに誘うための友達からの電話か、もしくは俺の様な勉強嫌いの学生に対して付けさせる、家庭教師からの勧誘電話だろう。 「おいヒトカゲ、お前に電話だぜ」 親父が俺を呼んだ。という事は、電話の要件は前者だろうか。面倒だが、電話に出るために俺は、椅子にへばり付く腰を上げた。重く石みたいに感覚が麻痺しているようだった。 部屋を出て階段を下りると、一階では親父のリザードンが受話器を片手に持って、俺を待っていた。俺は親父から受話器を受け取り「電話、誰から?」と訊いた。 すると、親父は妙に顔をニヤつかせて「カ・ノ・ジョ」と答えた。そんな親父に少し呆れながらも、俺は電話に出た。 「もしもし、ヒトカゲだけど」 「あっ! ヒトカゲ? ワタシよワタシ。久し振りねっ」 相手の声は、何だか聞き覚えのある声だった。しかし顔が思い出せない。女性特有の甲高い声なのは判るが、どうしても姿が鮮明に出て来なかった。 「えっと…、だれ?」 「もう! ワタシのこと忘れちゃったの? あんなにずっと一緒にいたのに…」 「ごめん、どうしても出て来なくて」 「ワタシよ、チコリータ。これで思い出せた?」 「チコリータ……!」その言葉を聞いて、さっきまでバラバラだった色々な思い出が、一本の糸の様に全て繋がった。彼女の姿、顔、思い出が数珠繋がりに脳裏に蘇り、まるで失っていた記憶を、取り戻したかの様な気分になった。「うん…、思い出したよ、全部」 「ふふっ。よかった、思い出してくれて…」 「ああ…。それで、何か用があるんじゃ?」 「あっ、そうそう、えっと…ヒトカゲは、これから何か予定は入ってるの?」 予定なんてなかった。唯でさえ今は暇なのに。よっぽどの事がない限り、何もする気が全く起きない。 「別にないけど」 「それじゃあさ、これから私の家に来ない?」 「チコリータの家に? うん、特にする事ないから行ってやってもいいけど」 「やったあ! じゃあ早く来てね、待ってるから」恐らく今の彼女は、あの紅くルビーのような瞳を、更に輝かせているに違いないだろう。 「ああ分かった、――ああ……ああ、分かってるって。うん、また後で」 俺は受話器を置き、電話を切った。そしてふと横を見てみると、親父が壁際からひょっこりと顔だけ出していた。多分さっきの電話の内容を密かに聞かれていたんだなと解釈した。 「ヒトカゲ、ひょっとしてカノジョから、デートにでも誘われたのか?」 相変わらず親父は気持ち悪いニヤけ顔をこちらに向けていた。 「まあそんなところだよ」 「ほう、まあ精々頑張れよ、ヒトカゲ」余計なお世話だ、――と親父に一言だけ言ってやりたい気分だった。「それで、今日の作戦は?」 「は?」 「作戦だよ作戦、カノジョをモノにする作戦!」 「作戦とか、ないんだけど」まさかこの親父はチコリータを口説けとでも言っているのだろうか。わざわざチコリータを口説くためだけに作戦を立てるなんてバカバカしい。ましてそんな目的で彼女の家を尋ねようなんて考えてもいない。 「それじゃあお前どうするんだよ、まさかこの大チャンスを目の前にして口説かないなんてないだろうな? このチャンスを逃したらもう一生結婚できないのかもしれないぞ」 「結婚とか大袈裟だよ親父」 親父は横に首を振って、大きく溜め息を付いた。「分かってないな、もしお前が一生独身のままで人生終わったら、オレ達家族の血はここで途切れちまうんだ」親父が滅多に口に出さないことを言っていると、いつもの親父とはまるで別人のようだ。「お前は一人っ子だし、ここで血を切るわけにもいかねえんだよ」 「だったら親父が再婚すれば?」 俺の言葉に親父はしばらく固まったが、直ぐに首を揺さぶった。 「兎に角だな、せっかくのチャンスだ。絶対に成功するにはだな……」どうやらこの大人は、自分の子供に自由ではなく縛りを与えるつもりなのだろうか。