ここは作者の勝手な考えに基づいて書かれた小説です。 とあるゲームの世界観を壊されたくないという人はお控えください。 ---- ここはとあるゲーム世界の話。どこかの色々なゲームから沢山の人が技などを競って戦う世界。 そんな世界で初めて来た新人の一人のトレーナーがいました。この話はそんなトレーナーを語ったお話。 「えっと・・・次の試合があるまでは全然時間があるな・・・。」 そのトレーナーは試合が終わり、次の試合の時間が掲載されている電光掲示板を見ていた。どうやら言葉にも言った通り試合までには時間が大いにあるらしく、少しほっとした様子で一息ついた。 「良かった~。あんまり試合ばっかりあると疲れちゃうものな~・・・。と言っても僕はただあの三匹に指示だしてればいいだけなんだけども。」 独り言を呟きながらトレーナーは自分の部屋へと戻っていく。部屋に戻れば、被っていた帽子を脱いで部屋にあるベッドの上にポイッと投げ置く。トレーナーは服を着替えずに帽子を置いたベッドの上に仰向けに寝転がった。 「今日も良い結果は出せなかったなぁ・・・。やっぱり僕の指示が下手なんだろうか・・・?」 トレーナーはまた独り言を呟く。どうにも最近の試合で良い結果を出せていないのが悔しいらしく、自分に対して被虐的な事ばかり言いかけていた。新人だからという理由では通じない。それだったら他にも新しく出てきて活躍をしている奴なんて沢山いるのだから。トレーナーはそう考えるたびにため息がひとつ、またひとつと出てきた。 「どうすればいいのかなぁ?あの三匹にも聞いてみようかな。」 そう言ってトレーナーはベッドから上半身を起こして近くにあったボールの三つを空中に投げる。すると三つのボールから赤いビーム状のものが出て地面につき、次第にその赤みがそれぞれの三匹の形や色に変わっていき、やがてはある三匹を実体化させる。一匹はトレーナーよりも大きくて、オレンジ色の体をしたドラゴンのようなポケモンで、もう一匹は体に草を生やしていて体が緑色の四足のポケモン。最後には甲羅を纏っていて、体が水色の亀のようなポケモンがトレーナーの前にその姿を現していた。三匹はトレーナーの方を見て不思議そうな顔をする。そこでさっきのドラゴンのようなポケモンが口を開いて言った。 「どうしたのですか?マスター。」 「いや、ちょっと君たちに聞いておきたいことがあってさ。」 トレーナーが俯いて頭を掻きながらそう言うと、今度は亀のようなポケモンがトレーナーの膝の上に乗って興味津々な顔で聞いてきた。 「何?何を聞くの?」 「うん、さっきの試合のことなんだけど・・・」 トレーナーが試合のことを話そうとすると今度は四足のポケモンが亀のようなポケモンを蔓で降ろしてから自分がトレーナーの上に乗っかってトレーナーの方を見る。 「で、試合のことが何だって?」 「えーっとね・・・さっきの試合でさ・・・」 「ちょっと~!!フシギソウ、ずるいよ!!先に僕がご主人の膝の上に乗ってたのに~。」 「ゼニガメはいつもご主人に甘えてるからいいでしょ?私だってたまにはご主人の膝の上に乗りたいの。」 「えっと・・・お二人さん?僕の話を・・・」 トレーナーがいざ話そうとするとゼニガメと呼ばれたポケモンがフシギソウと呼ばれたポケモンに対して文句を言う。それに対してフシギソウはゼニガメに反論する。そう言うと再びゼニガメが反論をする。 「僕はそんなにご主人に甘えてないよ~!!ただ近くに行って擦り寄ってるだけだよ!!」 「それが甘えてるって言うの!!」 「ははは・・・どっちも僕の話は聞いてくれないのかな~?」 弱冠涙目になってきているトレーナーをよそに、二匹は言い争いを続ける。いつの間にかフシギソウはトレーナーの膝の上から飛び降りてゼニガメと睨み合っていた。トレーナーはあまり被害にあわないようにとベッドから少し離れてテーブルの方へと向かい、椅子に腰かける。それでもトレーナーがいなくなったことにも気付かずに二匹は言い争いを続けていた。 トレーナーが再び大きくため息をついていると、テーブルに湯のみが置かれる。トレーナーがそのことに気づいて置いてくれた人を確認する。そこには先ほどのドラゴンのようなポケモンがトレーナーを見て笑みを浮かべていた。 「あっ、ありがとう。リザードン。」 「いいえ、どういたしまして。」 リザードンと呼ばれたそのポケモンはトレーナーと同じように椅子に座る。ある程度の体重に耐えられる椅子に座っているからそこのところは気にしなくても大丈夫そうだった。そして椅子に座ったリザードンは自分にもお茶を入れていたのか、湯呑みを器用に持って啜る。それにつられてかトレーナーもお茶を啜った。 「ん・・・美味しいね・・・。」 「それは良かった。私の手では少し入れるのが難しかったから苦労しましたけど・・・。マスターが喜んでくれたなら良かったです。」 「ごめんね。本来なら僕が入れなきゃいけないんだけど・・・。」 「気にしないでください。私が勝手にやったことですし、それに今日のマスターは少し元気なさそうでしたから。」 「はは、やっぱり分かっちゃうんだ。そうだよね、リザードンが一番付き合いが長いものね。」 リザードンはトレーナーの言葉を聞いてしみじみとした様子でゆっくりと頷いた。それから少しだけ穏やかな沈黙の時間が流れた。 この時トレーナーは今だったらリザードンになら話せるのではないかと思い、少し重い口を開いてリザードンに言った。 「あのさ、リザードン?」 「ん?何ですか、マスター。」 「今日の試合のことなんだけどさ・・・」 と、トレーナーが続きを言おうとしたその時だった。横から何かがトレーナーの顔に当たり、直撃をモロに喰らう。 「っ痛ててて・・・。」 「大丈夫ですか!?マスター!!」 「いや、気にしなくていいよ。そんなに酷くはないから・・・うぷっ!!」 トレーナーが言ったその時、またトレーナーの顔に何かが当たる。当たったものは枕だった。枕はしばらくトレーナーの顔に張り付いていたが、やがては重力に沿って下にドサッと落ちる。どうやらこの原因はあの二匹のようだとトレーナーは瞬時に悟った。何やら凄い音がしていると思って二匹の方向に首を向ければ、案の定二匹は乱闘していた。さっきあれほどの大乱闘をしていたのに、まだ戦えるのかと思うとポケモンの能力は凄いんだなとトレーナーはあらためて実感した。 フシギソウが蔓で部屋の色々な物を掴んで投げる。それをゼニガメが水鉄砲で弾き飛ばす。ぱっと見、新しい修行法に見えなくもないが、実際はただの乱闘。被害はほとんどこちらに向かってきているわけだ。そこでまた新しく物が飛んできたのをトレーナーは間一髪のところでかわす。 「どうしよう、あの二匹・・・。」 「ああなったら収まるまでやめそうにありませんね。」 トレーナーが呆然と立っている中、リザードンは呑気に茶を啜る。まさに「我関せず」とはこの事を言うのだろう。いくら性格がおだやかとは言え、ここまでおだやか過ぎると意外と困る。トレーナーとしてはあの二匹を止めてほしかった。だけど二匹の喧嘩が激しすぎてそっちの方を見ていないと自分が危なかったからトレーナーは言うにも言いだせなかった。 トレーナーは仕方ないので自分の力でどうにかしようと二人にじりじりと近づいた。どうにも二匹はいつの間にかトレーナーの話から今日の試合のことで喧嘩をしているようだった。 「大体今日の試合だってあんたが二回も落ちたんじゃないの!!」 「それを言ったらフシギソウだって三回もスマッシュ攻撃されてぶっ飛んだんじゃないか!!」 「あれは私に交代したときにすでにダメージが蓄積されてたからしょうがないでしょ!!」 「お~い、お二人さーん・・・喧嘩はそれくらいにしておいてさ・・・わぷっ!!」 本日三度目の顔面直撃がトレーナーの顔にヒットする。そこでトレーナーは当たりどころが悪かったのかくらっと横に倒れてしまった。薄れいく意識の中で三匹の声が小さく聞こえたトレーナーは答えることもできずにそのまま目を閉じてそこで意識が途絶えてしまった・・・。 それからどれくらいの時間が経ったのか分からない。気がつけばトレーナーはベッドの上に寝かされていた。はっと気がつくと目の前には心配そうな眼差しをトレーナーに向けている三匹の顔がトレーナーの目に入った。目を開けたことにほっとしたのか三匹は嬉しそうにする。トレーナーは上半身を起こしてから額に手を置いて頭を左右に振り、意識をはっきりさせる。 そしてトレーナーは部屋の時計に目をやる。時間はすでにさっきの時刻から二時間も経ってしまっていた。トレーナーはベッドからはね起き、急いで何かの準備をする。 「大変だ!!試合がもう始まっちゃうよ!!