困った親だ。「――女っていうのは贈り物、つまりプレゼントとかに弱い。相手がそれに喜んでいる間が告白するタイミングと言っていいぜ」 「プレゼント……か。親父の意見は?」別にあげる物は食べ物でもそうでなくても結構かもしれない。 「そうだな……アレだったら上手く行くかもな。ちょっと待ってろよ」そう言うと親父はその場を離れて何かを探し始めた。さっき言っていた“アレ”がとても気になる。 暫くして親父が戻ってきた。手には何か赤い紐のようなものを持っていて、俺に差し出した。 「何だ、これは……」 「これはオレのお袋の形見のリボンだ。コイツを使え」 「か…、形見ってそんな簡単に他人に渡しちゃってもいいのかよ」 「いいんだよ。オレが生まれて数ヶ月で死んじまったから、お袋の顔なんて知らないようなものだ。ただ、オレの親父が二十年前にこのリボンをお袋にプレゼントしてプロポーズしたらしいけどな」 「それじゃあ、もしかして親父もこのリボンを使って…」 「いや、オレはその……お見合いだったからな」俺が珍しく物に対して特別な感情が入りかけていたのに、さっきの言葉で瞬時に冷めてしまった。「まあとりあえずそれはお前にやる」 俺は親父からリボンを受け取った。炎のように赤くて、それでいてしなやかだ。かなり使い込まれているせいか、握った瞬間柔らかい感触が掌に広がった。 でもこれでチコリータに告白すれば本当に上手く行くかもしれない。俺に少しばかり勇気が湧いてきた。 チコリータの家に着いた時は、とっくに太陽が西に向かい始めていた。 つい二年ぐらい前までは、ほぼ半月に一回のペースでこの家に通いづめだった事を思い出すと、心という物は時には大きく変わってしまう物なんだなと感じる。 俺は門の横にあるインターホンのボタンを押す。“ピーン”と鳴って、指を離すと“ポーン”と音がした。 家の誰かが応答に出るまでの間、妙に緊張するのは何故だろうか。久し振りにチコリータと会えるのは勿論嬉しい。だが、反面どんな顔で会って良いのか、即座に答えが導き出せなかった。 『カギなら開いてるよ、入ってきて』 今のは声の高さからしてチコリータ本人の声だろう。今日は日曜だから彼女の両親も居るはずだ。 門を開けて敷地に入る。この白い家。右の奥に見える庭。全てが何一つ変わっていなかった。 玄関へ通じる扉の手すりに手を掛け、力一杯引くと、扉は開いた。そして開くと同時に緑色の物体が俺に飛び込んできた。 突然の事で反射的に腕を出して受け止めたそれは、俺の幼馴染で頭の葉っぱがトレードマークの女の子、チコリータだった。 「チ、チコリータ、いきなりびっくりするじゃないか」 「えへっ、久し振り、ヒトカゲ。元気だった? あれ、何持ってるの?」 「い、いや、何も持ってないけど…」このリボンは彼女に告白するまで見せないでおこう。 俺は元気だという事を伝えると、彼女に家の中に案内された。チコリータの親も、二年振りに遊びに来てくれた俺の事を歓迎していた。 二階のチコリータの部屋は相変わらず特徴的だった。部屋のありとあらゆる家具の色に、緑系の色が使われているのだ。奥にあるカーテン、床の絨毯、壁紙、本棚、更にはベッドにまで緑に染まっていた。しかもそれぞれ微妙に違う緑色で、薄かったり、濃かったりと、彼女の緑色に対する好意と拘りが見てわかる。 「何か飲み物でも用意するね」 チコリータはそう言って部屋を出て階段を下りていった。俺は今の内にテーブルの前の座布団の下に、持っていた赤いリボンを隠した。 それにしても部屋がよく片付けられている。テーブルの上には埃なんてないし、ベッドの布団も綺麗に畳んであった。 個人の部屋というものは、使用主の性格がこんなにもはっきりと表れるものであることを、彼女は俺に教えてくれた気がした。 決して俺の部屋は汚いわけではない。ただチコリータのと比べてみれば、見習うべき所が沢山あった。 そんなことを考えていると、ゴミ箱が俺の目にとまった。勿論これも緑色の物体の一つだ。もし中に捨てられているゴミも緑色の物だったら傑作だが、流石にそれはなかった。中には丸まった白いティッシュが入っていたのだが、妙な事に量が多く、山のようになっていた。チコリータはゴミ箱にゴミを溜めることはあまりなく、多くてもティッシュが五つや六つ点々と入っているだけのはず。 俺はどんなに思い巡らせても、結局“ハテナマーク”しか出てこなかった。 その後はチコリータが持ってきてくれた温かいココアを飲みながら、新しく始まったお互いの高校生活について、数十分間話し合っていた。 「ふーん、それじゃあヒトカゲも順調なんだ」そう言いながらチコリータはココアの入ったマグカップを口に付けた。 「まあね、友達も結構出来たし」 「友達ね……。みんな同性の友達?」 「ああそうだよ、女の子の友達なんて居ないさ」目の前のマグカップに入ったココアには、俺の顔がゆらゆらと映っていた。 「そっか、ふう…」今一瞬チコリータが安心したような表情を見せたと思ったのは、気のせいだろうか。 「でも…」 「でも?」チコリータがオウム返しに聞き返す。 「告白はされたよ、一回だけ」 この一言で彼女の顔から汗が一滴落ちた。「ウソでしょ…? 断ったんでしょ?」 「勿論、俺の好みじゃなかったから断ったよ」 「よかったぁ……」 何が“よかった”のやら。 すると突然チコリータが、くしゃみをした。今気付いたけど、だいぶ気温が下がってきて、少し肌寒く感じる。どうやら外の太陽が雲に隠れてしまったらしい。 チコリータが心配になってきた俺は、「寒いのだったら、ストーブを出したり、暖房をつけたら?」と言った。 「大丈夫、そんなのよりも、もっと温まる方法があるから」 「えっ、何? ――ッ!?」 ストーブも暖房も無しで温まる方法を考えようとしたその時…、俺の身に何が起きたのか分からなかった。視界が突然勝手に上を向き、俺はバランスを崩して後ろに倒れてしまっていた。 「…ってて……」身体を起すと、チコリータが俺の胸にしがみ付いていた。あの時、彼女に伸し掛かられたんだろう。いや、タックルされたと言った方がいいかもしれない。「ちょっとチコリータ、なんなんだよ…いきなり」 「ヒトカゲって、温かいね…」 「は、離れろよ…、重いよチコリータ」何とか引っぺがそうとしてみるが、彼女も力を入れているのか、ビクともしなかった。 「やだ」 「なっ…! いい加減にしろよ!」 流石にちょっと怒鳴り過ぎてしまったと思ったが、これぐらいはしておかないと、俺の中の堪忍袋が治まりつきそうになかった。 「わ……の…………い…?」 「…………ッ!? なん、なんだよ……」 チコリータが何か言ったのかが上手く聞き取れなかった。 「ワタシの事、嫌いなの…?」 「チコリータ?」 「ヒトカゲは私が嫌い…?」 「嫌いっていう訳じゃないけど…、どうしたの?」いつの間にか怒りたい気持ちはどこかへ行ってしまった。 「ワタシはヒトカゲが好きなのに、それなのに」彼女は顔を上げた。瞳から大粒の涙が出て、彼女の頬を伝っていた。「――どうしてヒトカゲは答えてくれないの?」 「答えるって…」 「あのね、ワタシ、ヒトカゲがワタシの入学したK高校とは違う、I高校に入学したって知った時、凄く悲しかった。ううん、それだけじゃないの、寂しかったし何より、もう会えないのかもしれない、って思ったの。今日こうして再会できたから嬉しくて……」 「チコリータ、――俺と久々に会えたのが、そんなに嬉しかったのか…」彼女の気持ちを分かっていなかった自分を、何だか惨めで情けなく感じてしまった。「悪かったよ、チコリータ。頼むからもう泣かないでくれよ……」 彼女のルビーの瞳から溢れる涙を、俺は指で払いのけてあげた。 