三人とも準備しt・・・」 トレーナーが焦りを見せていても三匹はまったく動こうとしなかった。それどころか、急いでバッグを取ろうとしたトレーナーの腕をリザードンが掴む。トレーナーは驚いた様子でリザードンを見るが反面、リザードンは落ち着いた様子でトレーナーを見る。そして自分の体に引き寄せてトレーナーを抱きしめた。 「ちょっ・・・リザードン・・・?」 いきなり何をされたのか理解できないトレーナー。しばらくリザードンに抱かれ続けて顔が火照っていくのを感じたトレーナーは顔を上に向けてリザードンを見て言った。 「リザードン。そろそろ離して・・・。本当に試合に遅れちゃうよ?」 「気にしないで、ご主人。今は試合のことは忘れて?」 「な、何で?」 リザードンに対する質問にフシギソウが答える。トレーナーは訳が分からなくなりつつも、無理矢理リザードンから離れ、今度はフシギソウの方を見て言う。 「ご主人は今悩んでない?これまでの試合のこととかで・・・」 「・・・!!どうしてそれを・・・」 「分かるよ。だって僕たちはご主人のポケモンだもの。」 フシギソウが言って、トレーナーが何故と問えば今度はゼニガメが答える。トレーナーは三匹に囲まれながらその状態におろおろしていた。 「マスターはもしかして自分のせいで私たちが負けているとか思ってませんか?」 「・・・・・」 「だとしたらそれは大間違いです。」 「えっ・・・?」 トレーナーが今度はリザードンの方を見て問う。リザードンはニコリと笑ってトレーナーを見る。すると今度はゼニガメが言った。 「僕たちはご主人の選択が誤ってるとは一度も思ってないよ。いつも最善の方法を考えて僕たちをそれぞれ使ってくれてることだってちゃんと分かってるんだから。」 「ゼニガメ・・・。」 「私たちはご主人にずっとついて行くって決めたんだもの。たとえ試合で負ける結果に繋がったとしても私たちは後悔なんてしない。だってそれはご主人が決めたことだから。」 「フシギソウ・・・。」 「だからご主人も迷わないで。負けたとしても次は勝てるかもしれないじゃないですか。負けたことに後悔するよりも、次にどうすればいいかを考えればいいんです。私たちも相談に乗りますから・・・ね?」 「リザードン・・・。」 三匹それぞれから言われてトレーナーは思わず一粒一粒涙を流してしまう。三匹はそんなトレーナーを見てそれぞれトレーナーに擦り寄る。ゼニガメは体をよじ登って首元に。フシギソウは足に。リザードンは前から抱きつくようにとそれぞれがトレーナーへの好意を表した。しばらくリザードンの胸に涙を流し続けていたトレーナーは泣きやんでから三匹を見て言った。 「ありがとう、三人とも。おかげで悩みはどっかへ行っちゃったよ。」 「それは何よりです。」 「よかった。ご主人が元気になってくれて。」 「私の当てたものの打ち所がよかったんじゃないの?」 「いや・・・それは違うと思うよ・・・。」 トレーナーはそう言ってからクスッと笑ってそれぞれ三匹の頭をやさしく撫でた。久しぶりにやったからなのか、トレーナーは胸のどこかで温かいものを感じていた。 トレーナーはそう言ってからクスッと笑ってそれぞれ三匹の頭をやさしく撫でた。久しぶりにやったからなのか、トレーナーは胸のどこかで温かいものを感じていた。三匹もまたそうやってトレーナーに頭を撫でてもらったからか、目を細めて嬉しそうな顔をしていた。その三匹の無邪気に笑うような顔はトレーナーの心を思わずドキッとさせた。 (改めて見るとこの三人はポケモンだけど、人間でいえば可愛い部類に入るんだろうか・・・?) トレーナーはそう思いながら無意識のうちに三匹の顔を見る。嬉しそうな顔をしていた三匹は途端にきょとんとした表情に変わる。そこで先に口を開いたのはフシギソウだった。 「どうしたの、ご主人?ぼーっとしちゃって・・・。」 「ふぇっ!!?あっ、いやっ、なんでも・・・なひっ・・・!!」 ぼーっとしていたトレーナーはフシギソウに声をかけられてようやく我に帰る。トレーナーは三匹をもう一度見てから手を前に出して両手を左右にばらばらに振って明らかに挙動不審とも言えるような感じで言葉を発する。だが、顔を真っ赤にしていてはまったく説得力はなく、逆に三匹の心配を高めたようで、一番の心配症でもあるリザードンがトレーナーの額に自分の額をくっつけて熱を計りはじめた。