「そうだ、チコリータにプレゼントがあるんだ」俺は親父から貰ったリボンの事を思い出した。 「プレゼント?」 俺は身体を起して自分が座っていた座布団の下に手を入れて、隠していた真っ赤のリボンを取り出した。 「これって――リボンね。綺麗な色……」 「うん、チコリータにあげようと思って、持って来たんだ」 「結構高かったんじゃない…?」 「い、いや…その……まあね」どうやら彼女は買った物だと勘違いしているみたいだ。しかしながら、これは親から貰った物だ――なんて、俺には伝えられる勇気もなかった。「このリボンはチコリータにあげるよ。どうかこれで機嫌を直してくれ……」 「ぐすっ、もういいのよ、分かってくれたから。それより、ワタシに付けてくれる? そのリボン」 「ああ、分かったよ。どこに付けたらいい?」 チコリータは暫くの間考え込んでいたが、「一番付け易いと思う所で良いよ」とだけ言った。 一番付け易いといえば、やはり頭の葉っぱの根元部分だろうか。と言うよりもやはりここにしか付けられないと思った。 付ける場所を決めたした俺は、早速チコリータの葉っぱの根元の部分にリボンをまいて、結んだ。蝶結びなんて普段滅多にしないから少々時間が掛かったものの、自分なりに上手く付けられた。 「どう、似合う…かな?」 「わぁ…よく似合ってるよ。何と言うか、凄く可愛いよ…」 チコリータの表情は、春が訪れたようにパッと明るくなり、俺の胸に抱き着いてきた。「ありがとうヒトカゲ。ワタシ嬉しいよお…!」 自分の頬が熱くなるのが分かる。 「喜んでくれて良かった」 チコリータは顔を上げると、両前足を俺の項に回して、彼女自身の唇と俺の口を重ねてきた。 「好き、ヒトカゲ…」 「俺もチコリータが大好きだ」 俺も自分の腕を彼女に回し、簡単には離れない様にした。これでもう暫くは彼女とのキスを楽しめる。そんな気がした。 チコリータは舌を俺の口に捻じ込ませ、舌と舌を絡ませてきた。絡み合うたびに厭らしい水音が口一杯に響く。お互いの唾液は混ざり合い、もっとドロドロな液になって、粘り気も増す。そして彼女がその柔らかな唇を離すと、俺とチコリータとの間に、唾液で出来た糸が引いた。 俺もチコリータも息が上がって、冬だと言うのに身体の至る所から汗が流れ出る。彼女の頭の葉っぱから醸し出す甘い香り、滲み出る大人顔負けの色気、物欲しそうな瞳の眼差し、全てが俺を興奮させる。そのせいで、何時の間にか俺の股間のスリットからは、真っ赤なモノが飛び出し、その先端がチコリータのお尻と接触していた。 「ヒトカゲ、もしかして興奮してるの? ヒトカゲのおちんちんがおっきくなってるよ……」 「は…、恥ずかしいから、そんな事を声に出してに言うなよ…」 「むぅ、だって…、ワタシは男の子の性器を見るの初めてだから…。それにこんなの見ちゃったらワタシもムラムラしてきちゃうじゃない…」 自分でも、こんなにも興奮したのは初めてだった。ちょっとやそっとでは直ぐには治まりそうに無いかもしれなかった。 俺達はその後ベッドに上り、上からはチコリータが俺を見下ろしていた。 「ヒトカゲ、もう出ちゃってるよ? 先から」 「わざとそんな事言うなってば…。唯でさえ恥ずかしさで押し潰されそうなのに…」 硬くなってピンと立ったモノからは、もう既にフライングした透明の先走りが、亀頭から出ていた。 「ふふふっ」チコリータは笑みを零しながら、俺のモノを口に咥え込んだ。 「くっ…!」 咥えられただけなのに、股間から脳天に掛けて電流が流された感じだ。その程良い快感に、思わず側にあった彼女の枕を強く握ってしまった。 チコリータがモノを舐める度に、俺は身体を震わせる。 「ねえひとかげ、きもちいい?」 彼女はモノを咥えているせいで、上手く呂律が回りきっていなかったが、言っている事は分かった。 「ああ、すっげえ気持ち良い…。おかしくなっちまいそうだ…」 「これからもっときもちよくなるよ、がまんできるの?」 「我慢…、してみるさ」 それを聞いたチコリータは、咥えるのを止めて今度は懸命に舐め始めた。根元から上へ舐めたり、先端を集中して舐めてみたり…。 しかし、我慢をすれば必ずやって来る、限界の二文字。俺にもいつ限界が訪れるか分からない。だが確実にそこへ近付いている。 「はぁはぁ……チ、チコリータそろそろっ…、で…出そう! ぐぁああッ!」 「えっ? きゃぁっ!」 モノの先から白く濁った体液が、水鉄砲のごとく吹き出し、チコリータの顔を白く汚した。俺は直ぐに身体を起し、「わっ! ご、ごめん…」と彼女に謝り、顔に掛かった精液を舌で舐め取ってあげた。 「いいよ…ヒトカゲ、自分でするから。――その、ありがとう…」 「次はチコリータが横になってよ。今度は俺が攻めるから」 「うん…」 チコリータは俺との場所を代わって、次は彼女が横になった。 「脚、広げて?」 「うぅ、でも恥ずかしいよ…」 「俺もさっきまで、あんなに恥ずかしい思いをしてたんだよ?」 「…分かったわよ……」そう言い、彼女は両脚を広げ、秘所を露わにした。しかし、その瞬間頬を染めて、前脚で顔を隠してしまった。 溜まった唾を飲んで、俺は彼女の下半身を弄り始める。プニプニで柔らかなお腹を触り、股座へ掌を這わせる。「へぇ…、女の子のココってこうなってるんだ…」 初めて見る物に好奇心が湧いてくる。射精を終えて興奮も少し治まっていたはずなのだが、チコリータの綺麗な縦穴を見ていると、また下半身のモノが欲情して硬くなりだす。 俺はチコリータの縦穴を指でなぞる。それに釣られて彼女は堪らず声を上げる。今度は外側でなく、穴の中に指を入れてみた。弄る度にくちゅくちゅと厭らしい水音が出て、縦穴から徐々にネットリした愛液が溢れ出てくる。 「これだけ濡れれば、もう入れても大丈夫だね」 「やっぱり…入れるんだ…」チコリータは心配そうな表情をこちらに向けた。 「怖い?」 「怖い……けど、ヒトカゲだから、何されても怖くないよ」 「そっか」俺は再び硬くなったモノを片手で持って、その先端を柔らかな縦穴に宛がった。「いくよチコリータ」 下半身に少しずつ力を加え、膣の中にモノを押し進める。締め付け具合が少しきつめなのが逆に丁度良く、フェラをしてもらった時よりも、凄まじい快感が全身に及んだ。 「ひゃぁ…! ヒトカゲの熱いおちんちんが入ってきてるよぉ…!」 「んんっ…、やばっ…」 あまりの気持ち良さに、ちょっと油断しただけで直ぐにまた二度目の射精が訪れてしまいそうだ。今は何とかして意地でも耐えておかなければ。 チコリータの奥にある程度進んで行くと、弾力のある処女膜に到達した。彼女と本当の意味で繋がるためには、ここを突破しなくてはならない。 「チコリータ、少し痛いかもしれないけど、我慢できる?」 「うん、ワタシ頑張るから…」 「そっか。それじゃあ、いくよ…」俺は一度深呼吸し、股間に力を溜めた。「いち…にの……さん!」と言う合図で、渾身の力を込めて彼女の膜を一突きした。 「んうぅっ!」 膜が破れた瞬間、俺はチコリータを抱き締め、少しでも痛みを緩和できるようにした。効果は今一つ無いだろうが、彼女を守ろうとして反射的にした行動だった。チコリータも、咄嗟に俺の身体に前脚を強く回し、痛みを必死に堪えていた。 あれから俺にとっては長い時間に感じたのだが、実際には数十秒しか経過していない。密着させていた身体を離し、チコリータに膣がまだ痛むかを訊いた。 「平気…、平気だから、続けてヒトカゲ」 俺は頷き、ゆっくりと腰を引く。そして再度腰を深く落として、奥までモノを突き挿した。突く度にそのサイクルのスピードは徐々に上がる。