トレーナーはそれにさらに反応して顔を赤く染め上げていく。 「あぁ、やっぱりマスター少し熱い・・・。」 「ちょ・・・っと。リザードン、お願いだから離れて・・・。」 この時から少しずつトレーナーは意識し始めていた。この三匹がそれぞれ一人の雌であり、女であることを。そのうちの一匹が今目の前に、もの凄く近い距離で額を合わせあっているのだから溜まったものではない。トレーナーは息を少しずつ荒くしながら体を震わせる。少しずつ汗が体から滴り、服を濡らす。顔からも滴っては顎のあたりまで垂れて床へと落ちる。 そんな様子を見てはリザードンと同じように他の二匹までもが心配そうな顔をトレーナーに向ける。 「ご、ご主人・・・もしかしてさっき当たったものが悪かったのかな・・・?」 「ちが・・・うよ。フシギソウ、これは・・・」 「とにかくご主人をベッドに寝かさないと!!リザードン、僕じゃ無理だからお願い。」 「分かってる。さぁ、マスター・・・?」 リザードンは額を離したと思いきや今度はトレーナーの体に触れる。 それと同時にトレーナーは体をびくっと震わせてしまい思わず目をつむって手を前に押し出す。 「だ、大丈夫だからっ!!離れてっ!!」 ーふにゅっー その時、リザードンを軽く押したつもりだったトレーナーの手に何やら柔らかいものが当たる。確かな熱を帯びているその何かは間違いなくリザードンのものだとトレーナーは瞬時に悟った。 (まさか・・・) トレーナーはつむっていた目を恐る恐る開く。トレーナーの恐れていたことが目の前に広がっていた。 手に触れたものはリザードンのふくらみのある胸だった。しかも軽く触れていたはずだったのにいつの間にかトレーナーの手はリザードンの胸をしっかりと掴んでいた。 「ま、マスター・・・っ。」 「わぁぁぁっっ!!ご、ごめんっ!!そんなつもりじゃ!!」 トレーナーは掴んでいた手を即座に離す。まだ手には微かな温かみが残っていたが。 そしてリザードンは体ごとトレーナーから背けて頬のあたりを真っ赤に染め上げてから、ちらりとトレーナーを見やる。もちろんその一部始終を見ていた他の二匹は口をあんぐりと開けて唖然としていた。トレーナーは死にたくなるような恥ずかしさが体中を駆け巡り頭を掻き毟る。 (僕は何てことをしてしまったんだ!!パートナーだからってまさかリザードンにこんなことをするなんて・・・!!) 謝ろうにも何も言葉が思い浮かばないトレーナーは何とかしようとして口を開く。 「あ・・・あのっ!!そのぉ・・・リザードン?」 「・・・・・」 リザードンは依然としてトレーナーから目を離さずにじーっと見つめている。その視線だけで駄目になりそうなのを抑えながらトレーナーは言葉を続ける。 「・・・ごめんなさい。本当にそんなつもりじゃなかったんだ・・・。」 そう言い終わるとトレーナ-は頭を下げた。今のトレーナーにはそれしか出来なかったのだろう。ずっと顔を上げずに下げ続けている。そんなトレーナーを見て二匹がリザードンに言った。 「ねぇ、リザードン?ご主人はわざとやったわけじゃないんだし・・・」 「そうだよ。許してあげて。僕からもお願い。」 リザードンは二匹の言葉を聞いてから静かにトレーナーに近づく。 「り、リザードン?」 「ねぇ、フシギソウ?あれ、怒ってるの・・・かな?」 「しっ、知らないわよ!!リザードンが怒ってるのなんて見たこともないもの・・・・。」 二匹は黙って二人の成り行きを見ているしかなかった。 リザードンはトレーナーの前に立つと、ゆっくりと口を開いた。 「マスター。顔をあげてください。」 「・・・はい。」 トレーナーは言われてから顔をゆっくりとあげる。合わせづらい顔を何とか見ようとしてぎこちなく顔を上げる。 「リザードン・・・その、本当にごめ・・・」 トレーナーが言葉を発しながらリザードンの顔を見ようとした時だった。リザードンは突然トレーナーを強く抱きしめてから互いの唇を重ね合わせた。その状況理解に追いつけなかったトレーナーが、やっと気づいた頃にはリザードンによって口内で舌を犯されていた。 ---- あとがき 官能描写が入るか未だに微妙・・・。 入れるとなったら4Pになるので、キツイところです・・・。 官能描写を入れることに決定しました。 頑張って4Pに繋げます。 ---- #pcomment