額からは汗が吹き飛び、尻尾の炎も更に熱が上がる。チコリータが身に着けたリボンは俺の動きに合わせて揺れていた。 「はぁっはぁっ、おっ…おくにあたってるぅ…、ヒトカゲの――お…おちんちん…」チコリータは縦穴からの刺激が気持ち良いせいなのか、口を小さく開けて放心状態になっていた。理性もだいぶ崩れ、性的快楽を求め続ける淫らな生き物と化していた。「ひゃあっ、あっ…あっ…、やぁ……んっ」 「はあはあっ、チコリータの中…、きつくていいよ…」俺とチコリータとの結合部から、彼女の愛液が湧水のようにことごとく溢れ出している。「チコリータは…、えっちだなぁ」 「やっ…あん…! ――ヒトカゲが激しくするから…」 「うっ、ぐっ…、も…、もうすこしでイッちゃいそうだ…!」 「ヒトカゲ…、なっ、なかで出してっ……おねがい」 「わっ、分かったよ…、はあ…はあっ」 チコリータの願い通りに膣の中に入れたまま、俺は籠っていた力を解放し、腰を上下に動かしながら精を放った。 「やぁん…ヒトカゲの精液、あったかい…」 二回目とは無関係に量が多く、彼女の子宮を精液で一杯にする。入り切らない分は結合部から漏れて、ベッドのシーツに全て染み込んでいった。 虚しく射精が終わると、チコリータの膣から自分のモノを引き抜く。存分に快感を味わったからか、モノは軟らかさを取り戻して大きさも元に戻っていた。だがセックスで体力を使いすぎてしまったのか、思うように身体を操れない。俺は尻餅を付いてぼんやりと目の前を見つめていた。 「えへ、もうお腹いっぱいだよぉ」チコリータはすっかり膨れきった妊娠したような腹部を摩った。「ヒトカゲ大好き……!」 薄暗い玄関から扉を開けると、冷たくて凍てつく冷気が俺達を襲った。外は月が金色に輝き、白い雪がちらりと空から降っていた。地面に二、三ミリ降り積もった雪が、少し前から既に降っていた事を物語っている。 「うわぁ、いっぱい降ってるな…」 「初雪ね」 「寒いね、ずっとこんな所にいたら風邪引きそうだよ」 「ふふっ、ワタシは寒くないよ」 「えっ?」俺は炎タイプでチコリータは草タイプ、寒さに弱いのは寧ろ彼女の方のはず。それなのにチコリータよりも俺が凍えるのはおかしい。 「だってヒトカゲがワタシを暖めてくれたんだもん」彼女が俺に寄り添うと、確かに感じられたチコリータの温もり。 「本当だ、温かいな…」 俺はチコリータを抱き締め、口付けを交わした。これからも時々逢瀬を楽しみ、ずっと愛し合うという俺なりの約束だ。 「またね、また絶対来てね……」 「そうだな、次はクリスマス辺りにでも来ようかな」 「うん。ヒトカゲ、今日はありがとう。この赤いリボン、一生大事にするから……!」チコリータは頭の葉っぱを揺らして俺に気持ちを伝えた。 「それじゃ……」俺は今にも凍り付いてしまいそうな門を開けて、彼女に別れを告げた。 チコリータは門から飛び出して、寂しそうに手を振っていたが、直ぐにまたいつもの笑顔に戻っていた。 夜空の中、一際目立って輝く上弦の月は、薄い雲に隠れそうになっていた。俺は月が雲に覆われる様子をまじまじと見続けながら、白い息を大きく吐いた。 おわり ---- コメントや誤字の指摘はこちらで #pcomment 削除 IP:111.89.30.102 TIME:"2015-05-24 (日) 14:20:58" REFERER:"http://pokestory.dip.jp/main/index.php?cmd=edit&page=%E7%82%8E%E3%81%AE%E3%83%AA%E3%83%9C%E3%83%B3" USER_AGENT:"Mozilla/5.0 (Windows NT 6.1; WOW64; Trident/7.0; rv:11.0) like Gecko"